JP3754187B2 - 摺動ドクター装置 - Google Patents

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俊一 萩田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙機ロール等のロールの外周面にドクターブレードを圧接することにより当該外周面から紙滓等の異物を除去するドクター装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ドクター装置は、製紙業等のように製造あるいは加工工程においてロールが使用される分野で広範に利用されている。例えば、抄紙機ロールの表面に付着した紙滓等の異物を除去するためにドクター装置が用いられている。
【0003】
ドクター装置は、対象となるロールの外周面全幅(軸線方向の長さ)に渡る長さのドクターブレードを備えている。このドクターブレードの刃先を、適切な圧接力で回転するロールの外周面に押し付けることにより、ロールの外周面から異物をかき落とすことができる。
【0004】
異物のかき落とし動作(ドクターリング)を適切に行なうためには、ドクターブレードの刃先を、その全幅に渡って、均一な圧接力でロールの外周面に押し付けた状態を形成する必要がある。しかし、ロール表面は平坦ではなく僅かではあるが凹凸がある。また、ドクターブレードの刃先の側にも製造誤差がある。
【0005】
このために、ドクターブレードの刃先の或る部分では圧接力が高過ぎ、他の部分では、圧接力が低く過ぎる場合が発生する。この場合には、圧接力が高過ぎる部分では、ドクターブレードの刃先の摩耗が激しくなってしまう。逆に、圧接力が低く過ぎる部分では、異物が十分にかき落とされずにロール外周面に残ってしまう。
【0006】
一方、長いロールのドクタリングを行なうためには、ロール幅に応じた長いドクターブレードを用いる必要がある。この場合、全体として、大きな力でドクターブレードをロールに対して押し付けないと、必要とされる圧接力を得ることができないことがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、一般的に使用されているドクター装置では、ドクターブレードの圧接力を適切な状態に設定することが困難な場合がある。
【0008】
この点に鑑みて、本願人は先に、特願平8−191717号の明細書、図面において、ドクターブレードの刃先を常に適切な状態でロールの外周面に圧接させ、常に適正な異物かき取り動作を行なうことの可能な摺動ドクター装置を提案している。この摺動ドクター装置は、ドクターブレードをロール軸線方向に摺動させながらロール外周面から異物をかき落とすように構成されている。したがって、ドクターブレードはロール幅に比べて狭い幅のものを使用することができる。この結果、ドクターブレードの刃先の全ての部分を適切な圧接力でロール外周面に圧接した状態を形成することが簡単になる。また、ドクターブレードの幅が狭いので、全体として大きな力でドクターブレードをロールに押し付けなくとも、必要な圧接力を発生させることができる。さらに、幅の狭いドクターブレードを使用すればよいので、その交換作業等が簡単になる。
【0009】
本発明は、本願人が提案している摺動ドクター装置の改良に関するものであり、特に、付着した異物のドクターリングを適切に行うことの可能な摺動ドクター装置を提案することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ロールの外周面に対して一定の幅のドクターブレードを押し付け、当該ドクターブレードを前記ロールの外周面に沿ってその軸線方向に移動させることにより、当該軸線方向における異なる位置において当該ロールの外周面から異物の除去を行なう摺動ドクター装置において、前記ドクターブレードを前記ロールの軸線方向に移動させるための移動手段と、前記ドクターブレードを前記ロール外周面に圧接した加圧状態および当該ロール外周面から離した開放状態に切り換えるための加圧・開放手段と、前記ロールの外周面に沿って当該ロールの軸線方向に配列された複数個の光学的検出素子の検出出力に基づき前記ロールの外周面に異物が付着したか否か及び異物の付着位置を検出する異物付着検出手段と、当該異物付着検出手段による検出結果に基づき前記移動手段および前記加圧・開放手段の駆動を制御して、第1、第2および第3の動作モードのうちの少なくとも2つの動作モードで前記ドクターブレードによるドクターリングを行う制御手段とを有している。
