JP3742008B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、直流電圧を所望の電圧に変換し、電子機器に供給するスイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図17(a),(b)に示すようなMOS−FETを同期整流素子に用いたカレントダブラ同期整流回路を備えたスイッチング電源装置があった。図17(a)に示すスイッチング電源装置は、トランス1の1次側にプシュプル回路2を設けたものであり、図17(b)に示すスイッチング電源装置は、トランス1の1次側にハーフブリッジ回路3を設けたものである。そして、このトランス1の2次側には、カレントダブラ同期整流回路4が各々設けられ、図18に示すような動作により同期整流を行う。このカレントダブラ同期整流回路4は、図17に示すように、トランス1の2次側には、ソース同士が接続された同期整流素子であるMOS−FETQ1,Q2の各ドレインが接続され、FETQ1,Q2の各ドレイン間には、コイルL1,L2連結され、コイルL1,L2とFETQ1,Q2のソース間に出力コンデンサCoが並列に接続されている。
【0003】
このカレントダブラ同期整流回路4は、全波整流回路と比較して、トランスにセンタータップがない、トランスの構成が簡単、トランスを通して伝搬する電流が1/2である、出力コンデンサ上でリップル電流がキャンセルされる等の利点を備えている。
【0004】
従来のカレントダブラ同期整流回路4の動作について、図18を基にして説明する。ここで図18の(a)はトランス1の2次側の出力電圧VT、(b)はFETQ1のゲート−ソース間電圧VGS(Q1)、(c)はFETQ2のゲート−ソース間電圧VGS(Q2)、(d)はコイルL1の電流I(L1)、(e)はコイルL2の電流I(L2)、(f)はFETQ1のドレイン電流I(Q1)、(g)はFETQ2のドレイン電流I(Q2)である。
【0005】
このカレントダブラ同期整流回路4の動作は、図18の期間Aにおいて、トランス1の2次側に正極性の電圧が出力され、この電圧によりFETQ2の入力容量Cissは、ゲートがプラスとなる電位に充電され、FETQ2がオンする。また、FETQ1の入力容量Cissはゲートがマイナスとなる電位に充電されるため、オフ状態のままとなる。そして、トランス1の2次側から出力された電流は、トランス1、コイルL1、コンデンサCo、FETQ2、トランス1の経路を流れる。このときコイルL2から出力された電流は、コイルL2、コンデンサCo、FETQ2、コイルL2の経路を流れる。従って、この期間は、コイルL1がエネルギーを蓄え、コイルL2はエネルギーを放出している状態である。
【0006】
次に期間Bにおいては、トランス1の2次側に電圧が出力されなくなり、期間Aで充電されたFETQ2の入力容量Cissが放電され、FETQ2がオフする。またFETQ1の入力容量Cissは、期間Aでゲートがマイナスとなる電位に充電されていたため、これも放電するがFETQ1はオフのままである。そして、トランス1から電流が出力されないため、コイルL1,L2は、ともにエネルギーを放出する状態となる。このときコイルL1から出力された電流は、コイルL1、コンデンサCo、FETQ1、コイルL1の経路を流れ、コイルL2から出力された電流は、コイルL2、コンデンサCo、FETQ2、コイルL2の経路を流れる。また、FETQ1,Q2は、オフ状態にあるため、電流は図19に示すようにFETQ1,Q2の寄生ダイオードDqを通過する。
【0007】
そして、期間Cの、トランス1の2次側に負極性の電圧が出力されると、FETQ1の入力容量Cissはゲートがプラスになる電位に充電され、FETQ1がオンする。また、FETQ2の入力容量Cissは、ゲートがマイナスとなる電位に充電されるため、FETQ2は、オフ状態のままとなる。そしてトランス1の2次側から出力された電流は、コイルL1、コンデンサCo、FETQ1、コイルL1の経路を流れる。従って、この期間は、コイルL2はエネルギーを蓄え、コイルL1はエネルギーを放出している状態である。
【0008】
さらに期間Dとなると、期間Bと同様にトランス1の2次側に電圧が出力されなくなり、期間Cで充電されたFETQ1の入力容量Cissが放電され、FETQ1がオフする。またFETQ2の入力容量Cissは期間Cでゲートがマイナスとなる電位に充電されていたため、これも放電するがFETQ2はオフのままである。そして、トランス1から電流が出力されないため、コイルL1,L2は、ともにエネルギーを放出する状態となる。このときコイルL1から出力された電流は、コイルL1、コンデンサCo、FETQ1、コイルL1の経路を流れ、コイルL2から出力された電流は、コイルL2、コンデンサCo、FETQ2、コイルL2の経路を流れる。また、FETQ1,Q2は、オフ状態にあるため、電流はFETQ1,Q2の寄生ダイオードDqを通過する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術の場合、同期整流用FETQ1,Q2を電流が通過する期間において、FETQ1,Q2がオフする期間B,Dが存在する。この期間B,Dは、図19に示すように、FETQ1,Q2の寄生ダイオードDqを電流が流れるため、寄生ダイオードDqの順方向電圧による損失が発生し、FETQ1,Q2による損失が増大してしまうという問題があった。
【0010】
