JP3737068B2 - 最適質問提示方法及び最適質問提示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータを利用した教育システムにおいて、受講者が質問をしやすくするように、あらかじめ用意した質問文を受講者に提示する質問提示方法に関する。
また、本発明は、この最適質問提示方法を実行する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータを利用した教育システムがある。この教育システムは、教育センタのホストコンピュータと複数の受講者端末とが、インターネットなどの通信網により接続されて構成される。
この教育システムにおいては、教育センタから通信網を介して受講者端末に対して教材が単元ごとに送信される。受講者は、受信した教材により学習を進める。この教育システムにおいては、受講者は、質問があれば、教育センタに質問を受講者端末から送信する。
【0003】
上記教育システムでは、受講者が質問をしたいことを講師に正確に伝えるのが困難であるという問題がある。
講師が複数の受講者と対面して行う集合教育では、質問内容が不明確であっても、講師は質問者と対話を進める中で質問の意図を把握することができる。したがって、受講者は、意図した回答を得ることができる。
【0004】
これに対して、上記コンピュータを利用した教育システムでは、受講者と講師の間で対話を進めながら質問をすることが困難である。このため、教育センタが、あらかじめ予想される質問(FAQ:Frequently Asked Question)について質問文及びその回答文を用意しておき、受講者にFAQ質問文を提示することが行われている。
【0005】
受講者は、質問をするときは、教育センタが用意した多数のFAQ質問文を検索することにより、自分の疑問に合致した質問文を取得する。そして、これを教育センタに送信をする。これに対して、教育センタでは、質問文に対する回答文を自動的に抽出して、受講者端末に対して送信する。これにより、質問者は、疑問点を正確に教育センタに伝え、意図する回答を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、FAQ質問文の検索は、キーワードを用いて行われる。しかしながら、受講により知識を習得途中の受講者にとっては、的確なキーワードを選択することが困難である。このため、受講者は、適切なキーワードを選択できずに、検索をしてもノイズばかりを拾ってしまって、意図する質問文になかなか近づくことができないという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、利用者からの質問を受け付けるホストコンピュータの質問提示方法において、その利用者に最適な質問文を提示できるようにすることにある。
また、本発明の目的は、最適質問を提示できる装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものである。本発明においては、利用者からの質問を受け付けるホストコンピュータは、受講者端末からの質問探索依頼情報を受信すると、質問と、該質問が適する受講者レベルである質問レベルと、を格納した質問記憶手段を参照し、前記質問レベルと前記受講者の受講者レベルとの差異の順番に前記質問を並び替える。この並び替えられた質問を、前記受講者端末に送信する。
【0009】
本発明によれば、質問文の検索時に、利用者のレベルに合った質問文が優先して提示される。したがって、未だ知識が乏しい利用者であっても、自分が意図した質問を記述した質問文を速やかに得ることができる。これにより、利用者は、意図どおりの回答を迅速・的確に得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。
図1は、本発明の最適化質問提示方法を実行する教育システムの構成図である。
教育センタ2にホストコンピュータとなる受講者管理部21が配置される。
受講者管理部21には、複数の受講者端末PC1〜PCnが通信網1を介して接続される。
【0011】
