JP3752875B2 - 液晶素子用制御装置及び液晶素子用制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶素子用制御装置及び液晶素子用制御方法にかかり、特に、画像を表示させるときに液晶素子で形成される画素を消去しながら書き込む液晶素子用制御装置及び液晶素子用制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、強誘電性液晶材料を用いたドットマトリクス型液晶光学素子の駆動方法の代表例として2パルス法と4パルス法が知られている。しかしながら、4パルス法では、通常、1ラインづつ選択し選択したラインを消去しながら書き込むために1画面の走査時間が2パルス法と比べて長くなるという問題がある。一方、2パルス法では画面を書き込む走査時間の他に画面を消去する期間が必要となる。通常、この場合の画面消去は全画素を一括消去している。
【0003】
この2パルス法では、全画面一括消去において、書き込み期間中の1ライン選択期間の10倍以上の全面一括消去期間を設けることにより、画像を完全消去させて背景むら等を防止して印画品質を上げるように改善する技術が提案されている(特開平5−297349号公報参照)。また、周囲温度や経過時間による画像劣化を改善するために、周囲温度や画像を表示してからの経過時間により、液晶表示素子に与える消去パルス幅を可変する技術が提案されている(特開平10−123486号公報参照)。
【0004】
これら従来の技術では、全面一括消去パルスの電圧はライン選択期間の書き込みパルスの電圧と同じ値の電圧が印加されている。これら従来の技術により、容易に入手可能なドライバICを用いて、全面一括消去しようとするには、コモン側の全ラインを選択することが考えられるが、制御が煩雑になるという問題が発生する。
【0005】
ところで、容易に入手可能なドライバICを用いて簡単に強誘電性液晶パネルを駆動させる技術が提案されている(特許第2807070号公報参照)。この技術では、強誘電性液晶パネルを駆動するにあたって、TN液晶用ドライバICを使った場合の全面一括消去を、コモンドライバICの出力電極の一部を強誘電性液晶パネルに接続しない非接続電極を設け、その非接続コモン電極を選択している状態で、反転させた液晶駆動出力交流化信号をセグメント側とコモン側に印加している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非接続電極(ダミー電極)を用いた場合には、ドライバICの出力端子を必ず1つ以上無駄にしなければならない。低コスト化のためにはドライバICの出力端子数はパネルの画素数の公約数を用いることが一般的であるが、非接続電極を設ける場合、パネルの表示画素数を減らしたり、画素数の公約数に設定しないようにしたりしなければならずに、性能ダウンやコストアップが発生する。
【0007】
本発明は、上記事実を考慮して、容易に入手可能なドライバICを用いて簡単に強誘電性液晶素子を駆動することができる液晶素子用制御装置及び液晶素子用制御方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明の液晶素子用制御装置は、強誘電性液晶素子に画像を表示させるための複数の走査電極からなる走査電極群と、複数の情報電極からなる情報電極群と、を駆動する駆動手段と、前記強誘電性液晶素子を駆動するための交流化信号と、全面一括消去期間において前記交流化信号を反転させた反転信号とを生成する生成手段と、走査電極群が非選択状態となるように設定すると共に、情報電極群が選択状態となるように設定する設定手段と、前記設定手段により走査電極群が非選択状態に設定されかつ情報電極群が選択状態に設定されたときに、全面一括消去をするために前記生成手段で生成された交流化信号と反転信号とを前記駆動手段に入力する制御手段と、を備えている。
【0009】
