JP3747998B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記憶性を有し電気的に書き換え可能な表示手段を用いた表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ上での作業では、表示された書類、特に電子メールや校正中の書類など、一時のみ見るような書類においても、プリンタを使って記録紙に出力することが普通に行われている。これは、コンピュータの画面を見るよりも記録紙を手に持って見たいという要求からである。しかし、近年のペーパーレス化の流れとともに、省資源化の観点から、記録紙の消費量の削減が叫ばれている。そのため、例えば特開平3−158298号公報や特開平3−188489号公報に記載されているようなリユーザブルペーパーやペーパーのようなディスプレイ等も提案されている。しかし、これらにコンピュータ上の書類を印字する場合でも、プリンタ装置が必要であった。
【0003】
また、以前よりコンピュータのモニタ画面やテレビ画面のハードコピーができる装置として、例えば特開平1−105663号公報に記載されているようなハードコピー装置等も提案されている。これは、モニタやテレビ上の画像を残すこと、あるいは手元で見ることを目的としている。
【0004】
最近、ノート型やラップトップ型などの携帯型のコンピュータが増加しており、それらを持ち歩き、場所を選ばず電子メールや書類をコンピュータで見ることができるようになった。しかし、やはり携帯型のコンピュータの画面を見るより、身体的な楽さから、文書は手に持って見たいという要求が大きい。また、移動中などプリンタがない場所では、書類や電子メールの文書を手に持てるようにはできない。たとえ、持ち歩けるプリンタがあったとしても、プリンタそのものの消費電力がある程度大きいので、充電や電池交換が頻繁に必要となる。さらに、電子メールや校正中の文書などは、瞬時に手元で見たいので、特に携帯可能なプリンタなどでは、プリントアウトに多大な時間を消費してしまい、それなら身体的に苦痛であっても、コンピュータの画面で見てしまうであろう。
【0005】
そこで、コンピュータの画面あるいは文書を、瞬時に、しかも簡単に、手元で見ることができるような手段の開発が望まれている。しかも、最近の省エネルギの観点から、および携帯型のコンピュータの消費電力を抑えて充電や電池交換の頻度を低下させるため、低消費電力であることが望まれる。
【0006】
表示画面を手元で見ることができるものとして、例えば特開平2−254420号公報には、マトリクス液晶パネルとそのマトリクス液晶パネルを駆動する駆動回路の一部または全部とを分離可能な構造のディスプレイについて提案されている。しかし、消費電力の低減については考慮されていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、コンピュータの画面あるいは文書やその他の画像などを、瞬時に、しかも低消費電力であり、簡単に、手元で見ることができる表示装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、記憶性を有し電気的に書き換え可能な複数の表示手段と、複数の前記表示手段にそれぞれ設けられ、あるいは複数の前記表示手段に共通した、画信号に応じて表示手段を駆動する駆動手段と、駆動手段に電源を供給する表示電源供給手段と、前記複数の表示手段の中から画信号の書き込みを指定するモード選択手段と、制御手段を有している。制御手段は、入力された画信号により前記モード選択手段により選択された表示手段の表示を駆動手段に書き換えさせる。そして、表示手段への書き込みが終了すると、少なくとも駆動手段への電源の供給を停止させるとともに表示装置全体の電源を切断する。これによって、低消費電力を実現する。低消費電力であるため、例えば太陽電池などで駆動することも可能である。
【0009】
従来のCRTに代表される表示装置では、常に表示手段を駆動していなければ表示画面を維持できなかった。しかし、本発明では表示手段が記憶性を有しているので、駆動手段の電源供給を停止しても、表示画面はそのまま維持される。
【0010】
また、表示手段は電気的に書き換えが可能であるから、不要になった画面は消去して何度でも新しい画面を表示させることができる。これにより、記録紙などのように不要になった場合にも廃棄しないので、省資源化に貢献することができる。
【0011】
