JP3743488B2 - 剥離紙及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔性薄葉基材にシリコーン系剥離剤層を設けた剥離紙及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
シリコーン系剥離皮膜を設けた剥離紙の基材には、従来からグラシン紙、ポリエチレンラミネート紙、各種プラスチックフィルム等が利用されてきた。
【0003】
このうち、グラシン紙は高価格で、リサイクルの際、離解も難しい。また、紙本来の多孔性が残っているために塗工したシリコーン系剥離剤の浸み込みが強く、十分な剥離性能を達成するには剥離剤の塗工量を多くしなければならず、また、浸み込み具合も一様ではないため剥離性能の再現性や均一性を確保するのに限界があった。
【0004】
一方、バリア性の良いポリエチレンなどをラミネートした紙は、シリコーン系剥離剤の浸み込みがなく、表面がほぼ均一な点で優れているが、ポリエチレンをラミネートするため、シリコーン系剥離剤を十分硬化するには耐熱性が不足で、加熱温度を上げると表面の均一性や光沢、滑らかさが損なわれてしまう欠点があった。このことは、剥離紙として粘着面と貼り合わせた場合に粘着面を荒らして粘着性能に悪影響を与え、特に透明性の高い表面基材を用いた外観や意匠性が重要視される用途においては透明性が低下するという欠点になる。また、リサイクルにはラミネート層を除去する必要があり、難しい面がある。
【0005】
この問題点を解決する方法として、耐熱性に優れるポリビニルアルコール(PVA)を目止め剤として塗工する方法が考えられ、水溶性もあることからリサイクルが容易になると期待される。従来、この方法は、剥離紙基材として緻密なグラシン紙に用いられるのが一般的であり、上質紙等の多孔質な紙類に用いたり、ポリエチレンラミネート紙のような高光沢性を有する基材に代用する報告はこれまでに見られない。例えば、特開昭55−26256号公報にはPVAの造膜性を改良した剥離紙の記載はあるが、耐熱性や光沢についての記述は見られない。一方、PVAの水酸基がシリコーン系剥離皮膜との密着に有利であるとの記載は多く見られるが、縮合反応硬化型シリコーン系剥離剤層に比較して、付加反応硬化型のシリコーン系剥離剤層に対する密着性は十分なものではなかった。
【0006】
なお、プラスチックフィルム類は、バリア性と表面の均一性に優れ、品質の安定性も高い。しかし、ポリエチレンラミネート紙と同様に耐熱性が低く、付加反応硬化型シリコーン系剥離剤の硬化反応を阻害する場合も多く、密着性も悪いのが一般的である。
【0007】
以上に述べたように、シリコーン系剥離皮膜を設けた剥離紙に必要な、面平滑性(光沢性)、バリア性、耐熱性、シリコーン系剥離剤層との密着性、リサイクルの容易さのすべてを満足するのは難しかった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、表面均一性に優れ、高光沢であり、紙としてのリサイクルが容易な剥離紙及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、多孔性薄葉基材の少なくとも片面に、150℃以下の加熱では熱可塑性を示さないポリビニルアルコール系樹脂を用い、これにシランカップリング剤等のシリコーン系剥離剤層との密着性を与える密着性成分を配合したポリビニルアルコール系樹脂組成物を少なくとも1g/m2塗工し、この場合、好ましくは塗工皮膜の光沢度を80以上に仕上げること、あるいは上記ポリビニルアルコール系樹脂を含む組成物を少なくとも1g/m2塗工し、これを上記密着性成分にて表面処理し、また好ましくは塗工皮膜の光沢度を80以上に仕上げることにより、この上にシリコーン系剥離皮膜、特に付加反応硬化型のシリコーン組成物の剥離皮膜を形成することにより、下記の利点が得られることを知見した。
【0010】
(i)従来のポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂を用いたラミネート紙ではシリコーン系剥離皮膜形成時の加熱処理により、発泡、表面収縮の発生等が避けられなかったが、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂という)の高い耐熱性によって、均一で滑らかな表面を保持した高光沢な剥離紙を得られる。
(ii)このように、シリコーン系剥離皮膜表面が均一で滑らかなことは、剥離紙として用いたときに、剥離力の再現性を高め、接触する粘着面を荒らすなどの悪影響が減少し、粘着特性も向上する。
