JP3734191B2 - 方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤の成分調整方法 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤の成分調整方法に関する。具体的には、焼鈍分離剤と鋼板組成との関係を律することにより特に優れた磁気特性と被膜特性を有する方向性電磁鋼板を製造するための焼鈍分離剤の成分調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
方向性電磁鋼板は主として変圧器その他の電気機器の鉄心材料として使用され、磁束密度および鉄損値等の磁気的性質に優れることが要求される。最近では、たとえば、板厚0.23mmにおいて800A/mで磁化したときの磁束密度Bが1.90T以上、商用周波数50Hz、磁束密度1.7Tにおける鉄損W17/50が0.90W/kg以下に到達する製品も実用化されている。
【0003】
このような良好な特性を得るためには、電磁鋼板の組織を{110}〈001〉方位、いわゆるゴス方位に2次再結晶させることが特に必要である。このため種々研究改善がなされ今日に至っているが、中でも1次再結晶の正常成長を抑制し好ましい方位に2次再結晶させるため、インヒビターと呼ばれる微細な析出物を制御することが必須である。
【0004】
代表的なインヒビターとしては、MnSe、MnS、AlNなどが知られている。特にAlNを利用した場合、極めて高い磁束密度を有する電磁鋼板を得ることができ、これに近年実用化されてきた磁区細分化技術を適用すると、極めて優れた磁気特性を有するものとすることができる。しかしながら、AlNをインヒビターとする場合、被膜生成の難しさ、あるいは特有の2次再結晶不良が生じやすく、製造上の安定性という面から未だ改善の余地が残されている。
【0005】
この間題の解決のため、Snを含む焼鈍分離剤を用いることが公知である。たとえば、特公昭54−14567号公報には最終仕上焼鈍前のMgO塗布工程でMgO中にCu、Sn、Ni、Coなどの化合物添加により鋼中へのNの吸収を制限してAlNの析出状態を変化させないことを提案されているが、必ずしも完全に磁気特性を安定化できるものではなく、更なる改善が必要とされている。
【0006】
一方、特公昭62−53576号公報あるいは特開平6−116644号公報には、良好な2次再結晶組織を得るためにsol.Al量に応じて製造条件を変更することの提案がなされている。これらの方法は、いずれもsol.Alの大きな変動に対する対策である。しかしながら、ここに示された対策は、連続焼鈍ラインのような時定数の大きな下工程での条件変更を必要とするものであり、非定常部が大きくなるため生産性を阻害し、かつ磁気特性の変動要因にもなりかねないという問題がある。かかる事情もあって、近年では製鋼技術が改善されsol.Alの変動範囲を極めて小さくすることが可能となり、上記の技術は事実上用いられなくなってきている。
【0007】
しかしながら、上記のようにSnを含む焼鈍分離剤の添加、さらにはsol.Alの大きな変動を製鋼技術によって解決しても、なお、AlNの析出挙動に起因して2次再結晶が十分理想的には行われ難い場合があり、必ずしも完全に磁気特性を安定化できているとはいえない。また、被膜特性が十分でない場合もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、方向性電磁鋼板の製造技術における上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、従来に比べ製品磁気特性を安定させ、かつより高い被膜特性を有する方向性電磁鋼板製造する際の焼鈍分離剤の成分調整方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題解決のための手段】
本発明者らは、AlNをインヒビターとする方向性電磁鋼板の2次再結晶挙動を詳細に調べ、AlNの析出速度はNに対して拡散速度の遅いsol.Alが律速となっていること、および2次再結晶不良にはインヒビター挙動により2つのタイプがあり、いずれもAlNの析出挙動に起因することを知見した。すなわち、AlNに対して過剰なsol.Alが多すぎると、AlNは粗大化しやすくインヒビターとしての機能が低下し、1次再結晶粒の成長の抑制が不十分となり、正常な2次再結晶組織を生ずることができず、微細組織となる一方、過剰なsol.Alが少なすぎると、AlNは微細化しやすくインヒビターとしての機能が強くなり過ぎ、方位の悪い2次再結晶組織を生じて磁束密度が著しく劣化することを知見した。