この発明は、上記の従来の技術に鑑みてなされたもので、カレントダブラ同期整流回路を備え、簡単な構成で電力損失の少ない高効率なスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、プシュプル回路、ハーフブリッジ回路、もしくはこれらの回路で駆動された場合と同様の電圧をトランスの2次側に発生させる駆動回路をそのトランスの1次側に備え、上記トランスの2次側にカレントダブラ同期整流回路を有し、このカレントダブラ同期整流回路の同期整流素子をMOS−FETもしくはこれと同様の機能を有した素子により構成して同期整流を行うスイッチング電源装置であって、上記カレントダブラ同期整流回路の第一、第二のチョークコイルの各々にサブ巻線を設け、その第一のチョークコイルに設けた第一のサブ巻線の一端と第一の同期整流素子のゲートを接続し、上記第一のサブ巻線の他端と上記第一の同期整流素子のソースを接続し、第二のチョークコイルに設けた第二のサブ巻線の一端と第二の同期整流素子のゲートを接続し、上記第二のサブ巻線の他端と上記第二の同期整流素子のソースを接続したスイッチング電源装置である。
【0012】
この発明のスイッチング電源装置は、上記トランスから正極性の電圧が出力されるときは、一方のチョークコイルの極性が反転し、他方は変化しない。またトランスから負極性の電圧が出力されるときは、逆に前記の極性が反転しなかったチョークコイルの極性が反転し、極性が反転した方のチョークコイルの極性は変化しない。このチョークコイルの極性を、チョークコイルに設けたサブ巻線から取り出し、同期整流用FETのゲートを駆動することにより、同期整流用FETに電流が流れる期間の全てにおいて同期整流用FETをオンさせることが可能となり、同期整流用FETの寄生ダイオードを電流が流れて損失が増加するという問題を解決することができる。
【0013】
またこの発明は、上記カレントダブラ同期整流回路の第一、第二のチョークコイルの各々にサブ巻線を設け、その第一のチョークコイルに設けた第一のサブ巻線の一端に第一のコンデンサの一端を接続し、この第一のコンデンサの他端と第一の同期整流素子のゲートを接続し、上記第一のサブ巻線の他端と上記第一の同期整流素子のソースを接続し、第二のチョークコイルに設けた第二のサブ巻線の一端に第二のコンデンサの一端を接続し、この第二のコンデンサの他端と第二の同期整流素子のゲートを接続し、上記第二のサブ巻線の他端と上記第二の同期整流素子のソースを接続し、上記第一、第二の同期整流素子の各ゲートとソース間に各々ダイオードを接続し、各ダイオードは、アノードが上記第一、第二の同期整流素子のソースに接続しカソードが上記第一、第二の同期整流素子のゲートに接続したスイッチング電源装置である。これにより、チョークコイルのサブ巻線の巻き数を減らすことができるようにしたものである。
【0014】
また、上記各同期整流素子のゲートの前段に、ゲートの破壊電圧以下の電圧を出力する電圧制限回路を設けてもよい。電圧制限回路は、ゲートの破壊電圧以下の電圧を出力する電源回路であり、この回路により、同期整流用FETに電流が流れる期間の全てにおいて、同期整流用FETをオンさせることができるとともに、スイッチング電源装置の入力電圧範囲を広げることが可能となる。
【0015】
上記電圧制限回路は、上記各サブ巻線に一端が接続された上記各コンデンサの他端と上記各同期整流素子のゲートとの間に各々トランジスタを設け、この各トランジスタのエミッタを上記各同期整流素子のゲートに接続し、上記各トランジスタのコレクタを上記各コンデンサの端子に接続し、上記各トランジスタのベースに各々基準電圧発生部を接続するとともに、上記各トランジスタのエミッタとコレクタ間に各々ダイオードを接続し、この各ダイオードは、上記各トランジスタのエミッタにアノードを接続し、コレクタにカソードを接続したものである。
【0016】
また、上記電圧制限回路は、上記各サブ巻線に一端が接続された上記各コンデンサの他端と上記各同期整流素子のゲートとの間に各々MOS−FETを設け、この各MOS−FETのソースを上記各同期整流素子のゲートに接続しドレインを上記各コンデンサの端子に接続し、上記各MOS−FETのゲートに各々基準電圧発生部を接続したものである。
【0017】
さらに、上記各同期整流素子のゲートとソース間に各々放電回路を設け、この各放電回路を上記トランスからの信号により駆動するものである。これにより、トランスから、第一、第二同期整流素子を経てトランスへ流れる貫通電流を制御することができる。また、上記放電回路を、上記トランスの1次側から絶縁された回路を介して駆動するようにしても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1、図2は、この発明の第一実施形態のスイッチング電源装置を示すもので、このスイッチング電源装置10は、トランス12の2次側にカレントダブラ同期整流回路14が各々設けられている。カレントダブラ同期整流回路14は、図1に示すように、トランス12の2次側に、ソース同士が接続された同期整流素子であるMOS−FETQ1,Q2の各ドレインが接続され、このFETQ1,Q2の各ドレイン間には、チョークコイルL1,L2連結され、チョークコイルL1,L2とFETQ1,Q2のソース間に出力コンデンサCoが並列に接続されている。また、チョークコイルL1,L2には、各々サブ巻線LS1,LS2が設けられ、サブ巻線LS1,LS2の一端と同期整流素子であるMOS−FETQ1,Q2の各ゲートが接続され、各サブ巻線LS1,LS2の他端と、FETQ1,Q2の各ソースが接続されている。
【0019】
次に、この実施形態のカレントダブラ同期整流回路14の動作について、図2を基にして説明する。ここで図2の(a)はトランス12の2次側の出力電圧VT、(b)はチョークコイルL1の電圧V(L1)、(c)はチョークコイルL2の電圧V(L2)、(d)はコイルL1の電流I(L1)、(e)はコイルL2の電流I(L2)、(f)はFETQ1のドレイン電流I(Q1)、(g)はFETQ2のドレイン電流I(Q2)、(h)はFETQ1のゲート−ソース間電圧VGS(Q1)、(i)はFETQ2のゲート−ソース間電圧VGS(Q2)である。
【0020】
