JP3730957B2 - 無線lanにおけるアクセス制御方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、無線LANにおける基地局と複数の子局との間で行う無線通信の衝突を回避する制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線LANにおける無線通信の衝突を回避する制御方法としては、大別すると、DCF(デストリビューテッド・コーディネーション・ファンクション)とPCF(ポイント・コーディネーション・ファンクション)との二つの方式が知られている。DCFは送信端末と受信端末とで送信権を調停し、送信権の衝突時は乱数発生(ランダム時間の待機)を行い、衝突の調停も乱数発生で行うもので、CSMA/CAとして知られている。一方、PCFは基地局からのポーリングで子局の送信権を指示することにより、衝突なく無線通信を行うものである。(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
ジューア・ハイスカラ(Juha Heiskala),ジョン・テリー(Jhon Te-rry, Ph. D.)共著,「OFDM ワイヤレス LAN:ア セオレティカル アンド プラクティカル ガイド(OFDM Wireless LAN: A Theoretical and Prac-tical Guide)」,(米国),サムス社(SAMS),2001年12月,p.231〜238
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例によると、衝突回避のための待機時間が存在し、これが無駄な時間を発生させるとともに、各通信のフレームにはそれぞれにプリアンブルやヘッダを付ける必要があるので、無駄な時間を発生させているという問題があった。本発明はこの問題点を解消することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の無線LANにおけるアクセス制御方法は、基地局と複数の子局との間で無線通信を行うLANにおいて、基地局からビーコンを受けた各子局は、決められた順にしたがって自己が基地局に送信する情報に関するデータ量情報を基地局に送り、基地局は、各子局から受信した前記データ量情報と別途受信していた各子局に送信する情報のデータ量に基づき各子局毎の通信時間を割り当てたうえ、この時間割り当て情報を単一フレームで各子局に送った後、各子局に送信する情報を単一フレームで送信し、各子局では、前記時間割り当て情報にしたがって、受信した前記単一フレームにおける自己宛のデータを判別して受け取る一方、同じく時間割り当て情報にしたがって基地局に情報を送信するものである。
【0006】
基地局からの情報を全子局へ単一フレームで送信することにより、各子局に各別に送信する場合にそれぞれのフレームに付くプリアンブルやヘッダが不要となって、無駄な時間が発生しなくなる。また、基地局からの時間割り当て情報で、全子局の送受信動作が制御されるので、確実な衝突回避が可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面の図1〜図7に基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図1はシステム構成を示す説明図、図2はアクセス動作を時系列的に示す説明図、図3は同期区間、図4は子局要求区間、図5は基地局応答区間、図6はダウンストリーム区間、図7はアップストリーム区間、の各区間におけるデータの送受信状態を示す説明図である。
【0008】
図1に示すように、無線LANは基地局(以下APという)と複数(図示例では3個)の子局(以下ST1,ST2,ST3という)で構成している。APと各ST1〜3は、それぞれ無線用と有線用のインターフェースを有し、各無線用インターフェースを介してAPと各ST1〜3間の無線通信を行う一方、それぞれ各有線用インターフェースを介して適宜な通信線で接続された他のコンピュータ(図示せず)などのデータ処理装置と有線通信を行うものである。
【0009】
