JP3751979B2 - 細胞内物質の放出 - Google Patents
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Description
細胞を溶菌させ、細胞内物質を分離する現在の方法は、労力を要し、時間がかかり、多くのステップを必要とする。例えば、細菌からDNAを調製するのに必要なプロトコルは、十以上の別個のステップを含んでいる。グラム陰性菌中で有効に細胞を溶菌させるためには、EDTAのような試薬によって処理し、リゾチームおよびRNaseのような酵素によって消化することが必要である。これに続いて、冷衝撃、浸透衝撃または煮沸によって細胞内物質を放出させる。この溶菌調製物から核酸を回収するためには、更に複数のステップが必要である。
ゲノムDNAを分離させる場合には、DNAを放出させるには、細胞の溶菌につづいて、
酵素によってRNAと蛋白質とを消化し、
通常は溶媒抽出によって汚染物質を除去し、
次いで最後には、エタノール沈殿ステップまたは透析によって純粋な調製物を得る。
プラスミド抽出法は、細胞の溶菌、ゲノムDNAの選択的な沈殿に続いて、勾配遠心分離またはイオン交換クロマトグラフィーによるプラスミドDNAの精製からなる。現在使用されているDNA抽出技術は、ゲノムDNAに対してはフェノール−クロロホルム抽出法および塩析法を含み、プラスミドDNAに対しては塩化セシウム/臭化エチヂウム密度勾配およびイオン交換カラムを含んでいる。更にDNAおよびDNAフラグメントの精製に広く使用されているキット類は、カオトロピックな条件下でのDNAの精製に基づいている。これらの技術はすべて、それ自身の限界を有している。例えば、密度勾配およびフェノール/クロロホルム抽出法は、使用時に時間のかかるプロセスであり、実行に最大24時間かかる。更に、これらの目的でフェノールを多量に使用することは、フェノールが毒性と組織破壊性を有することから、非常に望ましくない。DNAの大きなフラグメントを分離する方法は、DNAの剪断をもたらしえる。
キロボルト領域の電圧を使用したエレクトロポレーションは、このエレクトロポレーションプロセスの間に一時的に発生する浸透された細胞膜を通じて細胞内物質を放出させ得ることは知られている。例えば、ブロデリウス(Brodelius).P.E.、ファンク.C、シリトー.R.D.「Plant Cell Reports」7、186(1988年)およびヒーリー.D.M.、パウエルR.、ガノンF.およびダニカンL.K.「Nuc.Acids.Res.」17、10131(1989年)を参照。
エレクトロポレーションには、典型的には1kVを越える高電圧を、ミリ秒のオーダーの短い持続時間のパルスで印加する。一般的には、複数の電極の間の電位勾配は、エレクトロポレーションされるべき細胞を含有する懸濁液に対して、これらの電極を通して電圧が印加されるのだが、1cm当たり1kVを越えるであろう。このためには、手の込んだ、かつ高価な装置が必要である。
ここで、低い範囲の大きさの電圧を印加することによって、細胞から細胞内物質を放出させ得ることを見いだし,この電圧は以前にはこうした形で細胞膜構造に影響しえるとは考えられてこなかった大きさであった。
従って、本発明で提供する、細胞から細胞内物質を放出させる方法は、この細胞の懸濁液へと50ボルト以下の電圧を印加することを含んでいる。
好ましくは、この電圧は、0.5−50ボルトであり、この範囲内の低い方の領域の電圧が非常に好ましく、例えば0.5−15ボルトが好ましく、最も好ましいのは1−10ボルトである。
この電圧は、直流電圧または交流電圧であってよい。
エレクトロポレーションにおける慣例と異なり、電圧を連続的に印加し、電圧が15ボルトを越える場合に問題となりえる過剰の熱の作用を避けることができる。好ましくは、電圧を少なくとも30秒の間印加し、最も好ましくは少なくとも2分間印加し、例えば2−20分間印加する。好ましくは、電圧を上記した時間、連続的に印加するが、数秒から数分、例えば5秒から10分間の時間で繰り返して電圧を印加することによって、このプロセスを反復できる。
