JP3736906B2 - インバータ式x線高電圧装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流電源からの直流をインバータを用いて交流に変換し、それを昇圧した後、整流してX線管に供給し、X線を放射させるインバータ式X線高電圧装置、特に高速演算を必要とするディジタルフィードバック制御装置を用いたインバータ式X線高電圧装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のインバータ式X線高電圧装置、特にインバータの位相差や周波数を制御することによりX線管に印加される管電圧を制御可能なX線高電圧装置は、図4に示すように構成されていた。すなわち、単相又は3相の商用電源を整流して直流電圧を得る直流電源1と、この直流電源1からの直流電圧を受電して交流電圧に変換すると共に出力電圧(管電圧)を制御するインバータ2と、このインバータ2からの交流電圧を昇圧する高電圧変圧器3と、この高電圧変圧器3の出力電圧を直流に変換する高電圧整流回路4と、この高電圧整流回路4からの直流電圧が印加されてX線を放射するX線管5と、上記インバータ2の入力側に接続されインバータ入力電圧を検出するインバータ入力電圧検出器6と、上記高電圧整流回路4の出力側に接続され上記X線管5の管電圧を検出する管電圧検出器7と、外部から与えられる所望の目標管電圧信号Vr、上記インバータ入力電圧検出器6からの入力電圧検出信号Vi及び上記管電圧検出器7からの管電圧検出信号Voが入力され、上記目標管電圧信号Vrと管電圧検出信号Voとを比較演算し、上記X線管5の管電圧が所望の電圧になるように上記インバータ2へ制御信号Sを送出し制御するフィードバック制御装置8とを備えて構成されていた。
そして、上記フィードバック制御装置8は、上記目標管電圧信号Vr及び管電圧検出信号Voを入力してその両者の差を演算する第1の比較手段9と、この演算結果を入力してその積分値を得る積分調節手段10と、上記管電圧検出信号Voを入力して定数倍する比例調節手段11と、上記管電圧検出信号Voを入力して微分する微分調節手段12と、上記積分調節手段10からの積分値、比例調節手段11からの定数倍値及び微分調節手段12からの微分値をそれぞれ入力して上記積分値を差し引きする第2の比較手段13と、この第2の比較手段13で生成された信号とインバータ入力電圧検出信号Viとを入力して第2の比較手段13で生成された信号に対してインバータ入力電圧の変動による補正を行う入力電圧補正手段14と、この入力電圧補正手段14の出力を入力し装置の出力特性に合わせて最終的にインバータ2の制御信号Sを決定し該インバータ2へ送出する定常特性補正手段15とからなっていた。
【0003】
ここで、上記フィードバック制御装置8内の各種演算手段は、オペアンプ等によるハードウエア演算器で構成されるものもあれば、マイクロプロセッサやシグナルプロセッサ、あるいはマイクロコントローラ等が用いられプログラムにより演算が実行されるようになされているものもあった。
例えば上記フィードバック制御装置8が、図5に示すような内部構成(DSP(Digital Signal Processor))を用いた構成)のディジタルフィードバック制御系を用いてなるものがあった。このようなフィードバック制御装置8において、インバータ入力電圧検出信号Vi,管電圧検出信号VoをA/D変換器16,17でA/D変換してディジタル化し、DSPが必要な演算を行ってインバータ2の動作位相差等のインバータ制御信号Sを算出する場合、従来は図6に示すように、A/D変換器16,17によるA/D変換を起動(A/D変換開始)してからA/D変換が終了するまでの時間(待機時間)において、位相差算出を主なものとするA/D変換以外の処理を行うことはなかった。また、このA/D変換には、素子固有の変換時間があるが、現在のところ高速のものでも最低7〜10μsはかかる。したがって、図5に示す従来装置では、管電圧検出信号Voとインバータ入力電圧検出信号Viの2つをA/D変換しなければならないため、最低でもA/D変換だけに20μs程度費やしてしまうことになる。なお図6は、図5に示す従来装置におけるA/D変換開始からインバータ制御信号Sを出力するまでの処理(ディジタルフィードバック制御処理)の流れを示している。