図2に示すように、APと各ST1〜3とのアクセス動作は、時系列的に順次行われる、同期区間、子局要求区間、基地局応答区間、ダウンストリーム区間、アップストリーム区間の5区間で1サイクルを構成する。1サイクルの開始となる同期区間は、APが各ST1〜3に対してビーコンフレームをブロードキャストで送信し、これを受信した各ST1〜3は、タイマーの同期と、各ST1〜3がAPに送信する情報に関するデータ量を通知する要求フレームの用意を行う区間である。子局要求区間では、区間の時間帯をあらかじめ登録されているSTの数のサブスロットに分割して各ST1〜3に割り当て、また、スロット0として新たな子局の登録を行うサブスロットを確保している。そして、各ST1〜3では、あらかじめ決められた時刻に、用意した要求フレームを送信する。基地局応答区間は、APが各ST1〜3から受信した要求フレームの内容及び各ST1〜3に対して送信するデータについて、ロードバランス、プライオリティ、通信の許可を考慮して、割り当て時間を計算し、この時間割り当て情報を単一の応答フレームとしてすべてのST1〜3にブロードキャストで送信する区間である。ダウンストリーム区間は、APが時間割り当て情報に基づいて用意した単一のダウンストリームフレームをすべてのST1〜3にブロードキャストで送信する区間である。1サイクルの終了となるアップストリーム区間は、各ST1〜3が時間割り当て情報にしたがって用意したアップストリームフレームをそれぞれAPに送信する区間である。
【0010】
続いて上述した各区間における動作の詳細を説明する。図2に示すように、同期区間は1サイクルの開始である時刻t0で、APが各ST1〜3に対してビーコンフレームを送信する。図3に示すように、このビーコンフレームは、時刻同期情報であるビーコンのほか、前サイクルでのアップストリーム結果情報とヘッダの各フィールドからなる。前記アップストリーム結果情報は、前サイクルで各ST1〜3から送信したデータをAPが受信できたか否かを、各ST1〜3に通知するものである。
【0011】
そして、ビーコンフレームを受信した各ST1〜3は、タイマーの同期と、各ST1〜3が送信バッファに格納しているAPに送信する情報のデータ量をAPに知らせるための要求フレームの用意を行う。すなわち、ST1では、S1−01,S1−02,S1−03の各データ長に関する要求フレームを、ST2では、S2−01,S2−02,S2−03,S2−04の各データ長に関する要求フレームを、ST3では、S3−01,S3−02,S3−03,S3−04の各データ長に関する要求フレームを、それぞれ用意する。
【0012】
次に、子局要求区間では、各ST1〜3は、用意した要求フレームを、あらかじめ決められた順番で、決められた時刻に、すなわちST1は時刻t2、ST2は時刻t3,ST3は時刻t4で送信する。図4に示すように、要求フレームは、送信データとその長さを示す要求フィールドのほか、前サイクルでのダウンストリーム結果情報とヘッダの各フィールドからなる。なお、各ST1〜3は、データがない場合には空のフレームを送信し、自己の存在をAPに通知する。また、前記ダウンストリーム結果情報は、前サイクルでAPから送信したデータを各ST1〜3が受信できたか否かを、APに通知するものである。
【0013】
また、各ST1〜3は自己の各送信バッファ格納しているAPに送信する情報のほかに、自己の受信バッファに有線側から受信した情報が存在し、これがAPへ送信する情報である場合は、この情報も自己の送信バッファに移して、アップストリーム情報に加えるとともに、要求フレームにも加えるものである。一方、各ST1〜3からの要求フレームを受信したAPは、要求フレームが空でない場合には、自己の要求テーブルに要求された情報とそのデータ長を記録する。
【0014】
続いて、基地局応答区間では、APは各ST1〜3の要求フレームにおけるデータ長及び有線側から受信して自己の送信バッファに格納してある各ST1〜3に対して送信するデータについて、ロードバランス、プライオリティ、通信の許可を考慮して、割り当てる時間を計算し、この時間割り当て情報を単一の応答フレームとして生成し、時刻t5ですべてのST1〜3にブロードキャストで送信する。
【0015】
ここで、時間割り当て情報の決定についてより詳細に説明するが、この決定はAPに備えたコンピュータによって行う。そして、APは以下の5つの条件を組み合わせて時間割り当て情報を決定するものである。第1に、各ST1〜3の順位以外に、特に条件が付けられていない場合には、APは、各ST1〜3からAPへのアップストリームデータ及びAPから各ST1〜3へのダウンストリームデータの送信を、あらかじめ決められたST1〜3の順にしたがって各送信バッファに格納されている全データについて行うよう決定する。
