JP3736271B2 - マスク、投影光学系の検査方法及び露光方法、並びに、投影光学系の検査装置及び露光装置 - Google Patents

マスク、投影光学系の検査方法及び露光方法、並びに、投影光学系の検査装置及び露光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3736271B2
JP3736271B2 JP2000085303A JP2000085303A JP3736271B2 JP 3736271 B2 JP3736271 B2 JP 3736271B2 JP 2000085303 A JP2000085303 A JP 2000085303A JP 2000085303 A JP2000085303 A JP 2000085303A JP 3736271 B2 JP3736271 B2 JP 3736271B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
light
optical system
projection optical
mask
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000085303A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001274059A (ja
Inventor
茂 蛭川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2000085303A priority Critical patent/JP3736271B2/ja
Publication of JP2001274059A publication Critical patent/JP2001274059A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3736271B2 publication Critical patent/JP3736271B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70483Information management; Active and passive control; Testing; Wafer monitoring, e.g. pattern monitoring
    • G03F7/70591Testing optical components
    • G03F7/706Aberration measurement

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投影光学系の焦点位置を求めるための計測パターンを備えるマスクに関し、加えて、マスク上に形成された回路パターン等を感光性材料の塗布された基板上に投影するための投影光学系の焦点ずれを計測する投影光学系の検査装置、及び検査方法に関するものである。さらに、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスの製造工程におけるフォトリソグラフィー工程で使用される露光装置、及び露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の露光装置としては、例えば次のような構成が知られている。すなわち、照明光学系から出射される所定の波長の露光光で、フォトマスク、レチクル等に形成されたパターンを照明する。この照明により形成されたパターンの像を、投影光学系を介して、前記露光光に対して感光性を有するフォトレジストが塗布されたウエハ、ガラスプレート等の基板上に投影転写するようになっている。このような露光装置では、前記マスク上のパターンの像を高精度で基板上に結像させるため、前記投影光学系に残存する諸収差を含む結像特性を計測する検査装置が装備されている。
【0003】
ここで、前記諸収差のうち、例えば前記投影光学系の光軸方向に焦点位置が変化する縦方向の収差には、前記パターンから出射された光の前記投影光学系における瞳面内を通過する位置と光軸との距離によって焦点位置の異なる球面収差が含まれている。そして、前記検査装置において、この球面収差は、例えば次のような方法により計測されている。
【0004】
すなわち、ピッチpの異なる複数のパターンを形成したマスクを用い、各パターンを垂直に照明しつつ、基板の光軸方向における位置を変化させて、各パターンの像を基板上に転写し、各パターン毎の焦点位置を求めるという方法で計測されている。この方法は、回折格子状のパターンから発生するn次の回折光の回折角θが、パターンのピッチp及び照明光の波長λに対し、
p・sinθ = nλ …… (1)
の関係を持つことを利用して、前記回折角に応じた焦点位置を求めるものとなっている。そして、この回折角に応じた焦点位置の計測結果から球面収差を求めるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来構成において、前記焦点位置の計測の方法が少なくとも2つある。第1の方法では、前記基板上に転写された各パターンの像を現像し、現像後の各パターンの像の線幅を、例えば走査型電子顕微鏡を用いて計測する。ここで、露光されたパターンの像において、許容される線幅の最大値と最小値との範囲の中心を求める。そして、その範囲の中心に対応する基板の光軸方向位置を焦点位置とするものである。これに対して、第2の方法では、同様に現像された各パターンの像の断面形状を、例えば走査型電子顕微鏡を用いて観察し、最もシャープな立ち上がりを示す像の転写時における基板の光軸方向位置を焦点位置とするものである。
【0006】
ところが、前記2つの方法で検出された焦点位置間には若干のずれが生じることがあり、いずれの方法による焦点位置の検出結果を採用するかによって、計測される投影光学系の球面収差量が異なったものとなるおそれがある。このため、投影光学系に残存する球面収差の補正の精度が低下し、パターンの像の転写時における精度が低下するおそれがあった。
【0007】
特に、レチクル上のパターンの像をウエハ上に投影転写する半導体素子は、近年ますます高度集積化する傾向にあり、その回路パターンも非常に微細なものとなっている。このような半導体素子を製造するためには、レチクル上のパターンの像を一層正確に基板上に結像させる必要があって、高精度な球面収差等の収差の計測が要求される。このため、前記従来構成による収差の計測では不十分となるおそれがあるという問題点があった。
【0008】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的としては、投影光学系に残存する球面収差等の収差を含む結像特性を、簡単な構成で精度よく計測することができる検査装置及び検査方法を提供することにある。
【0009】
また、その他の目的としては、投影光学系に残存する球面収差等の収差を含む結像特性を精度よく計測することができる簡単な構成の結像特性計測用マスクを提供することにある。
【0010】
さらに、その上の目的としては、投影光学系に残存する球面収差等の収差を含む結像特性を精度よく補正して、露光精度の向上を図ることができる露光装置及び露光方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1に係る発明のマスクは、投影光学系の焦点位置を求めるための計測パターンを備えるマスクにおいて、前記計測パターンは、第1方向に線状に延びる遮光部と透過部とを前記第1方向と交差する第2方向に交互に配列した第1パターンと、前記第1方向に線状に延びる遮光部と透過部とを前記第1方向と交差する第2方向に交互に配列した第2パターンと、前記第1パターンの透過部のそれぞれに設けられ、前記第1パターンの遮光部の一方側を透過する光と該遮光部の他方側を透過する光との間に位相差を与え、前記第2方向に関して一方側に光の位相を変化させる第1の位相シフタ部と、前記第2パターンの透過部のそれぞれに設けられ、前記第2パターンの遮光部の一方側を透過する光と該遮光部の他方側を透過する光との間に位相差を与え、前記第2方向に関して他方側に光の位相を変化させる第2の位相シフタ部とを有することを要旨とする。
【0012】
本願請求項2に係る発明のマスクは、請求項1に記載のマスクにおいて、前記第1位相シフタ部及び前記第2位相シフタ部は、前記第1パターンで生じる回折光と前記第2パターンで生じる回折光とを前記第2方向に関して互いに異なる角度に傾けることを要旨とする。
【0013】
本願請求項3に係る発明のマスクは、投影光学系の焦点位置を求めるための計測パターンを備えるマスクにおいて、前記計測パターンは、マスク面内の第1方向に線状に延びる遮光部と透過部とを前記第1方向と交差した第2方向に交互に配列した第1パターンと、前記第1方向に線状に延びる遮光部と透過部とを前記第1方向と交差した第2方向に交互に配列した第2パターンと、前記第1パターンの透過部のそれぞれに設けられ、前記第1パターンの遮光部の一方側を透過する光と該遮光部の他方側を透過する光との間に位相差を与え、前記第1パターンからの回折光を前記第2方向に関して傾ける第1の位相シフタ部と、前記第2パターンの透過部のそれぞれに設けられ、前記第2パターンの遮光部の一方側を透過する光と該遮光部の他方側を透過する光との間に位相差を与え、前記第2パターンからの回折光を前記第2方向に関して前記第1パターンからの回折光と逆向きに傾ける第2の位相シフタ部とを有することを要旨とする。
