JP3738337B2 - 磁気軸受装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁気軸受装置、さらに詳しくは、複数組の磁気軸受で回転体を軸方向(アキシアル方向)および径方向(ラジアル方向)に非接触支持する磁気軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の磁気軸受装置として、回転体を軸方向および径方向に非接触支持する複数の電磁石を有する複数組の磁気軸受、回転体の軸方向および径方向の位置を検出する複数の位置センサを有する位置検出装置、位置検出装置による位置の検出結果に基づいて各磁気軸受の電磁石を制御する電磁石制御装置、ならびに回転体の軸方向および径方向の可動範囲を規制してその可動範囲の極限位置において回転体を機械的に支持する転がり軸受よりなる保護軸受を備えているものが知られている。
【0003】
このような磁気軸受装置には、後に詳述するように、保護軸受による可動範囲に対する回転体の軸方向および径方向の中心位置(機械的中心位置)と、磁気軸受の電磁石の位置に対する軸方向および径方向の中心位置(磁気的中心位置)と、位置検出装置の位置センサの位置に対する軸方向および径方向の中心位置(対センサ中心位置)とがある。磁気軸受装置は、機械的中心位置、磁気的中心位置および対センサ中心位置が全て一致するように設計されるが、製作誤差や組立誤差のためにこれらの間に誤差が生じることがある。
【0004】
従来の磁気軸受装置では、回転体が設計上の中心位置である対センサ中心位置に保持されるように、すなわち回転体の中心が対センサ中心位置に一致するように、磁気軸受の電磁石が制御される。このため、対センサ中心位置が機械的中心位置と一致してない場合は、回転体を機械的中心位置に保持することができない。この場合、回転体の機械的中心位置と対センサ中心位置との誤差が大きいと、回転体を対センサ中心位置に保持したときに、回転体と保護軸受との間隙が部分的に小さくなって、種々の不具合が生じる。このような問題を避けるため、たとえば特開平2−107815号公報などに記載されているように、各制御軸について回転体を可動範囲の両極限位置に移動させたときの位置センサの出力から機械的中心位置を求め、この機械的中心位置に回転体を磁気浮上させるようになった磁気軸受装置が提案されている。
【0005】
次に、図1〜図5を参照して、磁気軸受装置において機械的中心位置を求める上記の方法について説明する。
【0006】
図1はこの発明が適用される磁気軸受装置の主要部を示す一部切欠き斜視図、図2は同縦断面図、図3は同横断面図、図4はその電気的構成の1例を示すブロック図である。
【0007】
この磁気軸受装置は、水平円筒状のケーシング(1)の内側で水平軸状の回転体(2)が回転する横型のものである。以下の説明において、回転体(2)の軸方向の制 御軸(アキシアル制御軸)をZ軸、Z軸と直交する1つの径方向の制御軸(ラジアル制御軸)をX軸、Z軸およびX軸と直交する他のラジアル制御軸をY軸とする。また、図2の右側を前、左側を後とし、後から前を見たときの左右を左右とする。この例では、Z軸方向が前後方向、X軸方向が左右方向、Y軸方向が上下方向と一致し、前側がZ軸正側、右側がX軸正側、上側がY軸正側となっている。
【0008】
磁気軸受装置は、回転体(2)を軸方向に非接触支持する1組のアキシアル磁気 軸受(3)、回転体(2)を径方向に非接触支持する前後2組のラジアル磁気軸受(4)(5)、回転体(2)の軸方向および径方向の位置を検出する位置検出手段としての位 置検出装置(6)、回転体(2)を高速回転させるためのビルトイン型電動モータ(7) 、位置検出装置(6)による位置の検出結果に基づいて磁気軸受(3)(4)(5)を制御する電磁石制御手段としての電磁石制御装置(8)、ならびに回転体(2)の軸方向および径方向の可動範囲を規制して回転体(2)を磁気軸受(3)(4)(5)で支持できなくなったときなどに可動範囲の極限位置において回転体(2)を機械的に支持する規制 手段としての前後2組の保護軸受(10)(11)を備えている。
【0009】
位置検出装置(6)は、回転体(2)の軸方向の位置を検出するための1個のアキシアル位置センサ(12)、回転体(2)の径方向の位置を検出するための前後2組のラ ジアル位置センサユニット(13)(14)、およびこれらの出力から回転体(2)の軸方 向の位置および径方向の位置を演算する位置演算回路(15)を備えている。位置演算回路(15)は、後述する対センサ中心位置を原点とする回転体(2)の中心(A)の位置を演算する。なお、この対センサ中心位置を原点とする回転体(2)の中心(A)の位置を単に回転体(2)の位置ということにする。
【0010】
アキシアル磁気軸受(3)は、回転体(2)の前部に一体に形成されたフランジ部(2a)をZ軸方向の両側から挟むように配置された1対のアキシアル電磁石(16a)(16b)を備えている。アキシアル電磁石は符号(16)で総称し、区別する必要があるときは、Z軸正側の電磁石(16a)を第1アキシアル電磁石、Z軸負側の電磁石(16b)を第2アキシアル電磁石と呼ぶことにする。
