JP3741586B2 - 自動車におけるシート周りの車体構造 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、サイドメンバにシートを支持させると共に、上記サイドメンバにサスペンションにより懸架された後車輪の所定寸法以上の上方揺動を阻止するバンプストップを取り付けた自動車におけるシート周りの車体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記自動車におけるシート周りの車体構造には、従来、特開平8‐276820号公報で示されたものがある。
【0003】
上記公報のものによれば、車体にサスペンションにより後車輪が上下方向に揺動自在となるよう懸架され、上記車体がその下側部を構成するサイドメンバを備え、このサイドメンバの上端縁にフロアパネルが取り付けられてこのフロアパネルの上方にシートが配設されると共に、このシートを支持するシートブラケットが上記サイドメンバに取り付けられている。
【0004】
また、上記構成において、従来、上記後車輪が所定寸法以上に上方揺動するとき、この後車輪側の部材を当接させてそれ以上の上方揺動を阻止するバンプストップを上記サイドメンバに取り付けたものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術において、シートを支持するシートブラケットを取り付けた上記サイドメンバの「部分」には、上記シート側から着座者の重量を含む大きい外力が与えられる。
【0006】
また、上記のように、後車輪側の部材を当接させてこの後車輪の上方揺動を阻止するバンプストップが取り付けられたサイドメンバの「部分」にも、上記後車輪側の部材が当接する時の衝撃力を含む大きい外力が与えられる。
【0007】
そこで、従来では、サイドメンバの上記各「部分」をそれぞれ補強する補強材が設けられるが、これでは補強材の数量が多くなって、車体の構成が複雑になるという問題点がある。
【0008】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、シートを支持するシートブラケットを取り付けたサイドメンバの「部分」と、後車輪側の部材を当接させてこの後車輪の上方揺動を阻止するバンプストップを取り付けたサイドメンバの「部分」のそれぞれの補強が、簡単な構成で達成されるようにすることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の自動車におけるシート周りの車体構造は、次の如くである。
【0010】
請求項1の発明は、車体2にサスペンション3により後車輪5を上下方向に揺動自在となるよう懸架させ、上記車体2がその下側部を構成するサイドメンバ8を備え、このサイドメンバ8の上端縁にフロアパネル26を取り付けてこのフロアパネル26の上方にシート41を配設すると共に、このシート41を支持するシートブラケット49を上記サイドメンバ8に取り付け、
【0011】
上記後車輪5が所定寸法以上に上方揺動Aするとき、この後車輪5側の部材を当接させてそれ以上の上方揺動Aを阻止するバンプストップ64を上記サイドメンバ8から下方に向かい突出するようこのサイドメンバ8に取り付け、
【0012】
上記サイドメンバ8が、車体2の幅方向で離れて対面する外、内側板14,15と、これら外、内側板14,15の各下端縁を互いに結合させる底板16とを備えた自動車において、
【0013】
上記シートブラケット49が、上記サイドメンバ8の外、内側板14,15がわに跨ってこれらに結合されるブラケット基板49aと、このブラケット基板49aに結合され、上記シート41を締結させるブラケット本体49bとを備え、車体2の平面視で、上記ブラケット本体49bを上記バンプストップ64に重ねるよう位置させ、
【0014】
上記サイドメンバ8の内部空間47内に上記シートブラケット49を位置させたものである。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記サイドメンバ8の内部空間47をその長手方向で仕切るよう上記シートブラケット49を設けたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0017】
図において、符号1は自動車で、矢印Frはこの自動車1の前方を示している。
【0018】
自動車1の車体2の後部にはサスペンション3によりデフ装置である車軸支持装置4が上下に揺動自在となるよう懸架され、この車軸支持装置4に左右一対の後車輪5が連動連結され、これら後車輪5と不図示の前車輪とにより、上記車体2が走行路面上に支持されている。
【0019】
上記車体2は、板金製で、その下部を構成して上記サスペンション3により車軸支持装置4と後車輪5を懸架する車体フレーム6と、上記車体2の上部側を構成して上記車体フレーム6の上面側に支持される箱形状の車体本体7とを備えている。