【0014】
本願請求項4に係る発明のマスクは、投影光学系の焦点位置を求めるための計測パターンを備えるマスクにおいて、前記計測パターンは、マスクの面内の第1方向に線状に延びると共に、前記マスクの面内で前記第1方向と交差した第2方向に透過部を挟んで格子状に複数配置した遮光部と、該複数の遮光部の夫々の両側に位置する2箇所の透過部からの光の位相に着目したとき、、前記第2方向に関して、該位相が一方側に相対シフトして所定の位相差となるように、各遮光部間の透過部のそれぞれに設けられた位相シフタ部とで構成される第1パターンと、前記マスクの面内の第1方向に線状に延びると共に、前記マスクの面内で前記第1方向と交差した第2方向に透過部を挟んで格子状に複数配置した遮光部と、該複数の遮光部の夫々の両側に位置する2箇所の透過部からの光の位相に着目したとき、前記第2方向に関して、該位相が他方側に相対シフトして所定の位相差となるように、各遮光部間の透過部のそれぞれに設けられた位相シフタ部とで構成される第2パターンとを備え、前記第1パターンと前記第2パターンとを前記マスクの面内で並したことを要旨とする。
【0015】
本願請求項5に係る発明のマスクは、請求項4に記載のマスクにおいて、前記第1パターンが有する位相シフタ部及び前記第2パターンが有する位相シフタ部は、前記第1パターンで生じて前記投影光学系を通って結像に使われる1次回折光と前記第2パターンで生じて前記投影光学系を通って結像に使われる1次回折光とを前記第2方向に関して互いに逆向きに傾けることを要旨とする。
【0017】
本願請求項に係る発明のマスクは、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のマスクにおいて、前記第1パターン及び前記第2パターンを前記投影光学系により像面側に投影したとき、前記第1パターンの像の位置と前記第2パターンの像との位置とがデフォーカス状態に応じて、互いに異なる方向に変位することを要旨とする。
【0018】
本願請求項に係る発明のマスクは、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のマスクにおいて、前記第1のパターンと前記第2のパターンとは、前記第1方向と直交する方向に並んで配置されることを要旨とする。
【0019】
本願請求項に係る発明のマスクは、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のマスクにおいて、前記投影光学系における光束の通過領域に対応する照明領域内に、前記第1パターン及び前記第2パターンの組を、前記照明領域の中心からの距離が異なるように二次元的に複数配置したことを要旨とする。
【0020】
本願請求項に係る発明のマスクは、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のマスクにおいて、前記第1パターンと前記第2パターンとは、ボックス・イン・ボックスを構成することを要旨とする。
【0021】
本願請求項10に係る発明のマスクは、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のマスクにおいて、前記第1パターン及び前記第2パターンの前記透過部と前記遮光部とを第1繰返し間隔で形成した第1マークと、前記第1パターン及び前記第2パターンの前記透過部と前記遮光部とを前記第1繰返し間隔よりも粗い第2繰返し間隔で形成した第2マークとを有することを要旨とする。
【0022】
本願請求項11に係る発明の投影光学系の検査方法は、物体面に配置されたマスクのパターンを像面上に投影する投影光学系の焦点位置を計測する投影光学系の検査方法において、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のマスクを前記物体面に配置し、前記マスクに形成された第1パターン及び第2パターンを前記投影光学系を介して前記像面側に投影し、投影された前記第1パターンの像と前記第2パターンの像との位置関係を計測し、前記計測結果に基づいて、前記投影光学系の焦点位置を計測することを要旨とする投影光学系の検査方法。
【0023】
本願請求項12に係る露光方法では、マスクに形成された回路パターンを投影光学系を介して基板上に投影する露光方法において、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のマスクを前記物体面に配置し、前記マスクに形成された第1パターン及び第2パターンを前記投影光学系を介して基板上に投影し、投影された前記第1パターンの像と前記第2パターンの像との位置関係を計測し、前記計測結果に基づいて、前記投影光学系の結像特性を補正することを要旨とする。
【0024】
本願請求項13に係る投影光学系の検査装置では、物体面に配置されたマスク上のパターンの像を像面側に投影する投影光学系の結像特性を計測する投影光学系の検査装置において、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のマスクと、前記投影光学系を介して、前記像面側に投影される前記第1パターンの像及び前記第2パターン像の位置関係を求める位置検出手段と、前記位置検出手段の検出結果に基づいて、前記投影光学系の結像特性を計測する計測手段とを備えたことを要旨とする。
【0025】
本願請求項14に係る投影光学系の検査装置では、請求項13に記載の投影光学系の検査装置において、前記計測手段は、前記第1、第2パターン毎に予め設定された基準位置と前記位置検出手段で検出された前記第1、第2パターンの像の検出位置との差に基づいて前記投影光学系の結像特性を計測することを要旨とする。
【0026】
本願請求項15に係る露光装置では、マスク上に形成された回路パターンを投影光学系を介して基板上に投影転写する露光装置において、請求項13又は請求項14に記載の投影光学系の検査装置と、前記検査装置による投影光学系の結像特性の計測結果に基づいて、該結像特性を補正する補正手段とを備えたことを要旨とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下に、本発明を半導体素子製造用のステップ・アンド・リピート方式の一括露光型露光装置、その露光装置における投影光学系の検査装置、及びその検査装置に用いる結像特性計測用マスクに具体化した第1実施形態について、図1〜図12に基づいて説明する。なお、この実施形態では、投影光学系に生じる収差として、特に球面収差及びコマ収差を計測する場合を中心に説明している。
【0035】
まず、露光装置21の全体構成を、図1に基づいて概略的に説明する。露光光源22から照射された露光光ELは、コリメータレンズ23に入射して、ほぼ平行な所定の断面形状の光束に変換される。前記露光光ELは、例えばKrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2レーザ等のレーザ光、金属蒸気レーザやYAGレーザ等の高調波、あるいはg線、h線、i線等の超高圧水銀ランプの輝線である。
【0036】
前記コリメータレンズ23を通過した露光光ELは、ミラー24を介してフライアイレンズ25(ロッドレンズでもよい)に入射して多数の光束の合成光束に変換され、その射出側には多数の2次光源像が形成される。このフライアイレンズ25によって形成される複数の2次光源像の露光光ELは、図示しないターレット板上の所定の開口絞りを通過することにより、照明条件を変更される。
【0037】
所定の開口絞りを通過した各2次光源像からの露光光ELは、ミラー26、コンデンサレンズ27に入射する。コンデンサレンズ27を通過した露光光ELは、レチクルステージRST上に、通常照明時の露光光ELの光軸と直交するように保持されたマスクとしてのレチクルRに入射する。このレチクルR上には、半導体素子等の回路パターン等が描かれている。
【0038】
このように、前記露光光源22からコンデンサレンズ27までの合成系は、レチクルR上に形成された回路パターン等を露光光ELにより照明する照明光学系28を構成している。また、この照明光学系28は、後述する投影光学系PLの結像特性を計測する際の光発生手段の一部を構成している。そして、前記フライアイレンズ25から射出される多数の2次光源像はレチクルR上で重畳され、レチクルRが均一な照度で照明されるようになっている。
【0039】
前記レチクルRを通過した露光光ELは、例えば両側テレセントリックな投影光学系PLに入射する。投影光学系PLは、前記レチクルR上の回路パターンを例えば1/5あるいは1/4に縮小した投影像を、表面に前記露光光ELに対して感光性を有するフォトレジストが塗布された基板としてのウエハW上に形成する。このウエハWは、前記投影光学系PLの光軸AXに対してほぼ直交するようにウエハステージWST上に保持されている。
【0040】
ウエハステージWSTは、ウエハステージ駆動部31により、前記ウエハWの表面が、投影光学系PLの最適結像面に対し、任意方向に傾斜可能で、かつ投影光学系PLの光軸AX方向(Z方向)に微動可能になっている。また、ウエハステージWSTは、任意のショット領域を前記投影光学系PLに対応させるために、前記光軸AXと直交する二方向(X方向及びY方向)にも移動可能に構成されている。
【0041】