この電圧を印加するための複数の電極は、好ましくは10mm以下離れており、例えば5−7mm離れている。しかし、細胞から放出された二本鎖DNAを変性させるための条件を最適化することが好ましく、この場合には電極の間隔を一層小さくすることが望ましいであろう。放出されたDNAの変性を完了させるためには、間隔の小さい電極間で懸濁液に対して電圧を印加することが好ましく、電極の最も近い距離で5mm以下、例えば1.5mm以下離れていることが好ましく、最も好ましくは0.5mm以下である。
複数の電極の一方は、導電性材料の容器によって構成されていてよく、この容器の中に、処理すべき試料が収容されている。
このプロセスを実施することで、細胞を溶菌させ、二本鎖DNAおよび他の生体分子を含む、蛋白質および核酸類を含む細胞内物質を放出させることができる。本発明での使用に適した装置を利用して、二本鎖核酸を変性させるための方法は、PCT/GB95/00542号出願に記載されている。このプロセスそれ自体は、WO92/04470号およびWO93/15224号に記載されている二本鎖核酸を電気化学的に変性させるためのプロセスの改良である。これらの出願明細書に記載されているように、核酸は、電圧の印加によって可逆的に変性させることができ、こうした変性は、多数の一層複雑な仕事、例えばハイブリッド形成研究、およびPCRのような核酸増殖法において、一ステップとして利用できる。
本発明の方法に従って細胞から放出された核酸は、これらの出願明細書の教示に従って更に処理することができる。
従って、本発明は、一本鎖核酸を生産する方法を含んでおり、この方法は、電極によって細胞の懸濁液に50ボルト以下の電圧を印加してこれらの細胞から核酸を放出させることによって、細胞から二本鎖核酸を放出させ、前記電極によって前記懸濁液に対して同一かまたは相異なる電圧を印加することによって二本鎖核酸を変性させ、前記二本鎖核酸を一本鎖核酸へと変換することを含んでいる。
この方法において変性を生じさせ得る電圧の範囲は、細胞の溶菌を生じさせるのに好適な電圧の範囲よりも狭いであろうから、この変性段階においては、複数の電極間の電位差として測定したときに、0.5−3ボルトの電圧を印加することが好ましく、一層好ましくは1.5−2.5ボルトである。
WO92/04470号に記載されているように、一層迅速に変性を生じさせるために、メチル ビオロゲンのようなプロモーター化合物を使用できる。
更に一般的には、このプロモーターは、二重らせんの変性の速度と程度とを増加させる、あらゆる無機または有機分子であってよい。プロモーターは、選択された反応培地中で可溶性でなければならない。好ましくは、プロモーターは、前記溶液中に存在しえる酵素やオリゴヌクレオチドプローブのようなDNAまたは他の物質に影響せず、あるいは干渉しない。または、このプロモーターは、電極に対して固定化することができ、あるいは、電極を構成する物質中に含有させることができる。これはビピリジル系列の水溶性の化合物であってよく、特にメチルビオロゲンやその塩類のようなビオロゲン類であってよい。こうしたプロモーター類の作用機構は、現在のところ確実には知られていないけれども、正に荷電したビオロゲン分子が、DNAのような負に荷電した核酸と、負に荷電したカソードとの間で相互作用し、これらの間の静電反発を減少させ、これによって電場が最も強い電極表面へのDNAの接近を促進するものと考えられている。従って、離れた正荷電中心を有する化合物、例えば双極性の正荷電化合物を、プロモーターとして採用することが好ましい。好ましくは、これらの正荷電中心の間隔は、ビオロゲン類中の正荷電中心の間隔に近い。他の好適なビオロゲン類には、エチルビオロゲン、イソプロピルビオロゲンおよびベンジルビオロゲンが含まれる。
他のプロモーター、例えばマグネシウムのような多価陽イオンは、WO93/15224号に記載されている。有効かつ使用可能な他の多価陽イオンには、ランタン(La3+)が含まれる。プロモーターとしての陽イオン類には、無機または有機のリガンド類と錯体化された無機陽イオン、例えばPt(NH3)6 4+およびCr(NH3)6 2+が含まれる。本発明の細胞内物質の放出方法は、こうしたプロモーターの存在下または不存在下に実施することができ、また放出を促進する量のあらゆるプロモーターの存在下または不存在下に実施することができる。