【0011】
アキシアル位置センサ(12)は、回転体(2)の前端面(位置検出端面)にZ軸方 向の正側から対向するように配置され、回転体(2)の前端面との距離(空隙)に 比例する距離信号を出力する。そして、演算回路(15)が、予め設定された一定の値(回転体(2)のZ軸方向の位置が0となるときのアキシアル位置センサ(12)の 距離信号に等しい値)からアキシアル位置センサ(21)の距離信号を減算することにより、回転体(2)のZ軸方向の位置を演算し、電磁石制御装置(8)に出力する。
【0012】
2組のラジアル磁気軸受(4)(5)は、アキシアル磁気軸受(3)の後側において前 後方向に所定の間隔をおいて配置されており、これらの間にモータ(7)が配置さ れている。前側のラジアル磁気軸受(4)は、回転体(2)をX軸方向の両側から挟むように配置された1対のラジアル電磁石(17a)(17b)、および回転体(2)をY軸方 向の両側から挟むように配置された1対のラジアル電磁石(17c)(17d)を備えている。これらのラジアル電磁石は符号(17)で総称し、区別する必要があるときは、X軸方向の正側の電磁石(17a)を第1X軸電磁石、負側の電磁石(17b)を第2X軸電磁石、Y軸方向の正側の電磁石(17c)を第1Y軸電磁石、負側の電磁石(17d)を第2Y軸電磁石と呼ぶことにする。同様に、後側のラジアル電磁石(5)も、第1 X軸電磁石(18a)、第2X軸電磁石(18b)、第1Y軸電磁石(18c)および第2Y軸 電磁石(18d)を備えている。これらのラジアル電磁石(18a)〜(18d)も、符号(18) で総称する。
【0013】
前側のラジアル位置センサユニット(13)は、前側のラジアル磁気軸受(4)の近 傍に配置されており、X軸電磁石(17a)(17b)の近傍においてX軸方向の両側から回転体(2)を挟むように配置された1対のラジアル位置センサ(19a)(19b)、Y軸 電磁石(17c)(17d)の近傍においてY軸方向の両側から回転体(2)を挟むように配 置された1対のラジアル位置センサ(19c)(19d)を備えている。これらのラジアル位置センサは符号(19)で総称し、区別する必要があるときは、X軸方向の正側のセンサ(19a)を第1X軸センサ、負側のセンサ(19b)を第2X軸センサ、Y軸方向の正側のセンサ(19c)を第1Y軸センサ、負側のセンサ(19d)を第2Y軸センサと呼ぶことにする。同様に、後側のラジアル位置センサユニット(14)も、後側のラジアル磁気軸受(5)の近傍に配置されており、第1X軸センサ(20a)、第2X軸センサ(20b)、第1Y軸センサ(20c)および第2Y軸センサ(20d)を備えている。こ れらのラジアル位置センサ(20a)〜(20d)も、符号(20)で総称する。各ラジアル位置センサ(19)(20)は、回転体(2)の外周面との距離に比例する距離信号を出力す る。そして、位置演算回路(15)は、前側のユニット(13)の第2X軸センサ(19b) の距離信号から第1X軸センサ(19a)の距離信号を減算することにより、前側の ラジアル磁気軸受(4)の近傍における回転体(2)のX軸方向の位置を演算するとともに、同ユニット(13)の第2Y軸センサ(19d)の距離信号から第1Y軸センサ(19c)の距離信号を減算することにより、同位置における回転体(2)のY軸方向の位 置を演算し、電磁石制御装置(8)に出力する。同様に、位置演算回路(15)は、後 側のユニット(14)の第2X軸センサ(20b)の距離信号と第1X軸センサ(20a)の距離信号の差より、後側のラジアル磁気軸受(5)の近傍における回転体(2)のX軸方向の位置を求めるとともに、同ユニット(14)の第2Y軸センサ(20d)の距離信号 と第1Y軸センサ(20c)の距離信号の差より、同位置における回転体(2)のY軸方向の位置を求め、電磁石制御装置(8)に出力する。
【0014】
電磁石(16)(17)(18)および位置センサ(12)(19)(20)は、ケーシング(1)に固定 されている。
【0015】
前側の保護軸受(10)は、たとえば深みぞ玉軸受などの転がり軸受よりなり、アキシアル荷重とラジアル荷重の両方を受けられるようになっている。この軸受(10)の外輪(10a)はケーシング(1)に固定され、内輪(10b)が回転体(1)の外周面に形成された環状みぞ(21)の部分に軸方向および径方向に適当な間隙をあけて臨ませられている。後側の保護軸受(11)は、たとえば深みぞ玉軸受などの転がり軸受よりなり、ラジアル荷重を受けられるようになっている。軸受(11)の外輪(11a)は ケーシング(1)に固定され、内輪(11b)は回転体(1)の外周面に適当な間隙をあけ て対向するように配置されている。そして、前側の軸受(10)の内輪(10b)と回転 体(1)との間の軸方向の間隙の大きさにより、回転体(1)の軸方向の可動範囲が規制され、各軸受(10)(11)の内輪(10b)(11b)と回転体(1)との間の径方向の間隙の 大きさにより、回転体(1)の径方向の可動範囲が規制される。そして、回転体(2)が可動範囲の極限位置において保護軸受(10)(11)により支持されている状態でも、回転体(2)と電磁石(16)(17)(18)および位置センサ(12)(19)(20)との間には間 隙があり、回転体(2)は電磁石(16)(17)(18)および位置センサ(12)(19)(20)に接 触することはない。