これにより、ウエハW上の各ショット領域を一括露光する動作と、次のショット領域まで移動する動作とを繰り返すステップ・アンド・リピート動作が可能になっている。なお、図1において、前記光軸AX(Z方向)に直交するとともに紙面と平行な方向をX方向とし、光軸AX及び紙面に直交する方向をY方向とする。
【0042】
前記ウエハステージWSTの端部には、干渉計32からのレーザビームを反射する移動鏡33が固定されており、ウエハステージWSTのXY方向の位置は干渉計32によって、例えば0.01μm程度の分解能で常時検出される。なお、図1においては、X方向のみの干渉計32及び移動鏡33が示されている。そして、ウエハステージWSTの位置情報は、露光装置21全体を制御する主制御系34に送られる。主制御系34は、この位置情報に基づいて前記ウエハステージ駆動部31を制御する。
【0043】
また、前記投影光学系PLを挟むように、照射光学系35と受光光学系36とからなる斜入射方式のウエハ位置検出系(焦点検出系)37が配設されている。前記照射光学系35は、ウエハWの表面等に向けてピンホールあるいはスリット像を形成するための結像光束を、前記光軸AX方向に対して斜め方向より供給するものである。前記受光光学系36は、その結像光束のウエハWの表面での反射光束を照射光学系35側のピンホールあるいはスリットと対応するピンホールあるいはスリットを介して受光するものである。
【0044】
この焦点検出系37の構成等は、例えば特開昭60−168112号公報に開示されており、ここでの詳細な説明は省略する。前記焦点検出系37は、予め設定された基準位置に対するウエハWの表面のZ方向の位置偏差を検出する。検出されたウエハWの位置情報は、前記主制御系34に送られる。主制御系34は、このウエハWの位置情報に基づいて、ウエハWと前記投影光学系PLとが所定の間隔を保つように、前記ウエハステージWSTをZ方向に駆動する。
【0045】
前記投影光学系PLの側面には、オフ・アクシス方式のウエハアライメント顕微鏡(WA顕微鏡)40が装備されている。そして、このWA顕微鏡40により、ウエハWの各ショット領域の近傍に形成されたアライメントマークが検出されるようになっている。
【0046】
前記ウエハステージWST上のウエハWの近傍には、空間像検出系41が配備されている。この空間像検出系41には、ウエハWの表面の高さとほぼ一致するように設定された基準面と、その基準面上の矩形状の開口の下方に配設されたCCD等からなる受光センサとを備えている。そして、この受光センサにより、前記開口を通過した露光光ELの強度が測定されて、その露光光ELの光強度分布に関する検出信号が、信号処理部42を介して前記主制御系34に入力されるようになっている。
【0047】
この空間像検出系41を用いた前記投影光学系PLの結像位置の検出の一例としては、例えば次のようなものが挙げられる。すなわち、所定のパターン、例えばライン・アンド・スペース・パターンの形成されたレチクルRを用い、そのパターンの像を、投影光学系PLを介して空間像検出系41の基準面上の開口近傍に投影する。この状態から、ウエハステージWSTを駆動して、パターンの像と開口とを相対移動させつつ、前記受光センサにより開口を通過したパターンの像の光強度分布を検出する。検出された光強度分布に関する信号は主制御系34に入力され、その信号波形に基づいて前記パターンの像のコントラストが求められる。
【0048】
このコントラストの計測を、投影光学系PLの光軸AX方向の複数位置に前記基準面を相対移動させた状態で繰り返し行い、それらの計測結果のうちで高いコントラストを示す計測位置を前記投影光学系PLにおける最適な結像面の位置とするものである。このような最適結像面の位置に関する情報は、例えば前記焦点検出系37の基準位置の較正、投影光学系PLの像面内における露光光ELの照度分布計測などに用いられる。
【0049】
前記投影光学系PLには、その投影光学系PLの鏡筒45内に保持された複数のレンズエレメント46の間隔を調整するための結像特性調整部47が接続されている。また、前記投影光学系PLには、前記鏡筒45内の圧力(レンズエレメント46間の圧力)を調整する圧力調整部48が接続されている。前記主制御系34は、投影光学系PLに残存し、後述するように計測される球面収差を含む諸収差が補正されるように、結像特性調整部47及び圧力調整部48の動作を制御する。このように、これら結像特性調整部47及び圧力調整部48は補正手段を構成しており、この補正により前記投影光学系PLの結像特性が補正され、レチクルR上のパターンの像の正確な露光が確保されるようになっている。
【0050】
次に、前記WA顕微鏡40及びその関連構成について、図2に基づいて詳細に説明する。
WA顕微鏡40は、例えば広波長帯域の光を用いる画像処理方式のアライメント光学系(FIA光学系)51により構成されている。すなわち、照明光源52からの照明光ILは、FIA光学系51内のハーフミラー52a及びミラー53で反射され、偏向ミラー54によって偏向された後、ウエハW上に形成されたアライメントマークを照明する。そのアライメントマークからの反射光RLは、同じ光路を通って前記FIA光学系51に戻り、そのFIA光学系51内において前記ハーフミラー52aを透過し、ハーフプリズム55に入射する。そして、このハーフプリズム55において、反射光RLは2つの光束に分割される。
【0051】
分割された各光束は、それぞれ2次元CCDよりなるX軸用及びY軸用の2つの撮像素子56の撮像面上に前記アライメントマークの像を結像させる。このとき、各撮像素子56の撮像面には、前記FIA光学系51の内部に配置された指標板57上の指標マークの像も同時に結像される。この撮像面における受光像は、光電変換により撮像信号に変換されて信号処理装置58に入力される。この信号処理装置58において、図1に示す主制御系34の制御のもとで、前記撮像信号に基づいてアライメントマークの投影像の指標マークに対する位置ずれが求められる。
【0052】
この場合、前記WA顕微鏡40の検出中心と前記レチクルRの投影領域の中心との間隔であるベースライン量に対する前記指標マークの位置のオフセット量を予め求めておく。そして、このオフセット量とWA顕微鏡40で計測された指標マークに対するアライメントマークの像の位置ずれ量とに基づいて、前記ウエハステージ駆動部31によりウエハWの位置が調整される。これにより、ウエハW上の各ショット領域が所定位置に配置され、その各ショット領域のアライメントが正確に行われるようになっている。
【0053】
次に、前記露光装置21を含む露光システム全体の概略構成について、図3に基づいて説明する。
露光装置21には、デベロッパ61が接続されている。そして、露光装置21においてウエハW上に投影転写された前記レチクルR上の回路パターン等の像や、後述する結像特性計測用の位相シフトレチクルRps上のパターンの像は、このデベロッパ61において現像される。
【0054】
ここで、特に投影光学系PLの結像特性計測時には、現像後のパターンの像の位置が、位置検出手段を構成する前記WA顕微鏡40により検出される。この検出結果は計測手段を構成する前記主制御系34に入力され、投影光学系PLの諸収差を含む結像特性が計測される。そして、この計測結果に基づいて、前記結像特性調整部47及び圧力調整部48の動作が制御されて、投影光学系PLの結像特性が補正される。
【0055】
次に、前記投影光学系PLに残存する球面収差等の収差を含む結像特性を検査する際に用いる結像特性計測用マスクとしての位相シフトレチクルRpsについて説明する。
【0056】
図4〜図6に示すように、前記位相シフトレチクルRpsには、第1の繰り返し間隔が同一となるマークとしての第1同ピッチマークMsp1、第2の繰り返し間隔が同一となるマークとしての第2同ピッチマークMsp2、第1の繰り返し間隔が異なるマークとしての第1異ピッチマークMdp1、及び第2の繰り返し間隔が異なるマークとしての第2異ピッチマークMdp2が形成されている。これらのマークMsp1,Msp2,Mdp1,Mdp2は一組として、位相シフトレチクルRps上の照明領域の中心と、その中心からの距離が異なった四隅との5箇所に二次元的に配置されている。
【0057】
前記各マークMsp1,Msp2,Mdp1,Mdp2には、第1パターンとしての内側マークMipと、第2パターンとしての外側マークMopとがそれぞれ形成されている。これらのマークMip,Mopは、外側マークMopの内側に内側マークMipが配置された、いわゆるボックス・イン・ボックス・マークとなっている。また、位相シフトレチクルRpsのレチクル基板64は前記露光光ELを透過する物質、例えばガラス、石英、蛍石等で形成されており、外側マークMop及び内側マークMipはこのレチクル基板64の一面側(本実施形態では下面側)に形成されている。
【0058】
前記外側マークMopは、所定の距離をおいて離間するように配置され、X方向に沿って延びる一対の第1ライン・アンド・スペース・パターン(第1L/Sパターン)P1と、所定の距離をおいて離間するように配置され、Y方向に沿って延びる一対の第2ライン・アンド・スペース・パターン(第2L/Sパターン)P2とからなっている。
【0059】
前記内側マークMipは、所定の距離をおいて離間するように配置され、X方向に沿って延びる一対の第3ライン・アンド・スペース・パターン(第3L/Sパターン)P3と、所定の距離をおいて離間するように配置され、Y方向に沿って延びる一対の第4ライン・アンド・スペース・パターン(第4L/Sパターン)P4とからなっている。
