JP3752054B2 - 磁界の検出方法及び磁気センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアモルファス磁性ワイヤを使用した磁気センサにより磁界を検出する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アモルファス合金ワイヤとして、自発磁化の方向がワイヤ周方向に対し互いに逆方向の磁区が交互に磁壁で隔てられた構成の外殻部を有する、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス合金ワイヤが開発されている。例えば、Co70.5B15Si10Fe4.5が開発されている。
【0003】
かかる零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス磁性ワイヤに高周波電流したときに発生するワイヤ両端間出力電圧中のインダクタンス電圧分は、ワイヤの横断面内に生じる円周方向磁束によって上記の円周方向に易磁化性の外殻部が円周方向に磁化されることに起因し、従って、周方向透磁率μθも同外殻部の円周方向の磁化に依存する。
【0004】
この通電中のアモルファスワイヤにワイヤ軸方向の外部磁界を作用させると、上記通電による円周方向磁束と外部磁束との合成により、上記円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずれ、それだけ円周方向への磁化が生じ難くなり、上記周方向透磁率μθが変化し、上記インダクタンス電圧分が変動することになる。。
【0005】
更に、上記通電電流の周波数がMHzオ−ダになると、高周波表皮効果を無視し得なくなり、表皮深さδ=(2ρ/wμθ)1/2(μθは前記した通り、円周方向透磁率、ρは電気抵抗率、wは角周波数)がμθにより変化し、このμθが前記した通り、外部磁界によって変化するので、ワイヤ両端間出力電圧中の抵抗電圧分も外部磁界で変動するようになる。
【0006】
そこで、ワイヤ両端間出力電圧、すなわち、外部磁界による上記インダクタンス電圧分と抵抗電圧分の合成電圧の変動(以下、外部磁界によるこの出力電圧の変動をインピ−ダンス効果といい、インダクタンス成分の変動をインダクタンス効果という)から外部磁界を検出することが提案されている(特開平7−181239号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記インピ−ダンス効果を利用した磁気センサは、従来の巻線誘導検出再生磁気ヘッドに代替するものとして、オ−ディオテ−プレコ−ダ、ビデオテ−プレコ−ダ、コンピュ−タ、ロ−タリエンコ−ダ−等の分野で実用化が期待されている。
この実用化のためには、上記外部磁界に対する検出感度(S/N比)を充分に高くする必要があり、このため、上記アモルファスワイヤに直流または時間的に変化する電流を通電した状態で、焼鈍することが提案されている(特開平6−176930号公報)。
しかしながら、この提案はワイヤ加工面からの解決手段であり、加工面での制約を免れ得ない。
【0008】
本発明の目的は、アモルファス磁性ワイヤに電流を流し、ワイヤの軸方向外部磁界を上記インピ−ダンス効果によって検出する場合、部材の簡易な付加のみで外部磁界の検出感度を充分に向上できる磁気検出方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る磁界の検出方法は、アモルファス磁性ワイヤの両端に高透磁率材料を取り付け、該アモルファス磁性ワイヤに電流を流し、同ワイヤの両端間に同ワイヤの軸方向外部磁界により発生するインダクタンス変化による電圧と抵抗変化による電圧とを検出することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1の(イ)は本発明に係る一の磁気センサを示す側面図、図1の(ロ)は同じく平面図である。
図1の(イ)及び図1の(ロ)において、1は零磁歪乃至は負磁歪のアモルファスワイヤであり、自発磁化の方向がワイヤ周方向に対し互いに逆方向の磁区が交互に隔壁で隔てられた外殻部を有している。2,2はアモルファスワイヤの両端に接続した高透磁率材料のヘッドで、残留磁気が小で透磁率の高い軟磁性材料、例えば、パ−マロイ(鉄−ニッケル合金)、けい素鋼、フェライト等を使用できる。
【0011】
図2は本発明に係る磁気センサを使用して外部磁界を検出する回路を示している。
図2において、3は高周波電源であり、この電源3によりアモルファスワイヤに電流が流され、ワイヤ両端a−a’に抵抗電圧分eRとインダクタンス電圧分eLとからなる出力電圧が発生される。4は出力電圧測定回路である。
Hexはワイヤ軸方向の被検出外部磁界であり、高透磁率材料ヘッド2の先端端面21に入る磁束がアモルファスワイヤ1内を通過する。この場合、高透磁率材料ヘッド2の先端端面21の面積をS、アモルファスワイヤ1の断面積をsとすると、アモルファスワイヤ1を通過する磁束は、磁束洩れがないとすれば、高透磁率材料ヘッド無しの場合に較べてS/s(S/s=k≫1)倍に増加でき、磁束洩れがあっても、外部磁界Hexを高感度でキャッチできる。
【0012】
