JP3744727B2 - ディスク収納ケース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク状媒体、特にカートリッジに収納されていないCD(コンパクトディスク)等のディスク状媒体を収納するディスク収納ケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のディスク収納ケースとしては、第1例として、特開平10−106203号公報に開示されたものが知られている。このディスク収納ケースは、本体及び蓋体と、ディスク状媒体の中心孔を係合保持する保持突起を形成したトレイとから構成され、このトレイを本体上に取り付けたものである。
また、第2例として、特開平8−207978号公報に開示されたものが知られている。このディスク収納ケースは、本体と蓋体とから構成され、上記第1例のようにトレイは設けられておらず、本体にディスク状媒体を係合保持する保持突起を一体形成したものである。この第2例では、第1例のようにトレイがない分だけ全体の薄型化を図ることができるとともに、ディスク収納ケースの部品点数を削減して、コスト低減を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の従来のディスク収納ケースでは、以下の問題点があった。
ディスク状媒体には、CDやCD−ROMのように予め何らかのデータが記録されているものの他、記録可能なCD(CD−R、CD−RW等)が存在する。そして、後者のものは、そのディスク状媒体に記録した内容をインデックスカードに記入し、このインデックスカードをディスク収納ケースに収納した状態でディスク収納ケースを保管する。保管時は、ディスク収納ケースを立てて並べておくことが一般的であるので、ディスク収納ケースの側面にインデックスカードの見出しを記入する部分が位置する必要がある。
【0004】
ここで、前述の従来の第1例のものでは、インデックスカードを着脱するときは、トレイを取り外す必要があるので、インデックスカードに記入した内容を変更するとき等はその都度トレイを取り外さなければならず、不便であった。
また、従来の第2例のものでは、蓋体に形成された断面コ字状の部分にインデックスカードを収納することが考えられる。しかし、断面コ字状の部分の内幅が短いので、この部分に入り込むインデックスカードの見出し部の十分な大きさを確保できず、また、見出し等を記入したとしても、記入した内容が読みにくいという問題がある。ここで、断面コ字状部分の内幅を大きくすれば、インデックスカードの見出し部の幅を大きくすることができるが、前述のように、ケース全体の薄型化を図る意味がなくなってしまうという問題がある。
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、ケース全体の薄型化を図りつつ、側面にインデックスカードの十分な幅を確保したディスク収納ケースを提供することである。
【0006】
上述の課題を解決するために、請求項1の発明は、ディスク状媒体を収納する本体と蓋体とからなるディスク収納ケースであって、
前記本体は、ディスク状媒体の中心孔を係合保持するための略コ字状の貫通溝で周囲が囲まれて弾性を有する保持突起を中央部に一体形成し、かつ該ディスク状媒体をガイドする外周リブを設けた底壁と、前記底壁の外縁にそれぞれ設けられた対向する一対の側壁、前面壁及び背面壁とを備え、前記側壁の略中央の前記底壁に前記ディスク状媒体の取り出しのための切欠きを設けるとともに、前記一対の側壁の一端側にその側壁に沿って延長した延長部を設け、該延長部に突起状の支軸を設け、
前記蓋体は、その内側にインデックスカードが取り付けられ、天壁と、前記天壁の外縁にそれぞれ設けられた対向する一対の側壁及び背面壁とを備えるとともに、前記一対の側壁の端部の前記背面壁側に孔を設け、かつ該孔に隣接する前記天壁に前記本体の前記延長部が入り込む切欠きを設け、該孔に前記本体の前記延長部の前記支軸を枢着して前記蓋体を前記本体に開閉自在に取り付け、
