JP3731438B2 - 容量可変型圧縮機の制御弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用空調装置の冷媒循環回路を構成し、クランク室の圧力に基づいて吐出容量を変更可能な容量可変型圧縮機に用いられる制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に車両用空調装置の冷媒循環回路(冷凍サイクル)は、凝縮器、減圧装置としての膨張弁、蒸発器及び圧縮機を備えている。圧縮機は蒸発器からの冷媒ガスを吸入して圧縮し、その圧縮ガスを凝縮器に向けて吐出する。蒸発器は冷媒循環回路を流れる冷媒と車室内空気との熱交換を行う。熱負荷又は冷房負荷の大きさに応じて、蒸発器周辺を通過する空気の熱量が蒸発器内を流れる冷媒に伝達されるため、蒸発器の出口又は下流側での冷媒ガス圧力は冷房負荷の大きさを反映する。
【0003】
車載用の圧縮機として広く採用されている容量可変型斜板式圧縮機には、蒸発器の出口圧力(吸入圧という)を所定の目標値(設定吸入圧という)に維持すべく動作する容量制御機構が組み込まれている。容量制御機構は、冷房負荷の大きさに見合った冷媒流量となるように、吸入圧を制御指標として圧縮機の吐出容量つまり斜板角度をフィードバック制御する。
【0004】
前記容量制御機構の典型例は、内部制御弁と呼ばれる制御弁である。内部制御弁ではベローズやダイヤフラム等の感圧部材で吸入圧を感知し、感圧部材の変位動作を弁体の位置決めに利用して弁開度調節を行うことにより、斜板室(クランク室ともいう)の圧力(クランク圧)を調節して斜板角度を決めている。
【0005】
また、単一の設定吸入圧しか持ち得ない単純な内部制御弁では細やかな空調制御要求に対応できないため、外部からの電気制御によって設定吸入圧を変更可能な設定吸入圧可変型制御弁も存在する。設定吸入圧可変型制御弁は例えば、前述の内部制御弁に電磁ソレノイド等の電気的に付勢力調節可能なアクチュエータを付加し、内部制御弁の設定吸入圧を決めている感圧部材に作用する機械的バネ力を外部制御によって増減変更することにより、設定吸入圧の変更を実現するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、吸入圧の絶対値を指標とする吐出容量制御においては、電気制御によって設定吸入圧を変更したからといって、直ちに現実の吸入圧が設定吸入圧通りの圧力に達するとは限らない。すなわち、設定吸入圧の設定変更に対して現実の吸入圧が応答性よく追従するか否かは、蒸発器での熱負荷状況に影響され易いからである。このため、電気制御によって設定吸入圧をきめ細かく逐次調節しているにもかかわらず、圧縮機の吐出容量変化が遅れがちになったり、吐出容量が連続的かつ滑らかに変化せず急変するという事態が時として生じていた。
【0007】
本発明の目的は、吐出容量の制御性や応答性を向上させることができる容量可変型圧縮機の制御弁を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、冷媒循環回路を構成し、クランク室の圧力に基づいて吐出容量を変更可能な容量可変型圧縮機に用いられる制御弁であって、前記クランク室と吐出圧力領域とを接続する給気通路又はクランク室と吸入圧力領域とを接続する抽気通路の一部を構成すべくバルブハウジング内に区画された弁室と、前記弁室内に変位可能に収容され、同弁室内での位置に応じて前記給気通路又は抽気通路の開度を調節可能な弁体と、前記弁体の変位を当接規制する弁体規制部と、前記弁体を弁体規制部に向けて付勢する弁体付勢手段と、前記バルブハウジング内に区画された感圧室と、前記感圧室内を第1圧力室と第2圧力室とに区画するとともに、第1圧力室側及び第2圧力室側に変位可能に設けられた感圧部材と、前記弁体と感圧部材とは分離及び当接係合可能とされていることと、前記冷媒循環回路に設定されその差圧が容量可変型圧縮機の吐出容量を反映する二つの圧力監視点のうち、高圧側に位置する第1圧力監視点の圧力は第1圧力室に導入されるとともに、低圧側に位置する第2圧力監視点の圧力は第2圧力室に導入されることと、前記第1圧力室と第2圧力室との圧力差の変動に基づく感圧部材の変位は、同圧力差の変動を打ち消す側に圧縮機の吐出容量が変更されるように弁体の位置決めに反映されることと、前記第1圧力室又は第2圧力室のうち弁室側に位置する圧力室内に設けられ、感圧部材の弁室側への変位を当接規制する感圧部材規制部と、前記感圧部材を感圧部材規制部に向けて付勢する感圧部材付勢手段と、前記弁体が弁体規制部に当接規制されてなおかつ感圧部材が感圧部材規制部に当接規制されることは、弁体と感圧部材とが分離された状態でもたらされることと、前記感圧部材規制部に当接規制された状態にある感圧部材と、同感圧部材から分離された状態にある弁体との間に形成される圧力室からの分離空間を、同圧力室と同じ圧力雰囲気に開放する開放手段と、前記弁体付勢手段の付勢力及び感圧部材付勢手段の付勢力と対抗する力を弁体に与えることで同弁体と感圧部材とを当接係合させ、さらにはこの力を外部からの制御によって変更可能なことで、感圧部材による弁体の位置決め動作の基準となる設定差圧を変更可能な外部制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
この構成においては、容量可変型圧縮機の吐出容量制御に影響を及ぼす圧力要因として、この容量可変型圧縮機の吐出容量を反映する冷媒循環回路における二つの圧力監視点間の差圧(二点間差圧)を利用している。従って、外部制御手段によって決定された設定差圧に基づいて、この設定差圧を維持するように弁体を動作させる感圧構造(感圧室、感圧部材等)を採用することで、圧縮機の吐出容量を直接的に制御することが可能となり、従来の吸入圧感応型制御弁に内在していた欠点を克服することができる。つまり、蒸発器での熱負荷状況にほとんど影響されることなく、外部制御によって応答性及び制御性の高い吐出容量の増加減少制御を行い得る。
【0010】
さて、前記制御弁においては、外部制御手段が弁体付勢手段及び感圧部材付勢手段の対抗力を弁体に作用させていない時、同弁体は弁体付勢手段によって弁体規制部に対して押し付けられるとともに、感圧部材は感圧部材付勢手段によって感圧部材規制部に対して押し付けられた状態となっている。従って、制御弁が何らかの要因によって振動された場合においても、これら可動部材(弁体及び感圧部材)が制御弁に対して振動することを防止できる。その結果、同可動部材が、その振動によって固定部材(例えばバルブハウジング等)に衝突して破損する等の問題の発生を回避することができる。
【0011】
前記のように、可動部材の耐振性を確保するために二つの付勢手段及び二つの規制部を備えているのは、外部制御手段が付勢手段の対抗力を弁体に作用させていない時、同可動部材が弁体と感圧部材の二つに分離する構成を採用したからである。
【0012】
つまり、本発明の制御弁においては、弁体と感圧部材とが分離された状態では弁体付勢手段のみが弁体の位置決めに関与し、弁体と感圧部材とが当接係合された状態では弁体付勢手段及び感圧部材付勢手段の両方が弁体の位置決めに関与することとなる。従って、弁体付勢手段の特性及び感圧部材付勢手段の特性の設定次第で、弁体の作動特性を様々に変更することが可能となる。
【0013】
また、弁体が感圧部材に当接係合されるまでは、同感圧部材は感圧部材付勢手段によって感圧部材規制部に押さえ付けられた状態を維持することとなる。つまり、感圧部材は、弁体の位置決めに二点間差圧を反映させる必要のない状況下においては、静止状態を維持することとなる。従って、弁体と感圧部材とが常時連動される構成と比較して、不必要に感圧部材が動かされることがなく、固定部材との摺動総距離を削減して、同感圧部材ひいては制御弁の耐久性を向上させることができる。
【0014】
