JP3734262B2 - 血管内皮細胞増殖因子阻害剤 - Google Patents
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Description
発明の背景
血管内皮細胞に対する選択性を有する新種の細胞由来二量体マイトジェンが最近同定され、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)と命名された。VEGFは、マウス神経膠腫細胞のならし増殖培地[Connら,(1990),Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,87,pp2628−2632]、ウシ下垂体小胞(folliculo)星状細胞のならし増殖培地[Ferrara及びHenzel,(1989),Biochem.Biophys.Res.Comm.,161,pp.851−858;Gozpadorowiczら、(1989),Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,86,pp.7311−7315]、及びヒトU937細胞のならし増殖培地[Connolly,D.T.ら,(1989),Science,246,pp.1309−1312]から精製された。VEGFは見掛け分子量約46kDaの二量体であり、各サブユニットの見掛け分子量が約23kDaである。VEGFは、結合組織細胞のマイトジェンであるが大血管の血管内皮細胞のマイトジェンではない血小板由来因子増殖(PDGF)に幾らか類似した構造を有する。
FLTとして知られている膜結合チロシンキナーゼ受容体は、VEGF受容体であることが判明した[DeVries,C.ら,(1992),Science,255,pp.989−991]。FLT受容体はVEGFと特異的に結合して有糸***生起を誘発する。KDRと称する別の形態のVEGF受容体も、VEGFと結合して有糸***生起を誘発することが知られている。KDRの部分的cDNA配列及びほぼ全長に及ぶタンパク質配列も知られている[Terman,B.I.ら,(1991)Oncogne 6,pp.1677−1683;Terman,B.I.ら,(1992)Biochem.Biophys.Res.Comm.187,pp.1579−1586]。
継続性血管形成は、ある種の疾病、例えば乾癬、慢性関節リウマチ、血管腫、血管線維腫、糖尿病性網膜症及び血管新生性緑内障を引き起こすか又は悪化させ得る。VEGF活性阻害剤は、この種の疾病、並びに他のVEGFに起因する異常血管形成及び血管浸透性状態(vascular permeability condition)、例えば腫瘍血管化(tumor vascularization)の治療に有用であろう。
発明の概要
血管内皮細胞から天然のFLTメッセンジャーRNA(mRNA)を同定し、クローニングした。このmRNAは、VEGF受容体FLTの細胞外又は可溶性部分の大半をコードすることが判明している。このVEGF受容体及び別のVEGF受容体について、C末端トランスメンブラン領域含有形態を含む可溶性受容体分子も、組換え操作で形成される。切頭形態(truncated form)及び改変形態(modified form)を含むこれらの可溶性受容体は、組換え宿主細胞内で発現され、VEGF結合特性を有する。可溶性受容体タンパク質は、存在するVEGFに結合して、該VEGFが血管内皮細胞上の機能受容体を活性化するのを阻止し、且つ完全な長さの膜固定VEGF受容体との間で非機能的ヘテロダイマーを形成し得るため、VEGF活性阻害剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、完全長VEGF受容体(FLT及びKDR)、可溶性VEGF受容体(sVEGF−RI及びsVEGF−RII)及びC末端トランスメンブラン領域含有可溶性受容体(sVEGF−RTMI及びsVEGF−RTMII)を各々のタンパク質領域と共に簡単に示す説明図である。
第2図は、sVEGF−RI可溶性VEGF受容体/VEGF阻害剤のDNA配列の説明図である。
第3図は、sVEGF−RI可溶性VEGF受容体/VEGF阻害剤のアミノ酸配列の説明図である。
第4図は、sVEGF−RIと[125I]VEGFとの高分子量複合体が形成され、サイズ排除クロマトグラフィーによって分離されたことにより、組換え宿主細胞がsVEGF−RIを発現することを実証する説明図である。
第5図は、sVEGF−RIについて高い純度が得られることを明らかにする12.5%ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの説明図である。
第6図は、約145kDa及び約245kDasのVEGF−RIと[125I]VEGFとの架橋生成物を示す説明図である。
第7A図及び第7B図は、sVEGF−RIへのVEGF結合の分析(A)及び対応するスキャッチャードプロット(B)の説明図である。
第8図は、sVEGF−RIによるHUVECへの[125I]VEGF結合の阻止を示す説明図である。
第9図は、sVEGF−RIを使用した場合のHUVEC上でのVEGF仲介有糸***生起の阻止を示す説明図である。
第10図は、sVEGF−RIIをコードするヌクレオチド配列の説明図である。
第11図は、sVEGF−RIIのアミノ酸配列の説明図である。
第12図は、sVEGF−RTMIIをコードするヌクレオチド配列の説明図である。
第13図は、sVEGF−RTMIIのアミノ酸配列の説明図である。
第14図は、sVEGF−RTMIをコードするヌクレオチド配列の説明図である。
第15図は、sVEGF−RTMIのアミノ酸配列の説明図である。
第16図は、pmFLTを示す説明図である。
第17図はpKDRAを示す説明図である。
発明の詳細な説明
本発明は、VEGF受容体産生細胞から単離されるか、又はVEGF受容体をコードするDNAから組換え操作によって作られる可溶性VEGF受容体タンパク質(sVEGF−R)をコードするcDNAに関する。本明細書中のsVEGF−Rとは、血管内皮細胞の有糸***生起を刺激せずに血管内皮細胞増殖因子に特異的に結合できるタンパク質を意味する。
FLTのアミノ酸配列は公知であり[Shibuya,Mら,(1990),Oncogene,5,pp.519−524]、完全長細胞結合VEGFチロシンキナーゼ受容体に対応する。別のVEGF受容体も存在することが知られている。別の公知のVEGF受容体の非限定的具体例としては、KDRが挙げられる[Terman(1991)、前出文献、及びTerman(1992)、前出文献]。FLT、KDR及び他のVEGF受容体を産生することができる哺乳動物細胞の非限定的具体例としては、血管内皮細胞が挙げられる。FLT、KDR及び他のVEGFを産生する哺乳動物細胞系の非限定的具体例としては、ヒト内皮細胞が挙げられる。本発明における好ましい細胞としては、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)が挙げられる。
別の細胞及び細胞系も、sVEGF−R cDNAの単離に使用するのに適当であり得る。適当な細胞の選択は、細胞抽出物もしくはならし培地中での細胞表面のsVEGF−R結合活性に関するスクリーニング、又はPCRもしくはハイブリダイゼーションによる遺伝子発現に関するスクリーニングによって実施し得る。可溶性受容体活性の検出方法は当業界でよく知られており[Duan,D−S.R.ら,(1991)J.Biol.Chem.,266,pp.413−418]、標識VEGFの結合の尺度となっている。このアッセイでVEGF結合活性を示す細胞は、sVEGF−R cDNAの単離に適当なものであり得る。
ヒトHUVEC細胞(AmeRIcan Type Culture Collection,ATCC CRL 1730)[Hoshi,H.及びMcKeehan,W.L.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,(1984)81,pp.6413−6417]のような完全長FLT産生細胞を、ATCCの推奨培養条件に従って増殖させる。完全長FLT及びKDR VEGF受容体、並びに細胞外領域(sVEGF−RI及びsVEGF−RII)及び細胞外領域+トランスメンブラン領域形態(sVEGF−RTMI及びsVEGF−RTMII)を第1図に示す。完全長受容体は、約7個の免疫グロブリン様領域とメンブラン間にまたがる配列(トランスメンブラン領域)と細胞内チロシンキナーゼ領域とからなる細胞外リガンド結合領域を有する。本発明の対象であるこの受容体の阻害性形態(inhibitory form)も第1図に示した。これらの形態は細胞内キナーゼ領域を欠失しており、ある阻害形態は、トランスメンブラン配列とC末端の最もIgに類似した細胞外領域とを欠失している。
sVEGF−R cDNAの分子的クローニングには、種々の方法のうちの任意のものを使用し得る。これらの方法の非限定的具体例としては、適当な発現ベクター系内でsVEGF−R含有cDNAライブラリーを構築した後sVEGF−R遺伝子を直接機能的に発現させる方法が挙げられる。
別の方法として、sVEGF−Rの推定アミノ酸配列に基づいて設計した標識オリゴヌクレオチドプローブを用いて、バクテリオファージ又はプラスミドシャトルベクター内で構築したsVEGF−R含有cDNAライブラリーをスクリーニングする方法もある。好ましい方法は、完全長FLTタンパク質の少なくとも一部分をコードする部分的cDNAを用いて、バクテリオファージ又はプラスミドシャトルベクター内で構築したsVEGF−R含有cDNAライブラリーをスクリーニングすることからなる。前記部分的cDNAは、完全長FLTをコードするDNAの既知の配列に基づくオリゴヌクレオチドプライマーの設計を介するsVEGF−R DNAフラグメントの特異的PCR増幅によって得られる。
当業者には容易に理解されるように、別の種類のライブラリー、並びに別の細胞もしくは細胞型から構築したライブラリーも、sVEGF−RをコードするDNAの単離に有用であり得る。別の種類のライブラリーの非限定的具体例としては、HUVEC及びゲノムDNAライブラリー以外の別の細胞又は細胞系に由来するcDNAライブラリーが挙げられる。
当業者には明らかなように、適当なcDNAライブラリーは、sVEGF−R活性を有する細胞又は細胞系から形成し得る。sVEGF−R cDNAを単離するためのcDNAライブラリーの製造に使用する細胞又は細胞系の選択は、本明細書で詳述するVEGF結合アッセイを用いてまず分泌sVEGF−R活性を測定することにより実施し得る。
cDNAライブラリーの製造は、当業者によく知られている標準的方法によって実施できる。よく知られたcDNAライブラリー構築方法は、例えばManiatis,T.,Fritsch,E.F.,Sambrook,J.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1982)に記載されている。
これもまた当業者には明らかなことであるが、sVEGF−RをコードするDNAは、適当なゲノムDNAライブラリーからも単離し得る。ゲノムDNAライブラリーの構築は、当業者に公知の標準的方法によって実施できる。公知のゲノムcDNAライブラリー構築方法は、例えばManiatis,T.,Fritsch,E.F.,Sambrook,J.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1982)に記載されている。
sVEGF−R分子を得るための別の方法は、VEGF受容体の部分的又は完全アミノ酸配列をコードするDNAから組換え操作によって前記分子を形成することからなる。別のVEGF受容体の非限定的具体例としてはKDRが挙げられる。組換えDNA技術を用いて、有糸***生起を刺激せずにVEGFと結合することができるVEGF受容体の少なくとも一部分をコードするDNA分子を構築する。前出のManiatis,T.らの文献に記載のような標準的組換えDNA技術を使用する。
本発明の好ましい方法のうちの一つを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をベースとする手法とcDNAライブラリースクリーニングとを用いる2段階方法で、sVEGF−RをコードするcDNAクローンを単離する。第一段階では、既知の完全長FLT、KDR又は他のVEGF受容体に基づく細胞外領域配列情報に由来するDNAオリゴヌクレオチドを用いて、sVEGF−R特異的DNAフラグメントの増幅のための退化オリゴヌクレオチドプライマーを設計する。第二段階では、前記フラグメントをクローニングして、HUVEC細胞(ATCC CRL 1730)に由来する市販のλgt10 cDNAラムダ(Clontech)から完全sVEGF−R cDNAを単離するためのプローブとして使用する。