【0016】
第2に、ST1〜3に優先度が設定されている場合には、APは、優先度に応じて、アップ・ダウンストリームのデータ送信数の比率を決定する。したがって、例えば、全ダウンストリームデータが単一フレームに収容できない場合には、前記決定された比率に応じてデータが収容され、残ったデータは次のサイクルで送信されることとなる。
【0017】
第3に、ST1〜3について禁止設定がされている場合には、APは、禁止設定されたST1〜3に関する全ての送受信データを無視するよう決定する。この禁止設定に基づく決定は、従量課金アクセスサービスでの使用料不払者に対するアクセスコントロールに有用である。
【0018】
第4に、ST1〜3に単位時間あたりのデータ送信の最低保証量が割り当てられている場合には、APは、その保証されたデータ送信量を確実に確保できるよう決定する。例えば、トラヒックが多くなった場合には、他のSTのデータ送信量を少なくして、保証されたSTのデータ送信量は確保するよう決定するものである。
【0019】
第5に、上記第4の条件とは逆に、ST1〜3に単位時間あたりのデータ送信の最大許容量が割り当てられている場合には、APは、その許容されたデータ送信量を超えないように決定する。
【0020】
図5に示すように、上記応答フレームは、APから各ST1〜3へダウンストリーム区間で送信する各データに関する時間割り当て情報と、アップストリーム区間で各ST1〜3がAPへ送信する上記各要求フレームで通知した各送信データに関する時間割り当て情報と、ヘッダとの各フィールドとからなる。なお、アップッストリーム情報の時間割り当ては、要求テーブルに記録した内容に基づいてなされる。
【0021】
ダウンストリーム区間では、図6に示すように、APは時間割り当て情報に基づいて用意した単一のダウンストリームフレームを、時刻t6ですべてのST1〜3にブロードキャストで送信する(ST3については図示省略)。このダウンストリームフレームの内容はAPの送信バッファに格納されていた各データと同一である。各ST1〜3はAPから受信していた時間割り当て情報にしたがって、受信したダウンストリームフレームから自己宛のデータを判別し、受信バッファに格納する。すなわち、ST1はS1−01,S1−03,S1−04、ST2はS2−02,S2−03であり、ST3の受信するデータはない。
【0022】
この際、応答フレームで時間割り当てされたデータとして受信していたデータを受信しなかった、ST1におけるS1−02とST2におけるS2−01は受信エラーとして記録しておき、次のサイクルで要求フレームをAPに送信する時に、ダウンストリーム結果情報で受信失敗という否定的応答を行う。また、各ST1〜3は、受信したデータについては、次のサイクルで要求フレームをAPに送信する時に、ダウンストリーム結果情報で受信成功という肯定的応答を行う。
【0023】
アップストリーム区間では、図7に示すように、時間割り当て情報にしたがって、各ST1〜3は用意したアップストリームフレームを指定された時刻、すなわちST1はt7、ST2はt8、ST3はt9にそれぞれAPに送信する。一方、これらアップストリームを受信したAPは、各ST1〜3から受信した順に各データを受信バッファに格納し、必要に応じて有線側に送信する。
【0024】
この際、応答フレームで時間割り当てしていたデータを受信しなかった場合には、受信エラーとして記録しておき、次のサイクルでビーコンフレームを各ST1〜3に送信する時に、アップストリーム結果情報で受信失敗という否定的応答を行う。また、受信したデータについては、次のサイクルでビーコンフレームを各ST1〜3に送信する時に、アップストリーム結果情報で受信成功という肯定的応答を行う。
【0025】
以上のような動作を繰り返すことによって、APと各ST1〜3との間におけるデータの無線通信を行うものである。
【0026】
なお、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、例えば、STの数は図示の3個に限らず複数であればよい。また、通常、フレームの長さは制限されるので、時間割り当て情報の決定について説明したところでも述べたが、あるサイクルでの送信における単一フレームに収容できなかったデータについては、次のサイクルでの送信に回されるものである。
【0027】
