JP3746672B2 - 成形機における移動側部材の駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイやパンチ等の成形部材で素材を所定形状に成形する成形機に関し、塑性加工の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、素材をボルトやナット等の各種金属部品に塑性加工する成形機は、機枠のダイブロック(固定部材)にダイを設け、ダイブロックに対向して進退移動するラム(移動部材)にパンチを設けて、これらのダイとパンチとの対接により素材を所定形状に成形するものである。通常は、成形後の素材がダイに残存するから、該素材を押し出すノックアウトピンはダイ側に備えられる。しかし、パンチにも成形用凹部を設けたいわゆるリバースフォーミングの場合は、成形後の素材がパンチに残存することがあるので、ノックアウトピンをラム側に備えることがある。
【0003】
実公平7−53797号公報は、ラム側に備えたノックアウトピンの押出し動作を調整する技術を開示する。それによれば、ラムを進退移動させるクランク軸にリンクを介してカム機構を連結し、該カム機構をラムの進退移動に同期させて作動させる。カム機構とノックアウトピンとの間にベルクランクを配置し、入力側のレバーをカム機構のカム面に接触させ、出力側のレバーをノックアウトピンに当接させる。ベルクランクはカム機構に従って揺動し、その揺動によりノックアウトピンがラムの進退移動と同じ方向に且つラムと相対的に進退移動する。明らかなように、カム機構のカム面は、ラムの後退時にノックアウトピンがパンチからダイ方向に突出するように形成される。
【0004】
上記カム機構は主カム板と補助カム板との2つのカム板を有する。補助カム板は、主カム板に内装され、主カム板から進出又は主カム板に退避可能である。補助カム板が主カム板に退避しているときは、カム機構全体のカム面は、主カム板のカム面のみで規定される。しかし、補助カム板が主カム板から進出したときには、カム機構のカム面は、主カム板のカム面と、これと連続する補助カム板のカム面との合体で規定される。したがって、補助カム板の進出量を調整することにより、カム機構のカム面の形状(リフトタイミングやリフト量)を変化させ、これによりノックアウトピンの押出し動作(移動開始タイミング、移動終了タイミング、移動量等)を調整することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようにラムに設けた移動側部材をラムに対して相対移動させる例としては、他に、例えば、閉塞鍛造におけるラム側のダイやパンチ等が挙げられる。閉塞鍛造では、一般に、ダイブロックとラムとの両方にダイが備えられ、ラムの進出により両ダイが対接し、その内部に密閉したキャビティが形成されて、該キャビティ内に素材が収容される。そして、キャビティ内にダイブロック側又はラム側の少なくともいずれかからパンチを突入させることにより、素材がキャビティ内で流動して、該キャビティと、突入したパンチとで構成される形状に加工される。
【0006】
ここで、キャビティ内にパンチを突入させるには、該キャビティを形成するダイとパンチとを相対移動させる必要がある。例えば、ダイをラムと一体に移動させた場合は、パンチをラムに対して相対移動させることになる。逆に、パンチをラムと一体に移動させた場合には、ダイをラムに対して相対移動させることになる。そして、このようにラム側の成形部材をラムに対して相対移動させる技術として、上記公報に開示された従来技術を採用することが考えられる。
【0007】
しかし、この閉塞鍛造におけるラム側の成形部材の動作の調整は、製品の良否に直接関わる問題であるため、より緻密で精度よく行うことが求められ、上記従来技術のように、カム機構のカム面の形状を変化させることによって、移動開始タイミングや、移動終了タイミング、あるいは移動量等を調整するだけでは不十分である。
【0008】
例えば、閉塞鍛造では、固定側と移動側の両ダイが完全に対接した後にパンチがキャビティ内に突入しなければならない。したがって、両ダイの対接動作とパンチの突入動作との時間的な関係が厳しく管理される。また、固定側と移動側の両方からパンチを突入させる場合は、両パンチを同じタイミングで突入させないと、素材が偏って流動し、加工精度が低下する。したがって、ダイとパンチとの間だけでなく、両パンチの間でも、動作の時間的な関係が厳しく管理される。
【0009】
