JP3736357B2 - 照明用蛍光体、この照明用蛍光体を用いた発光ダイオード、および蛍光体の塗布方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明用蛍光体、この照明用蛍光体を用いた発光ダイオード、および蛍光体の塗布方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、高効率でかつ長寿命である発光ダイオードを蛍光ランプ等の一般照明用白色光源の代替光源として用いることが提案されている。
【0003】
従来の白色発光ダイオードとしては、例えば青色発光域(400nm〜530nm)にピーク波長をもつLEDチップ(発光素子)と、その発光の一部を吸収し黄色系に発光する蛍光体とを組み合わせたものが知られている(特開平11−31845号公報や特開平11−40858号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の白色発光ダイオードでは、青色光および黄色光のみで白色光を実現しているため、赤味成分の不足した白色となり、一般照明用の白色光源の代替光源としては適していないという問題があった。
【0005】
また、このような発光ダイオードに用いる蛍光体として、一般的な蛍光ランプ用の蛍光体を使用した場合、このような蛍光ランプ用の蛍光体はもともと水銀から発生する254nmをピーク波長とする紫外線によって励起効率が最大となるように構成されているため、波長400nm〜530nmの発光によって励起させて発光させても、発光強度が著しく弱く、場合によって発光しないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、励起光源として、特に波長340nm〜380nmの近紫外光を発する光源を用いた場合に、赤色、緑色、青色の三原色の各成分のバランスが取れた一般照明用の白色光源の白色光とほぼ同様の白色光であり、かつ発光強度の強い発光を得ることができる照明用蛍光体を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、波長340nm〜380nmの近紫外光を発する発光素子を有する発光ダイオードであって、赤色、緑色、青色の三原色の各成分のバランスが取れた一般照明用の白色光源の白色光とほぼ同様の白色光であり、かつ発光強度の強い発光を得ることができる発光ダイオードを提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本発明は、被塗布部材、例えば発光ダイオードの発光素子の平面部分に蛍光体膜を形成する際、蛍光体膜の膜厚を均一にすることができる蛍光体の塗布方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の照明用蛍光体は、波長340nm〜380nmの近紫外光によって励起されて白色発光する照明用蛍光体であって、ピーク波長625nm〜750nmの赤色蛍光体またはピーク波長575nm〜675nmの橙色蛍光体と、ピーク波長500nm〜600nmの緑色蛍光体と、ピーク波長400nm〜500nmの青色蛍光体とを含有している。
【0010】
これにより、励起光源として、波長340nm〜380nmの近紫外光を発する光源を用いた場合に、赤色、緑色、青色の三原色の各成分のバランスが取れた一般照明用の白色光源の白色光とほぼ同様の白色光であり、かつ発光強度の強い発光を得ることができる。
【0011】
また、本発明の発光ダイオードは、波長340nm〜380nmの近紫外光を発する発光素子と、この発光素子から発せられる光によって励起されて発光する請求項1〜請求項7のいずれかに記載の照明用蛍光体とを有している。
【0012】
これにより、赤色、緑色、青色の三原色の各成分のバランスが取れた一般照明用の白色光源の白色光とほぼ同様の白色光であり、かつ発光強度の強い発光を得ることができる。
【0013】
さらに、本発明の蛍光体の塗布方法は、蛍光体を被塗布部材の平面部分に塗布する蛍光体の塗布方法であって、前記蛍光体を含有する蛍光体懸濁液をスピンコーティングによって前記被塗布部材の平面部分に塗布する方法が用いられている。
【0014】
これにより、被塗布部材の平面部分に蛍光体膜を形成する際、蛍光体膜の膜厚を均一にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0016】
本発明の実施の形態であるチップ型の発光ダイオードは、図1に示すように、発光軸Xを含む面で切断した断面形状が凹状の真鍮からなるベース部1と、このベース部1の凹部2内の底面上に配置された発光素子3と、この発光素子3等を保護するためにベース部1の凹部2内に充填されたエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等からなる透明性の樹脂部材4とを備えている。