これらのPCR産物を、HUVEC由来のλgt10 cDNAライブラリー(Clontech)をスクリーニングするためのハイブリダイゼーションプローブとして使用した。ライブラリーのプレーティング及びプラークリフトは標準的方法で実施した(T.Maniatis,E.F.Fritsch,J.Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1982))。プローブを32P−dCTPで高特異的活性までランダム感作(random−primed)標識し、各プローブごとにライブラリーのスクリーニングを実施した(スクリーン当たり1×106プラーク)。プローブをハイブリダイゼーション緩衝液(50%ホルムアミド、5×デンハーツ、6×SSC(1×SSC=0.15M NaCl、0.015M クエン酸Na3・2H2O、pH7.0)、0.1%SDS、100μg/mlサケ***DNA)に1×106cpm/mlで加えた。
4個の確実にハイブリダイズするファージを、flt特異的プローブを用いて検出した。これらの確実にハイブリダイズするファージは、完全長fltより短いことが観察された。
長さ約2.0kb及び2.7kbの二つのflt cDNAクローンをpGEMベクター(Promega)中にサブクローニングし、連鎖締結法(Sangerら,(1977)P.N.A.S.USA,74,pp.5463−5467)によって全体を双方向から配列決定したところ、アミノ酸約569個の単一読取り枠を含んでいた。配列分析の結果、これらのクローンは5’fltコード領域の一部を欠失していた。5’末端の残りをPCRでクローニングし、5’末端欠失クローンのDNAと組合わせて、アミノ酸約687個の単一読取り枠を得た。
flt由来sVEGF−RIをコードするcDNAの配列を表1に示す。この配列はクローン7及び11で同定された。クローン化cDNAに基づくsVEGF−RIの推定アミノ酸配列を表2に示す。該推定アミノ酸配列を見ると、アミノ酸約687個の大きな単一読取り枠の存在が明らかになった。完全長FLT VEGF受容体のアミノ酸配列と比較すると、FLTのそれとは異なる31個のアミノ酸が、cDNAのC末端においてコードされる。
本発明の別の好ましい方法を使用して、VEGF受容体をコードするDNA配列から、sVEGF−RをコードするDNAを構築する。説明を分かりやすくするために、KDRとして知られているVEGF受容体をコードするDNAを使用した。受容体DNA配列を用いて、受容体の細胞外領域又はVEGF結合領域のみをコードするDNA分子を構築し、sVEGF−RIIと名付ける。制限エンドヌクレアーゼ開裂部位を受容体DNA内で同定し、細胞外コーディング部分の切断に直接使用することができる。また、前述のPCR技術を使用して所望のDNA部分を製造し得る。当業者には明らかなように、当業界で標準的な別の技術を使用して、前述の方法と類似の方法でsVEGF−R分子を製造し得る。この種の技術は、例えば前出のManiatisらの文献に記載されている。
トランスメンブラン領域を含む、VEGF受容体の別の切頭形態を構築する。トランスメンブランの保持は、標的細胞表面での阻害性分子の配向を容易にし得る。トランスメンブラン領域含有阻害性分子の非限定的具体例としては、第1図に示すものが挙げられる。第1図に示すようなsVEGF−RTMI及びsVEGF−RTMIIはそれぞれFLT関連及びKDR関連のトランスメンブラン領域含有受容体阻害剤である。sVEGF−RTMI及びsVEGF−RTMIIのようなトランスメンブラン領域含有分子の構築は、当業界で公知の標準的方法、例えば非限定的具体例として一般的な制限エンドヌクレアーゼ開裂部位又は本明細書に記載のPCR技術の使用により実施する。当業者には容易に理解されるように、細胞外領域のみを含むか又はトランスメンブラン領域をも含む本明細書に記載の種々の形態のVEGF受容体阻害剤は、実質的に同じ活性を有するように構築し得る。
前述の方法で得たクローン化sVEGF−R cDNAは、適当なプロモーターと別の適当な転写調節エレメントとを含む発現ベクター中への分子クローニングによって組換え操作で発現させ得、原核又は真核宿主細胞中にトランスファーして組換えsVEGF−Rを産生し得る。この種の操作を行うための技術は前出のManiatis,T.らの文献に記載されており、当業界でよく知られている。
本明細書では、発現ベクターは、遺伝子のクローン化コピーの転写と、適当な宿主内での遺伝子のmRNAの翻訳とに必要なDNA配列であると定義される。この種のベクターは、細菌、ラン藻、真菌細胞、酵母細胞、植物細胞、昆虫細胞及び動物細胞といった種々の宿主内で真核生物遺伝子を発現するのに使用できる。
特異的に設計したベクターは、細菌−酵母又は細菌−動物又は細菌−昆虫細胞のような宿主間のDNAシャトリングを可能にする。適当に構築した発現ベクターは、宿主細胞内での自己複製の複製起点と、選択可能マーカーと、限定数の有用な制限酵素部位と、高コピー数の可能性と、活性プロモーターとを有していなければならない。プロモーターは、RNAポリメラーゼを制御してDNAと結合させ、RNA合成を開始させるDNA配列であると定義される。強力なプロモーターとは、mRNAを高頻度でイニシエートさせるプロモーターである。発現ベクターの非限定的具体例としては、クローニングベクター、改変クローニングベクター、特異的に設計したプラスミド又はウィルスが挙げられる。
哺乳動物細胞内で組換えsVEGF−Rを発現させるためには種々の哺乳動物発現ベクターを使用し得る。組換えsVEGF−Rの発現に適当であり得る市販の哺乳動物発現ベクターの非限定的具体例としては、pMC1neo(Stratagene)、pXT1(Stratagene)、pSG5(Stratagene)、EBO−pSV2−neo(ATCC 37593)、pBPV−1(8−2)(ATCC 37110)、pdBPV−MMTneo(342−12)(ATCC 37224)、pRSVgpt(ATCC 37199)、pRSVneo(ATCC 37198)、pSV2−dhfr(ATCC 37146)、pUCTag(ATCC 37460)及びgZD35(ATCC 37565)が挙げられる。
sVEGF−RをコードするDNAを、組換え宿主細胞内での発現のために、発現ベクター中にクローニングしてもよい。組換え宿主細胞は、原核細胞又は真核細胞、非限定的具体例として例えば細菌、酵母、哺乳動物細胞、例えばヒト、ウシ、ブタ、サル及び齧歯類動物由来の細胞系、並びに昆虫細胞、例えばショウジョウバエ、蛾、蚊及びアワヨトウ由来の細胞系が挙げられる。適当であり得る市販の哺乳動物種由来細胞系の非限定的具体例としては、CV−1(ATCC CCL 70)、COS−1(ATCC CRL 1650)、COS−7(ATCC CRL 1651)、CHO−K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS−C−1(ATCC CCL 26)及びMRC−5(ATCC CCL 171)が挙げられる。適当であり得る市販の昆虫細胞系の非限定的具体例としては、3M−S(ATCC CRL 8851)、蛾(ATCC CCL 80)、蚊(ATCC CCL 194及び195;ATCC CRL 1660及び1591)並びにアワヨトウ(Sf9、ATCC CRL 1711)が挙げられる。
発現ベクターは、非限定的具体例として例えば形質転換、トランスフェクション、リポソームもしくは原形質体融合及び電気穿孔法といったような多数の方法のうち任意のものを用いて宿主細胞中に導入し得る。発現ベクター含有細胞を同種増殖させ、個々に分析して、sVEGF−Rタンパク質を産生するか否かを調べた。sVEGF−R発現宿主細胞クローンの同定は、幾つかの方法、例えば非限定的具体例として、抗sVEGF−R抗体に対する免疫学的反応性、放射性標識したVEGFへの結合、及び宿主細胞分泌sVEGF−R活性の存在によって実施し得る。
sVEGF−R DNAの発現は、in vitro産生合成mRNAを使用して実施してもよい。合成mRNAは、種々の無細胞系、例えば非限定的具体例としてコムギ胚芽抽出物及び網状赤血球抽出物中で効率的に翻訳できると共に、細胞をベースとする系、例えば非限定的具体例としてカエル卵母細胞中へのマイクロインジェクションにより効率的に翻訳できる。好ましいのはカエル卵母細胞中へのマイクロインジェクションである。
宿主細胞によって産生されるsVEGF−Rタンパク質の量は、イムノアフィニティ及び/又はリガンドアフィニティ技術によって定量し得る。sVEGF−R特異的アフィニティビーズ又はsVEGF−R特異的抗体を用いて、35S−メチオニン標識又は非標識sVEGF−Rタンパク質を単離する。標識sVEGF−Rタンパク質は、SDS−PAGEで分析する。非標識sVEGF−Rタンパク質は、sVEGF−R特異的抗体を用いるウエスタンブロッティング、ELISAもしくはRIAアッセイ、又は標識VEGFでのリガンドブロッティングにより検出する。
組換え宿主細胞内でのsVEGF−Rの発現後にsVEGF−Rタンパク質を回収し、有糸***生起を刺激せずにVEGFに結合することができる活性形態のsVEGF−Rを取得し得る。幾つかのsVEGF−R精製手順が存在し、適当なものとして使用できる。sVEGF−Rは、塩分画、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイト吸着クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ヘパリンセファロースクロマトグラフィー、VEGFリガンドアフィニティクロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィーを様々に組み合わせて、又は個々に適用して、細胞溶解物及び抽出物、又はならし培養培地から精製し得る。
また、組換えsVEGF−Rは、完全長sVEGF−R又はsVEGF−Rのポリペプチドフラグメントに特異的なモノクローナル又はポリクローナル抗体で形成した免疫アフィニティカラムを使用して、他の細胞タンパク質と分離することができる。
sVEGF−RIの同定
VEGF受容体cDNA(flt)をクローニングするために、第1図に示すような該受容体の膜結合又は完全長形態の細胞外領域に由来するDNAプローブでHUVEC λgt10 cDNAライブラリーをスクリーニングした。合計1×106プラークのスクリーニングから、いずれも種々の長さの5’コード配列を欠失している4個の不完全クローンが単離された。これらの単離体のうちの二つは、完全長fltと共通する部分的クローンを表し、そのうちの一つは、前出のShibuyaらの文献に記載の形態の完全3’コード領域を含んでいた。残りの二つのクローンは塩基番号2219までは完全長flpと同じであったが(表1及び第2図参照)、そこから先は完全長flpと異なっていた。これらのクローン(クローン7及び11)は、TAAコドンによって読取り枠が終結されるまでに、更に別の31個の別のアミノ酸をコードしていた(表2及び第3図参照)。
クローン7及び11は、12個の推定N結合グリコシル化部位を含む予想分子量約75kDaのタンパク質をコードした。このタイプの受容体は、トランスメンブラン及び細胞内キナーゼ領域を欠失しており、従ってVEGF受容体の天然の可溶性形態(sVEGF−RI)をコードした。また、sVEGF−RIによって予想されたタンパク質分子は最初の6個のIg様領域のみを有し、トランスメンブラン配列に最も近い領域を欠失している(第1図)。sVEGF−RIのC末端の31個のアミノ酸は2個のシステイン残基を含むが、Ig領域に類似していない。
Sf9細胞内でのsVEGF−RIの発現
前記受容体の前記形態の結合特性及び生物学的特性を分析するために、バキュロウイルス発現系を用いてタンパク質を発現させた。クローン7は、5’末端で約350塩基対のコード配列を欠失していた。この領域を、実施例1にも記載の前述のプライマーを用いるPCRでクローニングした。5’PCRフラグメントを、SacI部位で重複するsVEGF−RIクローン7と組合わせることにより、sVEGF−RIの完全コード領域を含むクローンを構築した。次いで、5’EcoRI部位をBamHI部位に変え、完全長sVEGF−RIをBamHI/BamHIフラグメントとしてpBluebacIII(Invitrogen)中にクローニングした。次いで、ポリヘドリンプロモーターに対して3’のsVEGF−RI遺伝子を含む組換えバキュロウイルスP−3ストックを本明細書に記載の方法で製造した。
小規模感染の培養培地を、[125I]VEGFとの高分子量複合体を形成する能力について調べた。標識リガンドと、バキュロウイルス感染細胞の培養培地とを一緒にしてインキュベートした。次いで、サイズ排除クロマトグラフィーで反応を分析した。野生型感染培養培地を放射性リガンドと混合した時には(第4図)、単一の放射性ピークが観察された。しかしながら、sVEGF−RI感染培養培地を使用した時は、高分子量複合体が形成された。これは、カラムのボイボリュームの近傍で溶離するこの反応で第二のピークが出現したことから明らかである。この実験は、FLT VEGF受容体の天然可溶性形態sVEGF−RIが、VEGFとの間で高分子量複合体を形成することを明らかにした。