本発明の液晶素子用制御装置は、強誘電性液晶素子に画像を表示させるためのものである。液晶素子用制御装置は、駆動手段により走査電極群と情報電極群を駆動する。強誘電性液晶素子は、安定化のため、交流化信号を印加することが一般的である。本発明では、生成手段により、交流化信号と、交流化信号を反転させた反転信号とを生成する。画像表示のときには、任意の走査電極及び情報電極を選択状態に設定するが、全画面を消去するときには全ての走査電極すなわち走査電極群を非選択状態に設定する必要がある。そこで、設定手段は、走査電極群を非選択状態に設定すると共に、情報電極群を選択状態に設定する。設定手段によって走査電極群が非選択状態に、情報電極群が選択状態に設定されたときには、制御手段は、駆動手段へ交流化信号と反転信号とを入力する。このように、走査電極群が非選択状態に設定され、情報電極群が選択状態に設定されたときには、強誘電性液晶素子すなわち画面を消去可能な状態に設定できる。また、駆動手段へ交流化信号と反転信号とを入力することによって、相対差例えば電圧差を大きくとることができ、画面を消去するに十分な信号入力が可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液晶素子用制御装置において、前記設定手段は、画像の表示終了後に画面最初の走査を活性化させずに次走査への指示信号を出力して前記走査電極群を非選択状態に設定することを特徴とする。
【0011】
標準的な駆動手段の一例にはドライバICがある。ドライバICは、表示装置の液晶素子を走査すなわちラインを順次選択してデータを書き込んだり消去したりする駆動用のものである。一般的には、所謂コモン側の走査電極群と所謂セグメント側の情報電極群との各々独立したものが用いられる。本発明では、画像の表示終了後に、すなわち最終ラインにデータが残っている状態で、画面最初の走査を非活性化、すなわち1ライン目を選択しない。この状態で、次走査への指示信号を出力する。この指示信号の出力は次のラインへ移行するクロック入力が望ましい。最終ラインの次ラインは存在しないため、最終ラインから次走査へ指示することにより、コモン側の全ラインが非選択の状態となる。そして、セグメント側の情報電極を全て選択することでセグメント側の全ライン選択とコモン側の全ライン非選択を行うことができる。その状態で、情報電極群及び走査電極群(コモン側及びセグメント側)に、反転した交流化信号を入力することによって、全面一括消去することができる。従って、非選択のドライバICの出力端子を発生させることなく、簡単に制御することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明の液晶素子用制御方法は、強誘電性液晶素子に画像を表示させるための複数の走査電極からなる走査電極群と、複数の情報電極からなる情報電極群と、を駆動する駆動方法であって、前記強誘電性液晶素子を駆動するための交流化信号と、全面一括消去期間において前記交流化信号を反転させた反転信号とを生成し、走査電極群を非選択状態に設定しかつ、情報電極群を選択状態に設定し、全面一括消去をするために前記設定した走査電極群及び前記情報電極群に、前記生成した交流化信号と反転信号とを入力する。
【0013】
このようにすることにより、標準的に使用できる安価なSTN液晶駆動用ドライバICを使って、特に、2パルス法で単純マトリクス強誘電性液晶素子の駆動で、反転された交流化信号を1本追加するだけで、容易に全面一括消去を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態は液晶表示装置に本発明を適用したものである。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施の形態にかかる液晶表示装置は、液晶光学素子10、セグメントドライバ12、コモンドライバ14、LCD信号発生回路16、電圧発生回路18、及びビデオRAM等のフレームメモリ20を備えている。液晶光学素子10、セグメントドライバ12、及びコモンドライバ14により液晶パネルを構成している。液晶光学素子10は、強誘電性液晶材料を用いたドットマトリクス型液晶光学素子であり、例えば強誘電性液晶をフィルム基板により挟んでその片面に反射板付き偏光板が張り合わされ、反対の面に偏光板が張り合わされている。画素数はセグメント側(情報ライン側)×コモン側(走査ライン側)が640×480画素である。
【0016】
セグメントドライバ12はセグメント側液晶駆動用ICであり、例えば日立製作所のHD66110を用いることができる。コモンドライバ14はコモン側液晶駆動用ICであり、例えば日立製作所のHD66113を用いることができる。セグメントドライバ12及びコモンドライバ14は何れもSTN液晶駆動用のドライバICである。