さらに、本発明では表示手段、あるいは表示手段と駆動手段を一体化して、着脱可能に構成することができる。これによって、コンピュータの画面やその他の画像などを表示させた画面を、そのまま取り外して手元で見ることができる。このとき、プリンタのような装置は不要であり、表示された時点で簡単に手元で見ることができる。また、ある表示手段に表示させたまま取り外し、別の表示手段を装着して表示させることもでき、同一あるいは異なる複数の画面を手元に置くことができる。複数の表示手段を有しているので、このような複数画面を必要に応じて得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の表示装置の実施の一形態を示すブロック図である。図中、1はモニタ信号入力端子、2は保護回路、3は加算回路、4は閾値設定回路、5は二値化回路、6は制御回路、7は電源制御回路、8は電源スイッチ、9は画像書き出し開始スイッチ、10はフレームメモリ、11はLCD信号発生回路、12はLCD電源供給回路、13は駆動回路、14は液晶表示部である。
【0013】
モニタ信号入力端子1には、表示すべき画信号が入力される。ここではコンピュータなどのモニタ出力から得られるRGBアナログ信号が入力されるものとする。しかし、コンピュータなどの外部モニタ出力の信号は常に出力されているので、コンピュータと本表示装置を保護するための保護回路2を、モニタ信号入力端子1の直後に配置している。なお、入力される画信号はこれに限られるものではなく、例えばNTSCのビデオ出力など、種々の画信号であってよい。
【0014】
加算回路3は、RGB信号を加算して白黒ハーフトーンの信号に変換する。二値化回路5は、閾値設定回路4で設定されている閾値によって加算回路3からの出力信号を二値化する。なお、入力される信号が白黒信号であれば加算回路3を設けなくてもよいし、また、二値信号が入力されたり、あるいは液晶表示部14でカラー画像を表示可能であれば、加算回路3、閾値設定回路4、二値化回路5を設けなくてもよい。
【0015】
制御回路6は、二値化回路5から出力される二値信号を、モニタ信号入力端子1にRGB信号とともに入力されるH/V同期信号に従って同期を取りながらサンプリングし、フレームメモリ10に書き込む。また、画像書き出し開始スイッチ9を監視し、このスイッチが操作された場合には、フレームメモリ10内の画像を読み出してLCD信号発生回路11に送り、表示のための信号を生成して駆動回路13に出力させる。それとともに、駆動回路13が液晶表示部14を駆動するための電力をLCD電源供給回路12から供給させる。また、液晶表示部14への書き込みが終了すると、少なくとも駆動回路13への電源の供給を停止させる。この例では、電源制御回路7に対して電源を切断させる信号を送出し、この装置全体の電源を切断する。
【0016】
電源制御回路7は、電源スイッチ8が操作されるとこの装置の電源を投入し、制御回路6から電源を切断させる信号が入力されるとこの装置の電源を切断する制御を行う。
【0017】
電源スイッチ8は、この装置の電源を投入する際に利用者が操作するスイッチである。また、画像書き出し開始スイッチ9は、液晶表示部14に画像を表示させる際に利用者が操作するスイッチである。それぞれのスイッチの形態は任意である。また、これらのスイッチを1つのスイッチにまとめ、画像を表示させる際に電源も投入されるように構成してもよい。また、これらのスイッチは、利用者が操作するほか、例えばコンピュータなど、外部から制御可能に構成してもよい。このように少ないスイッチで操作可能に構成することによって、操作性を向上させている。
【0018】
フレームメモリ10は、画信号を一時的に保持する記憶手段である。制御回路6から送られてくる画信号および書込信号に従って画信号を保持し、同じく制御回路6から送られてくる読出信号に従って画信号をLCD信号発生回路11に対して出力する。
【0019】
LCD信号発生回路11は、フレームメモリ10から読み出された画信号を受け取り、駆動回路13と同期を取りながら表示のための画信号を生成して駆動回路13に出力する。
【0020】
LCD電源供給回路12は、液晶表示部14に画像を表示させる際に、制御回路6からの指示に従って駆動回路13へ液晶表示部14を駆動するための電力を供給する。駆動回路13は、液晶表示部14へ画信号を書き込むときしか動作しないので、LCD電源供給回路12から駆動回路13へ供給する電力は非常に小さい。そのため、例えば電池や、太陽電池あるいは太陽電池と蓄電池などで構成することも可能である。なお、この装置の電源と共通の電源を用い、駆動回路13のための電圧に調整して供給する構成でもよい。このLCD電源供給回路12は、制御回路6からの制御に従って駆動回路13への電力の供給を開始し、電力の供給を停止する際には制御回路6からの制御のほか、電源制御回路7によるこの装置の電源の切断によって駆動回路13への電力供給を停止する構成でもよい。
【0021】
駆動回路13は、LCD電源供給回路12から供給される電力を用いて液晶表示部14を駆動し、LCD信号発生回路11から渡される画信号を液晶表示部14に書き込む。