前記蓋体の前記背面壁の高さは、前記蓋体を閉じたときの前記ディスク収納ケースの厚みに略等しい高さに形成され、前記蓋体の背面壁と前記本体の背面壁との間に隙間が設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のディスク収納ケースにおいて、前記インデックスカードが主面部と背面部とによるL形であり、前記蓋体の前記一対の側壁に前記天壁と所定の間隙を介して保持片を設け、前記インデックスカードの前記主面部を前記天壁の内面側に沿うように配置するとともに前記保持片により保持し、前記インデックスカードの前記背面部を前記蓋体の前記背面壁の内面側に沿うように配置したことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2に記載のディスク収納ケースにおいて、前記蓋体を閉じたときに、前記本体の前記背面壁の上端面が前記インデックスカードを支持することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のディスク収納ケースにおいて、前記本体の前記底壁に沿って前記背面壁から前記延長部側に延在する補助壁を設けたことを特徴とする。
【0008】
【作用】
請求項1の発明においては、本体の延長部に蓋体が開閉可能に取り付けられる。そして、蓋体が閉じられたときは、蓋体の背面壁がディスク収納ケースの側面を形成する。したがって、蓋体の背面壁の幅を最大限に長くすることができ、この背面壁に取り付ける見出し等を大きくして、見出し等を見やすくすることができる。
請求項2の発明においては、蓋体の天壁にはインデックスカードの主面部が、背面壁にはインデックスカードの背面部がそれぞれ沿うように装着される。また、インデックスカードは、蓋体の側壁に設けられた保持片によって保持される。したがって、インデックスカードの背面部を蓋体の背面壁と同等の大きさとすることができる。また、インデックスカードを着脱しやすくすることができる。
【0009】
請求項3の発明においては、蓋体を閉じることにより、本体の背面壁の上端面によって、インデックスカードが支持される。したがって、装着したインデックスカードをさらに安定させることができる。
請求項4の発明においては、蓋体を閉じたときは、本体の背面壁と蓋体の背面壁との間の隙間が補助壁によって小さくなる。したがって、ディスク収納ケースの外観を良くすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態のディスク収納ケースは、本体10と蓋体20とから構成されている。図1は、ディスク収納ケースの本体10を示す図であり、(a)は内面側を示す平面図、(b)は(a)のA−A断面を示す断面図である。
本体10は、底壁11と、この底壁11の外縁にそれぞれ立設した側壁12(12A及び12B)、前面壁13及び背面壁14とを備える。底壁11は、四角形状に形成されるとともに、その中央部にはディスク状媒体(後述)の中心孔と係合してディスク状媒体を保持するための保持突起15が一体形成されている。この保持突起15は、環状に等間隔で4つ設けられており、その根元部15aが底壁11に連結されるとともに、その周囲を略コ字状に囲む貫通溝15bが形成されている。これにより、保持突起15は弾性たわみが可能に形成されている。このように、底壁11に直接保持突起15を設けることで、ディスク収納ケースの部品点数を削減することができる。
【0011】
保持突起15の外周には、リング状突起16が設けられている。このリング状突起16は、底壁11の内面からわずかに高く形成されたものであり、ディスク状媒体が保持突起15に保持されたときに、ディスク状媒体の表面の非記録領域と当接し、ディスク状媒体の記録領域が底壁11の内面に直接接触しないようにするものである。さらに、このリング状突起16の外周部には、外周リブ17が設けられている。外周リブ17は、円弧状をなし、略90度間隔で4か所に設けられている。外周リブ17は、ディスク状媒体が底壁11に保持されたときにディスク状媒体の外周よりわずかに外側に位置して、ディスク状媒体をガイドするものである。
【0012】
側壁12は、対向する一対の側壁12A及び12Bとから構成されている。各側壁12の略中央部に形成された切欠き12a及び12bは、底壁11の保持突起15に保持されたディスク状媒体を取り外しやすくするものである。側壁12A及び12Bの図1中、左側は、それぞれ背面壁14からさらに左側に延長した延長部18が設けられている。そして、この延長部18の外面側には、蓋体20を開閉(回動)自在に取り付けるための突起状の支軸19が設けられている。
【0013】
図2は、ディスク収納ケースの蓋体20を示す図であり、(a)は内面側を示す平面図、(b)は(a)のB−B断面を示す断面図である。
蓋体20は、透明な樹脂材料で成形されており、四角形状に形成された天壁21と、対向する一対の側壁22(22A及び22B)と、側壁22間に設けられた背面壁24とを備え、本体10側に設けられている前面壁13に相当するものは設けられておらず、2つのリブ23が設けられている。このリブ23は、インデックスカード(後述)の一端部と当接して、インデックスカードの動きを規制するためのものである。