【0017】
ベース部1には、ベース部1の外部から発光素子3に電力を供給する金と錫との合金からなる2つの層状の外部電極5a,5bが一体的に形成されている。
【0018】
発光素子3は、サファイアからなる透明基板6上に、波長340nm〜380nmの近紫外光を発する例えば窒化ガリウム系化合物半導体7と、P電極8とが順次積層された構造をなしている。また、半導体7にはN電極9が形成されている。
【0019】
外部電極5aとP電極8とは直接接触して接続されている。外部電極5bとN電極9とは金属ワイヤー10を介して接続されている。
【0020】
なお、発光素子3の発光波長は、半導体材料やその組成比によって種々選択することができる。
【0021】
透明基板6の表面には、ピーク波長625nm〜750nmの赤色蛍光体またはピーク波長575nm〜675nmの橙色蛍光体と、ピーク波長500nm〜600nmの緑色蛍光体と、ピーク波長400nm〜500nmの青色蛍光体とを含有し、波長340nm〜380nmの近紫外光によって励起されて白色発光する蛍光体からなる蛍光体膜11が形成されている。
【0022】
赤色蛍光体には、例えば一般式AxDyOz(ただし、AはMg、CaおよびMnの中から選ばれる少なくとも一種の元素、DはGeおよびMnの中から選ばれる少なくとも一種の元素であり、x、yおよびzは20<x<40、0<y<15、z=100−x−yなる条件を満たす数である)で表される単相の酸化物であり、かつ結晶構造が斜方晶であるとともに、空間群がPbamである蛍光体を用いることが好ましい。
【0023】
以下、一例として赤色蛍光体(Mn,Ca,Mn)x(Ge,Mn)yOzにおいて、その組成比を種々変化させた場合の結晶構造、空間群、および波長375nmの近紫外光によって励起された際に発光する発光色を調べたところ、表1に示すとおりの結果が得られた。
【0024】
なお、表1の「発光色」の欄において、「赤」はピーク波長625nm〜750nmの発光を、「紫」はピーク波長380nm〜390nmの発光を、「青紫」はピーク波長390nm〜400nmの発光をそれぞれ示す(以下の表についても同じ)。また、「判定」の欄において、「○」は本発明に使用するのに適していることを、「×」は本発明に使用するのに適していないことをそれぞれ示す(以下の表についても同じ)。
【0025】
【表1】
【0026】
橙色蛍光体には、例えば一般式GxOySz:Eu3+(ただし、GはYおよびGaの中から選ばれる少なくとも一種の元素であり、x、yおよびzは35<x<45、35<y<45、z=100−x−yなる条件を満たす数である)で表される単相の酸化物であり、かつ結晶構造が六方晶であるとともに、空間群がP−3mである蛍光体を用いることが好ましい。
【0027】
以下、一例として橙色蛍光体(Y,Ca)xOySnz:Eu3+において、その組成比を種々変化させた場合の結晶構造、空間群、および波長375nmの近紫外光によって励起された際に発光する発光色を調べたところ、表2に示すとおりの結果が得られた。
【0028】
なお、表2の「発光色」の欄において、「橙」はピーク波長575nm〜675nmの発光を示す。
【0029】
【表2】
【0030】
緑色蛍光体には、例えば一般式LxGeyOz:Mn2+(ただし、LはGaおよびZnの中から選ばれる少なくとも一種の元素であり、x、yおよびzは20<x<30、10<y<20、z=100−x−yなる条件を満たす数である)で表される単相の酸化物であり、かつ結晶構造が菱面晶であるとともに、空間群がR−3Hである蛍光体を用いることが好ましい。
【0031】
以下、一例として緑色蛍光体(Ca,Zn)xGeyOz:Mn2+において、その組成比を種々変化させた場合の結晶構造、空間群、および波長375nmの近紫外光によって励起された際に発光する発光色を調べたところ、表3に示すとおりの結果が得られた。
【0032】
なお、表3の「発光色」の欄において、「緑」はピーク波長500nm〜600nmの発光を、「青緑」はピーク波長475nm〜525nmの発光を、「黄緑」はピーク波長575nm〜600nmの発光をそれぞれ示す。
【0033】
【表3】
【0034】
青色蛍光体には、例えば一般式Mx(PO4)yClz:Eu2+(ただし、MはSrおよびCaの中から選ばれる少なくとも一種の元素であり、x、yおよびzは50<x<60、30<y<40、z=100−x−yなる条件を満たす数である)で表される単相の酸化物であり、かつ結晶構造が六方晶であるとともに、空間群がP63/mである蛍光体を用いることが好ましい。