【0022】
液晶表示部14は、駆動回路13によって書き込まれた画像を表示する。この液晶表示部14は記憶性を有しており、駆動回路13からの電力供給がなくてもそのまま表示を保つことができる。しかし、駆動回路13によって電気的に書き換えることによって、その表示を変更することができる。この例では、液晶表示部14としてモノクロ2階調の強誘電性液晶を用いている。しかし本発明はこれに限らず、例えばカラー強誘電性液晶や上述の特開平2−254420号公報に記載されているようなコレステリック液晶などの液晶を使ってもよい。さらに、液晶ではなく電気泳動や磁気誘導などの記憶性のある表示手段であれば、液晶表示部14として使用することができる。
【0023】
なお、液晶表示部14単体、あるいは液晶表示部14と駆動回路13を一体として、着脱可能に構成することができる。液晶表示部14は記憶性を有しているので、取り外された状態でも表示を維持することができる。例えば装着可能な液晶表示部14を複数用意しておき、液晶表示部14を交換しながら多数の液晶表示部14に画像を表示させることもできる。
【0024】
図2、図3は、本発明の表示装置の実施の一形態における動作の一例を示すフローチャートである。電源スイッチ8が操作されると、電源制御回路7は装置の電源を投入し、S21において制御回路6に電源投入の信号を入力する。これによって制御回路6は初期化動作を行う。
【0025】
一方、モニタ信号入力端子1には、例えばRGBアナログの表示画信号が常に入力されている。この画信号のうち、RGB信号は、保護回路2を通って、加算回路3に入力される。S22において加算回路3は、R、G、Bの各信号を加算する。S23において、二値化回路5は、加算回路3で加算された信号値と、予め閾値設定回路4に設定されている閾値とを比較し、画信号を二値化する。この二値化された画信号と、モニタ信号入力端子1に入力され保護回路2を通ったH/V同期信号とが、制御回路6に入力される。
【0026】
制御回路6では、S24において画像書き出し開始スイッチ9を監視し、画像書き出し開始スイッチ9が操作されていなければ、S27における画信号のフレームメモリ10への書き込みを行う。この書き込みは、H/V同期信号と同期を取りながら、二値化回路5で二値化された画信号をサンプリングし、デジタルデータとして、表示画面の位置と対応づけて格納してゆく。同期を取るために、S27における画信号のフレームメモリ10への書き込みに先立って、S25においてH/V同期信号からV同期信号を検出したか否かを判定し、V同期信号が検出された場合にはS26においてフレームメモリ10の書込アドレスを先頭のアドレスにセットする。これにより、表示画面の先頭の同期を合わせている。例えばフレームメモリ10には、液晶表示部14における解像度に合わせて、例えば640×480ビット分の画信号が書き込まれる。このS27におけるフレームメモリ10への書き込みは、電源が投入されてから画像書き出し開始スイッチ9が操作されるまで、常時行われている。
【0027】
ここで、画像書き出し開始スイッチ9を操作すると、制御回路6はS24においてこれを検出し、S28へ進む。まずS28において、H/V同期信号のうちV同期信号の検知を行う。V同期信号が検知されなければS29においてS27と同様にフレームメモリ10への画信号の書き込みを行う。S28でV同期信号が検知された場合には、S30においてV同期信号を2回検知したか否かを判定し、1回目の場合にはS26と同様にフレームメモリ10の書込アドレスを先頭のアドレスにセットする。そして、次のV同期信号を検出するまでの1画面分の画信号をフレームメモリ10に格納する。S30において2回目のV同期信号を検知したところで、S32においてフレームメモリ10への書き込みを中止する。
【0028】
そしてS41において、LCD電源供給回路12に駆動回路13への駆動電圧を発生させて供給する。それとともにS42において、フレームメモリ10からの画信号の読み出しを、駆動回路13が液晶表示部14を駆動するタイミングと同期を取りながら行う。LCD信号発生回路11は、フレームメモリ10から読み出された画信号をもとに、液晶表示部14に供給する画信号を発生させ、駆動回路13へ渡す。駆動回路13は、LCD信号発生回路11からの画信号を液晶表示部14に書き込む。これによって、液晶表示部14には画信号に応じた画像が表示される。
【0029】
S43において画面表示がすべて終了すると、S44において制御回路6はLCD電源供給回路12に対して駆動回路13への電圧供給を停止させるとともに、S45においてLCD信号発生回路11からの画信号の送出も停止させる。これによって、液晶表示部14および駆動回路13は電源の供給を全く受けない状態となる。
