JP3754784B2 - 送風機用羽根車の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は熱膨張性のマイクロカプセルを一旦ペレット化してマスターバッチとし、これをオレフィン系の熱可塑性樹脂材料のペレットと混合した材料にて送風機用羽根車を射出成形し、マイクロカプセルが膨張して羽根車に微細な中空球体を呈するようにした送風機用羽根車の製造方法に関し、特に樹脂成形時における羽根車の羽根の厚みを理想通りの厚肉に形成してもヒケやソリを無くし送風機用羽根車の性能向上(騒音及び送風機全圧効率、静圧効率)を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の送風機は金属プレス加工によるものが多用されていたが、特に近年では樹脂成形によるものが多用されるようになってきた。
また、この種の送風機用羽根車においては、性能を向上させるために羽根車の羽根部断面形状を、NACA系列とかGottingen(ゲッチンゲン)翼列とかの翼理論に準じた形状とすることが推奨されている。この場合、羽根部断面積はいわゆる流線形を基本とした翼形状に設定されることになる。
例えば、家庭用エアコンの室外機に用いられる羽根車では、直径がφ300mm程度あるため羽根部の最大肉厚は理論上約15mm前後になる。
【0003】
ところで、この厚さのものをインジェクション成形すれば当然ながら樹脂の熱収縮によるヒケや反りにより羽根の表面に凹凸が生じ、羽根表面に沿った層流の流れに剥離が生じ乱流が発生して騒音が高くなる。なお、前記のヒケや反りを防止するために冷却時間を長くして徐冷することも行われているが、これは成形サイクルタイムのアップとなり生産性の低下をきたすことになる。
従って、従来は、主として製造上の制約から、樹脂成形であれば理論形状の中間断面形状、もしくは圧力面側の形状に合わせた均一肉厚(たとえば2〜4mm)の羽根部形状としていた。
【0004】
また、近年この翼理論に準じた厚肉翼を樹脂成形で実現する手段として中空成形法とか二回成形法とかの方法が採用されつつある。
前者の中空成形法では熱可塑性の溶融樹脂を金型のキャビティに射出した後、前記キャビティに圧縮窒素などの不活性ガスを圧入して、複数の羽根内部に中空部を成形する羽根車の成形方法である。また、後者の二回成形法では、厚肉部分を二回に分けて成形する方法であり、まず厚肉翼の半分の厚肉部分を成形し、その後残りの部分を再度成形する方法である。
【0005】
また、従来品における射出成形法では、型から取り出した後の変形を防止するために寸法安定剤として樹脂の中に多量のタルクや層状雲母を細かく粉砕したマイカを混合させていた。
この理由は、送風機用羽根車1の羽根部は、ハブ部から片持ち状態となり成形後金型から取り出した後、羽根の自重により下方へ変形し易くなるため、成形金型内において十分冷却してから取り出す必要があるが生産性の関係からある程度冷却した段階で取り出さなければならないためである。
【0006】
一方、製品の軽量化を図るためにガラス中空ビーズを用いた各種の製品が提案されている。
例えば、実開昭59−182463,実開昭59−182464号に示される軽量化ハンドル、また実開平6−71411号に示される食品用容器等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の中空成形方法では、圧入したガスの充填で樹脂の肉厚をインジェクション成形並に、均一にコントロールすることが出来ない。これは、全てのブレード部分に流入する樹脂の粘度、温度、射出圧力、射出量を全く同じにすることにより可能となるが現実の射出成形でこれを実現することは不可能であり、羽根車の中空部は成り行き任せであった。
【0008】
また、送風機用羽根車は、回転体であるから当然重量のバランスのとれていることが必要である。JISB0905「回転機器の釣り合い良さ」に規定されているように回転体の振動、騒音を抑えるためには使用される目的により重量アンバランスを修正する必要がある。
【0009】
しかし、前記の如く中空部が成り行き任せであれば重量バランスも成り行き任せであり、成形後、大きな重量アンバランスが生じた場合には後工程でバランス修正しても修正しきれないことになる。
そこで、前記二回成形法を行う事になるが、サイクルタイムの大幅な増加となり効率的な成形方法とは言えなかった。
【0010】
二回成形法では、15mm前後もある厚肉部分が中実となることにより重量が非常に大きくなり、モータの起動トルクを必要としモータの大容量化につながり効率向上を図ることができなかった。
【0011】