さらに、対接後の両ダイがキャビティ内へのパンチの突入に伴う内圧の増加に屈して開かないように、対接後の両ダイをクランプ部材でクランプすることがあり、その場合に、対接後の両ダイをクランプ場所まで移動させることがある。この場合には、両ダイが対接後も移動しているので、ますますダイとパンチとの間、及び両パンチの間の動作の時間的な関係を緻密で高精度に調整しなければならない。
【0010】
加えて、製造する製品の形状やサイズが変わる毎に、ダイやパンチの動作を再調整しなければならないことはいうまでもない。
【0012】
本発明は、上記のような現状に鑑みてなされたもので、成形機における移動側部材、特に閉塞鍛造式の成形機における移動側(ラム側)のダイの動作をより緻密で精度よく調整することを課題とする。以下、その他の課題を含め、本発明を詳しく説明する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の特許請求の範囲における請求項1に記載の発明は、ダイブロック側に前後移動可能に設けられた固定側ダイと、ダイブロック側に設けられて固定側ダイの後退により該固定側ダイ内に突入する固定側パンチと、ダイブロックに対して進退移動するラム側に該ラムに対して前後に相対移動可能に設けられた移動側ダイと、ラム側に設けられて移動側ダイのラムに対する後退方向への相対移動により該移動側ダイ内に突入する移動側パンチとを有し、上記ラムの前進により移動側ダイと固定側ダイとが当接してキャビティが形成された後、該キャビティ内に上記固定側パンチ及び移動側パンチが突入することにより素材を成形する成形機における移動側部材の駆動装置であって、ラムをダイブロックに対して進退移動させる主駆動系と、該主駆動系から分岐され、ラムの前進時に上記移動側ダイをラムの移動速度よりも遅く前進させることにより該移動側ダイをラムに対して後退方向へ相対移動させる補助駆動系とが備えられ、該補助駆動系が、ラムに対する移動側ダイの移動開始タイミングもしくは移動終了タイミング又は相対移動量の少なくともいずれかを調整するカム機構と、ラムに対する移動側ダイの移動開始時の位置又は移動終了時の位置の少なくともいずれかを調整するレバー機構とを有しており、かつ、上記カム機構は、主カム板と、該主カム板に移動自在に内装された補助カム板と、該主カム板に組み付けられて、補助カム板を主カム板に対して移動させることによりカム機構全体のカム面を変更するサーボモータとを有し、このカム面の変更により移動側ダイの移動開始タイミングもしくは移動終了タイミング又は相対移動量の少なくともいずれかを調整するように構成されており、上記レバー機構は、カム機構に従って揺動する入力レバーと、該入力レバーと角度をなして同軸に設けられ、入力レバーの揺動に伴い揺動して移動側ダイを駆動する出力レバーと、一方のレバーに組み付けられ、かつ出力軸が他方のレバーと係合して、該他方のレバーを上記一方のレバーに対して近接離反させることによりこれらのレバー間の角度を変更するサーボモータとを有し、この角度の変更により移動側ダイの移動開始時の位置又は移動終了時の位置の少なくともいずれかを調整するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、カム機構を用いて、移動側ダイの移動開始タイミング、移動終了タイミング、ラムに対する相対移動量の少なくともいずれかを調整することに加えて、レバー機構を用いて、移動側ダイの移動開始時の位置、移動終了時の位置の少なくともいずれかを併せて調整するようにしたから、これらの異種のパラメータを同時に調整することが相乗して、移動側ダイをより一層緻密で精度よくラムに対して相対移動させることが可能となる。
【0016】
また、カム機構における主カム板に対する補助カム板の進出量を変更するだけで移動側ダイのタイミング調整を可能とすると共に、レバー機構における入出力レバー間の角度を変更するだけで移動側ダイの位置調整を可能としたから、カム機構やレバー機構の構成、ひいては成形機全体の構成が簡素化する。しかも、サーボモータを用いて各パラメータを調整するから、該調整が容易に精度よく行える。
【0020】
以下、さらにその他の課題も含め、発明の実施の形態を通して、図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、本実施の形態に係る多段式成形機1は、機枠2に備えられたダイブロック3と、該ダイブロック3に対して進退移動するラム4とを有する。ダイブロック3に設けられた固定側ダイユニット5a〜5cと、ラム4に設けられた移動側ダイユニット6a〜6cとにより、第1〜第3ステーションS1〜S3が構成される。第1ステーションS1は、カッター装置7で切断された線材aを素材として受け取って、該素材の端面を矯正し、図2に示すような所定寸法の円柱状素材Aを生成する。第2ステーションS2は、円柱状素材Aを閉塞鍛造して、図3に示すように、周面に複数の突出部b1…b1(1つのみ図示)を有し、両端面に凹部b2,b2を有する中間製品Bを生成する。第3ステーションS3は、中間製品Bの凹部b2,b2間を打ち抜いて、図4に示すように中央に貫通孔c1を有する最終製品Cを生成する。本発明は第2ステーションS2の移動側ダイユニット6bに適用されている。