【0030】
その後、S46において制御回路6は電源制御回路7に対して電源を切断する信号を送り、S47において電源制御回路7はこの装置の電源を切断する。このようにして、モニタ信号入力端子1に入力される画信号を、画像書き出し開始スイッチ9の操作されたタイミングで液晶表示部14に表示させることができる。また、表示後に電源を切断することができる。
【0031】
上述のように液晶表示部14は例えば双安定性のある強誘電性液晶であるので、画信号が書き込まれて表示した画像は、電源を切っても残っている。そのため、電源切断後も継続して画像を見ることができる。また、電源は切れているため、同じ画像を表示している間は電力を消費しないので、節電の効果は大きい。また、書き込み時のみ電力を消費するだけであるから、例えば電源として電池や太陽電池など、それほど起電力の大きくない電源を用いることができる。さらに、画信号書き込み後は電源が切断されているので、少なくとも液晶表示部14を取り外すことが可能である。画像の表示された液晶表示部14を手に持って見るといった紙と同様の利用が可能である。さらに、残しておいた画像が不要になれば、また新しい画像を書き込むことによって、画像を書き換えることができる。
【0032】
図4は、本発明の表示装置の実施の一形態における変形例を示す要部ブロック図である。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付してある。15はモード選択スイッチである。なお、図4では要部のみを示しているので、図示されていない図1に示す構成を含んでいてよい。この変形例では、液晶表示部14を複数設けた例を示している。各液晶表示部14には、それぞれ、駆動回路13が設けられている。モード選択スイッチ15は、複数設けられた液晶表示部14のいずれに画信号を書き込むかを選択するためのスイッチである。このモード選択スイッチ15により表示させたい液晶表示部14を選択しておき、画像書き出し開始スイッチを操作することによって、選択されている液晶表示部14に画信号を書き込み、所望の画像を表示させることができる。
【0033】
モード選択スイッチ15は、ある液晶表示部14を明示的に指定するほか、例えば所定の順に液晶表示部14を切り替えてゆくことを指定したり、複数の液晶表示部14に同じ画像を表示させることを指定するなど、各種の表示モードに対応した選択を行えるように構成することができる。なお、画信号を書き込む液晶表示部14を指定するだけであれば、このモード選択スイッチ15を設けず、各液晶表示部14に対応した画像書き出し開始スイッチ9を複数設けてもよい。
【0034】
図5は、本発明の表示装置の実施の一形態における別の変形例を示す液晶表示部付近のブロック図である。図4に示した変形例では、各液晶表示部14に対してそれぞれ駆動回路13を設けた。図5に示した例では、共通の駆動回路13によって複数の液晶表示部14を駆動する例を示している。共通の駆動回路13は、例えば制御回路6から与えられる選択信号に従って、LCD信号発生回路11から送られてくる画信号を選択された液晶表示部14に書き込むように駆動する。画信号を書き込む液晶表示部14の選択は、図4に示した例と同様にモード選択スイッチによって行ったり、各液晶表示部14に対応した画像書き出し開始スイッチ9によって行うことができる。
【0035】
液晶表示部14を着脱する場合、図4に示した例では、液晶表示部14のみ、あるいは液晶表示部14と駆動回路13を一体として、着脱可能に構成することができる。また、図5に示した例では、液晶表示部14のみを着脱可能に構成することができる。
【0036】
図6は、本発明の表示装置を用いたシステムの第1の具体例を示す構成図である。図中、51はコンピュータ、52は画像転送部、53は表示ボタン、54はディスプレイ部、55は表示部である。コンピュータ51は、一般的なパーソナルコンピュータ、ワークステーションなどでよく、この例では通常はCRTなどを接続するためのアナログRGB端子を利用している。
【0037】
画像転送部52は、例えば図1における駆動回路13および液晶表示部14を除く構成が含まれている。コンピュータ51からアナログRGB信号を受け取り、利用者の指示に従って画信号をディスプレイ部54に送る。コンピュータ51と画像転送部52との間は通常のモニタケーブルで接続し、画像転送部52とディスプレイ部54との間は専用のケーブルで接続している。画像転送部52は、ここでは独立した電源、例えば電池などを有しており、内部の電力をまかなうとともに、ディスプレイ部54の駆動電源としても用いる。もちろん、コンピュータ51から電源の供給を受けたり、あるいは商用電源を用いてもよい。表示ボタン53は、図1における画像書き出し開始スイッチ9である。なお、電源スイッチ8と兼用させてもよい。また、この例では表示部55が複数存在するので、図4に示したようなモード選択スイッチ15を設けておくとよい。