組換え操作によって産生したsVEGF−Rを、sVEGF−Rタンパク質に特異的に結合するヘパリン−セファロースカラムクロマトグラフィーを用いて、組換え宿主細胞抽出物又は細胞培養液から精製する。ヘパリン−セファロース結合VEGF−Rカラムを、sVEGF−Rの大きな損失を伴わずに汚染タンパク質を除去する0.1M〜0.6MのNaClを含む適当な緩衝液を用いて洗浄する。約1MのNaClを含む適当な緩衝液を用いて、sVEGF−Rをヘパリン−セファロースカラムから溶離すると、実質的に純粋なsVEGF−Rが得られる。
VEGFへのsVEGF−RIの結合
sVEGF−RIへの125I標識VEGFの結合は、架橋と、96ウェルプレートに吸収されたsVEGF−RIとの間の複合体の形成とにより解析された。
架橋生成物は第6図に示す。sVEGF−RIは、非標識VEGFの存在下(レーン2)及び非標識bFGFの存在下(レーン3)で[125I]VEGFに架橋した。(レーン1)。sVEGF−RI及び[125I]VEGF含有反応、並びにsVEGF−RI及び[125I]VEGF+過剰非標識bFGF反応で、二つの高分子量バンド(約145kDa及び245kDa)が形成された。これら二つの高分子量バンドは、sVEGF−RIを[125I]VEGF+過剰非標識VEGFと共にインキュベートした時には存在しなかった。これは、VEGFに対するsVEGF−RIの特異性と、sVEGF−RIが二量体を形成する能力とを示すものである。145kDaバンドはおそらく、一つの受容体分子(約100kDa)とVEGF二量体(約46kDa)とを含む架橋複合体である。第6図に示すように、二つの受容体分子(約245kDa)を含む複合体も観察された。これは、各VEGF二量体が1個又は2個の受容体分子と結合でき、VEGF受容体の可溶性形態がリガンド誘発二量体化(ligand−induced dimeriRIzation)にかけられ得ることを示唆するものである。
96ウェルプレートの表面にsVEGF−RIを吸収させ、次いで非特異的部位を0.5%ゼラチンでブロックすることにより、VEGFに対するsVEGF−RIの親和性を評価した。各ウェルに種々の量の標識リガンドを加えた。結果は、sVEGF−RIが、約20pMの見掛けKdで大きな親和性をもってVEGFに結合することを示している(第7図)。該受容体の可溶性形態はトランスメンブランにまたがる領域に最も近いIg領域を欠失していることから、この領域はリガンド結合に必要なものではない。
培養HUVECを[125I]VEGF及び種々の量のsVEGF−RIと共にインキュベートすることにより、sVEGF−RIがHUVECへのVEGFの結合を阻止することを明らかにする。前記インキュベーション後に、細胞を洗浄して非結合[125I]VEGFを除去する。次いで、細胞を可溶化し、細胞結合125Iの量をガンマ計数器で測定する。これは、sVEGF−RIの存在下で細胞VEGF受容体に結合することができた[125I]VEGFの量を示す。この方法で、sVEGF−RIがHUVEC VEGF受容体への[125I]VEGFの結合を阻止することができたことが明らかにされる(第8図参照)。
sVEGF−RIが細胞受容体へのVEGFの結合を阻止できることが判明したため、sVEGF−RIがVEGF誘発有糸***も阻止し得るかどうかを調べた。細胞をsVEGF−RIと共に予備インキュベートし、次いで[3H]チミジンの存在下でVEGFと共にインキュベートする。インキュベーションに次いで、細胞DNA組込み[3H]チミジンの量を測定し、これによって、VEGFが有糸***を誘起し、[3H]チミジンを細胞DNA中に組込ませたか否かを明らかにする。第9図に示すように、sVEGF−RIの存在は、VEGFが有糸***生起を刺激する能力を阻害する。
本発明の阻害剤は、VEGF活性の阻害に使用できる。該阻害剤は、局所的に又は血管内に適用し得る。局所適用の場合は、配合物を約10ng〜約1mg/cm2/日の割合で直接適用する。静脈内適用の場合は、阻害剤を約1μg〜約10mg/kg体重/日の割合で使用する。内部使用の場合は、注入した徐放性ポリマー材料もしくは低速放出ポンプから、又は反復注射により、製剤を処理すべき領域内に直接放出させ得る。放出速度はいずれの場合も約100ng〜約100μg/日/cm3である。
非局所適用の場合は、VEGF阻害剤を医薬的に許容し得る担体又は希釈剤、例えばリン酸塩緩衝液、生理食塩水、リン酸塩緩衝食塩水、リンガー溶液等と組合わせて、医薬組成物形態で、標準的医薬操作に従って投与する。局所適用の場合は、種々の医薬配合物が本発明の活性化合物の投与に適している。この種の配合物の非限定的具体例としては、親水ワセリンもしくはポリエチレングリコール軟膏のような軟膏、キサンタンゴムのようなゴムを含み得る泥膏、アルコール溶液もしくは水溶液のような溶液、水酸化アルミニウムもしくはアルギン酸ナトリウムゲルのようなゲル、ヒトもしくは動物アルブミンのようなアルブミン、ヒトもしくは動物コラーゲンのようなコラーゲン、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース及びアルキルヒドロキシアルキルセルロースのようなセルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース、Pluronic(登録商標)F−127に代表されるPluronic(登録商標)ポリオールのようなポリオキサマー、テトロニク1508のようなテトロニク、並びにアルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸塩が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
flt関連sVEGF−RIのクローニング
プライマー5’GCACCTTGGTTGTGGCTGAC3’(配列番号:1)及び5’TGGAATTCGTGCTGCTTCCTGGTCC3’(配列番号:2)を用いるHUVECファージライブラリーのPCRにより、fltの580塩基対DNAプローブを得た。得られたDNAフラグメントをXbaI/EcoRIフラグメントとしてpGEM3Z中にクローニングした。メガプライムキット(Amersham)を比活性1×107cpm/ngで使用して、ランダムプライミング法[Feinberg,A.P.及びVogelstein,B.,(1983)Anal.Biochem.,132,pp.6−13]によりプローブを形成した。HUVEC cDNAライブラリーを5×104プラーク/150cmプレートの密度でプレーティングし、次いで約1×106プラークをハイブリダイゼーションによってスクリーニングした[前出のManiatisらの文献に記載]。要約すれば、50%ホルムアミド、5×SSC、5×デンハート溶液、0.1%SDS、100μg/mlサケ***DNA(ハイブリダイゼーション緩衝液)中、42℃で2時間予備インキュベートした後、フィルターをハイブリダイゼーション緩衝液中42℃で16時間にわたりプローブとハイブリダイズした。フィルターを2×SSC中室温で15分間にわたり一回洗浄し、次いで0.1×SSC中55℃で3回洗浄した。4個の陽性プラークを同定し、更に2回スクリーニングして、均質単離体を得た。DNA配列分析のために挿入物をpGEM3Z中にクローニングした。これらのクローンのうちの二つが同定され、完全長fltコード領域より小さい領域を含んでいた。DNA配列分析の結果、これらのクローンはfltの5’コード領域を欠失していた。該DNA配列を表1及び第2図に示し、推定アミノ酸配列を表2及び第3図に示す。プライマー5’GGAATTCCGCGCTCACCATGGTCAGC3’(配列番号:3)及び5’TTTGAATTCACCCGGCAGGGAATGACG3’(配列番号:4)を用いるPCRにより、fltの5’末端をクローニングした。このプライマーセットで産生したPCRフラグメントをEcoRI/SacIフラグメントとしてfltクローン7中にクローニングした。
実施例2
Sf9昆虫細胞内でのsVEGF−RIの発現
sVEGF−RIをコードする完全長配列をEcoRI/BamHIフラグメントとしてpGEM3Z中にクローニングした。次いで、EcoRI部位をBamHI部位に変え、ポリヘドリンプロモーター(psFLTblue)のpBlueBacIII3’中にクローニングした。このプラスミドを、リポソームを用いてSf9アワヨトウ細胞中にトランスフェクションした。48時間後、組換えポリヘドリンウイルス粒子を含むトランスフェクションした細胞の培地を回収した。ウイルスの希釈物(103〜104倍)を調製し、プラークを、150μg/mlの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシドを含む軟寒天中で精製した。組換えプラークを青色によって同定し、12ウェルプレートでSf9細胞(5×105細胞/ウェル)に感染させた。ポリヘドリン陰性感染の培地(100μl)を用いて、T−25フラスコ内の2.5×106細胞に感染させることにより、P−2ウイルスストックを調製した。次いで、Sf9細胞(2×106細胞/mlで500ml)に5mlのP−2ストックを感染させ、その後27℃で5〜6日間インキュベートすることにより、高力価P−3ウイルス大量ストックを調製し、培地を遠心分離で回収した。細胞に、2〜2.5×106細胞/mlの密度で、5〜10の感染多重度をもって感染させることにより、タンパク質発現を達成した。感染から24時間後、細胞を無血清培地(SF900II、Gibco BRL)に充填し、更に48時間インキュベートし、培地を回収した。このならし培地は、組換え操作によって発現したsVEGF−RIタンパク質を含んでいる。
実施例3
VEGFのヨウ素化
クロラミンT方法(Hunter,W.M.及びGreenwood,F.C.,(1962)Nature(London),194,pp.495−496)により、125I標識ヒト組換えVEGFを製造した。要約すれば、30%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸中1μgのVEGFを1/3倍容の0.4Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.1の添加によってpH7.1に調整した。新しく溶解したクロラミンT(pH7.1の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液中2mg/mlストックで4μl)をVEGF溶液に加え(総量150μl)、室温で45秒間反応させた。50μlの10mM KIと50μlの2mg/mlメタ重亜硫酸塩とを加えて反応を停止させた。1mg/mlのゼラチンを含むPBS中で平衡化した0.7×15cm Sephadex G−25カラムでのゲル濾過により、標識リガンドを遊離125Iから分離した。フラクションをパッカードγ計数器で計数し、等分して−70℃で貯蔵した。VEGFを比活性5×105〜1×106cpm/ngまで標識した。
ゲル濾過クロマトグラフィー
10μlの125I標識VEGF(105cpm)を、野生型又はバキュロウイルスsVEGF−RIを含む感染Sf9細胞の培養培地と共に室温で一晩インキュベートすることにより、受容体−リガンド複合体を形成した。PBS及び1mg/mlゼラチン中で平衡化したSephacryl S200ゲル濾過カラム(0.7×25cm)で、流速15ml/時で、反応生成物を分離した。フラクション(0.75mlずつ)を回収し、γ計数器で分析した。受容体−リガンド複合体はカラムを高速で通過するが、遊離標識VEGFはより低速で通過する。第4図に示すこの実験の結果は、標識VEGFとsVEGF−RIタンパク質との間で高分子複合体が形成されたことを示している。これは、sVEGF−RIがVEGFに結合することを明らかにするものである。
架橋
精製sVEGF−RI(1〜10ng)を25μlの結合緩衝液(ダルベッコの改質イーグル培地(DME)、25mM HEPES、pH7.5、0.3%ゼラチン)に加え、1×105cpmの[125I]−VEGFを(第6図、レーン1)、200ngの非標識VEGF(レーン2)又はbFGF(レーン3)と共に加え、次いで室温で2〜16時間インキュベートした。ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(Pierce)架橋剤を最終濃度1mMで加えた。15分後、沸騰SDS PAGE試料緩衝液の添加により反応を停止させた。架橋生成物を7.5%アクリルアミドゲル上でSDS PAGEにより分離し、オートラジオグラフィー又はホスホイメイジャー(phosphoimager)によって分析した。結果を第6図に示す。約145kDa及び245kDaの二つのバンドの出現により、sVEGF−RIが標識VEGFに結合することが知見される。145kDaバンドは、一つのsVEGF−RI分子と一つのVEGF分子(Monomer,M.)とからなる。245kDaバンドは明らかに、二つのsVEGF−RI分子と一つのVEGF二量体(D)とからなる。遊離VEGFリガンド(L)二量体は、約45kDaで移動した。