【0010】
かかる場合において、sol.AlとNの量を、製鋼での成分調整段階においてその変動は極力低くするとともに、仕上焼鈍前にMgO中にSnOを添加し、その量をsol.AlとNの量の比率に応じて制御することにより安定的に2次再結晶させることが可能であることを見出し、本提案に至ったものである。
【0011】
すなわち、本発明は、重量比で、sol.Al:0.02%以上、0.03%以下及びN:0.0065%以上、0.0095%以下をインヒビターとして含有する方向性電磁鋼板用スラブに、熱間圧延及び冷間圧延を行なって最終板厚に仕上げ、かつ、脱炭焼鈍を施した冷延板に対して、MgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布して最終仕上焼鈍を施す際に用いる方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤の成分調整方法であって、重量比でMgO:l00部に対しSnO を1部以上10部以下の範囲内で含有させ、上記sol . AlおよびN含有量に基づきsol.AlとNの比率Al/N値を算出し、該Al/N値が大きくなるに従い上記焼鈍分離剤中のSnO の含有量が少なくなるように焼鈍分離剤成分を調整することを特徴とする方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤の成分調整方法である。
0012
本発明においては焼鈍分離剤はさらにTi又はSrの1種又は2種から選ばれた金属又はその化合物を含有することが可能である。
0013
【発明の実施の形態】
以下本発明をその発明の基礎となった実験結果とともに詳細に説明する。本発明においては、電磁鋼板の基本組成としてsol.Alを0.02%以上、0.03%以下の範囲で含有し、また焼鈍分離剤にSnOが添加されていなければならないが、このことは以下に示す実験1の結果より導き出されたものである。
0014
〔実験1〕
表1に示すようにsol.Alを変化させた一連の組成の鋼を実験室で真空溶製し、1350℃で30分間加熱後熱間圧延し、2.2mmの板厚に仕上げ、1000℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延と温間圧延を組み合わせて0.22mmに仕上げた。その後、850℃で2分間湿水素中で脱炭焼鈍し、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し最終仕上げ焼鈍を施した。
0015
【表1】
Figure 0003734191
0016
この場合において、焼鈍分離剤はMgO100重量部に対しSnOを無添加とした場合および5重量部添加した場合とし、最終仕上げ焼鈍を施すにあたり加熱速度10℃/hで行う加熱過程を、HおよびNの混合雰囲気のみで行う場合(条件1)と、800℃までNのみで行い、その後HよびNの混合雰囲気に切り替えて行う場合(条件2)に分けて行った。なお、1180℃到達後、H中で5hの純化焼鈍を施した。表2に、これらの条件で得られた磁気特性と被膜特性を示した。
0017
実験1の結果より、0.02≦sol.Al(%)≦0.03の範囲でMgOを主成分とする焼鈍分離剤中にSnOを添加すると、良好な磁気特性が得られることがわかった。2次再結晶組織を観察すると、sol.Alの少ないA鋼では2次再結晶は行なわれたが、ゴス方位への集積度が低いため、磁束密度Bの値が低かった。一方sol.Alの多いE鋼では二次再結晶せず微細組織となった。従って、sol.Al量は、0.02%以上、0.03%以下とする必要がある。
0018
【表2】
Figure 0003734191
0019
上記実験から、またSnOの添加により被膜特性は常に改善されることもわかった。そしてその場合、焼鈍雰囲気を途中まで、この場合800℃まで、N雰囲気にすると、さらに磁気特性が良好になることがわかった。これは、最終焼鈍過程において800℃までN雰囲気で行ったため、SnOの分解を遅らせることができ、H導入後、分解したSnあるいはOが有効に作用したためであると考えられる。