さて、前記感圧部材が感圧部材規制部に当接規制され、さらには同感圧部材から弁体が分離されると、感圧部材規制部が設けられた弁室側の圧力室からは、同感圧部材と感圧部材規制部との接触域を境として別の空間が分離形成される。しかし、この分離空間は、開放手段によって母体圧力室と同じ圧力雰囲気に開放されており、同空間が閉空間とされることはない。従って、この分離空間に残留した冷媒ガスが、弁体の位置決めに悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0015】
請求項2の発明は請求項1において、前記開放手段は、感圧部材と感圧部材規制部との接触域が分離空間と圧力室とを遮断しないようにすることで、同分離空間を圧力室に開放する構成であることを特徴としている。
【0016】
この構成においては、例えば感圧部材と感圧部材規制部との接触域を迂回することで、分離空間を圧力室と同じ圧力雰囲気に連通する構成と比較して、通路構成が複雑となることを防止することができる。
【0017】
請求項3の発明は請求項2において、前記開放手段は、感圧部材において感圧部材規制部との当接面に分離空間から圧力室へ延びる開放溝を形成することで、同感圧部材と感圧部材規制部との接触域が分離空間と圧力室とを遮断しない構成であることを特徴としている。
【0018】
この構成においては、感圧部材と感圧部材規制部との接触域に対する、開放溝の付与作業を容易に行い得る。つまり、例えば開放溝を感圧部材規制部側に形成する場合、狭い感圧室内に工具を挿入して溝加工を行なわなければならず面倒な作業となる。しかし、開放溝の感圧部材に対する形成は、特に同感圧部材の外面に対するものでもあることから、その作業は容易なものとなる。
【0019】
請求項4の発明は請求項1〜3において、前記弁体付勢手段及び感圧部材付勢手段はそれぞれバネ材からなり、弁体付勢バネには感圧部材付勢バネよりもバネ定数が低いものが用いられていることを特徴としている。
【0020】
この構成によれば、バネ定数が低い弁体付勢バネは、弁体が感圧部材側に変位されたとしても、同弁体に付与する付勢力をセット荷重(弁体を弁体規制部に対して押し付けておくための耐振力)からそれほど大きくすることはない。つまり、外部制御手段は、弁体付勢バネのセット荷重程度の弱い力に対抗する力を弁体に作用させるのみで、同弁体を弁体規制部に当接された状態から感圧部材に当接係合する状態まで変位させることが可能となる。その結果、外部制御手段は、この弱い力からそれが発揮し得る最大力までの広い範囲の力を、弁体付勢手段及び感圧部材付勢手段の両方に対抗する力、ひいては設定差圧の設定に使用することができ、この設定差圧の可変幅は広いものとなる。
【0021】
請求項5は、二つの圧力監視点の好ましい態様を限定したものである。すなわち、前記第1及び第2圧力監視点は、容量可変型圧縮機の吐出圧力領域と冷媒循環回路を構成する凝縮器との間の冷媒通路に設定されている。従って、凝縮器と蒸発器との間に配設される減圧装置の作動の影響が、二点間差圧に依拠して圧縮機の吐出容量を把握する上での外乱となることを防止することができる。
【0022】
このような構成を採用すると、第1及び第2圧力室には高圧が導入され、従って分離空間には高圧ガスが残留されることとなる。高圧ガスは低圧(例えば吸入圧力)ガスと比較して、弁体の位置決めに大きな影響を与えることは明らかである。そういった意味でも、請求項5の態様において分離空間を閉空間としないことは、その効果を奏するのに特に有効となる手法である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、車両用空調装置の冷媒循環回路を構成する容量可変型斜板式圧縮機の制御弁について図1〜図6を参照して説明する。
【0024】
(容量可変型斜板式圧縮機)
図1に示すように容量可変型斜板式圧縮機(以下単に圧縮機とする)は、シリンダブロック1と、その前端に接合固定されたフロントハウジング2と、シリンダブロック1の後端に弁形成体3を介して接合固定されたリヤハウジング4とを備えている。
【0025】
前記シリンダブロック1とフロントハウジング2とで囲まれた領域にはクランク室5が区画されている。クランク室5内には駆動軸6が回転可能に支持されている。クランク室5において駆動軸6上には、ラグプレート11が一体回転可能に固定されている。
【0026】
前記駆動軸6の前端部は、動力伝達機構PTを介して外部駆動源としての車両のエンジンEに作動連結されている。動力伝達機構PTは、外部からの電気制御によって動力の伝達/遮断を選択可能なクラッチ機構(例えば電磁クラッチ)であってもよく、又は、そのようなクラッチ機構を持たない常時伝達型のクラッチレス機構(例えばベルト/プーリの組合せ)であってもよい。なお、本件では、クラッチレスタイプの動力伝達機構PTが採用されているものとする。
【0027】
前記クランク室5内にはカムプレートとしての斜板12が収容されている。斜板12は、駆動軸6にスライド移動可能でかつ傾動可能に支持されている。ヒンジ機構13は、ラグプレート11と斜板12との間に介在されている。従って、斜板12は、ヒンジ機構13を介したラグプレート11との間でのヒンジ連結、及び駆動軸6の支持により、ラグプレート11及び駆動軸6と同期回転可能であるとともに、駆動軸6の軸線方向へのスライド移動を伴いながら駆動軸6に対し傾動可能となっている。
【0028】
複数(図面には一つのみ示す)のシリンダボア1aは、前記シリンダブロック1において駆動軸6を取り囲むようにして貫設形成されている。片頭型のピストン20は、各シリンダボア1aに往復動可能に収容されている。シリンダボア1aの前後開口は、弁形成体3及びピストン20によって閉塞されており、このシリンダボア1a内にはピストン20の往復動に応じて体積変化する圧縮室が区画されている。各ピストン20は、シュー19を介して斜板12の外周部に係留されている。従って、駆動軸6の回転にともなう斜板12の回転運動が、シュー19を介してピストン20の往復直線運動に変換される。
【0029】
前記弁形成体3とリヤハウジング4との間には、中心域に位置する吸入室21と、それを取り囲む吐出室22とが区画形成されている。弁形成体3には各シリンダボア1aに対応して、吸入ポート23及び同ポート23を開閉する吸入弁24、並びに、吐出ポート25及び同ポート25を開閉する吐出弁26が形成されている。吸入ポート23を介して吸入室21と各シリンダボア1aとが連通され、吐出ポート25を介して各シリンダボア1aと吐出室22とが連通される。
【0030】
そして、前記吸入室21の冷媒ガスは、各ピストン20の上死点位置から下死点側への往動により吸入ポート23及び吸入弁24を介してシリンダボア1aに吸入される。シリンダボア1aに吸入された冷媒ガスは、ピストン20の下死点位置から上死点側への復動により所定の圧力にまで圧縮され、吐出ポート25及び吐出弁26を介して吐出室22に吐出される。
【0031】
前記斜板12の傾斜角度(駆動軸6の軸線に直交する平面との間でなす角度)は、この斜板12の回転時の遠心力に起因する回転運動のモーメント、ピストン20の往復慣性力によるモーメント、ガス圧によるモーメント等の各種モーメントの相互バランスに基づいて決定される。ガス圧によるモーメントとは、シリンダボア1aの内圧と、ピストン20の背圧にあたる制御圧としてのクランク室5の内圧(クランク圧Pc)との相互関係に基づいて発生するモーメントであり、クランク圧Pcに応じて傾斜角度減少方向にも傾斜角度増大方向にも作用する。
【0032】
この圧縮機では、後述する制御弁CVを用いてクランク圧Pcを調節し前記ガス圧によるモーメントを適宜変更することにより、斜板12の傾斜角度を最小傾斜角度(図1において実線で示す状態)と最大傾斜角度(図1において二点鎖線で示す状態)との間の任意の角度に設定可能としている。
【0033】
(クランク室の圧力制御機構)