さらに、上記実施形態では説明していないが、新たなSTを登録する場合には、新規登録STはビーコンフレームを受けてID要求フレームを生成し、子局要求区間のt0において、ID要求フレームをAPに送信し、APは新規の子局IDを当該STに割り当てて登録したうえ、応答フレームにこの子局IDを含めて生成し、基地局応答区間で当該応答フレームを送信する一方、これを受信した新規登録STは、次のサイクルから上述した各ST1〜3と同様に、APとの間でのデータ送受信が可能になる。また、t0における新規登録STのID要求フレームの送信にあたっては、複数のSTが行う可能性があるので、衝突を防ぐためにキャリアセンスを行う。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の本発明に係る無線LANのアクセス制御方法によれば、APから各STへのデータ送信を単一のフレームで行うので、通信効率を向上することができ、また、APで決定した時間割り当て情報によって、データ送信のアクセスを制御するので、無線媒体の有効な利用が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】システム構成を示す説明図。
【図2】アクセス動作を時系列的に示す説明図。
【図3】同期区間におけるデータの送受信状態を示す説明図。
【図4】子局要求区間におけるデータの送受信状態を示す説明図。
【図5】基地局応答区間におけるデータの送受信状態を示す説明図。
【図6】ダウンストリーム区間におけるデータの送受信状態を示す説明図。
【図7】アップストリーム区間におけるデータの送受信状態を示す説明図。
【符号の説明】
AP 基地局
ST1,ST2,ST3 子局
【発明が属する技術分野】
本発明は、無線LANにおける基地局と複数の子局との間で行う無線通信の衝突を回避する制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線LANにおける無線通信の衝突を回避する制御方法としては、大別すると、DCF(デストリビューテッド・コーディネーション・ファンクション)とPCF(ポイント・コーディネーション・ファンクション)との二つの方式が知られている。DCFは送信端末と受信端末とで送信権を調停し、送信権の衝突時は乱数発生(ランダム時間の待機)を行い、衝突の調停も乱数発生で行うもので、CSMA/CAとして知られている。一方、PCFは基地局からのポーリングで子局の送信権を指示することにより、衝突なく無線通信を行うものである。(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
ジューア・ハイスカラ(Juha Heiskala),ジョン・テリー(Jhon Te-rry, Ph. D.)共著,「OFDM ワイヤレス LAN:ア セオレティカル アンド プラクティカル ガイド(OFDM Wireless LAN: A Theoretical and Prac-tical Guide)」,(米国),サムス社(SAMS),2001年12月,p.231〜238
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例によると、衝突回避のための待機時間が存在し、これが無駄な時間を発生させるとともに、各通信のフレームにはそれぞれにプリアンブルやヘッダを付ける必要があるので、無駄な時間を発生させているという問題があった。本発明はこの問題点を解消することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の無線LANにおけるアクセス制御方法は、基地局と複数の子局との間で無線通信を行うLANにおいて、基地局からビーコンを受けた各子局は、決められた順にしたがって自己が基地局に送信する情報に関するデータ量情報を基地局に送り、基地局は、各子局から受信した前記データ量情報と別途受信していた各子局に送信する情報のデータ量に基づき各子局毎の通信時間を割り当てたうえ、この時間割り当て情報を単一フレームで各子局に送った後、各子局に送信する情報を単一フレームで送信し、各子局では、前記時間割り当て情報にしたがって、受信した前記単一フレームにおける自己宛のデータを判別して受け取る一方、同じく時間割り当て情報にしたがって基地局に情報を送信するものである。
【0006】