(iii)PVA系樹脂塗工層の高い耐熱性に加えて、付加反応硬化型シリコーン系剥離剤層との密着性に優れるという特徴は、シリコーン系剥離皮膜形成時の加熱温度をより高くでき、硬化時間の短縮が可能になり、密着不足による剥離性能異常も起こり難く、生産性が上がる。
(iv)PVA系樹脂層の耐溶剤性と改良された造膜性は、シリコーン系剥離剤の浸み込みを防ぎ、薄く均一な塗工が可能になり、良好な性能を維持したまま薄膜化できるので経済性が高い。
(v)PVA系樹脂の水溶性は、紙へのリサイクルを容易にし、環境負荷の小さい製品が可能となる。
【0011】
従って、本発明は、
(1)多孔性薄葉基材の少なくとも片面に、150℃以下の加熱では熱可塑性を示さないポリビニルアルコール系樹脂を主成分とし、シリコーン系剥離皮膜との密着性を与える密着性成分としてシランカップリング剤を含有する塗工皮膜が1g/m2以上の厚さで形成されていると共に、この塗工皮膜上にシリコーン系剥離皮膜が形成されてなり、表面光沢度が60以上であることを特徴とする剥離紙、
(2)多孔性薄葉基材の少なくとも片面に、150℃以下の加熱では熱可塑性を示さないポリビニルアルコール系樹脂と、シリコーン系剥離皮膜との密着性を与える密着性成分としてシランカップリング剤とを含むポリビニルアルコール系樹脂組成物を少なくとも1g/m2塗工した後、上記塗工皮膜上にシリコーン系剥離皮膜を形成し、表面光沢度を60以上としたことを特徴とする剥離紙の製造方法、及び、
(3)多孔性薄葉基材の少なくとも片面に、150℃以下の加熱では熱可塑性を示さないポリビニルアルコール系樹脂を含むポリビニルアルコール系樹脂組成物を少なくとも1g/m2塗工し、この塗工皮膜を、シリコーン系剥離皮膜との密着性を与える密着性成分であるシランカップリング剤にて表面処理した後、上記塗工皮膜上にシリコーン系剥離皮膜を形成し、表面光沢度を60以上としたことを特徴とする剥離紙の製造方法
を提供する。
【0012】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の剥離紙は、多孔性薄葉基材の片面又は両面に、まずPVA系樹脂を含むPVA系樹脂組成物を塗工する。
【0013】
ここで、本発明に使用される多孔性薄葉基材としては、一般に市販されているものが使用可能で、例えば、マニラ麻、こうぞ、みつまた等の天然繊維、テトロン、ビニロン、アクリル等の合成繊維を主原料としたものが利用できる。
【0014】
本発明に使用されるPVA系樹脂は、水溶性で150℃以下の加熱では熱可塑性を示さないものであればよく、水溶液としてPVA系樹脂組成物の主成分を占める。好ましくは、高濃度での塗工性が良い樹脂で、重合度が1,700以下、更に好ましくは1,000以下のものである。好ましいケン化度は80モル%以上で、それ未満では耐溶剤性や水への溶解性が低下する。また、本発明のPVA系樹脂には、その効果を損なわない範囲で、公知の重合性モノマーを共重合したものも用いることができる。重合性モノマーとしては、例えば、メチルメタアクリレート、プロピルメタアクリレート、アリルメタアクリレート等のメタアクリル酸エステル、メチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル、ブチルビニルエーテル、スチレン、ブテン、ブタジエン、アクリロニトリル、アクリルアミド、無水マレイン酸、塩化ビニル等が挙げられる。なお、このような共重合体を使用する場合、ビニルアルコール単位は80モル%以上であることが好ましい。
【0015】
本発明において、PVA系樹脂組成物は、上記PVA系樹脂を主成分として含有する。この場合、PVA系樹脂は水に溶解した状態とされるが、その濃度に特に制限はなく、5重量%以上とすることができるが、使用する塗工機で可能であれば高濃度の方が好ましい。かかる点から、組成物中のPVA系樹脂濃度は5〜40重量%、特に10〜20重量%の範囲とすることが好ましい。
【0016】
本発明のPVA系樹脂組成物の第1の態様としては、上記PVA系樹脂にシリコーン系剥離皮膜との密着性を与える密着性成分を添加したシリコーン系剥離皮膜との密着性に優れた組成物を使用する。
【0017】
即ち、PVA系樹脂は、含有する水酸基によりシリコーン系剥離剤と化学的に反応して良好な密着性を示すとされているが、実際にはポリエチレンラミネート紙よりも密着性が低いものであり、密着性成分の配合により、シリコーン系剥離皮膜、特に付加反応硬化型シリコーン組成物による剥離皮膜との良好な密着効果を与える。
【0018】