斜板12の傾斜角度制御に関与するクランク圧Pcを制御するためのクランク圧制御機構は、図1に示す圧縮機ハウジング内に設けられた抽気通路27、及び給気通路28並びに制御弁CVによって構成される。抽気通路27は吸入圧力(Ps)領域である吸入室21とクランク室5とを接続する。給気通路28は吐出圧力(Pd)領域である吐出室22とクランク室5とを接続し、その途中には制御弁CVが設けられている。
【0034】
そして、前記制御弁CVの開度を調節することで、給気通路28を介したクランク室5への高圧な吐出ガスの導入量と抽気通路27を介したクランク室5からのガス導出量とのバランスが制御され、クランク圧Pcが決定される。クランク圧Pcの変更に応じて、ピストン20を介してのクランク圧Pcとシリンダボア1aの内圧との差が変更され、斜板12の傾斜角度が変更される結果、ピストン20のストロークすなわち吐出容量が調節される。
【0035】
(冷媒循環回路)
図1及び図2に示すように、車両用空調装置の冷媒循環回路(冷凍サイクル)は、上述した圧縮機と外部冷媒回路30とから構成される。外部冷媒回路30は例えば、凝縮器31、減圧装置としての温度式膨張弁32及び蒸発器33を備えている。膨張弁32の開度は、蒸発器33の出口側又は下流側に設けられた感温筒34の検知温度および蒸発圧力(蒸発器33の出口圧力)に基づいてフィードバック制御される。膨張弁32は、熱負荷に見合った液冷媒を蒸発器33に供給して外部冷媒回路30における冷媒流量を調節する。
【0036】
外部冷媒回路30の下流域には、蒸発器33の出口と圧縮機の吸入室21とをつなぐ冷媒ガスの流通管35が設けられている。外部冷媒回路30の上流域には、圧縮機の吐出室22と凝縮器31の入口とをつなぐ冷媒の流通管36が設けられている。圧縮機は外部冷媒回路30の下流域から吸入室21に導かれた冷媒ガスを吸入して圧縮し、圧縮したガスを外部冷媒回路30の上流域とつながる吐出室22に吐出する。
【0037】
さて、冷媒循環回路を流れる冷媒の流量が大きくなるほど、回路又は配管の単位長さ当りの圧力損失も大きくなる。つまり、冷媒循環回路に沿って設定された二つの圧力監視点P1,P2間の圧力損失(差圧)は同回路における冷媒流量と正の相関を示す。故に、二つの圧力監視点P1,P2間の差圧(ΔPd=PdH−PdL)を把握することは、冷媒循環回路における冷媒流量を間接的に検出することに他ならない。圧縮機の吐出容量が増大すれば冷媒循環回路の冷媒流量も増大し、逆に吐出容量が減少すれば冷媒流量も減少する。従って、冷媒循環回路の冷媒流量つまり二点間差圧ΔPdには、圧縮機の吐出容量が反映されている。
【0038】
本実施形態では、流通管36の最上流域に当たる吐出室22内に上流側の第1圧力監視点P1を定めると共に、そこから所定距離だけ離れた流通管36の途中に下流側の第2圧力監視点P2を定めている。第1圧力監視点P1でのガス圧PdHを第1検圧通路37を介して、又、第2圧力監視点P2でのガス圧PdLを第2検圧通路38を介してそれぞれ制御弁CVに導いている。
【0039】
(制御弁)
図3に示すように制御弁CVは、その上半部を占める入れ側弁部と、下半部を占めるソレノイド部60とを備えている。入れ側弁部は、吐出室22とクランク室5とをつなく給気通路28の開度(絞り量)を調節する。ソレノイド部60は、制御弁CV内に配設された作動ロッド40を、外部からの通電制御に基づき付勢制御するための一種の電磁アクチュエータである。作動ロッド40は、先端部たる隔壁部41、連結部42、略中央の弁体部43及び基端部たるガイドロッド部44からなる棒状部材である。弁体部43はガイドロッド部44の一部にあたる。
【0040】
前記制御弁CVのバルブハウジング45は、キャップ45aと、入れ側弁部の主な外郭を構成する上半部本体45bと、ソレノイド部60の主な外郭を構成する下半部本体45cとから構成されている。バルブハウジング45の上半部本体45b内には弁室46及び連通路47が区画され、同上半部本体45bとその上部に外嵌固定されたキャップ45aとの間には感圧室48が区画されている。
【0041】
前記弁室46及び連通路47内には、作動ロッド40が軸方向(図面では垂直方向)に移動可能に配設されている。弁室46及び連通路47は作動ロッド40の配置次第で連通可能となる。これに対して連通路47と感圧室48とは、同連通路47の最上部に摺動可能に嵌入された作動ロッド40の隔壁部41によって遮断されている。
【0042】
前記弁室46の底壁は後記固定鉄心62の上端面によって提供される。弁室46を取り囲むバルブハウジング45の周壁には半径方向に延びるポート51が設けられ、このポート51は給気通路28の上流部を介して弁室46を吐出室22に連通させる。連通路47を取り囲むバルブハウジング45の周壁にも半径方向に延びるポート52が設けられ、このポート52は給気通路28の下流部を介して連通路47をクランク室5に連通させる。従って、ポート51、弁室46、連通路47及びポート52は、制御弁内通路として吐出室22とクランク室5とを連通させる給気通路28の一部を構成する。
【0043】
前記弁室46内には作動ロッド40の弁体部43が配置される。連通路47の内径は、作動ロッド40の連結部42の径よりも大きく且つガイドロッド部44の径よりも小さい。つまり、連通路47の口径面積(隔壁部41の軸直交断面積)SBは、連結部42の断面積より大きくガイドロッド部44の断面積より小さい。このため、弁室46と連通路47との境界に位置する段差は弁座53として機能し、連通路47は一種の弁孔となる。
【0044】
前記作動ロッド40が図3及び図4(a)の位置(最下動位置)から弁体部43が弁座53に着座する図4(c)の位置(最上動位置)へ上動すると、連通路47が遮断される。つまり作動ロッド40の弁体部43は、給気通路28の開度を任意調節可能な入れ側弁体として機能する。
【0045】
前記感圧室48内には、感圧部材54が軸方向に移動可能に設けられている。この感圧部材54は有底円筒状をなすと共に、その底壁部で感圧室48を軸方向に二分し、同感圧室48をP1圧力室(第1圧力室)55とP2圧力室(第2圧力室)56とに区画する。感圧部材54はP1圧力室55とP2圧力室56との間の圧力隔壁の役目を果たし、両圧力室55,56の直接連通を許容しない。なお、感圧部材54の隔壁機能部の軸直交面積をSAとすると、その面積SAは連通路47の口径面積SBよりも大きい。
【0046】
前記感圧部材54のP2圧力室56側(弁室46側)への移動は、同感圧部材54の下面54aがP2圧力室56の底面に当接することで規制される。つまり、P2圧力室56の底面が感圧部材規制部49をなしている。感圧部材54が感圧部材規制部49に当接された状態では、連通路47の感圧室48(P2圧力室56)に対する開口が同感圧部材54の下面54aによって覆われることとなる。また、感圧部材54の底壁部外周面は段差状に形成されている。従って、同感圧部材54が感圧部材規制部49に当接された状態では、同感圧部材54の底壁部外周面と感圧室48の内周面との間の環状領域に、P2圧力室56が存在することとなる。
【0047】
前記感圧部材54の下面54aには、開放手段としての開放溝54bが、同感圧部材54の軸心(連通路47の開口)側から外周(感圧室48の内周面)側に延びて形成されている。従って、感圧部材54が感圧部材規制部49に当接された状態であっても、この開放溝54bが存在することで、両部材54,49の接触域が連通路47の開口をP2圧力室56に対して完全に閉塞することはない。
【0048】
前記P1圧力室55内には、感圧部材付勢手段としてのコイルバネよりなる感圧部材付勢バネ50が収容されている。この感圧部材付勢バネ50は、感圧部材54をP1圧力室55側からP2圧力室56に向けてつまり感圧部材規制部49に向けて付勢する。
【0049】