結合アッセイ
前出のDuan,D−S.R.らの文献に記載のような96ウェルプレートアッセイを用いて、VEGFへのsVEGF−RIの結合を分析した。要約すれば、Mono Qクロマトグラフィー(Pharmacia)で部分的に精製したsVEGF−RI、50〜20μlを、25mMトリス、pH7.4、100mM NaCl、20mM NH4HCO3中10mlに希釈した。アリコート(100μl)を96ウェルプレートの表面に4℃で18時間吸収させ、次いでプレートをブロッキング緩衝液(DME、25mM HEPES、pH7.5、0.5%ゼラチン)で2回洗浄し、非特異的部位を同じ緩衝液中で4℃で6時間ブロックした。次いで、プレートを結合緩衝液中で2回洗浄した。種々の量の[125I]VEGFを最終量100μl/ウェルでウェルに加え、室温で2時間インキュベートした。ウェルを100μlの結合緩衝液で3回洗浄し、結合したタンパク質を100μlの1%SDS、0.5%BSAで可溶化し、γ計数器で計数した。第7図に示す結果を、スキャッチャードの方法[Scatchard,G.,(1949)Ann.N.Y.Acad.Sci.,51,pp.660−672]で分析した。この分析は、sVEGF−RIが約20pMのKd値でVEGFに対する大きなアフィニティ結合を保持することを明らかにしている。これは、トランスメンブラン領域及び隣接Ig様領域を欠失するsVEGF−RIでも大きな親和性をもってVEGFと結合し、従って前記領域がVEGF結合に必要とされないことを示すものである。
実施例4
sVEGF−RIによるVEGF結合の阻害
sVEGF−RIが、HUVECへのVEGFの結合を阻止する能力を調べた。予めゼラチンでコーティングした24ウェルプレートにHUVECを50,000細胞/ウェルでプレーティングし、集密状態まで増殖させた。一定量の[125I]VEGF(100,000cpm)を、結合緩衝液中の種々の量の部分精製sVEGF−RIと総量200μlになるように混合し、室温で1時間予備インキュベートした。試料を細胞に加え、振盪しながら4℃で4時間インキュベートした。次いで培地を吸引し、細胞を結合緩衝液で3回洗浄した。結合した放射能を50mMトリス−HCl、pH8.0、150mM NaCl、1%NP40、1%BSAで可溶化し、γ計数器で計数した。結果を第8図に示す。最大のsVEGF−RI濃度では、HUVECへのVEGF結合は70%低下した。しかしながら、細胞膜結合受容体への結合を完全に阻止するのは困難であり得る。なぜなら、VEGF二量体に結合した一つのsVEGF−R分子が細胞結合受容体と結合して、不活性(sVEGF−RI)−VEGF−(膜にまたがるVEGF受容体)複合体を形成し得るからである。
実施例5
sVEGF−RIによるVEGF仲介有糸***生起の阻止有糸***阻止
sVEGF−RIは内皮細胞へのVEGFの結合を阻止できるため、該可溶性受容体がHUVEC中でVEGF誘発有糸***を阻止し得るかどうかを調べた。ゼラチンでコーティングした96ウェルプレートに、10%熱不活性化ウシ胎児血清+抗生物質(100単位/mlのペニシリンG、100μg/mlの硫酸ストレプトマイシン)を加えた100μlのDME中で、4000細胞/ウェルの密度で、HUVECをプレーティングした。16時間後、培地を変えて検査試料を加え、細胞を種々の量の精製sVEGF−RIと共に37℃で15分間予備インキュベートし、その後増殖因子(10ng/ml)を加えた。細胞を24時間インキュベートし、次いで[メチル−3H]チミジン(0.8μCi/ウェル;20Ci/mmol:1Ci=37GBq、最終比活性0.8μCi/nmole)を加え、次いで5%CO2下37℃で更に72時間インキュベートした。次いで、25mM Hepes、0.1%BSAでpH7.5に調整したハンクス液で細胞を2回洗浄した。次いで細胞を溶解し、DNAを0.2M Na2CO3、0.1M NaOHで可溶化し、[3H]チミジンの組込みをシンチレーション計数によって定量した。結果を第9図に示す。sVEGF−RIは、HUVEC内でのVEGF誘発[3H]チミジン組込みを完全に阻止することができた。
実施例6
Sf9細胞からのバキュロウイルス発現sVEGF−RIの精製
sVEGF−RIを発現するように設計したバキュロウイルス構築物を感染させたSf9細胞の培養培地(実施例2)を、ヘパリンSepharose CL−6B(Pharmacia)カラー(0.7×4cm)でクロマトグラフィーにかけた。カラムを5倍容の10mM リン酸Na緩衝液、pH6.2、0.1M NaCl、及び6mlの10mMリン酸Na緩衝液、pH6.2、0.6M NaClで順次洗浄した。sVEGF−RIを10mMリン酸Na緩衝液、pH6.2、1.0M NaClで溶離した。ポリアクリルアミドゲル電気泳動を実施した結果、組換え操作で産生したsVEGF−Rの純度は90%以上(クーマシーブルー染色によって判断)であることが判明した(第5図)。該タンパク質の生成をN末端タンパク質配列分析で確認した。該組換えタンパク質の実施のN末端(Ser Lys Leu...)は、前出のShibuyaらが予測したもの(Ser−Ser−Ser...)と比べて、アミノ酸二つが異なっている。Sf9細胞内で産生されたsVEGF−RIのペプチダーゼ開裂部位は、残基gly−26とser−27との間に存在していた。
実施例7
KDR関連sVEGF−Rの構築
可溶性形態のKDR(公知のVEGF受容体)[Terman,B.I.ら,(1991)Oncogene 6,pp.1677−1683;Terman,B.I.ら,(1992)Biochem.Biophys.Res.Comm.187,pp.1579−1586]は天然に存在し得るが、まだ同定されていない。KDRの可溶性形態の一つを、プライマー1)5’TTTTGGATCCCTGCAGACAGATCTACGTTTGAGAACC3’(配列番号:7)及び2)5’TTTTGGATCCTTAACGCTCTAGGACTGTGAGC3’(配列番号:8)並びに鋳型としてのpKDRA(Promegaから入手したpGEM 7ZのEcoRI部位にクローニングしたKDRの細胞外及びトランスメンブラン領域をコードするXhoI/EcoRIフラグメント)(第17図)を用いるPCRによりコード配列を改変することによって組換え操作で構築する。この操作で、完全長KDRの細胞外領域に対応するKDRのアミノ酸番号663の後に翻訳終結コドンが形成された。この改変フラグメントを用いてpKdRAのPstI/BamHIフラグメントを置換し、sVEGF−RII(第11図)と称する可溶性受容体をコードするKDR遺伝子(第10図)の切頭形態を形成する。次いで、標準的クローニング方法により、塩基対番号257のXhoI部位をBamHI部位に変える。KDR受容体の別の切頭形態を前記プライマー1及びプライマー3)5’TTTTGGATCCAACGGTCCCTAGGATGATGAC3’(配列番号:9)(第12図)で形成する。sVEGF−RTMIIと称するこのKDR形態はトランスメンブラン領域のC末端側で切頭されており、従ってトランスメンブラン領域を保持する(第13図)。FLT受容体の類似の形態を、プライマー4)5’AGCACCTTGGTTGTGGCTGACTC3’(配列番号:10)及び5)5’TTTTGGATCCTTAGATAAGGAGGGTTAATAGG3’(配列番号:11)、並びに鋳型としてのプラスミドpmFLT(Promegaから入手したpGEM3ZのEcoRI部位にクローニングした完全長flt)(第16図)を使用するPCRにより形成する。次いで、780塩基対PCRフラグメントを、pmFLT由来のEcoRI/XbaIフラグメントと共にクローニングして、トランスメンブラン領域を保持するが細胞質領域を欠失しているFLT切頭形態(sVEGF−RTMIと称する)(第15図)をコードするEcoRI/BamHIフラグメント(第14図)を形成する。次いで、該遺伝子の5’末端のEcoRI部位をBamHI部位に変える。得られたKDR及びFLT切頭形態をpBluebacIII(Stratagene)にクローニングして、Sf9昆虫細胞内で発現させる。このようにして構築したVEGF受容体切頭形態の解析は、実施例2、3、4、5及び6に記載のようなsVEGF−RIの解析に使用した方法で実施する。
【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:
直鎖状
配列の種類:cDNA
配列
配列番号:2
配列の長さ:25
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
配列
配列番号:3
配列長さ:26
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
配列
配列番号:4
配列の長さ:27
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
配列
配列番号:5
配列の長さ:2313
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
配列
配列番号:6
配列の長さ:687
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
配列
配列番号:7
配列の長さ:36
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:8
配列の長さ:32
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:9
配列の長さ:31
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:10
配列の長さ:23
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:11
配列の長さ:32
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:12
配列の長さ:661
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
配列
配列番号:13
配列の長さ:668
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
配列
配列番号:14
配列の長さ:780
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
配列
配列番号:15
配列の長さ:788
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
配列
配列番号:16
配列の長さ:2264
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:17
配列の長さ:2352
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:18
配列の長さ:2383
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
血管内皮細胞に対する選択性を有する新種の細胞由来二量体マイトジェンが最近同定され、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)と命名された。VEGFは、マウス神経膠腫細胞のならし増殖培地[Connら,(1990),Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,87,pp2628−2632]、ウシ下垂体小胞(folliculo)星状細胞のならし増殖培地[Ferrara及びHenzel,(1989),Biochem.Biophys.Res.Comm.,161,pp.851−858;Gozpadorowiczら、(1989),Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,86,pp.7311−7315]、及びヒトU937細胞のならし増殖培地[Connolly,D.T.ら,(1989),Science,246,pp.1309−1312]から精製された。VEGFは見掛け分子量約46kDaの二量体であり、各サブユニットの見掛け分子量が約23kDaである。VEGFは、結合組織細胞のマイトジェンであるが大血管の血管内皮細胞のマイトジェンではない血小板由来因子増殖(PDGF)に幾らか類似した構造を有する。