【0016】
回転体(2)と、保護軸受(10)(11)の内輪(10b)(11b)、電磁石(16)(17)(18)およ び位置センサ(12)(19)(20)との間隙は大きくても数mm程度であるが、図面にはこれを誇張して表わしている。
【0017】
制御装置(8)は、位置検出装置(6)により前記のようにして求められた回転体(2)のZ軸方向の位置、2組のラジアル磁気軸受(4)(5)の近傍における回転体(2)のX軸方向およびY軸方向の位置に基づいて、各電磁石(16)(17)(18)に流れる励磁電流の大きさを制御し、これにより、回転体(2)が後述する一定の目標位置に保 持されるようになっている。
【0018】
上記の磁気軸受装置には、前述の機械的中心位置、磁気的中心位置および対センサ中心位置がある。機械的中心位置は、保護軸受(10)(11)により規制される可動範囲の中心の位置であり、軸方向については、前側の保護軸受(10)の内輪(10b)が回転体(2)のみぞ(21)の軸方向の中央にきて、内輪(10b)の端面とこれに対向 するみぞ(21)の側面との軸方向の間隙が両側において互いに等しくなる位置であり、径方向については、回転体(2)の中心(A)が2組の保護軸受(10)(11)の中心に一致して、回転体(2)と保護軸受(10)(11)の内輪(10b)(11b)との径方向の間隙が 全周にわたって等しくなる位置である。磁気的中心位置は、各磁気軸受(3)(4)(5)の各制御軸方向に対向する各対の電磁石(16)(17)(18)の中心の位置である。対 センサ中心位置は、軸方向については、回転体(2)の前端面とアキシアル位置セ ンサ(12)との距離が前記の予め設定された一定の値になるような位置であり、径方向については、各ラジアル位置センサユニット(13)(14)の各制御軸方向に対向する各対のラジアル位置センサ(19)(20)の中心の位置である。なお、径方向の対センサ中心位置をO1、径方向の機械的中心位置をO2とする。
【0019】
上記のような磁気軸受装置において、従来は、最初に運転を開始する際に、次のようにして、機械的中心位置が求められ、以後、この機械的中心位置を前記目標位置として、磁気軸受(3)(4)(5)の制御が行われる。
【0020】
図5は、機械的中心位置を求めるときのラジアル磁気軸受(4)(5)の各電磁石(17)(18)の励磁電流を下側に、回転体(2)と保護軸受(11)の内輪(11b)の内周面との位置関係を上側に示している。なお、図5には回転体(2)と後側の保護軸受(11) との関係だけを示しているが、回転体(2)と前側の保護軸受(10)との関係も同様 である。
【0021】
磁気軸受装置の運転を開始する前は、磁気軸受(3)(4)(5)およびモータ(7)は駆動されておらず、回転体(2)は保護軸受(10)(11)の内輪(10b)(11b)に支持されて 、停止している。
【0022】
このような状態から、最初に、1対のアキシアル電磁石(16a)(16b)に互いに等しい励磁電流が供給され、これにより、回転体(2)は、径方向には保護軸受(10)(11)により機械的に支持された状態で、軸方向にはアキシアル磁気軸受(3)により軸方向の対センサ中心位置に支持される。
【0023】
次に、図5にT1として示すように、第2Y軸電磁石(17d)(18d)に一定の励磁 電流I1が供給される。これにより、回転体(2)はY軸負側に吸引され、保護軸受内輪(10b)(11b)の内周面の下側極限点Ymに接触して、Y軸負側の極限位置に保 持される。そして、このような状態で、位置検出装置(6)の出力から、回転体(2)の各ラジアル位置センサユニット(13)(14)の部分におけるY軸方向の位置がそれぞれ求められ、記憶される。
【0024】
次に、第2Y軸電磁石(17d)(18d)への励磁電流の供給が停止され、図5にT2 として示すように、第2X軸電磁石(17b)(18b)に一定の励磁電流I1が供給され る。これにより、回転体(2)はX軸負側に吸引され、保護軸受内輪(10b)(11b)の 内周面の左側極限点Xmに接触して、X軸負側の極限位置に保持される。そして 、このような状態で、回転体(2)の各ラジアル位置センサユニット(13)(14)の部 分におけるX軸方向の位置がそれぞれ求められ、記憶される。
【0025】