0020
〔実験2〕
表3に示すようにsol.Alはほぼ一定レベルに保ちながら、N量を変化させて組成の鋼を実験室で真空溶製し、1350℃で30分加熱後熱間圧延し、2.2mmの板厚に仕上げ、1000℃で熱延板焼鈍を施した後、酸洗し、1100℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延と温間圧延を組み合わせて0.22mm仕上げた。その後、850℃で2分間湿水素中で脱炭焼鈍し、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し最終仕上げ焼鈍を施した。
0021
【表3】
Figure 0003734191
0022
この場合において、焼鈍分離剤はMgO100重量部にSnOを0.5〜15重量部添加したものを用い、最終焼鈍の加熱速度は10℃/hとし、その雰囲気を850℃までN、その後H、およびNの混合雰囲気とし、純化焼鈍はH中で1180℃において5h施した。表4に、このときの磁気特性と被膜特性を示した。
0023
【表4】
Figure 0003734191
0024
実験2の結果より、0.0065≦N(%)≦0.0095の範囲でMgO100重量部に対して1重量部以上、10重量部以下のSnOを添加すると、良好な磁気特性が得られることがわかった。被膜特性についてもその添加量が1重量部未満では耐剥離性が劣化し、10重量部超えでは点状の欠陥が生じ耐剥離性が著しく劣化した。2次再結晶組織を観察すると、Nの少ないF鋼では2次再結晶せず微細組織となった。一方、Nの多いJ鋼では、2次再結晶しているものの、その方位が悪く磁束密度が低かった。
0025
ここで、先の実験1と併せ考えるとsol.Al、Nの好適な範囲内においても、その比率により2次再結晶不良の形態が異なり、MgO中のSnOの添加量に最適値があり、Al/Nを指標に整理して見るとAl/Nが高いほどSnOの添加量を減少させる必要であることがわかった。
0026
実験3
表5に示すように、sol.AlおよびNについて本発明の適正範囲を満たす組成の鋼を実験室で真空溶製し、1350℃で30分間加熱後熱間圧延し、2.2mmの板厚に仕上げ、1000℃で熱延板焼鈍を施した後、酸洗し、1100℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延と温間圧延を組み合わせて0.22mmに仕上げた。その後、850℃で2分間湿水素中で脱炭焼鈍し、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し最終仕上げ焼鈍を施した。【0027
この場合において、MgOを主成分とする焼鈍分離剤中にMgO100重量部に対してSnOを3重量部添加し、最終焼鈍を700〜900℃まで5℃/hの徐加熱とし、途中までN、その後HおよびNの混合雰囲気とし、さらに1180℃到達後、Hに切り換え、その温度で5hの純化焼鈍を施した。表6に、このときの磁気特性と被膜特性を示した。
0028
【表5】
Figure 0003734191
0029
【表6】
Figure 0003734191
0030
実験3の結果より、AlNと公知のインヒビター元素を組み合わせて用いる場合にもSnO添加による効果が得られることがわかった。すなわち、焼鈍分離剤中にSnOを添加するときでもSe、S、Cu、Sb、BiなどAlNとの併用が可能なことが確認された。また、本実験で、焼鈍雰囲気を750℃までN雰囲気にすること、かつ900℃までにN+H混合雰囲気に切り替えることでフォルステライト被膜の粒径が小さくなることが観察された。耐剥離性の改善はこのフォルステライト被膜の粒径の微細化に伴って生じたものと推定され、またそれに伴って良好な磁気特性が得られたと考えられる。
0031
上記の切り替え温度が低すぎる場合には、SnOがHにより還元分解され、分解したSn又はOが被膜形成に有効に作用する前にMgOの持ち込む水分により消費されてしまうため効果を失い、一方、切り替え温度が高すぎるとSnOの分解が遅れSnO添加による被膜改善効果が生じないことになると考えられる。従って、切り換え温度は重要であって、およそ以下の範囲を目安にすべきである。