【0017】
セグメントドライバ12の入力側は、液晶駆動用信号のうち信号CL1,MS,DO〜D3,CL2が入力されるようにLCD信号発生回路16に接続されている。また、セグメントドライバ12の入力側は、ロジック用の電源VCC,液晶駆動レベルV1,V2,V3,V4の電源電圧が入力されるように電圧発生回路18に接続されている。セグメントドライバ12は、液晶駆動出力として信号Ysを出力するものであり、セグメントドライバ12の出力側は、液晶光学素子10の一方の端子群に接続されている。
【0018】
図2に示すように、セグメントドライバ12における、液晶駆動出力として信号Ysは、交流化信号Mと表示データDの組み合わせで出力レベルが定まるものである。詳細には、交流化信号M(ここではMSが入力される)と表示データDの組み合わせを(D,M)と表記し、交流化信号Mがハイレベルで「1」、ローレベルで「0」として、表示データDを「1」または「0」とするとき、以下のように定められる。
(D,M)=(1,1)の場合には出力レベルV1
(D,M)=(1,0)の場合には出力レベルV2
(D,M)=(0,1)の場合には出力レベルV3
(D,M)=(0,0)の場合には出力レベルV4
【0019】
コモンドライバ14の入力側は、液晶駆動用信号のうち信号FLM,CL1,MC,DISPが入力されるようにLCD信号発生回路16に接続されている。また、コモンドライバ14の入力側は、ロジック用の電源VCC,液晶駆動レベルV1,V2,V5,V6の電源電圧が入力されるように電圧発生回路18に接続されている。このコモンドライバ14は、液晶駆動出力として信号Ycを出力するものであり、コモンドライバ14の出力側は、液晶光学素子10の他方の端子群に接続されている。
【0020】
図3に示すように、コモンドライバ14における、液晶駆動出力として信号Ycは、交流化信号M(ここではMCが入力される)と表示データDの組み合わせで出力レベルが定まるものである。詳細には、以下のように定められる。
(D,M)=(1,1)の場合には出力レベルV2
(D,M)=(1,0)の場合には出力レベルV1
(D,M)=(0,1)の場合には出力レベルV6
(D,M)=(0,0)の場合には出力レベルV5
これらのドライバICの内部ブロックダイアグラム及び信号端子の機能は、データブック・日立LCDコントローラ/ドライバLSI'96.3版にも詳細に記載されている。
【0021】
LCD信号発生回路16は液晶駆動用の信号を発生させる回路であり、ロジック回路をPLD(プログラマブル・ロジック・デバイス)を用いて1チップ化したものである。電圧発生回路18は液晶パネルに印加される駆動電圧を発生させる回路である。電圧発生回路18はトランジスタ、抵抗R,オペアンプが組み合わせて構成され、本実施の形態では、5個の抵抗が直列に接続された抵抗群の一端が接地されかつ他端がトランジスタを介して所定の電源電圧(40V)に接続されている。本実施の形態では、電圧発生回路18の抵抗Rは10kΩに設定している。抵抗群の両端は、出力レベルV1、V2の出力を得る端子として機能し、抵抗間の接続端はオペアンプに接続され、オペアンプの出力端は出力レベルV3、V4、V5、V6を得る端子として機能する。これらの出力レベルはV2<V5<V4<V3<V6<V1に設定されている。
【0022】
LCD信号発生回路16では液晶駆動用信号である、FLM、CLl、MC、MS、DISP、CL2の各々を発生させており、D0〜D3はフレームメモリ20からLCD信号発生回路16に供給され、セグメントドライバ12及びコモンドライバ14に入力させている。
【0023】
FLMはフレーム信号であり、画面の切り替わり等を表す信号である。CL1はセグメント側表示データのラッチ信号であると共に、コモン側シフトクロック信号である。MCはコモン側液晶駆動電圧交流化信号(全面一括消去期間で交流化信号MSを反転させた反転信号を含む。)であり、MSはセグメント側液晶駆動電圧交流化信号である。DISPは液晶駆動出力オフ信号である。また、CL2は表示データの取り込み信号であり、このCL2によりドライバICでは表示データを取り込むものである。
【0024】
D0〜D3は液晶光学素子10に表示させる表示データであり、フレームメモリ20から供給されるものである。この表示データD0〜D3は「1」でセグメントドライバ12が選択レベルとなり液晶表示オンとするためのものである。また表示データD0〜D3は「0」でセグメントドライバ12が非選択レベルとなり液晶表示オフとするためのものである。
