JP3754803B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置であって、撮像された画像を電子的に高画質に拡大縮小処理を行う撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のディジタル信号処理技術の進歩は、映像分野に大きな発展をもたらしている。ディジタルビデオカメラや、ディジタルスチルカメラなど、ディジタル記録媒体の出現で、パソコンなどに画像データを記録し、編集、加工することが容易かつ高画質にできるような環境となってきた。
【0003】
従来、ディジタルビデオカメラでは、光学系によるズーミング以上にズーミングするために、撮像した画像を補間して拡大、縮小する電子ズームという処理が多く提案されている。これらは、以下のようなアルゴリズムを用いていた。
【0004】
ある周波数でサンプリングされた連続的な画像データがあり、その画像データを他のある周波数サンプリング間隔で線形補間していく時には、補間画素の前後にある原サンプリング画素データと、補間画素との時間的な相対位置データkが必要となる。
【0005】
これを連続的に求めていく方法としては、U.S.Pat.4,774,581に示されるような累算器を用いたメモリ読み出し手段を用いるとよい。これを、ビデオカメラに応用した例として、特開平5−328184号公報等がある。これは、線形補間のアルゴリズムを用いている。
【0006】
図10は、この線形補間のアルゴリズムの説明図で、メモリ上に蓄積された画像の一部を示したものである。Sn 、Sn-1 は、蓄積されている画素データ、S′は補間される画素データを示している。
【0007】
この時、Sn 、Sn-1 、S′の関係は、S′=Sn ・k+Sn-1 ・(1−k)で表される。これをディジタル回路で実現するためには、この式をそのまま加算器、減算器、乗算器に当てはめるか、あるいは乗算器の削減のためにこの式を変形して、S′=(Sn −Sn-1 )・k+Sn-1 としてあてはめていた。
【0008】
図11は、これら従来の線形補間方式の撮像装置の補間部分の例である。補間画素S′の直前にある原サンプリング画素データSn 、補間画素の直後に有る原サンプリング画素データSn-1、補間画素S′との相対位置データkに基づいて上述の線形補間式に基づいて、S′=(Sn −Sn-1 )・k+Sn-1 の計算を減算器61、乗算器62、加算器63によって行い、補間画素データS′を出力する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来の方式には以下のような欠点があった。上記従来例の線形補間では、回路構成は簡単になるものの、周波数特性が図12のように高周波成分が大きく減衰してしまう特性のため、解像感のない画像として拡大・縮小されてしまうという欠点があった。
【0010】
これを解決するために、特開平5−83612号公報では垂直アパーチャ信号に係数をかけた後補正する方式を提案しているが、この方式は、垂直方向には効果が有るものの、もともと図12に有るように高周波成分の減衰が大きいため、大きな改善効果は得られない。また、水平方向の劣化については補正が行われないため、水平解像度の劣化は著しい。
【0011】
また、ソフトウエア処理により、高画質な画像の拡大、縮小を行う方式も提案されているが、処理に時間がかかり、また、ソフトウエアを実行するために高性能なCPUや大容量のメモリなどが必要になる欠点が有った。
【0012】
本発明の目的は、これら従来例の欠点を除き、簡単な回路構成で、解像度の高い高画質な画像の拡大・縮小が可能な撮像装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために本発明では、撮像素子と、撮像素子の出力信号の画像を水平あるいは垂直の少なくとも1方向に拡大、あるいは縮小する事が可能な画像処理部とを有する撮像装置であって、水平方向または垂直方向に隣接する4つの画素のデータをS n 、S n−1 、S n−2 、S n−3 とし、S n−1 とS n−2 の間に補間するべき位置が有り、その位置とS n−1 との距離をS n−1 、S n−2 