JP3747729B2 - Ni基合金被覆アーク溶接棒 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、耐食性、特に耐硫酸腐食性に優れたNi基合金を溶接するためのNi基合金被覆アーク溶接棒に関するものであり、また、耐食性、特に耐硫酸腐食性に優れたライニングを肉盛溶接により形成するためのNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、火力発電所においては、ボイラーにB、C重油または石炭などを燃やして純水を加熱し、高温水蒸気を作製し、この高温水蒸気を利用して蒸気タービンを回して発電している。このボイラーで発生した燃焼ガスは、まず脱硝装置により脱硝処理されたのち、空気予熱器に送って燃焼用空気を加熱し、さらに脱硫装置にて脱硫処理し、ついで煙突から大気中に放出される。前記脱硝装置によりNOx が除去された燃焼ガスは、空気予熱器に送られ、そこで燃焼用空気を予熱することにより150〜250℃に冷却され、さらに脱硫装置を通ることにより150℃未満(通常は約80℃)に冷却された後、煙突から放出される。
【0003】
脱硝装置により脱硝処理された燃焼ガスは、その温度が250℃以下に下がるが、その成分は空気以外にCOx 、SOx を多く含み、その他HCl、脱硝されなかった微量のNOx の他、装置から発生するFe3+イオンを含み、さらには未燃焼炭素のススやダストなどの固形浮遊物を含むといわれている。この脱硝装置を通過した燃焼ガスは150℃に程度に冷却されると水蒸気とSO3 が反応してH2 SO4 となって結露し、80%前後の濃硫酸が生成する。この結露した硫酸にはHCl、NOx 、O2 、COx を始めとする腐食性ガスおよび酸化性イオンのFe3+を含み、さらにススの本体である微細な炭素やダストが含まれている。
【0004】
かかる多様な腐食因子が含まれている結露した硫酸は特に腐食性が強く、この結露した硫酸による腐食を「硫酸露点腐食」という。水蒸気とSO3 が反応してH2 SO4 となって結露する量は110〜130℃の温度範囲で最大となるところから、この温度範囲で金属材料の硫酸露点腐食量は最大となる。この硫酸露点腐食は、空気予熱器、電気集塵器、集電板、煙道、脱硫装置、煙突などの燃焼ガスが150℃以下に低下する部分で主に発生する。空気予熱器内の燃焼ガスは、150℃以上となっているが、燃焼用空気が通るパイプの表面は150℃以下になっており、このパイプに接触した燃焼ガスは150℃以下に温度低下し、硫酸が結露してこのパイプ部分で硫酸露点腐食が発生する。
【0005】
かかる空気予熱器、電気集塵器、集電板、煙道、脱硫装置、煙突には、従来、低合金鋼、ステンレス鋼などのFe基耐食合金が使用され、硫酸が結露することのないように保温されていたが、硫酸の凝縮を100%防止することはできず、部位によっては硫酸露点腐食が発生するのを避けることはできなかった。そのため、脱硫装置などの一部において、Fe基合金に比べて格段に優れた耐硫酸腐食性を有するNi基合金を用いることが多くなった。
【0006】
これら個所に使用されるNi基合金として、例えば、米国特許明細書第168237号記載の、重量%(以下、%は、重量%を示す)で、Cr:21.5%、Mo:13.2%、Fe:4.1%、W:3.0%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金、特開昭58−25450号公報記載のCr:30.3%、Mo:5.14%、Nb:0.52%、Ta:0.21%、Fe:15.1%、W:2.53%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金、ハステロイ(商品名)242と称するCr:8.4%、Mo:25.4%、Fe:1.62%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金、ハステロイ(商品名)B−2と称するMo:28.1%、Fe:1.92%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金、特開昭62−40337号公報記載のCr:30.4%、Mo:19.6%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金などがすでに知られている。
【0007】
さらに、近年、Ta:1.1〜3.5重量%を必須成分として含有する耐食性および加工性に一層優れたNi基合金が提供されており、このNi基合金は、重量%で、Cr:16〜27%、Mo:16〜25%(ただし、Cr+Mo≦44%)、Ta:1.1〜3.5%、Fe:0.01〜6%、Mn:0.0001〜3%、Si:0.0001〜0.3%、C:0.001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.3%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金であることも知られている(特開平8−3666号公報参照)。