またインバータ式X線高電圧装置では、一方において、管電圧の立ち上がり時間に関しては1ms以下が、また定常時においても脈動の小さな管電圧波形がX線線質(診断画質)向上のためににも強く要望されている。更に、装置設置面積の縮小や操作性向上のため、小型軽量化への要求が非常に強い。これらの要求を満たすためには、インバータ周波数の高周波化は不可避の要素となっており、現在、インバータ周波数は10kHz以上となっている。他方、A/D変換値を取得するサンプリング動作及びインバータ制御信号Sの出力はインバータ2の動作の1周期に1度は行うことが要求されるため、A/D変換を含めたディジタルフィードバック処理に許される時間は数十μsという極めて短時間なものとなる。その数十μsという短時間のうち、上記のように1つのA/D変換に7〜10μsを費やしてしまうことになると、位相差算出のための演算や他の必要な処理等を行う時間がなくなってしまい、高周波化が不可能となった。
なお図4,図5において、20は共振用のコンデンサである。また図5において、図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、フィードバック制御装置8が図5に示すような内部構成のディジタルフィードバック制御系を用いてなり、図6に示すような制御処理シーケンスを採った従来装置では、その制御処理の高速化に限界があり、インバータ周波数を高周波化することが不可能である。このため、装置の小型軽量化やX線線質の向上が図れないという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、ディジタルフィードバック制御処理を高速化でき、したがってインバータ周波数を高周波化でき、装置の小型軽量化及びX線線質の向上を図ることのできるインバータ式X線高電圧装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、直流電源と、この直流電源からの直流を交流に変換するインバータと、このインバータからの交流電圧を昇圧する高電圧変圧器と、この高電圧変圧器の出力電圧を整流する高電圧整流回路と、この高電圧整流回路からの直流電圧が印加されてX線を放射するX線管と、上記高電圧整流回路の出力側に接続され上記X線管の管電圧を検出する管電圧検出器と、少なくとも所望の目標管電圧信号及び上記管電圧検出器からの管電圧検出信号が入力され、上記X線管の管電圧が所望の電圧になるように上記インバータを制御する管電圧ディジタルフィードバック制御手段と、を備えたインバータ式X線高電圧装置において、上記管電圧ディジタルフィードバック制御手段は、上記管電圧検出信号をA/D変換するA/D変換器を備え、そのA/D変換動作時に、上記管電圧のフィードバック制御を行うための処理を並行して行う。これにより、ディジタルフィードバック制御処理全体が高速化され、インバータ周波数の高周波化が可能となり、装置が小型軽量化され、X線の線質が向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明によるインバータ式X線高電圧装置の一実施形態を示すブロック図である。このインバータ式X線高電圧装置は、直流電源からの直流をインバータを用いて交流に変換し、それを昇圧した後、整流してX線管に供給し、X線を放射させるもので、図に示すように、直流電源1と、インバータ2と、高電圧変圧器3と、高電圧整流回路4と、X線管5と、インバータ入力電圧検出器6と、管電圧検出器7と、管電圧ディジタルフィードバック制御装置8´を備えてなる。
【0008】
ここで、直流電源1は直流電力を供給する装置であり、ここでは50Hz又は60Hzの単相又は3相の商用電源の交流電力をダイオード等の整流素子で整流すると共にコンデンサ等の平滑素子で平滑することによって直流電圧を出力するように構成されている。またインバータ2は、直流電源1から出力された直流電圧を受電して交流電圧に変換すると共にX線管5に出力される電圧(管電圧)を制御するものである。高電圧変圧器3は、インバータ2からの交流電圧を昇圧するもので、その一次巻線がインバータ2の出力側に接続されている。高電圧整流回路4は、高電圧変圧器3の出力電圧を整流するものである。X線管5は、高電圧整流回路4からの出力電圧が印加されてX線を放射するもので、高電圧整流回路4の出力側に接続されている。
インバータ入力電圧検出器6は、直流電源1の出力側にてインバータ2の入力側に接続されてインバータ入力電圧を検出し、管電圧ディジタルフィードバック制御装置8´にインバータ入力電圧検出信号Viとして送出するものである。更に管電圧検出器7は、X線管5に印加される管電圧を検出しインバータ2へ管電圧検出信号Voとして送出するもので、高電圧整流回路4の出力側にてX線管5の入力側に接続されている。
【0009】