【0022】
以下の記述において、特に断らない限り、固定側から前方というときは移動側への方向を、移動側から前方というときは固定側への方向をいう。図5に示すように、第2ステーションS2の固定側ダイユニット5bは、ダイブロック3に挿入された略円筒状のダイハウジング11を有する。ダイハウジング11にはダイホルダ12が前後に移動自在に収容されている。ダイホルダ12は受け部材13との間に介装されたスプリング14によって前方に付勢され、その前方移動が後方に延びるストッパボルト15により図示の位置で規制されている。
【0023】
ダイホルダ12の前端面には成形用凹部16aを有する固定側ダイ16が装着されている。成形用凹部16aは中間製品Bの形状の一方の半分の形をなしている。ダイホルダ12及び固定側ダイ16を貫通する孔17にエジェクトスリーブ18が前後に摺動自在に挿入されている。エジェクトスリーブ18は、成形後にノックアウトピン19により前方に押し出され、中間製品Bを排出する。エジェクトスリーブ18は固定側パンチ21に前後に摺動自在に挿入されている。固定側パンチ21の後端部にはリテーナ22が組み付けられている。
【0024】
ダイハウジング11とダイホルダ12との間に複数のダイクランプ23…23が収容されている。図6に示すように、各クランプ23…23は筒状の部材を90°毎に4分割した形状である。各クランプ23…23はスプリング24…24により相互に連結され、且つ全体が拡径する方向に付勢されている。クランプ23の内周面23a、及びダイホルダ12の外周面の前端部12aに、相互に係合可能な複数条の周溝が形成されている。
【0025】
図7に示すように、クランプ23の外周面は、前端側から、第1円弧面23b、第1テーパー面23c、第1円弧面23bより小径の第2円弧面23d、及び第2テーパー面23eで構成されている。これに対応して、ダイハウジング11の内周面の前端部も、前端側から、第1円弧面11b、第1テーパー面11c、第1円弧面11bより小径の第2円弧面11d、第2テーパー面11e、及びさらに小径の第3円弧面11fで構成されている。
【0026】
図5に示すように、クランプ23…23は、ダイハウジング11の第3円弧面11fに摺動自在に嵌合されたリング部材25で受支されている。クランプ23…23は、複数のピン26…26(1つのみ図示)を介して、受け部材13との間に介装されたスプリング27…27(1つのみ図示)によって前方に付勢され、その前方移動がダイハウジング11の前端面に取り付けられたストッパプレート28により図示の位置で規制されている。
【0027】
図5や図7等に示すように、クランプ23…23は、ダイハウジング11内で前方に位置したときは拡径し、両第1円弧面23b,11b、第1テーパー面23c,11c、第2円弧面23d,11d及び第2テーパー面23e,11e同志が対接する。一方、図9及び図10に示すように、クランプ23…23は、ダイハウジング11内で後方に押し込まれたときは両第1テーパー面23c,11c及び両第2テーパー面23e,11eに沿って縮径し、第1円弧面23bがダイハウジング11の第2円弧面11dと、第2円弧面23dが第3円弧面11fと対接する。
【0028】
図8に示すように、第2ステーションS2の移動側ダイユニット6bは、ラム4の前面4aに配置されたアウタホルダ41を有する。図5に示すように、アウタホルダ41には、前端側から、第1インナホルダ42、受けプレート43、第2インナホルダ44、及び受け部材45が収容されている。第1インナホルダ42にスライドスリーブ46が前後に移動自在に収容されている。スライドスリーブ46は第1インナホルダ44との間に介装されたスプリング47…47によって後方に付勢され、その後方移動が後述するピン56…56及びスライドブロック55を介して駆動ロッド57により図示の位置で規制されている。
【0029】
第1インナホルダ42の内面にはストッパピン48が設けられている。ストッパピン48はスライドスリーブ46の前後動の範囲を規定し、且つスライドスリーブ46の回り止めを図る。
【0030】