次に、第2X軸電磁石(17b)(18b)への励磁電流の供給が停止され、図5にT3 として示すように、第1Y軸電磁石(17c)(18c)に一定の励磁電流I1が供給され る。これにより、回転体(2)はY軸正側に吸引され、保護軸受内輪(10b)(11b)の 内周面の上側極限点Ypに接触して、Y軸正側の極限位置に保持される。そして 、このような状態で、回転体(2)の各ラジアル位置センサユニット(13)(14)の部 分におけるY軸方向の位置がそれぞれ求められ、記憶される。
【0026】
次に、第1Y軸電磁石(17c)(18c)への励磁電流の供給が停止され、図5にT4 として示すように、第1X軸電磁石(17a)(18a)に一定の励磁電流I1が供給され る。これにより、回転体(2)はX軸正側に吸引され、保護軸受内輪(10b)(11b)の 内周面の右側極限点Xpに接触して、X軸正側の極限位置に保持される。そして 、このような状態で、回転体(2)の各ラジアル位置センサユニット(13)(14)の部 分におけるX軸方向の位置が求められ、記憶される。
【0027】
このようにして4つの極限位置における回転体(2)の位置の検出が終わると、 これらの検出結果より、次のようにして、各ラジアル位置センサユニット(13)(14)の部分における機械的中心位置がそれぞれ求められる。
【0028】
まず、前側のラジアル位置センサユニット(13)の部分について、T4のX軸正 側の極限位置における回転体(2)のX軸方向の位置と、T2のX軸負側の極限位置における回転体(2)のX軸方向の位置との中点を求めることにより、X軸方向の 機械的中心位置が求められる。同様に、T3のY軸正側の極限位置における回転 体(2)のY軸方向の位置と、T1のY軸負側の極限位置における回転体(2)のY軸 方向の位置との中点を求めることにより、Y軸方向の機械的中心位置が求められる。後側のラジアル位置センサユニット(14)の部分についても、同様にして、X軸方向およびY軸方向の機械的中心位置が求められる。
【0029】
ところが、上記のようにして機械的中心位置を求める場合、次のような問題がある。
【0030】
まず、各ラジアル磁気軸受(4)(5)の1つの電磁石(17)(18)にだけ急激に励磁電流を供給して、回転体(2)をその電磁石(17)(18)の方向に吸引するので、回転体(2)が保護軸受内輪(10b)(11b)に衝突し、このときに、大きな反動や振動が生じ、保護軸受(10)(11)を損傷するおそれがある。
【0031】
また、電磁石(17)(18)の励磁電流を急激に変化させるため、電磁石(17)(18)を駆動する電力増幅器の突入電流が大きくなり、電力増幅器の寿命が短くなるという問題がある。
【0032】
磁気軸受装置には、上記のように回転体が固定部分であるケーシングの内側で回転するインナロータ型のものと、回転体が固定部分の外側で回転するアウタロータ型のものとがあるが、アウタロータ型の磁気軸受装置の場合にも、上記と同様の問題がある。
【0033】
また、磁気軸受装置には、上記のように回転体が水平に支持される横型のものと、回転体が鉛直に支持される縦型のものとがあるが、縦型の磁気軸受装置の場合にも、上記と同様の問題がある。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、上記の問題を解決し、回転体の機械的中心位置を求める際の保護軸受に対する大きな反動や振動を防止して、保護軸受の損傷を防止でき、かつ電磁石を駆動する電力増幅器の長寿命化が可能な磁気軸受装置を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明による磁気軸受装置は、回転体を軸方向および径方向に非接触支持する複数の電磁石を有する複数組の磁気軸受、前記回転体の軸方向および径方向の位置を検出する複数の位置センサを有する位置検出手段、前記位置検出手段による位置の検出結果に基づいて前記各磁気軸受の電磁石を制御する電磁石制御手段、ならびに前記回転体の軸方向および径方向の可動範囲を規制してその可動範囲の極限位置において前記回転体を機械的に支持する転がり軸受よりなる保護軸受を備えている磁気軸受装置において、回転停止状態の前記回転体の周面の周方向の1箇所をこれに対向する前記保護軸受の周面の周方向の1箇所に接触させてこの接触点を前記保護軸受の周面の周方向に順次移動させる手段、この移動過程の複数の点において前記位置検出手段による位置の検出結果から前記回転体の中心の径方向の位置を検出する手段、および前記移動過程の各点における前記回転体の中心の径方向の位置の検出結果から前記保護軸受に対する前記回転体の径方向の機械的中心位置を演算する手段を備えていることを特徴とするものである。
【0036】
通常、磁気軸受には、回転体を軸方向に支持するアキシアル磁気軸受と、回転体を径方向に支持するラジアル磁気軸受とが含まれている。たとえば、径方向の機械的中心位置の検出は、回転体をアキシアル磁気軸受により軸方向の対センサ中心位置に支持した状態で行われる。
【0037】
保護軸受の周面に沿う回転体の移動範囲は、保護軸受の周面のほぼ全周にわたるのが望ましいが、保護軸受の周面の一部であってもよい。
【0038】
