JP3745569B2 - 冷飲料供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷水タンク内に浸漬した冷却コイルに飲料を流通させることで冷飲料を供給するタイプの冷飲料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の冷飲料供給装置として、特開平9−152245号公報に記載されたものが知られている。このものは図6に示すように、冷水タンク1内に、冷凍サイクルの一部を構成する蒸発パイプ2を周壁に沿うように螺旋巻きして配設する一方、この蒸発パイプ2の内側に、パイプを螺旋巻きした冷却コイル3を同心状に配設し、さらに冷却コイル3内にインペラ4を突入させた構造であって、冷凍サイクルを駆動することで蒸発パイプ2の回りに氷層を生成しつつ冷水タンク1内に貯留された冷却用水Wを冷却してこれをインペラ4によって撹拌し、係る状態で冷却コイル3に飲用水を流通させることで冷水が注出されるようになっている。
そして冷却コイル3を冷水タンク1内で支持する部分の構造は、冷水タンク1の底面に、階段状に屈曲形成した複数の保持部材5を環形に配して取り付け、各保持部材5の上段の内側に冷却コイル3の下端の外周を嵌めて支持するようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インペラ4により冷却用水Wが撹拌される場合は、同図の矢線に示すように、冷水タンク1の中心部を下向きに流れたのち、壁面に沿って立ち上がるような循環流が生ずるのであるが、従来のものでは、保持部材5が丁度流れを遮るように立てられているため、水流が滞る箇所ができ、冷却コイル3の凍り付き等を招くおそれがあった。また、軽量化等のために冷水タンク1を合成樹脂製とする要望があるが、保持部材5を一体に成形しようとしてもアンダーカットができるために対応できず、保持部材5を別部品として備えざるを得ないという問題もあった。
本発明は上記のような不具合を一掃すべく完成されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、冷却用液を貯留するとともにこれを冷却する冷却手段を周壁に沿って配した冷水タンク内には、パイプを螺旋巻きした冷却コイルが縦向きに浸漬されるとともに、この冷却コイル内に撹拌羽根が浸漬され、前記冷却用液を前記撹拌羽根により撹拌しつつ前記冷却コイルに飲料液を流通させることで冷飲料を供給するようにした冷飲料供給装置において、前記冷却コイルが前記冷水タンクの上面開口に被着される蓋に吊り下げられた状態で固定され、前記冷水タンクの底面には、3枚以上の保持板が前記冷却コイルを内側に嵌合可能で、前記冷却手段内において環形に配され、かつ各保持板自身は、冷水タンクの中心からの放射方向に沿った姿勢で前記冷水コイルの外周面から放射状に出っ張った状態で立てられている構成としたところに特徴を有する。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記保持板の上部内縁には、上広がりのテーパ状をなすガイド縁が形成されているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記冷水タンクの上縁には、前記蓋の周縁と係合して前記蓋板を正規の被着位置に案内するガイド部が設けられているところに特徴を有する。
【0006】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
冷却コイルは、環形に配された保持板の内側に下端部が嵌められて支持される。冷却用液は、冷水タンクの中心部を下向きに流れたのち壁面に沿って立ち上がるように循環して撹拌されるが、保持板が冷水タンクの中心から放射方向に沿って立てられているから、流れを遮ることがなく、タンク内が一様に撹拌されて凍り付き等が生じることが防止される。
また、保持板には冷水タンクの軸線方向に対して引っ掛かりとなる所、いわゆるアンダーカット部分が無いから、保持板ともども冷水タンクを、その軸線方向に沿って接離する成形型によって成形することが可能となり、製造コストの低減に寄与し得る。
さらに、冷却コイルの外周面から保持板が放射状に出っ張った状態にあるから、冷却コイルと冷却手段との間に所定のクリアランスが確保でき、これによっても凍り付きを防止することができる。
【0007】
<請求項2の発明>
冷却コイルの下端部は、各保持板のガイド縁で案内されて芯出しされながら保持板の内側にスムーズに嵌められる。
<請求項3の発明>