の距離で割った値をKとした時に行う補間処理のための前記画像処理部は、P n =KS n +(1−K)S n−3 で表される平均値P n を演算する第1演算回路と、P n−1 =KS n−1 +(1−K)S n−2 で表される平均値P n−1 を演算する第2演算回路と、Kの値に基づき新たな係数K’を演算する係数演算回路と、P n 、P n−1 、及びK’の値に基づき前記補完するべき位置における画像データ値S’を演算する第3演算回路と、を含むことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施例である。
【0015】
1はカラー撮像素子であるCCD、2は入力された垂直転送制御信号STVに応じてCCD1の駆動タイミングパルスを発生するタイミングパルス発生、3はCCD1の出力信号をサンプルアンドホールドして連続信号とするサンプルアンドホールド、4は入力信号をディジタル信号に変換するADコンバータ、5、6は与えられた書き込み制御信号WCに応じて入力信号を1水平期間遅延させるかあるいは、現在のデータを保持する1H遅延、7は入力信号から色信号R、G、Bを分離する色分離、8はローパスフィルタ、9は入力されたRGB信号に対し、クランプ、ホワイトバランス、ガンマ補正、ホワイト、ダーククリップ、色差マトリクスを行い色信号Cを形成する色信号処理、10は入力された信号に対し、クランプガンマ補正、ホワイト、ダーククリップ、輪郭強調を行って輝度信号Yを形成する輝度信号処理、11、12は与えられた読みだし制御信号RCに応じて入力信号を1水平期間遅延させた出力をそのまま出力するか、読み出しを停止するかの動作を行う1H遅延、13、14は与えられた補間係数SCHに応じて入力信号を水平4点補間する水平補間、15、16は入力信号を1水平期間、2水平期間、3水平期間それぞれ遅延させた出力を得る3H遅延、17、18は与えられた補間係数SCVに応じて入力信号の垂直補間を行う垂直補間、19は色信号Cの出力、20は輝度信号20の出力、21は、ズーム比率ZOOMの入力端子、22は入力されたズーム比率ZOOMに応じて垂直転送制御信号STV、1H遅延5、6の書き込み制御信号WCおよび垂直補間17、18の補間係数SCVを発生する垂直係数発生器、23は入力されたズーム比率ZOOMに応じて1H遅延11、12の読み出し制御信号RC、水平補間13、14の補間係数SCHを発生する水平係数発生器である。
【0016】
不図示の被写体像は、不図示の撮像光学系により、CCD1上の撮像面に結像され、光電変換される。この光電変換された電荷は、タイミングパルス2により発生される駆動タイミングパルスに応じて垂直および水平方向に転送される。この際、垂直転送制御STVが発生されると、CCD1内の垂直方向の転送を行うパルスがタイミングパルス発生2から発生されず、CCD1内の垂直方向の転送が行われない。例えば2倍の倍率で拡大を行う時は1水平期間光電変換された電荷を読み出した後、次の水平期間では垂直転送が行われず、電荷は読み出されない。この動作を繰り返し行う。CCD1では上述のように転送された電荷が出力部で電荷電圧変換され、撮像信号として出力される。
【0017】
この撮像信号はサンプルアンドホールド3で連続化され、ADコンバータ4でディジタル信号に変換された後、1H遅延5に入力される。
【0018】
1H遅延5で1水平期間遅延された出力は色分離7、ローパスフィルタ8に入力されると同時に1H遅延6に入力され、さらに1水平期間の遅延が行われる。
【0019】
また、1H遅延5、および6では前述のようにCCD1の垂直転送が停止された時は、垂直係数発生器22から書き込み制御信号WCが発生され、書き込みが行われず、同じ信号が次の水平期間においても読み出される。
【0020】
色分離7には、前述の1H遅延5および6の出力が入力される。色分離7の構成はCCD1の撮像面上のモザイク色フィルタの構成によって異なってくるが、例えば、多く用いられている黄、シアン、緑、マゼンタの繰り返しにより構成されるフィルタでインターレース読み出しの場合、2水平期間の信号を演算する事により、R、G、Bの信号が得られる。このR、G、Bの信号は、色信号処理9において上述のプロセス処理を行い、色信号Cが形成される。この色信号は、後段のディジタル処理に適した形式たとえば、Cr、Cbの時分割多重形式などで出力される。