FLTとして知られている膜結合チロシンキナーゼ受容体は、VEGF受容体であることが判明した[DeVries,C.ら,(1992),Science,255,pp.989−991]。FLT受容体はVEGFと特異的に結合して有糸***生起を誘発する。KDRと称する別の形態のVEGF受容体も、VEGFと結合して有糸***生起を誘発することが知られている。KDRの部分的cDNA配列及びほぼ全長に及ぶタンパク質配列も知られている[Terman,B.I.ら,(1991)Oncogne 6,pp.1677−1683;Terman,B.I.ら,(1992)Biochem.Biophys.Res.Comm.187,pp.1579−1586]。
継続性血管形成は、ある種の疾病、例えば乾癬、慢性関節リウマチ、血管腫、血管線維腫、糖尿病性網膜症及び血管新生性緑内障を引き起こすか又は悪化させ得る。VEGF活性阻害剤は、この種の疾病、並びに他のVEGFに起因する異常血管形成及び血管浸透性状態(vascular permeability condition)、例えば腫瘍血管化(tumor vascularization)の治療に有用であろう。
発明の概要
血管内皮細胞から天然のFLTメッセンジャーRNA(mRNA)を同定し、クローニングした。このmRNAは、VEGF受容体FLTの細胞外又は可溶性部分の大半をコードすることが判明している。このVEGF受容体及び別のVEGF受容体について、C末端トランスメンブラン領域含有形態を含む可溶性受容体分子も、組換え操作で形成される。切頭形態(truncated form)及び改変形態(modified form)を含むこれらの可溶性受容体は、組換え宿主細胞内で発現され、VEGF結合特性を有する。可溶性受容体タンパク質は、存在するVEGFに結合して、該VEGFが血管内皮細胞上の機能受容体を活性化するのを阻止し、且つ完全な長さの膜固定VEGF受容体との間で非機能的ヘテロダイマーを形成し得るため、VEGF活性阻害剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、完全長VEGF受容体(FLT及びKDR)、可溶性VEGF受容体(sVEGF−RI及びsVEGF−RII)及びC末端トランスメンブラン領域含有可溶性受容体(sVEGF−RTMI及びsVEGF−RTMII)を各々のタンパク質領域と共に簡単に示す説明図である。
第2図は、sVEGF−RI可溶性VEGF受容体/VEGF阻害剤のDNA配列の説明図である。
第3図は、sVEGF−RI可溶性VEGF受容体/VEGF阻害剤のアミノ酸配列の説明図である。
第4図は、sVEGF−RIと[125I]VEGFとの高分子量複合体が形成され、サイズ排除クロマトグラフィーによって分離されたことにより、組換え宿主細胞がsVEGF−RIを発現することを実証する説明図である。
第5図は、sVEGF−RIについて高い純度が得られることを明らかにする12.5%ポリアクリルアミド電気泳動ゲルの説明図である。
第6図は、約145kDa及び約245kDasのVEGF−RIと[125I]VEGFとの架橋生成物を示す説明図である。
第7A図及び第7B図は、sVEGF−RIへのVEGF結合の分析(A)及び対応するスキャッチャードプロット(B)の説明図である。
第8図は、sVEGF−RIによるHUVECへの[125I]VEGF結合の阻止を示す説明図である。
第9図は、sVEGF−RIを使用した場合のHUVEC上でのVEGF仲介有糸***生起の阻止を示す説明図である。
第10図は、sVEGF−RIIをコードするヌクレオチド配列の説明図である。
第11図は、sVEGF−RIIのアミノ酸配列の説明図である。
第12図は、sVEGF−RTMIIをコードするヌクレオチド配列の説明図である。
第13図は、sVEGF−RTMIIのアミノ酸配列の説明図である。
第14図は、sVEGF−RTMIをコードするヌクレオチド配列の説明図である。
第15図は、sVEGF−RTMIのアミノ酸配列の説明図である。
第16図は、pmFLTを示す説明図である。
第17図はpKDRAを示す説明図である。
発明の詳細な説明
本発明は、VEGF受容体産生細胞から単離されるか、又はVEGF受容体をコードするDNAから組換え操作によって作られる可溶性VEGF受容体タンパク質(sVEGF−R)をコードするcDNAに関する。本明細書中のsVEGF−Rとは、血管内皮細胞の有糸***生起を刺激せずに血管内皮細胞増殖因子に特異的に結合できるタンパク質を意味する。
FLTのアミノ酸配列は公知であり[Shibuya,Mら,(1990),Oncogene,5,pp.519−524]、完全長細胞結合VEGFチロシンキナーゼ受容体に対応する。別のVEGF受容体も存在することが知られている。別の公知のVEGF受容体の非限定的具体例としては、KDRが挙げられる[Terman(1991)、前出文献、及びTerman(1992)、前出文献]。FLT、KDR及び他のVEGF受容体を産生することができる哺乳動物細胞の非限定的具体例としては、血管内皮細胞が挙げられる。FLT、KDR及び他のVEGFを産生する哺乳動物細胞系の非限定的具体例としては、ヒト内皮細胞が挙げられる。本発明における好ましい細胞としては、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)が挙げられる。
別の細胞及び細胞系も、sVEGF−R cDNAの単離に使用するのに適当であり得る。適当な細胞の選択は、細胞抽出物もしくはならし培地中での細胞表面のsVEGF−R結合活性に関するスクリーニング、又はPCRもしくはハイブリダイゼーションによる遺伝子発現に関するスクリーニングによって実施し得る。可溶性受容体活性の検出方法は当業界でよく知られており[Duan,D−S.R.ら,(1991)J.Biol.Chem.,266,pp.413−418]、標識VEGFの結合の尺度となっている。このアッセイでVEGF結合活性を示す細胞は、sVEGF−R cDNAの単離に適当なものであり得る。
ヒトHUVEC細胞(AmeRIcan Type Culture Collection,ATCC CRL 1730)[Hoshi,H.及びMcKeehan,W.L.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,(1984)81,pp.6413−6417]のような完全長FLT産生細胞を、ATCCの推奨培養条件に従って増殖させる。完全長FLT及びKDR VEGF受容体、並びに細胞外領域(sVEGF−RI及びsVEGF−RII)及び細胞外領域+トランスメンブラン領域形態(sVEGF−RTMI及びsVEGF−RTMII)を第1図に示す。完全長受容体は、約7個の免疫グロブリン様領域とメンブラン間にまたがる配列(トランスメンブラン領域)と細胞内チロシンキナーゼ領域とからなる細胞外リガンド結合領域を有する。本発明の対象であるこの受容体の阻害性形態(inhibitory form)も第1図に示した。これらの形態は細胞内キナーゼ領域を欠失しており、ある阻害形態は、トランスメンブラン配列とC末端の最もIgに類似した細胞外領域とを欠失している。
sVEGF−R cDNAの分子的クローニングには、種々の方法のうちの任意のものを使用し得る。これらの方法の非限定的具体例としては、適当な発現ベクター系内でsVEGF−R含有cDNAライブラリーを構築した後sVEGF−R遺伝子を直接機能的に発現させる方法が挙げられる。
別の方法として、sVEGF−Rの推定アミノ酸配列に基づいて設計した標識オリゴヌクレオチドプローブを用いて、バクテリオファージ又はプラスミドシャトルベクター内で構築したsVEGF−R含有cDNAライブラリーをスクリーニングする方法もある。好ましい方法は、完全長FLTタンパク質の少なくとも一部分をコードする部分的cDNAを用いて、バクテリオファージ又はプラスミドシャトルベクター内で構築したsVEGF−R含有cDNAライブラリーをスクリーニングすることからなる。前記部分的cDNAは、完全長FLTをコードするDNAの既知の配列に基づくオリゴヌクレオチドプライマーの設計を介するsVEGF−R DNAフラグメントの特異的PCR増幅によって得られる。
当業者には容易に理解されるように、別の種類のライブラリー、並びに別の細胞もしくは細胞型から構築したライブラリーも、sVEGF−RをコードするDNAの単離に有用であり得る。別の種類のライブラリーの非限定的具体例としては、HUVEC及びゲノムDNAライブラリー以外の別の細胞又は細胞系に由来するcDNAライブラリーが挙げられる。
当業者には明らかなように、適当なcDNAライブラリーは、sVEGF−R活性を有する細胞又は細胞系から形成し得る。sVEGF−R cDNAを単離するためのcDNAライブラリーの製造に使用する細胞又は細胞系の選択は、本明細書で詳述するVEGF結合アッセイを用いてまず分泌sVEGF−R活性を測定することにより実施し得る。
cDNAライブラリーの製造は、当業者によく知られている標準的方法によって実施できる。よく知られたcDNAライブラリー構築方法は、例えばManiatis,T.,Fritsch,E.F.,Sambrook,J.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1982)に記載されている。
これもまた当業者には明らかなことであるが、sVEGF−RをコードするDNAは、適当なゲノムDNAライブラリーからも単離し得る。ゲノムDNAライブラリーの構築は、当業者に公知の標準的方法によって実施できる。公知のゲノムcDNAライブラリー構築方法は、例えばManiatis,T.,Fritsch,E.F.,Sambrook,J.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1982)に記載されている。
sVEGF−R分子を得るための別の方法は、VEGF受容体の部分的又は完全アミノ酸配列をコードするDNAから組換え操作によって前記分子を形成することからなる。別のVEGF受容体の非限定的具体例としてはKDRが挙げられる。組換えDNA技術を用いて、有糸***生起を刺激せずにVEGFと結合することができるVEGF受容体の少なくとも一部分をコードするDNA分子を構築する。前出のManiatis,T.らの文献に記載のような標準的組換えDNA技術を使用する。
本発明の好ましい方法のうちの一つを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をベースとする手法とcDNAライブラリースクリーニングとを用いる2段階方法で、sVEGF−RをコードするcDNAクローンを単離する。第一段階では、既知の完全長FLT、KDR又は他のVEGF受容体に基づく細胞外領域配列情報に由来するDNAオリゴヌクレオチドを用いて、sVEGF−R特異的DNAフラグメントの増幅のための退化オリゴヌクレオチドプライマーを設計する。第二段階では、前記フラグメントをクローニングして、HUVEC細胞(ATCC CRL 1730)に由来する市販のλgt10 cDNAラムダ(Clontech)から完全sVEGF−R cDNAを単離するためのプローブとして使用する。
これらのPCR産物を、HUVEC由来のλgt10 cDNAライブラリー(Clontech)をスクリーニングするためのハイブリダイゼーションプローブとして使用した。ライブラリーのプレーティング及びプラークリフトは標準的方法で実施した(T.Maniatis,E.F.Fritsch,J.Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1982))。プローブを32P−dCTPで高特異的活性までランダム感作(random−primed)標識し、各プローブごとにライブラリーのスクリーニングを実施した(スクリーン当たり1×106プラーク)。プローブをハイブリダイゼーション緩衝液(50%ホルムアミド、5×デンハーツ、6×SSC(1×SSC=0.15M NaCl、0.015M クエン酸Na3・2H2O、pH7.0)、0.1%SDS、100μg/mlサケ***DNA)に1×106cpm/mlで加えた。
4個の確実にハイブリダイズするファージを、flt特異的プローブを用いて検出した。これらの確実にハイブリダイズするファージは、完全長fltより短いことが観察された。
長さ約2.0kb及び2.7kbの二つのflt cDNAクローンをpGEMベクター(Promega)中にサブクローニングし、連鎖締結法(Sangerら,(1977)P.N.A.S.USA,74,pp.5463−5467)によって全体を双方向から配列決定したところ、アミノ酸約569個の単一読取り枠を含んでいた。配列分析の結果、これらのクローンは5’fltコード領域の一部を欠失していた。5’末端の残りをPCRでクローニングし、5’末端欠失クローンのDNAと組合わせて、アミノ酸約687個の単一読取り枠を得た。