このカレントダブラ同期整流回路14の動作は、図2の期間Aにおいて、トランス12の2次側に正極性の電圧が出力される。このとき、トランス12の2次側から出力された電流は、トランス12、チョークコイルイL1、コンデンサCo、FETQ2、トランス12の経路を流れる。またチョークコイルL2から出力された電流は、チョークコイルL2、コンデンサCo、FETQ2、チョークコイルL2の経路を流れる。従って、チョークコイルL1の極性は、図1のドットのある端子がプラスとなり、サブ巻線LS1もドットのある端子からプラスの電圧が出力される。このサブ巻線LS1の電圧により、FETQ1の入力容量Cissはマイナスに充電され、FETQ1はオフする。チョークコイルL2の極性は、ドットのある端子がマイナスであるため、チョークコイルL2のサブ巻線LS2の極性もドットのある端子がマイナスとなっている。サブ巻線LS2のドットのある端子がFETQ2のソースに、反対側のプラスの端子がFETQ2のゲートに接続されているので、FETQ2の入力容量Cissはプラスに充電されており、FETQ2はオンしている。
【0021】
次に期間Bにおいては、トランス12の2次側に電圧が出力されなくなり、チョークコイルL1の極性は期間Aのときから反転し、ドットのある端子がマイナスとなる。このときチョークコイルL1のサブ巻線LS1の極性も反転し、ドットのある端子がマイナスとなる。サブ巻線LS1の極性が反転すると、FETQ1の入力容量Cissはプラスに充電され、FETQ1はオンする。また、チョークコイルL2の極性は期間Aから変化しないため、FETQ2はオンの状態のままである。このときチョークコイルL1から出力された電流は、チョークコイルL1、コンデンサCo、FETQ1、チョークコイルL1の経路を流れ、チョークコイルL2から出力された電流は、チョークコイルL2、コンデンサCo、FETQ2、チョークコイルL2の経路を流れる。
【0022】
そして、期間Cにおいて、トランス12の2次側に負極性の電圧が出力されると、チョークコイルL2の極性が反転し、ドットのある端子がプラスとなる。このとき、チョークコイルL2のサブ巻線LS2の極性もドットのある端子がプラスとなる。サブ巻線LS2の極性が反転したため、FETQ2の入力容量Cissはマイナスに充電され、FETQ2はオフする。このとき、トランス12の2次側のドットのない端子から出力された電流は、チョークコイルL2、コンデンサCo、FETQ2、チョークコイルL2の経路を流れる。また、チョークコイルL1の極性は期間Bから変化しないため、FETQ1はオンの状態のままである。
【0023】
さらに、期間Dにおいては、トランス12の2次側に電圧が出力されなくなり、チョークコイルL2の極性は、期間Cのときから反転し、ドットのある端子がマイナスとなる。このとき、チョークコイルL2のサブ巻線LS2の極性も反転し、ドットのある端子がマイナスとなる。サブ巻線LS2の極性が反転したため、FETQ2の入力容量Cissはプラスに充電され、FETQ2はオンする。また、チョークコイルL1の極性は期間Cから変化しないため、FETQ1はオンの状態のままである。このときチョークコイルL1から出力された電流は、チョークコイルL1、コンデンサCo、FETQ1、チョークコイルL1の経路を流れ、チョークコイルL2から出力された電流は、チョークコイルL2、コンデンサCo、FETQ2、チョークコイルL2の経路を流れる。
【0024】
以上述べたようにこの実施形態では、カレントダブラ同期整流回路14の出力チョークコイルL1,L2の極性の反転する期間と、同期整流素子であるFETQ1,Q2に電流が流れる期間が一致することを利用して、FETQ1,Q2のオン/オフを制御することができる。
【0025】
この実施形態のカレントダブラ同期整流回路14は、同期整流用のFETQ1,Q2に電流が流れる期間にFETQ1,Q2がオフしてしまうことがなく、FETQ1,Q2に電流が流れる期間のすべてにおいてFETQ1,Q2をオンさせることが可能であり、寄生ダイオードを電流が流れることによる損失がなく、このスイッチング電源装置10の効率を向上させることができる。
【0026】
次にこの発明の第二実施形態について図3、図4を基にして説明する。ここで上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態のスイッチング電源装置20は、トランス12の2次側にカレントダブラ同期整流回路24が設けられている。カレントダブラ同期整流回路24は、図3に示すように、トランス12の2次側に、ソース同士が接続された同期整流素子であるMOS−FETQ1,Q2の各ドレイン接続され、このFETQ1,Q2の各ドレイン間には、チョークコイルL1,L2連結され、チョークコイルL1,L2とFETQ1,Q2のソース間に出力コンデンサCoが並列に接続されている。
【0027】
また、チョークコイルL1,L2には、各々サブ巻線LS1,LS2が設けられ、サブ巻線LS1,LS2の一端には各々コンデンサC1,C2の一端が接続され、各コンデンサC1,C2の他端が、各々同期整流素子であるFETQ1,Q2の各ゲートに接続されている。各サブ巻線LS1,LS2の他端は、FETQ1,Q2の各ソースに接続されている。さらに、FETQ1,Q2のゲートとソース間には、各々ダイオードD1,D2が接続され、ダイオードD1,D2は、各々のアノードがFETQ1,Q2のソースに接続され、ダイオードD1,D2の各カソードが各FETQ1,Q2のゲートに各々接続されている。
【0028】