前記P1圧力室55は、キャップ45aに形成されたP1ポート57及び第1検圧通路37を介して、第1圧力監視点P1である吐出室22と連通する。P2圧力室56は、バルブハウジング45の上半部本体45aに形成されたP2ポート58及び第2検圧通路38を介して第2圧力監視点P2と連通する。すなわち、P1圧力室55には吐出圧Pdが圧力PdHとして導かれ、P2圧力室56には配管途中の圧力監視点P2の圧力PdLが導かれている。
【0050】
前記ソレノイド部60は、有底円筒状の収容筒61を備えている。収容筒61の上部には固定鉄心62が嵌合され、この嵌合により収容筒61内にはソレノイド室63が区画されている。ソレノイド室63には、可動鉄心64が軸方向に移動可能に収容されている。固定鉄心62の中心には軸方向に延びるガイド孔65が形成され、そのガイド孔65内には、作動ロッド40のガイドロッド部44が軸方向に移動可能に配置されている。
【0051】
前記ソレノイド室63は作動ロッド40の基端部の収容領域でもある。すなわち、ガイドロッド部44の下端は、ソレノイド室63内にあって可動鉄心64の中心に貫設された孔に嵌合されると共にかしめにより嵌着固定されている。従って、可動鉄心64と作動ロッド40とは常時一体となって上下動する。
【0052】
前記ガイドロッド部44の下端部は可動鉄心64の下面から若干突出されている。作動ロッド40(弁体部43)の下動は、ガイドロッド44の下端面がソレノイド室63の底面に当接することで規制される。つまり、ソレノイド室63の底面が弁体規制部68をなし、同弁体規制部68は連通路47の開度を増大させる側に、それ以上作動ロッド40(弁体部43)が変位することを当接規制する。
【0053】
前記ソレノイド室63において固定鉄心62と可動鉄心64との間には、弁体付勢手段としてのコイルバネよりなる弁体付勢バネ66が収容されている。この弁体付勢バネ66は、可動鉄心64を固定鉄心62から離間させる方向に作用して、作動ロッド40(弁体部43)を図面下方つまり弁体規制部68に向けて付勢する。
【0054】
図3及び図4(a)に示すように、作動ロッド40が弁体規制部68に当接規制された最下動位置においては、弁体部43が弁座53から距離「X1+X2」だけ離間して連通路47の開度を最大とする。また、この状態において作動ロッド40の隔壁部41は、感圧室48に対して距離「X1」だけ連通路47内に没入している。従って、隔壁部41の先端面41aと、感圧部材規制部49に当接されている感圧部材54の下面54aとは距離「X1」だけ離間され、連通路47内には両面41a,54aに囲まれて分離空間59が形成される。しかし、前述したように、感圧部材54の下面54aと感圧部材規制部49との接触域は、開放溝54bが存在することで、分離空間59をP2圧力室56から完全に遮断することはない。
【0055】
前記固定鉄心62及び可動鉄心64の周囲には、これら鉄心62,64を跨ぐ範囲にコイル67が巻回されている。このコイル67には制御装置70の指令に基づき駆動回路71から駆動信号が供給され、コイル67は、その電力供給量に応じた大きさの電磁吸引力(電磁付勢力)Fを可動鉄心64と固定鉄心62との間に発生させる。なお、コイル67への通電制御は、コイル67への印加電圧を調整することでなされる。本実施形態において印加電圧の調整には、デューティ制御が採用されている。
【0056】
(制御弁の動作特性)
前記制御弁CVにおいては、次のようにして作動ロッド40の配置位置つまり弁開度が決まる。なお、弁室46、連通路47及びソレノイド室63の内圧が作動ロッド40の位置決めに及ぼす影響は無視するものとする。
【0057】
まず、図3及び図4(a)に示すように、コイル67への通電がない場合(Dt=0%)には、作動ロッド40の配置には弁体付勢バネ66の下向き付勢力f2の作用が支配的となる。従って、作動ロッド40は最下動位置に配置され、さらには弁体付勢バネ66の付勢力f2で以って弁体規制部68に押し付けられた状態となっている。この時の弁体付勢バネ66の付勢力f2(=セット荷重f2’)は、例えば車両の振動等によって圧縮機(制御弁CV)が振動された場合においても、作動ロッド40及び可動鉄心64の一体物を弁体規制部68に対して押し付けて振動させないだけの大きさに設定されている。
【0058】
この状態で作動ロッド40の弁体部43は、弁座53から距離「X1+X2」だけ離れて連通路47は全開状態となる。従って、クランク圧Pcは、その時おかれた状況下において取り得る最大値となり、クランク圧Pcとシリンダボア1aの内圧とのピストン20を介した差は大きくて、斜板12は傾斜角度を最小として圧縮機の吐出容量は最小となっている。
【0059】
前記のようにして作動ロッド40が最下動位置に配置された状態では、同作動ロッド40(隔壁部41)と感圧部材54とは、当接係合が解除された状態にある。従って、感圧部材54の配置には、二点間差圧ΔPdに基づく下向きの押圧力(PdH・SA−PdL(SA−SB))と感圧部材付勢バネ50の下向き付勢力f1との合計荷重が支配的となり、感圧部材54はこの合計荷重で以って感圧部材規制部49に押し付けられた状態となっている。この時の感圧部材付勢バネ50の付勢力f1(=セット荷重f1’)は、例えば車両の振動等によって圧縮機(制御弁CV)が振動された場合においても、感圧部材54を感圧部材規制部49に対して押し付けて振動させないだけの大きさに設定されている。
【0060】
図3及び図4(a)に示す状態から、コイル67に対しデューティ比可変範囲の最小デューティ比Dt(min)(>0)の通電がなされると、上向きの電磁付勢力Fが弁体付勢バネ66の下向き付勢力f2(=f2’)を凌駕し、作動ロッド40が上動を開始する。
【0061】
ここで、図5のグラフは、作動ロッド40(弁体部43)の配置位置と同作動ロッド40に作用する各種荷重との関係を示している。同グラフからは、コイル67への通電デューティ比Dtが増大すると、作動ロッド40に作用する電磁付勢力Fが高められることがわかる。また、同グラフからは、作動ロッド40が弁閉側に上動すると、可動鉄心64が固定鉄心62に近づく効果で、コイル67への通電デューティ比Dtはそのままでも作動ロッド40に作用する電磁付勢力Fが高められることがわかる。
【0062】
なお、コイル67への通電デューティ比Dtは、実際にはデューティ比可変範囲の最小デューティ比Dt(min)から最大デューティ比Dt(max)(例えば100%)までの間で連続的に変更可能ではあるが、図5のグラフにおいては理解を容易とするため、Dt(min)、 Dt(1)〜 Dt(4)及びDt(max)の場合のみを示している。
【0063】
また、図5のグラフにおいて、特性線「f1+f2」及び「f2」の傾きからも明らかなように、弁体付勢バネ66には感圧部材付勢バネ50よりもバネ定数がはるかに低いものが用いられている。この弁体付勢バネ66のバネ定数は、作動ロッド40に作用させる付勢力f2が、固定鉄心62と可動鉄心64との間の距離(つまり弁体付勢バネ66の圧縮状態)に関わらず、セット荷重f2’とほぼ同じと見なすことができる程度に低いものである。
【0064】
よって、コイル67に最小デューティ比Dt(min)以上の通電がなされると、作動ロッド40は最下動位置から少なくとも距離X1を弁閉側に上動し、従って隔壁部41の先端面41aが分離空間59を押し縮め、さらには同先端面41aが感圧部材54の下面54aに当接係合されることとなる。
【0065】
前記作動ロッド40と感圧部材54とが当接係合した状態では、弁体付勢バネ66の下向きの付勢力f2によって減勢された上向き電磁付勢力Fが、感圧部材付勢バネ50の下向き付勢力f1によって加勢された二点間差圧ΔPdに基づく下向き押圧力に対抗する。従って、
(数1式)
PdH・SA−PdL(SA−SB)=F−f1−f2
を満たすように、作動ロッド40の弁体部43が弁座53に対して、図4(b)に示す状態と図4(c)に示す状態との間で位置決めされ、制御弁CVの弁開度が中間開度(図4(b))と全閉(図4(c))との間で決定される。よって、圧縮機の吐出容量が最小と最大との間で変更される。
【0066】