受講者管理部21は、教材DB31(「データベース」は「DB」と略す。)、FAQ−DB32、教材単位・FAQ関係テーブル33、受講履歴DB34、受講者レベルDB35を具備する。さらに、受講中教材単位テーブル22、FAQ候補テーブル23を具備する。各DB、テーブルの内容については後述する。
受講者端末PC1〜PCnはパーソナルコンピュータにより構成される。
通信網1は、インターネット、LAN、専用回線などにより構成される。
【0012】
図2、図3、図4を用いて、教育システムにおける、教育コース及び教材について説明する。
教育コース及び教材は、最上位の分類として、「ネットワーク」、「OS」、「リテラシー」といったカテゴリで分類される。
図2は、カテゴリ「ネットワーク」の構造を示す。
【0013】
カテゴリは、更に、「ネットワーク標準」「LAN」といった教育系列に分類される。
教育系列は、更に、「ネットワーク標準入門(レベル1)」〜「ネットワーク標準上級II(レベル5)」、「LAN初級(レベル1)」〜(LANプロII(レベル5)」といった教育コースに分類される。
【0014】
各教育コースは、レベル1、レベル2、レベル3というように、レベル付けされる。この数字は大きいほど高いレベルを示す。このレベルは、受講者のレベルに合わされている。
図3に示すように、1つの教育コースは、複数の教材単位を含む。図示の例では、「ネットワーク標準中級」という教育コースが、複数の教材単位1〜nを含んでいることを示している。
【0015】
各教材単位は、図1の教材DB31に記憶される。
図4に教材DB31のデータレイアウトを示す。教材DB31には多数の教材単位が記録されるが、図には、1つの教材単位の構造のみを示している。
教材単位には、固有の番号「教材単位番号」が付され、教材単位が属する「カテゴリ」及び「教育コース」、教材単位の内容である「教材単位のエンティティ」が記録されている。
「レベル」に教育コースのレベル値が記録される。図示の教育コース「ネットワーク標準中級I」は、図2で説明したように、レベル2である。
【0016】
さらに、その教材単位を受講することにより習得されるキーワード(習得キーワード)と、その教材単位を受講する前に習得済みであるキーワード(前提キーワード)とが記録される。習得キーワードと前提キーワードの利用方法については後述する。
【0017】
教育センタ2は、あらかじめ予想される質問(FAQ)の質問文及びその回答文を作成しておき、FAQ−DB32に記録しておく。
図5は、FAQ−DB32の内容を示す。
FAQ−DB32は多数のFAQを記録しているが、図では、1つのFAQのみを示している。
各FAQに固有の番号「FAQ番号」が付される。
FAQは、カテゴリごとに作成され、その「カテゴリ」に名称「ネットワーク」が記録される。
【0018】
「受講者レベルごとのFAQ有効数累計」が表示される。この数値は、以下のようにして求められる。
FAQ−DB32の創成時には、FAQ−DB32の作成者が最適であると思う受講者レベルに数値1を入れ、他は数値0にしておく。また、教育システムの運用が開始された後は、FAQ有効数累計は、FAQを利用した受講者のレベルに応じて、以下のように動的に変更されていく。
【0019】
受講者は、受講を開始した後、質問があれば、FAQ検索により、質問をしたいことを正確に表現した質問文を取得する。受講者は、その質問文が自分にとって有効であったか否かを判定して、教育センタ2に通知をする。
FAQが有効であるとされれば、FAQ−DB32のFAQ有効数累計の、有効であるとした受講者のレベルに1が加算される。
【0020】
多数の受講者がFAQ検索を行うことにより、「受講者レベルごとのFAQ有効数累計」には、受講者のレベルごとの有効数が累積されていく。したがって、この項目を見ることにより、そのFAQがどの受講者レベルに最適であるかを確認できる。
【0021】
FAQ−DB32には、質問文の内容とその質問文に対する回答文の内容が「質問文」「回答文」に記録される。
質問文と回答文から抽出されたキーワードが、それぞれ、「質問文キーワード」「回答文キーワード」に記録される。
【0022】
図6のフローチャートを用いて、図1の教育システムにおける受講者管理部21の概略の動作を説明する。
