JP3753634B2 - 自発光型画像表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自発光型画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下「有機ELディスプレイ」という)は、厚さ1μm程度の有機薄膜に電流を注入することにより発光するという現象が応用されたものであり、近年、これについての研究開発が盛んに行われている。かかる有機ELディスプレイの典型的な構造は、図7(a)に示すように、出射側基板本体11’とその内側のITO(Indium Tin Oxiside)製透明電極12’とさらにその内側の正孔注入輸送層13’とからなる出射側基板10’、反射側基板本体21’とその内側のアルミニウム製金属電極22’とからなる反射側基板20’、及びそれらの両基板10’,20’により狭持された有機EL発光層30’からなる積層体である。このような構造の有機ELディスプレイでは、全方位に発光する有機EL発光層30’の光のうち出射側基板10’側に進行する光はそのまま直接的に出射側基板10’から出射される一方、反射側基板20’側に進行する光は鏡面の金属電極22’で反射して間接的に出射側基板10’から出射されるようになっており、これによって有機EL発光層30’の発光を効率よく取り出すようにしている。
【0003】
ところで、有機ELディスプレイは、携帯電話機等のように屋外の太陽光の下で使用される場合、あるいは室内の照明光が存在するような下で使用される場合、以下のような問題を生じる。すなわち、太陽光や照明光の外部光が出射側基板10’から有機ELディスプレイ内に入ると、それが金属電極22’で反射して再び出射側基板10’から出射されることとなり、その外部光反射により有機ELディスプレイのコントラストが大きく低下してしまうのである。
【0004】
これに対し、特開平8−321381号公報及び特開平9−127885号公報には、図7(b)に示すように、出射側基板10’に1/4波長板14’及びその遅相軸対して偏光軸(透過軸)が45°の角度をなすように配置された直線偏光板15’が基板側から順に設けられた有機ELディスプレイが開示されている。これらの公報に開示されているものによれば、外部光の半分が直線偏光板15’で遮蔽される。そして、直線偏光板15’を透過した残りの半分の外部光の直線偏光が1/4波長板14’により円偏光(例えば右円偏光)に変えられ、それが透明電極を透過した後に金属電極22’で反射して逆の円偏光(右円偏光だったものが左円偏光になる)にされる。次いで、この逆の円偏光は1/4波長板により直線偏光に変えられるが、この直線偏光は先のものより偏光軸が90°回転しているために直線偏光板15’で遮蔽されることとなる。従って、有機ELディスプレイに入射する外部光の全てが直線偏光板15’で遮蔽されることとなり、外部光の反射光が出射して観察者の目に入るということが無く、これによって外部光反射によるコントラストの低下が防止されることとなる。
【0005】
一方、直線偏光板及び1/4波長板が設けられた有機ELディスプレイでは、EL発光層からの光もまた直線偏光板によりその半分が遮蔽されて失われるため、それらを設けない場合に比べて輝度が半分となり、同等の輝度を得ようとすれば2倍の電力を要するという問題がある。
【0006】
これに対し、特開2001−35653号公報には、1/4波長板と偏光板とアンチグレア層とからなる有機ELパネルのフィルタであって、偏光板の偏光度が50乃至70%であるものが開示されており、かかる構成によれば、防眩とシャープな画像とを両立させた視認性の高い有機ELパネルを得ることができる、と記載されている。
【0007】
また、特開2000−113988号公報には、反射性の金属電極を設けた有機EL素子を用いた有機EL表示装置であって、光出射面側に液晶表示素子及び位相差板からなる円偏光手段が設けられており、液晶表示素子が一軸配向処理を施した基板間に二色性色素を添加したネマチック液晶を狭持したものとしたものが開示されており、かかる構成によれば、点灯箇所と非点灯箇所とのコントラストが著しく向上し、視認性に優れた有機EL表示装置が得られる、との内容が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、外部光の状態に応じて、輝度及びコントラストのバランスのとれた表示画像の表示が可能な自発光型画像表示装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外部光の状態に応じて偏光度を調整できる直線偏光素子を用いるようにしたものである。