【0021】
また、ローパスフィルタ8は、CCD1の上述のモザイク色フィルタによって生ずる色キャリアを取り除き輝度信号を取り出す特性に設定される。このローパスフィルタの出力は輝度信号処理10において前述のプロセス処理が行われ、輝度信号Yが形成される。
【0022】
上述のように形成されたC及びYは、まず1H遅延11、12に入力される。この1H遅延11、12では書き込まれた入力信号が、1水平期間遅延されると同時に、水平係数発生器23により発生される読み出し制御信号RCに応じて読み出しが行われる。この1H遅延11、12の出力は、水平補間13、14にそれぞれ入力される。水平補間13、14では、水平係数発生器23により発生された補間係数SCHに応じて水平方向の4点補間が行われる。
【0023】
水平補間13、14の出力は、3H遅延15、16にそれぞれ入力される。3H遅延15、16ではそれぞれ入力信号を1H、2H、3H遅延した出力を生成し、遅延されていない信号と共に垂直補間17、18にそれぞれ入力される。
【0024】
垂直補間17、18では垂直係数発生器22より発生された補間係数SCVに応じて入力された4つの信号から、4点補間を行い、補間された信号をそれぞれ出力し、色信号出力端子19、輝度信号出力端子20から不図示のVTRあるいはテレビモニタなどの外部の機器に出力される。
【0025】
ズームボリュームや、ズームスイッチなどの設定手段により設定されたズーム比率ZOOMは入力端子21から入力され、垂直係数発生器22および水平係数発生器23に入力される。垂直係数発生器22では、入力されたZOOM信号に応じて、タイミングパルス発生2の垂直転送制御信号STV、1H遅延5、6の書き込み制御信号WC、垂直補間17、18の補間係数SCVを発生し、垂直方向に所定の倍率で拡大あるいは縮小された画像信号を形成するように動作する。
【0026】
また、水平係数発生器23では、入力されたZOOM信号に応じて、1H遅延11、12の読み出し制御信号、水平補間13、14の補間係数SCHを発生して、水平方向に所定の倍率で拡大あるいは縮小された画像信号を形成するように動作する。
【0027】
図2は本発明の実施例中、垂直補間18の詳細例を示す。101、102、103、104、105は入力端子、106、109、112、115は減算器、107、110、113、116は乗算器、108、111、114は加算器、117は出力端子である。入力端子101は図1中水平補間14の出力信号Snを入力する。入力端子102は3H遅延16の出力のうち1H遅延された信号Sn-1を入力する。入力端子103は3H遅延16の出力のうち2H遅延された信号Sn-2を入力する。入力端子104は3H遅延16の出力のうち3H遅延された信号Sn-3を入力する。入力端子105は垂直係数発生器22の出力のうち補間係数SCVを入力する。
【0028】
SnとSn-3はまず減算器106で減算された後乗算器107でSCVと乗算される。その出力は加算器108でSn-3と加算され、信号Pnとなる。
【0029】
SCVの値をKとすると、この信号Pnは、SnとSn-3をK及び(1−K)を重みとして加算平均した平均値になる。
【0030】
また、Sn-1とSn-2はまず減算器109で減算された後、乗算器110でSCVと乗算され、加算器111でSn-2と加算され、信号Pn-1となる。
【0031】
この信号Pn-1は、Sn-1とSn-2をK及び(1−K)を重みとして加算平均した平均値になる。PnとPn-1は減算器112で減算された後、乗算器113で後述するSCV2と乗算され、加算器114でPn-1と加算され、垂直補間された輝度信号Svとなり前述の輝度信号出力端子117より出力される。
【0032】
入力されたSCVはまた、乗算器116でSCV自身と乗算された後、SCV自身と減算され、SCV2となる。このSCV2は前述のように乗算器113に入力される。
【0033】
なお、垂直補間17も、図2と同一の構成で実現可能である。
【0034】
図3は本発明の実施例中の水平係数発生器23の詳細例である。
【0035】