flt由来sVEGF−RIをコードするcDNAの配列を表1に示す。この配列はクローン7及び11で同定された。クローン化cDNAに基づくsVEGF−RIの推定アミノ酸配列を表2に示す。該推定アミノ酸配列を見ると、アミノ酸約687個の大きな単一読取り枠の存在が明らかになった。完全長FLT VEGF受容体のアミノ酸配列と比較すると、FLTのそれとは異なる31個のアミノ酸が、cDNAのC末端においてコードされる。
本発明の別の好ましい方法を使用して、VEGF受容体をコードするDNA配列から、sVEGF−RをコードするDNAを構築する。説明を分かりやすくするために、KDRとして知られているVEGF受容体をコードするDNAを使用した。受容体DNA配列を用いて、受容体の細胞外領域又はVEGF結合領域のみをコードするDNA分子を構築し、sVEGF−RIIと名付ける。制限エンドヌクレアーゼ開裂部位を受容体DNA内で同定し、細胞外コーディング部分の切断に直接使用することができる。また、前述のPCR技術を使用して所望のDNA部分を製造し得る。当業者には明らかなように、当業界で標準的な別の技術を使用して、前述の方法と類似の方法でsVEGF−R分子を製造し得る。この種の技術は、例えば前出のManiatisらの文献に記載されている。
トランスメンブラン領域を含む、VEGF受容体の別の切頭形態を構築する。トランスメンブランの保持は、標的細胞表面での阻害性分子の配向を容易にし得る。トランスメンブラン領域含有阻害性分子の非限定的具体例としては、第1図に示すものが挙げられる。第1図に示すようなsVEGF−RTMI及びsVEGF−RTMIIはそれぞれFLT関連及びKDR関連のトランスメンブラン領域含有受容体阻害剤である。sVEGF−RTMI及びsVEGF−RTMIIのようなトランスメンブラン領域含有分子の構築は、当業界で公知の標準的方法、例えば非限定的具体例として一般的な制限エンドヌクレアーゼ開裂部位又は本明細書に記載のPCR技術の使用により実施する。当業者には容易に理解されるように、細胞外領域のみを含むか又はトランスメンブラン領域をも含む本明細書に記載の種々の形態のVEGF受容体阻害剤は、実質的に同じ活性を有するように構築し得る。
前述の方法で得たクローン化sVEGF−R cDNAは、適当なプロモーターと別の適当な転写調節エレメントとを含む発現ベクター中への分子クローニングによって組換え操作で発現させ得、原核又は真核宿主細胞中にトランスファーして組換えsVEGF−Rを産生し得る。この種の操作を行うための技術は前出のManiatis,T.らの文献に記載されており、当業界でよく知られている。
本明細書では、発現ベクターは、遺伝子のクローン化コピーの転写と、適当な宿主内での遺伝子のmRNAの翻訳とに必要なDNA配列であると定義される。この種のベクターは、細菌、ラン藻、真菌細胞、酵母細胞、植物細胞、昆虫細胞及び動物細胞といった種々の宿主内で真核生物遺伝子を発現するのに使用できる。
特異的に設計したベクターは、細菌−酵母又は細菌−動物又は細菌−昆虫細胞のような宿主間のDNAシャトリングを可能にする。適当に構築した発現ベクターは、宿主細胞内での自己複製の複製起点と、選択可能マーカーと、限定数の有用な制限酵素部位と、高コピー数の可能性と、活性プロモーターとを有していなければならない。プロモーターは、RNAポリメラーゼを制御してDNAと結合させ、RNA合成を開始させるDNA配列であると定義される。強力なプロモーターとは、mRNAを高頻度でイニシエートさせるプロモーターである。発現ベクターの非限定的具体例としては、クローニングベクター、改変クローニングベクター、特異的に設計したプラスミド又はウィルスが挙げられる。
哺乳動物細胞内で組換えsVEGF−Rを発現させるためには種々の哺乳動物発現ベクターを使用し得る。組換えsVEGF−Rの発現に適当であり得る市販の哺乳動物発現ベクターの非限定的具体例としては、pMC1neo(Stratagene)、pXT1(Stratagene)、pSG5(Stratagene)、EBO−pSV2−neo(ATCC 37593)、pBPV−1(8−2)(ATCC 37110)、pdBPV−MMTneo(342−12)(ATCC 37224)、pRSVgpt(ATCC 37199)、pRSVneo(ATCC 37198)、pSV2−dhfr(ATCC 37146)、pUCTag(ATCC 37460)及びgZD35(ATCC 37565)が挙げられる。
sVEGF−RをコードするDNAを、組換え宿主細胞内での発現のために、発現ベクター中にクローニングしてもよい。組換え宿主細胞は、原核細胞又は真核細胞、非限定的具体例として例えば細菌、酵母、哺乳動物細胞、例えばヒト、ウシ、ブタ、サル及び齧歯類動物由来の細胞系、並びに昆虫細胞、例えばショウジョウバエ、蛾、蚊及びアワヨトウ由来の細胞系が挙げられる。適当であり得る市販の哺乳動物種由来細胞系の非限定的具体例としては、CV−1(ATCC CCL 70)、COS−1(ATCC CRL 1650)、COS−7(ATCC CRL 1651)、CHO−K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS−C−1(ATCC CCL 26)及びMRC−5(ATCC CCL 171)が挙げられる。適当であり得る市販の昆虫細胞系の非限定的具体例としては、3M−S(ATCC CRL 8851)、蛾(ATCC CCL 80)、蚊(ATCC CCL 194及び195;ATCC CRL 1660及び1591)並びにアワヨトウ(Sf9、ATCC CRL 1711)が挙げられる。
発現ベクターは、非限定的具体例として例えば形質転換、トランスフェクション、リポソームもしくは原形質体融合及び電気穿孔法といったような多数の方法のうち任意のものを用いて宿主細胞中に導入し得る。発現ベクター含有細胞を同種増殖させ、個々に分析して、sVEGF−Rタンパク質を産生するか否かを調べた。sVEGF−R発現宿主細胞クローンの同定は、幾つかの方法、例えば非限定的具体例として、抗sVEGF−R抗体に対する免疫学的反応性、放射性標識したVEGFへの結合、及び宿主細胞分泌sVEGF−R活性の存在によって実施し得る。
sVEGF−R DNAの発現は、in vitro産生合成mRNAを使用して実施してもよい。合成mRNAは、種々の無細胞系、例えば非限定的具体例としてコムギ胚芽抽出物及び網状赤血球抽出物中で効率的に翻訳できると共に、細胞をベースとする系、例えば非限定的具体例としてカエル卵母細胞中へのマイクロインジェクションにより効率的に翻訳できる。好ましいのはカエル卵母細胞中へのマイクロインジェクションである。
宿主細胞によって産生されるsVEGF−Rタンパク質の量は、イムノアフィニティ及び/又はリガンドアフィニティ技術によって定量し得る。sVEGF−R特異的アフィニティビーズ又はsVEGF−R特異的抗体を用いて、35S−メチオニン標識又は非標識sVEGF−Rタンパク質を単離する。標識sVEGF−Rタンパク質は、SDS−PAGEで分析する。非標識sVEGF−Rタンパク質は、sVEGF−R特異的抗体を用いるウエスタンブロッティング、ELISAもしくはRIAアッセイ、又は標識VEGFでのリガンドブロッティングにより検出する。
組換え宿主細胞内でのsVEGF−Rの発現後にsVEGF−Rタンパク質を回収し、有糸***生起を刺激せずにVEGFに結合することができる活性形態のsVEGF−Rを取得し得る。幾つかのsVEGF−R精製手順が存在し、適当なものとして使用できる。sVEGF−Rは、塩分画、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイト吸着クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ヘパリンセファロースクロマトグラフィー、VEGFリガンドアフィニティクロマトグラフィー及び疎水性相互作用クロマトグラフィーを様々に組み合わせて、又は個々に適用して、細胞溶解物及び抽出物、又はならし培養培地から精製し得る。
また、組換えsVEGF−Rは、完全長sVEGF−R又はsVEGF−Rのポリペプチドフラグメントに特異的なモノクローナル又はポリクローナル抗体で形成した免疫アフィニティカラムを使用して、他の細胞タンパク質と分離することができる。
sVEGF−RIの同定
VEGF受容体cDNA(flt)をクローニングするために、第1図に示すような該受容体の膜結合又は完全長形態の細胞外領域に由来するDNAプローブでHUVEC λgt10 cDNAライブラリーをスクリーニングした。合計1×106プラークのスクリーニングから、いずれも種々の長さの5’コード配列を欠失している4個の不完全クローンが単離された。これらの単離体のうちの二つは、完全長fltと共通する部分的クローンを表し、そのうちの一つは、前出のShibuyaらの文献に記載の形態の完全3’コード領域を含んでいた。残りの二つのクローンは塩基番号2219までは完全長flpと同じであったが(表1及び第2図参照)、そこから先は完全長flpと異なっていた。これらのクローン(クローン7及び11)は、TAAコドンによって読取り枠が終結されるまでに、更に別の31個の別のアミノ酸をコードしていた(表2及び第3図参照)。
クローン7及び11は、12個の推定N結合グリコシル化部位を含む予想分子量約75kDaのタンパク質をコードした。このタイプの受容体は、トランスメンブラン及び細胞内キナーゼ領域を欠失しており、従ってVEGF受容体の天然の可溶性形態(sVEGF−RI)をコードした。また、sVEGF−RIによって予想されたタンパク質分子は最初の6個のIg様領域のみを有し、トランスメンブラン配列に最も近い領域を欠失している(第1図)。sVEGF−RIのC末端の31個のアミノ酸は2個のシステイン残基を含むが、Ig領域に類似していない。
Sf9細胞内でのsVEGF−RIの発現
前記受容体の前記形態の結合特性及び生物学的特性を分析するために、バキュロウイルス発現系を用いてタンパク質を発現させた。クローン7は、5’末端で約350塩基対のコード配列を欠失していた。この領域を、実施例1にも記載の前述のプライマーを用いるPCRでクローニングした。5’PCRフラグメントを、SacI部位で重複するsVEGF−RIクローン7と組合わせることにより、sVEGF−RIの完全コード領域を含むクローンを構築した。次いで、5’EcoRI部位をBamHI部位に変え、完全長sVEGF−RIをBamHI/BamHIフラグメントとしてpBluebacIII(Invitrogen)中にクローニングした。次いで、ポリヘドリンプロモーターに対して3’のsVEGF−RI遺伝子を含む組換えバキュロウイルスP−3ストックを本明細書に記載の方法で製造した。
小規模感染の培養培地を、[125I]VEGFとの高分子量複合体を形成する能力について調べた。標識リガンドと、バキュロウイルス感染細胞の培養培地とを一緒にしてインキュベートした。次いで、サイズ排除クロマトグラフィーで反応を分析した。野生型感染培養培地を放射性リガンドと混合した時には(第4図)、単一の放射性ピークが観察された。しかしながら、sVEGF−RI感染培養培地を使用した時は、高分子量複合体が形成された。これは、カラムのボイボリュームの近傍で溶離するこの反応で第二のピークが出現したことから明らかである。この実験は、FLT VEGF受容体の天然可溶性形態sVEGF−RIが、VEGFとの間で高分子量複合体を形成することを明らかにした。
組換え操作によって産生したsVEGF−Rを、sVEGF−Rタンパク質に特異的に結合するヘパリン−セファロースカラムクロマトグラフィーを用いて、組換え宿主細胞抽出物又は細胞培養液から精製する。ヘパリン−セファロース結合VEGF−Rカラムを、sVEGF−Rの大きな損失を伴わずに汚染タンパク質を除去する0.1M〜0.6MのNaClを含む適当な緩衝液を用いて洗浄する。約1MのNaClを含む適当な緩衝液を用いて、sVEGF−Rをヘパリン−セファロースカラムから溶離すると、実質的に純粋なsVEGF−Rが得られる。
VEGFへのsVEGF−RIの結合
sVEGF−RIへの125I標識VEGFの結合は、架橋と、96ウェルプレートに吸収されたsVEGF−RIとの間の複合体の形成とにより解析された。