例えば、エンジンEの回転速度が減少して冷媒循環回路の冷媒流量が減少すると、下向きの二点間差圧ΔPdが減少してその時点での電磁付勢力Fでは作動ロッド40に作用する上下付勢力の均衡が図れなくなる。従って、作動ロッド40が上動して感圧部材付勢バネ50が蓄力され、この感圧部材付勢バネ50の下向き付勢力f1の増加分が下向きの二点間差圧ΔPdの減少分を補償する位置に作動ロッド40の弁体部43が位置決めされる。その結果、連通路47の開度が減少し、クランク圧Pcが低下傾向となり、このクランク圧Pcとシリンダボア1aの内圧とのピストン20を介した差も小さくなって斜板12が傾斜角度増大方向に傾動し、圧縮機の吐出容量は増大される。圧縮機の吐出容量が増大すれば冷媒循環回路における冷媒流量も増大し、二点間差圧ΔPdは増加する。
【0067】
逆に、エンジンEの回転速度が増大して冷媒循環回路の冷媒流量が増大すると、下向きの二点間差圧ΔPdが増大してその時点での電磁付勢力Fでは作動ロッド40に作用する上下付勢力の均衡が図れなくなる。従って、作動ロッド40が下動して感圧部材付勢バネ50の蓄力も減り、この感圧部材付勢バネ50の下向き付勢力f1の減少分が下向きの二点間差圧ΔPdの増大分を補償する位置に作動ロッド40の弁体部43が位置決めされる。その結果、連通路47の開度が増加し、クランク圧Pcが増大傾向となり、クランク圧Pcとシリンダボア1aの内圧とのピストン20を介した差も大きくなって斜板12が傾斜角度減少方向に傾動し、圧縮機の吐出容量は減少される。圧縮機の吐出容量が減少すれば冷媒循環回路における冷媒流量も減少し、二点間差圧ΔPdは減少する。
【0068】
また、例えば、コイル67への通電デューティ比Dtを大きくして電磁付勢力Fを大きくすると、その時点での二点間差圧ΔPdでは上下付勢力の均衡が図れないため、作動ロッド40が上動して感圧部材付勢バネ50が蓄力され、この感圧部材付勢バネ50の下向き付勢力f1の増加分が上向きの電磁付勢力Fの増加分を補償する位置に作動ロッド40の弁体部43が位置決めされる。従って、制御弁CVの開度、つまり連通路47の開度が減少し、圧縮機の吐出容量が増大される。その結果、冷媒循環回路における冷媒流量が増大し、二点間差圧ΔPdも増大する。
【0069】
逆に、コイル67への通電デューティ比Dtを小さくして電磁付勢力Fを小さくすれば、その時点での二点間差圧ΔPdでは上下付勢力の均衡が図れないため、作動ロッド40が下動して感圧部材付勢バネ50の蓄力も減り、この感圧部材付勢バネ50の下向き付勢力f1の減少分が上向きの電磁付勢力Fの減少分を補償する位置に作動ロッド40の弁体部43が位置決めされる。従って、連通路47の開度が増加し、圧縮機の吐出容量が減少する。その結果、冷媒循環回路における冷媒流量が減少し、二点間差圧ΔPdも減少する。
【0070】
以上のように制御弁CVは、コイル67に対し最小デューティ比Dt(min)以上の通電がなされている条件の下では、電磁付勢力Fによって決定された二点間差圧ΔPdの制御目標(設定差圧)を維持するように、この二点間差圧ΔPdの変動に応じて内部自律的に作動ロッド40を位置決めする構成となっている。また、この設定差圧は、電磁付勢力Fを変更することで、最小デューティ比Dt(min)の時の最小値と最大デューティ比Dt(max)の時の最大値との間で変更される。
【0071】
(制御体系)
図2及び図3に示すように、車両用空調装置は同空調装置の制御全般を司る制御装置70を備えている。制御装置70は、CPU、ROM、RAM及びI/Oインターフェイスを備えたコンピュータ類似の制御ユニットであり、I/Oの入力端子には外部情報検知手段72が接続され、I/Oの出力端子には駆動回路71が接続されている。
【0072】
前記制御装置70は、外部情報検知手段72から提供される各種の外部情報に基づいて適切なデューティ比Dtを演算し、駆動回路71に対しそのデューティ比Dtでの駆動信号の出力を指令する。駆動回路71は、命じられたデューティ比Dtの駆動信号を制御弁CVのコイル67に出力する。コイル67に供給される駆動信号のデューティ比Dtに応じて、制御弁CVのソレノイド部60の電磁付勢力Fが変化する。
【0073】
前記外部情報検知手段72は各種センサ類を包括する機能実現手段である。外部情報検知手段72を構成するセンサ類としては、例えば、A/Cスイッチ(乗員が操作する空調装置のON/OFFスイッチ)73、車室内温度Te(t)を検出するための温度センサ74、車室内温度の好ましい設定温度Te(set)を設定するための温度設定器75があげられる。
【0074】
次に、図6のフローチャートを参照して制御装置70による制御弁CVへのデューティ制御の概要を簡単に説明する。
車両のイグニションスイッチ(又はスタートスイッチ)がONされると、制御装置70は電力を供給され演算処理を開始する。制御装置70は、ステップ101(以下単に「S101」という、他のステップも以下同様)において初導プログラムに従い各種の初期設定を行う。例えば、制御弁CVのデューティ比Dtに初期値として「0」を与える(無通電状態)。その後、処理はS102以下に示された状態監視及びデューティ比の内部演算処理へと進む。
【0075】
S102では、A/Cスイッチ73がONされるまで同スイッチ73のON/OFF状況が監視される。A/Cスイッチ73がONされると、S103において制御弁CVのデューティ比Dtを最小デューティ比Dt(min)とし、同制御弁CVの内部自律制御機能(設定差圧維持機能)を起動する。
【0076】
S104において制御装置70は、温度センサ74の検出温度Te(t)が温度設定器75による設定温度Te(set)より大であるか否かを判定する。S104判定がNOの場合、S105において前記検出温度Te(t)が設定温度Te(set)より小であるか否かを判定する。S105判定もNOの場合には、検出温度Te(t)が設定温度Te(set)に一致していることになるため、冷房能力の変化につながるデューティ比Dtの変更の必要はない。それ故、制御装置70は駆動回路71にデューティ比Dtの変更指令を発することなく、処理はS108に移行される。
【0077】
S104判定がYESの場合、車室内は暑く熱負荷が大きいと予測されるため、S106において制御装置70はデューティ比Dtを単位量ΔDだけ増大させ、その修正値(Dt+ΔD)へのデューティ比Dtの変更を駆動回路71に指令する。従って、制御弁CVの弁開度が若干減少し、圧縮機の吐出容量が増大して蒸発器33での除熱能力が高まり、温度Te(t)は低下傾向となる。
【0078】
S105判定がYESの場合、車室内は寒く熱負荷が小さいと予測されるため、S107において制御装置70はデューティ比Dtを単位量ΔDだけ減少させ、その修正値(Dt−ΔD)へのデューティ比Dtの変更を駆動回路71に指令する。従って、制御弁CVの弁開度が若干増加し、圧縮機の吐出容量が減少して蒸発器33での除熱能力が低まり、温度Te(t)は上昇傾向となる。
【0079】
S108においては、 A/Cスイッチ73がOFFされたか否かが判定される。S108判定がNOなら処理はS104に移行される。逆にS108判定がYESなら処理はS101に移行され、制御弁CVは無通電状態とされる。従って、制御弁CVは弁開度を全開として、敢えて言うなら中間開度の時よりも給気通路28を大きく開いて、クランク室5の圧力を出来る限り迅速に上昇させる。その結果、A/Cスイッチ73のOFFに応じて、迅速に圧縮機の吐出を最小とすることができ、不必要な量の冷媒が冷媒循環回路を流れる期間すなわち不必要な冷房が行われる期間を短くすることができる。
【0080】
特にクラッチレスタイプの圧縮機にあっては、エンジンEが起動状態の時には常時駆動されることとなる。このため、冷房不要時(A/Cスイッチ73のOFF状態の時)においては、吐出容量を確実に最小としてエンジンEの動力損失を軽減することが要求される。この要求を満たす意味でも、吐出容量を最小とし得る中間開度よりもさらに弁開度を大きくできる前記制御弁CVを採用することは重要である。