ここで、上記第一実施形態の場合のチョークコイルL1,L2とサブ巻線LS1,LS2の巻き数比を考える。まず、FETQ1がオンである期間は、チョークコイルL1のドットのある側がマイナスで、反対側がプラスである。このときチョークコイルL1に発生する電圧は、出力電圧Voutとほぼ等しい。サブ巻線LS1は、チョークコイルL1のサブ巻線であるので、チョークコイルL1とサブ巻線LS1の巻き数比に比例した電圧がサブ巻線LS1に発生する。ここで、FETQ1がオンするためには、ゲートに閾値電圧以上の電圧を与える必要があり、サブ巻線LS1に閾値以上の電圧を発生させてやる必要がある。
【0029】
FETQ1をオンさせたい期間にチョークコイルL1に発生する電圧は、出力電圧Voutとほぼ等しいので、チョークコイルL1,L2との巻き数比に適当な値を選択して、サブ巻線LS1にFETQ1の閾値以上の電圧を発生させるようにする。即ち、出力電圧が低いスイチング電源の場合には、チョークコイルL1に対するサブ巻線LS1の巻き数比が大きくなる。同様に、サブ巻線LS2の巻き数比が大きくなるものである。
【0030】
従って、上記第一実施形態の回路において、出力電圧の低いスイッチング電源の場合、チョークコイルのサブ巻線の巻き数を多くしなければならないという問題がある。
【0031】
そこで、この実施形態では、上記の構成により、FETQ1がオフの期間(サブ巻線LS1のドットのある端子がプラスとなる期間)に、サブ巻線LS1に発生する電圧をコンデンサC1に蓄えることにより、FETQ1がオンの期間は、サブ巻線LS1の電圧にコンデンサC1の電圧が加えられた電圧でFETQ1のゲートが駆動される。同様にFETQ2も、サブ巻線LS2の電圧にコンデンサC2の電圧が加えられた電圧でゲートが駆動される。
【0032】
この実施形態のカレントダブラ同期整流回路24の動作について、図4を基にして説明する。ここで、図4の(a)はトランス12の2次側の出力電圧VT、(b)はチョークコイルL1の電圧V(L1)、(c)はチョークコイルL2の出力電圧V(L2)、(d)はコイルL1の電流I(L1)、(e)はコイルL2の電流I(L2)、(f)はFETQ1のドレイン電流I(Q1)、(g)はFETQ2のドレイン電流I(Q2)、(h)はFETQ1のゲート−ソース間電圧VGS(Q1)、(i)はFETQ2のゲート−ソース間電圧VGS(Q2)である。
【0033】
このカレントダブラ同期整流回路24の動作は、図4の期間Aにおいて、トランス12の2次側に正極性の電圧が出力される。このとき、チョークコイルL1の極性は、図3のドットのある端子がプラスとなり、サブ巻線LS1もドットのある端子からプラスの電圧が出力される。サブ巻線LS1からの電流の流れは、FETQ1の入力容量Cissに電荷がある場合は、サブ巻線LS1のドットのある端子、FETQ1のソースからゲート、コンデンサC1、サブ巻線LS1のドットのない端子へとなる。また、FETQ1の入力容量Cissに電荷が無い場合は、サブ巻線LS1のドットのある端子、FETQ1側のダイードD1、コンデンサC1,サブ巻線LS1のドットのない端子へとなる。これにより、コンデンサC1は、ドットのある端子がプラスになる方向に充電される。このとき、FETQ1の入力容量Cissは放電された状態となるので、FETQ1はオフとなる。
【0034】
また、このときのチョークコイルL2の極性は、ドットのある端子がマイナスであるため、チョークコイルL2のサブ巻線LS2の極性もドットのある端子がマイナスとなっている。なお、期間Cに相当する期間ではコンデンサC2は、ドットのある端子がプラスとなる方向に充電されている。また、サブ巻線LS2のドットのある端子はFETQ2のソースに、反対側の端子はコンデンサC2のドットのない端子に接続されているので、サブ巻線LS2にコンデンサC2の電圧を加えた電圧がFETQ2のゲートに印加され、FETQ2はオン状態となっている。
【0035】
次に期間Bにおいては、トランス12の2次側に電圧が出力されなくなり、チョークコイルL1の極性は期間Aのときから反転し、ドットのある端子がマイナスとなる、このときチョークコイルL1のサブ巻線LS1の極性も反転し、ドットのある端子がマイナスとなる。期間Aでは、コンデンサC1はドットのある端子がプラスになるよう充電されているので、サブ巻線LS1に発生する電圧にコンデンサC1の電圧を加えた電圧がFETQ1のゲートに印加され、FETQ1はオン状態となる。また、チョークコイルL2の極性は期間Aから変化しないため、FETQ2はオンの状態のままである。
【0036】
そして、期間Cにおいて、トランス12の2次側に負極性の電圧が出力されると、チョークコイルL2の極性が反転し、ドットのある端子がプラスとなる。このとき、チョークコイルL2のサブ巻線LS2の極性もドットのある端子がプラスとなる。サブ巻線LS2からの電流の流れは、FETQ2の入力容量Cissに電荷がある場合は、サブ巻線LS2のドットのある端子、FETQ2のソースからゲート、コンデンサC2、サブ巻線LS2のドットのない端子へとなる。また、FETQ2の入力容量Cissに電荷が無い場合は、サブ巻線LS2のドットのある端子、FETQ2側のダイードD2、コンデンサC2、サブ巻線LS2のドットのない端子へとなる。これにより、コンデンサC2は、ドットのある端子がプラスになる方向に充電される。このとき、FETQ2の入力容量Cissは放電された状態となるので、FETQ2はオフとなる。またこのとき、チョークコイルL1の極性は、期間Bから変化しないため、FETQ1はオン状態のままである。
【0037】
さらに、期間Dにおいては、トランス12の2次側に電圧が出力されなくなり、チョークコイルL2の極性は、期間Cのときから反転し、ドットのある端子がマイナスとなる。このとき、チョークコイルL2のサブ巻線LS2の極性も反転し、ドットのある端子がマイナスとなる。期間Cでは、コンデンサC2は、ドットのある端子がプラスになるよう充電されているので、サブ巻線LS2に発生する電圧にコンデンサC2の電圧を加えた電圧が、FETQ2のゲートに印加され、FETQ2はオン状態となる。チョークコイルL1の極性は期間Cから変化しないため、FETQ1はオンの状態のままである。