【0010】
具体的には、本発明は、画像表示するための出射部と、該出射部の後方に反射面が該出射部側を向くように設けられた反射部と、該出射部の後方に設けられた発光部と、を備えた自発光型画像表示装置を前提とする。そして、上記出射部は、表示面を覆うように設けられ外部光のうちの所定の直線偏光のみを透過させる直線偏光素子と、該直線偏光素子よりも発光部側に設けられ該直線偏光素子を透過した直線偏光を円偏光に変える位相差フィルムと、を有しており、上記直線偏光素子は、外部光の状態に応じて偏光度を調整できるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、相互に対向するように設けられた出射側基板及び反射側基板と、それらの両基板に狭持されるように設けられた発光層と、を備え、該発光層からの光が該出射側基板から直接的に出射されると共に該反射側基板で反射されて該出射側基板から間接的に出射されるように構成された自発光型画像表示装置を前提とする。そして、上記出射側基板は、表示面を覆うように設けられ外部光のうちの所定の直線偏光のみを透過させる直線偏光素子と、該直線偏光素子よりも上記発光層側に設けられ該直線偏光素子を透過した直線偏光を円偏光に変える位相差フィルムと、を有しており、上記直線偏光素子は、外部光の状態に応じて偏光度を調整できるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
上記の構成によれば、直線偏光素子が外部光の状態に応じて偏光度を調整できるようになっているので、その外部光の状態に応じて、輝度及びコントラストのバランスのとれた表示画像の表示を行うことができる。
【0013】
ここで、上記直線偏光素子としては、例えば、ネマチック液晶に2色性色素を混合したゲストホスト液晶セルを挙げることができる。ゲストホスト液晶セルを直線偏光素子とした場合、無電圧時には、例えば正の誘電異方性を有するネマチック液晶分子及び色素分子が基板に水平に配向して所定の直線偏光のみを透過する機能を発現し、また、印加電圧を十分に大きくした時には、液晶分子及び色素分子が基板にほぼ垂直に配向しておおむね透明となって所定の直線偏光のみを透過する機能を喪失し、さらに、印加電圧をそれらの間で上下した時には、その印加電圧の大きさに対応して偏光度の調整が可能となる。
【0014】
また、外部光の状態に対応した上記直線偏光子の偏光度の調整は、使用者が任意に設定し得る構成であってもよいし、また、外部光の強度を検知する外部光強度検知センサをさらに備え、その外部光強度検知センサの検知した外部光の強度に基づいて上記直線偏光子の偏光度が調整される構成のものであってもよい。後者のものによれば、時々刻々の外部光の状態に対応した良好な表示画像の表示が可能となる。この場合、直線偏光子の偏光度の調整は、表示画像の輝度及び/又はコントラストが所定の条件を満たすように行うようにすればよい。これによって、本発明の作用効果がより具体的に営まれることとなる。
【0015】
本発明の自発光型画像表示装置は、表示方式がエレクトロルミネッセンスディスプレイ方式又はフィールドエミッションディスプレイ方式であるもののように、主として屋外の太陽光の下でも使用されるものに対して特に有効である。ここで、エレクトロルミネッセンスディスプレイ方式には、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ方式及び無機エレクトロルミネッセンスディスプレイ方式の両方が含まれる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る自発光型画像表示装置である有機ELディスプレイAの断面を模式的に示す。
【0018】
有機ELディスプレイは、相互に対向するように設けられた出射側基板(出射部)10及び反射側基板(反射部)20と、それらの両基板10,20によって狭持された有機EL発光層(発光部)30とからなる。すなわち、出射側基板10の後方に有機EL発光層30が、さらにその後方に反射側基板20が配設された構成となっている。