121はズーム係数入力端子21から入力されたズーム係数の入力端子、122は加算器、123はレジスタ、124は読み出し制御RCの出力端子、125は補間係数SCHの出力端子である。
【0036】
入力端子121から入力されたズーム係数は、加算器122において、レジスタ123の出力のうち最上位ビットを除いた信号と加算され、その出力はレジスタ123に保持される。レジスタ123は1クロック毎にデータが更新される。レジスタ123の出力は、前述のように最上位ビットを除いた信号を加算器122に入力すると共に、最上位ビットを読み出し制御RCとして出力端子124から出力し、最上位ビットを除いた値を補間係数SCHとして出力端子125から出力する。この動作としては、例えばSCHが8ビット、RCが1ビットとすると、レジスタ123は9ビットになる。ズーム係数は9ビットで、1倍である時は、256であるとする。この時、加算器122では常に256が加算されるため、下位の8ビットは常に0になる。また、最上位のビットは常に1になる。レジスタ123にはこの値が保持され、RCは常に1、SCHは常に0となり、前述の1H遅延からは常にデータが読み出され、水平補間においては補間が行われず、全体として水平方向には拡大されず、拡大率は1倍になる。
【0037】
またズーム比約2倍の時は、ZOOMの値は128になり、レジスタ123の値は0 128 256 128 256と変化する。この時最上位ビットは00 1 0 1となり、はじめを除いては、2画素期間に1画素ずつ読み出しが行われ、係数は0 0.5 0 0.5 0と変化する事がわかる。
【0038】
垂直係数発生器22の動作も、垂直方向に1画素は1水平期間のずれになることを考慮すれば、上述と同等の構成で実現できる。
【0039】
図4は、図2の垂直補間18の特性図である。
【0040】
前述の構成によって与えられた特性を周波数変換して、周波数レスポンスを得て、これを正規化周波数に対応して表した図である。従来の線形補間の図12と比較して高周波域の減衰量が大幅に少なくなっている。
【0041】
図5は本発明の実施例中14の水平補間の詳細例を示す。
【0042】
201、202は入力端子、203、204、205は1画素分の遅延を行う1クロック遅延、206、209、212、215は減算器、207、210、213、216は乗算器、208、211、214は加算器、201は出力端子である。
【0043】
入力端子201から図1中1H遅延12からの出力がSnとして入力される。また、入力端子202から、水平係数発生器23からの補間係数出力がSchとして入力される。入力されたSnはまず、1クロック遅延203、204、205によりそれぞれ1画素分ずつ遅延される。それぞれの出力をSn-1、Sn-2、Sn-3とする。
【0044】
SnとSn-3はまず減算器206で減算された後乗算器207でSchと乗算される。その出力は加算器208でSn-3と加算され、信号Pnとなる。
【0045】
また、Sn-1とSn-2はまず減算器209で減算された後、乗算器210でSCVと乗算され、加算器211でSn-2と加算され、信号Pn-1となる。
【0046】
PnとPn-1は減算器212で減算された後、乗算器213で後述するSch2と乗算され、加算器114でPn-1と加算され、水平補間された輝度信号Shとなり前述の輝度信号出力端子207より出力される。
【0047】
入力されたSchはまた、乗算器216でSch自身と乗算された後、Sch自身と減算され、Sch2となる。このSch2は前述のように乗算器213に入力される。
【0048】
水平補間13の構成は概ね図5と同一になるが、色信号がCr、Cbの点順次であるため、1クロック遅延が2クロック遅延になる点と、画素間の距離が2倍になるため係数が1/2になる点が図4と異なる。
【0049】
図6は本発明の実施例の説明図である。
【0050】
図6Aは水平補間14による水平方向の補間の動作を表している。原画素Sn、Sn-1、Sn-2、Sn-3に対してSn-1とSn-2の間の補間画素S′の値を求める。
【0051】
まず、Sn-1、Sn-2からの距離の比率を(1−k):kとして求める(0<=K<1)。
【0052】