【0038】
以上述べたようにこの実施形態では、トランス12から電圧が出力されているときにチョークコイルL1,L2のサブ巻線LS1,LS2から出力される電圧で、FETQ1,Q2をオフさせるとともに、その電圧をコンデンサC1,C2に蓄える。そして、FETQ1,Q2をオンさせるときにコンデンサC1,C2に蓄えた電圧とチョークコイルL1,L2のサブ巻線LS1,LS2から出力される電圧を利用し、出力電圧が低いスイッチング電源装置であっても、サブ巻線LS1,LS2の巻き数比を大きくすることなくFETQ1,Q2を駆動することができるものである。
【0039】
次にこの発明の第三実施形態について図5、図6を基にして説明する。ここで上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態のスイッチング電源装置30のカレントダブラ同期整流回路34は、図3に示す回路構成の、ダイオードD1のカソードとFETQ1のゲートとの間及びダイオードD2とFETQ2との間に、各々電圧制限回路22,23を設けたものである。電圧制限回路22,23は、FETQ1,Q2のゲート破壊電圧以下の電圧を出力するものである。
【0040】
電圧制限回路22,23は、図6に示すように、基準電圧発生部25をツェナダイオードZD11、コンデンサC11により構成し、電圧制限回路22は、基準電圧発生部25が抵抗R11を介してトランジスタTr11のベースに接続され、トランジスタTr11のエミッタがFETQ1のゲートに接続され、コレクタがコンデンサC1を介してサブ巻線LS1に接続されている。トランジスタTr11のエミッタとコレクタ間には、ダイオードD11が設けられ、トランジスタTr11のエミッタにダイオードD11のアノードが接続され、コレクタにカソードが接続されている。
【0041】
電圧制限回路23も同様に、基準電圧発生部25が抵抗R12を介してトランジスタTr12のベースに接続され、トランジスタTr12のエミッタがFETQ2のゲートに接続され、コレクタがコンデンサC2を介してサブ巻線LS2に接続されている。トランジスタTr12のエミッタとコレクタ間には、ダイオードD12が設けられ、トランジスタTr12のエミッタにダイオードD12のアノードが接続され、コレクタにカソードが接続されいる。
【0042】
ここで、電圧制限回路22,23を設ける理由について以下に説明する。例えば、FETQ1のゲート電圧は、トランス12の2次側から出力がないときにはコンデンサC1に蓄えられた電圧で駆動される。コンデンサC1の電圧は、トランス12の2次側から正極性の電圧が出力されているときに、サブ巻線LS1に発生する電圧である。サブ巻線LS1に発生する電圧は、「チョークコイルL1に印加された電圧」と、「チョークコイルL1とサブ巻線LS1の巻き数比」の積である。チョークコイルに印加される電圧は、「トランス12から出力される電圧」から、「スイッチング電源の出力Vout」を引いた値である。
【0043】
また、トランス12の2次側から電圧が出力されていないとき、もしくは負極性の電圧が出力されているときには、FETQ1のゲートは、「C1に蓄えられた電圧」に「サブ巻線LS1から発生する電圧」が加えられた電圧で駆動される。このとき、サブ巻線LS1に発生する電圧は、「チョークコイルL1の電圧」と「チョークコイルL1とサブ巻線LS1の巻き数比」の積である。このときのチョークコイルL1の電圧は、このスイッチング電源の出力電圧にほぼ等しい。そして、FETQ2も、チョークコイルL2,サブ巻線LS2においても同様の動作、作用をするものである。
【0044】
従って、上記第二実施形態のスイッチング電源回路では、スイッチング電源装置の入力電圧が高くなると、同期整流用FETQ1,Q2のゲートの駆動電圧も上昇する。しかし、FETはゲートの耐圧が10〜20V程度の低い耐圧のものが多く、上記第二実施形態のカレントダブラ同期整流回路24の場合、同期整流用FETのゲートの破壊電圧によってその入力電圧の上限が決定される。
【0045】
そこで、この実施形態のように、同期整流用のFETQ1,Q2のゲートに電圧制限回路22,23を設けることにより、FETQ1,Q2のゲート耐圧を超える電圧が、FETQ1,Q2のゲートに印加されないようにすることができる。さらに、スイッチング電源30では、チョークコイルL1とサブ巻線LS1、及びチョークコイルL2とサブ巻線LS2に、各々適当な巻数比を設定することで、電圧制限回路22,23により、FETQ1,Q2のゲートには、常に一定の電圧が印加されることになり、幅広い入力電圧範囲をもつスイッチング電源装置を構成することができる。
【0046】
次に、この実施形態のスイッチング電源装置30の動作を説明する。この実施形態では、電圧制限回路22,23に共通に設けられた基準電圧発生部25により、電圧制限回路22においては、サブ巻線LS1のドットがない端子にプラスの電圧が発生している期間に供給される電流によって発生するツェナ電圧により基準電圧を出力する。そして、サブ巻線LS1のドットのある端子にプラスの電圧が出力されている期間においては、ツェナダイオードZD11に並列に接続されたコンデンサC11により基準電圧が出力される。
【0047】
そして、サブ巻線LS1のドットのない端子にプラスの電圧が発生している期間は、FETQ1の入力容量Cissを充電する動作となる。このとき、FETQ1の入力容量Cissを充電する電流は、トランジスタTr11のコレクタからエミッタを通過する。トランジスタTr11のコレクタからエミッタに電流(以下、コレクタ電流という)が流れるためには、ベースからエミッタに電流(以下、ベース電流という)が流れる必要がある。
【0048】