冷水タンクに蓋を被せることに伴って冷却コイルの設置を行うことができる。蓋自身もガイド部により正確な位置に被せられる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図5に基づいて説明する。
この実施形態では、給茶機に設けられた冷水の供給部分を例示している。図において、符号10は、合成樹脂製の冷水タンク10であって、図2及び図3に示すように、上広がりの有底の円筒状に形成され、その内底部が段付き状に縮径されて、底面の中心に開閉機能を有する排水管11が設けられているとともに、上端部の周壁には、オーバフローパイプ12が設けられている。したがって、冷水タンク10内には、オーバフローパイプ12の下方位置まで冷却用水Wが貯留可能とされている。
冷水タンク10の上面開口にはフランジ14が形成され、そのフランジ14に蓋15が被せられてネジにより固定可能とされている。冷水タンク10の周面から下面にわたって断熱材17が張られている。
【0009】
冷水タンク10内には蒸発パイプ19が配設されている。この蒸発パイプ19は疎巻きの螺旋円筒形に形成されており、その下端が冷水タンク10の底面の一段高い周縁部のリブ18に載せられることにより、冷水タンク10の内周壁に沿うように配設されている。
蒸発パイプ19の入口19Aと出口19Bは、上記した蓋15の外周縁に形成された逃がし溝21(図4参照)を通して外部に引き出し可能となっており、図示しない冷凍装置と冷媒配管により循環接続されて、周知の冷凍サイクルが構成されている。
【0010】
蒸発パイプ19の内側には、冷却コイル23が収容されている。この冷却コイル23は、図5に示すように、熱伝導性に優れた素材からなるパイプ24を、蒸発パイプ19よりも小径の円筒形に密着巻きすることで形成されている。
一方、冷水タンク10の底面には、上記した冷却コイル23の下端部を嵌める3枚の保持板25が一体的に立てられている。この保持板25は、図2に示すように、冷水タンク10の底部の段付部分において等角度間隔を開けて環形に配されているとともに、各保持板25は、冷水タンク10の中心からの放射方向に沿った姿勢を取っており、各保持板25の内側に冷却コイル23の下端部がほぼ緊密に嵌合可能となっている。また、各保持板25の上部内縁は、上広がりのテーパ状をなすガイド縁26となっている。
【0011】
この冷却コイル23は、図4及び図5に示すように、上記した冷水タンク10の蓋15の裏面に予め取り付けられるようになっている。この蓋15には、その外周縁に上記の逃がし溝21が切られているとともに、中心孔28が開口されている。冷却コイル23の下端と上端からは、それぞれ流入管23Aと流出管23Bとが立ち上がって形成され、この流入管23Aと流出管23Bの上端が、中心孔28の回りにおいて90度の角度間隔を開けた位置から蓋15の表面側に貫通され、図4に示すように、それぞれに接続された接続口30A,30Bのフランジ31がネジ32で蓋15の上面に固定されることによって、冷却コイル23は、蓋15の裏面の中心に吊り下げられた状態で固定されている。
流入管23Aは水道水等の水供給源側に接続され、また流出管23Bは、各注出口と対応した電磁弁に分岐して接続されている。
【0012】
また、蓋15の表面にはモータ34が取り付けられるとともに、下端にインペラ36を備えたシャフト35が冷却コイル23の中心に挿入され、シャフト35の上端が中心孔28から上方に突出して連結機構を介してモータ34と連結されている。
一方、冷水タンク10の上面のフランジ14には、蓋15を内側にほぼ緊密に嵌めることのできるガイド壁38が全周にわたって立てられている。
【0013】
本実施形態は上記のような構造であって、続いてその作用を説明する。
冷水タンク10は、例えば以下のようにして組み付けられる。まず、蒸発パイプ19が冷水タンク10の底面の一段高い周縁部に載せられて、冷水タンク10の内周壁に沿って配設される。
続いて、冷水タンク10の上面開口に蓋15が被せられる。蓋15には既述したように、冷却コイル23、モータ34及びインペラ36等が予め取り付けられている。蓋15は、逃がし溝21を蒸発パイプ19の入口19Aと出口19Bの引き出し部分に合わせた姿勢で被せられる。これに伴い、冷却コイル23が冷水タンク10内に入れられ、その下端が保持板25のガイド縁26に当たって芯出しされながら、各保持板25の内側に真直に挿入される。
蓋15自身は、その周縁が冷水タンク10のフランジ14に立てられたガイド壁38に嵌められることで同心に被せられ、ネジ孔を合わせるようにガイド壁38に沿って回動調整されたのち、ネジ止めされて固定される。そののち、各種配管接続がなされる。
【0014】