ここで、上述の教材DB31、FAQ−DB32は作成済みである。
教材DB31、FAQ−DB32を用いて、教材単位・FAQ関係テーブル33が作成される(A1)。教材単位・FAQ関係テーブル33は、教材単位とFAQとのキーワードの一致度を調べ、教材単位ごとに、一致度の高いFAQが順に並べられたものである。
【0023】
受講者から受講開始依頼を受信する(A2)と、受講者のレベルを判定する(A3)。この判定された受講者のレベルとFAQのレベルを対比することにより、受講者に適したFAQが提示されることになる。
教材を受講者端末PCに送信する(A4)。受講者は、受信した教材を用いて受講を開始する。
【0024】
受講者が質問をするときFAQ検索依頼を送信する。これを受信する(A5)と、FAQ質問文選択画面を作成し、受講者に提示する(A6)。
この画面には、質問をする受講者に適していると考えられる順にFAQ質問文が表示される。そのため、受講者のレベルとFAQのレベルの一致度、受講者の習得キーワードとFAQのキーワードとの不一致度、受講中の教材単位とFAQのキーワードの一致度に基づいて、FAQの順位が決められる。したがって、受講者は、最適な質問文に迅速に到達することができる。
【0025】
受講者が複数の質問文の中から自分の疑問に合致した質問文を選択すると、受講者管理部21は、選択した質問文を受信し、質問文に対する回答文を受講者に送信する(A7)。
回答文を得た受講者が回答文が有効であったか否かを判定し、受講者管理部21は、その評価を受信する(A8)。
【0026】
受講者が回答に満足をしない場合は、A5に戻り、再度FAQ検索依頼を受信する。受講者が回答に満足した場合は、その教材単位を終了する。このとき、受講者レベルDB34と受講者履歴DB35が更新される(A9)。これらのDB34、35の更新により、次の教材単位の受講においてFAQ質問文選択画面に表示されるFAQの表示順位が、受講者の学習進捗状況に応じて変更されることになる。
その後、受講者が次の受講に進む場合はステップA2に戻り、すべての教材の受講が終了していれば、図6の処理を終了する。
【0027】
次に、受講者管理部21の動作を詳細に説明する。
図7のフローチャートを用いて、図6のステップA1の、教材単位・FAQ関係テーブル33作成の処理を説明する。
最初に、作成者が、教材単位・FAQ関係テーブル33を作成(創成)する(S1)。
【0028】
図8に教材単位・FAQ関係テーブル33のデータレイアウトを示す。
このテーブルは、教材単位番号(図4)ごとに、各FAQに順位がつけられ、その順位に従って、FAQ番号が並べられる。順位は、各FAQのp値により決まる。このp値は、ステップS2以下の処理でカウントされる値で、教材単位のキーワードとFAQのキーワードとが一致する数を表す。したがって、p値が大きいほど、教材単位とFAQの関係が大きいことになる。なお、p値は、創成時には、ブランクとされる。
【0029】
ステップS2からステップS216までを繰り返すことにより、教材DB31(図4)に記録された教材単位のすべてについて、FAQのp値の計算と、p値によるFAQの並び替えの処理がされる。
教材単位番号(図4)が変数iで表され、ステップS216からステップS2に戻る都度、変数iは1ずつインクリメントされる。これにより、変数iは、1からm(教材単位の全数)までの値をとる。
【0030】
ステップS3で、教材DB31から1件の教材単位(i)が読み込まれる。V(j)を0にリセットする(S4)。V(j)は、前述のFAQの数値pを求めるための関数である。
V(j)をリセットすると、1教材単位に対して、ステップS5からステップS215までが繰り返されて、全FAQの順位を決める処理が行われる。FAQ番号(図5)は変数jで表され、ステップS215からステップS2に戻る都度、1ずつインクリメントされる。これにより、変数jは、1からn(FAQの全数)までの値を取る。
【0031】
ステップS6で、FAQ−DB32から、1件のFAQ(j)を読み込む。
ステップS7で、ステップS3で読み込んだ教材単位のキーワード(図4)とステップS6で読み込んだFAQのキーワード(図5)とを対照し、一致するキーワードをカウントする。その結果のV(j)がFAQ(j)のp値となる。