雰囲気からN及びHの混合雰囲気への切換:750℃以上、850℃以下
及びHの混合雰囲気からH雰囲気への切換:1000℃以上、1100℃以下
0032
上記の実験結果が示すようにAl/Nが大きくなるに従いSnO添加量を減少させる場合には、製品磁気特性が安定して改善されるが、その原因について本発明者らはおよそ以下のように考えている。すなわち、MgO中に添加したSnOは最終焼鈍中にHによりSnとOに分解されるが、Snは比較的低融点のためMgO界面の塗れ性を高め、脱炭焼鈍により鋼板表面に生成したサブスケールとMgOの固相−固相反応を促進し、フォルステライトの核生成頻度を高め、このため被膜特性が改善される。このとき、SnOが多い場合にはOの放出も多くなり、コイル層間の雰囲気圧力が高くなる。したがって、Al/Nが大きくなるに従いSnO量を少くすれば、鋼中への吸N量を増加させることができ、これによりインヒビターの機能を最適化できるものと推定される。換言すればAl/Nが大きく、比較的AlNの粗大な分散系に対しては吸N量を増して、微細なAlNを増し、Al/Nが小さく、AlNの微細な分散系に対しては吸N量を減らして、微細なAlNの量を抑制することができたものと考えられる。
0033
この発明の対象とする方向性電磁鋼板素材として代表的組成範囲を挙げると以下のとおりである。
C:0.03%以上、0.10%以下:
Cは熱延組織、冷延組織の均一微細化のみならず、ゴス方位の発達に有用な元素であり、少なくとも0.03%は必要である。しかしながら、0.10%を超えると後工程での脱炭が困難となるばかりでなく、かえってゴス方位の分散を招くので上限を0.10%とする。
0034
Si:2.5%以上,4.5%以下:
Siは鋼板の比抵抗を高め鉄損の低減に寄与するが、4.5%を超えると冷延性が著しく損なわれるため4.5%を上限とする。一方、2.5%に満たないと比抵抗が低下するばかりでなく、最終仕上げ焼鈍中にα−γ変態により結晶方位がランダム化し、磁気特性を損なうので2.5%を下限とする。
0035
Mn:0.02%以上,0.12%以下:
Mnは熱間脆性を防止するためには少なくとも0.02%を必要とするが、あまり多すぎるとMnSe、MnSの微細分散を阻害し、磁気特性を劣化させるので上限を0.12%とする。
0036
Se、Sの内から選ばれる少なくとも1種:0.01%以上、0.04%以下:
Se、Sはいずも方向性珪素鋼の2次再結晶を抑制する有力な元素である。抑制力の点からは、少なくとも0.01%は必要あるが、0.04%を超えると微細析出を制御するのが困難なため、これらの値をそれぞれ上下限とする。
0037
インヒビター成分:sol.Al:0.02%以上、0.03%以下、N:0.0065%以上、0.0095%以下:
AlおよびNの範囲についても前述したように良好な2次再結晶組織を得るために上記範囲に定めた。インヒビターとしては、AlNのほかMnSe、MnSの内から選ばれる1種又は2種を併用して用いることが可能である。更に、上記したMn、Se、S、Al、Nのほか、Cu、Sn、Sb、Biなども有利に作用するのでそれぞれ併せて含有させることができる。これらの成分の好適範囲は、それぞれCu、Sn:0.05%以上、0.25%以下、Sb、Bi:0.01%以上、0.05%以下であり、これらの1種又は2種以上の添加が可能である。
0038
なお、本発明においては、焼鈍分離剤はMgOを主体にこれにSnOを添加したものを用いるが、公知のTiやSr化合物を目的に応じてMgO中へ微量添加することは本発明の効果を損なわないばかりか、むしろ相補的な効果を生ずるので好ましい。
0039
【実施例】
【実施例1】
以下の組成を有するP鋼およびQ鋼を溶製し、スラブとなし、1420℃で均熱後、2.2mm厚に仕上げ、1000℃で熱延板焼鈍、酸洗を施し、1回目の冷延を施した後、1100℃で中間焼鈍を行い、200℃の温間圧延を含む2回目の圧延で0.22mmに仕上げた。さらに、磁区細分化を目的にエッチング法により探さ20μmの溝を幅方向に5mmピッチで導入した。その後850℃での脱炭焼鈍を施し、MgO100重量部に対してSnOを0重量部、2.6重量部の各レベルで、更にTiOを8重量部、Sr(OH)を3重量部添加してなる焼鈍分離剤を塗布し、830℃までN雰囲気、その後NとHの混合雰囲気で10℃/hの速度で加熱し、1180℃到達後H中で5hの純化焼鈍を施した。このときの磁気特性と被膜特性の結果を表7に示す。