次に、このkに応じて、水平方向の周囲の画素Sn、Sn−1、Sn−2、Sn−3の値に重み付けを行い、加算する事により、補間画素S′の値を求める。この時用いる係数を得るための構成が前述の図5の構成である。この構成は、補間の際の周波数レスポンスにおける高周波域の減衰量を大幅に少なくする。
【0053】
図6Bは垂直補間18による垂直方向の補間の動作を表している。図6Aと同様に、原画素Sn、Sn-1、Sn-2、Sn-3に対してSn-1とSn-2の間の補間画素S′の値を求める。
【0054】
この時用いる係数を得るための構成が前述の図2の構成である。
【0055】
図7は本発明の第2の実施例である。
【0056】
前出の図と同一もしくは同等部は同一符号を付している。
【0057】
301、302はフィールドメモリ、303は読み出しアドレス発生である。
【0058】
不図示の被写体像は、不図示の撮像光学系により、CCD1上の撮像面に結像され、光電変換される。この光電変換された電荷は、タイミングパルス2により発生される駆動タイミングパルスに応じて垂直および水平方向に転送される。CCD1では転送された電荷が出力部で電荷電圧変換され、撮像信号として出力される。
【0059】
この撮像信号はサンプルアンドホールド3で連続化され、ADコンバータ4でディジタル信号に変換された後、1H遅延5に入力される。
【0060】
1H遅延5で1水平期間遅延された出力は色分離7、ローパスフィルタ8に入力されると同時に1H遅延6に入力され、さらに1水平期間の遅延が行われる。
【0061】
色分離7には、前述の1H遅延5および6の出力が入力される。色分離7の構成はCCD1の撮像面上のモザイク色フィルタの構成によって異なってくるが、例えば、多く用いられている黄、シアン、緑、マゼンタの繰り返しにより構成されるフィルタでインターレス読み出しの場合、2水平期間の信号を演算する事により、R、G、Bの信号が得られる。このR、G、Bの信号は、色信号処理9において上述のプロセス処理を行い、色信号Cが形成される。この色信号は、後段のディジタル処理に適した形式たとえば、Cr、Cbの時分割多重形式などで出力される。
【0062】
また、ローパスフィルタ8は、CCD1の上述のモザイク色フィルタによって生ずる色キャリアを取り除き輝度信号を取り出す特性に設定される。このローパスフィルタ8の出力は輝度信号処理10において前述のプロセス処理が行われ、輝度信号Yが形成される。
【0063】
上述のように形成されたC及びYは、フィールドメモリ301、302に入力される。このフィールドメモリ301、302では書き込まれた入力信号が、1フィールド期間遅延され、読み出しアドレス発生303により発生される読み出しアドレスRAC、RAYにそれぞれ応じて読み出しが行われる。この読み出しアドレスRAC、RAYは、垂直係数発生器22により発生される垂直読み出し制御RCVおよび水平係数発生器により発生される水平読み出し制御RCHによりそれぞれ制御され、ズーム係数入力端子21から入力された値に応じて読み出しアドレスを発生する。たとえば、ズーム係数が2倍の拡大を表す値である時は、水平方向、垂直方向ともに2画素分の期間に1画素が読み出されるように制御される。
【0064】
このフィールドメモリ301、302の出力は、水平期間13、14にそれぞれ入力される。水平補間13、14では、水平係数発生器23により発生された補間係数SCHに応じて水平方向の4点補間が行われる。
【0065】
水平補間13、14の出力は、3H遅延15、16にそれぞれ入力される。3H遅延15、16ではそれぞれ入力信号を1H、2H、3H遅延した出力を生成し、遅延されていない信号と共に垂直補間17、18にそれぞれ入力される。
【0066】
垂直補間17、18では垂直係数発生器22より発生された補間係数SCVに応じて入力された4つの信号から、4点補間を行い、補間された信号をそれぞれ出力し、色信号出力端子19、輝度信号出力端子20から不図示のVTRあるいはテレビモニタなどの外部機器に出力される。
【0067】
ズームボリュームや、ズームスイッチなどの設定手段により設定されたズーム比率ZOOMは入力端子21から入力され、垂直係数発生器22および水平係数発生器23に入力される。
【0068】