【0032】
ステップS8で、教材単位・FAQ関係テーブル33(図8)から、要素TF(i,1)〜TF(i,n)を読み込む。ここで、TF(i,j)はテーブル33の要素である。iについてはステップS2で説明済みであり、jについてはステップS5で説明済みである。ステップS8で読み込まれるのは、i番目の教材単位の、1〜nのFAQである。
【0033】
教材単位・FAQ関係テーブル33の創成時(S1)には、全要素TFのp値はブランクであるが、図7の処理が進むにつれて、各FAQのp値がカウントされ、テーブル33に記録されていく。図8の例であれば、教材単位番号i=276について、FAQ番号125、138……が記録されている。
【0034】
ステップS9からステップS214までの処理を繰り返すことにより、ステップS6で、FAQ−DB32から読み込んでp値をカウントしたFAQの順位(教材単位・FAQ関係テーブル33に書き込む位置)が決められる。
各要素TFのp値が、V(k)で表される。ステップS214からS9に戻る都度、変数kは、1ずつインクリメントされ、1〜n(FAQの全数)までの値をとる。
【0035】
p>V(k)であるか否かが判定される(S10)。pは、ステップS7で今回カウントした値である。V(k)は、ステップS8で教材単位・FAQ関係テーブル33から読み出したk番目のFAQのp値の値である。ステップS10でNoであれば、S9へ戻り、kがインクリメントされていく。
【0036】
p>V(k)となる(S10のYes)と、k番目以降のFAQ番号は、それぞれ1つずつ(k+1)ずらされる(図8の右方向へずらされる)。そして、今回のFAQ番号jがk番目に決められ(ステップS212)、その結果が教材単位・FAQ関係テーブル書き込まれる(ステップS213)。
ステップS9〜S214の処理が繰り返されることにより、ステップS6でFAQ−DB32から読み込まれた1件のFAQの順位が決められ、教材単位・FAQ関係テーブル33の所定の順位に記録される。
【0037】
ステップS5からステップS215の処理が繰り返されることにより、ステップS3で教材DB31から読み込まれた1件の教材単位について、全てのFAQの教材単位・FAQ関係テーブル33での順位が決定される。
ステップS2からステップ216の処理が繰り返されることにより、全教材単位について、教材単位・FAQ関係テーブル33が完成する。
【0038】
このようにして作成された教材単位・FAQ関係テーブル33では、受講者が受講する教材単位に対する関連が高い順にFAQが並べられる。このテーブル33を使用することにより、受講者の疑問に適合したFAQを順に提示することができる。使用方法については後で説明される。
【0039】
図9及び図10のフローチャートが一体となって、図6のステップA2〜A9の受講処理の詳細を示す。
ステップS11〜S17により、受講者のレベルを設定する。
受講者は、コースの受講を開始すると、教育センタ2に受講開始通知をする。
【0040】
受講者管理部21は、受講者から受講開始通知を受信すると(S11)、教材DB31(図4)から、受講を開始する教育コースが属するカテゴリの全ての教育系列と教育コースの名称を読み込む(S12)。そして、受講を開始する教育コースが属する教育系列をCs、カテゴリをCaとする(S13)。
【0041】
次に、受講履歴DB34から、この受講者の全ての受講履歴を読み込む(S14)。
図11に、受講者履歴DB34のデータレイアウトを示す。
ここには、受講者名ごとに、「受講済教材コース名」「受講終了日」「教育コースレベル」が記録される。
【0042】
受講者管理部21は、教育系列Cs内に受講済みの教育コースがあるか否かを判定する(S15)。ある場合には、教育系列Cs内の受講済み教育コース内の、最もレベルが高いものを、その受講者のレベルとして、受講者レベルDB35に書き込む(S17)。
後で説明するように、受講者がFAQ検索をするとき、受講者のレベルに適合したレベルのFAQが優先的に、受講者に表示されることになる。
【0043】
図12は、受講者レベルDB35のデータレイアウトを示す。