【0014】
天壁21の図2中、横方向の幅は、本体10の図1中、横方向の幅と略同一の長さに形成されている。
また、各側壁22A及び22Bには、インデックスカードを保持するための半円状の保持片25が設けられている。保持片25は、側壁22A及び22Bの所定位置に2つずつ設けられ、天壁21の内面と所定間隙を介して略並行に設けられている。
【0015】
側壁22の図2中、右側端近傍には、本体10に回動可能に蓋体20を取り付けるための孔26が形成されており、本体10の支軸19が嵌合可能な大きさに形成されている。また、天壁21において孔26が形成された近傍には、切欠き27が形成されている。切欠き27は、本体10の延長部18が入り込むためのものである。
そして、背面壁24は、天壁21の内面側の切欠き27間に立設されている。背面壁24の天壁21の内面からの高さは、本体10の高さ(本体10の底壁11の外面側から本体10の背面壁14の上端までの高さ)と略同一に形成されている。
【0016】
この蓋体20の内面側には、インデックスカードが取り付けられる。インデックスカードは、L形に折り曲げ形成された主面部と背面部とを有するものである。インデックスカードは、その主面部が天壁21の内面側に、その背面部が背面壁24の内面側に沿うように取り付けられ、さらに主面部は天壁21と保持片25との間の間隙を通るように取り付けられる。これにより、インデックスカードは落下することはない。また、インデックスカードの主面部の左側外縁は、リブ23によって規制される。
ここで、インデックスカードの背面部を、蓋体20の背面壁24と略同等の大きさとすることにより、蓋体20の背面壁24全体の領域をインデックスカードの背面部の領域、すなわち見出し等の記入領域とすることができ、インデックスカードの背面部への書き込みや読み取りが容易となる。
【0017】
図3は、本体10に蓋体20を取り付けて蓋体20を閉じたときの、図1(a)中、A−A断面に相当する断面図であり、ディスク状媒体D及びインデックスカードCを取り付けた状態を示す。
蓋体20の側壁22に形成した孔26に、本体10の延長部18に形成した支軸19を挿入することで、蓋体20は本体10の支軸19の中心を回動支点として開閉自在に本体10に取り付けられ、本実施形態のディスク収納ケースが形成される。
そして、蓋体20を開いた状態とし、本体10の保持突起15にディスク状媒体Dの中心孔を係合させてディスク状媒体Dを本体10の底壁11内面上に保持し、蓋体20を閉じれば、図3に示す状態となる。
【0018】
蓋体20を閉じたときは、蓋体20の天壁21の内面側の図3中、右側端部が本体10の前面壁13の上端面と当接する。また、このときは、本体10の背面壁14の上端面が蓋体20の天壁21内面側に取り付けたインデックスカードCに近接する。すなわち、蓋体20を閉じたときは、インデックスカードCは、さらに本体10の背面壁14によっても支持され、本体10の背面壁14は、インデックスカードCの保持の補助的役割を果たす。これにより、インデックスカードCの保持をより安定させることができる。
【0019】
図4は、図3の状態から蓋体20が開き始めたときの状態を示す断面図である。蓋体20を開いたときは、本体10と蓋体20とが平らな状態、すなわち蓋体20が180度又はそれ以上開くことができるようにすることが好ましい。この場合は、図4に示すように、本体10と蓋体20の回動中心から本体10の背面壁14までの長さをL1、回動中心から蓋体20の背面壁24の上面までの長さをL2とすると、L1をL2より長く設定すれば良い。
【0020】
図5は、本発明の第2実施形態の本体10’を示す図であり、(a)は内面側を示す平面図であり、(b)は(a)のC−C断面を示す断面図である。
この本体10’において、第1実施形態の本体10とは、本体10’に補助壁31が設けられている点で異なる。その他は、第1実施形態の本体10と同一である。
本実施形態のように補助壁31を設けたときは、蓋体20を閉じたときに、蓋体20の背面壁24と本体10の背面壁14との間の隙間(図3中、S)を小さくすることができる。ただし、補助壁31は、蓋体20の開閉に支障のない長さ、すなわち蓋体20の背面壁24と本体10の補助壁31とが干渉しない長さにする必要がある。