【0081】
以上のように、S106及び/又はS107でのデューティ比Dtの修正処理を経ることで、検出温度Te(t)が設定温度Te(set)からずれていてもデューティ比Dtが次第に最適化され、更に制御弁CVでの内部自律的な弁開度調節も相俟って温度Te(t)が設定温度Te(set)付近に収束する。
【0082】
上記構成の本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、蒸発器33での熱負荷の大きさに影響される吸入圧Psそのものを制御弁CVの弁開度制御における直接の指標とすることなく、冷媒循環回路における二つの圧力監視点P1,P2間の差圧ΔPdを直接の制御対象として圧縮機の吐出容量のフィードバック制御を実現している。このため、蒸発器33での熱負荷状況にほとんど影響されることなく、外部制御によって応答性及び制御性の高い吐出容量の増加減少制御を行なうことができる。
【0083】
(2)制御弁CVは、バネ50,66及び規制部49,68によって、コイル67の無通電時における作動ロッド40、可動鉄心64及び感圧部材54の耐振性を確保している。従って、これら可動する部材40,54,64が、車両の振動等によって固定部材(例えばバルブハウジング45等)に衝突して破損する等の問題の発生を回避することができる。
【0084】
(3)制御弁CVにおいて、作動ロッド40(弁体部43)が弁体規制部68に当接規制されてなおかつ感圧部材54が感圧部材規制部49に当接規制されることは、作動ロッド40と感圧部材54とが分離された状態でもたらされる。別の見方をすれば、前記(2)で述べたように、可動する部材40,54,64の耐振性を確保するために二つのバネ50,66及び二つの規制部49,68を備えているのは、コイル67の無通電時において同可動する部材40,54,64が二つに分離する構成を採用したからである。
【0085】
ここで、前記作動ロッド40と感圧部材54とが一体形成された制御弁を比較例として考えてみる。この比較例の制御弁においては、作動ロッド40及び感圧部材54の一方を、バネによって規制部に対して押さえ付けることは、他方も間接的に同規制部に対して押さえ付けることにもなる。従って、バネ及び規制部は一つ備えるのみでよい。
【0086】
ところが、図5のグラフにおいて二点鎖線で示すように、前記比較例の制御弁に用いられる一つのバネには、上述した耐振性確保のために、可動する部材40,54,64の全ての重量分を規制部に対して押さえ付けておけるだけの大きなセット荷重f’(=f1’+f2’)が必要となる。また、このバネとしては、後記数2式からも明らかなように、作動ロッド40を中間開度と全閉との間の任意の位置に位置決め可能とするために、その特性線「f」が電磁付勢力Fの特性線よりも大きく下降傾斜する大きなバネ定数のものを用いる必要がある。つまり、バネの特性線「f」が電磁付勢力Fの特性線よりも大きく下降傾斜していなければ、同バネは、作動ロッド40の変位(言い換えれば同バネの圧縮状態の変更)によっても、電磁付勢力Fの変化分を等価で補償し得なくなってしまうのである。このことは、本実施形態の感圧部材付勢バネ50についても同様である。
【0087】
(数2式)
PdH・SA−PdL(SA−SB)=F−f
このように、比較例の制御弁においては、例えば本実施形態で言うところの最小デューティ比Dt(min)を超えて電磁付勢力Fがバネの初期荷重f’を上回ったとしても、作動ロッド40が上動されるに連れて(言い換えれば圧縮されるに連れて)増大するバネ付勢力fに打ち勝って弁開度を中間開度に到達させ、さらには内部自律制御機能を起動するためには、デューティ比DtをDt(1)にまで増大しなくてはならない。よって、最大Dt(max)まで使用可能なデューティ比Dtのうち、Dt(1)までが内部自律制御機能を起動させるための領域として使用されてしまう。従って、狭い範囲Dt(1)〜Dt(max)のデューティ比Dtを用いてしか、内部自律制御の動作の基準となる設定差圧の変更を行い得なく、この設定差圧の可変幅が狭められることとなっていた。
【0088】
さらに詳述すれば、比較例の制御弁においては、可動する部材40,54,64の耐振性の確保と、二点間差圧ΔPdに基づく内部自律制御を可能とすることとが、一つのバネによって達成されている。従って、同バネが作動ロッド40に作用させる付勢力fは、本実施形態のバネ付勢力f1+f2と比較して高くならざるを得ないのである。その結果、デューティ比Dtが最大Dt(max)の時に、前記数2式を満たす二点間差圧ΔPdが小さくなってしまい、最大設定差圧つまり制御可能な冷媒循環回路の最大流量が低められてしまうこととなっていた。
【0089】
他方、前記比較例の制御弁において最大設定差圧を引き上げるために、二点間差圧ΔPdの感圧構成を、同差圧ΔPdに基づき作動ロッド40に作用させる押圧力を減少側に変更したとする。例えば、隔壁部41の軸直交断面積SBを小さくすること等により、前記数2式の左辺「PdH・SA−PdL(SA−SB)」を小さくするのである。ところが、今度は、デューティ比Dtが最小Dt(1)の時に、前記数2式を満たす二点間差圧ΔPdが大きくなってしまい、最小設定差圧つまり制御可能な冷媒循環回路の最小流量が高められてしまうのである。
【0090】
しかし、本実施形態の制御弁CVにあっては、コイル67の無通電時において可動する部材40,54,64が二つに分離する構成を採用し、さらにはこの分離された可動する部材40,54,64毎に、その耐振性を確保するためのバネ50,66及び規制部49,68が備えられている。従って、内部自律制御を達成するために必要となる大きなバネ定数のバネ手段の役目は、中間開度と全閉との間の狭い範囲で(言い換えれば内部自律制御に必要な範囲でのみ)伸縮する感圧部材付勢バネ50に担わせ、全開と全閉との間の広い範囲において(言い換えれば内部自律制御に不必要な範囲においても)伸縮しなくてはならない弁体付勢バネ66においては、そのバネ定数を出来る限り低くする構成を採用することができた。
【0091】
その結果、可動する部材40,54,64の耐振性を確保しつつ、作動ロッド40に作用するバネ付勢力(f1+f2)を比較例(f)よりも小さく設定することができ、前記数1式を比較例よりも小さな電磁付勢力F(最小デューティ比Dt(min))によって成立させることが可能となった。よって、広い範囲のデューティ比Dt(min)〜Dt(max)を用いて、可変幅の大きな設定差圧の変更つまり冷媒循環回路の冷媒流量制御を行なうことができる。
【0092】
(4)作動ロッド40(弁体部43)が感圧部材54に当接係合されるまでは、同感圧部材54は感圧部材付勢バネ50によって感圧部材規制部49に押さえ付けられた状態を維持することとなる。つまり、感圧部材54は、作動ロッド40の位置決めに二点間差圧ΔPdを反映させる必要のない状況下においては、静止状態を維持することとなる。従って、比較例のように不必要に感圧部材54が動かされることがなく(全開←→中間開度)、固定部材(感圧室48の内壁面)との摺動総距離を削減して、同感圧部材54ひいては制御弁CVの耐久性を向上させることができる。
【0093】
(5)車両用空調装置の圧縮機は、一般的に車両の狭いエンジンンルームに配置されるため、その体格が制限されている。従って、制御弁CVの体格ひいてはソレノイド部60(コイル67)の体格も制限されることとなる。また、一般的に、ソレノイド部60の作動電源としては、エンジン制御等のために車両に装備されているバッテリが用いられており、この車両バッテリの電圧は例えば12〜24vで規定されている。
【0094】