また、前記のタルクやマイカは寸法安定剤としては効果的であるが、重量が重いというデメリットのほか、ヒケ、変形防止材料としての効果には限度があった。その理由はマイカは鱗片状の無機物であり、長さ方向の寸法安定性向上には効果的であるが、厚さ方向の収縮防止等の寸法安定性には効果的ではない。
【0012】
つまり、従来の寸法安定剤であるタルク、マイカは前述したごとく、不規則表面性状をした細分、鱗片状の薄い細片であるため樹脂がキャビティ内に流動、固化していく際、添加物の表面状態により硬化の度合いが異なり、圧力のかかる部分とかからない部分、また密に充填される部分と疎に充填される部分が生じ残留応力となりこの差が金型から取り出した後変形につながっていた。
【0013】
また、従来のガラス中空ビーズを用いた各種の樹脂製品においては、中空ビーズが製品の芯材として配置されるように樹脂の射出成形用ノズルの他に中空ビーズの供給ノズルを必要とし射出成形がかなり複雑であった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、送風機用羽根車1を構成する複数枚の羽根部2及びハブ部3を射出成形するにあたり、熱膨張性のマイクロカプセルを一旦ペレット化してマスターバッチとし、これをオレフィン系の熱可塑性樹脂材料のペレットと混合した材料にて送風機用羽根車を射出成形し、マイクロカプセルが射出成形機のシリンダ内、即ちミキシング工程の材料の加熱によりマイクロカプセルの膨張をほぼ完了させるようにしたものであるから、従来の工法に比べて羽根の断面肉厚が厚いものであっても成形時の熱収縮による歪みが生じることがなく空気力学的に流れの剥離等の生じない理想の翼形状とすることができ、且つ大幅な軽量化が図れる送風機用羽根車の提供を目的とするものである。
【0015】
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂の殻でてきた中空の球体内にガスを含有した熱膨張性マイクロカプセルを一旦ペレット化したマスターバッチを、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂材料の樹脂ペレットに混合してなる材料にて、送風機用羽根車1を構成する複数枚の羽根部2及びハブ部3を射出成形するにあたり、射出成形機のシリンダ内にて熱膨張性マイクロカプセルに含有するガスの膨張をほぼ完了させ、膨張した中空の球体を含む溶融樹脂をキャビティ内に射出し、成形品中に微細な中空球体を均一に分散させるようにしたことを特徴とする送風機用羽根車の製造方法である。また、前記オレフィン系樹脂材料は耐候性処方を施したものである。
【0016】
また、羽根車の断面がコの字状に形成されているハブ3部の外側又は内側の壁面コーナーもしくは両側のコーナーにアール部分12を設けると共にリブ部5の肉厚に対して2〜3倍の厚肉に形成したハブ3部の内面に、複数のリブ部5を放射状に設けたことを特徴とする請求項1記載の送風機用羽根車の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る送風機用羽根車の外観斜視図である。
送風機用羽根車は、中央のハブ部3の中心にモータのシャフトと結合するためのボス部4が形成されており、ハブ部3の周囲に複数枚の羽根部2が設けられている。この羽根部2は、図3に示す通り、ハブ部3への取り付け部分が最も厚肉となり外周へいくに従って徐々に薄くなっている。
また、羽根車2の断面形状は、図2に示す通り翼形形状となっており薄肉〜厚肉〜薄肉へと徐々に変化している。なお、8はモータシャフト10との嵌合をより確実に行う為にインサート成形された金属製のワッシャである。
【0018】
次に、本発明で用いる樹脂材料及び熱膨張性マイクロカプセルについて説明する。
本発明の羽根車は、熱膨張性マイクロカプセルを一旦ペレット状に加工しマスターバッチとし、このマスターバッチを熱可塑性樹脂に混合してなる材料にて射出成形されている。
本発明に用いる母材となる熱可塑性樹脂樹脂は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系の樹脂材料である。以下にこの理由を説明する。
現在、熱膨張性マイクロカプセルは、例えば日本フェライト(株)製のEXPANCEL等が挙げられる。この熱膨張性マイクロカプセルは、イソブタン、イソペンタン等の炭化水素を塩化ビニリデン/アクリロニトリルの共重合体等のガスバリヤー効果の大きい熱可塑性樹脂の殻で包んだものである。
この熱膨張性マイクロカプセルの膨張率には温度依存性があり、射出成形用として使用できるものは、今のところ150°Cで50%、180°Cでほぼ98%の膨張を完了するタイプのものがある。[具体的な商品名は、日本フェライト(株)製のEXPANCEL 092(DU)−120]