【0008】
これら各種Ni基合金で空気予熱器、電気集塵器、集電板、煙道、脱硫装置、煙突を製造するには、一般に、これらNi基合金板を溶接することにより製造する。このとき使用される被覆アーク溶接棒は、通常、前記Ni基合金板と同じ成分組成を有する心線に通常の金属炭酸塩、金属弗化物などを含む被覆剤を被覆してなる被覆アーク溶接棒が使用される。また、これらNi基合金板を溶接するための一層好ましい被覆アーク溶接棒として、心線が60%以上のNi、10〜25%のCr、かつ心線または被覆剤の一方または両方に心線重量比で0.05〜3.0%のTaを含有し、且つ被覆剤全重量に対して25〜60%の金属炭酸塩、10〜30%の金属弗化物が配合された被覆剤を被覆し、さらに被覆剤中の全水分量を0.20%以下に制御したNi−Cr基被覆アーク溶接棒が知られている(特公昭59−6757号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、Taを含有するNi基合金心線にTaを含まない通常の被覆剤を塗布して得られたNi基合金被覆アーク溶接棒を使用してTaを含有するNi基合金母材を溶接すると、得られた溶接金属に含まれるTaは極端に減少し、溶接金属のTa含有量がNi基合金母材に含まれるTa含有量よりも減少して溶接金属の耐硫酸露点腐食性が低下するとともに溶接金属の強度が低下するので好ましくない。
一方、被覆剤に金属Taを添加したNi基合金被覆アーク溶接棒を使用して同様にして溶接すると、得られる溶接金属のTa含有量は所望の範囲内に収まるが、被覆剤に含まれるSiが大量に溶接金属に固溶し、溶接金属のSi含有量が0.3重量%を越えて含有するために粒界に析出物が生成し、脆化して溶接部の強度が低下するとともに耐硫酸露点腐食性が低下するので好ましくない。
【0010】
このような現象は肉盛溶接を行って形成したライニングにも発生し、得られた溶着金属の耐硫酸腐食性が低下するので好ましくない。
【0011】
【課題を解決する手段】
そこで、本発明者等は、硫酸露点腐食に対して十分な耐食性を示しさらに強度および靭性が低下することのない溶接金属を得ることのできるNi基合金被覆アーク溶接棒、並びに硫酸露点腐食に対して十分な耐食性を示す溶着金属を得ることのできるNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒を開発すべく鋭意研究の結果、
(イ)心線として、重量%で、Cr:16〜27%、Mo:16〜25%(ただし、Cr+Mo≦44%)、Ta:1.1〜3.5%、Fe:0.01〜6%、Mn:0.0001〜3%、Si:0.0001〜0.3%、C:0.001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.3%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金心線を作製し、このNi基合金心線に、被覆剤全重量に対して酸化タンタル:5〜35重量%を含む被覆剤を塗布してなるNi基合金被覆アーク溶接棒を作製し、このNi基合金被覆アーク溶接棒を使用して溶接して得られた溶接金属は、Ta含有量が心線とほぼ同じ1.1〜3.5%の範囲内に調整することができかつSi含有量も0.3%以下に抑えることができて十分な耐硫酸露点腐食性を示し、さらに強度および靭性が低下することがない、
(ロ)前記Ni基合金被覆アーク溶接棒を肉盛溶接に使用して得られた溶着金属は、Taの含有量が心線とほぼ同じ1.1〜3.5%の範囲内に調整することができかつSi含有量も0.3%以下に抑えることができて十分な耐硫酸露点腐食性を示す、という研究結果が得られたのである。
【0012】
この発明は、かかる研究結果に基づいて成されたものであって、
(1)重量%で、Cr:16〜27%、Mo:16〜25%(ただし、Cr+Mo≦44%)、Ta:1.1〜3.5%、Fe:0.01〜6%、Mn:0.0001〜3%、Si:0.0001〜0.3%、C:0.001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.3%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金心線に、被覆剤全重量に対して酸化タンタル:5〜35重量%を含有し、さらに金属炭酸塩および金属弗化物を含有する組成の被覆剤を塗布してなるNi基合金被覆アーク溶接棒、