冷水タンク10内に冷却用水Wを貯留して冷凍装置を作動させると、冷媒配管内を循環される冷媒は蒸発パイプ19内で気化され、そのときに生じる吸熱作用により蒸発パイプ19付近の冷却用水Wが冷却されて氷層が生成され、この氷層の潜熱により冷却用水Wが冷却される。同時にモータ34が駆動されて、インペラ36が回転することによって冷却用水Wが撹拌され、冷却用水Wは万遍なく冷却される。
ここで、冷水または冷茶の注出スイッチが操作されると、対応する電磁弁が開放され、水道水が流入管23Aを通って冷却コイル23内に導入されてその中を流通する間に冷却され、冷水となって流出管23Bを通って開放された電磁弁の出力ポートから注出口に向けて吐出される。
【0015】
本実施形態では、冷却コイル23を支持する部分の構造が、冷水タンク10の底面に3枚の保持板25が等角度間隔を開けて環形に配され、かつ各保持板25が冷水タンク10の中心からの放射方向に沿った姿勢を取っていて、これらの保持板25の内側に冷却コイル23の下端部がほぼ緊密に嵌合されて支持される構造となっているから、以下のような利点が得られる。
まずインペラ36が回転されると、冷却用水Wは、冷水タンク10の中心部を下向きに流れたのち壁面に沿って立ち上がるように循環して撹拌されるが、保持板25は冷水タンク10の中心からの放射方向に沿った姿勢で立てられているから、流れを遮ることがなく、冷水タンク10内が一様に撹拌されて凍り付き等が生じることが防止される。
【0016】
保持板25には冷水タンク10の軸線方向に対して引っ掛かりとなる所、いわゆるアンダーカット部分が無いから、保持板25ともども冷水タンク10を、その軸線方向に沿って接離する成形型によって成形することが可能であって、製造コストの低減を図ることができる。
また冷却コイル23の外周面から保持板25が放射状に出っ張った状態にあるから、冷却コイル23と蒸発パイプ19との間に所定のクリアランスCが確保でき、これによっても凍り付きを防止することができる。
【0017】
さらに、冷水タンク10の蓋15の裏面に冷却コイル23を予め取り付けるようにしたから、蓋15を被せることに伴って冷却コイル23の設置ができるから、組み付けが能率良く行える。
その際、保持板25の内縁上部にはガイド縁26が形成されているから、冷却コイル23の下端部がガイド縁26で案内されつつ、保持板25の内側にスムーズに嵌められる。
また蓋15自身も、フランジ14に立てられたガイド壁38により、正確に位置決めされて被せられる。
【0018】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)保持板は4枚以上配設してもよく、また必ずしも等角度間隔に配設するには及ばない。
(2)本発明は、冷水に限らず、ビール、ジュース等の他の飲料を冷却して供給する冷飲料冷却装置全般に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る縦断面図
【図2】 冷水タンクの平面図
【図3】 その縦断面図
【図4】 蓋に冷却コイルを取り付けた状態の平面図
【図5】 その正面図
【図6】 従来例の断面図
【符号の説明】
10…冷水タンク 14…フランジ 15…蓋 19…蒸発パイプ(冷却手段) 23…冷却コイル 24…パイプ 25…保持板 26…ガイド縁 34…モータ 35…シャフト 36…インペラ 38…ガイド壁 C…クリアランス
W…冷却用水
Claims (3)
- 冷却用液を貯留するとともにこれを冷却する冷却手段を周壁に沿って配した冷水タンク内には、パイプを螺旋巻きした冷却コイルが縦向きに浸漬されるとともに、この冷却コイル内に撹拌羽根が浸漬され、前記冷却用液を前記撹拌羽根により撹拌しつつ前記冷却コイルに飲料液を流通させることで冷飲料を供給するようにした冷飲料供給装置において、
前記冷却コイルが前記冷水タンクの上面開口に被着される蓋に吊り下げられた状態で固定され、
前記冷水タンクの底面には、3枚以上の保持板が前記冷却コイルを内側に嵌合可能で、前記冷却手段内において環形に配され、かつ各保持板自身は、冷水タンクの中心からの放射方向に沿った姿勢で前記冷水コイルの外周面から放射状に出っ張った状態で立てられていることを特徴とする冷飲料供給装置。 - 前記保持板の上部内縁には、上広がりのテーパ状をなすガイド縁が形成されていることを特徴とする請求項1記載の冷飲料供給装置。
- 前記冷水タンクの上縁には、前記蓋の周縁と係合して前記蓋板を正規の被着位置に案内するガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷飲料供給装置。
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