受講者レベルDB35は、「受講者名」、「受講者レベル」、「既得キーワード」、「最終アクセス日付」から構成される。受講者レベルDB35は、教材単位の受講が終了した時に更新される。
【0044】
一方、教育系列Cs内に受講済みの教育コースがない場合(具体例は後述する)には、カテゴリCa内に、受講済み教育系列数があるか否かを確認する。次に、受講済みの教育系列の数が、カテゴリCa内の全教育系列数に対する割合を調べる。
【0045】
ここで、受講済みの数が全体の数に対して、一定の割合以下であれば、その教育系列における受講者レベルを「0」に設定する。一定の割合以上、例えば過半数を超えていれば、受講済み各教育系列の最高レベルをとり、それらの平均値をその受講者の受講者レベルとして、受講者レベルDBに書き込む(S16)。
【0046】
図13を用いて、受講を開始する教育系列Csに受講済みコースがない場合の受講者レベルの具体例を示す。
受講者が、カテゴリCa:「ネットワーク」の教育系列Cs:「ネットワーク標準」の教育コースを受講開始するものとする。
図13のカテゴリCa:「ネットワーク」の中には、教育系列:「ネットワーク標準」のほかに、「LAN」「WAN」「ネットワーク関係ハード機器」「通信技術」が含まれている。
【0047】
受講者は、教育系列「ネットワーク標準」「通信技術」については受講歴がなく、「LAN」「WAN」「ネットワーク関係ハード機器」については、受講済みである。このの場合、カテゴリCa中の過半数の教育系列を受講済みであるので、受講済みの教育系列のレベルを調べる。
【0048】
ここで、教育系列「LAN」でレベル3が、「WAN」でレベル2が、「ネットワーク関係ハード機器」でレベル2が、それぞれ最高レベルであるので、それらの平均値は、2.33となり、端数を切り捨てて、レベル2と設定される。
【0049】
受講者レベルが設定されると、受講者管理部21は、教材DB31(図4)から、教材単位ごとに教材を抽出して、受講者に提供をする(S18)。提供した教材は、受講中教材テーブル22に記録される。
図14は受講中教材テーブル22のデータレイアウトを示す。
ここには、受講者名ごとに現在受講中の教材単位番号が記録される。受講者の受講が進むたびに、テーブル22の内容は更新される。
【0050】
受講者は、教材単位を受信すると、順次、教材単位ごとに受講を進めて行く。
図15は受講画面を示す。
図示の例では、教材単位「MACアドレス」の説明文が表示される。
画面の下部に、次の教材に進むための「次へ」ボタン、受講者から質問をするための「質問文作成」ボタンと「FAQ探索依頼」ボタンが設けられている。
【0051】
受講者は、質問がある場合、教育センタ2に通知をする。
受講者が質問文を自分で作成するときは、「質問文作成」ボタンを押下げ、画面の案内に従って、質問文を作成して教育選択1へ送信する。なお、質問文作成については、従来のものと変わらないので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0052】
受講者は、あらかじめ教育センタ2側が用意した質問文からFAQを選択したい場合は、画面の「FAQ探索依頼」ボタンを押し下げる。
受講者管理部21は、FAQ探索依頼を受け付けると、質問文選択画面を作成して受講者に送信し、受講者が質問文を選択すると、その回答処理をする(S19)。ステップS19の処理の詳細については、図16及び図17を用いて後で詳細に説明をする。
【0053】
ステップS19の処理が終了すると、1つの教材単位の受講が終了する。すると、受講者管理部21は、受講終了した教材単位について、教材DB31(図4)からキーワードを抽出して、受講者レベルDB35(図12)の既得キーワードに追加する。これにより、受講者の習得キーワードが増加し、後述するように、次回の受講において受講者に提示される質問文選択画面が変化する。つまり、受講者が習得済みの質問文は、表示の順位が下げられる。
【0054】
受講者レベルDB35では、更に、現在の日付けが記入する(S20)。なお、追加しようとするキーワードが既にDB35に記録されている場合は、最終アクセス時期の日付けだけを更新する。この日付があまり古くなった場合は、後述のように、そのキーワードは受講者の習得キーワードから除外される。