(2)重量%で、Cr:16〜27%、Mo:16〜25%(ただし、Cr+Mo≦44%)、Ta:1.1〜3.5%、Fe:0.01〜6%、Mn:0.0001〜3%、Si:0.0001〜0.3%、C:0.001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.3%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金心線に、被覆剤全重量に対して酸化タンタル:5〜35重量%を含有し、さらに金属炭酸塩、金属弗化物および酸化タンタルを除く金属酸化物を含有する組成の被覆剤を塗布してなるNi基合金被覆アーク溶接棒、
(3)重量%で、Cr:16〜27%、Mo:16〜25%(ただし、Cr+Mo≦44%)、Ta:1.1〜3.5%、Fe:0.01〜6%、Mn:0.0001〜3%、Si:0.0001〜0.3%、C:0.001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.3%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金心線に、被覆剤全重量に対して金属炭酸塩:25〜60重量%、金属弗化物:10〜30重量%、酸化タンタル:5〜35重量%を含有する組成の被覆剤を塗布してなるNi基合金被覆アーク溶接棒、
(4)重量%で、Cr:16〜27%、Mo:16〜25%(ただし、Cr+Mo≦44%)、Ta:1.1〜3.5%、Fe:0.01〜6%、Mn:0.0001〜3%、Si:0.0001〜0.3%、C:0.001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.3%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金心線に、被覆剤全重量に対して金属炭酸塩:25〜60重量%、金属弗化物:10〜30重量%、酸化タンタル:5〜35重量%、酸化タンタルを除く金属酸化物:5〜50重量%を含有する組成の被覆剤を塗布してなるNi基合金被覆アーク溶接棒、に特徴を有するものである。
【0013】
さらに、前記(1)〜(4)記載の組成を有する心線および被覆剤からなる溶接棒は、肉盛溶接棒としても使用することができる。
【0014】
したがって、この発明は、
(5)前記(1)、(2)、(3)または(4)記載の組成を有する心線および被覆剤からなる肉盛溶接するためのNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒、に特徴を有するものである。
【0015】
次に、この発明のNi基合金被覆アーク溶接棒またはNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒におけるNi基合金心線の成分組成の限定理由について詳述する。
【0016】
Cr、Mo
CrおよびMo成分は、共に素地に固溶して耐食性向上を果たす成分であり、特にCrは酸化性酸に対する耐食性を向上させ、Moは非酸化性酸に対する耐食性を向上させる作用があることは知られているが、CrおよびMoがTaと同時に含有することにより各種の硫酸酸性環境、特に硫酸露点腐食環境において耐食性を向上させる作用がある。しかし、Crの含有量が16%未満では合金表面に緻密な不働態被膜を形成することができないために十分な耐硫酸露点腐食性が得られず、一方、27%を越えて含有すると、耐硫酸露点腐食性が劣化するので好ましくない。従って、Crの含有量を16〜27%に定めた。Crの一層好ましい含有量は17〜22%である。さらに、Moは16%未満では十分な耐硫酸露点腐食性が得られず、一方、25%を越えて含有すると、加工性が極端に低下し、伸線加工することが難しくなるので好ましくない。従って、Mo含有量は16〜25%に定めた。Moの一層好ましい含有量は19〜24%である。
【0017】
Ta
Ta成分には、素地に固溶して不働態被膜を安定化させると同時に不働態化を促進させる効果があり、Cr:16〜27%、Mo:16〜25%を満足する量のCrおよびMoとともに含有させることにより、耐硫酸腐食性特に耐硫酸露点腐食性を向上させる成分であるが、その含有量が1.1%未満では所望の効果が得られず、一方、3.5%を越えて含有すると、合金のコストを大きく引き上げかつ加工性を低下させるので伸線加工することが難しくなり、したがってNi基合金心線を作ることが難しくなるところから、その含有量を1.1〜3.5%に定めた。Taの一層好ましい含有量は1.2〜3%である。
【0018】
Fe
この発明のNi基合金にはCrおよびMoが多量に含まれているため、塑性加工性が悪化するが、Feを0.01%以上添加することにより加工性の低下を防ぐことができる。しかし、6%を越えて含有すると、加工性は向上するが、耐硫酸腐食性を著しく低下させることからその含有量を0.01〜6%に定めた。Feの一層好ましい含有量は0.01〜4%である。
【0019】
Mg