【0011】
ここで、前記第1の動作モードは、前記ドクターブレードを前記ロール外周面に圧接した状態で当該ロール外周面の全幅に亘って軸線方向に繰り返し往復摺動させるロール全幅往復摺動である。この動作モードでは、狭い幅のドクターブレードが適切な圧接力でロール外周面に当たった状態でロール外周面の全幅に亘るドクターリングが行われる。よって、従来のようにロール全幅の寸法のドクターブレードを用いる場合に比べて、圧接力の管理が簡単となり、また異物の掻き残りが発生するおそれが極めて少ない。
【0012】
前記第2の動作モードは、前記異物付着検出手段によって異物の付着が検出された時に起動され、前記ロール外周面における異物の付着位置を含む所定の範囲の部分を、前記ドクターブレードによって所定の回数だけ往復摺動させる部分往復摺動である。この動作モードによれば、異物付着が自動的に検出され、その部分が繰り返しドクターリングされるので、異物の除去を効率良く、しかも確実に行うことができる。
【0013】
前記第3の動作モードは、前記ドクターブレードを前記開放状態のままで当該ロール外周面の全幅に亘って軸線方向に繰り返し往復移動させると共に、当該ロール外周面を通過する原紙等のシートの両端位置を含む当該ロール外周面の所定の範囲の部分においては、前記ドクターブレードを前記加圧状態に切り換えて所定の回数だけ往復摺動させる紙端往復摺動である。一般に、ロール外周面においては、そこを通過する原紙シート等の両端の部分に異物が付着しやすい。従って、この動作モードによりドクターリングを行えば、ロール外周面上の異物を効率良く除去できる。
【0014】
ロール外周面の全体のドクターリングおよび部分的に付着した異物のドクターリングを自動的に行うためには、前記制御手段によって、前記第1および第2の動作モードでドクターリングを行なえばよい。この場合には、前記第1の動作モード中に前記異物付着検出手段によって異物の付着が検出された時には、当該第1の動作モードを中断して前記第2の動作モードによるドクターリングを行い、しかる後に再度前記第1の動作モードに復帰させるようにすればよい。
【0015】
また、ロール外周面に付着する異物を効率良く除去するためには、異物の付着発生が多発する原紙シード等の両端が通過するロール外周面の部分、および異物付着検出手段によって個別的に検出された異物の付着部分を、集中的にドクターリングすればよい。このためには、前記制御手段によって、前記第2および第3の動作モードでドクターリングを行なえばよい。この場合には、前記第3の動作モード中に前記異物付着検出手段によって異物の付着が検出された時には、当該第3の動作モードを中断して前記第2の動作モードによるドクターリングを行い、しかる後に再度前記第3の動作モードに復帰させるようにすればよい。
【0016】
一方、3種類の動作モードによってドクターリングを行うように構成されている場合には、前記制御手段による動作モードを切り換え可能なモード切り換え手段を有し、前記制御手段は、前記モード切り換え手段によって規定された動作モードによって前記ドクターブレードによるドクターリングを行なうようにすればよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1ないし図3には、本発明を抄紙機用のロール外周面をドクターリングするためのドクター装置に適用した例を示してある。
【0019】
これらの図に示すように、ドクター装置1は、両側の支持用のフレーム21、22と、これらのフレーム21、22によって回転可能に支持されているドクターバッグ3と、このドクターバック3によって支持されている直線スライド機構4と、この直線スライド機構4によって直線往復移動が可能な状態で支持されているブレードホルダー5と、このブレードホルダー5によって保持されているドクターブレード6を有している。
【0020】