基地局からの情報を全子局へ単一フレームで送信することにより、各子局に各別に送信する場合にそれぞれのフレームに付くプリアンブルやヘッダが不要となって、無駄な時間が発生しなくなる。また、基地局からの時間割り当て情報で、全子局の送受信動作が制御されるので、確実な衝突回避が可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面の図1〜図7に基づいて詳細に説明する。ここにおいて、図1はシステム構成を示す説明図、図2はアクセス動作を時系列的に示す説明図、図3は同期区間、図4は子局要求区間、図5は基地局応答区間、図6はダウンストリーム区間、図7はアップストリーム区間、の各区間におけるデータの送受信状態を示す説明図である。
【0008】
図1に示すように、無線LANは基地局(以下APという)と複数(図示例では3個)の子局(以下ST1,ST2,ST3という)で構成している。APと各ST1〜3は、それぞれ無線用と有線用のインターフェースを有し、各無線用インターフェースを介してAPと各ST1〜3間の無線通信を行う一方、それぞれ各有線用インターフェースを介して適宜な通信線で接続された他のコンピュータ(図示せず)などのデータ処理装置と有線通信を行うものである。
【0009】
図2に示すように、APと各ST1〜3とのアクセス動作は、時系列的に順次行われる、同期区間、子局要求区間、基地局応答区間、ダウンストリーム区間、アップストリーム区間の5区間で1サイクルを構成する。1サイクルの開始となる同期区間は、APが各ST1〜3に対してビーコンフレームをブロードキャストで送信し、これを受信した各ST1〜3は、タイマーの同期と、各ST1〜3がAPに送信する情報に関するデータ量を通知する要求フレームの用意を行う区間である。子局要求区間では、区間の時間帯をあらかじめ登録されているSTの数のサブスロットに分割して各ST1〜3に割り当て、また、スロット0として新たな子局の登録を行うサブスロットを確保している。そして、各ST1〜3では、あらかじめ決められた時刻に、用意した要求フレームを送信する。基地局応答区間は、APが各ST1〜3から受信した要求フレームの内容及び各ST1〜3に対して送信するデータについて、ロードバランス、プライオリティ、通信の許可を考慮して、割り当て時間を計算し、この時間割り当て情報を単一の応答フレームとしてすべてのST1〜3にブロードキャストで送信する区間である。ダウンストリーム区間は、APが時間割り当て情報に基づいて用意した単一のダウンストリームフレームをすべてのST1〜3にブロードキャストで送信する区間である。1サイクルの終了となるアップストリーム区間は、各ST1〜3が時間割り当て情報にしたがって用意したアップストリームフレームをそれぞれAPに送信する区間である。
【0010】
続いて上述した各区間における動作の詳細を説明する。図2に示すように、同期区間は1サイクルの開始である時刻t0で、APが各ST1〜3に対してビーコンフレームを送信する。図3に示すように、このビーコンフレームは、時刻同期情報であるビーコンのほか、前サイクルでのアップストリーム結果情報とヘッダの各フィールドからなる。前記アップストリーム結果情報は、前サイクルで各ST1〜3から送信したデータをAPが受信できたか否かを、各ST1〜3に通知するものである。
【0011】
そして、ビーコンフレームを受信した各ST1〜3は、タイマーの同期と、各ST1〜3が送信バッファに格納しているAPに送信する情報のデータ量をAPに知らせるための要求フレームの用意を行う。すなわち、ST1では、S1−01,S1−02,S1−03の各データ長に関する要求フレームを、ST2では、S2−01,S2−02,S2−03,S2−04の各データ長に関する要求フレームを、ST3では、S3−01,S3−02,S3−03,S3−04の各データ長に関する要求フレームを、それぞれ用意する。
【0012】
次に、子局要求区間では、各ST1〜3は、用意した要求フレームを、あらかじめ決められた順番で、決められた時刻に、すなわちST1は時刻t2、ST2は時刻t3,ST3は時刻t4で送信する。図4に示すように、要求フレームは、送信データとその長さを示す要求フィールドのほか、前サイクルでのダウンストリーム結果情報とヘッダの各フィールドからなる。なお、各ST1〜3は、データがない場合には空のフレームを送信し、自己の存在をAPに通知する。また、前記ダウンストリーム結果情報は、前サイクルでAPから送信したデータを各ST1〜3が受信できたか否かを、APに通知するものである。
【0013】