【0019】
出射側基板10は、ガラス板からなる出射側基板本体11の内側に陽極である透明電極12及び正孔注入輸送層13が順に積層されるように設けられている一方、出射側基板本体11の外側に1/4波長板(位相差フィルム)14及びゲストホスト液晶セル(直線偏光素子)15が順に積層されるように設けられた構成となっている。出射側基板10は画像表示が行われるものである。
【0020】
出射側基板本体11の内側の透明電極12は、ITO(Indium Tin Oxiside)等からなり、正孔注入輸送層13に正孔を注入するものである。また、透明電極12は、格子状に配設され、各々が1つの画素を規定する複数の画素電極により構成されている。そして、各画素電極には、TFT(薄膜トランジスタ)等のスイッチング素子が設けられている。すなわち、この有機ELディスプレイは、アクティブマトリクス方式のものである。
【0021】
正孔注入輸送層13は、フタロシアニン系化合物や芳香族アミン系化合物等からなり、透明電極12から注入されたホールを輸送してそれを有機EL発光層30に供給するものである。
【0022】
1/4波長板14は、フィルム状に形成されており、位相差を1/4波長だけ変化させる機能を有する素子である。
【0023】
ゲストホスト液晶セル15は、一対のセル基板151,151と、その間に狭持された液晶層152とからなる積層体である。各セル基板151には、セル基板本体151aの内側にセル透明電極151b及び水平配向膜151cが順に設けられている。セル基板本体151aはガラス基板からなる。両セル透明電極151b,151bは、ITO(Indium Tin Oxiside)等からなり、それぞれセル電源40に接続されており、液晶層152に電圧を印加する機能を果たす。両水平配向膜151c,151cは、表面がそれぞれ相互に逆向きにラビング処理されており、無電圧時に液晶層152の液晶分子及び色素分子を所定方向に配向させるものである。液晶層152は、正の誘電異方性を有するネマチック液晶に黒色の2色性色素分子を混合したものからなる。そして、このゲストホスト液晶セル15では、両セル電極151b,151b間に電圧が印加されない無電圧時には、液晶層152内の液晶分子及び色素分子がセル基板に水平に配向して所定の直線偏光のみを透過する機能を発現し、また、印加電圧を十分に大きくした時には、液晶分子及び色素分子が基板にほぼ垂直に配向しておおむね透明となって所定の直線偏光のみを透過する機能を喪失し、さらに、印加電圧をそれらの間で上下した時には、その印加電圧の大きさに対応した偏光度の調整が可能となる。セル電源40から両セル透明電極151b,151bに印加する電圧の設定は観察者が任意に設定できるようになっている
1/4波長板14とゲストホスト液晶セル15とは、前者の遅相軸が後者の無電圧時の偏光軸(透過軸)、すなわち、セル配向膜151bのラビング処理方向とが45°の角度をなすように設けられている。これによって、ゲストホスト液晶セル15を透過した直線偏光が1/4波長板14により円偏光に変えられるようになっている。
【0024】
反射側基板20は、ガラス板からなる反射側基板本体21の内側に陰極で且つ共通電極である金属電極22が積層されるように設けられた構成となっている。
【0025】
反射側基板本体21の内側の金属電極22は、アルミニウムやマグネシウム等からなり且つ鏡面に形成されており、有機EL発光層30に電子を注入するものである。
【0026】
有機EL発光層30は、厚さ1μm程度の芳香族環化合物や複素環化合物等の有機蛍光体からなる薄膜であり、金属電極22からの電子と透明電極12及び正孔注入輸送層13からの正孔が再結合した際に発光するものである。
【0027】
以上のような構成の有機ELディスプレイAでは、陽極である金属電極22と陰極である透明電極12との間に直流電圧が印加されることにより、金属電極22から有機EL発光層30に電子が注入される一方、透明電極12から正孔注入輸送層13を介して有機EL発光層30に正孔が注入され、そこで電子と正孔とが再結合して所定波長の発光が生じる。そして、この発光は全方位に向かって生じるので、出射側基板10側に進行する光はそのまま直接的に出射側基板10から出射される一方、反射側基板20側に進行する光は金属電極22で反射して間接的に出射側基板10側から出射されることとなり、これによって有機EL発光層30の発光が効率よく取り出されることとなる。