上記の各部分の構成を詳しく説明する。まず、ドクターバック3は、その両端に支軸31、32を備えており、これらの支軸31、32がそれぞれフレーム21、22の側の軸受けによって回転可能に支持されている。このドクターバック3によって支持されている直線スライド機構4は、例えば、THK株式会社製のベルト式のLMガイドである。
【0021】
この直線スライド機構4は、ドクターバッグ3に取り付けたベース41と、このベース41に形成した前後の直線スライドレール42、43と、これら直線スライドレール42、43に沿って直線往復移動するスライドテーブル44を備えている。スライドテーブル44は、その裏面が、駆動用ベルト45に連結されている。駆動用ベルト45は、一方の端の側の駆動プーリー46と、他方の端側の従動プーリー47の間に架け渡されて、スライドレール42、43と平行に延びている。駆動プーリー46は、駆動源であるACサーボモータ48の出力軸に固着されている。モータ48を駆動すると、スライドテーブル44は駆動用ベルト45によってレール42、43に沿って直線移動する。モータ48を逆転すれば、反対方向に直線移動する。
【0022】
このスライドテーブル44の上にはブレードホルダー5が取付けられている。ブレードホルダー5は、トッププレート51と、このトッププレート51の裏面側に取り付けた多数のフィンガ52を備えている。これらの部材51、52の先端側の部分の間に、ドクターブレード6の元端側の部分が抜き差し可能な状態で挟まれて保持されている。各フィンガ52は、その中心部分にロッド53が貫通している。ロッド53の両端は、回転可能な状態で、スライドテーブル44の側に支持されている。
【0023】
ここで、フィンガ52の裏面とスライトデーブル44の間に隙間が形成されており、ロッド53を挟み、前側(すなわちロール10の側)には小さい隙間が形成され、後ろ側には大きな隙間が形成されている。これらの隙間には、小径エアーチューブ54、大径エアーチューブ55がそれぞれ装着されている。これらのチューブ54、55に供給する空気量を調整することにより、ロッド53を中心として、ドクターブレード6を、ロール外周面10Aに圧接した圧接状態と、そこから離れた開放状態とに切り換えることができる。すなわち、後ろ側の大径のチューブ55を膨張させ、小径のチューブ54を収縮させることにより、ドクターブレード6の刃先6aのロール外周面10Aに対する圧接力を増加させることができる。逆に、小径のチューブ54を膨張させ、大径のチューブ55を収縮させることにより、ドクターブレードの圧接力を減少させることができる。さらには、ドクターブレード6をロール外周面から離れた開放状態ににすることもできる(図においてはこの状態を想像線で示してある。)。
【0024】
次に、図2を参照して、上記の各部分の長さ、移動範囲について説明する。図に示すように、ロール10の面長(軸線方向の長さ)をL10とする。直線スライド機構4を支持しているドクターバック3の長さL3は、このロール面長L10よりも十分に長くなるように設定される。この結果、直線スライド機構4のスライドテーブル44の移動範囲は、ロール面長L10よりも広くなるように設定できる。
【0025】
本例では、ブレードホルダー5の長さL5を例えば120mmに設定してあり、ここに保持されているドクターブレード6の長さL6を例えば100mmに設定してある。ドクターブレード6が、丁度、ロール外周面の一方の端から他方の端まで摺動するように、ブレード移動量Lは、ロール面長L10よりも左右50mmだけ少なく設定されている。
【0026】
なお、ドクターブレード6の移動範囲をこのように制御するためには、移動範囲を規定するためのリミットスイッチ等を配置しておき、これらのリミットスイッチの出力信号に基づき、モータ48を制御すればよい。図2においてモータ48には、その制御基盤の部分に、電源用リード線48bと共に、左右のリミットスイッチ48d、48e等からの信号が伝送される検出器用ケーブル48cが接続されている。
【0027】
このように構成した本例のドクター装置1においては、ドクターブレード6を回転するロール10の表面10Aに適切な圧接力で押し付け、モータ48によってドクターブレード6を保持しているブレードホルダー5をロール軸線方向に向けて往復移動させる。この結果、ドクターブレード6は、ロール外周面10Aに沿ってその軸線方向に向けて摺動しながら、当該ロール外周面10Aのドクタリングを行なう。