垂直係数発生器22では、前述のように、入力されたZOOM信号に応じて、読み出しアドレス発生303および3H遅延15を制御するの垂直読み出し制御信号RCV、垂直補間17、18の補間係数SCVを発生し、垂直方向に所定の倍率で拡大あるいは縮小された画像信号を形成するように動作する。
【0069】
また、水平係数発生器23では、入力されたZOOM信号に応じて読み出しアドレス発生303の水平読み出し制御信号RCH、水平補間13、14の補間係数SCHを発生して、水平方向に所定の倍率で拡大あるいは縮小された画像信号を形成するように動作する。
【0070】
図8は本発明の第3の実施例を示す図である。
【0071】
310はタイミングパルス発生と異なる周波数のクロックを発生するクロック発生、311、312は入力信号は書き込みクロックに同期して連続で書き込み、出力信号は読み出しクロックと読み出しアドレスに応じて読み出す方式のデュアルポートタイプなどと呼ばれる1水平期間分の1Hメモリである。
【0072】
CCD1から色信号処理9、輝度信号処理10の出力までの信号の流れは前出の実施例と同一である。
【0073】
色信号処理9の出力Cおよび輝度信号処理10の出力Yは1Hメモリ311、312に入力される。
【0074】
1Hメモリ311、312では書き込みはタイミングパルス発生2より発生されるCCD1の水平転送クロックと同期したクロックCK1に同期して連続で行われる。
【0075】
読み出しは、クロック発生310から発生された前述のようにCK1とは異なる周波数のCK2と、水平係数発生器23から発生される水平読み出し制御RCHに応じて読み出しアドレス発生で発生された読み出しアドレスRACおよびRAYに応じて行われる。
【0076】
この動作は、以下のように行われる。なお、説明の簡略化のため輝度信号のみについて説明する。
【0077】
CK1の周波数FCK1とCK2の周波数FCK2の比率FCK2/FCK1がKである時、1Hメモリ312の出力は、読み出しクロックの周波数はFCK2であって、読み出しのデータレートはFCK1と同じになるように読み出しアドレスRAYが発生される。水平補間14では1Hメモリ312から読み出された、上述のようにCK2に同期し、データレートがFCK1である信号を入力して、これを水平方向にK倍に補間し、その補間された信号を出力する。これにより出力端子20から出力される輝度信号のデータレートはFCK2になる。
【0078】
例えばKが5/4であるとすると、1Hメモリ312からの出力はFCK2の周波数に同期して出力されるが、その出力は5クロック毎に4個のデータが出力される。つまり、5クロックに1度は同じデータが2度出力される。水平補間14ではこのデータをもとに前述のような4点補間を行い、5つの補間されたデータを生成して出力する。したがって、水平補間14の出力においては、クロック周波数、データレートともにFCK2になる。
【0079】
図9は本発明の第4の実施例を示す図である。
【0080】
320、321は書き込みは書き込みアドレスに応じて行い、読み出しは順次走査により行う方式のフィールドメモリ、322はフィールドメモリの書き込みアドレスを発生する書き込みアドレス発生である。
【0081】
CCD1から色信号処理9、輝度信号処理10の出力までの信号の流れは前出の実施例と同一である。
【0082】
色信号処理9の出力Cおよび輝度信号処理10の出力Yは3H遅延15、16に入力される。
【0083】
3H遅延15、16では1水平期間、2水平期間、3水平期間遅延した信号をそれぞれ出力し、その入力信号と共に垂直補間17、18にそれぞれ入力させる。
【0084】
垂直補間17、18では水平係数発生器22から発生された補間係数SCVに応じて、前述の4点補間の方式により垂直方向に画素を補間する。それらの出力は、それぞれ水平補間13、14に入力される。水平補間13、14では、入力された信号を、水平係数発生器23から発生される補間係数SCHに応じて前述の4点補間の方式により水平方向に画素を補間する。それらの出力は、フィールドメモリ320、321に入力される。
【0085】
フィールドメモリ321では、入力信号が書き込みアドレス発生322により発生される書き込みアドレスWAYに応じて書き込まれる。この時、ズーム比入力端子21に入力されたズーム比率に応じて、フィールドメモリ上に、縮小された画像が書き込まれるようにアドレスWAYが発生される。