サブ巻線LS1のドットのない端子にプラスの電圧が発生している期間の初期においては、FETQ1の入力容量Cissの電圧が、基準電圧発生部25の電圧よりも低いために、トランジスタTr11は、ベース電流が流れることによりコレクタ電流も流れるため、FETQ1の入力容量Cissに充電電流が流れる。
【0049】
そして、FETQ1の入力容量Cissの充電が進み、入力容量Cissの電圧が上昇し基準電圧に近づくと、トランジスタTr11のベース電流が減少する。基準電圧からトランジスタTr11のベースの閾値電圧(一般的なトランジスタでは0.5V前後)を引いた値に達すると、トランジスタTr11のベース電流が流れなくなり、ベース電流が停止することで、コレクタ電流が停止する。よって、サブ巻線LS1に発生する電圧やコンデンサC1に蓄えられている電圧にかかわりなく、FETQ1の入力容量Cissは、基準電圧発生部25の基準電圧からトランジスタTr11のベースの閾値電圧を引いた値以上には充電されない。
【0050】
以上の動作において、トランジスタTr11のコレクタに印加される電圧は、サブ巻線LS1に発生する電圧とコンデンサC1に蓄えられた電圧が加えられた値である。サブ巻線LS1に発生する電圧は、スイッチング電源装置30の出力電圧に比例し、コンデンサC1に蓄えられる電圧は、スイッチング電源装置30の入力電圧に比例して増減する。即ち、スイッチング電源装置30の入力電圧が高くなると、トランジスタTr11のコレクタに加えられる電圧も高くなるが、コレクタ電圧が高くなっても、この実施形態の回路においては、FETQ1のゲートに印加される電圧の最大値は一定になる。従って、スイッチング電源装置30の入力電圧を高くしてもFETQ1を破壊することはない。
【0051】
FETQ1の入力容量Cissが充電される過程で、FETQ2の入力容量Cissは放電される。FETQ2の放電は、トランジスタTr12のコレクタとエミッタに並列に接続されたダイオードD12を通して行われる。
【0052】
また、電圧制限回路23でも、サブ巻線LS2が上記と同様の状態において、上記と同様に作用する。このとき、FETQ1の放電は、トランジスタTr11のコレクタとエミッタに並列に接続されたダイオードD11を通して行われる。
【0053】
この実施形態のスイッチング電源装置30によれば、同期整流用FETQ1,Q2ゲートの耐圧に制限されず、幅広い入力電圧範囲をもつスイッチング電源装置を構成することができる。
【0054】
なお、この実施形態の基準電圧発生部25を図7に示すように、一対のツェナダイオードZD12,13により、そのツェナ電圧を基準電圧としてもよい。これによっても同様の効果を得ることができ、回路構成をより簡単なものとすることができる。
【0055】
次にこの発明の第四実施形態について図8を基にして説明する。ここで上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態のスイッチング電源装置40のカレントダブラ同期整流回路44は、図6と比較して、トランジスタTr11とダイオードD11がFETQ11に、トランジスタTr12とダイオードD12がFETQ12に置き換えられている。トランジスタTr11とFETQ11の機能の違いは、トランジスタTr11はベース電流が流れることによりコレクタ電流が流れる素子であるの対して、FETQ11は、ゲートの電圧がソースの電圧よりも高い場合にドレインからソースに電流(以下ドレイン電流という)が流れる素子である。そして、FETQ1の入力容量Cissを充電する動作において、サブ巻線LS1のドットのある端子がマイナスの極性を持つ期間の初期においては、FETQ1の入力容量Cissの電圧が、基準電圧発生部25の電圧よりも低いために、電圧制限回路22のFETQ11のゲート電圧は、ソース電圧よりも高くドレイン電流が流れる。ドレイン電流が流れるためFETQ1の入力容量Cissに充電電流が流れる。
【0056】
そして、FETQ1の入力容量Cissの充電が進み、入力容量Cissの電圧が上昇し基準電圧に近づくと、FETQ11のソースの電圧が上昇する。入力容量Cissの電圧が、基準電圧からFETQ11のゲートの閾値電圧を引いた値に達すると、FETQ11のドレイン電流が流れなくなる。よって、サブ巻線LS1に発生する電圧やコンデンサC1に蓄えられている電圧にかかわりなく、FETQ1の入力容量Cissは、基準電圧発生部25の基準電圧からFETQ11のゲートの閾値電圧を引いた値以上には充電されない。
【0057】
FETQ1の入力容量Cissが充電される過程で、FETQ2の入力容量Cissは放電される。FETQ2の放電は、FETQ12の寄生ダイオードを通して行われる。また、図8の他方の電圧制限回路23も同様に機能する。
【0058】
この実施形態のスイッチング電源装置40によっても、同期整流用FETのゲート耐圧に制限されず、幅広い入力電圧範囲をもつスイッチング電源装置を構成することができる。
【0059】
なお、この実施形態の基準電圧発生部25を図9に示すように、一対のツェナダイオードZD12,13により、そのツェナ電圧を基準電圧としてもよい。これによっても同様の効果を得ることができ、回路構成をより簡単なものとすることができる。
【0060】
次に、この発明の第五実施形態について図10を基にして説明する。ここで上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態のスイッチング電源装置50のカレントダブラ同期整流回路54は、図3に示す回路構成のFETQ1,Q2の各ゲートとソース間に並列に放電回路26,27を設け、放電回路26,27をトランス12の信号により駆動させるものである。これにより、トランス12、FETQ1,Q2、トランス12の経路を流れる貫通電流を抑えることができる。
【0061】