【0028】
また、屋外の太陽光や屋内の照明光のような外部光は、その一部分がゲストホスト液晶セル15で遮蔽される一方、直線偏光板15を透過した残りの外部光の直線偏光が1/4波長板14により円偏光(例えば右円偏光)に変えられ、それが内部を通過した後に出射側基板10側を向いた鏡面の金属電極22で反射して逆の円偏光(右円偏光だったものが左円偏光になる)にされる。次いで、この逆の円偏光は再び内部を通過して1/4波長板14に到達し、そこで直線偏光に変えられるが、この直線偏光は先のものより偏光軸が90°回転しているためにゲストホスト液晶セル15で遮蔽されることとなる。これによって、有機ELディスプレイに入射する外部光のほとんどがゲストホスト液晶セル15で遮蔽されることとなり、外部光の金属電極22での反射光が出射されることが防止されることとなる。
【0029】
さらに、ゲストホスト液晶セル15が外部光の状態に応じて偏光度を調整できるようになっているので、例えば、室内で照明が消灯されている環境で有機ELディスプレイAを使用する場合には、液晶層152への印加電圧を高くしてゲストホスト液晶セル15の偏光度をできるだけ低くしてゲストホスト液晶セル15による有機EL発光層30からの光の遮蔽を最小限に抑え、また、室内で照明が点灯されている環境で使用する場合には、輝度とコントラストとのバランスを考慮して液晶層152への印加電圧を調整してゲストホスト液晶セル15の偏光度を設定し、さらに、屋外にて太陽光の下で使用する場合には、液晶層152への印加電圧を低くしてゲストホスト液晶セル15の偏光度をできるだけ高くして太陽光の外部光反射によるコントラストの低下を最小限に抑え、外部光の状態に応じて、輝度及びコントラストのバランスのとれた表示画像の表示を行うことができる。
【0030】
次に、具体的な実験例について説明する。
【0031】
<実験1>
−実験方法−
上記実施形態1と同一構成の有機ELディスプレイAのゲストホスト液晶セル15を用い、両セル透明電極151b,151bに印加する電圧をセル電源で変量してゲストホスト液晶セル15の偏光度の変化を観測した。なお、ゲストホスト液晶セル15として、正の誘電異方性を有するネマチック液晶に黒色の2色性色素を2.0質量%混合したものを液晶層152に用い、セル厚さが5μmのものを用いた。
【0032】
−実験結果−
図2は、両セル透明電極151b,151bに印加されたセル電圧とゲストホスト液晶セル15の偏光度との関係を示す。
【0033】
図2によれば、セル電圧が0〜2Vの範囲では、偏光度の変化はなくほぼ100%であるが、2〜4Vの範囲において偏光度が10%強程度まで急激に低下し、セル電圧が4V以降では緩慢な低下を示しており、10V以降では偏光度がほぼ0%となっているのが分かる。
【0034】
以上より、ゲストホスト液晶セルのセル電圧を変化させることにより、その偏光度を制御できることが確認された。
【0035】
<実験2>
−実験方法−
実験1の有機ELディスプレイAにおいて、ゲストホスト液晶セル15のセル電圧を変量し、そのときの表示画像の輝度の変化を観測した。なお、観測は、ゲストホスト液晶セル15の偏光度がおおむね0のときの輝度が100cd/m2である状態を維持して行った。また、1/4波長板として、ポリカーボネート製であって、リターデーションが波長550nmの光に対しておよそ135nmとなるものを用いた。
【0036】
−実験結果−
図3は、ゲストホスト液晶セル15の偏光度と表示画像の輝度との関係を示す。
【0037】
図3によれば、輝度は、偏光度20%で83〜84cd/m2、偏光度40%で72〜73cd/m2、偏光度60%で61〜62cd/m2、偏光度80%で54〜55cd/m2及び偏光度100%で50cd/m2に推移しており、急激な変化を示すことなく偏光度が大きくなるに従って緩やかな低下傾向を示しているのが分かる。これは、偏光度が大きくなることにより有機EL層からの光のうちゲストホスト液晶セル15により遮蔽される部分が多くなるためである。
【0038】
<実験3>
−実験方法−
実験1の有機ELディスプレイAを用い、ゲストホスト液晶セル15の偏光度と表示画像のコントラストとの関係を外部光の明るさを変量して観測した。