回転体を保護軸受の周面に接触させた状態で保護軸受の周方向に移動させると、回転体の中心は保護軸受の周面と同心の1つの円上を移動する。言いかえれば、回転体の中心は、径方向の機械的中心位置を中心とする円上を移動する。したがって、回転体の移動過程の各点における回転体の中心を通る円の中心を求めれば、それが径方向の機械的中心位置となる。
【0039】
回転体を保護軸受の周面に常に接触させた状態で、この接触点を保護軸受の周面の周方向に順次移動させるので、回転体が保護軸受に衝突することがない。したがって、保護軸受に大きな反動や振動が発生することがなく、保護軸受の損傷が防止される。
【0040】
また、従来のように電磁石の励磁電流を急激に変化させて回転体を極限位置に吸引するのではなく、電磁石の励磁電流を徐々に変化させて回転体を保護軸受の周面に沿って移動させればよいので、電磁石を駆動するための電力増幅器の突入電流を小さくすることができ、電力増幅器の長寿命化が可能である。
【0041】
さらに、回転体の移動過程の各点における回転体の中心の検出結果に基づいて、たとえば次のようにして、保護軸受の異常などを検出することもできる。
【0042】
回転体の移動過程の各点における回転体の中心を通る円の半径を求め、この半径が所定の値より小さいときは、回転体と保護軸受との間隙が異常に小さいと判断し、逆に、この半径が所定の値より大きいときは、保護軸受に過度の摩耗や損傷などの異常が生じていると判断する。また、回転体の移動過程の各点における回転体の中心の径方向の位置の検出値の中に、径方向の機械的中心位置からの距離が上記半径の値と異常に異なる点があるような場合も、保護軸受に異常があると判断することができる。
【0043】
たとえば、ラジアル磁気軸受の各電磁石に供給する励磁電流を適宜制御することにより、各電磁石の励磁電流をそれぞれ徐々に変化させて、回転体の周面を保護軸受の周面に接触させた状態でこの接触点を保護軸受の周面の周方向に順次移動させる。
【0044】
ラジアル磁気軸受が2つの制御軸方向に対向する2対の電磁石を備えている場合、たとえば、次のように各電磁石の励磁電流を制御する。まず、1番目の電磁石にのみ励磁電流を供給して、回転体を一方の制御軸方向の一方の極限位置に吸引する。次に、この1番目の電磁石の励磁電流を徐々に0まで減少させるとともに、隣の2番目の電磁石の励磁電流を徐々に増加させて、回転体を保護軸受の周面に沿って他方の制御軸方向の一方の極限位置まで移動させる。そして、この2番目の電磁石と隣の3番目の電磁石との間、この3番目の電磁石と隣の4番目の電磁石との間、この4番目の電磁石と最初の1番目の電磁石との間で、同様に励磁電流を制御する。これにより、回転体を保護軸受の周面に接触させた状態でこの周面に沿ってほぼ1周させることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明を図1〜図4に示すような横型の磁気軸受装置に適用した実施形態について説明する。
【0046】
この実施形態における磁気軸受装置の機械的構成は、図1〜図3に示すものと同様である。また、この実施形態における磁気軸受装置の電気的構成は図4に示すものとほぼ同様であるが、運転開始時に機械的中心位置を求めるときの磁気軸受制御装置(8)の動作は従来の場合と異なっている。
【0047】
次に、図6および図7を参照して、運転開始時に機械的中心を求める動作について説明する。図6は、従来例の図5に相当するものである。
【0048】
この場合も、従来例の場合と同様、磁気軸受装置の運転を開始する前は、磁気軸受(3)(4)(5)およびモータ(7)は駆動されておらず、回転体(2)は保護軸受(10)(11)の内輪(10b)(11b)に支持されて、停止している。そして、このような状態か ら、最初に、1対のアキシアル電磁石(16a)(16b)に互いに等しい励磁電流が供給され、これにより、回転体(2)は、径方向には保護軸受(10)(11)により機械的に 支持された状態で、軸方向にはアキシアル磁気軸受(3)により軸方向の対センサ 中心位置に支持される。
【0049】
次に、図6にT1として示すように、第2Y軸電磁石(17d)(18d)に一定の励磁 電流I1を供給する。これにより、回転体(2)はY軸負側に吸引され、保護軸受内輪(10b)(11b)の内周面の下側極限点Ymに接触して、Y軸負側の極限位置に保持 される。このとき、下側極限点Ymの近傍に接触して停止していた回転体(2)を電磁石(17d)(18d)により吸引してその点Ymに接触させるだけであるから、回転体(2)はほとんど動くことがなく、保護軸受(10)(11)に衝撃が加わることがない。次に、第2Y軸電磁石(17d)(18d)の励磁電流を段階的に徐々に減少させるとともに、その時計回り方向の隣にある第2X軸電磁石(17b)(18b)の励磁電流を0から段階的に徐々に増加させ、図6にT3として示すように、第2Y軸電磁石(17d)(18d)の励磁電流を0にすると同時に、第2X軸電磁石(17b)(18b)の励磁電流を最大 値I1にする。