【0060】
次に、各L/SパターンP1〜P4の構成について説明する。図4及び図6に示すように、前記各L/SパターンP1〜P4は、いずれも複数の透過部Pt(露光光ELが透過する)及び遮光部Ps(露光光ELが透過しない)を所定の繰り返し間隔で交互に配列した構成となっている。各遮光部Psは、レチクル基板64の表面に形成された、例えばクロム、アルミニウム等の前記露光光ELに対して不透明な物質の層65によりなっている。各透過部Ptは、不透明な物質の層65が形成されておらず、前記透明な物質がそのまま露出した状態のレチクル基板64の表面に一部及びレチクル基板64の表面上に形成された所定深さの掘り込みによりなっている。
【0061】
ここで、前記各L/SパターンP1〜P4の透過部Ptは、透過部Ptの一端から他端にかけて、レチクル基板64の表面からの掘り込み量がほぼ一定量ずつ段階的に深く変化するように形成されている。また、外側マークMopの第1及び第2L/SパターンP1,P2と、内側マークMipの第3及び第4L/SパターンP3,P4とでは、それらの透過部Ptにおける掘り込み量の変化する方向、つまり掘り込みが段階的に深くなる配列方向が逆になるように形成されている。これにより、第1及び第2L/SパターンP1,P2と、第3及び第4L/SパターンP3,P4とでは、それらの透過部Ptを透過する露光光ELの位相が互いに逆方向へ段階的に変化されるようになっている。
【0062】
また、前記第1同ピッチマークMsp1内、及び第2同ピッチマークMsp2内では、各L/SパターンP1〜P4における透過部Ptと遮光部Psとの繰り返し間隔(配列ピッチ)が同一となるように構成されている。そして、両同ピッチマークMsp1,Msp2間では、第1同ピッチマークMsp1の配列ピッチが、第2同ピッチマークMsp2の配列ピッチよりも粗くなるように形成されている。
【0063】
さらに、前記第1異ピッチマークMdp1内、及び第2異ピッチマークMdp2内では、各L/SパターンP1〜P4における透過部Ptと遮光部Psとの配列ピッチが異なるように構成されている。すなわち、第1異ピッチマークMdp1においては、第1及び第2L/SパターンP1,P2の配列ピッチが、第3及び第4L/SパターンP3,P4の配列ピッチよりも細かくなるように形成されている。これに対して、第2異ピッチマークMdp2においては、第1及び第2L/SパターンP1,P2の配列ピッチが、第3及び第4L/SパターンP3,P4の配列ピッチよりも粗くなるように形成されている。
【0064】
次に、本実施形態における投影光学系PLに残存する球面収差等の収差を含む結像特性の検査方法について説明する。
まず、図1に示すように、前記レチクルステージRST上に、光発生手段を構成する結像特性計測用マスクとしての位相シフトレチクルRpsを載置する。ついで、図示しないターレット板上に形成された通常照明用の開口絞りを露光光ELの光路内に対応させて、位相シフトレチクルRpsを露光光ELで垂直に照明する。そして、ウエハステージWSTをZ方向に駆動させて、ウエハWの位置を投影光学系PLの光軸AX方向に所定量ずつ変化させながら、位相シフトレチクルRps上に形成された各マークMsp1,Msp2,Mdp1,Mdp2におけるL/SパターンP1〜P4の像を、ウエハW上に投影転写する。その後、これらのウエハW上に投影転写されたL/SパターンP1〜P4の像を、デベロッパ61において現像する。
【0065】
この場合、各マークMsp1,Msp2,Mdp1,Mdp2において、外側マークMopの第1及び第2L/SパターンP1,P2と、内側マークMipの第3及び第4L/SパターンP3,P4とでは、透過部Ptの掘り込み量の変化方向が逆になっている。すなわち、図6に示すように、外側マークMopの第1及び第2L/SパターンP1,P2では、同図の右側の透過部Ptほど掘り込み量が深くなっているのに対し、内側マークMipの第3及び第4L/SパターンP3,P4では、同図の右側の透過部Ptほど掘り込み量が浅くなっている。
【0066】
このため、掘り込み量の浅い透過部Ptほど透過する光束に位相遅れが生じる。よって、外側マークMopの第1及び第2L/SパターンP1,P2では、各透過部Ptを透過する光束の波面に図6の左側への傾きが生じるのに対して、内側マークMipの第3及び第4L/SパターンP3,P4では、各透過部Ptを透過する光束の波面に同図の右側への傾きが生じる。
【0067】
ここで、前記位相シフトレチクルRpsにおけるL/SパターンP1〜P4のピッチをp、隣り合う透過部Pt間の掘り込み段差量をd、石英等のレチクル基板64の屈折率をn、露光光ELの波長をλとすると、隣り合う透過部Pt間の位相差φは、次の(2)式で求められる。
φ=d(n−1)/λ ……(2)
この場合、位相シフトレチクルRpsを照明する露光光ELの入射角がθであるときの、ピッチpのパターンの隣り合った透過部からの光束の位相差φは次の(3)式で求められる。
φ=p・sinθ/λ ……(3)
よって、この(2)式及び(3)式から、前記位相シフトレチクルRpsでの傾斜照明の効果は、次の(4)式で表されることになる。すなわち、透過部Ptの掘り込み量を段階的に変化させたL/SパターンP1〜P4を有する位相シフトレチクルRpsを用いた場合、そのL/SパターンP1〜P4を特定の角度で斜入射照明する場合と同等の効果を得ることができる。
sinθ=d(n−1)/p ……(4)
さらに、斜入射照明におけるパターンからの回折光の発生について考察すると、ピッチpのパターンからの1次回折光の回折角ψoは、次の(5)式で求められる。
sinψo=λ/p ……(5)
これに対して、前記露光光ELが位相シフトレチクルRpsの段階的な位相シフト効果によって実質的に傾斜しているとき、0次光と逆の側に発生する1次回折光の回折角ψは、0次光側の符号を+とすると、次の(6)式で求められる。
Figure 0003736271
なお、この場合0次光の回折角θは、sinθ=d(n−1)/pである。
【0068】
ここで、前記回折角sinψ及びsinθとパターンのピッチpとの関係を、波長λ=248nm、屈折率n=1.50、掘り込み段差量d=100nm及び200nmの場合について求めると、図7に示すようになる。
【0069】
同図から明らかなように、透過部Ptの掘り込み段差量dが大きいパターンほど、回折角が大きくなるが、掘り込み段差量dの同じパターンでは、ピッチpが粗くなるほど回折角が小さくなることが分かる。また、掘り込み段差量d=100nm及び200nmの場合において、0次光の回折光と1次光の回折光とのほぼ中間に、仮想的な像位置の傾きがあって、その傾きのいずれかに焦点位置が存在することが分かる。
【0070】
そこで、前記位相シフトレチクルRpsの各マークMsp1,Msp2,Mdp1,Mdp2にて発生する露光光ELの実際の回折現象について説明する。
まず、各L/SパターンP1〜P4のピッチの粗い第1同ピッチマークMsp1では、図8(a)に示すように、外側マークMopのL/SパターンP2において、投影光学系PLの光軸AXに対して一方側に傾きをもった回折光BLa1,BLa2の二光束が発生する。これに対して、内側マークMipのL/SパターンP4においては、光軸AXに対して他方側に傾きをもった回折光BLb1,BLb2の二光束が発生する。これらの二組の二光束による像位置の位置ずれを求め、その像の位置が一致する仮想的な焦点位置FA(x)を求める。
【0071】
具体的な計測方法としては、ウエハW上に投影転写されて、デベロッパ61において現像された各マークMop,Mipの像を、位置検出手段としての前記WA顕微鏡40の観察視野内にセットし、外側マークMopの像と内側マークMipの像との中心位置の差を、WA顕微鏡40により計測する。そして、ウエハWの位置を投影光学系PLの光軸AX方向に変化させながら、両マークMop,Mipの露光を繰り返し行い、それらの像位置の位置ずれが0になる仮想的な焦点位置FA(x)を求める。
【0072】
すなわち、各ショット毎にウエハWの位置を変化させて、両マークMop,MipをウエハW上に投影転写すると、図10(a),(c)に示すように、デフォーカス状態では、外側マークMopの像と内側マークMipの像との間に位置ずれが発生する。この両マークMop,Mip間の位置ずれを計測して、その測定結果に基づいて、図10(b)に示すように、位置ずれが0になるベストフォーカス状態の仮想的な焦点位置FA(x)を求めるものである。
【0073】
同様に、各L/SパターンP1〜P4のピッチの細かい第2同ピッチマークMsp2では、図8(b)に示すように、外側マークMopにおいて、投影光学系PLの光軸AXに対して一方側に傾きをもった回折光BLc1,BLc2の二光束が発生する。これに対して、内側マークMipにおいては、光軸AXに対して他方側に傾きをもった回折光BLd1,BLd2の二光束が発生する。これらの二組の二光束による像位置の位置ずれを求め、その像の位置が一致する仮想的な焦点位置FB(x)を求める。
【0074】
この第2同ピッチマークMsp2の場合には、第1同ピッチマークMsp1の場合と比較して、各L/SパターンP1〜P4のピッチが細かく形成されているため、各回折光BLc1,BLc2,BLd1,BLd2の回折角が、前記回折光BLa1,BLa2,BLb1,BLb2よりも大きくなる。そして、前記投影光学系PLに球面収差が残存する場合には、第1同ピッチマークMsp1の焦点位置FA(x)と、第2同ピッチマークMsp2の焦点位置FB(x)との間に位置ずれZdiffが発生する。