【0019】
熱膨張性マイクロカプセルは、膨張前は30μm〜40μmであり、150°C〜180°Cに加熱されると直径約120μmとなる。しかし、その厚みは約0.1μmという非常に薄いものである。従って、射出成形時に高い温度、高い圧力がかかると膨張したマイクロバルーン(膨張した後の中空球体)が破壊することになる。このため熱膨張性マイクロカプセルを使用して射出成形するには非常に厳しい成形条件管理が要求され、また使用できる樹脂材料は比較的低い温度で成形でき、かつ流動性のよい材料に限定される。
【0020】
一方、送風機用羽根車として要求される性能は、
1.送風機用羽根車は、エアコンの室外機のフアンとして使用されることから特に耐熱性、耐寒性、耐候性が要求される。
2.最近の樹脂部品に求められるリサイクル対応が可能であること。
3.素材自体が軽量であること。
4.樹脂材料が入手しやすくかつ安価であること。
以上のような成形性と、製品としての要求性能を満足できる材料として、本発明では母材となる熱可塑性樹脂材料を、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系の樹脂に限定している。
【0021】
また、前記オレフィン系のポリプロピレン、ポリエチレンは比較的耐候性のよい材料であるが、エアコン室外機として用いるフアンの場合は、使用期間が10年以上もあり且つ直射日光にさらされることがあるため、本発明の好ましい実施形態としては、樹脂中に例えばベンゾトリアゾール系の耐候剤を入れて特に紫外線を吸収し熱エネルギーに変換して樹脂の劣化を防止するとよい。
【0022】
次に、本発明における樹脂材料の組成並びに射出成形条件について説明する。
熱膨張性マイクロカプセルを射出成形する際のポイントは、特に直径120μm、外殻の厚み約0.1μmのマイクロバルーンをいかに破壊させずに成形品の中に均一に分散させるかということである。また、製品の品質上からは羽根表面に沿った流れをいかに剥離させずに乱流を生じさせないかということであり、そのためには羽根表面を平滑に形成することが必要である。
【0023】
また、製品の重量低減をはかるためには、表面の平滑性を保つための固化層(スキン層)を薄くしてマイクロバルーンが均一に分散した膨張層を厚くするのがよい。本発明者は、成形条件を種々検討し次の成形条件により本発明の送風機用羽根車1を製作した。
【0024】
材料の配合比率としては、ポリプロピレン90重量部に、熱膨張性マイクロカプセルを3重量部含有したペレット10重量部を添加混合した。
また、射出成形については、射出成形機のシリンダ内で熱膨張性マイクロカプセルに含有したガスの膨張をほぼ完了させ、膨張した中空の球体を溶融樹脂と共に金型に注入し、微細な中空球体が成形品中に均一に分散できるようにした。この時の樹脂の温度は150〜180°C、可塑化時間は約60sec、射出時間は約1.0sec、保圧なし、背圧0〜3kg/cmm2 、冷却時間は90〜180sec、金型温度は約60〜80℃である。
【0025】
上記の成形条件にて射出成形を行った場合、本発明の成形品の表面にスキン層(固化層)を形成させることができる。
つまり、通常の射出成形における金型温度40〜50°Cに対して、金型温度を60〜80°Cと高くすることにより、表面側にでてくるマイクロバルーンを破壊させてスキン層を形成させている。
また、樹脂材料としては、母材となる流動性のよいオレフイン系の樹脂と流動性のよくない膨張した熱膨張性マイクロカプセルを含む樹脂とがシリンダ内で混練されて射出されるようになっているが、実際には先に流動性のよいオレフイン系樹脂が先に流れ、その瞬時後に膨張した熱膨張性マイクロカプセルを含む樹脂が射出されるようになっている。つまり、膨張材の混練により流動性の差が出やすいオリフイン系のポリプロピレン等を用いることにより成形品の表面側にスキン層を形成させている。
なお、スキン層を形成させる別の手段としては、射出圧縮成形をおこなってもよい。
【0026】
また、前記熱膨張したマイクロバルーンを成形品の中に均一に分散させるためには、溶融樹脂中に均一に分散したマイクロバルーンを破壊させずに且つ羽根部2に均一に射出することが必要である。そのため、本発明においては前述のごとく羽根車の成形条件を検討すると共に、製品形状の面からも成形しやすい羽根車の形状につてい検討した。
【0027】
通常、羽根車のハブ部3は強度上の観点より、その内面にフアンボス4からハブ部3に向けて複数個のリブ部5を放射状に設けるようにしている。なお、このリブ5はハブ部3の円筒部分が内側に変形するのを防止するためである。