ここで、この貫通電流について説明する。上記各実施形態では、チョークコイルL1,L2から発生する電圧の極性が変化することを利用して、同期整流用FETのオン、及びオフを制御している。FETQ1がオフする期間は、トランス12から正極性の電圧が出力されている期間であり、FETQ2がオフする期間は、トランス12から負極性の電圧が出力されている期間である。トランス12から出力がない期間はFETQ1,Q2共にオンしている。ここで、「トランス12から出力がない期間」から「トランス12から正極性の電圧が出力されている期間」に移行した瞬間を考える。この瞬間は、「FETQ1,Q2共にオン」から「FETQ1がオフ、FETQ2はオン」に変わる瞬間である。FETQ1をオフさせるのは、チョークコイルL1の極性が変化したときであり、チョークコイルL1の極性が変化するには、トランス12から出力された電圧がチョークコイルL1に印加されたときである。従って、この瞬間の動作は、「トランス12から正極性の電圧が出力され」、「チョークコイルL1に電圧が印加され、極性が反転し」、「FETQ1の入力容量Cissが放電し」、「FETQ1がオフする」という動作を行う。即ち、トランス12から電圧が出力された瞬間は、FETQ1がすぐにオフできず、FETQ1,Q2共にオンしている状態となり、トランス12,FETQ1,FETQ2,トランス12の経路を流れる貫通電流が流れることになる。スイッチング電源装置におけるこの貫通電流は、損失の増大を引き起こすものであり、極力少なくすべきものである。
【0062】
以上述べたように、先の実施形態のスイッチング電源装置では貫通電流により、スイッチング電源装置の損失を増大させてしまう可能性があった。この実施形態では、この貫通電流を抑えるものである。
【0063】
次に、この実施形態のスイッチング電源装置50の動作について、以下に説明する。まず、FETQ1がオフする期間は、トランス12から正極性の電圧が出力されている期間であり、FETQ1に接続した放電回路26を、トランス12から正極性の電圧が出力されている期間に駆動することで、FETQ1の入力容量Cissを放電させる。同様に、FETQ2がオフする期間は、トランス12から負極性の電圧が出力されている期間であり、FETQ2に接続した放電回路27を、トランス12から負極性の電圧が出力されている期間に駆動することで、FETQ2の入力容量Cissを放電させる。
【0064】
このとき、チョークコイルL1,L2の極性が反転することでFETQ1,Q2の入力容量Cissが放電されてFETQ1,Q2がオフする速度よりも、トランス12からの信号で放電回路26,27が駆動してFETQ1,Q2をオフする速度の方が速い。従って、トランス12から電圧が出力されている期間に、FETQ1,Q2が同時にオンしている時間を短くすることが可能であり、貫通電流を低減することができる。
【0065】
なお、この放電回路26,27は、図11に示すように、上述の図5に示す実施形態の電圧制限回路22,23を備えたスイッチング電源装置に設けても良い。この場合の電圧制限回路22,23と、放電回路26,27の回路構成の例を図12に示す。この放電回路26,27は、トランジスタTr21,Tr22のコレクタが各々FETQ1,Q2のゲートに接続され、エミッタが各々FETQ1,Q2のソースに接続されている。そして、トランジスタTr21,Tr22のベースが、トランス12の両端に接続されている。
【0066】
これにより、同期整流用FETQ1,Q2のゲート耐圧に制限されず、幅広い入力電圧範囲を有すると共に、貫通電流を抑え効率の良いスイッチング電源を構成することができる。
【0067】
次に、この発明の第六実施形態について図13を基にして説明する。ここで上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態のスイッチング電源装置60は、図10に示す回路構成の放電回路26,27の駆動を、絶縁回路62,63を介して、トランス12の1次側の制御回路64からの信号により駆動させるものである。これにより、放電回路26,27を任意のタイミングで動作させることができ、トランス12、FETQ1,Q2、トランス12の経路を流れる貫通電流をより確実に抑えることができる。
【0068】
また、このスイッチング電源装置60は、図13に示すように、上述の図5に示す実施形態の電圧制限回路22,23を備えたスイッチング電源装置に設けても良い。この場合の回路を図15に示す。このスイッチング電源装置は、図12に示す放電回路26,27のトランジスタTr21,Tr22のベースに絶縁回路62,63を介して制御回路64を接続したものである。ここでは、絶縁回路62,63は、ドライブトランスにより構成されている。
【0069】
これにより、幅広い入力電圧範囲を有すると共に、より速く放電回路26,27を動作させることができ、貫通電流をより確実に抑えることができる。
【0070】
また、図16に示すように、絶縁回路をフォトカプラ66,67により構成しても良い。この場合、フォトカプラ66,67の発光部である発光ダイオードPD1,PD2は、制御回路64に接続されて駆動され、受光部であるフォトトランジスタPTr1,PTr2は、FETQ1,Q2のソース−ゲート間に接続されている。これにより、より速く放電回路26,27を動作させることができ、貫通電流をより確実に抑えることができる。また、放電回路と絶縁回路を一体化することができる。
【0071】
以上の実施形態では、同期整流素子にn−チャンネルMOS−FETを用いたが、pチャンネルMOS−FETを用いてカレントダブラ同期整流回路を構成してもよい。さらに、MOS−FET以外の同様の機能を有するスイッチング素子を用いてもよい。
【0072】
【発明の効果】
この発明のスイッチング電源装置は、同期整流素子に電流が流れる期間のすべてにおいて同期整流素子をオンさせることが可能であり、寄生ダイオードを流れることによる損失がなく、スイッチング電源装置の効率を向上させることができる。