少なくとも変性段階においては、複数の電極が互いに最も近くに接近している場所において、電極の一方または双方が尖っていることが好ましい。こうした電極には、一つの尖端部または複数の尖端部を設けることができる。理想的な印加電圧と電極の形状との間にはある相互関係があるらしく、電極の尖端部において好適なまたは理想的な電場勾配があり得、これは電極の変性が生ずる部分の鋭さに適合するように電圧を調整することによって得られる。所望により、電圧を調節するよりも、定常電流を供給することで変性を実施することができ、これは相異なる変性操作の間における各電極の幾何学的設定の変動を補うように作用しえる。
定常電流の方式を採用した場合には、一般的には、80−160μA、例えば約100−125μAの電流を使用することが好ましい。
所望により、本プロセスは、WO92/04470号に記載されている種類の三電極装置を使用して実施することができるが、一般的には、本発明において採用する溶液の容量は小さいこと、例えば1ml以下が好ましく、非常に小さいこと、例えば100μl以下であること、例えば約25μl−40μlであることが好ましい。この種の非常に少量の反応容量を採用した場合には、一般的には、三電極装置を使用することは実際的ではないであろう。
例えば細胞の溶菌および変性の方法は、それぞれ、常温で実施でき、あるいは所望であれば核酸の溶融前温度の近傍の温度まで実施できる。各方法は、3−10のpHで実施することができ、約7で実施することが便利である。一般的には、pHが低い方が、変性が迅速になる。従って、幾つかの目的のためには、中性よりも幾らか低いpH、例えばpH約5.5が好ましい。鎖の分離プロセスに干渉しないような性質とイオン化強度とを有する緩衝液を含有する水溶液中に、細胞を懸濁させることができる。
好ましくは、この溶液は、少なくとも10mM、例えば約25mMの濃度で緩衝液を含有する。所望により、本溶液は、塩化マグネシウムおよび塩化ナトリウムのような塩類を更に含有していてよい。好ましくは、本方法は、PCR法またはLCR法で使用される種類の緩衝液内で実施する。
従って、好ましくは、溶液のイオン化強度は、20mMを越えており、例えば25−50mMである。
本発明による核酸の放出および変性方法は、多数の一層複雑なプロセス中で、例えば核酸の分析および/または増殖を含む方法の中で、複数のステップとして包含させることができる。こうした方法の幾つかの例を下に記載する。
我々が見いだしたところによると、PCT/GB95/00542号に記載されている優れた電気化学的な細胞設計の利点によって、PCR緩衝液のような材質の存在下に、3分間よりも短い時間で、例えば1−2分間以下の時間でさえも、変性を達成できる。
これによって、二本鎖核酸の変性を繰り返す方法を実施することができ、ここで核酸を、上記した方法によって変性し、このプロセスにおいて最大2分間の持続時間、好ましくは最大1分間だけの持続時間のパルスを繰り返すパルス配列として、電圧を印加する。複数のパルスの間に、電圧を切ることができ、あるいは好ましくは電圧を印加した時間に等しい時間の間、電圧を逆転させることができる。上記よりも著しく高い周波数、例えば1−100Hzのパルスを採用することができる。変性を実施する目的によっては、各変性サイクルにおいて、二本鎖核酸を一本鎖核酸へと相当量変換することは不要であり得る。変性を電気化学的に開始させることだけで十分である場合がある。例えば、増殖法においては、プライマーの結合を可能とするのに十分な変性が起こるとすれば、ヌクレアーゼによるこのプライマーの伸長に依存して、もとの核酸のプライマー化されていない鎖を、その結合パートナーから、核酸の全長の残りにわたって置換することができる。
更に、本発明で提供する核酸の標的配列を増殖する方法は、核酸のハイブリッド形成、増殖および変性を含んでおり、ここで上記したようにして細胞から核酸を放出し、核酸を含有する溶液を、最大2分間の間、前記溶液中で核酸の少なくとも一部が、全体的あるいは部分的な一本鎖形に変換されるような条件下で、複数の電極の間で印加電圧に供することによって、前記変性を実施することからなる。好ましくは、こうしたプロセスにおいて使用する電極配置は、上記したようにする。好ましくは、例えば1−100Hzで、例えば最大1分間の、しかし好ましくは更に短時間、例えば最大0.1分間または一層短時間の繰り返しパルスとして、電圧を印加する。
好ましくは、増殖法はPCR法またはLCR法である。