そして、従来の成形品であればハブ部3、リブ部5ともほぼ均一な厚みに設計されていた。(樹脂の流れを考慮し、ハブ部もリブ部も約2.5〜3.0mm程度の肉厚になっていた。)
【0028】
しかし、本発明の送風機用羽根車1においては、マイクロバルーンを羽根部2に均一に流動させるため、リブ部の肉厚(従来品と同じ)に対してハブ部の肉厚を2〜3倍の厚肉に設計されている。また、ハブ3部の外側及び内側の壁面コーナー部にはアール部分12を設けている。
このようにすることにより、ハブ部の上面に射出成形用のゲートを設けた場合、樹脂は厚肉のハブ部3とコーナーのアール部形成と相まってハブ部3から羽根部へと抵抗なく流れマイクロバルーンに過度な圧力がかからず、その結果、マイクロバルーンが破壊されることなく羽根部2へ導かれる。また、形状的に薄くなる羽根の後縁部には、金型にガス抜きを設けて溶融樹脂が流動しやすくなる方法をとっている。
【0029】
次に、本発明の送風機用羽根車のバランス調整について説明する。
送風機用羽根車は、回転させて使用するものであるからバランスが取れていることが大切である。
一般的に、樹脂製の送風機用羽根車は、トライ成形時にアンバランス位置を確認し、そこを削るかまたはその反対位置に肉付けし成形時にアンバランスが生じないように金型を修正することが行われている。しかし、金型でアンバランス修正ができない場合には、後工程でバランス修正を行わなければならない。
【0030】
本発明の送風機用羽根車は、この後工程でのバランス取りを容易に行えるように、ハブ部3の内側に放射状に形成したリブ部5の外縁近傍にボス部6を同芯円上に設け、このボス部6にバランス調整用ねじ7を締め付けることによりバランス取りが行えるようになっている。
【0031】
上記の如く成形条件、製品仕様を検討して製作した本発明の送風機用羽根車1は、
1.熱膨張性マイクロカプセルを含有しない場合に比べて約30%の重量低減を図ることができた。
2.外観上、ヒケ、反り等がなく、かつ各ブレードの重量分布が均一な理想の翼形状を得ることができた。
また、厚さ約15mm程度の翼断面は、金型の温度を従来よりも高くしたり、膨張材の混練により流動性の差が出やすいオリフイン系のポリプロピレン等を用いることにより、表面に1〜2mmの固化層(スキン層)、内部はマイクロバルーンが均一に分散した均質な膨張層ができた。
3.マイクロバルーン(微細な中空球体)は内部が中空であるから、内部の空間が防音効果を果し、騒音の低減を図ることができた。
4.分散した熱膨張性マイクロカプセルはシリンダ内の混練により瞬時に個々に膨張を終えるから、厚肉成形であるにもかかわらず、通常の射出成形品とほぼ同じ成形サイクルタイムで成形が可能である。
5.樹脂材料中に耐候剤を入れてあるため、紫外線による劣化が少なく屋外で長期間使用することができる。
6.金型の修正によりバランスが取れない場合でも、バランス調整ねじをボス部にねじ込むことによって極めて容易にバランス修正ができる。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明により理解されるごとく、本発明は送風機用羽根車1を構成する羽根部2とハブ部3を有機系マイクロバルーン(微細な中空球体)を含有した熱可塑性樹脂材料で成形したものであるから、羽根部の肉厚を理想の厚みに成形でき、性能面の向上、軽量化、生産性向上がはかれ、その実用的効果は極めて大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の送風機用羽根車の外観斜視図。
【図2】 同羽根車の羽根部のA−A断面図。
【図3】 同羽根車をモータのシャフトに取り付けた状態を示す縦断正面図。
【図4】 羽根車を底面から見たハブ部の部分図。
【符号の説明】
1.送風機用羽根車 2.羽根部 3.ハブ部 4.ボス部
5.リブ 6.ボス部 7.バランス調整用ねじ
8.ワッシャ 9.モータ 10.モータシャフト
11.ナット 12.アール部
【産業上の利用分野】
本発明は熱膨張性のマイクロカプセルを一旦ペレット化してマスターバッチとし、これをオレフィン系の熱可塑性樹脂材料のペレットと混合した材料にて送風機用羽根車を射出成形し、マイクロカプセルが膨張して羽根車に微細な中空球体を呈するようにした送風機用羽根車の製造方法に関し、特に樹脂成形時における羽根車の羽根の厚みを理想通りの厚肉に形成してもヒケやソリを無くし送風機用羽根車の性能向上(騒音及び送風機全圧効率、静圧効率)を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の送風機は金属プレス加工によるものが多用されていたが、特に近年では樹脂成形によるものが多用されるようになってきた。