【0028】
本例のドクターブレード6の幅は狭いので、ロール外周面10Aに対する圧接力の調整を簡単に行なうことができる。また、モータ48として回転速度が可変のものを使用すれば、ドクターブレード6の摺動速度を変化させることができる。このようにすれば、ロール外周面10Aのうち、紙滓等の異物が付着しやすい部分のドクタリングは摺動速度を遅くして十分に行い、それ以外の部分は摺動速度を速くして行なうことにより、効率の良いドクタリングを実現できる。
【0029】
なお、図1において想像線で示すように、移動するブレードホルダー5を覆う状態にカバー11を当該ブレードホルダー5に取付け、その内側に、薬液あるいは空気をドクターブレード6の刃先部分に吹きつけ可能なノズル12を取り付けておくことができる。この構成を採用すれば、ドクターブレード6の刃先にかき落とされた紙滓等の異物が堆積しても、それらを、効率良く外部に排出できるので好ましい。
【0030】
次に、主として図4を参照して、本例の摺動ドクター装置の制御機構について説明する。
【0031】
図において、摺動制御回路100は、直線スライド機構4を駆動制御して、当該直線スライド機構4によって支持されているブレードホルダ5により保持されているドクターブレード6の摺動を制御する。この摺動制御回路100には、ドクターブレードの最大移動範囲Lを規定する左右のセンサ48d、48eから検出信号が入力される。また、手動操作盤120が接続されている。この摺動制御回路100による動作状態等は表示器160によって表示される。
【0032】
また、ロール外周面10Aに所定の間隔で対向配置した複数の光学的検出素子151(n)が配列されている。例えば、ロール外周面10Aの全幅が3600mmである場合、各光学的検出素子151(n)による検出幅を100mmに設定した場合には、36個の光学的検出素子151(n)がロール外周面10Aに沿ってその軸線方向に一列に配列される。この構成の検出部152からの出力信号は異物付着検出器150に供給される。異物付着検出器150では、これらの信号に基づき、異物の付着の発生の有無と、異物付着が発生した場合にはその付着位置を判別する。この異物付着検出器150の判別結果は、摺動制御回路100に供給される。
【0033】
次に、加圧・開放回路110は、ブレードホルダー5の一対のエアーチューブ54、55に対して空気の供給および排出を行なうことにより、これらのチューブを膨張、収縮させて、ドクターブレード6をロール外周面10Aに圧接した加圧状態およびロール外周面10Aから離れた開放状態に切り換える空気圧回路である。
【0034】
手動操作盤120には、加圧、開放の切り換えを行なう加圧スイッチ121、開放スイッチ122と、ドクターブレード6をロール外周面10Aに沿って摺動開始させる摺動開始スイッチ123およびそれを中止させる摺動中止スイッチ124とが備わっている。さらに、センサ48d、48eで規定される最大移動範囲の間において、座標入力により、ドクターブレード6の移動範囲を指定入力するためのスイッチ群125を備えている。さらには、ドクター装置1の動作モードを切り換えるモード切り換えスイッチ126を備えている。動作モードとしては、自動モードと手動モードがあり、自動モードには第1ないし第3の動作モードと、第1および第2の動作モードの組み合わせからなる第4の動作モードと、第2および第3の動作モードの組み合わせからなる第5の動作モードが含まれている。
【0035】
モード切り換えスイッチ126によって手動モードが選択された場合には、次のようにドクタリングを行なう。まず、加圧スイッチ121を操作してドクターブレード6をロール外周面10Aに適切な圧接力で押し付ける。次に、摺動開始スイッチ123を操作して、モータ48を駆動して直線スライド機構4によってブレードホルダ5によって保持されているドクターブレード6の摺動を開始させる。この後は、直線スライド機構4によって、ドクターブレード6は、センサ48d、48eで規定される最大移動範囲を往復移動してロール外周面10Aのドクタリングを行なう。
【0036】