【0038】
ディスプレイ部54は、図1における駆動回路13および液晶表示部14を含んでいる。ここでは2つの表示部55を設けた例を示している。表示部55は、液晶表示部14のみ、あるいは液晶表示部14と駆動回路13とで構成される。このディスプレイ部54には、画信号の書き込みの時のみ、画像転送部52から駆動電力が供給される。画信号の書き込みが終了してしまえば、画像転送部52からの電力供給は停止される。電力供給が停止された後も、表示部55における画像の表示は維持される。なお、表示部55はそれぞれ着脱可能に構成されている。画信号の書き込み中でなければ電源が切断されているので、着脱を行っても何ら支障はない。画信号の書き込みが終了した後、この表示部55を取り外し、紙と同様に手に持って画像を見ることができる。
【0039】
図7は、ディスプレイ部の一例を示す概略斜視図である。図中、56はバインダー部である。表示部55は、バインダー部56に装着されている。バインダー部56は、各表示部55を回動自在に保持する。例えば2つの表示部を合わせるように回動させれば、ディスプレイ部54は略半分の大きさとなり、携帯性に優れている。
【0040】
画像転送部52からの電力や画信号は、バインダー部56において受け取り、各表示部55に供給する。なお、図5に示すように駆動回路13を複数の液晶表示部14に共通に設ける構成では、駆動回路13をこのバインダー部56内に設けることができる。表示部55とバインダー部56の接続は、この例ではコネクタによって接続されている。表示部55を引き抜くことによってコネクタ部がはずれる。また、表示部55をバインダー部56に挿入することによってコネクタ部が嵌合し、電気的な接続を図ることができる。もちろん、バインダー部56と表示部55の電気的な接続方法は任意である。
【0041】
なお、表示部55に画信号を書き込んでいる間は取り外しができないように、表示部55のロック機構をバインダー部56に設けておくとよい。ロック機構は、例えば画像転送部52から電力が供給されていると、それに応動してロックがかかるような電磁的な構成などを利用することが可能である。
【0042】
図8は、表示部の一例を示す斜視図、図9は、同じく表示部の内部構成の一例を示す3面図である。図中、61はケース、62は画像表示部、63はエッジコネクタ用端子、64はコモン側PWB、65はセグメント側PWB、66は基板、67は偏光反射板、68は下側電極フィルム基板、69は上側電極フィルム基板、70はゲル状緩衝材、71は上偏光板、72はセグメントドライバIC用TAB、73はヒートシールコネクタ、74はコモンドライバIC用TAB、75はテープ電線である。
【0043】
図8に示す例では、図9に示すような表示基板がケース61に収納されて構成されている。ケース61には画像表示部62の部分が開口されている。また、図7に示すバインダー部56との電気的な接続を行うため、ここではエッジコネクタを用いることとし、エッジコネクタ用端子63の部分もケース61に開口部として設けられている。図8では図示の都合上、エッジコネクタ用端子63が露出しているが、このエッジコネクタ用端子63が手に触れないように、ケース61によって保護しておくとよい。また、ケース61には画信号の書き込み中に誤って表示部55が取り外されないように、ロック機構の一部を形成しておくことができる。ケース61は、例えばABS材などで形成することができる。全体の厚さは例えば10mm程度以下とすることができる。
【0044】
ケース61に収納される表示基板は、図9に示すように構成することができる。上側電極フィルム基板69にはコモン側電極を、また下側電極フィルム基板68にはセグメント側電極を、それぞれが直交するように形成している。電極は例えばITOにより、それぞれ0.27mm幅の電極を0.3mmピッチで形成することができる。そして、上側電極フィルム基板69と下側電極フィルム基板68を、それぞれに形成したコモン側電極およびセグメント側電極が内側となるようにして、その間に高分子強誘電性液晶を挟む。下側電極フィルム基板68の下面には、例えば3M社のRDFなどの偏光反射板67が貼り合わされ、さらにその下面には、例えば1mm厚のアクリル板などで構成される基板66が貼着されている。上側電極フィルム基板69の上面には、例えば0.5mm厚のゲル状緩衝材70が貼着され、その外側に上偏光板71が貼り合わされている。画素数は、セグメント側(情報ライン側)電極の数とコモン側(走査ライン側)電極の数で決定される。例えばセグメント側電極数×コモン側電極数が640×480画素であり、ハッチングを施して図示した表示エリアを192×144mm程度とすることができる。なお、画素数や表示面積などは任意である。