【0025】
また、LCD信号発生回路16では、通常1つである液晶駆動電圧交流化信号を、少なくとも一部を反転させた反転信号を生成する機能を有している。
【0026】
次に、本実施の形態にかかる液晶表示装置の作動を説明する前に、通常の全面一括消去方法を説明する。
【0027】
まず、液晶表示装置の作動として、同一の駆動電圧交流化信号をドライバICに入力させた場合を説明する。この場合の構成は交流化信号の一方(例えばMS)の同一信号をセグメントドライバ及びコモンドライバの双方に入力させればよい。
【0028】
この構成で、全面一括消去を行う場合、セグメント側の情報電極を全て選択し、さらに走査側の全てのラインを選択しなければならない。この場合、書き込み電圧と同じ電圧値で消去を行うことになる。
【0029】
図7には同一の交流化信号のみによる液晶表示装置の駆動フローを示し、図8にはそのタイミングチャートを示した。図7のステップ200では、液晶光学素子10コモン側の全ラインを選択する。通常、コモン側のドライバIC、すなわち、コモンドライバ14は、ライン選択用のデータのセットをシフトレジスタで行っているので、ステップ200において全ライン選択、すなわちコモンドライバ14の全ラインにデータ「1」をセットするためには、走査ライン数だけデータ「1」をクロックで送る(図8では全ライン選択期間中の479パルス)必要がある。
【0030】
次のステップ202では、セグメント側の表示データを選択する。すなわち、データ線側であるセグメントドライバ12にオール「1」のデータをセットする。このようにして、全ライン選択した後、ステップ204において、全面一括消去のための消去パルスを印加し、画面消去を行う。この消去パルスは、交流化信号Mである。この場合のセグメント側の出力電圧YsはM=1のときV1となりまたM=0のときV2となり、コモン側の出力電圧YcはM=1のときV2となりまたM=0のときV1となる。このとき、液晶光学素子10に印加されるその合成電圧は、M=1のとき+V1でM=0のとき−V1となる(図8参照)。
【0031】
次のステップ206では、コモン側の全ライン選択で残存しているシフトレジスタのデータクリア(すなわち全ライン非選択)を行う。すなわち、全面一括消去の後は、1ラインずつ選択しなければならないため、いったん選択ラインのコモン側のドライバICのデータをオール「0」にセットする。このステップ206では、再度「0」データをクロックで全ラインに出力する。このため、クロックをライン数分出力しなければならない(1ライン目選択期間中の479パルス)。次のステップ208では、コモン側を1ラインづつ選択し表示データを書き込むことによって、画面の走査書き込みを行い、全画面終了すると(最終ライン書き込みの後)、次のステップ210において、Disp信号をオフにして書き込みを停止、終了する。
【0032】
このように、一括全面消去のためには、通常2回、全ライン数分のクロック入力を行わなければならない。
【0033】
上記のようなコモン側のデータの入れ替えを行わない場合を考えると、通常、駆動前のコモン側のデータは全て「0」となっている。この場合、図9に示すように、交流化信号Mがセグメント側及びコモン側共に、同信号を入力すると、セグメント側に何れのデータを設定しても、液晶光学素子10では大きな電圧差が生じない。このような小さな電圧差では、消去は可能であるが、消去には、膨大な時間を要する。これは、強誘電性液晶光学素子10の透過状態を変化させるには電圧とパルス幅両方に依存する性質があるためであり、電圧が5分の1である場合、印加時間約5倍必要となる。完全に消去を行う場合には、その5倍から10倍の印加時間が必要となる。このため、上記のようにコモン側のデータの出し入れが必要となり、一括全面消去に係る制御が煩雑になり、時間も長くなる。
【0034】
そこで、本実施の形態では、全面一括消去を行うため、1ライン目の選択を行わず、つまり最終ラインにデータが残っている状態で、セグメント側の情報電極を全て選択して、フレーム信号をハイレベルに設定せずに、コモン側のクロックを入れることでセグメント側の全ライン選択とコモン側の全ライン非選択を行う。その状態で、コモン側とセグメント側に入力する液晶駆動出力交流化信号を、コモン側を「1」から「0」に設定したとき、セグメント側を「0」から「1」に設定することで全面一括消去を行う。なお、全面一括消去にかける時間は印画のライン周期に対して5倍の長さに設定することが好ましい。