ここで、例えば、ドクターブレード6の刃先が過熱状態であると操作者が判断した場合には、操作者は開放スイッチ122を操作すればよい。このスイッチ122を操作すると、ドクターブレード6は開放状態に切り換わり、ロール外周面10Aから離れた状態で移動する。この結果、過熱状態を回避することができる。また、操作者が、ロール外周面10Aのうち、特定の部分に異物の付着を見てとった場合には、例えば、ドクター装置1の動作を一旦停止させる。次に、スイッチ群125を介して、異物の付着の多いロール外周面の部分を含む移動範囲を座標入力する。この後に、加圧スイッチ122を操作し、摺動開始スイッチ123を操作すると、ドクターブレード6は指定された移動範囲内を往復してロール外周面のドクタリングを行なう。
【0037】
一方、スイッチ126によって自動モードが設定された場合について説明する。自動モードに含まれる第1ないし第5の動作モードの内容は次の通りである。
(第1の動作モード)
第1の動作モードは、ドクターブレード6をロール外周面10Aに圧接した状態で当該ロール外周面10Aの全幅に亘って軸線方向に繰り返し往復摺動させるロール全幅往復摺動である。この動作モードでは、狭い幅のドクターブレードが適切な圧接力でロール外周面に当たった状態でロール外周面の全幅に亘るドクターリングが行われる。よって、従来のようにロール全幅の寸法のドクターブレードを用いる場合に比べて、圧接力の管理が簡単となり、また異物の掻き残りが発生するおそれが極めて少ない。
【0038】
第1の動作モードが設定された場合には、スイッチ群125によって移動範囲が入力設定されていない状態では、ドクターブレード6はセンサ48d、48eで規定される最大移動範囲を往復移動するように制御される。また、一定の時間毎に、ドクターブレード6は開放状態に一時的に切り換わり、ドクターブレード6の刃先が過熱状態に陥らないように制御される。移動範囲がスイッチ群125によって入力された場合には、ドクターブレード6は設定された範囲内で往復移動を行う。
【0039】
(第2の動作モード)
第2の動作モードは、異物付着検出器150によって異物の付着が検出された時に起動され、ロール外周面10Aにおける異物の付着位置を含む所定の範囲の部分を、ドクターブレード6によって所定の回数だけ往復摺動させる部分往復摺動である。この動作モードによれば、異物付着が自動的に検出され、その部分が繰り返しドクターリングされるので、異物の除去を効率良く、しかも確実に行うことができる。
【0040】
(第3の動作モード)
図6を参照して説明すると、第3の動作モードは、ドクターブレード6を開放状態のままでロール外周面10Aの全幅(最大移動範囲)に亘って軸線方向に繰り返し往復移動させると共に、当該ロール外周面10Aを通過する原紙等のシート200の両端(紙端)201、202が位置するロール外周面10Aの位置を含む当該ロール外周面10Aの所定の範囲の部分において、ドクターブレード6を加圧状態に切り換えて所定の回数だけ往復摺動させる紙端往復摺動である。
【0041】
図6において直線401は開放状態でのドクターブレード6の移動軌跡を表し、両端の折れ線402は、加圧状態でのドクターブレード6の移動軌跡、すなわち摺動軌跡を表している。図示の例では、一定の幅L2で3往復するようになっている。
【0042】
一般に、ロール外周面10Aにおいては、そこを通過する原紙シート200の紙端201、202の部分に異物が付着しやすい。従って、この動作モードによりドクターリングを行えば、ロール外周面上の異物を効率良く除去できる。
【0043】
(第4の動作モード)
第4の動作モードは、上記の第1および第2の動作モードを組み合わせたものであり、ロール外周面10Aの全体のドクターリングおよび部分的に付着した異物のドクターリングを自動的に行うためのものである。この動作モードでは、第1の動作モード中に異物付着検出器150によって異物の付着が検出された時には、当該第1の動作モードを中断して第2の動作モードによるドクターリングを行い、しかる後に再度第1の動作モードに復帰するようになっている。
【0044】
図5には第4の動作モードが設定された場合の動作を示してある。図5(B)において領域300はドクターブレード6によってドクターリングが行われるロール外周面である。ドクターブレード6は回転するロール外周面を摺動するので、その移動軌跡は、矢印で示す時間の経過に従って折れ線301で示すようになる。この折れ線301で示されるドクターブレード6の動作モードが、移動範囲を最大とした場合における第1の動作モードである。