また、この種の送風機用羽根車においては、性能を向上させるために羽根車の羽根部断面形状を、NACA系列とかGottingen(ゲッチンゲン)翼列とかの翼理論に準じた形状とすることが推奨されている。この場合、羽根部断面積はいわゆる流線形を基本とした翼形状に設定されることになる。
例えば、家庭用エアコンの室外機に用いられる羽根車では、直径がφ300mm程度あるため羽根部の最大肉厚は理論上約15mm前後になる。
【0003】
ところで、この厚さのものをインジェクション成形すれば当然ながら樹脂の熱収縮によるヒケや反りにより羽根の表面に凹凸が生じ、羽根表面に沿った層流の流れに剥離が生じ乱流が発生して騒音が高くなる。なお、前記のヒケや反りを防止するために冷却時間を長くして徐冷することも行われているが、これは成形サイクルタイムのアップとなり生産性の低下をきたすことになる。
従って、従来は、主として製造上の制約から、樹脂成形であれば理論形状の中間断面形状、もしくは圧力面側の形状に合わせた均一肉厚(たとえば2〜4mm)の羽根部形状としていた。
【0004】
また、近年この翼理論に準じた厚肉翼を樹脂成形で実現する手段として中空成形法とか二回成形法とかの方法が採用されつつある。
前者の中空成形法では熱可塑性の溶融樹脂を金型のキャビティに射出した後、前記キャビティに圧縮窒素などの不活性ガスを圧入して、複数の羽根内部に中空部を成形する羽根車の成形方法である。また、後者の二回成形法では、厚肉部分を二回に分けて成形する方法であり、まず厚肉翼の半分の厚肉部分を成形し、その後残りの部分を再度成形する方法である。
【0005】
また、従来品における射出成形法では、型から取り出した後の変形を防止するために寸法安定剤として樹脂の中に多量のタルクや層状雲母を細かく粉砕したマイカを混合させていた。
この理由は、送風機用羽根車1の羽根部は、ハブ部から片持ち状態となり成形後金型から取り出した後、羽根の自重により下方へ変形し易くなるため、成形金型内において十分冷却してから取り出す必要があるが生産性の関係からある程度冷却した段階で取り出さなければならないためである。
【0006】
一方、製品の軽量化を図るためにガラス中空ビーズを用いた各種の製品が提案されている。
例えば、実開昭59−182463,実開昭59−182464号に示される軽量化ハンドル、また実開平6−71411号に示される食品用容器等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の中空成形方法では、圧入したガスの充填で樹脂の肉厚をインジェクション成形並に、均一にコントロールすることが出来ない。これは、全てのブレード部分に流入する樹脂の粘度、温度、射出圧力、射出量を全く同じにすることにより可能となるが現実の射出成形でこれを実現することは不可能であり、羽根車の中空部は成り行き任せであった。
【0008】
また、送風機用羽根車は、回転体であるから当然重量のバランスのとれていることが必要である。JISB0905「回転機器の釣り合い良さ」に規定されているように回転体の振動、騒音を抑えるためには使用される目的により重量アンバランスを修正する必要がある。
【0009】
しかし、前記の如く中空部が成り行き任せであれば重量バランスも成り行き任せであり、成形後、大きな重量アンバランスが生じた場合には後工程でバランス修正しても修正しきれないことになる。
そこで、前記二回成形法を行う事になるが、サイクルタイムの大幅な増加となり効率的な成形方法とは言えなかった。
【0010】
二回成形法では、15mm前後もある厚肉部分が中実となることにより重量が非常に大きくなり、モータの起動トルクを必要としモータの大容量化につながり効率向上を図ることができなかった。
【0011】
また、前記のタルクやマイカは寸法安定剤としては効果的であるが、重量が重いというデメリットのほか、ヒケ、変形防止材料としての効果には限度があった。その理由はマイカは鱗片状の無機物であり、長さ方向の寸法安定性向上には効果的であるが、厚さ方向の収縮防止等の寸法安定性には効果的ではない。
【0012】
つまり、従来の寸法安定剤であるタルク、マイカは前述したごとく、不規則表面性状をした細分、鱗片状の薄い細片であるため樹脂がキャビティ内に流動、固化していく際、添加物の表面状態により硬化の度合いが異なり、圧力のかかる部分とかからない部分、また密に充填される部分と疎に充填される部分が生じ残留応力となりこの差が金型から取り出した後変形につながっていた。
【0013】