【0035】
すなわち、通常、画面表示が終了するとコモン側のデータは、最終ラインに入っている。一般に市販されているSTN用のコモン側ドライバICは、クロックが入ることで、データをシフトしていく。1ライン目の選択時には、フレーム信号が入りそのフレーム信号がハイレベルの時に同期してクロックが入ることで、1ライン目のデータが1となり選択され、最終ラインに残っていたデータは、クロックが入ったことによってシフトされ、そのラインが最終であるため、つまりシフトの先がないためにそのデータはコモン側のICに残らず出て行くことになるためである。
【0036】
図4には相互に反転した交流化信号による液晶表示装置の駆動フローを示し、図5にはそのタイミングチャートを示した。まず、液晶表示装置における具体的な信号について説明する。LCD信号発生回路16は、液晶光学素子10への出力を停止している状態のとき、各信号はローレベルに固定されている。そして、LCD信号発生回路16への印画のトリガ(画像の書込指示)を受け取ると、図5に示す模式的なタイミングチャートのタイミングで各信号を発生する。
【0037】
本実施の形態では、ライン周期を2msとして、全面一括消去期間をライン周期の5倍である10msに設定した。また液晶駆動電圧(V1)は35Vとした。画面走査書き込み期間では、セグメントドライバ12及びコモンドライバ14へ、通常の使い方通り駆動電圧交流化信号を同じ位相で入れているが、全面一括消去期間には反転した信号波形(交流化信号MS,交流化信号MSの反転信号MC)を入力している。一括消去期間から画面走査書き込み期間の、交流化信号M、セグメント側電極のデータ、コモン側電極のデータによる、セグメント、コモン、液晶駆動出力値と液晶に印加されている合成電圧波形は、図5のようになる。
【0038】
詳細には、LCD信号発生回路16への印画のトリガーを受け取ると、図4の駆動フローが実行され、セグメント側の全表示データを選択するために、ステップ100でデータD0〜D3をハイレベルにセットし、次のステップで表示データの取り込み信号CL2により所定個(本実施の形態では160個)のクロックを印加し、次のステップ104でセグメント側表示データのラッチ信号CL1により1パルスを印加させる。
【0039】
次に、画面消去のために、ステップ106においてDISP信号をハイレベルに設定し、次のステップ108で全面一括消去期間のデューティ50%の交流化信号MSと、反転された信号MCとを印加する(消去パルス)。この場合のセグメント側の出力電圧YsはMS=1のときV1となりまたMS=0のときV2となる。コモン側の出力電圧YcはMC=0のときV5となりまたMC=1のときV6となる。このとき、液晶光学素子10に印加されるその合成電圧は、MS=1(MC=0)のとき+V6となりまたMS=0(MC=1)のとき−V6となる(図5参照)。
【0040】
次に、画面走査書き込み、すなわち、コモン側を1ラインづつ選択して表示データに応じた書き込みを行うため、次のように駆動する。ステップ110ではフレームメモリから1ライン分のデータを読み取り、データD0〜D3として信号CL2に同期させて出力する。次のステップ112では、FLM信号をハイレベルに設定し、信号CL1を入力させる。次のステップ114では、ライン周期期間内にフレームメモリから1ライン分のデータを読み取り、データD0〜D3を信号CL2に同期させて出力すると共に、デューティ50%の交流化信号MS、MCを印加する。次のステップ116では信号CL1を入力し、ステップ110からステップ116を所定回(本実施の形態では479回)だけ繰り返す(ステップ118)。このようにして、コモン側を1ラインづつ選択し表示データを書き込むことによって、画面の走査書き込みを行い、全画面終了すると(最終ライン書き込みの後)、次のステップ120において、Disp信号をオフ(ローレベル)にして書き込みを停止、終了する。
【0041】