Mg成分は、熱間加工性向上に多大に寄与するが、しかし、その含有量が0.0001%未満では所望の効果が得られず、一方、0.3%を越えて含有するとMgが粒界に偏析して割れが発生し、熱間加工性が低下して伸線加工が難しくなるので好ましくない。したがって、Mgの含有量を0.0001〜0.3%に定めた。Mgの一層好ましい含有量は0.001〜0.03%である。
【0020】
Si
Siは、脱酸剤として添加することにより、酸化物を低減する一方、粒界割れを抑制する効果があるため、熱間加工性を向上させるが、Siが0.3%を越えて含有すると、TCP相の析出量の許容範囲を越えて熱間加工性が低下するとともに耐硫酸腐食性が低下するので好ましくない。したがってSi含有量を0.3%以下に定めた。しかし、Si含有量を0.0001%にすると脱酸作用がなくなるのでSi含有量の下限を0.0001%とし、0.0001〜0.3%とすることが好ましく、さらにSiの一層好ましい含有量は0.001〜0.1%である。
【0021】
Mn
Mn成分は、脱硫剤として添加されるが、3%を越えて含有すると、TCP相の析出量の許容範囲を越え、耐食性が低下するので好ましくないことからその含有量を0.0001〜3%に定めた。Mnの一層好ましい含有量は0.001〜1%である。
【0022】
C
Cは、合金中に0.1%を越えて含有すると、粒界に存在する炭化物の量が増大するようになって、合金の延性および靭性が劣化するところからその含有量を0.001〜0.1%に定めた。Cの一層好ましい含有量は0.001〜0.02%である。
【0023】
不可避不純物
不可避不純物としてS、Sn、ZnおよびPbの含有は避けられない。しかし、S:0.01%以下、Sn:0.01%以下、Zn:0.01%以下およびPb:0.01%以下であれば、合金特性はなんら損なわれるものではない。
【0024】
この発明のNi基合金被覆アーク溶接棒またはNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒に塗布する被覆剤は、被覆剤全重量に対して酸化タンタル:5〜35重量%含有することが必須の構成用件である。この発明のNi基合金被覆アーク溶接棒またはNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒の被覆剤に含まれる酸化タンタルが5重量%未満では、被覆剤に含まれるSiが溶接金属または溶着金属に大量に固溶し、溶接金属または溶着金属に含まれるSi量を0.3%以下に抑制することができないために溶接金属または溶着金属の耐硫酸露点腐食性が低下するので好ましくなく、一方、この発明のNi基合金被覆アーク溶接棒またはNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒の被覆剤に含まれる酸化タンタルが35重量%を越えて含有すると、被覆剤のコストを引き上げかつスラグの流れが悪くなって良好なビード形状が得られなくなると共に溶接金属または溶着金属の靭性を低下させるので好ましくない。したがって、この発明のNi基合金被覆アーク溶接棒またはNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒の被覆剤に含まれる酸化タンタルは5〜35重量%に定めた。酸化タンタル含有量の一層好ましい範囲は15〜30重量%である。この発明のNi基合金被覆アーク溶接棒またはNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒の被覆剤に含まれる酸化タンタルはTa2O5、TaO2、Ta2O3などいかなる組成式を有していても良いが、これら酸化タンタルの内でもTa2O5が最も安定して入手しやすいので好ましい。
【0025】
この発明のNi基合金被覆アーク溶接棒またはNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒は、酸化タンタル粉末:5〜35重量%、金属炭酸塩粉末:25〜60%、金属弗化物粉末:10〜30%、酸化タンタルを除く金属酸化物:5〜50%をバインダーである水ガラス(珪酸カリ水溶液、珪酸ソーダ水溶液)に混合し、得られた混合物を前記Ta:1.1〜3.5重量%、Si:0.3重量%以下に規定したNi基合金心線に被覆し、380〜450℃で乾燥し焼成することにより製造する。
この発明のNi基合金被覆アーク溶接棒またはNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒のNi基合金心線に被覆する被覆剤は、溶接棒全量に対して20〜40重量%となるように被覆することが好ましい。
【0026】
次に、この発明のNi基合金被覆アーク溶接棒またはNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒に被覆する被覆剤の酸化タンタル以外の成分組成を上述のごとく限定した理由を説明する。
金属炭酸塩