【0075】
この焦点位置FA(x),FB(x)間の位置ずれZdiffは、前記の場合と同様にWA顕微鏡40により計測して、その計測結果を主制御系34に入力する。主制御系34には、例えば図11に示すように、前記焦点位置FA(x),FB(x)間の位置ずれZdiffと、投影光学系PLの球面収差との関係を表すテーブルデータが記憶されている。主制御系34は、このテーブルデータに基づいて、前記位置ずれZdiffの計測結果から投影光学系PLの球面収差を求める。
【0076】
続いて、前記第1及び第2異ピッチマークMdp1,Mdp2について説明する。まず、第1異ピッチマークMdp1では、外側マークMopが内側マークMipよりも細かいピッチで形成されている。このため、図9(a)に示すように、外側マークMopにおいては、投影光学系PLの光軸AXに対して一方側に大きな回折角の傾きをもった回折光BLe1,BLe2の二光束が発生する。これに対して、内側マークMipにおいては、光軸AXに対して他方側に小さな回折角の傾きをもった回折光BLf1,BLf2の二光束が発生する。これらの二組の二光束による像位置の位置ずれを求め、その像の位置が一致する仮想的な焦点位置FC(x)を求める。
【0077】
一方、第2異ピッチマークMdp2では、外側マークMopが内側マークMipよりも粗いピッチで形成されている。このため、図9(b)に示すように、外側マークMopにおいては、投影光学系PLの光軸AXに対して一方側に小さな回折角の傾きをもった回折光BLg1,BLg2の二光束が発生する。これに対して、内側マークMipにおいては、光軸AXに対して他方側に大きな回折角の傾きをもった回折光BLh1,BLh2の二光束が発生する。これらの二組の二光束による像位置の位置ずれを求め、その像の位置が一致する仮想的な焦点位置FD(x)を求める。
【0078】
このとき、前記投影光学系PLにコマ収差が残存する場合には、第1異ピッチマークMdp1の焦点位置FC(x)と、第2異ピッチマークMdp2の焦点位置FD(x)との間に位置ずれZdiffが発生する。この焦点位置FC(x),FD(x)間の位置ずれZdiffは、前記の場合と同様にWA顕微鏡40により計測して、その計測結果を主制御系34に入力する。主制御系34には、例えば図12に示すように、前記焦点位置FC(x),FD(x)間の位置ずれZdiffと、投影光学系PLのコマ収差との関係を表すテーブルデータが記憶されている。主制御系34は、このテーブルデータに基づいて、前記位置ずれZdiffの計測結果から投影光学系PLのコマ収差を求める。
【0079】
さらに、前記ウエハW上に投影現像された位相シフトレチクルRpsにおける各マークMsp1,Msp2,Mdp1,Mdp2の像の位置等を適宜に比較することにより、前記球面収差及びコマ収差以外の、非点収差、像面湾曲、像面歪曲等の他の収差を計測することもできる。
【0080】
そして、前記主制御系34は、これらの諸収差の計測結果に基づいて、結像特性調整部47または圧力調整部48の少なくとも一方の動作を制御して、投影光学系PLの諸収差を含む結像特性を補正する。これにより、実露光時におけるレチクルR上のパターンの像の正確な露光が確保される。
【0081】
以上のように構成されたこの第1実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(イ) 前記露光装置21では、第1パターンを構成する内側マークMipの像と第2パターンを構成する外側マークMopとの像を、その内側マークMip及び外側マークMopからの光の位相をそれぞれ異ならせた状態で、投影光学系PLを介してウエハW上に潜像として記録する。そして、現像された両マークMip,Mopの像の相対位置をウエハアライメント顕微鏡40で検出し、その検出結果に基づいて投影光学系PLの諸収差を含む結像特性を計測するようになっている。
【0082】
このため、投影光学系PLに残存する球面収差等の収差を、内側マークMipと外側マークMopとの像の相対位置情報として検出することが可能になる。よって、前記従来構成のように、検出方法によって検出結果に微妙なずれの生じる焦点位置の検出を行うことなく、投影光学系PLの収差を含む結像特性をより正確かつ直接的に計測することができる。
【0083】
(ロ) 前記露光装置21では、投影光学系PLの諸収差を計測する際に、透過する露光光ELの位相を段階的に変化させる複数の透過部Ptを有する内側マークMip及び外側マークMopを備えた位相シフトレチクルRpsを使用している。そして、前記内側マークMipの透過部Ptと外側マークMopの透過部Ptとでは、透過する露光光ELの位相が互いに逆方向へ変化されるようになっている。
【0084】
このように、位相シフトレチクルRpsを用いることで、前記両マークMip,Mopの像は、それぞれ二光束干渉で結像することになる。よって、投影光学系PLの光軸AX方向に生じる収差を含む各マークMip,Mopの像の結像状態を、前記光軸AXと交差する方向における位置情報として、容易かつ正確に検出することができる。
【0085】
(ハ) 前記露光装置21では、位相シフトレチクルRpsの各マークMip,Mopにおいて、複数の透過部Ptをレチクル基板64の表面からの掘り込み量を段階的に変化させて形成することにより、それらの透過部Ptを透過する露光光ELの位相に段階的な変化を生じさせるようになっている。また、内側マークMipと外側マークMopとの間では、それらの透過部Ptの掘り込み量の変化方向を逆にすることにより、逆方向の位相変化を生じさせるようになっている。
【0086】
このため、位相シフトレチクルRpsの構成が簡単で容易に製作することができるとともに、この位相シフトレチクルRpsを用いて投影光学系PLの結像特性を精度よく計測することができる。
【0087】
(ニ) 前記露光装置21では、位相シフトレチクルRps上に、第1パターンを構成する内側マークMipと第2パターンを構成する外側マークMopとが、外側マークMopが内側マークMipを所定の間隔をおいて挟み込むように配置されている。
【0088】
ここで、投影光学系PLに球面収差等の収差が残存する場合、両マークMip,Mopの像は投影光学系PLの像面内において逆方向に移動する。そして、外側マークMopが内側マークMipを挟み込むように配置されているため、両マークMip,Mopの相対位置を計測することで、両マークMip,Mopの位置ずれを一層精度よく計測することができる。
【0089】
(ホ) 前記露光装置21では、位相シフトレチクルRps上に第1同ピッチマークMsp1及び第2同ピッチマークMsp2が形成され、各同ピッチマークMsp1,Msp2にはそれぞれ内側マークMip及び外側マークMopが設けられている。そして、各同ピッチマークMsp1,Msp2内では、内側マークMipと外側マークMopとの透過部Ptのピッチが同一となるように形成されている。また、両同ピッチマークMsp1,Msp2間では、第1同ピッチマークMsp1の透過部Ptのピッチが、第2同ピッチマークMsp2の透過部Ptのピッチよりも粗くなるように形成されている。
【0090】
このため、第1同ピッチマークMsp1の像と第2同ピッチマークMsp2の像と位置ずれを検出することによって、投影光学系PLの球面収差を容易かつより正確に計測することができる。
【0091】
(ヘ) 前記露光装置21では、位相シフトレチクルRps上に第1異ピッチマークMdp1及び第2異ピッチマークMdp2が形成され、各異ピッチマークMdp1,Mdp2にはそれぞれ内側マークMip及び外側マークMopが設けられている。そして、第1異ピッチマークMdp1においては、内側マークMipの透過部Ptのピッチが外側マークMopの透過部Ptのピッチよりも粗くなるように形成されている。また、第2異ピッチマークMdp2においては、内側マークMipの透過部Ptのピッチが外側マークMopの透過部Ptのピッチよりも細かくなるように形成されている。
【0092】
このため、第1異ピッチマークMdp1の像と第2異ピッチマークMdp2の像と位置ずれを検出することによって、投影光学系PLのコマ収差を容易かつより正確に計測することができる。
【0093】
(ト) 前記露光装置21では、位相シフトレチクルRps上に、前記第1同ピッチマークMsp1、第2同ピッチマークMsp2、第1異ピッチマークMdp1、及び第2異ピッチマークMdp2を一組としたマークが、投影光学系PLにおける露光光ELの通過領域の中心、及びその中心から所定間隔をおいた四隅の5箇所に対応するように、二次元的に配置されている。
【0094】
このため、照明領域内の複数箇所において、投影光学系PLの球面収差やコマ収差等の収差を含む結像特性を一層正確に計測することができるとともに、像面湾曲等の他の収差を計測することもできる。
【0095】
(チ) 前記露光装置21では、内側マークMipと外側マークMopとの相対位置の検出に基づいて計測された投影光学系PLの諸収差を含む結像特性が、結像特性調整部47または圧力調整部48の少なくとも一方により補正されるようになっている。
【0096】