上記のように、交流化信号Mがセグメント側とコモン側とに、反転した交流化信号(交流化信号MSと、交流化信号MSの反転信号MC)を入力することによって(図6参照)、液晶光学素子10で大きな電圧差が生じることになり、容易かつ短時間で全面消去が可能となる。従って、コモン側のデータの出し入れは不用となり、一括全面消去に係る制御を短時間でかつ単純化できる。
【0042】
図6に示すように、本実施の形態による全面―指消去期間のセグメントドライバ12及びコモンドライバ14の出力と、これにより液晶に印加される合成出力は、全面一括消去の期間において、1ライン選択期間の書き込み電圧の4/5倍の電位となる。すなわち全面一括消去期間に液晶光学素子10にかかる電圧は、本実施の形態の場合28Vになる。
【0043】
強誘電性液晶光学素子の透過率を変えるパルスの閾値は、電圧とパルス幅で決定される。従って、電圧が低くてもパルス幅が長ければ、闘値を超えることが分かる。この場合、画面走査書き込み期間での電圧値がVl、すなわち35Vであり、印加パルス幅は2msであるので、消去に必要なパルス幅はおよそ2.5msである。全面一括消去のパルス幅は、1ライン選択期間の書き込みパルスの幅の5倍とした。つまり、10msであり、2.5msより充分長くしている。
【0044】
特開平5−297349号公報に記載の技術では、表示品質を上げるために、1ライン選択期間の書き込みパルスの幅より10倍以上としてるが、本実施の形態によれば、1ライン選択期間の書き込みパルス電圧の4/5倍の28Vであっても、全面一括消去期間が1ライン選択期間の5倍の10msで、表示品質の面では十分であり、より短時間で消去が可能であることを確認している。
【0045】
このように、本実施の形態では、標準的な液晶光学素子の駆動IC、すなわち、コモン側の駆動ICとセグメント側の駆動ICを用いて、液晶光学素子を駆動する場合に、最終ラインにデータが残っている状態で、画面最初の走査すなわち1ライン目を選択せずに、次ラインを選択させる。これにより、最終ラインの次ラインは存在しないため、コモン側の全ラインが非選択の状態となる。そして、セグメント側の全ラインを選択させて、コモン側及びセグメント側に、各々が反転した交流化信号(交流化信号MSと、交流化信号MSの反転信号MC)を入力することによって、全面一括消去する。これによって、ダミーのドライバICの出力端子を発生させることなく、また、全ライン数分のクロック入力を2回行うこともない。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本実施の形態には特許請求の範囲に記載した要件以外に、次のような各種の技術事項の実施態様を有するものである。すなわち、本発明の実施の形態では、強誘電性液晶素子の透過状態を変化させるには電圧とパルス幅両方に依存する性質を利用して、情報電極群(セグメント側)と、これに対向して交差した走査電極群(コモン側)とを駆動する駆動手段と、前記駆動手段に対し、前記情報電極群に情報を設定し、互い反転させた交流化信号(交流化信号MSと、交流化信号MSの反転信号MC)を与える制御手段とを備えている。
【0047】
また、本発明の実施の形態は、以下の方法を含んでいる。具体的には、一般に市販されているSTN用単純マトリクス型液晶駆動用のドライブICを使用して,表示データDC及び液晶駆動出力用の交流化信号MCの2つのデジタル制御信号の組み合わせにしたがって、
(DC,MC)=
(1,1)の時V2、(1,0)の時Vl、
(0,1)の時V6、(0,0)の時V5
のように選択される入力端子Vl,V2,V5,V6を有し、かつこの入力端子に入力された電圧を出力端子に出力するコモン用駆動ICと、
表示データDS及び液晶駆動出力用の交流化信号MSの二つのデジタル制御信号の組み合わせにしたがって、
(DS,MS)=
(1,1)の時Vl、(1,0)の時V2、
(0,1)の時V3、(0,0)の時V4
のように選択される入力端子Vl,V2,V3,V4を有し、かつこの入力端子に入力された電圧を出力端子に出力するセグメント用駆動ICを用いて強誘電性液晶素子を駆動する方法であって、
各電圧は、
V2<V5<V4<V3<V6<V1
であり、前記全面一括消去期間には、コモン用駆動ICのデータDCは全ビット0とし、セグメント用駆動ICのデータDSは全て1として、かつ液晶駆動出力用の交流化信号MCとMSは反転した信号であることを特徴とする。
【0048】
このようにすることにより、全面一括消去の際に、選択ライン側のコモンICにデータを入れ替える必要がなくなる。