0040
〔P鋼〕
C:0.070%、Si:3.32%、Mn:0.071%、
Se:0.018%、sol.Al:0.023%、N:0.0085%、
Al/N:2.71、Sb:0.026%、Cu:0.11%
〔Q鋼〕
C:0.072%、Si:3.25%、Mn:0.068%、
Se:0.047%、sol.Al:0.026%、N:0.0080%、
Al/N:3.25、Sb:0.027%、Cu:0.12%
0041
【表7】
Figure 0003734191
0042
P鋼とQ鋼を比較したとき後者のほうがAl/N比が大きい。したがって、P鋼の場合、焼鈍分離剤中に添加したSnOの量をQ鋼の場合に比べて多くすることによって、いずれの場合にも高い磁気特性を得ることができた
0043
【実施例2】
以下の組成を有するR鋼およびS鋼を溶製し、スラブとなし、1420℃で30分均熱後、2.5mm厚に仕上げ、1150℃で熱延板焼鈍、酸洗を施し、200℃の温間圧延を含む1回の圧延で0.29mmに仕上げた。その後850℃での脱炭焼鈍を施し、MgO100重量部に対してSnOを0重量部、3.8重量部の各レベルで、更にTiOを10重量部、Sr(OH)を3重量部を添加してなる焼鈍分離剤を塗布し、820℃までN雰囲気、その後NとHの混合雰囲気で10℃/hで加熱し1180℃到達後H中で5hの純化焼鈍を施した。このときの磁気特性と被膜特性の結果を表8に示す。
0044
〔R鋼〕
C:0.073%、Si:3.27%、Mn:0.065%、
Se:0.018%、sol.Al:0.023%、N:0.0088%、
Al/N:2.61、Sb:0.038%、Cu:0.07%
〔S鋼〕
C:0.068%、Si:3.24%、Mn:0.068%、
Se:0.017%、sol.Al:0.026%、N:0.0074%、Al/N:3.51、Sb:0.042%、Cu:0.08%
0045
【表8】
Figure 0003734191
0046
実施例1と同様にR鋼とS鋼のAl/N比の相違に基づき焼鈍分離剤中へのSnO添加量を変えることにより、常に高い磁気特性を有しかつ、曲げ剥離性で評価される被膜特性を有する電磁鋼板を得ることができた。
0047
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したように構成したので、AlNをインヒビターとして用いる方向性電磁鋼板の製造の際のAl/N比の変動にもかかわらず、特性値を極めて安定なものとすることができ、高い磁気特性を有する電磁鋼板を常に高い収率で生産することができる。また、被膜特性も向上し、これにより、磁気特性のさらなる向上が行なわれる。

Claims (2)

  1. 重量比で、sol.Al:0.02%以上、0.03%以下及びN:0.0065%以上、0.0095%以下をインヒビターとして含有する方向性電磁鋼板用スラブに、熱間圧延及び冷間圧延を行なって最終板厚に仕上げ、かつ、脱炭焼鈍を施した冷延板に対して、MgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布して最終仕上焼鈍を施す際に用いる方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤の成分調整方法であって、
    重量比でMgO:l00部に対しSnO を1部以上10部以下の範囲内で含有させ、上記sol.AlおよびN含有量に基づきsol.AlとNの比率Al/N値を算出し、該Al/N値が大きくなるに従い上記焼鈍分離剤中のSnO の含有量が少なくなるように焼鈍分離剤成分を調整することを特徴とする方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤の成分調整方法。
  2. 焼鈍分離剤はさらにTi又はSrの1種又は2種から選ばれた金属又はその化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の方向性電磁鋼板用焼鈍分離剤の成分調整方法。
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