【0055】
次に、受講終了した教材単位がその教育コースにおける最終教材単位か否かを判定する(S21)。最終教材単位でなければ、ステップS18へ戻り、次の教材単位を受講者に提供する。受講者は、受信した次の教材単位に進む。
最終教材単位であれば(ステップS21のYes)、受講者履歴DB34(図11)に記録をして、その受講教育コースを受講済みにする(S22)。
その後は、受講者から受講開始通知を受信するのを待つ。
【0056】
図16及び図17は、一体となって、図10のステップS19の、質問文選択画面の作成及びFAQ回答の処理を示す。
受講者管理部21は、受講者からFAQ検索の依頼を受けると、(S31)、受講中教材単位テーブル22(図14)から、現在の教材単位番号iを得る(S32)。次に受講者レベルDB35(図12)から、受講者のレベルを読み込む(S33)。
【0057】
受講者レベルDB35(図12)から得た「既得キーワード」の中から、最終アクセス時期が設定された期間を過ぎたものを除いた集合GKWを作成する(S34)。この処理により、キーワードを取得してから期間が経過しすぎて、受講者が忘れていると思われるキーワードが集合GKWから除外される。
【0058】
次に、教材単位・FAQ関係テーブル33(図8)の中から、現在受講中の教材単位番号の行を読み込み、FAQ候補テーブル23に転記する。
図18は、FAQ候補テーブル23のデータレイアウトを示す。
図示上から下に向かって、教材単位・FAQ関係テーブル23の順位に従ってFAQ番号が並べられる。
【0059】
教材単位・FAQ関係テーブル33(図8)上のFAQ番号の順位(列番号に相当)を、FAQ候補テーブル23の順位欄に記録する(S35)。
FAQ候補テーブル23の各行(FAQ)ごとに、FAQ−DB32(図5)からFAQのキーワードを読み込む。FAQのキーワードの集合と、ステップS34で作成したGKWの差集合を作成する。その差集合のメンバーの数をテーブル23の「キーワード差異」に記録する(S36)。
【0060】
この「キーワード差異」の値が大きいことは、受講者が既得のキーワードとそのFAQのキーワードとが一致しない数が大きいことを示す。つまり、そのFAQは受講者が知らないことを多く含んでいることを示すので、数値が大きいほど、そのFAQは受講者に適しているといえる。
【0061】
FAQ−DB32(図5)を参照し、そのFAQの「受講者レベルごとのFAQ有効数累計」の中の最大のレベル値を示すレベルを、このFAQの適合レベルとして、FAQ候補テーブル23の「レベル」に記録する(S37)。
受講者レベルDB35(図12)上の受講者レベルとFAQ候補テーブル23(図18)上のFAQのレベルとの差Dをとる。差Dの絶対値をFAQ候補テーブル23の「レベル差異」に記録する(S38)。
図19に、レベル差異の計算例を示す。
【0062】
そして、FAQ候補テーブル23(図18)をソートする(S39)。
ソートのキーは、第1キーが「レベル差異」(昇順)、第2キーが「キーワード差異」(降順)、第3キーが「順位」(昇順)である。
図20は、図18のテーブルをソートした後の状態を示す。ソート後の内容が、FAQ候補テーブル23に記録される。
【0063】
以上説明したように作成した図18のFAQ候補テーブル23では、レベル差異が小さいFAQが上位になる順番でFAQが並べられる。つまり、実際の受講者のレベルと、FAQが有効だと想定した受講者レベルとが、近いもの程上位になる。
【0064】
レベル差異が同じであれば、キーワード差異が大きいFAQが上位になる順番でFAQが並べられることになる。つまり、受講者が取得済みでないキーワードを多く含んだFAQ程上位になる。
キーワード差異が同じであれば、順位が高いFAQが上位になる順番で並べられる。つまり、受講中の教材単位とキーワードが一致するほど、FAQの順番が上位になる。
【0065】
FAQ−DB32(図5)から抽出したFAQの質問文を、ソート後のFAQ候補テーブル23(図20)に記録した順番で並び替えてFAQ質問文選択画面を作成し、受講者に送信する(S40)。