【0035】
以下、一例として緑色蛍光体(Sr,Ca)x(PO4)yClz:Eu2+において、その組成比を種々変化させた場合の結晶構造、空間群、および波長375nmの近紫外光によって励起された際に発光する発光色を調べたところ、表4に示すとおりの結果が得られた。
【0036】
なお、表4の「発光色」の欄において、「青」はピーク波長400nm〜500nmの発光を示す。
【0037】
【表4】
【0038】
上記赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体をそれぞれ用いた場合では、赤色蛍光体の含有量を重量百分率でa(%)、緑色蛍光体の含有量を重量百分率でb(%)、青色蛍光体の含有量を重量百分率でc(%)とすると、50%<a<60%、25%<b<35%、c=100−a−b(%)なる関係式が満たされることにより、CIE1931色度図上で(x,y)=(0.2,0.2)、(x,y)=(0.2,0.4)、(x,y)=(0.45,0.2)(x,y)=(0.45,0.4)で囲まれた領域の白色光、つまり一般照明用の白色光源と同様の白色光を得ることができる。
【0039】
また、上記橙色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体をそれぞれ用いた場合では、橙色蛍光体の含有量を重量百分率でd(%)、緑色蛍光体の含有量を重量百分率でb(%)、青色蛍光体の含有量を重量百分率でc(%)とした場合、10%<d<20%、55%<b<65%、c=100−b−d(%)なる関係式が満たされることにより、上記と同じようにCIE1931色度図上で(x,y)=(0.2,0.2)、(x,y)=(0.2,0.4)、(x,y)=(0.45,0.2)(x,y)=(0.45,0.4)で囲まれた領域の白色光を得ることができる。
【0040】
次に、蛍光体を透明基板6に塗布する方法について説明する。
【0041】
まず、ポリエチレンオキサイドが溶かされた水溶液に、あらかじめ各色の蛍光体を混合した平均粒径1.5μm以下の蛍光体を懸濁して蛍光体懸濁液を調製する。蛍光体を溶液中に懸濁させる際、蛍光体が凝集するのを防止するため、超音波撹拌を行った後、回転撹拌を行うことが好ましい。
【0042】
この蛍光体懸濁液を所定の速度で回転させた被塗布部材である透明基板6の中心部に適量垂らし、遠心力を利用して透明基板6全体に蛍光体懸濁液を塗布する(スピンコーティング)。その後、乾燥、焼成工程を経て蛍光体膜11を形成する。このようなスピンコーティングを用いることにより、透明基板6に膜厚が均一な蛍光体膜11を容易に形成することができる。
【0043】
なお、蛍光体膜11の膜厚は、蛍光体懸濁液の粘度、被塗布部材に滴下する蛍光体懸濁液量、被塗布部材の回転速度、または蛍光体懸濁液中に含まれる蛍光体量を制御することにより、所望の厚さに調整することができる。
【0044】
ここで、蛍光体の平均粒径を1.5μm以下に規定した理由について説明する。
【0045】
まず、平均粒径が0.1μm〜10μmの範囲内で種々の蛍光体を作製し、作製した各々の蛍光体を用い、上述した製造方法によって透明基板6の表面に蛍光体膜11を形成し、各蛍光体膜11の表面粗さについて調べたところ、図2に示すとおりの結果が得られた。
【0046】
なお、図2において、縦軸は平均粒径が10μmの蛍光体からなる蛍光体膜11の表面粗さを100とした場合の各蛍光体膜11の相対的表面粗さを示している。
【0047】
図2から明らかなように、平均粒径が1.5μm以下の蛍光体からなる蛍光体膜11の相対的表面粗さは30以下であった。一方、平均粒径が1.5μmを越える、例えば2.0μmの蛍光体からなる蛍光体膜11の相対的表面粗さは65であり、平均粒径が1.5μmの蛍光体からなる蛍光体膜11の相対的表面粗さに比して著しく大きくなることがわかった。
【0048】
したがって、蛍光体の平均粒径を1.5μm以下に規定することにより、蛍光体膜11の表面粗さを著しく小さくすることができる。また、蛍光体膜11の表面粗さをより小さくするため、蛍光体の平均粒径を1.0μm以下に規定することが好ましい。このように蛍光体の平均粒径は小さければ小さいほど好ましいが、製造が容易でありかつ高コスト化を防止するため、0.1μm以上に規定することが好ましい。
【0049】