【0073】
また、電圧制限回路を同期整流素子のゲートの前段に設けることにより、幅広い入力電圧範囲のスイッチング電源装置を構成することができる。
【0074】
また、同期整流素子のゲートの前段に放電回路を設けることにより、同期整流素子を貫通する貫通電流を抑えることができ、スイッチング電源素子の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施形態のスイッチング電源装置の概略回路図である。
【図2】この実施形態のスイッチング電源装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】この発明の第二実施形態のスイッチング電源装置の概略回路図である。
【図4】この実施形態のスイッチング電源装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】この発明の第三実施形態のスイッチング電源装置の概略回路図である。
【図6】この実施形態のスイッチング電源装置の回路図である。
【図7】この実施形態のスイッチング電源装置の電圧制限回路の他の例を示す回路図である。
【図8】この発明の第四実施形態のスイッチング電源装置の概略回路図である。
【図9】この実施形態のスイッチング電源装置の電圧制限回路の他の例を示す回路図である。
【図10】この発明の第五実施形態のスイッチング電源装置の概略回路図である。
【図11】この実施形態のスイッチング電源装置の他の例を示す概略回路図である。
【図12】この実施形態のスイッチング電源装置の他の例の回路図である。
【図13】この発明の第六実施形態のスイッチング電源装置の概略回路図である。
【図14】この実施形態のスイッチング電源装置の他の例を示す概略回路図である。
【図15】この実施形態のスイッチング電源装置の回路図である。
【図16】この実施形態のスイッチング電源装置の他の例を示す回路図である。
【図17】従来のカレントダブラ同期整流回路を備えたスイッチング電源装置の概略回路図である。
【図18】従来のスイッチング電源装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図19】MOS−FETの寄生ダイオードと寄生容量を示すである。
【符号の説明】
10 スイッチング電源装置
12 トランス
14 カレントダブラ同期整流回路
22,23 電圧制限回路
25 基準電圧発生部
26,27 放電回路
L1,L2 チョークコイル
LS1,LS2 サブ巻線

Claims (6)

  1. プシュプル回路、ハーフブリッジ回路、もしくはこれらの回路で駆動された場合と同様の電圧をトランスの2次側に発生させる駆動回路をそのトランスの1次側に備え、上記トランスの2次側にカレントダブラ同期整流回路を有し、このカレントダブラ同期整流回路の同期整流素子をMOS−FETもしくはこれと同様の機能を有した素子により構成して同期整流を行うスイッチング電源装置において、上記カレントダブラ同期整流回路の第一、第二のチョークコイルの各々にサブ巻線を設け、その第一のチョークコイルに設けた第一のサブ巻線の一端に第一のコンデンサの一端を接続し、この第一のコンデンサの他端と第一の同期整流素子のゲートを接続し、上記第一のサブ巻線の他端と上記第一の同期整流素子のソースを接続し、第二のチョークコイルに設けた第二のサブ巻線の一端に第二のコンデンサの一端を接続し、この第二のコンデンサの他端と第二の同期整流素子のゲートを接続し、上記第二のサブ巻線の他端と上記第二の同期整流素子のソースを接続し、上記第一、第二の同期整流素子の各ゲートとソース間に各々ダイオードを接続し、各ダイオードは、アノードが上記第一、第二の同期整流素子のソースに接続しカソードが上記第一、第二の同期整流素子のゲートに接続したことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 上記各同期整流素子のゲートの前段に、ゲートの破壊電圧以下の電圧を出力する電圧制限回路を設けたことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
  3. 上記電圧制限回路は、上記各サブ巻線に一端が接続された上記各コンデンサの他端と上記各同期整流素子のゲートとの間に各々トランジスタを設け、この各トランジスタのエミッタを上記各同期整流素子のゲートに接続し、上記各トランジスタのコレクタを上記各コンデンサの端子に接続し、上記各トランジスタのベースに各々基準電圧発生部を接続するとともに、上記各トランジスタのエミッタとコレクタ間に各々ダイオードを接続し、この各ダイオードは、上記各トランジスタのエミッタにアノードを接続し、コレクタにカソードを接続したことを特徴とする請求項2記載のスイッチング電源装置。
  4. 上記電圧制限回路は、上記各サブ巻線に一端が接続された上記各コンデンサの他端と上記各同期整流素子のゲートとの間に各々MOS−FETを設け、この各MOS−FETのソースを上記各同期整流素子のゲートに接続しドレインを上記各コンデンサの端子に接続し、上記各MOS−FETのゲートに各々基準電圧発生部を接続したことを特徴とする請求項2記載のスイッチング電源装置。
  5. 上記各同期整流素子のゲートとソース間に各々放電回路を設け、この各放電回路を上記トランスからの信号により駆動することを特徴とする請求項1,2,3または4記載のスイッチング電源装置。
  6. 上記同期整流素子のゲートとソース間に放電回路を設け、この放電回路を、上記トランスの1次側から絶縁された回路を介して駆動することを特徴とする請求項1,2,3または4記載のスイッチング電源装置。
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