【0020】
上記車体フレーム6は、その左右各側部(車体2の下側部)を構成して前後方向に長く延びる左右一対のサイドメンバ8と、これら両サイドメンバ8の前端部同士と、長手方向の中途部同士とをそれぞれ互いに結合させるクロスメンバ9,10と上記両サイドメンバ8の後端部同士を互いに結合させるロアバックパネル11とを備えている。
【0021】
上記サイドメンバ8は、プレス成形されたもので、その長手方向の各部断面が倒立ハット形とされ、車体2の幅方向で離れて対面する外、内側板14,15と、これら外、内側板14,15の各下端縁を互いに一体的に結合させる底板16と、上記外、内側板14,15の各上端縁に一体的に形成される外向きフランジ17,18とを備えている。
【0022】
上記サイドメンバ8は、その長手方向の中途部を構成して後方に向ってほぼ水平に直線的に延出する前部メンバ21と、上記サイドメンバ8の中途部を構成して上記前部メンバ21の後端部から後上方に向って一体的にほぼ直線的に延出する傾斜メンバ22と、この傾斜メンバ22の後上端部から後方に向ってほぼ水平に直線的に延出する後部メンバ23とを備えている。
【0023】
前記車体本体7は、その下端部を構成して上記サイドメンバ8、クロスメンバ9,10の各上端縁に載置されてスポット溶接S(図中×印、以下同じ)により取り付けられるフロアパネル26と、上記車体本体7の左右各側部を構成して車体2の幅方向における上記フロアパネル26の各外縁部側から上方に延出する左右一対の側壁27と、これら両側壁27の上端縁同士を互いに結合させる不図示のルーフパネルとを備え、これらフロアパネル26、側壁27、およびルーフパネルで囲まれた車体本体7の内部空間が車室28とされている。
【0024】
上記側壁27は、車体2の幅方向で少し離れて対面するアウタ、インナパネル31,32を備え、この側壁27の下部のインナパネル32に上記フロアパネル26の各外端縁がスポット溶接Sにより結合させられている。
【0025】
上記側壁27の前後方向の中途部に車室28の内外を連通させるドア開口34が形成されている。上記側壁27の下部(車体2の下側部)に上記後車輪5をその上方から覆うホイールハウス35が形成され、このホイールハウス35は上記傾斜メンバ22の後部と後部メンバ23の前部との各外側方近傍かつドア開口34の後方近傍に配設されている。
【0026】
また、上記側壁27の下部(車体2の下側部)には、上記ドア開口34の下部開口縁を構成し上記ホイールハウス35側から前方に向って延出するロッカ36が形成され、このロッカ36は上記傾斜メンバ22の前部と前部メンバ21との各外側方近傍に配設されている。
【0027】
自動車1はシート装置39を備えている。このシート装置39は上記車室28の前後方向の中途部に設置されるシート40と、このシート40の後方で上記車室28に設置される他のシート41とを備えている。これら各シート40,41は、それぞれ上面が着座面42とされるシートクッション43と、このシートクッション43の後端部から上方に向って突出するシートバック44とを備えている。
【0028】
上記シート40の外側方に上記ドア開口34が配設され、上記シート40のシートクッション43の外側部は上記前部メンバ21の後部と傾斜メンバ22の前部の各上方に位置させられて、これら21,22に支持されている。
【0029】
一方、上記他のシート41のシートクッション43の外側部は、上記後部メンバ23の前部上方に位置させられ、上記シート41は、上記シートクッション43の外側部の前、後部を上記後部メンバ23に支持させる前、後脚45,46を備えている。
【0030】
上記サイドメンバ8の後部メンバ23の前部における内部空間47に、上記後部メンバ23に取り付けられて上記シート41を支持するシートブラケット49が配設されている。このシートブラケット49は、横断面がほぼU字形状をなしその車体2の幅方向の各端部が上記後部メンバ23の各側板14,15および各外向きフランジ17,18にスポット溶接Sされて上記各側板14,15がわに跨ってこれらに強固に結合されるブラケット基板49aと、このブラケット基板49aの内部に嵌入されこのブラケット基板49aの外、内側板と底板にそれぞれスポット溶接Sにより結合されて上記ブラケット基板49aを補強するブラケット本体49bとを備え、このブラケット本体49bに上記前脚45が締結具50により着脱自在に締結されている。
【0031】
また、上記ブラケット基板49aは、上記シートブラケット49から上記内部空間47内を通って前方に一体的に延び、上記傾斜メンバ22の各側板14,15がわを互いに結合させて、この傾斜メンバ22を強固に補強している。
【0032】