【0086】
例えば、ズーム比率が1/2の縮小を表す場合、アドレスは、水平方向2画素期間に1ずつ、垂直方向にも2ライン期間同じアドレスが発生され、フィールドメモリ上の画像が1/2に縮小された画像になるように動作する。
【0087】
またズーム比率が1と1/2の間である時は、垂直補間18、水平補間14により、垂直、水平方向に補間された後、ズーム比率に応じてアドレスの増加を制御して書き込み、フィールドメモリ上の画像がズーム比率の値に縮小された画像となるように動作する。
【0088】
フィールドメモリ、320の動作も上述とほぼ同じであるが、色信号は時分割多重されているため、2画素分のデータを1つのまとまりとして扱う。
【0089】
フィールドメモリ320、321では、上述の動作により書き込まれた画像を順次読み出す事により、縮小された画像の色信号及び輝度信号が読み出され、出力端子19、20からそれぞれ出力される。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、撮像素子の出力信号の画像を水平あるいは垂直の少なくとも1方向に拡大、あるいは縮小する際に、水平、あるいは垂直方向に隣接する、4点の画像データをもとにそれらの画素の間のある位置の補間された画像データを得る事により、周波数特性の優れた画像劣化の非常に少ない拡大、縮小画像を得る事が可能になる。
【0091】
また、さらに、本発明の4点の画像データをもとに補間データを生成する際、隣接する4つの画素のデータをD0、D1、D2、D3とし、D1とD2の間に補間するべき位置が有り、その位置とD1との距離をD1、D2の距離で割った値をKとした時に、まず、D0とD3、D1とD2の2つの組み合わせにおいて、それぞれの組のデータを前者に対してK、後者に対して(1−K)を重みとして加算平均した平均値を求め、それら2つの平均値をもとに前述の補完するべき位置における画像データを得る事により、整数演算のみで画像データの演算が出来るため、ハードウエアによる実現が非常に容易に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例図。
【図2】垂直補間回路の例を示す図。
【図3】水平係数発生器の例を示す図。
【図4】図2の垂直補間の特性図。
【図5】水平補間の詳細例を示す図。
【図6】Aは水平補間動作の説明図。Bは垂直補間動作の説明図。
【図7】本発明の第2実施例図。
【図8】本発明の第3実施例図。
【図9】本発明の第4実施例図。
【図10】従来の線形補間の説明図。
【図11】従来の補間回路例を示す図。
【図12】従来の周波数特性図。
Claims (2)
- 撮像素子と、撮像素子の出力信号の画像を水平あるいは垂直の少なくとも1方向に拡大、あるいは縮小する事が可能な画像処理部とを有する撮像装置であって、
水平方向または垂直方向に隣接する4つの画素のデータをS n 、S n−1 、S n−2 、S n−3 とし、S n−1 とS n−2 の間に補間するべき位置が有り、その位置とS n−1 との距離をS n−1 、S n−2 の距離で割った値をKとした時に行う補間処理のための前記画像処理部は、
P n =KS n +(1−K)S n−3 で表される平均値P n を演算する第1演算回路と、
P n−1 =KS n−1 +(1−K)S n−2 で表される平均値P n−1 を演算する第2演算回路と、
Kの値に基づき新たな係数K’を演算する係数演算回路と、
P n 、P n−1 、及びK’の値に基づき前記補完するべき位置における画像データ値S’を演算する第3演算回路と、を含むことを特徴とする撮像装置。 - 前記係数演算回路は、K’=K−K 2 で表される係数K’を演算し、前記第3演算回路は、S’=−K’P n +(K’+1)P n−1 で表される前記補完するべき位置における画像データ値S’を演算することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
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