管電圧ディジタルフィードバック制御装置8´は、所望の目標管電圧信号Vr、上記入力電圧検出器6で検出したインバータ入力電圧検出信号Vi及び上記管電圧検出器7で検出した管電圧検出信号Voを入力して所望の目標管電圧信号Vrと管電圧検出信号Voとを比較演算し、X線管5の管電圧検出信号Voが所望の電圧(X線管5の管電圧が所望の目標管電圧)になるようにインバータ2へインバータ制御信号Sを送出するものである。この管電圧ディジタルフィードバック制御装置8´は、ここでは管電圧制御のためA/D変換器を内蔵したマイクロコントローラが用いられてなる。このマイクロコントローラが用いられたプログラム制御による管電圧ディジタルフィードバック制御装置8´には、第1の比較手段9、積分調節手段10、比例調節手段11、微分調節手段12、第2の比較手段13、入力電圧補正手段14、定常特性補正手段15、第1のA/D変換器16及び第2のA/D変換器17が備えられている。
この場合、第1の比較手段9は、上記目標管電圧信号Vr及び管電圧検出器7で検出した管電圧検出信号Voを入力して両者の差を演算するものである。積分調節手段10は、第1の比較手段9の演算結果を入力してその積分値を得るものである。比例調節手段11は、上記管電圧検出信号Voを入力して定数倍するものである。微分調節手段12は、上記管電圧検出信号Voを入力して微分するものである。第2の比較手段13は、上記積分調節手段10からの積分値、比例調節手段11からの定数倍値及び微分調節手段12からの微分値をそれぞれ入力して上記積分値を差し引きするものである。入力電圧補正手段14は、第2の比較手段13で生成された信号を入力すると共にインバータ入力電圧検出信号Viを入力してインバータ入力電圧の変動を補正するものである。定常特性補正手段15は、装置の定常出力特性を考慮した補正処理を施すと共にインバータ制御信号Sを最終的に決定し該インバータ2へ送出するものである。第1のA/D変換器16は、インバータ入力電圧検出信号ViをA/D変換するものである。第2のA/D変換器17は、管電圧検出信号VoをA/D変換するものである。
【0010】
ここで本発明においては、上記管電圧ディジタルフィードバック制御装置8´におけるフィードバック制御処理に必要なプログラムによる演算、その他の処理は、図3にその一例を示すように、A/D変換起動後(A/D変換開始)からA/D変換値取得(A/D変換終了)までの時間(A/D変換動作時)を積極的に活用、すなわち、フィードバック演算等のA/D変換以外のX線制御に必要な処理の一部をA/D変換動作と並行して行うこととなっている。
【0011】
次に、このように構成されたインバータ式X線高電圧装置の一般的な動作について説明する。まず、外部から入力された目標管電圧信号Vrと、管電圧ディジタルフィードバック制御装置8´内のA/D変換器17によってA/D変換された管電圧検出器7からの管電圧検出信号Voとが第1の比較手段9に入力される。そして、この第1の比較手段9により両者の差が演算され、その演算結果は積分調節手段10に入力される。積分調節手段10は、上記演算結果を積分して第2の比較手段13へ送る。
上記A/D変換後の管電圧検出信号Voは、管電圧ディジタルフィードバック制御装置8´内の比例調節手段11と微分調節手段12とにも、それぞれ入力される。すると、比例調節手段11はA/D変換された管電圧検出信号Voを定数倍し、また微分調節手段12は上記管電圧検出信号Voを微分し、それぞれ第2の比較手段13へ送る。
これにより、第2の比較手段13は、積分調節手段10の出力をそれぞれ差し引きし、その演算結果を、入力電圧補正手段14へと入力する。入力電圧補正手段14へは、インバータ入力電圧検出器6からのインバータ入力電圧検出信号ViもA/D変換器16でA/D変換された後、入力される。すると、入力電圧補正手段14は第2の比較手段13で得られた結果を、インバータ入力電圧の逆数をかけることによってインバータ入力電圧の変動を補正するための補正演算をする。入力電圧補正手段14による補正演算結果は、更に定常特性補正手段15に入力され、装置の定常出力特性を考慮した補正処理を施された後、その処理結果に応じたインバータ制御信号Sを出力することになる。
このインバータ制御信号Sは、目標管電圧信号Vrに応じてインバータ2の各スイッチング素子(図示せず)のスイッチングのタイミング(位相)を決定するもので、このようなインバータ制御信号Sに応じてインバータ2が動作、すなわち、上記直流電源1が出力する直流電圧を交流電圧に変換する。この交流電圧が高電圧変圧器3へ送出され昇圧された後、高電圧整流回路4によって直流電圧に整流され、X線管5に高圧直流電圧が印加されてX線が放射されるものである。
【0012】
次に、上述本発明装置における管電圧ディジタルフィードバック制御装置8´の具体的な動作について図3を併用して説明する。図3は、管電圧ディジタルフィードバック制御装置8´におけるA/D変換開始からインバータ制御信号Sを出力するまでの処理(ディジタルフィードバック制御処理)の流れを示す図であり、ここに示した一連の処理はインバータ2の動作の1周期毎に行われる。