つまり、前記比較例において設定差圧の可変幅を広げるべく、ソレノイド部60が発生し得る最大電磁付勢力Fを大きくしようとしても、コイル67の大型化及び作動電源の高電圧化の何れの側からのアプローチも、既存周辺構成の大きな変更をともなうためほぼ不可能である。言い換えれば、車両用空調装置に用いられる圧縮機の制御弁CVにおいて、外部制御手段として電磁アクチュエータ構成を採用した場合、設定差圧の可変幅を広げる手法として最も適しているのは、コイル67(制御弁CV)の大型化及び作動電源の高電圧化を伴わない本実施形態によるものなのである。
【0095】
(6)感圧部材54が感圧部材規制部49に当接規制され、同感圧部材54から作動ロッド40(隔壁部41)が分離されると、P2圧力室56からは、感圧部材54と感圧部材規制部49との接触域を境として別の空間59が分離形成される。しかし、この分離空間59は、開放溝54bによってP2圧力室56に開放されており、同空間59が閉空間とされることはない。従って、この分離空間59に残留した冷媒ガスが、作動ロッド40(弁体部43)の位置決めに悪影響を及ぼすことを防止でき、所望の弁開度制御を行い得る。
【0096】
つまり、例えば、開放溝54bを有していなく、分離空間59が閉空間とされてしまう構成を採用したとする。この場合には、感圧部材54が感圧部材規制部49に当接され、さらには同感圧部材54から作動ロッド40が分離されるとき、分離空間59の体積増大によって同空間59内の冷媒ガスに膨張作用が奏され、この膨張作用を奏さねばならない作動ロッド40の移動が遅延されてしまう。従って、作動ロッド40の弁体規制部68に対する当接、つまり弁体部43による連通路47の全開が遅れてしまう。
【0097】
また、分離状態にある感圧部材54と作動ロッド40とが当接係合されるとき、分離空間59の体積縮小によって同空間59内の冷媒ガスに圧縮作用が奏され、この圧縮作用を奏さねばならない作動ロッド40の移動が遅延されてしまう。従って、感圧部材54と作動ロッド40との当接係合、つまり内部自律制御機能の起動が遅れてしまう。
【0098】
特に、この内部自律制御機能の起動時において、感圧部材54が感圧部材規制部49から離間され、分離空間59とP2圧力室56とが連通された瞬間には、前述した圧縮作用を一因として高圧である分離空間59のガスが、P2圧力室56の圧力を支配して、実際の二点間差圧ΔPdよりも小さめの差圧が感圧部材54に作用されてしまう。従って、作動ロッド40が必要以上に上動し、弁体部43が必要以上に連通路47の開度を減少させることとなる。その結果、圧縮機の吐出容量が不必要に大きくされて、空調フィーリングを阻害することとなるのである。
【0099】
(7)開放溝54bは、感圧部材54と感圧部材規制部49との接触域が、分離空間59とP2圧力室56とを遮断しないようにすることで、同分離空間59をP2圧力室56に開放している。従って、例えば開放溝54bを有していなく、感圧部材54と感圧部材規制部49との接触域を迂回することで、分離空間59をPdL圧力雰囲気に開放する構成(例えば図4(a)において二点鎖線で示す別例)と比較して、この開放のための通路構成が複雑となることを防止することができる。
【0100】
(8)開放溝54bは感圧部材54側に形成されており、従って、感圧部材54と感圧部材規制部49との接触域に対する、同溝54aの付与作業を容易に行い得る。つまり、例えば開放溝54bを感圧部材規制部49(感圧室48の底面49)に形成する場合、狭い感圧室48内に工具を挿入して溝加工を行なわなければならず面倒な作業となる。しかし、開放溝54bの感圧部材54に対する形成は、特に同部材54の外面(下面54a)に対するものでもあることから、その作業は容易となる。
【0101】
(9)感圧部材付勢バネ50は、感圧部材54をP1圧力室55側からP2圧力室56に向けて付勢する。つまり、感圧部材54に対する、感圧部材付勢バネ50の付勢力の作用方向と、二点間差圧ΔPdに基づく押圧力の作用方向とが同じとされている。従って、コイル67の無通電時においては、二点間差圧ΔPdに基づく押圧力も利用して、感圧部材54を確実に感圧部材規制部49に対して押し付けておくことができる。
【0102】
(10)制御弁CVは、給気通路28の開度を変更する所謂入れ側制御によってクランク室5の圧力変更を行なう。従って、例えば抽気通路27の開度を変更する所謂抜き側制御と比較して、高圧を積極的に取り扱う分だけ、クランク室5の圧力変更つまり圧縮機の吐出容量変更を速やかに行い得る。これは、空調フィーリングの向上につながる。
【0103】
(11)第1及び第2圧力監視点P1,P2は、圧縮機の吐出室22と凝縮器31との間の冷媒通路に設定されている。従って、膨張弁32の作動の影響が、二点間差圧ΔPdに依拠して圧縮機の吐出容量を把握する上での外乱となることを防止することができる。
【0104】
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で以下の態様でも実施できる。
・感圧部材規制部49側(つまりP2圧力室56の底面)に開放溝を形成すること。この場合、上記実施形態のような感圧部材54側の開放溝54bを併用する構成であっても良い。
【0105】
・上記実施形態から開放溝54bを削除することで、感圧部材54と感圧部材規制部49との接触域が、分離空間59とP2圧力室56とを遮断するように構成する。そして、例えば図4(a)において二点鎖線で示すように、同接触域を迂回する通路80によって、分離空間59を第2圧力室56と同じ圧力雰囲気に開放すること。なお、この通路80は、図4(a)に示すような分離空間59とP2圧力室56とを連通する構成に限定されるものではなく、分離空間59とP2ポート58とを、P2圧力室56を経由せずに直接連通する構成であっても良いし、分離空間59と第2検圧通路38とを、P2圧力室56及びP2ポート58を経由せずに直接連通する構成であっても良いし、分離空間59と第2圧力監視点P2とを、P2圧力室56、P2ポート58及び第2検圧通路38を経由せずに直接連通する構成であっても良い。
【0106】
・第1圧力監視点P1を蒸発器33と吸入室21との間の吸入圧力領域に設定するとともに、第2圧力監視点P2を同じ吸入圧力領域において第1圧力監視点P1の下流側に設定すること。
【0107】
・第1圧力監視点P1を吐出室22と凝縮器31との間の吐出圧力領域に設定するとともに、第2圧力監視点P2を蒸発器33と吸入室21との間の吸入圧力領域に設定すること。
【0108】
・第1圧力監視点P1を吐出室22と凝縮器31との間の吐出圧力領域に設定するとともに、第2圧力監視点P2をクランク室5に設定すること。或いは、第1圧力監視点P1をクランク室5に設定するとともに、第2圧力監視点P2を蒸発器33と吸入室21との間の吸入圧力領域に設定すること。つまり、圧力監視点P1,P2は、上記実施形態のように、冷媒循環回路の主回路である冷凍サイクル(外部冷媒回路30(蒸発器33)→吸入室21→シリンダボア1a→吐出室22→外部冷媒回路30(凝縮器31))へ設定すること、さらに詳述すれば冷凍サイクルの高圧領域及び/又は低圧領域に設定することに限定されるものではなく、冷媒循環回路の副回路として位置付けられる、容量制御用の冷媒回路(給気通路28→クランク室5→抽気通路27)を構成する、中間圧領域としてのクランク室5に設定しても良い。
【0109】
・制御弁CVを、給気通路28ではなく抽気通路27の開度調節によりクランク圧Pcを調節する、所謂抜き側制御弁としても良い。
・制御弁CVを、ソレノイド部60が電磁付勢力Fを大きくしてゆくと、弁開度が大きくなるつまり設定差圧が小さくなる構成とすること。
【0110】
・弁体付勢バネ66を、ソレノイド室63ではなく弁室46に収容配置すること。
・ワッブル式の容量可変型圧縮機の制御装置において具体化すること。
【0111】