以上のように波長340nm〜380nmの近紫外光を発する発光素子を有する発光ダイオードにおいて、この発光素子から発せられる光によって励起されて発光する蛍光体として、ピーク波長625nm〜750nmの赤色蛍光体またはピーク波長575nm〜675nmの橙色蛍光体と、ピーク波長500nm〜600nmの緑色蛍光体と、ピーク波長400nm〜500nmの青色蛍光体とを含有する蛍光体とを用いることにより、赤色、緑色、青色の三原色の各成分のバランスが取れた一般照明用の白色光源の白色光とほぼ同様の白色光であり、かつ発光強度の強い発光を得ることができる。
【0050】
次に、本発明の効果を確認するための実験例について説明する。
【0051】
図1に示す発光ダイオードにおいて、波長375nmの近紫外光を発する発光素子と、赤色蛍光体として(Mg,Ca,Mn)33(Ge,Mn)12O55を重量百分率で55%、緑色蛍光体として(Ca,Zn)29Ge14O57:Mn2+を重量百分率で30%、青色蛍光体として(Sr,Ca)56(PO4)33Cl11:Eu2+を重量百分率で15%になるように混合された蛍光体からなる膜厚20μmの蛍光体膜とを有する発光ダイオード(以下、単に「本発明品A」という)を作製し、作製した発光ダイオードを100mWで発光させて発光強度、および色度について調べた。
【0052】
また、比較のために、一般的な蛍光ランプ用の蛍光体、例えばGdMgB5O10:Ce3+(赤色蛍光体)、LaPO4:Ce3+(緑色蛍光体)、および(Ba,Ca,Mg)10(PO4)6C12:Eu+2(青色蛍光体)とを混合した蛍光体からなる膜厚20μmの蛍光体膜とを有する点を除いて本発明品Aと同じ構成を備えている発光ダイオード(以下、単に「比較品」という)についても、100mWで発光させて発光強度、および色度について調べた。
【0053】
その結果、本発明品Aの発光強度は65cd/m2であった。一方、比較品の発光強度は20cd/m2であった。また、本発明品Aの色度はCIE1931色度図上で(x,y)=(0.28,0.30)であった。一方、比較品の色度はCIE1931色度図上で(x,y)=(0.21,0.22)であった。
【0054】
次に、図1に示す発光ダイオードにおいて、波長375nmの近紫外光を発する発光素子と、橙色蛍光体として(Y,Ca)40O40Sn20:Eu3+を重量百分率で13%、緑色蛍光体として(Ca,Zn)29Ge14O57:Mn2+を重量百分率で62%、青色蛍光体として(Sr,Ca)56(PO4)33Cl11:Eu2+を重量百分率で25%になるように混合された蛍光体からなる膜厚20μmの蛍光体膜とを有する発光ダイオード(以下、単に「本発明品B」という)を作製し、作製した発光ダイオードを100mWで発光させて発光強度、および色度について調べた。
【0055】
その結果、本発明品Bの発光強度は60cd/m2であった。また、本発明品Bの色度はCIE1931色度図上で(x,y)=(0.30,0.34)であった。
【0056】
このように本発明は、赤色、緑色、青色の三原色の各成分のバランスが取れた一般照明用の白色光源の白色光とほぼ同様の白色光であり、かつ発光強度の強い発光ダイオードを得ることができることが確認された。
【0057】
なお、本発明の実施の形態では、蛍光体膜11を透明基板6の表面に形成した場合について説明したが、透明基板6上に透明ガラス板(図示せず)を設け、この透明ガラス板の平面部分に蛍光体膜11を形成した場合でも上記と同様の効果を得ることができる。
【0058】
また、上記実施の形態では、蛍光体膜11を透明基板6の表面に形成した場合について説明したが、例えば蛍光体を樹脂部材4内に拡散させた場合や、図示はしていないが発光ダイオードの前面にレンズを設け、このレンズの表面に蛍光体膜11を形成した場合でも上記と同様の効果を得ることができる。
【0059】
さらに、上記実施の形態では、チップ型の発光ダイオードを例示したが、本発明は例えば砲弾型の発光ダイオード等にも適用することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の照明用蛍光体は、励起光源として、特に波長340nm〜380nmの近紫外光を発する光源を用いた場合に、赤色、緑色、青色の三原色の各成分のバランスが取れた一般照明用の白色光源の白色光とほぼ同様の白色光であり、かつ発光強度の強い発光を得ることができる照明用蛍光体を提供することができるものである。
【0061】
また、本発明の発光ダイオードは、波長340nm〜380nmの近紫外光を発する発光素子を有する発光ダイオードであって、赤色、緑色、青色の三原色の各成分のバランスが取れた一般照明用の白色光源の白色光とほぼ同様の白色光であり、かつ発光強度の強い発光を得ることができる発光ダイオードを提供することができるものである。
【0062】