このため、投影光学系PLに残存する球面収差等の収差をより正確に計測した上で、その計測結果に基づいて投影光学系PLの結像特性を補正することができて、投影光学系PLの結像特性をより正確に調整することができる。従って、レチクルR上のパターンの像をウエハW上に転写する実露光時において、一層正確に前記パターンの像をウエハW上に結像させることができて、露光精度の向上を図ることができる。
【0097】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0098】
この第2実施形態では、図13〜図15に示すように、位相シフトレチクルRpsに形成された第1及び第2同ピッチマークMsp1,Msp2、並びに第1及び第2異ピッチマークMdp1,Mdp2において、内側マークMip及び外側マークMopの構成が、前記第1実施形態と異なっている。
【0099】
すなわち、前記第1実施形態では、内側マークMipの各第3及び第4L/SパターンP3,P4により、透過部Ptの掘り込み量を一方側に向かって段階的に変化させた第1パターンが構成されている。また、外側マークMopの各第1及び第2L/SパターンP1,P2により、透過部Ptの掘り込み量を他方側に向かって段階的に変化させた第2パターンが構成されている。
【0100】
これに対して、この第2実施形態においては、外側マークMopの一方の第1及び第2L/SパターンP1,P2により第1パターンが構成され、それに隣接する内側マークMipの一方の第3及び第4L/SパターンP3,P4により第2パターンが構成されている。さらに、隣接する内側マークMipの他方の第3及び第4L/SパターンP3,P4により第1パターンが構成され、それに隣接する外側マークMopの他方の第1及び第2L/SパターンP1,P2により第2パターンが構成されている。つまり、透過部Ptの掘り込み量を一方側に向かって段階的に変化させた第1パターンと、透過部Ptの掘り込み量を反対側に向かって段階的に変化させた第2パターンとが、所定の間隔を介して交互に配置されている。
【0101】
よって、この位相シフトレチクルRpsを用いて、各ショット毎にウエハWの位置を変化させながら、両マークMop,MipをウエハW上に投影転写すると、図14(a),(c)に示すように、デフォーカス状態では、両マークMop,Mipの像に大きさのずれが発生する。この両マークMop,Mip間の大きさずれを前記WA顕微鏡40で計測して、その測定結果に基づいて、図14(b)に示すように、大きさずれが0になるベストフォーカス状態の仮想的な焦点位置FA(x),FB(x),FC(x),FD(x)を求める。
【0102】
そして、図15に示すように、第1同ピッチマークMsp1と第2同ピッチマークMsp2との間において、前記仮想的な焦点位置FA(x),FB(x)の位置ずれZdiffを計測する。そして、その計測結果を図11に示すテーブルデータに照合させることにより、投影光学系PLの球面収差を求める。
【0103】
同様に、第1異ピッチマークMdp1と第2異ピッチマークMdp2との間において、前記仮想的な焦点位置FC(x),FD(x)の位置ずれZdiffを計測する。そして、その計測結果を図12に示すテーブルデータに照合させることにより、投影光学系PLのコマ収差を求める。
【0104】
従って、本実施形態によれば、前記第1実施形態における(イ)〜(ハ)及び(ホ)〜(チ)に記載の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。
(リ) 透過部Ptの掘り込み量を一方側に向かって段階的に変化させてなる第1パターンと、透過部Ptの掘り込み量を第1パターンと反対側に向かって段階的に変化させてなる第2パターンとが、所定の間隔を介して交互に配置されている。
【0105】
このため、位相シフトレチクルRpsにおけるパターンの構成が簡単であるとともに、両パターンの像の大きさの検出に基づいて、投影光学系PLの収差を含む結像特性をより正確に計測することができる。
【0106】
(変更例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 前記各実施形態では、内側マークMipと外側マークMopとを位相シフトレチクルRps上にボックス・イン・ボックス・マーク状に合成した状態に形成し、両マークMip,Mopを同時に露光する構成とした。これに対して、内側マークMipと外側マークMopとを位相シフトレチクルRps上にそれぞれ独立して形成し、両マークMip,Mopを順次重ね合わせ露光するようにしてもよい。
【0107】
・ 前記各実施形態では、内側マークMip及び外側マークMopを、複数の透過部Ptでのレチクル基板64の表面からの掘り込み量を段階的に変化させて形成したが、複数の透過部Ptに屈折率が段階的に変化するシフタを付けた構成にしてもよい。このシフタの形成方法としては、例えば複数の透過部Ptにおいて、レチクル基板64の表面上にレチクル基板64とは材質の異なった第3の部材を積層厚さが段階的に変化するように形成する方法がある。また、複数の透過部Ptにおいて、レチクル基板64の表面に一定深さの掘り込みを形成し、それらの掘り込み内にイオンを濃度が段階的に変化するように注入する方法がある。
【0108】
・ 前記各実施形態では、内側マークMipの像と外側マークMopの像との位置ずれまたは大きさのずれを、ウエハW上に転写して現像した後に計測した。これに対して、前記位置ずれまたは大きさのずれを、前記空間像検出系41を用いて、両マークMip,Mopの像の光強度分布を検出し、その光強度分布の信号波形から計測してもよい。
【0109】
・ 前記各実施形態では、内側マークMipの像と外側マークMopの像との位置ずれまたは大きさのずれを、ウエハW上に転写して現像した後に計測した。これに対して、前記位置ずれまたは大きさのずれを、前記ウエハW上で潜像の状態で計測してもよい。
【0110】
・ 前記各実施形態では、内側マークMipの像と外側マークMopの像との位置ずれまたは大きさのずれを、ウエハアライメント顕微鏡40を用いて計測したが、露光装置21内に装備された図示しないレチクルアライメント顕微鏡、または露光装置21の外部に付設された別の走査型電子顕微鏡を用いて計測してもよい。
【0111】
・ 前記各実施形態では、ウエハアライメント顕微鏡40で計測されたパターン間の位置ずれまたは大きさのずれZdiffを、予め設定されたテーブルデータに照合させて、投影光学系PLの球面収差またはコマ収差を求めている。これに対して、主制御系34で予め設定された演算式に基づいて、前記位置ずれまたは大きさのずれZdiffから、球面収差またはコマ収差を算出するようにしてもよい。
【0112】
・ また、露光光ELとしては、前記各実施形態で挙げたものの他に、例えばDFB半導体レーザまたはファイバーレーザから発振される赤外域、可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(またはエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅する。そして、かつ非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。具体的には、前記単一波長レーザの発振波長を、例えば1.51〜1.59の範囲内とすると、発生波長が189〜199nmの範囲内である8倍高調波、または発生波長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が出力される。
【0113】
・ また、前記各実施形態では、本発明を半導体素子製造用の一括露光型の露光装置に具体化したが、本発明は、例えばステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型露光装置、フォトマスク上の回路パターンをガラスプレート上に投影転写する液晶表示素子製造用の露光装置の他、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイス製造用の露光装置、さらにはレチクル、フォトマスク等を製造するための露光装置等にも具体化してもよい。
【0114】
・ また、投影光学系PLは、縮小系のもののみならず等倍系、拡大系のものを用いてもよいとともに、屈折型のもののみならず反射屈折型のものを用いてもよい。
【0115】
これらのようにしても、前記各実施形態とほぼ同様の効果が得られる。
次に、前記各実施形態及び変更例から把握できる請求項に記載した以外の技術的思想について、それらの効果とともに以下に記載する。
【0116】
(1) 前記第1パターン(Mip)及び第2パターン(Mop)は、前記光束を透過する透過部(Pt)と前記光束を遮光する遮光部(Ps)とを有し、前記遮光部(Ps)を介して隣接する前記透過部(Pt)を通過する光束における位相の変化量の差がほぼ一定になるように形成したこと特徴とする請求項5に記載の結像特性計測用マスク。
【0117】
従って、この(1)に記載の発明によれば、前記請求項5に記載の発明の効果に加えて、第1パターンと2パターンとの間で、それらのパターンを通過する光束に所定の位相変化を生じさせることができるという効果が得られる。
【0118】
(2) 前記第1パターン(Mip)及び前記第2パターン(Mop)を、それらの各透過部(Pt)及び遮光部(Ps)が一定の方向を指向するとともに、その一方のパターン(Mop)が他方のパターン(Mip)を所定の距離を介して挟み込むように配置したことを特徴とする請求項5〜請求項7、前記(1)のうちいずれか一項に記載の結像特性計測用マスク。