また、従来のガラス中空ビーズを用いた各種の樹脂製品においては、中空ビーズが製品の芯材として配置されるように樹脂の射出成形用ノズルの他に中空ビーズの供給ノズルを必要とし射出成形がかなり複雑であった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、送風機用羽根車1を構成する複数枚の羽根部2及びハブ部3を射出成形するにあたり、熱膨張性のマイクロカプセルを一旦ペレット化してマスターバッチとし、これをオレフィン系の熱可塑性樹脂材料のペレットと混合した材料にて送風機用羽根車を射出成形し、マイクロカプセルが射出成形機のシリンダ内、即ちミキシング工程の材料の加熱によりマイクロカプセルの膨張をほぼ完了させるようにしたものであるから、従来の工法に比べて羽根の断面肉厚が厚いものであっても成形時の熱収縮による歪みが生じることがなく空気力学的に流れの剥離等の生じない理想の翼形状とすることができ、且つ大幅な軽量化が図れる送風機用羽根車の提供を目的とするものである。
【0015】
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂の殻でてきた中空の球体内にガスを含有した熱膨張性マイクロカプセルを一旦ペレット化したマスターバッチを、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂材料の樹脂ペレットに混合してなる材料にて、送風機用羽根車1を構成する複数枚の羽根部2及びハブ部3を射出成形するにあたり、射出成形機のシリンダ内にて熱膨張性マイクロカプセルに含有するガスの膨張をほぼ完了させ、膨張した中空の球体を含む溶融樹脂をキャビティ内に射出し、成形品中に微細な中空球体を均一に分散させるようにしたことを特徴とする送風機用羽根車の製造方法である。また、前記オレフィン系樹脂材料は耐候性処方を施したものである。
【0016】
また、羽根車の断面がコの字状に形成されているハブ3部の外側又は内側の壁面コーナーもしくは両側のコーナーにアール部分12を設けると共にリブ部5の肉厚に対して2〜3倍の厚肉に形成したハブ3部の内面に、複数のリブ部5を放射状に設けたことを特徴とする請求項1記載の送風機用羽根車の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る送風機用羽根車の外観斜視図である。
送風機用羽根車は、中央のハブ部3の中心にモータのシャフトと結合するためのボス部4が形成されており、ハブ部3の周囲に複数枚の羽根部2が設けられている。この羽根部2は、図3に示す通り、ハブ部3への取り付け部分が最も厚肉となり外周へいくに従って徐々に薄くなっている。
また、羽根車2の断面形状は、図2に示す通り翼形形状となっており薄肉〜厚肉〜薄肉へと徐々に変化している。なお、8はモータシャフト10との嵌合をより確実に行う為にインサート成形された金属製のワッシャである。
【0018】
次に、本発明で用いる樹脂材料及び熱膨張性マイクロカプセルについて説明する。
本発明の羽根車は、熱膨張性マイクロカプセルを一旦ペレット状に加工しマスターバッチとし、このマスターバッチを熱可塑性樹脂に混合してなる材料にて射出成形されている。
本発明に用いる母材となる熱可塑性樹脂樹脂は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系の樹脂材料である。以下にこの理由を説明する。
現在、熱膨張性マイクロカプセルは、例えば日本フェライト(株)製のEXPANCEL等が挙げられる。この熱膨張性マイクロカプセルは、イソブタン、イソペンタン等の炭化水素を塩化ビニリデン/アクリロニトリルの共重合体等のガスバリヤー効果の大きい熱可塑性樹脂の殻で包んだものである。
この熱膨張性マイクロカプセルの膨張率には温度依存性があり、射出成形用として使用できるものは、今のところ150°Cで50%、180°Cでほぼ98%の膨張を完了するタイプのものがある。[具体的な商品名は、日本フェライト(株)製のEXPANCEL 092(DU)−120]
【0019】
熱膨張性マイクロカプセルは、膨張前は30μm〜40μmであり、150°C〜180°Cに加熱されると直径約120μmとなる。しかし、その厚みは約0.1μmという非常に薄いものである。従って、射出成形時に高い温度、高い圧力がかかると膨張したマイクロバルーン(膨張した後の中空球体)が破壊することになる。このため熱膨張性マイクロカプセルを使用して射出成形するには非常に厳しい成形条件管理が要求され、また使用できる樹脂材料は比較的低い温度で成形でき、かつ流動性のよい材料に限定される。
【0020】