フィードバック制御において必要とされる処理には、管電圧のフィードバック制御を行うための上述したような積分値、比例値及び微分値算出の演算や、補正のための四則演算等を行うフィードバック処理の他、インバータ制御信号Sを作成して出力する出力処理、更に動作中装置に異常が起きていないかチェックを行うと共に異常発生時にはその異常を検出し適切な処置を施すための異常処理等がある。図3に示した例では、管電圧(管電圧検出信号Vo)のA/D変換開始からそのA/D変換終了までの待機時間(A/D変換動作時)において、上記異常処理、その他の適宜処理を行い、またインバータ入力電圧(インバータ入力電圧検出信号Vi)のA/D変換開始からそのA/D変換終了までの待機時間(A/D変換動作時)において、フィードバック制御処理に必要な演算等、ここでは積分算出、比例算出及び微分算出を行っている。
【0013】
このように本発明装置では、管電圧ディジタルフィードバック制御処理において、A/D変換開始からそのA/D変換終了までの待機時間(A/D変換動作時)を、A/D変換動作以外のX線制御に必要な処理の一部にも利用、換言すれば、A/D変換動作とその他の処理を並行して行っている。これにより、ディジタルフィードバック制御処理全体が高速化され、インバータ周波数の高周波化が可能となり、装置が小型軽量化され、X線線質が向上する。
【0014】
図2は本発明装置の第2の実施形態を示すブロック図である。この図2の実施形態は、A/D変換機能を内蔵していないタイプのコントローラ、ここではDSPを用いた場合を例示している。この場合には、A/D変換器16,17を設けると共に、そのA/D変換器16,17とDSPの間にバッファ18,19を設け、インバータ2の動作に同期してA/D変換値をDSPのポートに取り込む回路構成としている。このような構成によれば、A/D変換動作とその他の処理を並行して行うことが可能となり、ディジタルフィードバック制御処理全体が高速化され、インバータ周波数の高周波化が可能となり、装置が小型軽量化され、X線線質が向上する。
【0015】
なお、本発明装置におけるディジタルフィードバック制御処理の流れ、特に管電圧(管電圧検出信号Vo)のA/D変換待機時間(A/D変換動作時)における並行処理対象は図3に例示のものに限定されることはない。例えば、インバータ入力電圧の変動はインバータ2の周波数と比較すると非常に遅いため、インバータ入力電圧(インバータ入力電圧検出信号Vi)のディジタルデータを1回以前のA/D変換で取得したものを用いることにしても大きな影響はない。このことから、インバータ入力電圧の補正処理は、図3に示すようにインバータ入力電圧(インバータ入力電圧検出信号Vi)のA/D変換動作終了後に行うのではなく、その一部を管電圧(管電圧検出信号Vo)のA/D変換待機時間(A/D変換動作時)を利用して行うことも可能である。
また上述実施形態では、図3に示した一連の処理を、インバータ2の動作の1周期に1回行うこととしたが、その必要に応じて1周期に複数回行うようにしてもよい。
更に、上述実施形態においては、管電圧ディジタルフィードバック制御装置8´内の調節手段として、積分調節手段10と比例調節手段11と微分調節手段12とを組み合わせたものを用いた場合について述べたが、これらの調節手段10〜12のうちのいずれか2つの調節手段を組み合わせたものを用いても、あるいは積分調節手段10又は比例調節手段11のみ用いることとしてもよい。
また、上述実施形態においては、A/D変換で取得する数値はインバータ入力電圧(インバータ入力電圧検出信号Vi)と管電圧(管電圧検出信号Vo)の2つであったが、必要に応じて他の検出信号、例えばX線管に流れる電流(管電流)を検出する管電流検出器を設け、その管電流検出信号をA/D変換することとし、それをディジタルフィードバック制御に用いるようにしてもよい。
また、直流電源1は直流電圧を発生するものであればよく、図1,図2に示す構成に限らず、例えばバッテリであってもよい。また、大きな出力電力を得る場合においても電圧ドロップがなく、しかも、電圧変動や脈動等が極めて小さい理想的な直流電源を直流電源1として使用する場合、あるいは入力電圧の変動が出力電圧(管電圧)に影響してもよいとする場合等においては、インバータ入力電圧(インバータ入力電圧検出信号Vi)のA/D変換値取得及びインバータ入力電圧補正手段14を省略することもできる。
また、図1,図2に示す実施形態においては、インバータ2の出力側に共振用のコンデンサ20を接続したが、この共振用コンデンサ20は、高電圧変圧器3の漏れインダクタンスの影響で高周波の電流が高電圧変圧器3の巻線に十分に流れないことを改善する目的で挿入したものであるので、上記改善の必要のない場合には挿入しなくてもよい。