従って、本発明は、核酸を複製する方法を含んでおり、上記した方法によって二本鎖核酸を細胞から放出させ;溶液中の試料二本鎖核酸の鎖を、電極からこの溶液へと印加される電圧の影響下に分離し;この核酸の分離された鎖を、少なくとも一種のオリゴヌクレオチドプライマーとハイブリッド形成し、オリゴヌクレオチドプライマーは、変性された核酸の少なくとも一種の鎖とハイブリッド形成し;これとハイブリッド形成する核酸の各鎖と十分に相補的な前記のまたは各プライマーの伸長産物を合成し;および伸長産物を得るためにハイブリッド形成した前記核酸鎖から、前記のまたは各伸長産物を分離することからなる。
この複製プロセスは、3SRまたはNASBA増殖法または鎖置換アッセイにおいて一ステップとすることができる。
こうしたポリメラーゼ媒介増殖法、例えばポリメラーゼ連鎖反応法においては、すべての場合において核酸の全一本鎖分子を生産する時点まで変性を実施することは不要な場合がある。プライマーのハイブリッド形成部位中の二重らせんに十分に局所的および/または一時的な弱化または分離を生じさせ、このプライマーをその標的へと結合させることで十分である場合がある。いったんプライマーが標的鎖の一方の上の位置にあると、このプライマー領域中の標的鎖の再ハイブリッド形成が防止されるであろうし、他方の標的鎖が、このプライマーの伸長によって、あるいは更なる一時的弱かまたは分離プロセスによって、連続的に置換されるであろう。
好ましくは、前記の複製法は、更に、上で規定した手順を、循環的に、例えば10サイクル以上、例えば最大20から30サイクル繰り返すことを含む。この増殖方法においては、好ましくは、核酸の相異なる鎖に対して相補的な二種のプライマーを使用して、ハイブリッド形成ステップを実施する。
好ましくは、伸長産物を得るための変性と、標的核酸の最初の変性とは、核酸の溶液に対して、複数の電極から電圧を印加することによって実施する。
本方法は、一種の核酸または複数の核酸の混合物中に含有されている少なくとも一種の特定の核酸配列を増殖させるための標準的または古典的なPCR法であってよく、ここで各核酸は、同じ長さかまたは異なる長さの、二種の異なる相補的な鎖からなっており、この方法は、
(a) 各々異なる特定の配列を増殖させるために、二種のオリゴヌクレオチドプライマーによって鎖を処理し、処理を行う条件は、各々異なる配列を増殖させるために、各核酸鎖に対して相補的な各プライマーの伸長産物を合成し、ここで各々特定の配列の異なる鎖に対して実質的に相補的なように前記プライマーを選択することによって、一方のプライマーから合成した伸長産物が、伸長産物がその補体から分離されている場合には、他方のプライマーの伸長産物の合成に対する鋳型として働き得るようにし;
(b) 電極から反応混合物へと電圧を印加することによって、プライマー伸長産物が合成された鋳型から、その伸長産物を分離し、一本鎖分子を生産し;および
(c) ステップ(b)で生成した一本鎖分子を、ステップ(a)のプライマーによって、ステップ(b)で生産された一本鎖の各々を鋳型として使用してプライマー伸長産物が合成されるような条件下で処理することからなる。
また、本方法は、古典的なまたは標準的なPCR法のあらゆる変種であってよく、例えばいわゆる「逆行」または「逆位」PCR法または「アンカー」PCR法であってよい。
従って、本発明は、上記のような増殖プロセスを採用するのに際して、上記したようにして細胞から放出された環状核酸へとプライマーをハイブリッド形成させ、プライマーを伸長させて二重らせんを生成させ、二重らせんを変性電圧の印加によって変性し、本増殖法は、所望により、一回または複数回の付加的なサイクル繰り返す。
本発明の方法は、リガーゼ連鎖反応法に適用できる。従って、本発明は、標的核酸を増殖させる方法を含んでおり、この方法は、前記のようにして細胞から標的核酸を放出させるステップに続いて、
(a) 試料の核酸を一本鎖核酸をして与え;
(b) この試料中に少なくとも四種の核酸プローブを与え、ここで
(i) 第一および第二の前記プローブが一次プローブであり、第三および第四の前記プローブが二次核酸プローブであり;
(ii) 第一のプローブが、標的核酸の一次鎖の第一のセグメントに対してハイブリッド形成できる一本鎖であり;