【0119】
従って、この(2)に記載の発明によれば、前記請求項5〜請求項7、前記(1)のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、計測用マスクの構成が簡単であるとともに、両パターンの像の位置ずれの検出に基づいて、投影光学系の収差を含む結像特性をより正確に計測することができるという効果が得られる。
【0120】
(3) 前記第1パターン(Mip,Mop)と前記第2パターン(Mop,Mip)とを、それらの各透過部(Pt)及び遮光部(Ps)が一定の方向を指向するとともに、所定の間隔を介して交互に配置したことを特徴とする請求項5〜請求項7、前記(1)のうちいずれか一項に記載の結像特性計測用マスク。
【0121】
従って、この(3)に記載の発明によれば、前記請求項5〜請求項7、前記(1)のうちいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、計測用マスクの構成が簡単であるとともに、両パターンの像の大きさの検出に基づいて、投影光学系の収差を含む結像特性をより正確に計測することができるという効果が得られる。
【0122】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願に係る発明によれば、投影光学系の光軸方向に生じる焦点のずれを、その光軸と交差する方向における位置情報として、容易かつより正確に検出することができて、投影光学系の焦点のずれを精度よく計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の検査装置を搭載した露光装置を示す概略構成図。
【図2】 図1の露光装置におけるウエハアライメント顕微鏡を示す概略構成図。
【図3】 図1の露光装置を含む露光システムを示す概略構成図。
【図4】 第1実施形態の計測用レチクルの計測マークを示す平面図。
【図5】 図4の計測マークの配置状態を示す計測用レチクルの平面図。
【図6】 図4(b)の6−6線における部分拡大断面図。
【図7】 ベストフォーカス位置の決定に関する説明図。
【図8】 球面収差の計測方法に関する説明図。
【図9】 コマ収差の計測方法に関する説明図。
【図10】 球面収差計測時における各マークの観察状態を示す説明図。
【図11】 球面収差を求めるためのテーブルデータを示す図。
【図12】 コマ収差を求めるためのテーブルデータを示す図。
【図13】 第2実施形態の計測用レチクルを示す部分拡大断面図。
【図14】 第2実施形態の球面収差計測時における各マークの観察状態を示す説明図。
【図15】 第2実施形態の球面収差の計測方法に関する説明図。
【符号の説明】
21…露光装置、28…光発生手段の一部を構成する照明光学系、34…計測手段を構成する主制御系、40…位置検出手段を構成するウエハアライメント顕微鏡、47…補正手段を構成する結像特性調整部、48…補正手段を構成する圧力調整部、64…レチクル基板、EL…露光光、Msp1…第1の繰り返し間隔が同一となるマークとしての第1同ピッチマーク、Msp2…第2の繰り返し間隔が同一となるマークとしての第2同ピッチマーク、Mdp1…第1の繰り返し間隔が異なるマークとしての第1異ピッチマーク、Mdp2…第2の繰り返し間隔が異なるマークとしての第2異ピッチマーク、Mip…第1パターンとしての内側マーク、Mop…第2パターンとしての外側マーク、PL…投影光学系、Ps…遮光部、Pt…透過部、R…マスクとしてのレチクル、Rps…結像特性計測用マスクとしての位相シフトレチクル、W…基板としてのウエハ。

Claims (15)

  1. 投影光学系の焦点位置を求めるための計測パターンを備えるマスクにおいて、
    前記計測パターンは、
    第1方向に線状に延びる遮光部と透過部とを前記第1方向と交差する第2方向に交互に配列した第1パターンと、
    前記第1方向に線状に延びる遮光部と透過部とを前記第1方向と交差する第2方向に交互に配列した第2パターンと、
    前記第1パターンの透過部のそれぞれに設けられ、前記第1パターンの遮光部の一方側を透過する光と該遮光部の他方側を透過する光との間に位相差を与え、前記第2方向に関して一方側に光の位相を変化させる第1の位相シフタ部と、
    前記第2パターンの透過部のそれぞれに設けられ、前記第2パターンの遮光部の一方側を透過する光と該遮光部の他方側を透過する光との間に位相差を与え、前記第2方向に関して他方側に光の位相を変化させる第2の位相シフタ部と
    を有することを特徴とするマスク。
  2. 前記第1位相シフタ部及び前記第2位相シフタ部は、前記第1パターンで生じる回折光と前記第2パターンで生じる回折光とを前記第2方向に関して互いに異なる角度に傾けることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
  3. 投影光学系の焦点位置を求めるための計測パターンを備えるマスクにおいて、
    前記計測パターンは、
    マスク面内の第1方向に線状に延びる遮光部と透過部とを前記第1方向と交差した第2方向に交互に配列した第1パターンと、
    前記第1方向に線状に延びる遮光部と透過部とを前記第1方向と交差した第2方向に交互に配列した第2パターンと、
    前記第1パターンの透過部のそれぞれに設けられ、前記第1パターンの遮光部の一方側を透過する光と該遮光部の他方側を透過する光との間に位相差を与え、前記第1パターンからの回折光を前記第2方向に関して傾ける第1の位相シフタ部と、
    前記第2パターンの透過部のそれぞれに設けられ、前記第2パターンの遮光部の一方側を透過する光と該遮光部の他方側を透過する光との間に位相差を与え、前記第2パターンからの回折光を前記第2方向に関して前記第1パターンからの回折光と逆向きに傾ける第2の位相シフタ部とを有することを特徴とするマスク。
  4. 投影光学系の焦点位置を求めるための計測パターンを備えるマスクにおいて、
    前記計測パターンは、
    マスクの面内の第1方向に線状に延びると共に、前記マスクの面内で前記第1方向と交差した第2方向に透過部を挟んで格子状に複数配置した遮光部と、該複数の遮光部の夫々の両側に位置する2箇所の透過部からの光の位相に着目したとき、前記第2方向に関して、該位相が一方側に相対シフトして所定の位相差となるように、各遮光部間の透過部のそれぞれに設けられた位相シフタ部とで構成される第1パターンと、
    前記マスクの面内の第1方向に線状に延びると共に、前記マスクの面内で前記第1方向と交差した第2方向に透過部を挟んで格子状に複数配置した遮光部と、該複数の遮光部の夫々の両側に位置する2箇所の透過部からの光の位相に着目したとき、前記第2方向に関して、該位相が他方側に相対シフトして所定の位相差となるように、各遮光部間の透過部のそれぞれに設けられた位相シフタ部とで構成される第2パターンとを備え、
    前記第1パターンと前記第2パターンとを前記マスクの面内で並したことを特徴とするマスク。
  5. 前記第1パターンが有する位相シフタ部及び前記第2パターンが有する位相シフタ部は 、前記第1パターンで生じて前記投影光学系を通って結像に使われる1次回折光と前記第2パターンで生じて前記投影光学系を通って結像に使われる1次回折光とを前記第2方向に関して互いに逆向きに傾けることを特徴とする請求項4に記載のマスク。
  6. 前記第1パターン及び前記第2パターンを前記投影光学系により像面側に投影したとき、前記第1パターンの像の位置と前記第2パターンの像との位置とがデフォーカス状態に応じて、互いに異なる方向に変位することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のマスク。
  7. 前記第1のパターンと前記第2のパターンとは、前記第1方向と直交する方向に並んで配置されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のマスク。
  8. 前記投影光学系における光束の通過領域に対応する照明領域内に、前記第1パターン及び前記第2パターンの組を、前記照明領域の中心からの距離が異なるように二次元的に複数配置したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のマスク。
  9. 前記第1パターンと前記第2パターンとは、ボックス・イン・ボックスを構成することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のマスク。
  10. 前記第1パターン及び前記第2パターンの前記透過部と前記遮光部とを第1繰返し間隔で形成した第1マークと、前記第1パターン及び前記第2パターンの前記透過部と前記遮光部とを前記第1繰返し間隔よりも粗い第2繰返し間隔で形成した第2マークとを有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のマスク。
  11. 物体面に配置されたマスクのパターンを像面上に投影する投影光学系の焦点位置を計測する投影光学系の検査方法において、
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のマスクを前記物体面に配置し、
    前記マスクに形成された第1パターン及び第2パターンを前記投影光学系を介して前記像面側に投影し、