【0039】
表1に示すような明るさの異なる条件▲1▼〜▲5▼の実験室を準備し、それぞれに有機ELディスプレイAを設置した。ここで、表1に示す照度は、有機ELディスプレイAの表示画面上のものである。また、おおむね条件▲1▼が通常の室内を、▲5▼が晴れの日の屋外をそれぞれ想定したものである。
【0040】
【表1】
Figure 0003753634
【0041】
各条件において、ゲストホスト液晶セル15の偏光度を変量し、有機ELディスプレイAの実質的なコントラスト、すなわち、[白表示時の輝度]/[黒表示時の輝度]を測定した。ここで、「黒表示時の輝度」は、実験室の照明光(外部光)の有機ELディスプレイAにおける反射光を含むものである。この反射光は表示画面のコントラストを低下させる要因となるものである。
【0042】
−実験結果−
図4は、ゲストホスト液晶セル15の偏光度と表示画像のコントラストとの関係を示す。
【0043】
図4によれば、いずれの条件においても、偏光度が高くなるに従ってコントラストが上昇しているのが分かる。つまり、これは、偏光度が高くなることにより照明光(外部光)の反射が抑制されることを示すものである。
【0044】
また、コントラストの上昇度は偏光度が高いほど大きくなっているが、照明光(外部光)が明るいほどその傾向が顕著であることが分かる。これは、照明光(外部光)が明るいほど、その影響を除去するために高い偏光度が必要となるためであると考えられる。
【0045】
ところで、実験2での図3に示すように、ゲストホスト液晶セル15の偏光度を高めると、有機ELディスプレイAの表示画像の輝度が低下する。この輝度の低下は、表示の視認性を著しく低下させるのは当然であり、そのため、外部光の遮蔽のためにゲストホスト液晶セル15の偏光度を高めると共に、表示画像の輝度を高めることが必要となる。このことは、有機EL発光層30に流れる電流量を増加させることにより達成されるが、それでは消費電力の増加を招いてしまう。例えば、携帯機器においては消費電力の増加は使用可能時間の短縮となり、致命的な問題となる。また、携帯機器でなくとも消費電力の増加は省エネルギーの観点から好ましいものではない。
【0046】
一方、視認性の観点からは、一般に必要となるコントラストは最低5程度であることが分かった。このコントラストが5とは、例えば、液晶ディスプレイの視野角範囲を規定するに当たり、一般にそれをコントラスト5以上の範囲と定義を行う場合があり、また、新聞のような印刷物のコントラストが相当し、これ以上であれば実用上の支障がないというレベルである。
【0047】
<実験4>
−実験方法−
実験3における条件▲1▼〜▲5▼のそれぞれにおいて、有機ELディスプレイAの表示画像のコントラストが5となるように、ゲストホスト液晶セル15の偏光度を調整した。そして、そのときのゲストホスト液晶セル15のセル電圧及び偏光度、並びに表示画面の輝度を測定した。また、偏光度が十分に高い場合(ほぼ100%)のときの輝度を基準とした際の輝度の増加割合である輝度改善割合を算出した。
【0048】
−実験結果−
表2は、各条件でのセル電圧、偏光度、輝度及び輝度改善割合を示す。
【0049】
【表2】
Figure 0003753634
【0050】
表2によれば、照明光(外部光)があまり明るくなければ、比較的低い偏光度としてもコントラストを5とすることができ、それによって表示画像の輝度を高めることができることが分かる。従って、コントラストが5となるように、使用環境の明るさに応じてゲストホスト液晶セル15の偏光度を制御し、そのときの輝度改善割合分を消費電力の抑制効果に寄与させることも可能である。
【0051】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2に係る自発光型画像表示装置である有機ELディスプレイBの断面を模式的に示す。なお、実施形態1と同一部分は同一の符号で示す。
【0052】
この有機ELディスプレイBは、ゲストホスト液晶セル15の両方のセル透明電極151b,151bに接続されたセル電源40に制御部50を介してフォトセンサ60が設けられている。
【0053】
フォトセンサ60は、有機ELディスプレイBの周辺の外部光強度を検知するセンサである。このフォトセンサ60は、受光面が有機ELディスプレイBの表示面と同一方向を向くように設けられることが好ましい。