金属炭酸塩は、分解生成して発生する炭酸ガスによって溶接金属および溶着金属を保護し、スラグを高塩基性にする作用を有するので添加するが、その含有量が25%未満では所望の効果が得られず、一方、60%を越えて添加するとスラグの流れが悪くなり、良好なビードが得られなくなるので好ましくない。したがって、この発明のNi基合金被覆アーク溶接棒またはNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒に被覆する被覆剤に含まれる金属炭酸塩は25〜60%に定めた。金属炭酸塩含有量の一層好ましい範囲は30〜55%である。前記金属炭酸塩は、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸リチウム、炭酸マンガンの内のいずれでも良く、あるいはこれらの複合添加物であっても良い。
【0027】
金属弗化物
金属弗化物は、分解生成して発生するフッ素ガスによって溶接金属および溶着金属の水素量を下げ、溶接金属および溶着金属の耐割れ性を良好ならしめ、スラグの流動性を増す作用を有するが、その含有量が10%未満では所望の効果が得られず、一方、30%を越えて添加すると溶接棒の耐焼け性が劣化するので好ましくない。したがって、この発明のNi基合金被覆アーク溶接棒またはNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒に被覆する被覆剤に含まれる金属弗化物は10〜30%に定めた。金属弗化物含有量の一層好ましい範囲は14〜26%である。前記金属弗化物は、螢石、氷晶石、弗化マグネシウム、弗化アルミニウム、弗化バリウム、弗化リチウム、弗化ナトリウムの内のいずれでも良く、あるいはこれらの複合添加物であっても良い。
【0028】
酸化タンタルを除く金属酸化物
被覆剤には酸化タンタル以外の金属酸化物(例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素など)を添加してスラグの被包性を良くするが、その添加量が5%未満では所望の効果が得られず、一方、50%を越えて添加するとスラグの流れが悪くなり、良好なビード形状が得られなくなるので好ましくない。
【0029】
したがって、この発明のNi基合金被覆アーク溶接棒またはNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒に被覆する被覆剤に含まれる酸化タンタルを除く金属酸化物は5〜50%に定めた。酸化タンタルを除く金属酸化物含有量の一層好ましい範囲は10〜45%である。
【0030】
【発明の実施の形態】
表1に示される成分組成を有し直径:3.2mmのNi基合金心線を用意し、さらに、Ta2O5粉末、CaCO3粉末、CaF2粉末、Ti2O3粉末、Al2O3粉末を用意し、これら粉末を水ガラスと混和することにより混合物を作製した。これら混合物を前記Ni基合金心線に塗布したのち400℃で焼成することにより表1に示される成分を含む被覆剤を表1に示される成分組成のNi基合金心線に被覆した本発明Ni基合金被覆アーク溶接棒(以下、本発明溶接棒という)1〜8、比較Ni基合金被覆アーク溶接棒(以下、比較溶接棒という)1〜2および従来Ni基合金被覆アーク溶接棒(以下、従来溶接棒という)1を作製した。
【0031】
【表1】
【0032】
実施例1
本発明溶接棒1〜8、比較溶接棒1〜2および従来溶接棒1を用い、溶接電流:140A(交流)、アーク電圧:22〜26Vで肉盛溶接することにより溶着金属を形成し、表2に示される成分組成の溶着金属を有する溶着金属試験片を作製した。
【0033】
【表2】
【0034】
一方、60%H2SO4 および80%H2SO4 を用意し、
60%H2SO4 3ccにつき活性炭微粉末1gの割合で懸濁させた液(以下、60%H2SO4 +活性炭と記す)、
80%H2SO4 3ccにつき活性炭微粉末1gの割合で懸濁させた液(以下、80%H2SO4 +活性炭と記す)、
60%H2SO4 につき100ppmのHClを添加した液(以下、60%H2SO4 +HClと記す)、
60%H2SO4 につき10ppmのHNO3 を添加した液(以下、60%H2SO4 +HNO3 と記す)、
60%H2SO4 につき400ppmのFe3+を添加した液(以下、60%H2SO4 +Fe3+と記す)、
をそれぞれ用意した。
【0035】
これら硫酸溶液を温度:120℃に加熱し、この加熱した硫酸溶液に前記溶着金属試験片をそれぞれ24時間浸漬し、取り出して重さを測定し、減少した重量を表面積と時間で割り、1年間の腐食速度(mm/year)を算出し、その値を表3に示した。
【0036】
【表3】
【0037】
表2および表3に示される結果から、本発明溶接棒1〜8を用いて形成した溶着金属は、比較溶接棒1を用いて形成したTa含有量が所定の量より少ない溶着金属および従来溶接棒1を用いて形成したSi含有量が所定の量より多い溶着金属に比べていずれも優れた耐食性を示すことが分かる。さらにTa2O5を35重量%を越えて含む被覆剤を塗布した比較溶接棒2は溶接時のスラグの流動性が低下し、平滑なビードを得ることができなくなるので好ましくないことが分かる。