    投影された前記第1パターンの像と前記第2パターンの像との位置関係を計測し、
    前記計測結果に基づいて、前記投影光学系の焦点位置を計測することを特徴とする投影光学系の検査方法。
  12. マスクに形成された回路パターンを投影光学系を介して基板上に投影する露光方法において、
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のマスクを前記物体面に配置し、
    前記マスクに形成された第1パターン及び第2パターンを前記投影光学系を介して基板上に投影し、
    投影された前記第1パターンの像と前記第2パターンの像との位置関係を計測し、
    前記計測結果に基づいて、前記投影光学系の結像特性を補正することを特徴とする露光方法。
  13. 物体面に配置されたマスク上のパターンの像を像面側に投影する投影光学系の結像特性を計測する投影光学系の検査装置において、
    請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のマスクと、
    前記投影光学系を介して、前記像面側に投影される前記第1パターンの像及び前記第2パターン像の位置関係を求める位置検出手段と、
    前記位置検出手段の検出結果に基づいて、前記投影光学系の結像特性を計測する計測手段とを備えたことを特徴とする投影光学系の検査装置。
  14. 前記計測手段は、前記第1、第2パターン毎に予め設定された基準位置と前記位置検出手段で検出された前記第1、第2パターンの像の検出位置との差に基づいて前記投影光学系の結像特性を計測することを特徴とする請求項13に記載の投影光学系の検査装置。
  15. マスク上に形成された回路パターンを投影光学系を介して基板上に投影転写する露光装置において、
    請求項13又は請求項14に記載の投影光学系の検査装置と、
    前記検査装置による投影光学系の結像特性の計測結果に基づいて、該結像特性を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする露光装置。
JP2000085303A 2000-03-24 2000-03-24 マスク、投影光学系の検査方法及び露光方法、並びに、投影光学系の検査装置及び露光装置 Expired - Lifetime JP3736271B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000085303A JP3736271B2 (ja) 2000-03-24 2000-03-24 マスク、投影光学系の検査方法及び露光方法、並びに、投影光学系の検査装置及び露光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000085303A JP3736271B2 (ja) 2000-03-24 2000-03-24 マスク、投影光学系の検査方法及び露光方法、並びに、投影光学系の検査装置及び露光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001274059A JP2001274059A (ja) 2001-10-05
JP3736271B2 true JP3736271B2 (ja) 2006-01-18

Family

ID=18601662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000085303A Expired - Lifetime JP3736271B2 (ja) 2000-03-24 2000-03-24 マスク、投影光学系の検査方法及び露光方法、並びに、投影光学系の検査装置及び露光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3736271B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003156832A (ja) * 2001-11-22 2003-05-30 Mitsubishi Electric Corp 収差計測用フォトマスク、収差計測方法、収差計測用装置および装置の製造方法
JP2005005520A (ja) * 2003-06-12 2005-01-06 Renesas Technology Corp 露光装置評価用フォトマスクの製造方法、露光装置評価用フォトマスクおよび収差評価方法
CN101258442B (zh) * 2005-09-06 2012-02-15 富士通半导体股份有限公司 图案复制掩模、焦距变动测定方法及装置、半导体器件的制造方法
KR101368601B1 (ko) * 2005-12-23 2014-02-27 칼 짜이스 에스엠테 게엠베하 결상 오차 결정부를 갖춘 광학 결상 장치
DE102005062618B4 (de) 2005-12-23 2008-05-08 Carl Zeiss Smt Ag Optische Abbildungseinrichtung und Abbildungsverfahren mit Bestimmung von Abbildungsfehlern
EP2131243B1 (en) * 2008-06-02 2015-07-01 ASML Netherlands B.V. Lithographic apparatus and method for calibrating a stage position

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001274059A (ja) 2001-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6296977B1 (en) Method for the measurement of aberration of optical projection system
JP3291818B2 (ja) 投影露光装置、及び該装置を用いる半導体集積回路製造方法
JP4497968B2 (ja) 照明装置、露光装置及びデバイス製造方法
JP2884947B2 (ja) 投影露光装置、露光方法および半導体集積回路の製造方法
JP2940553B2 (ja) 露光方法
US20020177054A1 (en) Exposure method and apparatus
US20090190118A1 (en) Exposure apparatus inspection mask, and method of inspecting exposure apparatus using exposure apparatus inspection mask
JP5219534B2 (ja) 露光装置及びデバイスの製造方法
JP5361322B2 (ja) 露光装置及びデバイスの製造方法
JP4464166B2 (ja) 測定装置を搭載した露光装置
JP2007180152A (ja) 測定方法及び装置、露光装置、並びに、デバイス製造方法
JP3736271B2 (ja) マスク、投影光学系の検査方法及び露光方法、並びに、投影光学系の検査装置及び露光装置
JP3997199B2 (ja) 露光方法及び装置
JP2004146454A (ja) 光学特性の測定方法
JP4912205B2 (ja) 露光装置及びデバイス製造方法
JP2004134474A (ja) 位置検出装置の検査方法、位置検出装置、露光装置、および露光方法
JP3984710B2 (ja) 露光方法及び露光装置
JP2003318090A (ja) 投影光学系の敏感度計測方法、及びそれを有する投影露光装置
JPH06120116A (ja) ベストフォーカス計測方法
WO2013168457A1 (ja) 面位置計測装置、面位置計測方法、露光装置、およびデバイス製造方法
JP2001272310A (ja) 投影光学系の収差計測装置及び計測方法、それに用いられるマスク並びに露光装置
JP2884950B2 (ja) 投影露光装置、露光方法および半導体集積回路の製造方法
JP2005167139A (ja) 波長選択方法、位置検出方法及び装置、並びに、露光装置
JPH113853A (ja) 位置検出方法及び位置検出装置
JP2876616B2 (ja) 投影露光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050120

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20050225

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20050303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050909

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051017

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3736271

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20201104

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term