このように第2Y軸電磁石(17d)(18d)および第2X軸電磁石(17b)(18b)の励磁電流を変化させることにより、T1、T2およびT3に示すように、保護軸受(10b)(11b)の内周面に対する回転体(2)の接触点が下側極限点Ymから時計回り方向に左側極限点Xm側に徐々に移動し、T3においては、回転体(2)はX軸 負側に吸引され、左側極限点Xmに接触して、X軸負側の極限位置に保持される 。次に、第2X軸電磁石(17b)(18b)の励磁電流を段階的に徐々に減少させるとともに、その時計回り方向の隣にある第1Y軸電磁石(17c)(18c)の励磁電流を0から徐々に増加させ、図6にT5として示すように、第2X軸電磁石(17b)(18b)の 励磁電流を0にすると同時に、第1Y軸電磁石(17c)(18c)の励磁電流を最大値I2にし、T3、T4およびT5に示すように、回転体(2)を、保護軸受内輪(10b)(11b)の内周面に沿って、時計回り方向に、上側極限点Ypに接触するY軸正側の極限位置まで移動させる。次に、上記と同様に、第1Y軸電磁石(17c)(18c)およびその時計回り方向の隣にある第1X軸電磁石(17a)(18a)の励磁電流を変化させることにより、回転体(2)をY軸正側の極限位置から右側極限点Xpに接触するX軸正側の極限位置まで時計回り方向に移動させる。次に、上記と同様に、第1X軸電磁石(17a)(18a)およびその時計回り方向の隣にある第2Y軸電磁石(17b)(18b)の励磁電流を変化させることにより、回転体(2)をX軸正側の極限位置からY軸負 側の極限位置まで時計回り方向に移動させる。これにより、回転体(2)は、保護 軸受内輪(10b)(11b)の内側をその内周面に沿って時計回り方向に1周する。
【0050】
第1X軸電磁石(17a)(18a)、第2X軸電磁石(17b)(18b)および第2Y軸電磁石(17d)(18d)における励磁電流の増加および減少の変化パターンは同一であり、この変化パターンに回転体(2)に作用する重力に相当する分(図6に斜線を付して 示した部分)を加えたのが第1Y軸電磁石(17c)(18c)の励磁電流の変化パターンである。
【0051】
上記の回転体(2)の移動過程の複数の点において、位置検出装置(6)の出力から、回転体(2)の各ラジアル位置センサユニット(13)(14)の部分におけるX軸方向 およびY軸方向の位置を求め、記憶する。
【0052】
このようにして回転体(2)の移動過程の各点における回転体(2)の位置の検出が終わると、これらの検出結果より、各ラジアル位置センサユニット(13)(14)の部分における径方向の機械的中心位置が求められる。
【0053】
上記のように、回転体(2)を保護軸受内輪(10b)(11b)の内周面の1箇所に接触 させた状態でこの内周面の周方向に移動させると、回転体(2)の中心(A)は、径方向の機械的中心位置O2を中心とする円上を移動する。したがって、回転体(2)の移動過程の各点における回転体(2)の中心(A)を通る円の中心を求めれば、それが径方向の機械的中心位置O2となる。
【0054】
図7は、後側のラジアル位置センサユニット(14)の部分における回転体(2)の 位置の検出結果を対センサ中心位置O1を原点とするX−Y座標で示している。 そして、このような検出結果から、たとえば、最小2乗法によって、回転体(2) の中心(A)を通る円(C)とその中心が求められ、この円(C)の中心が後側のラジア ル位置センサユニット(14)の部分における径方向の機械的中心位置O2となる。 これと同時に、回転体(2)の中心(A)を通る円(C)のX軸方向の半径RxとY軸方向の半径Ryも求められる。前側のラジアル位置センサユニット(13)の部分につい ても、同様である。
【0055】
上記のように径方向の機械的中心位置を求めた後に、次のように、保護軸受(10)(11)の異常の検出が行われる。
【0056】
たとえば、上記のようにして求めた回転体(2)の中心(A)を通る円(C)の半径Rx、Ryが所定の値より小さいときは、回転体(2)と保護軸受(10)(11)との間隙が異常に小さいと判断する。逆に、この半径Rx、Ryが所定の値より大きいときは、保護軸受(10)(11)に過度の摩耗や損傷などの異常が生じていると判断する。また、回転体(2)の移動過程の各点における回転体(1)の中心(A)の検出値の中に、径 方向の機械的中心位置O2からの距離が半径Rx、Ryの値と異常に異なる点があ るような場合も、保護軸受(10)(11)に異常があると判断する。
【0057】
このような異常が検出された場合は、警報を発し、磁気軸受装置を起動させない。
【0058】