架橋生成物は第6図に示す。sVEGF−RIは、非標識VEGFの存在下(レーン2)及び非標識bFGFの存在下(レーン3)で[125I]VEGFに架橋した。(レーン1)。sVEGF−RI及び[125I]VEGF含有反応、並びにsVEGF−RI及び[125I]VEGF+過剰非標識bFGF反応で、二つの高分子量バンド(約145kDa及び245kDa)が形成された。これら二つの高分子量バンドは、sVEGF−RIを[125I]VEGF+過剰非標識VEGFと共にインキュベートした時には存在しなかった。これは、VEGFに対するsVEGF−RIの特異性と、sVEGF−RIが二量体を形成する能力とを示すものである。145kDaバンドはおそらく、一つの受容体分子(約100kDa)とVEGF二量体(約46kDa)とを含む架橋複合体である。第6図に示すように、二つの受容体分子(約245kDa)を含む複合体も観察された。これは、各VEGF二量体が1個又は2個の受容体分子と結合でき、VEGF受容体の可溶性形態がリガンド誘発二量体化(ligand−induced dimeriRIzation)にかけられ得ることを示唆するものである。
96ウェルプレートの表面にsVEGF−RIを吸収させ、次いで非特異的部位を0.5%ゼラチンでブロックすることにより、VEGFに対するsVEGF−RIの親和性を評価した。各ウェルに種々の量の標識リガンドを加えた。結果は、sVEGF−RIが、約20pMの見掛けKdで大きな親和性をもってVEGFに結合することを示している(第7図)。該受容体の可溶性形態はトランスメンブランにまたがる領域に最も近いIg領域を欠失していることから、この領域はリガンド結合に必要なものではない。
培養HUVECを[125I]VEGF及び種々の量のsVEGF−RIと共にインキュベートすることにより、sVEGF−RIがHUVECへのVEGFの結合を阻止することを明らかにする。前記インキュベーション後に、細胞を洗浄して非結合[125I]VEGFを除去する。次いで、細胞を可溶化し、細胞結合125Iの量をガンマ計数器で測定する。これは、sVEGF−RIの存在下で細胞VEGF受容体に結合することができた[125I]VEGFの量を示す。この方法で、sVEGF−RIがHUVEC VEGF受容体への[125I]VEGFの結合を阻止することができたことが明らかにされる(第8図参照)。
sVEGF−RIが細胞受容体へのVEGFの結合を阻止できることが判明したため、sVEGF−RIがVEGF誘発有糸***も阻止し得るかどうかを調べた。細胞をsVEGF−RIと共に予備インキュベートし、次いで[3H]チミジンの存在下でVEGFと共にインキュベートする。インキュベーションに次いで、細胞DNA組込み[3H]チミジンの量を測定し、これによって、VEGFが有糸***を誘起し、[3H]チミジンを細胞DNA中に組込ませたか否かを明らかにする。第9図に示すように、sVEGF−RIの存在は、VEGFが有糸***生起を刺激する能力を阻害する。
本発明の阻害剤は、VEGF活性の阻害に使用できる。該阻害剤は、局所的に又は血管内に適用し得る。局所適用の場合は、配合物を約10ng〜約1mg/cm2/日の割合で直接適用する。静脈内適用の場合は、阻害剤を約1μg〜約10mg/kg体重/日の割合で使用する。内部使用の場合は、注入した徐放性ポリマー材料もしくは低速放出ポンプから、又は反復注射により、製剤を処理すべき領域内に直接放出させ得る。放出速度はいずれの場合も約100ng〜約100μg/日/cm3である。
非局所適用の場合は、VEGF阻害剤を医薬的に許容し得る担体又は希釈剤、例えばリン酸塩緩衝液、生理食塩水、リン酸塩緩衝食塩水、リンガー溶液等と組合わせて、医薬組成物形態で、標準的医薬操作に従って投与する。局所適用の場合は、種々の医薬配合物が本発明の活性化合物の投与に適している。この種の配合物の非限定的具体例としては、親水ワセリンもしくはポリエチレングリコール軟膏のような軟膏、キサンタンゴムのようなゴムを含み得る泥膏、アルコール溶液もしくは水溶液のような溶液、水酸化アルミニウムもしくはアルギン酸ナトリウムゲルのようなゲル、ヒトもしくは動物アルブミンのようなアルブミン、ヒトもしくは動物コラーゲンのようなコラーゲン、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース及びアルキルヒドロキシアルキルセルロースのようなセルロース、例えばメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース、Pluronic(登録商標)F−127に代表されるPluronic(登録商標)ポリオールのようなポリオキサマー、テトロニク1508のようなテトロニク、並びにアルギン酸ナトリウムのようなアルギン酸塩が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
flt関連sVEGF−RIのクローニング
プライマー5’GCACCTTGGTTGTGGCTGAC3’(配列番号:1)及び5’TGGAATTCGTGCTGCTTCCTGGTCC3’(配列番号:2)を用いるHUVECファージライブラリーのPCRにより、fltの580塩基対DNAプローブを得た。得られたDNAフラグメントをXbaI/EcoRIフラグメントとしてpGEM3Z中にクローニングした。メガプライムキット(Amersham)を比活性1×107cpm/ngで使用して、ランダムプライミング法[Feinberg,A.P.及びVogelstein,B.,(1983)Anal.Biochem.,132,pp.6−13]によりプローブを形成した。HUVEC cDNAライブラリーを5×104プラーク/150cmプレートの密度でプレーティングし、次いで約1×106プラークをハイブリダイゼーションによってスクリーニングした[前出のManiatisらの文献に記載]。要約すれば、50%ホルムアミド、5×SSC、5×デンハート溶液、0.1%SDS、100μg/mlサケ***DNA(ハイブリダイゼーション緩衝液)中、42℃で2時間予備インキュベートした後、フィルターをハイブリダイゼーション緩衝液中42℃で16時間にわたりプローブとハイブリダイズした。フィルターを2×SSC中室温で15分間にわたり一回洗浄し、次いで0.1×SSC中55℃で3回洗浄した。4個の陽性プラークを同定し、更に2回スクリーニングして、均質単離体を得た。DNA配列分析のために挿入物をpGEM3Z中にクローニングした。これらのクローンのうちの二つが同定され、完全長fltコード領域より小さい領域を含んでいた。DNA配列分析の結果、これらのクローンはfltの5’コード領域を欠失していた。該DNA配列を表1及び第2図に示し、推定アミノ酸配列を表2及び第3図に示す。プライマー5’GGAATTCCGCGCTCACCATGGTCAGC3’(配列番号:3)及び5’TTTGAATTCACCCGGCAGGGAATGACG3’(配列番号:4)を用いるPCRにより、fltの5’末端をクローニングした。このプライマーセットで産生したPCRフラグメントをEcoRI/SacIフラグメントとしてfltクローン7中にクローニングした。
実施例2
Sf9昆虫細胞内でのsVEGF−RIの発現
sVEGF−RIをコードする完全長配列をEcoRI/BamHIフラグメントとしてpGEM3Z中にクローニングした。次いで、EcoRI部位をBamHI部位に変え、ポリヘドリンプロモーター(psFLTblue)のpBlueBacIII3’中にクローニングした。このプラスミドを、リポソームを用いてSf9アワヨトウ細胞中にトランスフェクションした。48時間後、組換えポリヘドリンウイルス粒子を含むトランスフェクションした細胞の培地を回収した。ウイルスの希釈物(103〜104倍)を調製し、プラークを、150μg/mlの5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシドを含む軟寒天中で精製した。組換えプラークを青色によって同定し、12ウェルプレートでSf9細胞(5×105細胞/ウェル)に感染させた。ポリヘドリン陰性感染の培地(100μl)を用いて、T−25フラスコ内の2.5×106細胞に感染させることにより、P−2ウイルスストックを調製した。次いで、Sf9細胞(2×106細胞/mlで500ml)に5mlのP−2ストックを感染させ、その後27℃で5〜6日間インキュベートすることにより、高力価P−3ウイルス大量ストックを調製し、培地を遠心分離で回収した。細胞に、2〜2.5×106細胞/mlの密度で、5〜10の感染多重度をもって感染させることにより、タンパク質発現を達成した。感染から24時間後、細胞を無血清培地(SF900II、Gibco BRL)に充填し、更に48時間インキュベートし、培地を回収した。このならし培地は、組換え操作によって発現したsVEGF−RIタンパク質を含んでいる。
実施例3
VEGFのヨウ素化
クロラミンT方法(Hunter,W.M.及びGreenwood,F.C.,(1962)Nature(London),194,pp.495−496)により、125I標識ヒト組換えVEGFを製造した。要約すれば、30%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸中1μgのVEGFを1/3倍容の0.4Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.1の添加によってpH7.1に調整した。新しく溶解したクロラミンT(pH7.1の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液中2mg/mlストックで4μl)をVEGF溶液に加え(総量150μl)、室温で45秒間反応させた。50μlの10mM KIと50μlの2mg/mlメタ重亜硫酸塩とを加えて反応を停止させた。1mg/mlのゼラチンを含むPBS中で平衡化した0.7×15cm Sephadex G−25カラムでのゲル濾過により、標識リガンドを遊離125Iから分離した。フラクションをパッカードγ計数器で計数し、等分して−70℃で貯蔵した。VEGFを比活性5×105〜1×106cpm/ngまで標識した。
ゲル濾過クロマトグラフィー
10μlの125I標識VEGF(105cpm)を、野生型又はバキュロウイルスsVEGF−RIを含む感染Sf9細胞の培養培地と共に室温で一晩インキュベートすることにより、受容体−リガンド複合体を形成した。PBS及び1mg/mlゼラチン中で平衡化したSephacryl S200ゲル濾過カラム(0.7×25cm)で、流速15ml/時で、反応生成物を分離した。フラクション(0.75mlずつ)を回収し、γ計数器で分析した。受容体−リガンド複合体はカラムを高速で通過するが、遊離標識VEGFはより低速で通過する。第4図に示すこの実験の結果は、標識VEGFとsVEGF−RIタンパク質との間で高分子複合体が形成されたことを示している。これは、sVEGF−RIがVEGFに結合することを明らかにするものである。
架橋
精製sVEGF−RI(1〜10ng)を25μlの結合緩衝液(ダルベッコの改質イーグル培地(DME)、25mM HEPES、pH7.5、0.3%ゼラチン)に加え、1×105cpmの[125I]−VEGFを(第6図、レーン1)、200ngの非標識VEGF(レーン2)又はbFGF(レーン3)と共に加え、次いで室温で2〜16時間インキュベートした。ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(Pierce)架橋剤を最終濃度1mMで加えた。15分後、沸騰SDS PAGE試料緩衝液の添加により反応を停止させた。架橋生成物を7.5%アクリルアミドゲル上でSDS PAGEにより分離し、オートラジオグラフィー又はホスホイメイジャー(phosphoimager)によって分析した。結果を第6図に示す。約145kDa及び245kDaの二つのバンドの出現により、sVEGF−RIが標識VEGFに結合することが知見される。145kDaバンドは、一つのsVEGF−RI分子と一つのVEGF分子(Monomer,M.)とからなる。245kDaバンドは明らかに、二つのsVEGF−RI分子と一つのVEGF二量体(D)とからなる。遊離VEGFリガンド(L)二量体は、約45kDaで移動した。
結合アッセイ
前出のDuan,D−S.R.らの文献に記載のような96ウェルプレートアッセイを用いて、VEGFへのsVEGF−RIの結合を分析した。要約すれば、Mono Qクロマトグラフィー(Pharmacia)で部分的に精製したsVEGF−RI、50〜20μlを、25mMトリス、pH7.4、100mM NaCl、20mM NH4HCO3中10mlに希釈した。アリコート(100μl)を96ウェルプレートの表面に4℃で18時間吸収させ、次いでプレートをブロッキング緩衝液(DME、25mM HEPES、pH7.5、0.5%ゼラチン)で2回洗浄し、非特異的部位を同じ緩衝液中で4℃で6時間ブロックした。次いで、プレートを結合緩衝液中で2回洗浄した。種々の量の[125I]VEGFを最終量100μl/ウェルでウェルに加え、室温で2時間インキュベートした。ウェルを100μlの結合緩衝液で3回洗浄し、結合したタンパク質を100μlの1%SDS、0.5%BSAで可溶化し、γ計数器で計数した。第7図に示す結果を、スキャッチャードの方法[Scatchard,G.,(1949)Ann.N.Y.Acad.Sci.,51,pp.660−672]で分析した。この分析は、sVEGF−RIが約20pMのKd値でVEGFに対する大きなアフィニティ結合を保持することを明らかにしている。これは、トランスメンブラン領域及び隣接Ig様領域を欠失するsVEGF−RIでも大きな親和性をもってVEGFと結合し、従って前記領域がVEGF結合に必要とされないことを示すものである。