スライドスリーブ46の前端部に、固定側ダイホルダ12と同径の移動側ダイホルダ49が取り付けられ、該移動側ダイホルダ49の前端面に、成形用凹部50aを有する移動側ダイ50が装着されている。成形用凹部50aは中間製品Bの形状の他方の半分の形をなしている。移動側ダイホルダ49の外周面の前端部49aにも、クランプ23…23の内周面23a…23aと係合可能な複数条の周溝が形成されている。スライドスリーブ46の前端面46aは、移動側ダイホルダ49の外周面を超えて径方向に張り出している。
【0031】
ダイホルダ49及びダイ50を貫通する孔51と、スライドスリーブ46の内部とに亘って移動側パンチ52が前後に摺動自在に挿入されている。移動側パンチ52の後方には、補助パンチ53がスライドスリーブ46に前後に摺動自在に挿入されている。移動側パンチ52は補助パンチ53との間に介装されたスプリング54によって前方に付勢され、その前方移動がダイホルダ49の裏面との当接により図示の位置で規制されて、先端部が移動側ダイ50より所定量突出している。
【0032】
第2インナホルダ44にスライドブロック55が前後に移動自在に収容されている。スライドブロック55とスライドスリーブ46との間に受けプレート43を貫通する複数のピン56…56が介設されている。スライドブロック55の後面には駆動ロッド57の前端部が当接している。
【0033】
図8に示すように、駆動ロッド57は、ラム4の前部において、前後に移動自在に設けられている。ラム4の前部には、後面がテーパー面61aとされた溝部61が形成され、該溝部61に、同じく後面がテーパー面とされたブロック部材62が収容されている。ブロック部材62は、移動側ダイユニット6bの受け部材45とラム4のテーパー面61aとの間に介設されている。ブロック部材62は、ロックナット63で回り止めされた螺子軸64を有する。螺子軸64は、溝部61の上方のブラケット65を貫通し、該ブラケット65に備えられたナット様体66と螺合している。
【0034】
ナット様体66を適宜手段で回転させると、ブロック部材62が上下動すると同時にテーパー面61aに沿って前後動する。これにより、移動側ダイユニット6bのアウタホルダ41に収容した上記受け部材45、第2インナホルダ44、受けプレート43、第1インナホルダ42、及びスライドスリーブ46が前後動し、その結果、移動側ダイ50の前後方向の位置を調整することができる。
【0035】
次に、本発明の特徴部分を構成するラム4の駆動系及び移動側ダイ50の駆動系を説明する。図8に示すように、この多段式成形機1には、図示しない駆動源により駆動されるクランク軸71が備えられ、該クランク軸71のクランクピン72にコネクティングロッド73が連結されている。コネクティングロッド73に連結ピン74を介してラム4が連結され、該ラム4が上記クランク軸71の偏心回転によりダイブロック3に対して進退移動する(ラム4の駆動系)。
【0036】
一方、コネクティングロッド73の上部後寄りの位置には、連結ピン81を介してリンク部材82が連結されている。リンク部材82は、ラム4の上面の開口4bを経てラム4の上方に及び、その先端が連結ピン83を介してカム機構90に連結されている。レバー機構100の入力レバー101が上記カム機構90のカム面90aにカムフォロワ102で接触し、出力レバー103が前述の駆動ロッド57の後端部に緩衝部材104で当接している。
【0037】
ラム4を進退移動させるクランク軸71の偏心回転により、リンク部材82を介してカム機構90及びレバー機構100が同期して作動し、その結果、駆動ロッド57が前後動して、スライドブロック55、ピン56…56、スライドスリーブ46及びダイホルダ49を介して移動側ダイ50がラム4に対して相対移動する(移動側ダイ50の駆動系)。そして、そのダイ50の相対移動動作(移動開始タイミング、移動終了タイミング、移動量、移動開始時の位置、移動終了時の位置等)が、カム機構90及びレバー機構100により精密に調整される。
【0038】
カム機構90は、ラム4の上面に立設された図示しない一対のブラケット間に回動自在に架設されたカム軸91を有する。カム軸91には、上記リンク部材82が連結された主カム板92が一体に組み付けられている。主カム板92は補助カム板93をスライド自在に内装する。主カム板92にサーボモータ94が組み付けられ、その出力軸95に取り付けられたベベルギヤ96と、補助カム板93と螺合するネジ軸97に取り付けられたベベルギヤ98とが噛み合っている。サーボモータ94の駆動により、補助カム板93が主カム板92から進出、又は主カム板92に退避して、カム機構90全体のカム面90aが変化する。