径方向の機械的中心位置を求める際に、回転体(2)を保護軸受(10)(11)の内輪(10b)(11b)の内周面に常に接触させた状態で、この接触点を保護軸受内輪(10b)(11b)の内周面の周方向に順次移動させるので、回転体(2)が保護軸受内輪(10b)(11b)に衝突することがない。したがって、保護軸受(10)(11)に大きな反動や振動が発生することがなく、保護軸受(10)(11)の損傷が防止される。また、従来のように電磁石(16)(17)(18)の励磁電流を急激に変化させて回転体(2)を極限位置に吸 引するのではなく、電磁石(16)(17)(18)の励磁電流を徐々に変化させて回転体(2)を保護軸受内輪(10b)(11b)の内周面に沿って移動させるので、電磁石(16)(17)(18)を駆動するための電力増幅器の突入電流を小さくすることができ、電力増幅 器の長寿命化が可能である。
【0059】
上記のように径方向の機械的中心位置が求められて、しかも異常がない場合は、求められた径方向の機械的中心位置を目標位置として、ラジアル磁気軸受(4)(5)の各電磁石(17)(18)の励磁電流を制御し、回転体(2)を径方向にも非接触支持 する。そして、このような状態で、従来と同様に、軸方向の機械的中心位置が求められる。たとえば、第2アキシアル電磁石(16b)の励磁電流を0にして、第1 アキシアル磁気軸受(16a)により回転体(2)をZ軸正側の極限位置に吸引し、回転体(2)のZ軸方向の位置を求める。次に、第1アキシアル電磁石(16a)の励磁電流を0にすると同時に、第2アキシアル電磁石(16b)に一定の励磁電流を供給して 、第2アキシアル磁気軸受(16b)により回転体(2)をZ軸負側の極限位置に吸引し、回転体(2)のZ軸方向の位置を求める。そして、両極限位置における回転体(2)のZ軸方向の位置の中点を求め、これを軸方向の機械的中心位置とする。
【0060】
この場合にも、両極限位置における回転体(2)のZ軸方向の位置より、保護軸 受(10)の異常などを検出することができる。すなわち、両極限位置における回転体(2)のZ軸方向の位置の差が所定の値より小さいときは、回転体(2)と保護軸受(10)との軸方向の間隙が異常に小さいと判断し、逆に、この差が所定の値より大きいときは、保護軸受(10)に過度の摩耗や損傷などの異常が生じていると判断する。
【0061】
このような異常が検出された場合も、警報を発し、磁気軸受装置を起動させない。
【0062】
上記のように軸方向の機械的中心位置が求められて、しかも異常がない場合は、求められた軸方向の機械的中心位置を目標位置とし、アキシアル磁気軸受(3) の各電磁石(12)の励磁電流を制御する。これにより、回転体(2)は機械的中心位 置に非接触支持される。
【0063】
この実施形態のような横型の磁気軸受装置の場合、回転体(2)には重力が下向 き(Y軸負側向き)に作用する。このため、径方向の機械的中心位置O2を求め る過程において、回転体(2)を下側(Y軸負側)の極限位置に位置させた状態で は、回転体(2)が保護軸受(10)(11)に及ぼすY軸方向の下向きの力は電磁石(17d)(18d)の磁気吸引力より重力分だけ大きくなり、回転体(2)を上側(Y軸正側)の極限位置に位置させた状態では、回転体(2)が保護軸受(10)(11)に及ぼすY軸方 向の上向きの力は電磁石(17c)(18c)の磁気吸引力より重力分だけ小さくなる。したがって、上記2つの状態における電磁石(17d)(18d)(17c)(18c)の励磁電流を等しくしたとすれば、上下の極限位置において回転体(2)が保護軸受(10)(11)に及 ぼすY軸方向の力に大きな差が生じ、その結果、保護軸受(10)(11)の径方向の変形量に差が生じる。このため、機械的中心位置O2の検出に誤差が生じる。
【0064】
これに対し、上記の磁気軸受装置では、第1Y軸電磁石(17c)(18c)の励磁電流を、残りのものに対して、回転体(2)に作用する重力分だけ大きくしているので 、上記のような問題は生じない。
【0065】
なお、前記の図5の従来の方法においても、第2Y軸電磁石(17c)(18c)の励磁電流を、図に破線で示すように、回転体(2)に作用する重力分だけ大きい値I2にすることにより、上記のような問題をなくすことができる。
【0066】
上記のように回転体(2)が磁気軸受(3)(4)(5)によって機械的中心位置に非接触支持された状態で、モータ(7)を駆動させることにより、回転体(2)を回転させることができ、モータ(7)の駆動を停止することにより、回転体(2)の回転を停止させることができる。そして、回転体(2)の回転が停止した後、磁気軸受(3)(4)(5)の駆動を停止して、各電磁石(16)(17)(18)の励磁電流を0にすることにより、磁気軸受(3)(4)(5)による支持がなくなり、回転体(2)は保護軸受(10)(11)によって支持される。また、このように保護軸受(10)(11)により支持されて、停止している回転体(2)を非接触支持して回転させるときには、最初に求めた機械的中心位 置を目標位置として、磁気軸受(3)(4)(5)の制御が行われる。
【0067】
上記のように回転体(2)の回転を停止してからこれを保護軸受(10)(11)で支持 する場合、保護軸受(10)(11)には摩耗や損傷は生じない。
【0068】