一方、送風機用羽根車として要求される性能は、
1.送風機用羽根車は、エアコンの室外機のフアンとして使用されることから特に耐熱性、耐寒性、耐候性が要求される。
2.最近の樹脂部品に求められるリサイクル対応が可能であること。
3.素材自体が軽量であること。
4.樹脂材料が入手しやすくかつ安価であること。
以上のような成形性と、製品としての要求性能を満足できる材料として、本発明では母材となる熱可塑性樹脂材料を、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系の樹脂に限定している。
【0021】
また、前記オレフィン系のポリプロピレン、ポリエチレンは比較的耐候性のよい材料であるが、エアコン室外機として用いるフアンの場合は、使用期間が10年以上もあり且つ直射日光にさらされることがあるため、本発明の好ましい実施形態としては、樹脂中に例えばベンゾトリアゾール系の耐候剤を入れて特に紫外線を吸収し熱エネルギーに変換して樹脂の劣化を防止するとよい。
【0022】
次に、本発明における樹脂材料の組成並びに射出成形条件について説明する。
熱膨張性マイクロカプセルを射出成形する際のポイントは、特に直径120μm、外殻の厚み約0.1μmのマイクロバルーンをいかに破壊させずに成形品の中に均一に分散させるかということである。また、製品の品質上からは羽根表面に沿った流れをいかに剥離させずに乱流を生じさせないかということであり、そのためには羽根表面を平滑に形成することが必要である。
【0023】
また、製品の重量低減をはかるためには、表面の平滑性を保つための固化層(スキン層)を薄くしてマイクロバルーンが均一に分散した膨張層を厚くするのがよい。本発明者は、成形条件を種々検討し次の成形条件により本発明の送風機用羽根車1を製作した。
【0024】
材料の配合比率としては、ポリプロピレン90重量部に、熱膨張性マイクロカプセルを3重量部含有したペレット10重量部を添加混合した。
また、射出成形については、射出成形機のシリンダ内で熱膨張性マイクロカプセルに含有したガスの膨張をほぼ完了させ、膨張した中空の球体を溶融樹脂と共に金型に注入し、微細な中空球体が成形品中に均一に分散できるようにした。この時の樹脂の温度は150〜180°C、可塑化時間は約60sec、射出時間は約1.0sec、保圧なし、背圧0〜3kg/cmm2 、冷却時間は90〜180sec、金型温度は約60〜80℃である。
【0025】
上記の成形条件にて射出成形を行った場合、本発明の成形品の表面にスキン層(固化層)を形成させることができる。
つまり、通常の射出成形における金型温度40〜50°Cに対して、金型温度を60〜80°Cと高くすることにより、表面側にでてくるマイクロバルーンを破壊させてスキン層を形成させている。
また、樹脂材料としては、母材となる流動性のよいオレフイン系の樹脂と流動性のよくない膨張した熱膨張性マイクロカプセルを含む樹脂とがシリンダ内で混練されて射出されるようになっているが、実際には先に流動性のよいオレフイン系樹脂が先に流れ、その瞬時後に膨張した熱膨張性マイクロカプセルを含む樹脂が射出されるようになっている。つまり、膨張材の混練により流動性の差が出やすいオリフイン系のポリプロピレン等を用いることにより成形品の表面側にスキン層を形成させている。
なお、スキン層を形成させる別の手段としては、射出圧縮成形をおこなってもよい。
【0026】
また、前記熱膨張したマイクロバルーンを成形品の中に均一に分散させるためには、溶融樹脂中に均一に分散したマイクロバルーンを破壊させずに且つ羽根部2に均一に射出することが必要である。そのため、本発明においては前述のごとく羽根車の成形条件を検討すると共に、製品形状の面からも成形しやすい羽根車の形状につてい検討した。
【0027】
通常、羽根車のハブ部3は強度上の観点より、その内面にフアンボス4からハブ部3に向けて複数個のリブ部5を放射状に設けるようにしている。なお、このリブ5はハブ部3の円筒部分が内側に変形するのを防止するためである。
そして、従来の成形品であればハブ部3、リブ部5ともほぼ均一な厚みに設計されていた。(樹脂の流れを考慮し、ハブ部もリブ部も約2.5〜3.0mm程度の肉厚になっていた。)
【0028】
しかし、本発明の送風機用羽根車1においては、マイクロバルーンを羽根部2に均一に流動させるため、リブ部の肉厚(従来品と同じ)に対してハブ部の肉厚を2〜3倍の厚肉に設計されている。また、ハブ3部の外側及び内側の壁面コーナー部にはアール部分12を設けている。