(iii) 第二のプローブが、標的核酸の前記一次鎖の第二のセグメントに対してハイブリッド形成できる一本鎖であり;
(iv) 前記標的の前記一次鎖の第一のセグメントの5’末端を、前記標的の前記一次鎖の第二のセグメントの3’末端に対して配置することによって、前記標的核酸の前記一次鎖へと前記プローブがハイブリッド形成するときに、前記第一のプローブの3’末端の前記第二のプローブの5’末端への結合を可能とし;
(v) 前記第三のプローブが第一のプローブへとハイブリッド形成でき;および
(vi) 第四のプローブが第二のプローブに対してハイブリッド形成でき;および
(c) (i) 前記プローブを、前記試料中の核酸とハイブリッド形成させ;
(ii) ハイブリッド形成したプローブを連結させて、再構成された融合プローブ配列を生成させ;および
(iii) この反応混合物へと電圧を印加することによって前記試料中のDNAを変性させることからなる。
この電気化学的なDNAの放出および増殖技術を分析に使用し、非常に少量のDNA試料、例えば動物細胞または細菌の単細胞中の単一の複製遺伝子を検出し、分析することができる。
この方法を実施する温度は、いずれの酵素を使用するとしても、適合するように選択できる。従って、Taqをポリメラーゼとして使用する場合には、55−68℃の温度が好ましい。クレノウ ポリメラーゼを使用する場合には、常温が好適であろう。特に中温菌ポリメラーゼを使用する場合には、ポリメラーゼへの電気的な損傷を防止するために、既知の蛋白質安定化技術を採用することが望ましい。
本発明は、細胞中の所定の核酸配列の存在または不存在を検出する方法を含んでおり、この方法は、上記のようにして細胞から核酸配列を放出させ;この核酸へと印加される電圧によって、放出された二本鎖核酸を変性させ:この変性した核酸を、前記配列用のオリゴヌクレオチドプローブとハイブリッド形成させ;および前記のハイブリッド形成が生ずるかどうかを測定することからなる。
従って、本発明の方法は、DNAおよびRNAハイブリッド形成に用途があり、ここで例えば特定の生物に対して特異的な特定の遺伝子配列、あるいは例えば鎌型赤血球貧血症のような特定の遺伝病に対して特異的な特定の遺伝子配列を同定する。特定の配列を検出するためには、最初に、天然の二重鎖形であるDNAの試料を、上記のようにして細胞からDNAを放出させることによって調製することが必要である。次いで、二本鎖DNAを一本鎖形へと変換することが必要であり、この後にDNA試料に対して相補的な配列を有する標識化されたヌクレオチドプローブによるハイブリッド形成ステップを生じさせることができる。この目的のために、本発明の方法を使用でき、好適な態様においては、次の各ステップを実施することができる。
−上記した方法によって、細胞からDNAを放出させ:
−この試料DNAへと上記の電極装置によって電圧を印加することによってDNAを変性させ、この際所望により溶液中にプロモーターを存在させ、あるいはプロモーターを電極構造へと結合させ、あるいは電極構造にプロモーター部分を設け:
−目的の配列に対して相補的な直接または間接に標識化されたヌクレオチドプローブに、変性されたDNAをハイブリッド形成させ;および
−ハイブリッド形成が生じていたかどうかを測定する。この測定は、プローブの存在を検出することによって行うことができ、このプローブは、直接的に放射線標識、蛍光標識、化学発光標識または酵素標識されており、あるいは、ビオチンを保持する間接的に標識されたプローブであり、例えばこのビオチンに対して標識化されたアビジンあるいはアビジン型分子が後で結合できる。
典型的なDNAプローブアッセイにおいては、膜表面へと試料DNAを固定化することが通例であり、膜は、中性の、または荷電したナイロンまたはニトロセルロースからなっていてよい。この固定化は、荷電相互作用によって、あるいはDNAを含有する膜をオーブン中で焼成することによって、達成する。この試料DNAを高温に加熱することによって、この膜へと結合する前に確実に一本鎖形に変換させることができ、あるいは、試料DNAを膜上で一度アルカリ処理することによって、確実に一本鎖形へと変換させることができる。こうした方法の不利益は:
−一本鎖DNAを生じさせるための高温加熱によって、試料DNAそれ自体に損傷を引き起こすことがあり;
−アルカリを使用すると、標識化プローブとのハイブリッド形成を生じさせる前に、更に中和ステップが必要になることである。