【0045】
この第1の動作モード中において、異物付着検出器150によって異物の付着が検出されると、第1の動作モードが中断して第2の動作モードが起動される。例えば、図5(A)で示すように、光学的検出素子151(3)の検出領域においてロール外周面10Aに異物が付着したとする。この場合、当該光学的検出素子151(3)によって当該異物が検出され、異物付着検出器150ではロール外周面10Aにおける第3番目のゾーンで異物が検出されたことを判別する。摺動制御回路100は、この判別信号を受け付けると、当該第3番目のゾーンと左右の第2および第4番目の3つのゾーンを含む幅で、所定の回数、例えば、3回ドクターブレード6を往復移動させて、異物の掻き取り動作を行う。この第2の動作モードによるドクターブレード6の移動軌跡は図5(B)における細かな折れ線部分302である。
【0046】
このようにして異物の付着部分が集中的にドクターリングされて、異物が確実に除去される。この後は、ドクターブレード6は再び折れ線301に沿った第1の動作モードによるドクターリングに復帰する。
【0047】
(第5の動作モード)
第5の動作モードは、上記の第2および第3の動作モードを組み合わせたものであり、ロール外周面に付着する異物を効率良く除去するために、異物の付着発生が多発する原紙シード等の両端が通過するロール外周面の部分、および異物付着検出手段によって個別的に検出された異物の付着部分を、集中的にドクターリングするようになっている。この動作モードでは、第3の動作モード中に異物付着検出器によって異物の付着が検出された時には、当該第3の動作モードを中断して第2の動作モードによるドクターリングを行い、しかる後に再度第3の動作モードに復帰するようになっている。
【0048】
なお、自動モードにおいては、上記以外に次にような動作形態が考えられる。すなわち、ドクターブレード6の刃先の部分の温度状態を検出するための温度センサを設置しておけば、このセンサ出力に基づき、ドクターブレード6の刃先が過熱状態に陥ってしまうことを確実に回避できる。すなわち、センサによって刃先が予め設定した温度を越えた場合には、タイマ101によって規定される一定の時間だけ、ドクターブレード6を開放状態に保持して、当該ドクターブレードの刃先を冷却すればよい。
【0049】
一方、上記構成の摺動ドクター装置を用いて多段ドクター装置を構成することができる。すなわち、上記構成の摺動ドクター装置と、当該摺動ドクター装置よりもロール回転方向の上流側の位置に配置され、ロール幅とほぼ同一の幅を備えたドクターブレードを用いてロール外周面のドクタリングを行なうドクター装置とを有する構成を採用することができる。この構成によれば、上流側の一般的なドクター装置によってロール全幅のドクタリングを行い、その表面の滓を除去する。次に、摺動ドクター装置を用いて、部分的に付着している紙滓等を除去する。このように二段階でドクタリングを行うことにより、効率の良いドクタリングを実現できる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、幅の狭いドクターブレードをロール外周面に圧接した状態でその軸線方向に摺動させて、当該ロール外周面のドクタリングを行なうように構成された摺動ドクター装置において、ロール外周面の全幅に亘るドクターリングを行う第1の動作モードと、異物付着検出手段によって異物付着が検出された部分を集中的にドクターリングする第2の動作モードと、ロール外周面における異物の付着発生が起こり易い通過するシートの両端部分を集中的にドクターリングする第3の動作モードのうちの2つの動作モード、あるいはこれらの動作モードを組み合わせた動作モードによって、ロール外周面のドクターリングを行うようになっている。
【0051】
従って、本発明の摺動ドクター装置によれば、ロール外周面の全幅に亘るドクターリングは勿論のこと、部分的に付着した異物のドクターリングを効率良く、しかも確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したドクター装置の例を示す概略構成図である。