【0021】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、部品点数を削減し、薄型化を図ることができるとともに、ディスク収納ケースの側面の内面側領域を広くし、インデックスカードの見出し等を記入しやすく、及び読みやすくすることができる。
請求項2の発明によれば、背面部の広いインデックスカードを装着することができるとともに、インデックスカードの着脱を容易にすることができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、本体側でもインデックスカードを支持することができ、装着時のインデックスカードをさらに安定させることができる。
請求項4の発明によれば、補助壁によって、本体の背面壁と蓋体の背面壁との間の間隙を小さくすることができ、外観上、体裁の良いディスク収納ケースとすることができ、また、粉塵等の混入をより少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスク収納ケースの本体を示す図であり、(a)は内面側を示す平面図、(b)は(a)のA−A断面を示す断面図である。
【図2】ディスク収納ケースの蓋体を示す図であり、(a)は内面側を示す平面図、(b)は(a)のB−B断面を示す断面図である。
【図3】本体に取り付けた蓋体を閉じたときの図1(a)中、A−A断面に相当する断面図であり、ディスク状媒体及びインデックスカードを取り付けた状態を示す。
【図4】図3の状態から蓋体が開き始めたときの状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の本体を示す図であり、(a)は内面側を示す平面図であり、(b)は(a)のC−C断面を示す断面図である。
【符号の説明】
10、10’ 本体
11 底壁
12(12A及び12B) 側壁
13 前面壁
14 背面壁
15 保持突起
16 リング状突起
17 外周リブ
18 延長部
19 支軸
20 蓋体
21 天壁
22(22A及び22B) 側壁
23 リブ
24 背面壁
25 保持片
26 孔
27 切欠き
31 補助壁
C インデックスカード
D ディスク状媒体

Claims (4)

  1. ディスク状媒体を収納する本体と蓋体とからなるディスク収納ケースであって、
    前記本体は、ディスク状媒体の中心孔を係合保持するための略コ字状の貫通溝で周囲が囲まれて弾性を有する保持突起を中央部に一体形成し、かつ該ディスク状媒体をガイドする外周リブを設けた底壁と、前記底壁の外縁にそれぞれ設けられた対向する一対の側壁、前面壁及び背面壁とを備え、前記側壁の略中央の前記底壁に前記ディスク状媒体の取り出しのための切欠きを設けるとともに、前記一対の側壁の一端側にその側壁に沿って延長した延長部を設け、該延長部に突起状の支軸を設け、
    前記蓋体は、その内側にインデックスカードが取り付けられ、天壁と、前記天壁の外縁にそれぞれ設けられた対向する一対の側壁及び背面壁とを備えるとともに、前記一対の側壁の端部の前記背面壁側に孔を設け、かつ該孔に隣接する前記天壁に前記本体の前記延長部が入り込む切欠きを設け、該孔に前記本体の前記延長部の前記支軸を枢着して前記蓋体を前記本体に開閉自在に取り付け、
    前記蓋体の前記背面壁の高さは、前記蓋体を閉じたときの前記ディスク収納ケースの厚みに略等しい高さに形成され、前記蓋体の背面壁と前記本体の背面壁との間に隙間が設けられていることを特徴とするディスク収納ケース。
  2. 請求項1に記載のディスク収納ケースにおいて、
    前記インデックスカードが主面部と背面部とによるL形であり、前記蓋体の前記一対の側壁に前記天壁と所定の間隙を介して保持片を設け、前記インデックスカードの前記主面部を前記天壁の内面側に沿うように配置するとともに前記保持片により保持し、前記インデックスカードの前記背面部を前記蓋体の前記背面壁の内面側に沿うように配置したことを特徴とするディスク収納ケース。
  3. 請求項2に記載のディスク収納ケースにおいて、
    前記蓋体を閉じたときに、前記本体の前記背面壁の上端面が前記インデックスカードを支持することを特徴とするディスク収納ケース。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のディスク収納ケースにおいて、
    前記本体の前記底壁に沿って前記背面壁から前記延長部側に延在する補助壁を設けたことを特徴とするディスク収納ケース。
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