DNAプローブハイブリッド形成アッセイを実施するための一つの改良法は、いわゆる「サンドイッチ」技術であり、ここで特定のオリゴヌクレオチドを表面上に固定化する。次いで、表面上に特定のオリゴヌクレオチドを含有する表面を、標的DNAを一本鎖形で含有する溶液でハイブリッド形成させ、次いでこの後に第二の標識化されたオリゴヌクレオチドを添加し、これも標的DNAに対してハイブリッド形成する。次いで、この表面を洗浄して、結合していない標識化オリゴヌクレオチドを除去し、この後に、表面上の標的DNAへと結合され始めたあらゆる標識を、後で検出する。
本発明の細胞溶菌および変性法を使用して、標的DNAを二本鎖形から、固定化されたオリゴヌクレオチドに対してハイブリッド形成しえる必要な一本鎖DNAへと変性することによって、前記手順を単純化できる。作用電極、対向電極および所望により参照電極および/またはプロモーターを、DNAプローブアッセイを実施するべき試験面またはウエル中へと包含させることができる。次いで、細胞試料およびオリゴヌクレオチドプローブを添加し、電圧を印加してDNAを放出させ、変性させることができる。こうして得られた一本鎖DNAを、表面上に固定化された特定のオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成し、この後にサンドイッチアッセイの残りのステップを実施できる。上記のすべてのステップは、通常のプロセスにおけるような高温の必要なしに、またはアルカリ試薬の添加の必要なしに生じえる。
一種または複数種の細胞からの核酸の放出と、核酸の変性とを、同様の条件下で実施することができ、この場合には、細胞の放出と変性との各ステップの間には明確な区別はない場合がある。核酸が細胞から放出されるのにつれて、核酸を変性することができる。
むろん、核酸以外の細胞内容物を、本発明の方法に従って放出させることができ、こうした他の物質の放出を、種々の方法において利用でき、例えば、特定の蛋白質の放出は、この蛋白質を検出するアッセイ法における一ステップとして採用できる。放出されたRNAは、例えば3SRまたはNASBA技術によって、ハイブリッド形成アッセイにおいて検出、または増殖させることができる。一般的には、従来の細胞溶菌法によって放出されたときにこの物質を使用できるような目的のすべてに対して、本発明の方法によって放出された細胞内物質を使用できる。
添付図面を参照しつつ、本発明を更に記載し、説明するが、ここで、
図1は、本発明に従って使用するための、電気的セルの断面図であり、
図2は、細胞からの蛋白質の放出を示す、例1において生産したゲルであり、
図3は、細胞からの蛋白質の放出を示す、例2において生産したゲルであり、
図4は、細胞から放出されたDNAのPCR増殖を示す、例3において生産したゲルであり、および
図5は、本発明で使用するための他の電気的セルの断面図である。
図1に示すセルは、ガラス製容器10を備えており、ガラス製容器10の中には細胞懸濁液12中へと浸漬されている二つの電極14を備えている。これらの電極14は、平行な尖端部を持つカーボンロッドであり、カーボンロッドは5−8mm離れており、前記のテーパの付いた尖端部の上では、約1mmの直径を有している。電極のうち5−15mmの長さを、懸濁液中へと浸漬する。
他の装置を図5に示しており、ここで図示したセルは、グラファイト製のブロック10を備えており、ブロック10の上側面に直径4mmのウエル12を収容しており、第一の電極を構成している。第二の電極は、テーパ付きの末端部16を備える直径2mmのグラファイト製のロッド14から形成されており、第二の電極を、ウエル中へと、プラスチック製の材料18の絶縁性カラーを通して圧入する。このロッドが短絡回路を形成するまで、ロッドをウエル中へと下向きに調節し、次いで再び回路を開放するように、できるだけ僅かに吊り戻す。このセル用の液体の容量は、約25μlである。直流電圧をこの装置に印加し、この際ウエルをロッドに対して好ましくは1.6−2.5ボルトだけ陽性にする。