【0039】
補助カム板93が主カム板92に退避しているときは、カム機構90のカム面90aは、主カム板92のカム面92aのみで規定される。しかし、補助カム板93が主カム板92から進出したときには、カム機構90のカム面90aは、主カム板92のカム面92aと、これと連続する補助カム板93のカム面93aとの合体で規定される。したがって、補助カム板93の進出量を調整することにより、カム機構90のカム面90aの形状(リフトタイミングやリフト量)が変化し、これにより、移動側ダイ50のラム4に対する相対動作(移動開始タイミング、移動終了タイミング、移動量)を調整することができる。
【0040】
レバー機構100は、カム機構90と駆動ロッド57との間に配置されている。前述のラム4の溝部61の後方に空所4cが形成され、該空所4cの上方に、図示しない一対のブラケット間に架設されたレバー軸105が配設されている。レバー軸105に入力レバー101と出力レバー103とがそれぞれ回転自在に枢支されている。入力レバー101は概ねカム機構90の下方に向けて後方に延びる。出力レバー103は概ね駆動ロッド57の後方に向けて上記空所4c内で下方に延びる。
【0041】
両レバー101,103は、それぞれ相互に略並行して上方に延びる延長部106,107を有する。出力レバー103の延長部107にサーボモータ108が組み付けられ、その出力軸が螺子軸とされて、入力レバー101の延長部106と螺合している。したがって、両レバー101,103は一体に連結され、軸105を中心に一体に揺動する。
【0042】
サーボモータ108の駆動により入力レバー101の延長部106が出力レバー103の延長部107に対して近接離反する。これにより両レバー101,103間の角度θが変化する。したがって、角度θを調整することにより出力レバー103の緩衝部材104の前後方向の位置が変化し、移動側ダイ50のラム4に対する相対動作(移動開始時の位置、移動終了時の位置)を調整することができる。
【0043】
サーボモータ108は球面軸受け109で出力レバー103の延長部107に着座している。サーボモータ108の出力軸も球面軸受け110で入力レバー101の延長部106に係合している。出力レバー103の延長部107にエアシリンダ111が備えられ、そのロッドが入力レバー101の延長部106を出力レバー103の延長部107から離反させるように押圧している。
【0044】
駆動ロッド57には、該ロッド57を後方に付勢するスプリング57aが設けられている。駆動ロッド57は、スライドスリーブ46を後方に引き戻すように作用する前述のスプリング47…47によっても後方に付勢されている。したがって、出力レバー103は安定して駆動ロッド57から後方へ力を受け、その結果、入力レバー101がカム面90aに常に接触している。
【0045】
図5に示すように、第2ステーションS2に円柱状素材Aが移送されると、ラム4が前進を開始する(時刻t1:図11参照)。その結果、移動側ダイ50が固定側ダイ16と対接し、その内部にキャビティが形成され、該キャビティ内に素材Aが収容される。図9は、ラム4が前進して、移動側パンチ52が補助パンチ53に当接するまで後退し、素材Aが移動側と固定側の両パンチ52,21で挟まれて、キャビティの中央部に位置した状態を示す(時刻t2)。図10は、ラム4が最前進位置まで前進して、両パンチ21,52がキャビティ内に最大に突入し、素材Aがキャビティ内で流動して、該キャビティと、突入したパンチ21,52の先端部とで構成される中間製品Bの形状に加工され終わった状態を示す(時刻t3)。
【0046】
図11に示すように、図9の状態から図10の状態に移行する間、移動側パンチ52はラム4と一体に前進する(実線R)。一方、移動側ダイ50は移動側パンチ52及びラム4に対して相対的に遅く前進する(破線S)。これにより、移動側と固定側の両パンチ52,21が同じタイミングでキャビティ内に突入し、素材Aが均等に流動して、加工精度が維持される。この例では、移動側ダイ50は、時刻t2〜t3の間に、ラム4に対して距離L1(実線で囲み斜線を施した面積)だけ後退方向に相対移動する。
【0047】
素材Aが長くなったり、加工量が大きくなったり、パンチの突入量が多くなったりすると、素材Aをより早い時刻t2´に移動側と固定側の両パンチ52,21で挟みつけ、該時刻t2´から両パンチ52,51を突入させて加工を開始しなければならない。つまり、より早い時刻t2´から移動側ダイ50を相対的に遅く前進させ(鎖線T)、ラム4に対する後退方向への相対移動距離をL2(鎖線で囲み斜線を施した面積)だけ増加させることになる。