【0049】
このようにすることにより、液晶ドライバICメーカより標準品として購入できる安価なSTN液晶駆動用ドライバICを使って、特に、2パルス法で単純マトリクス強誘電性液晶素子の駆動において、交流化信号を1本追加するだけで、コモン側のデータの入れ替えの必要がなくなり、また全面一括消去にかかる時間が短くて済み、印画スピードが上げられる。
【0050】
従って、強誘電性液晶を使ったドットマトリクスタイプのデイスプレイの、標準品として市販されているSTN液晶用単純マトリクスドライパーICを使っての全面一括消去を、煩雑なシーケンスを加えることなく、また時間を犠牲にせずに行うことが可能となる。
【0051】
なお、上記の実施の形態では、液晶表示装置に本発明を適用した場合を説明したが、本発明は液晶表示に限定されるものではなく、液晶素子を駆動する各種制御装置への適用が可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、強誘電性液晶素子に表示された画像を消去するときに、走査電極群を非選択状態に設定しかつ情報電極群を選択状態に設定したときに、交流化信号と反転信号とを前記駆動手段に入力するので、非接続電極(ダミー電極)を設定する必要はなく、標準的な駆動回路を用いて、強誘電性液晶素子の全画面を一括消去することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 液晶素子駆動用のセグメントドライバの出力レベルを説明するための説明図である。
【図3】 液晶素子駆動用のコモンドライバの出力レベルを説明するための説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の駆動処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】 液晶表示装置における信号を示すタイミングチャートである。
【図6】 反転された交流化信号を用いて画面を一括消去する過程を電圧レベルで説明するための説明図である。
【図7】 同一の交流化信号を用いて画面を一括消去する通常処理を含む液晶表示装置の駆動処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】 同一の交流化信号を用いて画面を一括消去する通常処理を含む液晶表示装置における信号を示すタイミングチャートである。
【図9】 同一の交流化信号を用いて画面を一括消去する過程を電圧レベルで説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 液晶光学素子
12 セグメントドライバ
14 コモンドライバ
16 LCD信号発生回路
18 電圧発生回路
20 フレームメモリ
Claims (3)
- 強誘電性液晶素子に画像を表示させるための複数の走査電極からなる走査電極群と、複数の情報電極からなる情報電極群と、を駆動する駆動手段と、
前記強誘電性液晶素子を駆動するための交流化信号と、全面一括消去期間において前記交流化信号を反転させた反転信号とを生成する生成手段と、
走査電極群が非選択状態となるように設定すると共に、情報電極群が選択状態となるように設定する設定手段と、
前記設定手段により走査電極群が非選択状態に設定されかつ情報電極群が選択状態に設定されたときに、全面一括消去をするために前記生成手段で生成された交流化信号と反転信号とを前記駆動手段に入力する制御手段と、
を備えた液晶素子用制御装置。 - 前記設定手段は、画像の表示終了後に画面最初の走査を活性化させずに次走査への指示信号を出力して前記走査電極群を非選択状態に設定することを特徴とする請求項1に記載の液晶素子用制御装置。
- 強誘電性液晶素子に画像を表示させるための複数の走査電極からなる走査電極群と、複数の情報電極からなる情報電極群と、を駆動する駆動方法であって、
前記強誘電性液晶素子を駆動するための交流化信号と、全面一括消去期間において前記交流化信号を反転させた反転信号とを生成し、
走査電極群を非選択状態に設定しかつ、情報電極群を選択状態に設定し、
全面一括消去をするために前記設定した走査電極群及び前記情報電極群に、前記生成した交流化信号と反転信号とを入力する
液晶素子用制御方法。
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