図21は、FAQ質問文選択画面を示す。ここには、受講者に対する案内と、それに続いて、順番に並べられたFAQの質問文が表示される。更に、画面下部には、「質問文作成」ボタンが表示される。
受講者は、FAQ質問文中に希望の質問文を発見できない場合は、「質問文作成」ボタンをクリックする。このときの処理は、前述の図15のときと同様である。
【0066】
受講者は、画面上で適当なFAQ質問文を発見すると、その番号を選択しクリックする。このとき、FAQ質問文は、受講者のレベル及び受講履歴に対応して、最適なものから順番に表示されるので、受講者は、希望のFAQの質問文に迅速に到達することができる。
【0067】
受講者管理部21は、受講者が選択したFAQの質問文を受信すると(S41)、FAQ−DB32(図5)から質問文に対応する回答文を抽出して、回答文表示用の画面と共に、受講者に送信する(S42)。
図22はFAQ回答画面を示す。
FAQ回答画面には、受講者が選択した質問文と、それに対する回答文が表示される。更に、画面下部には、「有効、継続」「有効、検索終了」「無効、検索継続」「無効、検索終了」のボタンが表示される。
【0068】
受講者は、FAQ回答文を検討すると、その回答文が自分にとって有効であるか否かを判定し、その結果を回答文用画面を利用して入力する。FAQ回答が受講者にとって役にたった場合には、「有効、継続」又は「有効、検索終了」ボタンを押下する。役に立たなかった場合には、「無効、検索継続」又は「無効、検索終了」ボタンを押下する。
【0069】
受講者管理部21は、受講者によるボタンの押下を受信すると(S43)、それが「有効」であるか否かを判定する(S44)。有効であれば、FAQ−DB32の、「受講者レベルごとのFAQ有効数累計」の該当レベルに1を加算して(S45)、ステップS46へ進む。
押し下げボタンが有効でない場合(ステップS44のNo)もステップ46へ進む。
【0070】
ステップS45で、受講者レベルごとにFAQ有効数が加算されていくことにより、FAQが最適とされる受講者レベルが変化をする場合がある。これは、前述のステップS37、つまり、受講者レベルとFAQレベルとの整合のための処理に反映される。
【0071】
ステップS46では、ボタンが「検索終了」か否か判定する。検索終了であれば、処理を終了するが、検索終了でなければ、ステップS40へ戻り、FAQの質問文を再度受講者に送信する。
【0072】
以上説明した例によれば、管理者管理部21が受講者からのFAQ検索時に、受講者にふさわしいと考えられる順序でFAQ質問文が提示される。受講者が提示された質問文の中から、受講者自身の質問に整合した質問文を選択する。
【0073】
これにより、受講者は質問文を入力する手間が省けるだけでなく、FAQ質問文が、受講者の受講歴又は受講者のレベルに適合した順で表示される結果、受講者による質問文の選択が容易になる。
また、FAQのレベルも、そのFAQを有効と判定した受講者レベルに基づいて更新されるので、受講者の増大に伴って、受講者レベルとの適合性を高めることができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、利用者からの質問を受け付けるホストコンピュータの質問提示方法において、その利用者に最適な質問文を提示できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の最適化質問提示方法を実行する教育システムの構成図である。
【図2】図1の教育システムにおける教育コースの構造を示す図である。
【図3】図2の教育コースと教材単位の関係を示す図である。
【図4】図1の教材DBのデータレイアウトを示す図である。
【図5】図1のFAQ−DBのデータレイアウトを示す図である。
【図6】図1の教育システムの概略の動作を示すフローチャートである。
【図7】図6の動作における、教材単位・FAQ関係テーブル作成の処理フローチャートである。
【図8】図1の教材単位・FAQ関係テーブルのデータレイアウトの説明図である。
【図9】図6の動作における、受講の流れを説明するフローチャート(その1)である。
【図10】図6の動作における、受講の流れを説明するフローチャート(その2)である。
【図11】本発明による受講履歴DBの説明図である。