実施例4
sVEGF−RIによるVEGF結合の阻害
sVEGF−RIが、HUVECへのVEGFの結合を阻止する能力を調べた。予めゼラチンでコーティングした24ウェルプレートにHUVECを50,000細胞/ウェルでプレーティングし、集密状態まで増殖させた。一定量の[125I]VEGF(100,000cpm)を、結合緩衝液中の種々の量の部分精製sVEGF−RIと総量200μlになるように混合し、室温で1時間予備インキュベートした。試料を細胞に加え、振盪しながら4℃で4時間インキュベートした。次いで培地を吸引し、細胞を結合緩衝液で3回洗浄した。結合した放射能を50mMトリス−HCl、pH8.0、150mM NaCl、1%NP40、1%BSAで可溶化し、γ計数器で計数した。結果を第8図に示す。最大のsVEGF−RI濃度では、HUVECへのVEGF結合は70%低下した。しかしながら、細胞膜結合受容体への結合を完全に阻止するのは困難であり得る。なぜなら、VEGF二量体に結合した一つのsVEGF−R分子が細胞結合受容体と結合して、不活性(sVEGF−RI)−VEGF−(膜にまたがるVEGF受容体)複合体を形成し得るからである。
実施例5
sVEGF−RIによるVEGF仲介有糸***生起の阻止有糸***阻止
sVEGF−RIは内皮細胞へのVEGFの結合を阻止できるため、該可溶性受容体がHUVEC中でVEGF誘発有糸***を阻止し得るかどうかを調べた。ゼラチンでコーティングした96ウェルプレートに、10%熱不活性化ウシ胎児血清+抗生物質(100単位/mlのペニシリンG、100μg/mlの硫酸ストレプトマイシン)を加えた100μlのDME中で、4000細胞/ウェルの密度で、HUVECをプレーティングした。16時間後、培地を変えて検査試料を加え、細胞を種々の量の精製sVEGF−RIと共に37℃で15分間予備インキュベートし、その後増殖因子(10ng/ml)を加えた。細胞を24時間インキュベートし、次いで[メチル−3H]チミジン(0.8μCi/ウェル;20Ci/mmol:1Ci=37GBq、最終比活性0.8μCi/nmole)を加え、次いで5%CO2下37℃で更に72時間インキュベートした。次いで、25mM Hepes、0.1%BSAでpH7.5に調整したハンクス液で細胞を2回洗浄した。次いで細胞を溶解し、DNAを0.2M Na2CO3、0.1M NaOHで可溶化し、[3H]チミジンの組込みをシンチレーション計数によって定量した。結果を第9図に示す。sVEGF−RIは、HUVEC内でのVEGF誘発[3H]チミジン組込みを完全に阻止することができた。
実施例6
Sf9細胞からのバキュロウイルス発現sVEGF−RIの精製
sVEGF−RIを発現するように設計したバキュロウイルス構築物を感染させたSf9細胞の培養培地(実施例2)を、ヘパリンSepharose CL−6B(Pharmacia)カラー(0.7×4cm)でクロマトグラフィーにかけた。カラムを5倍容の10mM リン酸Na緩衝液、pH6.2、0.1M NaCl、及び6mlの10mMリン酸Na緩衝液、pH6.2、0.6M NaClで順次洗浄した。sVEGF−RIを10mMリン酸Na緩衝液、pH6.2、1.0M NaClで溶離した。ポリアクリルアミドゲル電気泳動を実施した結果、組換え操作で産生したsVEGF−Rの純度は90%以上(クーマシーブルー染色によって判断)であることが判明した(第5図)。該タンパク質の生成をN末端タンパク質配列分析で確認した。該組換えタンパク質の実施のN末端(Ser Lys Leu...)は、前出のShibuyaらが予測したもの(Ser−Ser−Ser...)と比べて、アミノ酸二つが異なっている。Sf9細胞内で産生されたsVEGF−RIのペプチダーゼ開裂部位は、残基gly−26とser−27との間に存在していた。
実施例7
KDR関連sVEGF−Rの構築
可溶性形態のKDR(公知のVEGF受容体)[Terman,B.I.ら,(1991)Oncogene 6,pp.1677−1683;Terman,B.I.ら,(1992)Biochem.Biophys.Res.Comm.187,pp.1579−1586]は天然に存在し得るが、まだ同定されていない。KDRの可溶性形態の一つを、プライマー1)5’TTTTGGATCCCTGCAGACAGATCTACGTTTGAGAACC3’(配列番号:7)及び2)5’TTTTGGATCCTTAACGCTCTAGGACTGTGAGC3’(配列番号:8)並びに鋳型としてのpKDRA(Promegaから入手したpGEM 7ZのEcoRI部位にクローニングしたKDRの細胞外及びトランスメンブラン領域をコードするXhoI/EcoRIフラグメント)(第17図)を用いるPCRによりコード配列を改変することによって組換え操作で構築する。この操作で、完全長KDRの細胞外領域に対応するKDRのアミノ酸番号663の後に翻訳終結コドンが形成された。この改変フラグメントを用いてpKdRAのPstI/BamHIフラグメントを置換し、sVEGF−RII(第11図)と称する可溶性受容体をコードするKDR遺伝子(第10図)の切頭形態を形成する。次いで、標準的クローニング方法により、塩基対番号257のXhoI部位をBamHI部位に変える。KDR受容体の別の切頭形態を前記プライマー1及びプライマー3)5’TTTTGGATCCAACGGTCCCTAGGATGATGAC3’(配列番号:9)(第12図)で形成する。sVEGF−RTMIIと称するこのKDR形態はトランスメンブラン領域のC末端側で切頭されており、従ってトランスメンブラン領域を保持する(第13図)。FLT受容体の類似の形態を、プライマー4)5’AGCACCTTGGTTGTGGCTGACTC3’(配列番号:10)及び5)5’TTTTGGATCCTTAGATAAGGAGGGTTAATAGG3’(配列番号:11)、並びに鋳型としてのプラスミドpmFLT(Promegaから入手したpGEM3ZのEcoRI部位にクローニングした完全長flt)(第16図)を使用するPCRにより形成する。次いで、780塩基対PCRフラグメントを、pmFLT由来のEcoRI/XbaIフラグメントと共にクローニングして、トランスメンブラン領域を保持するが細胞質領域を欠失しているFLT切頭形態(sVEGF−RTMIと称する)(第15図)をコードするEcoRI/BamHIフラグメント(第14図)を形成する。次いで、該遺伝子の5’末端のEcoRI部位をBamHI部位に変える。得られたKDR及びFLT切頭形態をpBluebacIII(Stratagene)にクローニングして、Sf9昆虫細胞内で発現させる。このようにして構築したVEGF受容体切頭形態の解析は、実施例2、3、4、5及び6に記載のようなsVEGF−RIの解析に使用した方法で実施する。
【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:
直鎖状
配列の種類:cDNA
配列
配列番号:2
配列の長さ:25
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
配列
配列番号:3
配列長さ:26
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
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配列の種類:cDNA
配列
配列番号:4
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配列の型:核酸
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トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
配列
配列番号:5
配列の長さ:2313
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
配列
配列番号:6
配列の長さ:687
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
配列
配列番号:7
配列の長さ:36
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:8
配列の長さ:32
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:9
配列の長さ:31
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:10
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トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:11
配列の長さ:32
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:12
配列の長さ:661
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
配列
配列番号:13
配列の長さ:668
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トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
配列
配列番号:14
配列の長さ:780
配列の型:アミノ酸
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トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質
配列
配列番号:15
配列の長さ:788
配列の型:アミノ酸
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配列の種類:タンパク質
配列
配列番号:16
配列の長さ:2264
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配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:17
配列の長さ:2352
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配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
配列番号:18
配列の長さ:2383
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:DNA(ゲノム)
配列
Claims (16)
- 組換え宿主細胞内において可溶性VEGF阻害タンパク質を発現するための発現ベクターであって、請求項1に記載のヌクレオチド配列を含む発現ベクター。
- 組換え可溶性VEGF阻害タンパク質を発現する宿主細胞であって、請求項2に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
- (a)請求項2に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞にトランスフェクトする工程、および(b)上記発現ベクターからの可溶性VEGF阻害タンパク質の発現に適した条件下で上記宿主細胞を培養する工程を含む、可溶性VEGF阻害タンパク質の発現方法。
- 組換え宿主細胞内において可溶性VEGF阻害タンパク質を発現させるための発現ベクターであって、請求項5に記載のヌクレオチド配列を含む発現ベクター。
- 組換え可溶性VEGF阻害タンパク質を発現する宿主細胞であって、請求項6に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
- (a)請求項6に記載の発現ベクターを適当な宿主細胞にトランスフェクトする工程、および(b)上記発現ベクターからの可溶性VEGF阻害タンパク質の発現に適した条件下で上記宿主細胞を培養する工程を含む、可溶性VEGF阻害タンパク質の発現方法。
- 請求項1に記載のVEGF阻害タンパク質および医薬上許容される担体を含む組成物。
- 請求項3に記載のVEGF阻害タンパク質および医薬上許容される担体を含む組成物。
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