更に上述実施形態では、インバータ2の位相差によって管電圧を制御する方式について述べたが、パルス幅変調や周波数変調等、他の制御方式によって管電圧を制御するものであってもよい。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、管電圧検出信号等のA/D変換動作時に、上記管電圧のフィードバック制御を行うための処理を並行して行うようにしたので、ディジタルフィードバック制御処理全体を高速化でき、したがってインバータ周波数を高周波化でき、装置の小型軽量化及びX線の線質の向上を図ることのできるという効果がある。なお、管電圧ディジタルフィードバック制御装置を、A/D変換器内蔵のマイクロコントローラを備えて構成すれば、装置部品点数が削減され、装置構成の小形化、低コスト化が図れるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明装置の第2の実施形態を示すブロック図である。である。
【図3】本発明装置におけるA/D変換開始からインバータ制御信号を出力するまでの処理の流れを示す図である。
【図4】従来装置を示すブロック図である。
【図5】従来のディジタルフィードバック制御方式のインバータ式X線高電圧装置を示すブロック図である。
【図6】図5に示す従来装置におけるA/D変換開始からインバータ制御信号を出力するまでの処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
1 直流電源
2 インバータ
3 高電圧変圧器
4 高電圧整流回路
5 X線管
6 インバータ入力電圧検出器
7 管電圧検出器
8 フィードバック制御装置
8´ 管電圧ディジタルフィードバック制御装置
9 第1の比較手段
10 積分調節手段
11 比例調節手段
12 微分調節手段
13 第2の比較手段
14 入力電圧補正手段
15 定常特性補正手段
16 第1のA/D変換器
17 第2のA/D変換器
18 第1のバッファ
19 第2のバッファ
20 共振用コンデンサ
Vr 所望の目標管電圧信号
Vi インバータ入力電圧検出信号
Vo 管電圧検出信号。
Claims (3)
- 直流電源と、この直流電源からの直流を交流に変換するインバータと、このインバータからの交流電圧を昇圧する高電圧変圧器と、この高電圧変圧器の出力電圧を整流する高電圧整流回路と、この高電圧整流回路からの直流電圧が印加されてX線を放射するX線管と、上記高電圧整流回路の出力側に接続され上記X線管の管電圧を検出する管電圧検出器と、少なくとも所望の目標管電圧信号及び上記管電圧検出器からの管電圧検出信号が入力され、上記X線管の管電圧が所望の電圧になるように上記インバータを制御する管電圧ディジタルフィードバック制御手段と、を備えたインバータ式X線高電圧装置において、上記管電圧ディジタルフィードバック制御手段は、上記管電圧検出信号をA/D変換するA/D変換器を備え、そのA/D変換動作時に、上記管電圧のフィードバック制御を行うための処理を並行して行うことを特徴とするX線高電圧装置。
- 直流電源と、この直流電源からの直流を交流に変換するインバータと、このインバータからの交流電圧を昇圧する高電圧変圧器と、この高電圧変圧器の出力電圧を整流する高電圧整流回路と、この高電圧整流回路からの直流電圧が印加されてX線を放射するX線管と、上記高電圧整流回路の出力側に接続され上記X線管の管電圧を検出する管電圧検出器と、上記インバータの入力側に接続されインバータ入力電圧を検出するインバータ入力電圧検出器と、所望の目標管電圧信号、上記管電圧検出器からの管電圧検出信号及び上記インバータ入力電圧検出器からのインバータ入力電圧検出信号が入力され、上記X線管の管電圧が所望の電圧になるように上記インバータを制御する管電圧ディジタルフィードバック制御手段と、を備えてなるインバータ式X線高電圧装置において、上記管電圧ディジタルフィードバック制御装置は、上記管電圧検出信号をA/D変換する第1のA/D変換器を備え、その第1のA/D変換動作時に、上記管電圧のフィードバック制御を行うための処理を並行して行うことを特徴とするX線高電圧装置。
- 上記管電圧ディジタルフィードバック制御装置は、上記インバータ入力電圧検出器からのインバータ入力電圧検出信号をA/D変換する第2のA/D変換器をさらに備え、それらの第2のA/D変換器と第1のA/D変換器の両方が動作する時に、上記管電圧のフィードバック制御を行うための処理を並行して行うことを特徴とする請求項2に記載のX線高電圧装置。
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