【図12】本発明による受講者レベルDBのデータレイアウトの説明図である。
【図13】受講者レベルの設定例の説明図である。
【図14】本発明による受講中教材単位テーブルのデータレイアウトの説明図である。
【図15】本発明による受講画面の説明図である。
【図16】本発明による質問文選択画面の作成及びFAQ回答の処理フローチャート(その1)である。
【図17】本発明による質問文選択画面の作成及びFAQ回答の処理フローチャート(その2)である。
【図18】本発明によるFAQ候補テーブルの説明図である。
【図19】受講者レベルとFAQレベルの関係の説明図である。
【図20】本発明によるFAQ候補テーブル(ソート後)の説明図である。
【図21】本発明によるFAQ質問文選択画面の説明図である。
【図22】本発明によるFAQ回答画面の説明図である。
【符号の説明】
PC1〜PCn…受講者端末
1…通信網
2…教育センタ
21…受講者管理部
22…受講中教材単位テーブル
23…FAQ候補テーブル
31…教材DB
32…FAQ−DB
33…教材単位・FAQ関係テーブル
34…受講履歴DB
35…受講者レベルDB
Claims (6)
- 受講者からの質問を受け付けるホストコンピュータによる最適質問提示方法であって、
前記ホストコンピュータは、
受講者からの質問探索依頼を受講者端末から受信する受信ステップと、
質問と、該質問が適する受講者レベルである質問レベルと、を格納した質問記憶手段を参照し、前記質問レベルと前記受講者の受講者レベルとの差異の順番に前記質問を並び替える第一の並び替えステップと、
前記第一の並び替えステップにおいて並び替えられた質問を、前記受講者端末に送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とする最適質問提示方法。 - 前記質問記憶手段は、各々の質問に関係する質問キーワードを格納し、
受講者の既得キーワードを格納した既得キーワード記憶手段と、前記質問記憶手段とを参照し、前記質問キーワードと前記既得キーワードとの差異の順番に前記質問を並び替える第二の並び替えステップを含むことを特徴とする請求項1記載の最適質問提示方法。 - 教材単位ごとの該教材単位に適した質問の順位を格納した教材単位質問関係記憶手段を参照し、前記受講者の受講している教材単位に適した質問の順位に基づいて前記質問を前記質問を並び替える第三の並び替えステップを含むことを特徴とする請求項1記載の最適質問提示方法。
- コンピュータを、
受講者からの質問探索依頼を受講者端末から受信する受信手段と、
質問と、該質問が適する受講者レベルである質問レベルと、を格納した質問記憶手段を参照し、前記質問レベルと前記受講者の受講者レベルとの差異の順番に前記質問を並び替える第一の並び替え手段と、
前記第一の並び替え手段において並び替えられた質問を、前記受講者端末に送信する送信手段として動作させることを特徴とする最適質問提示プログラム。 - コンピュータを、
受講者からの質問探索依頼を受講者端末から受信する受信手段と、
質問と、該質問が適する受講者レベルである質問レベルと、を格納した質問記憶手段を参照し、前記質問レベルと前記受講者の受講者レベルとの差異の順番に前記質問を並び替える第一の並び替え手段と、
前記第一の並び替え手段において並び替えられた質問を、前記受講者端末に送信する送信手段として動作させることを特徴とする最適質問提示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 質問と、該質問が適する受講者レベルである質問レベルと、を格納した質問記憶手段と、
受講者からの質問探索依頼を受講者端末から受信する受信手段と、
前記質問記憶手段を参照し、前記質問レベルと前記受講者の受講者レベルとの差異の順番に前記質問を並び替える第一の並び替え手段と、
前記第一の並び替え手段において並び替えられた質問を、前記受講者端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする最適質問提示装置。
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