【0045】
下側電極フィルム基板68には、セグメントドライバICのTAB用接続端子がITOで形成されており、セグメントドライバIC用TAB72が直接ACFを使って熱圧着で接続されている。なお、セグメントドライバICは、例えば市販されているSTN液晶用のICなどの利用が可能である。さらにその外側には、セグメントドライバICにドライブ用の信号を供給するためのセグメント側PWB65が設けられており、セグメントドライバIC用TAB72とセグメント側PWB65とを例えば半田などで接続している。
【0046】
上側電極フィルム基板69では、コモン側電極の配線ピッチのままITOにより電極を引き出しており、その引き出された電極とヒートシールコネクタ73が接続されている。さらに、ヒートシールコネクタ73とコモンドライバIC用TAB74が接続されている。なお、コモンドライバICとしては、例えば市販されているSTN液晶用のコモンドライバICを利用することができる。そしてコモンドライバIC用TAB74は、信号を供給するためのコモン側PWB64と例えば半田などで接続されている。
【0047】
またこの例では、コモン側PWB64にエッジコネクタ用端子63が形成されている。コモン側PWB64とセグメント側PWB65は、テープ電線75で電気的な接続を行っている。もちろん、エッジコネクタ用端子63をセグメント側PWB65に設けることも可能である。この例ではコモン側PWB64とセグメント側PWB65と基板66に分割して形成しているが、これらを2枚あるいは1枚の基板で構成してもよい。
【0048】
なお、この例では駆動回路13を表示部55に内蔵するものとし、図9に示すように表示エリアの周辺に駆動用のICを配置した。しかし上述のように、駆動回路13と表示部55を分離可能に構成することもできる。この場合、コモンドライバICやセグメントドライバICなどは図7に示すバインダー部56に収容すればよい。この場合、表示部55はさらに小型化、軽量化することが可能である。また、これらの駆動回路13がなければ、例えば表示基板全体を柔軟材によって構成することができる。この場合、表示部が紙と同様にしなやかであるため、紙と同様に手元で画像を見たり、例えば会議などにおいて紙と同様に資料を配布するなどといった利用が可能である。
【0049】
図10は、本発明の表示装置を用いたシステムの第2の具体例を示す構成図である。図中、81は本体、82は表示部、83は太陽電池、84は表示ボタンである。図6に示した例では、画像転送部52とディスプレイ部54を別体として構成した例を示したが、この具体例では、これらを一体構成とした例を示している。本体81内には、図1に示す液晶表示部14を除く構成、あるいは液晶表示部14および駆動回路13を除く構成が含まれている。表示部82は、図1に示す液晶表示部14、あるいは液晶表示部14と駆動回路13によって構成されており、本体81と着脱自在に構成されている。上述の具体例と同様に、画信号の書き込み中に表示部82が取り外されないように、ロック機構を設けておくこともできる。なお、この例では表示部82を2つ設け、縦長の方向に装着する例を示している。
【0050】
本体81の前面には、太陽電池83が設けられており、この表示装置全体の電源となっている。この太陽電池83によって、商用電源に接続することなく、また他の機器から電力の供給を受けずに表示動作を行うことができる。また、上述のように本発明では表示部82に画信号を転送するときのみ電力を消費するだけであるから、このような起電力の小さい太陽電池83での駆動が可能になっている。この太陽電池83にニッカド蓄電池などの蓄電池を組み合わせておき、表示装置を駆動していない間に充電しておくことができる。これにより、夜間などでも表示可能にすることができる。なお、太陽電池83は、光がよく当たる位置であればどこに配置してもよく、この例のように本体81の前面に設ける必要はない。
【0051】
また本体81の前面には表示ボタン84が設けられている。この例では各表示部82に対応して設けられている。すなわち、図1における画像書き出し開始スイッチ9を複数設けた構成になっている。表示ボタン84を操作することによって、操作された表示ボタン84に対応する表示部82に、そのとき入力されている画信号の画像が表示される。なお、電源スイッチ8や図5に示したモード選択スイッチ15などが図示しない位置に設けられている。
【0052】
本体81の背面には、図示しないモニタ信号入力端子が設けられており、例えば図6に示した具体例と同様に、モニタケーブルなどによってコンピュータのモニタ出力端子と接続することができる。このような構成であれば、コンピュータに何ら新しいソフトウェアを追加することなく、また手を加えずに本発明の表示装置を利用することができる。また、どのようなコンピュータについても接続することが可能である。