【0054】
制御部50では、フォトセンサ60の検知した外部光強度に基づいて、セル電源からゲストホスト液晶セル15の両セル透明電極151b,151bに印加される電圧が制御されて偏光度が調整される。これによって、時々刻々の外部光の状態に対応した良好な表示画像の表示が可能となる。ここで、偏光度の調整は、表示画像の輝度が所定条件(例えば、輝度が所定値となるようにする)を満たすようにしてもよいし、コントラストが所定条件(例えば、コントラストが5となるようにする)を満たすようにしてもよく、さらには、その両者が所定条件を満たすようにしてもよい。
【0055】
図6は、表示画像のコントラストが所定条件を満たすようにゲストホスト液晶セル15の偏光度を制御すると共に、有機ELディスプレイBの表示画像の輝度が一定となるようにした際における外部光強度とゲストホスト液晶セル15への印加電圧及び有機ELディスプレイBの消費電力のそれぞれとの関係を模式的に示す。
【0056】
図6によれば、外部光強度が高くなる、すなわち、外部光が明るくなるに従って、ゲストホスト液晶セル15への印加電圧が低くなっている。これは、外部光の反射によるコントラストの低下を防止するために偏光度が高くなるように制御されるからである。一方、外部光強度が高くなる、すなわち、外部光が明るくなるに従って、有機ELディスプレイBの消費電力が高くなっている。これは、ゲストホスト液晶セル15の偏光度が高くなることによって表示画像の輝度が低下するため、それを補填するために有機EL発光層30に供給される電流量が増加するからである。直線偏光子として偏光度の低いものを用いた場合、屋外のように外部光強度が強いときに外部光反射によるコントラストの低下が問題となる。一方、直線偏光子として偏光度の高いものを用いた場合、屋外のように外部光強度が高いときのコントラストの問題は解消されるものの、外部高強度が低いときも表示画像の輝度を高める必要があることから消費電力の上昇が問題となる。しかしながら、本実施形態2に係る有機ELディスプレイBによれば、外部光強度が高いときには偏光度が高められてコントラストの問題が解消され、外部光強度が低いときには所定のコントラストを維持しつつ偏光度が低められ、例えば図6中に矢印で示す分の消費電力の抑制を図ることができる。従って、このような有機ELディスプレイBは、消費電力の抑制が自動的に行われるため、特に携帯機器のような様々な使用環境でバッテリー駆動する装置においては、使用可能時間を大きく向上させることが可能になる。
【0057】
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態1及び2では、自発光型画像表示装置を有機ELディスプレイAとしたが、特にこれに限定されるものではなく、無機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、冷陰極管ディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ等であってもよく、特に、主として屋外の太陽光の下で使用されるフィールドエミッションディスプレイでは効果が高く好適である。
【0058】
また、上記実施形態1及び2では、アクティブマトリクス方式の有機ELディスプレイAとしたが、特にこれに限定されるものではなく、パッシブマトリクス方式のものであっても、セグメント方式のものであってもよい。
【0059】
また、上記実施形態では設けていないが、金属電極22と有機EL発光層30との間に電子注入輸送層を設けてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、外部光の状態に応じて、輝度及びコントラストのバランスのとれた表示画像の表示を行うことができる。
【0061】
また、ゲストホスト液晶セルを直線偏光素子とすれば、本発明の作用が具体的に営まれることとなる
また、外部光の強度を検知する外部光強度検知センサをさらに備え、その外部光強度検知センサの検知した外部光の強度に基づいて直線偏光子の偏光度が調整される構成のものとすれば、時々刻々の外部光の状態に対応した良好な表示画像の表示が可能となる。さらに、直線偏光子の偏光度の調整を、表示画像の輝度及び/又はコントラストが所定の条件を満たすように行うようにすれば、かかる作用がより具体的に営まれることとなる。