上記傾斜メンバ22の長手方向における中途部分を含む後部側と後部メンバ23の前部の各上部にこれら傾斜メンバ22と後部メンバ23の各一般部の上面からみて下方に凹む凹部53が形成され、車体2の側面視(図1,3)で、上記凹部53の前部の上端縁54はほぼ水平に直線的に延びるよう形成され、後部の上端縁55は上記傾斜メンバ22の傾きに沿うように後上方に向ってほぼ直線的に延びている。そして、上記各上端縁54,55に上記フロアパネル26が接合させられてスポット溶接Sされている。
【0033】
このため、上記シート41の着座面42の前方への仮想延長面から、上記着座面42の前下方における上記凹部53上のフロアパネル26上に至る脚置き空間56の上下寸法は、上記凹部53を形成した分、上記着座面42の位置を高くしないままで、十分に大きい所定寸法に設定することができる。
【0034】
よって、上記した後上がりの傾斜メンバ22の後上端部から後方に向って延出する後部メンバ23の上方に上記シート41が設置されていて、このシート41は、上記車室28の下端部におけるある基準位置57からみてその設置位置は高くなりがちではあるが、上記したように、所定寸法の脚置き空間56を設定したとしても、上記基準位置57からみた上記シート41の設置位置は更に高くはさせないで済むことから、このシート41の設置位置が高くなり過ぎるということは防止される。
【0035】
また、上記の場合、傾斜メンバ22はこれを水平にした場合に比べて、傾きが与えられている分、その断面係数を大きくとれるため、上記したように傾斜メンバ22に凹部53を形成しても、この傾斜メンバ22に十分の強度が確保される。
【0036】
また、上記傾斜メンバ22と後部メンバ23を構成する上記外、内側板14,15のうち、上記外側板14の上端縁よりも上記内側板15の上端縁54が低くなるようこの内側板15の上部に上記凹部53が形成されている。
【0037】
ここで、前記したようにシート41はその外側部が上記後部メンバ23の前部上方に位置させられていることから、上記シート41への着座者の脚は、上記傾斜メンバ22の外、内側板14,15のうち、比較的に内側板15の上方に置かれることとなる。
【0038】
そこで、上記したように、上記内側板15の上部に凹部53を形成したのであり、このため、上記シート41への着座者にとってより広い脚置き空間56が設定されて好ましい。
【0039】
一方、上記外側板14の上端縁は、上記凹部53が形成された上記内側板15の上端縁54よりも高く位置させられることから、上記サイドメンバ8に上記凹部53を成形しても、この凹部53に対応する上記外側板14の部分の強度低下が防止されることにより、上記傾斜メンバ22と後部メンバ23の強度低下も防止され、もって、上記凹部53に対応する傾斜メンバ22と後部メンバ23の各部分に十分の強度が確保される。
【0040】
また、上記シートブラケット49は、上記サイドメンバ8の後部メンバ23の前部に形成された上記凹部53と前後方向でほぼ同じところに位置させられて、上記サイドメンバ8の後部メンバ23の前部に強固に取り付けられ、この後部メンバ23の前部を強固に補強している。
【0041】
このため、上記凹部53に対応する上記サイドメンバ8の部分が上記シートブラケット49の利用により補強されており、よって、上記凹部53に対応する傾斜メンバ22と後部メンバ23の各部分は、上記シートブラケット49の利用により簡単な構成で、十分の強度が確保されている。
【0042】
また、前記したように、車体2の下側部を構成して上記傾斜メンバ22の外側方近傍に配設されるホイールハウス35が設けられ、かつ、上記車体の下側部を構成して上記ホイールハウス35側から前方に向って延出するロッカ36を設けた場合に、車体2の平面視で、上記傾斜メンバ22における上記凹部53の近傍部分、ホイールハウス35、およびロッカ36で囲まれた空間に上記補強部材59が設けられ、この補強部材59によって上記各部材22,35,36が互いに結合させられて互いに補強されている。
【0043】
このため、上記凹部53の形成により上記傾斜メンバ22の強度は低下しがちとはなるが、この強度低下は、上記補強部材59による上記した互いの結合により補填されて、上記傾斜メンバ22に十分の強度が確保される。
【0044】
上記フロアパネル26と補強部材59とが重なり合った部分に、上記シート40用のシートベルトアンカ60が締結具61により取り付けられている。
【0045】
このため、従来では、シートベルトアンカはホイールハウス35の上部に取り付けられると共に、この取り付け部を補強する補強部材が別途に設けられていたが、これに比べて、上記シートベルトアンカ60の取り付けは、上記傾斜メンバ22、ホイールハウス35、およびロッカ36を互いに結合させ、上記傾斜メンバ22の補強用として大きい強度を有する補強部材59の利用により達成されたのであり、よって、車体2に対するシートベルトアンカ60の強固な取り付けが、簡単な構成により達成される。