さらに、本発明の蛍光体の塗布方法は、被塗布部材の平面部分に蛍光体膜を形成する際、蛍光体膜の膜厚を均一にすることができる蛍光体の塗布方法を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるチップ型の発光ダイオードの一部切欠正面図
【図2】蛍光体の平均粒径と蛍光体膜の相対的表面粗さとの関係を示す図
【符号の説明】
1 ベース部
2 凹部
3 発光素子
4 樹脂部材
5a,5b 外部電極
6 透明基板
7 半導体
8 P電極
9 N電極
10 金属ワイヤー
11 蛍光体膜
Claims (11)
- 波長340nm〜380nmの近紫外光によって励起されて白色発光する赤色または橙色、および緑色および青色蛍光体を含有する照明用蛍光体であって、赤色蛍光体はピーク波長625nm〜750nmで一般式A x D y O z (ただしAはMg、CaおよびMnの中から選ばれる少なくとも一種の元素、DはGeおよびMnの中から選ばれる少なくとも一種の元素でx、y、zは重量比率である)の単相の酸化物で且つ結晶構造が斜方晶であるとともに空間群をPbamを有し、橙色蛍光体はピーク波長575nm〜675nmで一般式G x O y S z :Eu 3+ (ただしGはYおよびGaの中から選ばれる少なくとも一種の元素でx、y、zは重量比率である)の単相の酸化物で且つ結晶構造が六方晶であるとともに空間群をP―3m有し、緑色蛍光体はピーク波長500nm〜600nmで一般式L x Ge y O z (ただしLはCaおよびZnの中から選ばれる少なくとも一種の元素でx、y、zは重量比率である)の単相の酸化物で且つ結晶構造が菱面晶であるとともに空間群R−3Hを有し、青色蛍光体はピーク波長400nm〜500nmの一般式M x (PO4) y Cl z :Eu 2+ (ただしMはSrおよびCaの中から選ばれる少なくとも一種の元素でx、y、zは重量比率である)の単相の酸化物で且つ結晶構造が六方晶であるとともに空間群P63 / mを有することを特徴とする照明用蛍光体。
- 前記赤色蛍光体の一般式A x D y O z におけるx、yおよびzは20<x<40、0<y<15、Z=100−x−yなる条件を満たす数であることを特徴とする請求項1記載の照明用蛍光体。
- 前記橙色蛍光体の一般式G x O y S z :Eu 3+ におけるx、yおよびzは35<x<45、35<y<45、Z=100−x−yなる条件を満たす数であることを特徴とする請求項1記載の照明用蛍光体。
- 前記緑色蛍光体の一般式L x Ge y O z におけるx、yおよびzは20<x<30、10<y<20、Z=100−x−yなる条件を満たす数であることを特徴とする請求項1記載の照明用蛍光体。
- 前記青色蛍光体の一般式M x (PO4) y Cl z :Eu 2+ におけるx、yおよびzは50<x<60、30<y<40、Z=100−x−yなる条件を満たす数であることを特徴とする請求項1記載の照明用蛍光体。
- 請求項1記載の前記赤色蛍光体と、前記緑色蛍光体と、前記青色蛍光体とを含有し、前記赤色蛍光体の含有量を重量百分率でa(%)、前記緑色蛍光体の含有量を重量百分率でb(%)、前記青色蛍光体の含有量を重量百分率でc(%)とした場合50%<a<60%、25%<b<35%、c=100−a−b(%)なる関係式が満たされていることを特徴とする請求項1記載の照明用蛍光体。
- 請求項1記載の前記橙色蛍光体と、前記緑色蛍光体と、前記青色蛍光体とを含有し、前記橙色蛍光体の含有量を重量百分率でd(%)、前記緑色蛍光体の含有量を重量百分率でb(%)、前記青色蛍光体の含有量を重量百分率でc(%)とした場合10%<d<20%、55%<b<65%、c=100−b−d(%)なる関係式が満たされていることを特徴とする請求項1記載の照明用蛍光体。
- 波長340nm〜380nmの近紫外光を発する発光素子と、この発光素子から発せられる光によって励起されて発光する請求項1〜請求項7のいずれかに記載の照明用蛍光体とを有することを特徴とする発光ダイオード。
- 請求項1記載の照明用蛍光体を被塗布部材の平面部分に塗布する蛍光体の塗布方法であって、前記蛍光体を含有する蛍光体懸濁液をスピンコーティングによって前記被塗布部材の平面部分に塗布することを特徴とする蛍光体の塗布方法。
- 前記蛍光体の平均粒径は1.5μm以下であることを特徴とする請求項9記載の蛍光体の塗布方法。
- 前記蛍光体懸濁液の調整において、前記蛍光体を溶液中に懸濁させる際、超音波攪拌を行った後、回転攪拌を行うことを特徴とする請求項9または請求項10記載の蛍光体の塗布方法。
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