【0053】
なお、第1,第2の具体例とも、コンピュータから画信号を受ける以外にも、他の様々が機器からの画信号の供給を受け付け、表示させることができる。例えばテレビジョン放送で用いられているNTSC等のビデオ入力を受け付けるようにすれば、テレビ画面のコピーも容易に行うことができ、特にニュースや文字放送などの文字情報や、料理番組のレシピ、懸賞などの宛先など、一時的に保存しておきたい静止情報を画面上に表示させておくことができる。同様に、ビデオカメラからの画像出力を受け付け、ワンシーンを静止させた画像を表示させることができる。また、デジタルカメラなどの出力を受け付けるように構成すれば、表示部を取り外してプリントされた写真と同様に扱うことが可能である。
【0054】
図11は、本発明の表示装置を用いたシステムの第3の具体例を示す構成図である。図中の符号は図10と同様である。この例では、コンピュータと本発明の表示装置を合体させた例を示している。図11では2画面分の表示が可能なように構成しているが、図10に示すように両方を本発明の表示装置とするほか、例えば一方を従来から用いられている液晶表示装置とし、もう一方を本発明の表示装置とする構成でもよい。本発明の表示装置は取り外しが可能であるので、画像が表示されたら取り外して手元で見ることができる。なお、図1に示した画像書き出し開始スイッチ9や電源スイッチ8などは、コンピュータによる制御のもとで電子的な切り替え操作などによって実現することができる。例えばキーボードからの操作で画像の表示を指示することができる。
【0055】
また、上述のように本発明の表示装置は消費電力が非常に少ないので、例えば携帯型のコンピュータと組み合わせた場合には、バッテリーの消耗を抑え、交換や充電までの間隔を伸ばして利便性を向上させることができる。例えば災害時などの物資が不足している状況でも、例えば電池などによって駆動しても、少ない消費電力で長時間使用することができる。これによって、例えば時々刻々と変化する情報を受信して表示するとともに、表示部を取り外して掲示することが可能である。コンピュータ本体の消費電力も少なければ、例えば太陽電池など、他からエネルギを与えなくても動作するように構成することも不可能ではない。
【0056】
また、例えば本発明の表示装置を用いてコンピュータでイメージを作成して表示させ、そのまま取り外して掲示したり配布したりすることができる。このとき、紙を利用した場合のように表示イメージと印刷イメージが異なることはなく、見たままの状態で掲示あるいは配布することが可能である。例えば店のメニューや掲示など、日によって替えたり、あるいは昼と夜で替える場合にも、コンピュータで作成したイメージをそのまま利用することが可能となる。表示を書き換えるときのみ電力を消費するだけであるから、ランニングコストも非常に低減させることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、表示のために画信号を転送し終えると電源を切断してしまうので、非常に消費電力の少ない表示装置を得ることができる。このとき、表示手段が記憶性を有しているので、表示されている画像はそのまま維持される。また、画信号の書き込み中以外では電源が切断されているから、表示手段を抜き差ししても何ら支障はなく、また表示手段自体は携帯性に優れているので、表示手段を取り出して手に持って見るなど、紙と同様に扱うことができる。もちろん、画信号に応じた表示は、例えばプリンタなどに比べて高速である。また、不要になった画面は消して何度も新しい画面を表示できるので、紙のように資源を無駄にすることがない。本発明によれば、このような効果とともに、上述の説明で挙げた様々な効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表示装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明の表示装置の実施の一形態における動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の表示装置の実施の一形態における動作の一例を示すフローチャート(続き)である。
【図4】 本発明の表示装置の実施の一形態における変形例を示す要部ブロック図である。
【図5】 本発明の表示装置の実施の一形態における別の変形例を示す液晶表示部付近のブロック図である。
【図6】 本発明の表示装置を用いたシステムの第1の具体例を示す構成図である。
【図7】 ディスプレイ部の一例を示す概略斜視図である。
【図8】 表示部の一例を示す斜視図である。