【0038】
したがって、この発明の被覆アーク溶接棒を用いて、例えば、空気予熱器、電気集塵器、集電板、煙道、脱硫装置、煙突などの裏面にライニングを施して耐硫酸露点腐食性を向上させることができることが分かる。
【0039】
実施例2
表1に示される本発明溶接棒1〜8、比較溶接棒1〜2および従来溶接棒1を用い、溶接電流:140A(交流)、アーク電圧:22〜26Vの条件で、Cr:19%、Mo:19%、Ta:1.8%、Fe:0.05%、Mn:0.01%、Si:0.03%、C:0.002%、Mg:0.001%を含有し、残部:Niおよび不可避不純物からなるNi基合金板母材を溶接し、得られた溶接継ぎ手から溶接線に直行する方向に平行部に溶接金属、溶接熱影響部、母材を含むJIS5号引張り試験片を採取し、室温で引張り試験を行い、引張り強さおよびその破断位置を測定し、それらの結果を表4に示した。
【0040】
【表4】
【0041】
表4に示される結果から、引張り試験の際の破断位置は、本発明溶接棒1〜8を用いた場合はいずれも母材であるに対し、比較溶接棒1〜2および従来溶接棒1を用いた場合は溶接金属部であり、本発明溶接棒1〜8を用いて形成した溶接部の引張り強さは、比較溶接棒1〜2および従来溶接棒1を用いて形成した溶接部に比べていずれも優れていることが分かる。
【0042】
【発明の効果】
上述のように、この発明のNi基合金被覆アーク溶接棒を用いて作製した装置は、硫酸腐食を主とする湿潤な腐食環境下においても溶接部の強度および耐食性に優れ、長期間使用することができ、産業上優れた効果をもたらすものである。
Claims (5)
- 重量%で、Cr:16〜27%、Mo:16〜25%(ただし、Cr+Mo≦44%)、Ta:1.1〜3.5%、Fe:0.01〜6%、Mn:0.0001〜3%、Si:0.0001〜0.3%、C:0.001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.3%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金心線に、被覆剤全重量に対して酸化タンタル:5〜35重量%を含有し、さらに金属炭酸塩および金属弗化物を含有する組成の被覆剤を塗布してなることを特徴とするNi基合金被覆アーク溶接棒。
- 重量%で、Cr:16〜27%、Mo:16〜25%(ただし、Cr+Mo≦44%)、Ta:1.1〜3.5%、Fe:0.01〜6%、Mn:0.0001〜3%、Si:0.0001〜0.3%、C:0.001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.3%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金心線に、被覆剤全重量に対して酸化タンタル:5〜35重量%を含有し、さらに金属炭酸塩、金属弗化物および酸化タンタルを除く金属酸化物を含有する組成の被覆剤を塗布してなることを特徴とするNi基合金被覆アーク溶接棒。
- 重量%で、Cr:16〜27%、Mo:16〜25%(ただし、Cr+Mo≦44%)、Ta:1.1〜3.5%、Fe:0.01〜6%、Mn:0.0001〜3%、Si:0.0001〜0.3%、C:0.001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.3%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金心線に、被覆剤全重量に対して金属炭酸塩:25〜60重量%、金属弗化物:10〜30重量%、酸化タンタル:5〜35重量%を含有する組成の被覆剤を塗布してなることを特徴とするNi基合金被覆アーク溶接棒。
- 重量%で、Cr:16〜27%、Mo:16〜25%(ただし、Cr+Mo≦44%)、Ta:1.1〜3.5%、Fe:0.01〜6%、Mn:0.0001〜3%、Si:0.0001〜0.3%、C:0.001〜0.1%、Mg:0.0001〜0.3%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するNi基合金心線に、被覆剤全重量に対して金属炭酸塩:25〜60重量%、金属弗化物:10〜30重量%、酸化タンタル:5〜35重量%、酸化タンタルを除く金属酸化物:5〜50重量%を含有する組成の被覆剤を塗布してなることを特徴とするNi基合金被覆アーク溶接棒。
- 前記請求項1、2、3または4に記載の組成を有する心線および被覆剤からなることを特徴とする肉盛溶接するためのNi基合金被覆アーク肉盛溶接棒。
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