【0048】
本実施の形態に係る多段式成形機1では、カム機構90を用いて、移動側ダイ50の移動開始タイミング、移動終了タイミング、移動量の少なくともいずれかを調整することに加えて、レバー機構100を用いて、移動側ダイ50の移動開始時の位置、移動終了時の位置の少なくともいずれかを併せて調整するようにしたから、これらの異種のパラメータを同時に調整することが相俟って、移動側ダイ50を緻密で精度よくラム4及びパンチ52に対して相対移動させることが可能となる。その結果、上記のような時刻t2,t2´ないし距離L1,L2の調整をサーボモータ94,108を使って容易に精密に行うことができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、成形機のラムに備えたダイをより緻密で精度よく動作させることができ、高精度な製品を高速製造することができる。本発明は、閉塞鍛造式の塑性加工技術一般に広く好ましく適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る成形機の概略平面図である。
【図2】 同成形機の第1ステーションでの成形後の素材の形状を示す図である。
【図3】 同じく第2ステーションでの成形後の素材の形状を示す図である。
【図4】 同じく第3ステーションでの成形後の素材の形状を示す図である。
【図5】 第2ステーションの拡大断面図である。
【図6】 固定側ダイユニットの正面図である。
【図7】 ダイクランプの拡大図である。
【図8】 ラムの駆動系及び移動側ダイの駆動系を示す拡大断面図である。
【図9】 パンチがキャビティに突入する直前の状態を示す拡大断面図である。
【図10】 パンチがキャビティに最大に突入した状態を示す拡大断面図である。
【図11】 ラム及び移動側ダイの速度変化を示すタイムチャート図である。
【符号の説明】
1 多段式成形機
3 ダイブロック
4 ラム
6a〜6c 移動側ダイユニット
16 固定側ダイ
21 固定側パンチ
50 移動側ダイ
52 移動側パンチ
57 駆動ロッド
82 リンク部材
90 カム機構
94,108 サーボモータ
100 レバー機構
101 入力レバー
103 出力レバー
Claims (1)
- ダイブロック側に前後移動可能に設けられた固定側ダイと、ダイブロック側に設けられて固定側ダイの後退により該固定側ダイ内に突入する固定側パンチと、ダイブロックに対して進退移動するラム側に該ラムに対して前後に相対移動可能に設けられた移動側ダイと、ラム側に設けられて移動側ダイのラムに対する後退方向への相対移動により該移動側ダイ内に突入する移動側パンチとを有し、上記ラムの前進により移動側ダイと固定側ダイとが当接してキャビティが形成された後、該キャビティ内に上記固定側パンチ及び移動側パンチが突入することにより素材を成形する成形機における移動側部材の駆動装置であって、ラムをダイブロックに対して進退移動させる主駆動系と、該主駆動系から分岐され、ラムの前進時に上記移動側ダイをラムの移動速度よりも遅く前進させることにより該移動側ダイをラムに対して後退方向へ相対移動させる補助駆動系とが備えられ、該補助駆動系が、ラムに対する移動側ダイの移動開始タイミングもしくは移動終了タイミング又は相対移動量の少なくともいずれかを調整するカム機構と、ラムに対する移動側ダイの移動開始時の位置又は移動終了時の位置の少なくともいずれかを調整するレバー機構とを有しており、かつ、上記カム機構は、主カム板と、該主カム板に移動自在に内装された補助カム板と、該主カム板に組み付けられて、補助カム板を主カム板に対して移動させることによりカム機構全体のカム面を変更するサーボモータとを有し、このカム面の変更により移動側ダイの移動開始タイミングもしくは移動終了タイミング又は相対移動量の少なくともいずれかを調整するように構成されており、上記レバー機構は、カム機構に従って揺動する入力レバーと、該入力レバーと角度をなして同軸に設けられ、入力レバーの揺動に伴い揺動して移動側ダイを駆動する出力レバーと、一方のレバーに組み付けられ、かつ出力軸が他方のレバーと係合して、該他方のレバーを上記一方のレバーに対して近接離反させることによりこれらのレバー間の角度を変更するサーボモータとを有し、この角度の変更により移動側ダイの移動開始時の位置又は移動終了時の位置の少なくともいずれかを調整するように構成されていることを特徴とする成形機における移動側部材の駆動装置。
Priority Applications (1)
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