また、各ST1〜3は自己の各送信バッファ格納しているAPに送信する情報のほかに、自己の受信バッファに有線側から受信した情報が存在し、これがAPへ送信する情報である場合は、この情報も自己の送信バッファに移して、アップストリーム情報に加えるとともに、要求フレームにも加えるものである。一方、各ST1〜3からの要求フレームを受信したAPは、要求フレームが空でない場合には、自己の要求テーブルに要求された情報とそのデータ長を記録する。
【0014】
続いて、基地局応答区間では、APは各ST1〜3の要求フレームにおけるデータ長及び有線側から受信して自己の送信バッファに格納してある各ST1〜3に対して送信するデータについて、ロードバランス、プライオリティ、通信の許可を考慮して、割り当てる時間を計算し、この時間割り当て情報を単一の応答フレームとして生成し、時刻t5ですべてのST1〜3にブロードキャストで送信する。
【0015】
ここで、時間割り当て情報の決定についてより詳細に説明するが、この決定はAPに備えたコンピュータによって行う。そして、APは以下の5つの条件を組み合わせて時間割り当て情報を決定するものである。第1に、各ST1〜3の順位以外に、特に条件が付けられていない場合には、APは、各ST1〜3からAPへのアップストリームデータ及びAPから各ST1〜3へのダウンストリームデータの送信を、あらかじめ決められたST1〜3の順にしたがって各送信バッファに格納されている全データについて行うよう決定する。
【0016】
第2に、ST1〜3に優先度が設定されている場合には、APは、優先度に応じて、アップ・ダウンストリームのデータ送信数の比率を決定する。したがって、例えば、全ダウンストリームデータが単一フレームに収容できない場合には、前記決定された比率に応じてデータが収容され、残ったデータは次のサイクルで送信されることとなる。
【0017】
第3に、ST1〜3について禁止設定がされている場合には、APは、禁止設定されたST1〜3に関する全ての送受信データを無視するよう決定する。この禁止設定に基づく決定は、従量課金アクセスサービスでの使用料不払者に対するアクセスコントロールに有用である。
【0018】
第4に、ST1〜3に単位時間あたりのデータ送信の最低保証量が割り当てられている場合には、APは、その保証されたデータ送信量を確実に確保できるよう決定する。例えば、トラヒックが多くなった場合には、他のSTのデータ送信量を少なくして、保証されたSTのデータ送信量は確保するよう決定するものである。
【0019】
第5に、上記第4の条件とは逆に、ST1〜3に単位時間あたりのデータ送信の最大許容量が割り当てられている場合には、APは、その許容されたデータ送信量を超えないように決定する。
【0020】
図5に示すように、上記応答フレームは、APから各ST1〜3へダウンストリーム区間で送信する各データに関する時間割り当て情報と、アップストリーム区間で各ST1〜3がAPへ送信する上記各要求フレームで通知した各送信データに関する時間割り当て情報と、ヘッダとの各フィールドとからなる。なお、アップッストリーム情報の時間割り当ては、要求テーブルに記録した内容に基づいてなされる。
【0021】
ダウンストリーム区間では、図6に示すように、APは時間割り当て情報に基づいて用意した単一のダウンストリームフレームを、時刻t6ですべてのST1〜3にブロードキャストで送信する(ST3については図示省略)。このダウンストリームフレームの内容はAPの送信バッファに格納されていた各データと同一である。各ST1〜3はAPから受信していた時間割り当て情報にしたがって、受信したダウンストリームフレームから自己宛のデータを判別し、受信バッファに格納する。すなわち、ST1はS1−01,S1−03,S1−04、ST2はS2−02,S2−03であり、ST3の受信するデータはない。
【0022】
この際、応答フレームで時間割り当てされたデータとして受信していたデータを受信しなかった、ST1におけるS1−02とST2におけるS2−01は受信エラーとして記録しておき、次のサイクルで要求フレームをAPに送信する時に、ダウンストリーム結果情報で受信失敗という否定的応答を行う。また、各ST1〜3は、受信したデータについては、次のサイクルで要求フレームをAPに送信する時に、ダウンストリーム結果情報で受信成功という肯定的応答を行う。
【0023】