【図2】図1のドクター装置における各部分の長さ関係およびドクターブレードの移動範囲を説明するための説明図である。
【図3】図1のドクター装置におけるドクターブレードおよびブレードホルダーの部分を拡大して示す部分拡大図である。
【図4】図1のドクター装置の駆動制御系を示す概略ブロック図である。
【図5】図1のドクター装置による第4の動作モードを示す説明図である。
【図6】図1のドクター装置による第3の動作モードを示す説明図である。
【符号の説明】
1 ドクター装置
4 直線スライド機構
5 ブレードホルダー
6 ドクターブレード
10 ロール
10A ロール外周面
10a ロールの軸線
100 摺動制御回路
110 加圧・開放制御回路
120 手動操作盤
121 加圧スイッチ
122 開放スイッチ
123 摺動開始スイッチ
124 摺動停止スイッチ
125 動作範囲入力用のスイッチ群
126 モード切り換えスイッチ
150 異物付着検出器
151 検出部
151(n) 光学的検出素子

Claims (4)

  1. ロールの外周面に対して一定の幅のドクターブレードを押し付け、当該ドクターブレードを前記ロールの外周面に沿ってその軸線方向に移動させることにより、当該軸線方向における異なる位置において当該ロールの外周面から異物の除去を行なう摺動ドクター装置において、
    前記ドクターブレードを前記ロールの軸線方向に移動させるための移動手段と、前記ドクターブレードを前記ロール外周面に圧接した加圧状態および当該ロール外周面から離した開放状態に切り換えるための加圧・開放手段と、前記ロールの外周面に沿って当該ロールの軸線方向に配列された複数個の光学的検出素子の検出出力に基づき前記ロールの外周面に異物が付着したか否か及び異物の付着位置を検出する異物付着検出手段と、当該異物付着検出手段による検出結果に基づき前記移動手段および前記加圧・開放手段の駆動を制御して、第1、第2および第3の動作モードのうちの少なくとも2つの動作モードで前記ドクターブレードによるドクターリングを行う制御手段とを有し、
    前記第1の動作モードは、前記ドクターブレードを前記ロール外周面に圧接した状態で当該ロール外周面の全幅に亘って軸線方向に繰り返し往復摺動させるロール全幅往復摺動であり、
    前記第2の動作モードは、前記異物付着検出手段によって異物の付着が検出された時に起動され、前記ロール外周面における異物の付着位置を含む所定の範囲の部分を、前記ドクターブレードによって所定の回数だけ往復摺動させる部分往復摺動であり、
    前記第3の動作モードは、前記ドクターブレードを前記開放状態のままで当該ロール外周面の全幅に亘って軸線方向に繰り返し往復移動させると共に、当該ロール外周面を通過する原紙等のシートの両端位置を含む当該ロール外周面の所定の範囲の部分においては、前記ドクターブレードを前記加圧状態に切り換えて所定の回数だけ往復摺動させる紙端往復摺動であることを特徴とする摺動ドクター装置。
  2. 請求項1において、前記制御手段は、前記第1および第2の動作モードでドクターリングを行うようになっており、前記第1の動作モード中に前記異物付着検出手段によって異物の付着が検出された時には、当該第1の動作モードを中断して前記第2の動作モードによるドクターリングを行い、しかる後に再度前記第1の動作モードに復帰するようになっていることを特徴とする摺動ドクター装置。
  3. 請求項1において、前記制御手段は、前記第2および第3の動作モードでドクターリングを行うようになっており、前記第3の動作モード中に前記異物付着検出手段によって異物の付着が検出された時には、当該第3の動作モードを中断して前記第2の動作モードによるドクターリングを行い、しかる後に再度前記第3の動作モードに復帰するようになっていることを特徴とする摺動ドクター装置。
  4. 請求項1ないし3のうちの何れかの項において、前記制御手段による動作モードを切り換え可能なモード切り換え手段を有し、前記制御手段は、前記モード切り換え手段によって規定された動作モードによって前記ドクターブレードによるドクターリングを行なうことを特徴とする摺動ドクター装置。
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