図1に示すロッド状の電極は平滑末端であるけれども、その平坦な末端とそのテーパの付いた直円錐台面との間に鋭いエッジが設けられている。所望により他の装置においては、ロッドを一点に至るまで尖らせる。これは、通常の鉛筆削り器を使用して実行できる。こうして得られた電極を、刃または研磨材を使用して一層滑らかにすることができる。このように尖らせた電極を使用することで、ウエルの液体の容量は40μlへと上昇する。
本発明に従って、複数のプロセスを、複数の試料収容ウエルを備える装置内で同時に実施することができ、各試料収容ウエルには各電極対が設けられており、各々の場合において、一方の電極は所望によりウエルそれ自体であってよい。この装置の好適な形態においては、複数のウエルを備えるブロックは、引き上げ可能な蓋を備えており、蓋はウエル中へと蓋からたれ下がる電極を備えている。各ウエルは、平行な複数のロッド、所望によりメッシュ状の、平行な複数のプレート、または再び所望によりメッシュ状の、共軸の中空円筒のような、種々の可能な電極形態で、蓋の上に電極対を備えていてよい。また、一つの電極は、各ウエルに対して蓋の上に設けることができ、ウエルを備えるブロックが導電性であってよく、共通の第二の電極として作用していてよい。また、ウエルのブロックは、各ウエルに対して各電極を備えていてよい。
この蓋は、各ウエルに対して一つまたは複数の電極を保持する平坦なプレート部と、電気的接続と回路とを保持する別体の支持部材とを備えていてよく、これらは二つの部分を組み合わせたときに、複数の電極を接続する。このユニットへの一方の電源は前記回路によって分割されていてよく、複数の電極へと制御された状態で供給することによって、各電極を、例えば定電圧または定常電流に調節できる。これによって、電極アレイを指示するプレート部は、制御回路を置換することなく置換でき、廃棄可能とすることができる。このプレート部と支持部材とは、位置決めピンと開口とによって装置上に互いに対して整列することができ、複数のウエルを備えるブロックとも同様に整列でき、これらもまた廃棄可能にできる。
次の例は、本発明による方法を示す。
例1
グラム陰性菌(大腸菌:DH5αF株(Gibco、BRL))を、ルリアベルターニ培地中で終夜育成した。1/109細胞/mlの平均細胞密度に到達した。回収した細胞を、1M、pH8.0のトリス緩衝液で洗浄し、もとの培養物の容量の1/5中で再懸濁した。二つの炭素電極を図1に示すように試料中に配置し、2−8ボルトの直流電圧を2−5分印加した。陽性の対照例の試料を5分間沸騰させた。この細胞残滓を、遠心分離法によって、5000rpmで5分間ペレットにし、20μlの上澄み液を、クーマッシー「Coomassie」青によって染色されたポリアクリルアミドゲル上で電気泳動法によって分析した。このデータが示すところでは、8ボルトと4ボルトとの電位差(直流)を5分間印加することによって、細胞からの蛋白質の放出がもたらされた。2−8ボルトの交流電圧を用いて、同様の結果が得られた。
例2
上記例1と同じ実験条件を用い、ただし8ボルトでの通電時間を減少させた。これによって、僅かに1分後でさえも、細胞からの蛋白質の放出がもたらされた。
例3
DNAの放出を示し、検出の感度を向上させるために、我々は、ポリメラーゼ連鎖反応法を使用してDNAを増殖させることによって、細胞の溶菌を評価した。
大腸菌:DH5αF株(Gibco、BRL)を、pBR322(シグマ)によって形質転換し、100μl/mlのアンピシリンを含有するルリア ベルターニ培地中で終夜育成した。1×108細胞/mlの平均細胞密度に到達した。細胞を遠心分離法によって10000rpmで5分間回収し、PCR緩衝液(10mMのトリス、50mMのKCl、2.5mMのMgCl2、pH8.3)中で洗浄した。細胞を、PCR緩衝液中で、もとの濃度の5倍の濃度で再懸濁させた。陽性の対照例の試料を、5分間煮沸させることによって処理した。
二つの炭素プローブ電極を、試料中へと配置し、4−8ボルト(直流)を、0.5−2分間にわたって印加した(電源:「Thurlby」、30ボルト、2A)。この細胞の残滓をペレット化し、上澄み液をPCR法によって分析した。PCRの条件は、次のとおりである:PCR緩衝液(上記)中に0.1μl/mlの試料、1μl(各々)のプライマー ATGCGTCCGGCCGTAGAGGATおよびGTATCACGAGGCCCTT、dATP、dCTP、dGTP、dTTPをそれぞれ200μM、5U/mlの「AmpliTaq」DNAポリメラーゼ(パーキン エルマー)。すべての試薬の濃度は、PCR緩衝液(上記)によって製造した反応容量における最終濃度として与えた。増殖したDNAを、臭化エチジウムによって染色されているアガロースゲル上で分析した。予期された分子量(417bp)の増殖したDNAフラグメントを、試料中で観測し、これを30秒間の最も短い試験時間に供した(図3を参照)。このバンドの密度が示すように、印加電圧によって誘起された細胞の溶菌によって、背景水準(溶菌されていない細胞の対照例)よりも過剰のDNAを放出した。