この場合、上記密着性成分としては、シランカップリング剤が好ましく、シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等で良好な結果が得られる。中でも、エポキシ基を有するアルコキシシランカップリング剤が好ましい。以上のようなシランカップリング剤の効果は、親水性PVA系樹脂層表面を改質して疎水性シリコーン系剥離剤が濡れ易くし、更には化学反応による結合を促進して密着性を向上させているものと理解される。
【0019】
シランカップリング剤の配合量は、適宜選定されるが、PVA系樹脂に対して0.5〜10重量%の添加が適当である。0.5重量%未満では効果が得られず、10重量%を超えると耐熱性が低下するおそれがある。
【0020】
本発明の塗工液であるPVA系樹脂組成物を調製する方法に特に限定はないが、例えば、市販のPVA系樹脂を水に加熱溶解する方法が挙げられる。その際、必要に応じて消泡剤を添加することもできる。上記第1の態様では、得られた水溶液にシランカップリング剤を所定量添加し、0〜50℃で0.5〜10時間撹拌して、均一な組成物を調製することができる。更に、水溶液の塗工性を高める目的でセルロース誘導体、デンプン誘導体、界面活性剤等を、また造膜性を高める目的でスチレン・無水マレイン酸共重合体等の公知の改良剤をその効果を損なわない範囲で添加しても差し支えない。
【0021】
多孔性薄葉基材上にPVA系樹脂組成物を塗工して均一で滑らかな樹脂層を形成する方法は、塗工液の粘度、塗工速度等を考慮して、通常行われている塗工方法を利用することができる。塗工後、スーパーカレンダー等の公知の方法で紙表面の平滑性を高め、光沢度80以上にすることが好ましい。PVA系樹脂組成物の塗工量は、固形分として1g/m2以上、好ましくは1〜10g/m2、更に好ましくは3〜10g/m2の範囲である。1g/m2未満では、薄葉基材表面の凹凸を覆い隠して均一で滑らかな表面を形成して高光沢にすることが難しく、10g/m2を超えても、光沢、耐熱性、耐溶剤性等の性能向上は小さく、コスト上不利な場合が生じる。
【0022】
本発明の第2の態様においては、シランカップリング剤等の密着性成分を含まない又は含むPVA系樹脂組成物を塗工後、この塗工皮膜を上記密着性成分、好ましくはシランカップリング剤で表面処理し、塗工皮膜表面にシランカップリング剤を吸着乃至含有させるものである。この処理は、例えばシランカップリング剤溶液に浸漬したり、スプレーするなどのことによって行うことができる。なお、この表面処理は、塗工後、光沢度80以上に鏡面仕上げする前に行っても、後に行ってもよい。
【0023】
本発明においては、上記塗工皮膜上にシリコーン系剥離皮膜を形成する。この場合、シリコーン系剥離剤は市販されているものを利用することができ、溶剤型や無溶剤型などの形態にはかかわらない。硬化方法も縮合反応型、付加反応型、光硬化型のいずれも使用できる。シリコーン系剥離剤として、例えば、信越化学工業(株)製KS705Fなどの縮合反応型シリコーン組成物、KS776A,KS838,KS839,KS778,KS3502,KS774,KS847,KNS320A,KNS305などの付加反応型シリコーン組成物、KS5508などの紫外線硬化型シリコーン組成物が挙げられるが、中でも付加反応型のシリコーン組成物が有効に使用される。
【0024】
なお、この付加反応型のシリコーン組成物は、ビニル基、アリル基等のアルケニル基を一分子中に2個以上有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを主剤とし、硬化剤としてケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を一分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金系触媒とを含有するものであり、上述したように市販品を使用できる。
【0025】
シリコーン系剥離皮膜を形成する方法としては、例えば、シリコーン系剥離剤に所定の硬化剤を添加混合して処理浴を調製し、ロールコーター等の塗工機を用いて基材上に目標の膜厚で均一に塗工した後、乾燥機やUV照射装置などを通過させて硬化させる。例えば、乾燥機での加熱硬化ならば、100℃以上の温度で10秒以上の条件が一般的である。UV硬化では、例えば出力80Wのランプを用いるならば40m/分以下のラインスピードが適当である。
【0026】
処理浴は塗工量や粘度の調整を目的としてトルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトン、ヘキサン等の有機溶剤を加えて希釈してもよい。塗工量に制限はないが、塗工量0.1〜1.0g/m2の範囲が剥離性能とコストのバランスが良い。塗工機には他に、ダイレクトグラビアコーター、バーコーター、エアナイフオーコーター、より薄膜の塗工には高精度のオフセットコーター、多段ロールコーターが使用できる。