【0062】
また、本発明は、表示方式がエレクトロルミネッセンスディスプレイ方式又はフィールドエミッションディスプレイ方式である自発光型画像表示装置において、特に有効にその効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る有機ELディスプレイAの模式的な断面図である。
【図2】ゲストホスト液晶セルに印加されたセル電圧とその偏光度との関係を示すグラフ図である。
【図3】ゲストホスト液晶セルの偏光度と表示画像の輝度との関係を示すグラフ図である。
【図4】ゲストホスト液晶セルの偏光度と表示画像のコントラストとの関係を示すグラフ図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る有機ELディスプレイBの模式的な断面図である。
【図6】外部光強度とゲストホスト液晶セルへの印加電圧及び有機ELディスプレイBの消費電力のそれぞれとの関係を模式的に示すグラフ図である。
【図7】従来の有機ELディスプレイの模式的な断面図である。
【符号の説明】
A,B 有機ELディスプレイ
10,10’ 出射側基板
11,11’ 出射側基板本体
12,12’ 透明電極
13,13’ 正孔注入輸送層
14 1/4波長板(位相差フィルム)
15 ゲストホスト液晶セル(直線偏光子)
15’ 直線偏光板
20,20’ 反射側基板
21,21’ 反射側基板本体
22,22’ 金属電極
30,30’ 有機EL発光層
40 セル電源
50 制御部
60 フォトセンサ
151 セル基板
151a セル基板本体
151b セル透明電極
151c 水平配向膜
152 液晶層

Claims (6)

  1. 画像表示するための出射部と、該出射部の後方に反射面が該出射部側を向くように設けられた反射部と、該出射部の後方に設けられた発光部と、を備えた自発光型画像表示装置であって、
    上記出射部は、表示面を覆うように設けられ外部光のうちの所定の直線偏光のみを透過させる直線偏光素子と、該直線偏光素子よりも上記発光部側に設けられ該直線偏光素子を透過した直線偏光を円偏光に変える位相差フィルムと、を有しており、
    上記直線偏光素子は、外部光の状態に応じて偏光度を調整できるように構成されていることを特徴とする自発光型画像表示装置。
  2. 相互に対向するように設けられた出射側基板及び反射側基板と、それらの両基板に狭持されるように設けられた発光層と、を備え、該発光層からの光が該出射側基板から直接的に出射されると共に該反射側基板で反射されて該出射側基板から間接的に出射されるように構成された自発光型画像表示装置であって、
    上記出射側基板は、表示面を覆うように設けられ外部光のうちの所定の直線偏光のみを透過させる直線偏光素子と、該直線偏光素子よりも上記発光層側に設けられ該直線偏光素子を透過した直線偏光を円偏光に変える位相差フィルムと、を有しており、
    上記直線偏光素子は、外部光の状態に応じて偏光度を調整できるように構成されていることを特徴とする自発光型画像表示装置。
  3. 請求項1又は2に記載された自発光型画像表示装置において、
    上記直線偏光素子は、ネマチック液晶に2色性色素を混合したゲストホスト液晶セルであることを特徴とする自発光型画像表示装置。
  4. 請求項1又は2に記載された自発光型画像表示装置において、
    外部光の強度を検知する外部光強度検知センサをさらに備え、
    上記直線偏光子は、上記外部光強度検知センサの検知した外部光の強度に基づいて偏光度が調整されるように構成されていることを特徴とする自発光型画像表示装置。
  5. 請求項4に記載された自発光型画像表示装置において、
    上記直線偏光子の偏光度は、表示画像の輝度及び/又はコントラストが所定の条件を満たすように調整されることを特徴とする自発光型画像表示装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一に記載された自発光型画像表示装置において、
    表示方式がエレクトロルミネッセンスディスプレイ方式又はフィールドエミッションディスプレイ方式であることを特徴とする自発光型画像表示装置。
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