【0046】
一方、自動車1の走行時に、上記車体2にサスペンション3により懸架された車軸支持装置4が各後車輪5と共に所定寸法以上に上方揺動Aしたとき、それ以上の上方揺動Aを阻止するバンプストップ装置62が設けられている。このバンプストップ装置62は、後車輪5側の部材である上記車軸支持装置4の上面に取り付けられるゴム製の弾性緩衝体63と、上記車軸支持装置4が上方揺動Aする方向の上方で上記サイドメンバ8から下方に向けて突設されるバンプストップ64と、上記車軸支持装置4とサイドメンバ8との間に架設されてその付勢力で上記車軸支持装置4の上方揺動Aに対抗するばね65とを備えている。
【0047】
そして、上記したように車軸支持装置4が所定寸法以上に上方揺動Aするとき、上記車軸支持装置4の緩衝体63が上記バンプストップ64に当接してそれ以上の上方揺動Aが阻止されるようになっている。
【0048】
特に、図4,7において、車体2の平面視(図4)で、上記シートブラケット49の少なくとも一部が上記バンプストップ64に重なるよう位置させられている。
【0049】
ここで、上記シート41を支持する上記シートブラケット49を取り付けたサイドメンバ8の「部分」は上記シートブラケット49により補強されることとなり、また、上記バンプストップ64が取り付けられたサイドメンバ8の「部分」は上記バンプストップ64により補強されることとなる。
【0050】
このため、上記したように、車体2の平面視で、上記シートブラケット49とバンプストップ64とを重ねると、上記のように補強されたサイドメンバ8の各「部分」は互いに近傍に位置することとなって、上下方向で上記シート41側や後車輪5側から与えられる負荷に対抗するよう、互いに補強し合うこととなる。
【0051】
よって、上記シート41を支持するシートブラケット49を取り付けたサイドメンバ8の「部分」と、後車輪5側の部材を当接させてこの後車輪5の上方揺動Aを阻止するバンプストップ64を取り付けたサイドメンバ8の「部分」をそれぞれ別途の補強材で補強していた従来の技術に比べ、上記サイドメンバ8の各「部分」の補強は、それぞれに補強材を設けないで足りる分、簡単な構成で達成される。
【0052】
しかも、特に、図7で示すように、上記シートブラケット49とバンプストップ64とは上記サイドメンバ8の後部メンバ23を上下から挟んで互いに近傍に位置させられており、更に、上記サイドメンバ8の後部メンバ23の外側板14、シートブラケット49のブラケット基板49a、およびバンプストップ64の上部が互いに重ね合わされてスポット溶接Sにより互いに強固に結合させられている。
【0053】
よって、上記したサイドメンバ8の各「部分」の補強は、簡単な構成で、より効果的に確実に達成される。
【0054】
また、前記したように、上記サイドメンバ8が、車体2の幅方向で離れて対面する外、内側板14,15と、これら外、内側板14,15の各下端縁を互いに結合させる底板16とを備えた自動車において、上記サイドメンバ8の内部空間47内に上記シートブラケット49を位置させてある。
【0055】
このため、上記シートブラケット49は、余剰空間である上記サイドメンバ8の内部空間47を利用して設けられる。よって、上記したサイドメンバ8の各「部分」の確実な補強は、コンパクトに達成される。
【0056】
また、前記したように、シートブラケット49は、サイドメンバ8の後部メンバ23の内部空間47に配設されてこの後部メンバ23の各側板14,15がわに跨ってこれらに強固に結合されており、これにより、上記シートブラケット49は、上記サイドメンバ8の後部メンバ23の内部空間47をその長手方向で仕切るよう設けられている。
【0057】
このため、上記シートブラケット49は、上記サイドメンバ8の隔壁(バルクヘッド)として機能し、上記サイドメンバ8の「部分」をより確実に補強する。
【0058】
よって、上記したサイドメンバ8の各「部分」は更に確実に補強され、かつ、この補強が上記シートブラケット49の利用によってなされる分、上記サイドメンバ8の各「部分」の確実な補強は、簡単な構成によって達成される。
【0059】
なお、以上は図示の例によるが、凹部53は傾斜メンバ22と後部メンバ23のうち、傾斜メンバ22の上部にのみ形成してもよい。
【0060】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0061】
請求項1の発明は、車体にサスペンションにより後車輪を上下方向に揺動自在となるよう懸架させ、上記車体がその下側部を構成するサイドメンバを備え、このサイドメンバの上端縁にフロアパネルを取り付けてこのフロアパネルの上方にシートを配設すると共に、このシートを支持するシートブラケットを上記サイドメンバに取り付け、
【0062】