上記の出力電圧の外部磁界Hexによる変動は、アモルファス磁性ワイヤに自発磁化の方向が正周方向の磁区と負周方向の磁区とが交互に位置してなる外殻部が存在し、ワイヤを通る軸方向磁界Hexによりワイヤ通電電流による周方向交流磁界がある角度(α°)ずらされ、その磁区の周方向回転が生じ難くなって周方向透磁率μθが変化されること、及びその周方向透磁率μθの変化に伴い表皮深さが変動されること等によるのであり、外部磁界Hexのキャッチ感度を高くすればするほど、周方向透磁率μθの変化が高感度となってインダクタンス電圧変動が高感度となり、また、その周方向透磁率μθの変化の高感度化に伴い高周波表皮効果による抵抗電圧変動も高感度になるから、外部磁界Hexを高感度でキャッチできる本発明に係る磁気センサにおいては、その外部磁界を出力電圧の変化により高感度で検出できる。
【0013】
上記高透磁率材料ヘッド2の形状は、先端側ほど断面積を大とした形状、例えば、図3に示すような、円錐形とすることもできる。断面形状は、矩形等の四角形、四角形以外の多角形、三角形、円形、楕円形等の何れであってもよい。
上記高透磁率材料ヘッドのアモルファスワイヤへの取付けは、通常、高透磁率材料ヘッドを外面においてワイヤ端部に溶接等で固着することにより行うが、図3に示すように、高透磁率材料ヘッド2にワイヤ挿入穴22を設け、この穴にワイヤ端部を圧入接触させ、接着剤23で固定することも可能である。
【0014】
図4の(イ)は本発明に係る他の磁気センサを示し、絶縁基板、例えば、セラミックス基板4上に高透磁率材料ヘッド2,2を固着し、これらのヘッド2,2間にアモルファスワイヤ1を溶接等により接続してある。
図4の(ロ)は本発明に係る他の磁気センサの別例を示し、絶縁基板4、例えば、セラミックス基板上に金属(例えば、銀−パラジウム合金)のコ−ティングで電極5,5を形成し、各電極5上に高透磁率材料ヘッド2を固着し、これらのヘッド2,2間にアモルファスワイヤ1を溶接等により接続してある。
【0015】
上記出力電圧の検出回路としては、図5に示すように、本発明に係る磁界センサをインダクティブ素子とするコルピッツ発振回路を組立て、更に、外部磁界によるこの発振回路の振幅・周波数変調を検波するショットキダイオ−ドやRC回路を接続してものを使用することができる。
また、本発明に係る磁界センサの出力電圧のインダクタンス電圧成分は抵抗電圧成分に較べ立上りが鋭いから、フィルタ−に通し、インダクタンス電圧成分のみを取り出し、このインダクタンス電圧成分を出力とすることもできる。
【0016】
【実施例】
〔実施例1〕
アモルファスワイヤには、組成がCo70.5B15Si10Fe4.5で、零磁歪、外径50μmφ、長さ2mmのものを使用した。
図4の(ロ)に示すように、セラミックス基板4上に銀−パラジウム合金で電極5,5を形成し、その電極上に厚み0.5mm、長さ4.0mm、巾1.6mmの鉄−50ニッケル合金プレ−ト2を固着し、このプレ−ト2,2間に上記アモルファスワイヤ1を溶接した。
〔実施例2〕
実施例1に対し、鉄−50ニッケル合金に代えフェライトを使用した以外、実施例1と同じにした。
〔比較例〕
実施例1に対し、鉄−50ニッケル合金プレ−トを使用せず、アモルファスワイヤを電極に溶接した以外、実施例1に同じとした。
【0017】
これらの実施例及び比較例の磁気センサを図5に示す検出回路に組み込み、発振周波数40MHz、ワイヤ電流5mA(p-p)のもとで、ワイヤ軸方向外部磁界を変化させ、出力電圧が充分な感度で変化するときの磁界を測定したところ、比較例では4Gであったが、実施例1では2G、実施例2では2.7Gであり、何れの実施例品とも比較例品より高感度であることが確認できた。
【0018】
【発明の効果】
本発明に係る磁界の検出方法によれば、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファスワイヤの磁気インピ−ダンス効果を利用して外部磁界を検出する場合、アモルファス端部に高透磁率材料を取り付けるだけでその検出感度を充分に向上でき、簡易な構造、低コストで高感度化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1の(イ)は本発明において使用する磁気センサを示す側面図、図1の(ロ)は同じく平面図である。
【図2】 本発明に係る磁気検出方法を示す図面である。
【図3】 本発明において使用する磁気センサの上記とは別の例の要部を示す断面図である。
【図4】 本発明において使用する磁気センサの上記とは異なる例を示す図面である。
【図5】 本発明において使用する検出回路の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 アモルファスワイヤ
2 高透磁率材料ヘッド
4 基板
Claims (1)
- アモルファス磁性ワイヤの両端に高透磁率材料を取り付け、該アモルファス磁性ワイヤに電流を流し、同ワイヤの両端間に同ワイヤの軸方向外部磁界により発生するインダクタンス変化による電圧と抵抗変化による電圧とを検出することを特徴とする磁界の検出方法。
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JP11877797A JP3752054B2 (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 磁界の検出方法及び磁気センサ |
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