このようにすることにより、ハブ部の上面に射出成形用のゲートを設けた場合、樹脂は厚肉のハブ部3とコーナーのアール部形成と相まってハブ部3から羽根部へと抵抗なく流れマイクロバルーンに過度な圧力がかからず、その結果、マイクロバルーンが破壊されることなく羽根部2へ導かれる。また、形状的に薄くなる羽根の後縁部には、金型にガス抜きを設けて溶融樹脂が流動しやすくなる方法をとっている。
【0029】
次に、本発明の送風機用羽根車のバランス調整について説明する。
送風機用羽根車は、回転させて使用するものであるからバランスが取れていることが大切である。
一般的に、樹脂製の送風機用羽根車は、トライ成形時にアンバランス位置を確認し、そこを削るかまたはその反対位置に肉付けし成形時にアンバランスが生じないように金型を修正することが行われている。しかし、金型でアンバランス修正ができない場合には、後工程でバランス修正を行わなければならない。
【0030】
本発明の送風機用羽根車は、この後工程でのバランス取りを容易に行えるように、ハブ部3の内側に放射状に形成したリブ部5の外縁近傍にボス部6を同芯円上に設け、このボス部6にバランス調整用ねじ7を締め付けることによりバランス取りが行えるようになっている。
【0031】
上記の如く成形条件、製品仕様を検討して製作した本発明の送風機用羽根車1は、
1.熱膨張性マイクロカプセルを含有しない場合に比べて約30%の重量低減を図ることができた。
2.外観上、ヒケ、反り等がなく、かつ各ブレードの重量分布が均一な理想の翼形状を得ることができた。
また、厚さ約15mm程度の翼断面は、金型の温度を従来よりも高くしたり、膨張材の混練により流動性の差が出やすいオリフイン系のポリプロピレン等を用いることにより、表面に1〜2mmの固化層(スキン層)、内部はマイクロバルーンが均一に分散した均質な膨張層ができた。
3.マイクロバルーン(微細な中空球体)は内部が中空であるから、内部の空間が防音効果を果し、騒音の低減を図ることができた。
4.分散した熱膨張性マイクロカプセルはシリンダ内の混練により瞬時に個々に膨張を終えるから、厚肉成形であるにもかかわらず、通常の射出成形品とほぼ同じ成形サイクルタイムで成形が可能である。
5.樹脂材料中に耐候剤を入れてあるため、紫外線による劣化が少なく屋外で長期間使用することができる。
6.金型の修正によりバランスが取れない場合でも、バランス調整ねじをボス部にねじ込むことによって極めて容易にバランス修正ができる。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明により理解されるごとく、本発明は送風機用羽根車1を構成する羽根部2とハブ部3を有機系マイクロバルーン(微細な中空球体)を含有した熱可塑性樹脂材料で成形したものであるから、羽根部の肉厚を理想の厚みに成形でき、性能面の向上、軽量化、生産性向上がはかれ、その実用的効果は極めて大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の送風機用羽根車の外観斜視図。
【図2】 同羽根車の羽根部のA−A断面図。
【図3】 同羽根車をモータのシャフトに取り付けた状態を示す縦断正面図。
【図4】 羽根車を底面から見たハブ部の部分図。
【符号の説明】
1.送風機用羽根車 2.羽根部 3.ハブ部 4.ボス部
5.リブ 6.ボス部 7.バランス調整用ねじ
8.ワッシャ 9.モータ 10.モータシャフト
11.ナット 12.アール部
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂の殻でてきた中空の球体内にガスを含有した熱膨張性マイクロカプセルを一旦ペレット化したマスターバッチを、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂材料の樹脂ペレットに混合してなる材料にて、送風機用羽根車1を構成する複数枚の羽根部2及びハブ部3を射出成形するにあたり、
射出成形機のシリンダ内にて熱膨張性マイクロカプセルに含有するガスの膨張をほぼ完了させ、膨張した中空の球体を含む溶融樹脂をキャビティ内に射出し、成形品中に微細な中空球体を均一に分散させるようにしたことを特徴とする送風機用羽根車の製造方法。 - オレフィン系樹脂材料の樹脂ペレットに耐候性処方を施したことを特徴とする請求項1記載の送風機用羽根車の製造方法。
- 断面がコの字状に形成されているハブ3部の外側又は内側の壁面コーナーもしくは両側のコーナーにアール部分12を設けると共にリブ部5の肉厚に対して2〜3倍の厚肉に形成したハブ3部の内面に、複数のリブ部5を放射状に設けたことを特徴とする請求項1記載の送風機用羽根車の製造方法。
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