【0027】
なお、得られた剥離紙は、その光沢度が60以上であることが好ましい。
【0028】
【実施例】
以下、調製例及び実施例、比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0029】
A.PVA樹脂組成物の調製
PVA組成物調製例1
PVA[C−05(信越化学工業(株)製、重合度600、ケン化度98.6モル%)]を熱水に溶解して濃度20重量%の水溶液を得た。C−05の示差熱分析法による融点は210℃であった。この水溶液100gに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1gを添加し、25℃で1時間混合撹拌することで、均一なPVA樹脂組成物を調製した。
【0030】
PVA組成物調製例2
PVA組成物調製例1において、C−05を熱水に溶解して得た濃度20重量%の水溶液をそのまま使用した。
【0031】
B.シリコーン処理浴の調製
シリコーン調製例1
シリコーン系剥離剤KS847(信越化学工業(株)製、溶剤型付加反応硬化品)10重量部、硬化剤CAT−PL−50T(信越化学工業(株)製、付加反応用触媒)0.1重量部、トルエン90重量部を混合して処理浴とした。
【0032】
シリコーン調製例2
シリコーン系剥離剤KNS320A(信越化学工業(株)製、無溶剤型付加反応硬化品)100重量部、硬化剤CAT−PL−56(信越化学工業(株)製、付加反応用触媒)2重量部を混合して処理浴とした。
【0033】
C.剥離紙の作成
[実施例1]
米秤70g/m2の原紙(上質紙)に、PVA組成物調製例1で調製したPVA樹脂組成物を固形分としての塗工量が1g/m2になるようにバーコーターを用いて塗工し、表面が鏡面に仕上げられたドラム乾燥機を使用して80℃で乾燥した。
更に、シリコーン調製例1で準備したシリコーン処理浴をロールコーターでシリコーン固形分が0.9g/m2になるように塗工した後、乾燥機で100℃×30秒と140℃×30秒の2条件で加熱硬化して剥離紙を作成した。
【0034】
[実施例2]
実施例1において、PVA組成物調製例1で調製したPVA樹脂組成物を固形分としての塗工量が10g/m2になるように塗工した以外は同様に処理して剥離紙を作成した。
【0035】
[比較例1]
市販のポリエチレンラミネート紙に、シリコーン調製例1で準備したシリコーン処理浴をロールコーターでシリコーン固形分が0.9g/m2になるように塗工した後、乾燥機で100℃×30秒と140℃×30秒の2条件で加熱硬化して剥離紙を作成した。
【0036】
[比較例2]
実施例1において、PVA組成物調製例1で調製したPVA樹脂組成物を固形分としての塗工量が0.5g/m2になるように塗工した以外は同様に処理して剥離紙を作成した。
【0037】
[比較例3]
実施例1において、PVA組成物調製例2で調製したPVA樹脂組成物を塗工した以外は同様に処理して剥離紙を作成した。
【0038】
[実施例3]
実施例1において、使用したシリコーン処理浴をシリコーン調製例1からシリコーン調製例2のものに変更した以外は同様に処理して剥離紙を作成した。
【0039】
[実施例4]
実施例3において、PVA組成物調製例1で調製したPVA樹脂組成物を固形分としての塗工量が10g/m2になるように塗工した以外は同様に処理して剥離紙を作成した。
【0040】
[比較例4]
市販のポリエチレンラミネート紙に、シリコーン調製例2で準備したシリコーン処理浴をロールコーターでシリコーン固形分が0.9g/m2になるように塗工した後、乾燥機で100℃×30秒と140℃×30秒の2条件で加熱硬化して剥離紙を作成した。
【0041】
[比較例5]
実施例3において、PVA組成物調製例1で調製したPVA樹脂組成物を固形分としての塗工量が0.5g/m2になるように塗工した以外は同様に処理して剥離紙を作成した。
【0042】
[比較例6]
実施例3において、PVA組成物調製例2で調製したPVA樹脂組成物を塗工した以外は同様に処理して剥離紙を作成した。
【0043】
[比較例7]
実施例1において、PVA組成物調製例1で調製したPVA樹脂組成物を固形分としての塗工量が1g/m2になるようにバーコーターを用いて塗工し、80℃の送風乾燥機で乾燥した以外は同様に処理して剥離紙を作成した。
【0044】
D.評価方法
剥離力