アップストリーム区間では、図7に示すように、時間割り当て情報にしたがって、各ST1〜3は用意したアップストリームフレームを指定された時刻、すなわちST1はt7、ST2はt8、ST3はt9にそれぞれAPに送信する。一方、これらアップストリームを受信したAPは、各ST1〜3から受信した順に各データを受信バッファに格納し、必要に応じて有線側に送信する。
【0024】
この際、応答フレームで時間割り当てしていたデータを受信しなかった場合には、受信エラーとして記録しておき、次のサイクルでビーコンフレームを各ST1〜3に送信する時に、アップストリーム結果情報で受信失敗という否定的応答を行う。また、受信したデータについては、次のサイクルでビーコンフレームを各ST1〜3に送信する時に、アップストリーム結果情報で受信成功という肯定的応答を行う。
【0025】
以上のような動作を繰り返すことによって、APと各ST1〜3との間におけるデータの無線通信を行うものである。
【0026】
なお、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、例えば、STの数は図示の3個に限らず複数であればよい。また、通常、フレームの長さは制限されるので、時間割り当て情報の決定について説明したところでも述べたが、あるサイクルでの送信における単一フレームに収容できなかったデータについては、次のサイクルでの送信に回されるものである。
【0027】
さらに、上記実施形態では説明していないが、新たなSTを登録する場合には、新規登録STはビーコンフレームを受けてID要求フレームを生成し、子局要求区間のt0において、ID要求フレームをAPに送信し、APは新規の子局IDを当該STに割り当てて登録したうえ、応答フレームにこの子局IDを含めて生成し、基地局応答区間で当該応答フレームを送信する一方、これを受信した新規登録STは、次のサイクルから上述した各ST1〜3と同様に、APとの間でのデータ送受信が可能になる。また、t0における新規登録STのID要求フレームの送信にあたっては、複数のSTが行う可能性があるので、衝突を防ぐためにキャリアセンスを行う。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の本発明に係る無線LANのアクセス制御方法によれば、APから各STへのデータ送信を単一のフレームで行うので、通信効率を向上することができ、また、APで決定した時間割り当て情報によって、データ送信のアクセスを制御するので、無線媒体の有効な利用が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】システム構成を示す説明図。
【図2】アクセス動作を時系列的に示す説明図。
【図3】同期区間におけるデータの送受信状態を示す説明図。
【図4】子局要求区間におけるデータの送受信状態を示す説明図。
【図5】基地局応答区間におけるデータの送受信状態を示す説明図。
【図6】ダウンストリーム区間におけるデータの送受信状態を示す説明図。
【図7】アップストリーム区間におけるデータの送受信状態を示す説明図。
【符号の説明】
AP 基地局
ST1,ST2,ST3 子局
Claims (1)
- 基地局と複数の子局との間で無線通信を行うLANにおいて、基地局からビーコンを受けた各子局は、決められた順にしたがって自己が基地局に送信する情報に関するデータ量情報を基地局に送り、基地局は、各子局から受信した前記データ量情報と別途受信していた各子局に送信する情報のデータ量に基づき各子局毎の通信時間を割り当てたうえ、この時間割り当て情報を単一フレームで各子局に送った後、各子局に送信する情報を単一フレームで送信し、各子局では、前記時間割り当て情報にしたがって、前記受信した単一フレームにおける自己宛のデータを判別して受け取る一方、同じく前記時間割り当て情報にしたがって基地局に情報を送信することを特徴とする無線LANにおけるアクセス制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002365242A JP3730957B2 (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 無線lanにおけるアクセス制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
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