・動力伝達機構PTとして、電磁クラッチ等のクラッチ機構を備えたものを採用すること。ここで例えば、車両の急加速時等においてエンジンEの動力損失を軽減すべく、圧縮機の吐出容量を最小とする制御が行われることがある(所謂加速カット)。この加速カットを圧縮機の最小吐出容量にて達成することは、電磁クラッチのオフで達成する場合と比較して同電磁クラッチのオンオフショックを伴わないため、乗員に不快感を与えることがない。つまり、このクラッチ付き圧縮機においても、迅速かつ確実に吐出容量を最小として加速カットを達成することが要求され、この要求を満たす意味でも、吐出容量を最小とし得る中間開度よりもさらに弁開度を大きくできる本実施形態の制御弁CVを採用することは重要である
上記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
【0112】
(1)前記弁体付勢バネは、弁体の変位位置に関わらずほぼ一定の付勢力を弁体に作用させることが可能な程にバネ定数が低く設定されている請求項4に記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
【0113】
(2)前記感圧部材付勢手段は、感圧部材を第1圧力室側から第2圧力室に向けて付勢する請求項1〜5、前記(1)のいずれかに記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
【0114】
(3)前記弁室は給気通路の一部を構成する請求項1〜5、前記(1)、(2)のいずれかに記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
(4)前記外部制御手段は、弁体に与える力を外部からの電気制御によって変更可能な電磁アクチュエータを含んでなる請求項1〜5、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
【0115】
(5)前記弁体規制部は、弁体が圧縮機の吐出容量を減少させる方向へそれ以上に変位することを当接規制する請求項1〜5、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
【0116】
(6)前記二つの圧力監視点の差圧には冷媒循環回路(冷凍サイクル)の冷媒流量が反映されている請求項1〜5、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
【0117】
(7)前記冷媒循環回路は車両用空調装置に用いられる請求項1〜5、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
(8)前記容量可変型圧縮機と同圧縮機を駆動する車両のエンジンとの間の動力伝達機構はクラッチレスタイプである前記(7)に記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
【0118】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、吐出容量の制御性や応答性を向上させることができる。
【0119】
また、弁体の作動特性を様々に変更することが可能となり、例えば弁体及び感圧部材の耐振性の確保と設定差圧の可変幅を広げることとを、制御弁の大型化等をともなう外部制御手段の性能向上なしに達成することができる。
【0120】
さらに、感圧部材と弁体との間の分離空間に残留した冷媒ガスが、弁体の位置決めに悪影響を及ぼすことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 容量可変型斜板式圧縮機の断面図。
【図2】 冷媒循環回路の概要を示す回路図。
【図3】 制御弁の断面図。
【図4】 制御弁の動作を説明する要部拡大断面図。
【図5】 作動ロッドに作用する各種荷重を説明するグラフ。
【図6】 制御弁の制御を説明するフローチャート。
【符号の説明】
5…クランク室、21…吸入圧力領域としての吸入室、22…吐出圧力領域としての吐出室、27…抽気通路、28…給気通路、30…容量可変型圧縮機とともに冷媒循環回路を構成する外部冷媒回路、43…弁体としての弁体部、45…バルブハウジング、46…弁室、48…感圧室、49…感圧部材規制部、50…感圧部材付勢手段としての感圧部材付勢バネ、54…感圧部材、54a…開放手段としての開放溝、55…第1圧力室としてのP1圧力室、56…第2圧力室としてのP2圧力室、59…分離空間、60…外部制御手段を構成するソレノイド部、66…弁体付勢手段としての弁体付勢バネ、68…弁体規制部、CV…制御弁、P1…第1圧力監視点、P2…第2圧力監視点。
Claims (5)
- 冷媒循環回路を構成し、クランク室の圧力に基づいて吐出容量を変更可能な容量可変型圧縮機に用いられる制御弁であって、
前記クランク室と吐出圧力領域とを接続する給気通路又はクランク室と吸入圧力領域とを接続する抽気通路の一部を構成すべくバルブハウジング内に区画された弁室と、
前記弁室内に変位可能に収容され、同弁室内での位置に応じて前記給気通路又は抽気通路の開度を調節可能な弁体と、
前記弁体の変位を当接規制する弁体規制部と、
前記弁体を弁体規制部に向けて付勢する弁体付勢手段と、
前記バルブハウジング内に区画された感圧室と、
前記感圧室内を第1圧力室と第2圧力室とに区画するとともに、第1圧力室側及び第2圧力室側に変位可能に設けられた感圧部材と、
前記弁体と感圧部材とは分離及び当接係合可能とされていることと、
前記冷媒循環回路に設定されその差圧が容量可変型圧縮機の吐出容量を反映する二つの圧力監視点のうち、高圧側に位置する第1圧力監視点の圧力は第1圧力室に導入されるとともに、低圧側に位置する第2圧力監視点の圧力は第2圧力室に導入されることと、
前記第1圧力室と第2圧力室との圧力差の変動に基づく感圧部材の変位は、同圧力差の変動を打ち消す側に圧縮機の吐出容量が変更されるように弁体の位置決めに反映されることと、
前記第1圧力室又は第2圧力室のうち弁室側に位置する圧力室内に設けられ、感圧部材の弁室側への変位を当接規制する感圧部材規制部と、
前記感圧部材を感圧部材規制部に向けて付勢する感圧部材付勢手段と、
前記弁体が弁体規制部に当接規制されてなおかつ感圧部材が感圧部材規制部に当接規制されることは、弁体と感圧部材とが分離された状態でもたらされることと、
前記感圧部材規制部に当接規制された状態にある感圧部材と、同感圧部材から分離された状態にある弁体との間に形成される圧力室からの分離空間を、同圧力室と同じ圧力雰囲気に開放する開放手段と、
前記弁体付勢手段の付勢力及び感圧部材付勢手段の付勢力と対抗する力を弁体に与えることで同弁体と感圧部材とを当接係合させ、さらにはこの力を外部からの制御によって変更可能なことで、感圧部材による弁体の位置決め動作の基準となる設定差圧を変更可能な外部制御手段と
を備えたことを特徴とする容量可変型圧縮機の制御弁。 - 前記開放手段は、感圧部材と感圧部材規制部との接触域が分離空間と圧力室とを遮断しないようにすることで、同分離空間を圧力室に開放する構成である請求項1に記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
- 前記開放手段は、感圧部材において感圧部材規制部との当接面に分離空間から圧力室へ延びる開放溝を形成することで、同感圧部材と感圧部材規制部との接触域が分離空間と圧力室とを遮断しない構成である請求項2に記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
- 前記弁体付勢手段及び感圧部材付勢手段はそれぞれバネ材からなり、弁体付勢バネには感圧部材付勢バネよりもバネ定数が低いものが用いられている請求項1〜3のいずれかに記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
- 前記第1及び第2圧力監視点は、容量可変型圧縮機の吐出圧力領域と冷媒循環回路を構成する凝縮器との間の冷媒通路に設定されている請求項1〜4のいずれかに記載の容量可変型圧縮機の制御弁。
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