ところが、使用上のミスや制御系の異常などにより、高速回転中の回転体(2) が保護軸受(10)(11)の内輪(16b)(17b)に接触することがある。また、回転体(2) の回転中に停電などにより磁気軸受(3)(4)(5)およびモータ(7)への給電が停止したような場合にも、高速回転している回転体(2)が保護軸受(10)(11)で受けられ て、徐々に減速し、やがて回転を停止する。このような場合、保護軸受(10)(11)の内輪(16b)(17b)は高速で回転している回転体(2)に接触して、高速で回転し、 しかも回転体(2)から大きな力を受けるため、保護軸受(10)(11)の摩耗が大きく 、損傷のおそれもある。
【0069】
このため、上記の磁気軸受装置では、回転を停止して保護軸受(10)(11)により支持されていた回転体(2)を再び磁気軸受(3)(4)(5)により支持して回転させるときには、その前に、保護軸受(10)(11)の異常検出を行っている。これは、前に説明した径方向の機械的中心位置を求めた後の異常検出とほぼ同様である。すなわち、まず、回転体(2)をアキシアル磁気軸受(3)で最初に求められている軸方向の機械的中心位置に支持し、前に説明した保護軸受(10)(11)の径方向についての異常検出を行う。その結果、異常がなければ、回転体(2)をラジアル磁気軸受(4)(5)で最初に求められている径方向の機械的中心位置に支持し、前に説明した保護 軸受(10)(11)の軸方向についての異常検出を行う。そして、いずれについても異常がない場合のみ、回転体(2)を最初に求められている機械的中心位置に非接触 支持して、回転させる。
【0070】
なお、磁気軸受装置を最初に起動するときでなくても、必要に応じ、改めて前記のように機械的中心位置を求めることもできる。
【0071】
上記実施形態には、インナロータ型の磁気軸受装置を示したが、この発明はアウタロータ型の磁気軸受装置にも適用できる。
【0072】
また、上記実施形態には、横型の磁気軸受装置を示したが、この発明は縦型の磁気軸受装置にも適用できる。縦型の磁気軸受装置の場合、ラジアル制御軸であるX軸およびY軸は水平に配置され、アキシアル制御軸であるZ軸は鉛直に配置される。したがって、径方向の機械的中心位置を求めるときに、回転体に作用する重力を考慮する必要がなく、ラジアル磁気軸受の電磁石の励磁電流に前記のような差を設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明が適用される磁気軸受装置の主要部の構成を示す一部切欠き斜視図である。
【図2】図2は、同縦断面図である。
【図3】図3は、同横断面図である。
【図4】図4は、図1の磁気軸受装置の電気的構成の1例を示すブロック図である。
【図5】図5は、磁気軸受装置の径方向の機械的中心位置を求める従来の方法を示す説明図である。
【図6】図6は、磁気軸受装置の径方向の機械的中心位置を求めるこの発明による方法の1例を示す説明図である。
【図7】図7は、図6の方法における磁気軸受装置の対センサ中心位置、回転体を保護軸受の内輪の内周面に沿って移動させる移動過程の各点において検出された回転体の中心の位置およびこれらから求められた径方向の機械的中心位置を示す説明図である。
【符号の説明】
(2) 回転体
(3) アキシアル磁気軸受
(4)(5) ラジアル磁気軸受
(6) 位置検出装置
(8) 電磁石制御装置
(10)(11) 保護軸受
(10a)(11a) 外輪
(10b)(11b) 内輪
(12) アキシアル位置センサ
(16a)(16b) アキシアル電磁石
(17a)(17b)(17c)(17d) ラジアル電磁石
(18a)(18b)(18c)(18d) ラジアル電磁石
(19a)(19b)(19c)(19d) ラジアル位置センサ
(20a)(20b)(20c)(20d) ラジアル位置センサ

Claims (1)

  1. 回転体を軸方向および径方向に非接触支持する複数の電磁石を有する複数組の磁気軸受、前記回転体の軸方向および径方向の位置を検出する複数の位置センサを有する位置検出手段、前記位置検出手段による位置の検出結果に基づいて前記各磁気軸受の電磁石を制御する電磁石制御手段、ならびに前記回転体の軸方向および径方向の可動範囲を規制してその可動範囲の極限位置において前記回転体を機械的に支持する転がり軸受よりなる保護軸受を備えている磁気軸受装置において、
    回転停止状態の前記回転体の周面の周方向の1箇所をこれに対向する前記保護軸受の周面の周方向の1箇所に接触させてこの接触点を前記保護軸受の周面の周方向に順次移動させる手段、この移動過程の複数の点において前記位置検出手段による位置の検出結果から前記回転体の中心の径方向の位置を検出する手段、および前記移動過程の各点における前記回転体の中心の径方向の位置の検出結果から前記保護軸受に対する前記回転体の径方向の機械的中心位置を演算する手段を備えていることを特徴とする磁気軸受装置。
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