【図9】 表示部の内部構成の一例を示す3面図である。
【図10】 本発明の表示装置を用いたシステムの第2の具体例を示す構成図である。
【図11】 本発明の表示装置を用いたシステムの第3の具体例を示す構成図である。
【符号の説明】
1…モニタ信号入力端子、2…保護回路、3…加算回路、4…閾値設定回路、5…二値化回路、6…制御回路、7…電源制御回路、8…電源スイッチ、9…画像書き出し開始スイッチ、10…フレームメモリ、11…LCD信号発生回路、12…LCD電源供給回路、13…駆動回路、14…液晶表示部、15…モード選択スイッチ、51…コンピュータ、52…画像転送部、53…表示ボタン、54…ディスプレイ部、55…表示部、56…バインダー部、61…ケース、62…画像表示部、63…エッジコネクタ用端子、64…コモン側PWB、65…セグメント側PWB、66…基板、67…偏光反射板、68…下側電極フィルム基板、69…上側電極フィルム基板、70…ゲル状緩衝材、71…上偏光板、72…セグメントドライバIC用TAB、73…ヒートシールコネクタ、74…コモンドライバIC用TAB、75…テープ電線、81…本体、82…表示部、83…太陽電池、84…表示ボタン。
Claims (11)
- 記憶性を有し電気的に書き換え可能な複数の表示手段と、複数の前記表示手段にそれぞれ設けられ画信号に応じて該表示手段を駆動する複数の駆動手段と、該駆動手段に電源を供給する表示電源供給手段と、前記複数の表示手段の中から画信号の書き込みを指定するモード選択手段と、制御手段を備えた表示装置であって、前記制御手段は、入力された画信号によって前記モード選択手段により選択された表示手段を書き換える必要が生じたときのみ該画信号を当該表示手段に対応する前記駆動手段に渡すとともに前記表示手段への書き込みが終了すると少なくとも前記表示電源供給手段に対して前記駆動手段への電源の供給を停止させるとともに表示装置全体の電源を切断することを特徴とする表示装置。
- 記憶性を有し電気的に書き換え可能な複数の表示手段と、画信号に応じて該表示手段を駆動する複数の前記表示手段に共通の駆動手段と、該駆動手段に電源を供給する表示電源供給手段と、前記複数の表示手段の中から画信号の書き込みを指定するモード選択手段と、制御手段を備えた表示装置であって、前記制御手段は、入力された画信号によって前記モード選択手段により選択された表示手段を書き換える必要が生じたときのみ該画信号を前記駆動手段に渡すとともに当該表示手段への書き込みが終了すると少なくとも前記表示電源供給手段に対して前記駆動手段への電源の供給を停止させるとともに表示装置全体の電源を切断することを特徴とする表示装置。
- 前記表示手段は、着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
- 前記表示手段および前記駆動手段は、一体で着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 少なくとも前記表示手段への書き込みが行われている間は取り外しができないロック手段を有していることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の表示装置。
- 前記表示手段は、強誘電性液晶であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記表示電源供給手段は、太陽電池を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
- さらに利用者が表示の指示を与える表示指示手段を有し、前記制御手段は、前記表示指示手段から表示の指示が与えられたとき画信号を前記駆動手段に渡すことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の表示装置。
- さらに画信号を一時的に記憶する記憶手段と、該記憶手段から画信号を読み出して前記駆動手段へ供給する表示信号発生手段を有し、制御手段は、画信号をいったん前記記憶手段に記憶させてから前記表示信号発生手段に前記駆動手段への画信号の供給を行わせることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記画信号の入力側に電源切断時に画信号の供給側の回路を保護する保護手段を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記画信号は、画信号供給源からのRGBアナログ出力をデジタル化した信号であることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の表示装置。
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