上記後車輪が所定寸法以上に上方揺動するとき、この後車輪側の部材を当接させてそれ以上の上方揺動を阻止するバンプストップを上記サイドメンバから下方に向かい突出するようこのサイドメンバに取り付け、
【0063】
上記サイドメンバが、車体の幅方向で離れて対面する外、内側板と、これら外、内側板の各下端縁を互いに結合させる底板とを備えた自動車において、
【0064】
上記シートブラケットが、上記サイドメンバの外、内側板がわに跨ってこれらに結合されるブラケット基板と、このブラケット基板に結合され、上記シートを締結させるブラケット本体とを備え、車体の平面視で、上記ブラケット本体を上記バンプストップに重ねるよう位置させてあり、次の効果が生じる。
【0065】
即ち、シートを支持する上記ブラケット本体を取り付けたサイドメンバの「部分」は上記ブラケット本体により補強されることとなり、また、上記バンプストップが取り付けられたサイドメンバの「部分」は上記バンプストップにより補強されることとなる。
【0066】
このため、上記したように、車体の平面視で、上記ブラケット本体とバンプストップとを重ねると、上記のように補強されたサイドメンバの各「部分」は互いに近傍に位置することとなって、上下方向で上記シート側や後車輪側から与えられる負荷に対抗するよう、互いに補強し合うこととなる。
【0067】
よって、上記シートを支持するブラケット本体を取り付けたサイドメンバの「部分」と、後車輪側の部材を当接させてこの後車輪の上方揺動を阻止するバンプストップを取り付けたサイドメンバの「部分」をそれぞれ別途の補強材で補強していた従来の技術に比べ、上記サイドメンバの各「部分」の補強は、それぞれに補強材を設けないで足りる分、簡単な構成で達成される。
【0068】
また、上記サイドメンバの内部空間内に上記シートブラケットを位置させてある。
【0069】
このため、上記シートブラケットは、余剰空間である上記サイドメンバの内部空間を利用して設けられる。よって、上記したサイドメンバの各「部分」の確実な補強は、コンパクトに達成される。
【0070】
請求項2の発明は、上記サイドメンバの内部空間をその長手方向で仕切るよう上記シートブラケットを設けてある。
【0071】
このため、上記シートブラケットは、上記サイドメンバの隔壁(バルクヘッド)として機能し、上記サイドメンバの「部分」をより確実に補強する。
【0072】
よって、上記したサイドメンバの各「部分」は更に確実に補強され、かつ、この補強が上記シートブラケットの利用によってなされる分、上記サイドメンバの各「部分」の確実な補強は、簡単な構成によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体側面線図である。
【図2】 車体の部分斜視図である。
【図3】 図1の部分拡大詳細図である。
【図4】 図3で示したものの平面図である。
【図5】 図3の5‐5線矢視断面図である。
【図6】 図3の6‐6線矢視断面図である。
【図7】 図3の7‐7線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 自動車
2 車体
3 サスペンション
5 後車輪
6 車体フレーム
7 車体本体
8 サイドメンバ
14 外側板
15 内側板
16 底板
26 フロアパネル
39 シート装置
41 シート
47 内部空間
49 シートブラケット
49a ブラケット基板
49b ブラケット本体
64 バンプストップ
A 上方揺動
Claims (2)
- 車体にサスペンションにより後車輪を上下方向に揺動自在となるよう懸架させ、上記車体がその下側部を構成するサイドメンバを備え、このサイドメンバの上端縁にフロアパネルを取り付けてこのフロアパネルの上方にシートを配設すると共に、このシートを支持するシートブラケットを上記サイドメンバに取り付け、
上記後車輪が所定寸法以上に上方揺動するとき、この後車輪側の部材を当接させてそれ以上の上方揺動を阻止するバンプストップを上記サイドメンバから下方に向かい突出するようこのサイドメンバに取り付け、
上記サイドメンバが、車体の幅方向で離れて対面する外、内側板と、これら外、内側板の各下端縁を互いに結合させる底板とを備えた自動車において、
上記シートブラケットが、上記サイドメンバの外、内側板がわに跨ってこれらに結合されるブラケット基板と、このブラケット基板に結合され、上記シートを締結させるブラケット本体とを備え、車体の平面視で、上記ブラケット本体を上記バンプストップに重ねるよう位置させ、
上記サイドメンバの内部空間内に上記シートブラケットを位置させた自動車におけるシート周りの車体構造。 - 上記サイドメンバの内部空間をその長手方向で仕切るよう上記シートブラケットを設けた請求項1に記載の自動車におけるシート周りの車体構造。
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