Claims (20)
- 細菌細胞、酵母菌細胞、動物細胞、昆虫細胞またはヒト細胞の一種または複数種の細胞から細胞内物質を放出させる方法であって、前記一種または複数種の細胞を含有する懸濁液に対して50ボルト以下の電圧を印加する方法。
- 前記電圧が0.5−50ボルトである、請求項1に記載の方法。
- 前記電圧が0.5−15ボルトである、請求項1に記載の方法。
- 前記電圧が1−10ボルトである、請求項1に記載の方法。
- 前記電圧を、前記懸濁液中において、10mm以下離れている複数の電極の間で印加する、請求項1から4のいずれか一つに記載の方法。
- 前記電圧を、前記懸濁液中において、5mm以下離れている複数の電極の間で印加する、請求項1から5のいずれか一つに記載の方法。
- 前記電極の間隔が1.5mm以下である、請求項6に記載の方法。
- 前記電極の間隔が0.5mm以下である、請求項6に記載の方法。
- 前記電圧を少なくとも30秒の時間印加する、請求項1から8のいずれか一つに記載の方法。
- 前記電圧を少なくとも2分の時間印加する、請求項9に記載の方法。
- 前記電圧を、前記少なくとも2分の時間の間、連続的に印加する、請求項10に記載の方法。
- 一本鎖核酸を生産する方法であって、電極によって細胞の懸濁液に対して50ボルト以下の電圧を印加して、前記細胞から核酸を放出させることによって、細胞から二本鎖核酸を放出させ、前記電極によって前記懸濁液に対して前記と同じかまたは相異なる電圧を印加して、前記二本鎖核酸を一本鎖核酸へと変換することによって、二本鎖核酸を変性させる方法。
- 前記変性を生じさせる際に、0.5−3ボルトの電圧を印加する、請求項12に記載の方法。
- 前記変性を生じさせる際に、1.5−2.5ボルトの電圧を印加する、請求項12に記載の方法。
- 変性を補助するプロモーターの存在下に、変性を実施する、請求項12から14のいずれか一つに記載の方法。
- 前記プロモーター化合物が、メチル ビオロゲンまたはその塩、または多価無機陽イオンである、請求項15に記載の方法。
- 核酸の標的配列を増殖する方法であって、核酸の変性、ハイブリッド形成および複製を含んでおり、ここで前記核酸を、請求項1から11のいずれか一つに記載の方法によって細胞から放出させ、前記核酸を含有する溶液を、最大2分間、前記核酸の少なくとも一部を前記溶液中で全体的なまたは部分的な一本鎖形に変換するような条件下で、複数の電極の間の印加電圧に対して供することによって、前記変性を実施する方法。
- 前記増殖法がPCR法またはLCR法である、請求項17に記載の増殖方法。
- 核酸を複製する方法であって:請求項1から11のいずれか一つに記載の方法によって細胞から二本鎖核酸を放出させ;溶液中の試料二本鎖核酸の鎖を、電極から溶液に印加される電圧の影響下に分離し;前記核酸の分離された鎖を、前記の変性された核酸の鎖の少なくとも一種とハイブリッド形成する少なくとも一種のオリゴヌクレオチドプライマーとハイブリッド形成し;これとハイブリッド形成する核酸の各鎖に対して十分に相補的な前記プライマーまたはその各々の伸長産物を合成し;そして、核酸鎖とハイブリッド形成して伸長産物を得た核酸鎖から、前記伸長産物またはその各々を分離する方法。
- 細胞中の所定の核酸配列の存在または不存在を検出する方法であって、請求項1から11のいずれか一つに記載の方法によって前記細胞から核酸を放出させ;放出された二本鎖核酸を、前記核酸に対して電圧を印加することによって変性させ;この変性された核酸を、前記配列に対するオリゴヌクレオチドプローブとハイブリッド形成させ;そして、前記ハイブリッド形成が生じたか否かを測定する方法。
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