アクリル溶剤系粘着剤BPS−5127(東洋インキ製造(株)製)を130μm厚で塗工して100℃×3分焼付後、上質紙を貼り付けて2kgローラー1往復圧着し、室温で1日保管後、剥離速度0.3m/分,180°ピール条件で剥離力を測定した。
剥離力の測定は、オートグラフDCS−500(島津製作所(株)製)を使用した。
【0045】
残留接着力
ニットー31Bテープ(日東電工(株)製)2.5cm幅を貼り付けて、20g/cm2荷重で70℃/20時間圧着した後、テープをPETフィルムに貼り変えて、剥離速度0.3m/分,180°ピールで接着力を測定した。
【0046】
密着性
塗工面を指で往復10回こすり、赤マジックをムラなく塗って表面を観察し、曇りのないものを○、若干曇るものを△、曇りが多いか脱落するものを×とした。
【0047】
光沢度
光沢度は、光沢計VG−2000(日本電色工業(株)製)を用いて測定角度60°で測定した。
【0048】
水溶性
剥離紙を80℃の温水に1時間浸漬した後、紙基材表面に塗工層が残存しているかどうかを目視で観察した。残存の見られない場合を○、残存している場合を×とした。
【0049】
耐熱性
実施例2と比較例1の剥離紙で、硬化条件を変化させて光沢度の変化を追跡した。
【0050】
E.評価結果
耐熱性以外の結果を表1にまとめた。PVAを塗工したものは、ポリエチレンラミネートに比べて光沢度が高く、水溶性も良好であった。従来のPVAと比較して、本発明のPVAでは、100℃の低い硬化温度条件でも十分な密着性が得られ、剥離性能も優れている。また、PVAの塗工量が1g/m2より低下すると表面均一性が悪くなり、光沢度が低下するため、1g/m2以上の塗工量が必要である。
【0051】
耐熱性の評価結果を表2にまとめた。ポリエチレンラミネート紙に比較して、本発明の基材は光沢度が2倍以上であり、表面の均一性や滑らかさに優れている。ポリエチレンラミネート紙が120℃の加熱で光沢度が半分以下に低下するのに対し、本発明の基材は同温度での光沢低下が小さく、160℃×40秒以上の条件でないと半分にまで低下はしなかった。
【0052】
【表1】
Figure 0003743488
【0053】
【表2】
Figure 0003743488
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、表面平滑性、バリア性、リサイクル性、シリコーン系剥離剤層との密着性に優れた剥離紙を製造することができる。

Claims (9)

  1. 多孔性薄葉基材の少なくとも片面に、150℃以下の加熱では熱可塑性を示さないポリビニルアルコール系樹脂を主成分とし、シリコーン系剥離皮膜との密着性を与える密着性成分としてシランカップリング剤を含有する塗工皮膜が1g/m2以上の厚さで形成されていると共に、この塗工皮膜上にシリコーン系剥離皮膜が形成されてなり、表面光沢度が60以上であることを特徴とする剥離紙。
  2. 塗工皮膜の光沢度が80以上である請求項1記載の剥離紙。
  3. シランカップリング剤がエポキシ基を有するアルコキシシランカップリング剤である請求項1又は2記載の剥離紙。
  4. シリコーン系剥離皮膜層が、付加反応硬化型シリコーン組成物による層である請求項1乃至3のいずれか1項記載の剥離紙。
  5. 多孔性薄葉基材の少なくとも片面に、150℃以下の加熱では熱可塑性を示さないポリビニルアルコール系樹脂と、シリコーン系剥離皮膜との密着性を与える密着性成分としてシランカップリング剤とを含むポリビニルアルコール系樹脂組成物を少なくとも1g/m2塗工した後、上記塗工皮膜上にシリコーン系剥離皮膜を形成し、表面光沢度を60以上としたことを特徴とする剥離紙の製造方法。
  6. 多孔性薄葉基材の少なくとも片面に、150℃以下の加熱では熱可塑性を示さないポリビニルアルコール系樹脂を含むポリビニルアルコール系樹脂組成物を少なくとも1g/m2塗工し、この塗工皮膜を、シリコーン系剥離皮膜との密着性を与える密着性成分であるシランカップリング剤にて表面処理した後、上記塗工皮膜上にシリコーン系剥離皮膜を形成し、表面光沢度を60以上としたことを特徴とする剥離紙の製造方法。
  7. 塗工皮膜の光沢度が80以上である請求項5又は6記載の剥離紙の製造方法。
  8. シランカップリング剤がエポキシ基を有するアルコキシシランカップリング剤である請求項5乃至7のいずれか1項記載の製造方法。
  9. シリコーン系剥離皮膜層が、付加反応硬化型シリコーン組成物による層である請求項5乃至8のいずれか1項記載の製造方法。
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