JP3729348B2 - 電気再生式脱塩装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気再生式脱塩装置に係り、特に、1台の電気再生式脱塩装置で、外部に異なった2種類の純度の純水を供給することができる電気再生式脱塩装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の純水製造方法としては、イオン交換樹脂を充填した容器に脱塩室入口水を通過させ、脱塩室入口水中のイオンをH+、OH-イオンに、交換することにより純水を製造するイオン交換法が知られている。
しかし、このイオン交換法では、イオン交換樹脂の交換能力が飽和すると、イオン交換樹脂の種類に応じて酸、アルカリを用いてイオン交換能力の再生をする必要がある。イオン交換樹脂の再生操作は、煩雑で、多量の酸、アルカりの貯蔵、取り扱い及び廃棄に細心の注意が必要であると共に設備が大きくなる、という問題を有している。
それに対し、近年、電気によってイオン交換体を再生し、連続的に純水を製造する電気再生式脱塩装置が開発された。これは、図3に示すように、脱塩室入口水10中のイオン分を装置の両端に印可した直流電源により、濃縮室出口水13及び陰極室出口水15、陽極室出口水17に移動させることにより除去する装置であり、陰極1を有する陰極室2と陽極3を有する陽極室4、陰極室2と陽極室4の間に陰イオン交換膜5と陽イオン交換膜6を配置することにより形成された脱塩室7と濃縮室8を備え、少なくとも脱塩室7内にはイオン交換体9が充填されているものである。
【0003】
ここで、イオン交換体9は、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、グラフト重合法によりイオン交換基を導入されたイオン交換不織布、スペーサ等のイオン交換機能を持つ物であればどのようなイオン交換体でもよく、陰イオン交換体、陽イオン交換体を単一、もしくは混合、もしくは複層状に充填してある。
陰極室2に陰極室入口水14を、陽極室4に陽極室入口水16を、濃縮室8に濃縮室入口水12を、脱塩室7に脱塩室入口水10を導入し、陰極1と陽極3間に直流電流を印可することにより、脱塩室入口水10中に含まれているイオン分は、イオン交換体9の表面を電位の方向に移動し、陰イオンは陰イオン交換膜5、陽イオンは陽イオン交換膜6を透過して、濃縮室8中の濃縮水、陰極室2中の陰極液及び陽極室4中の陽極液に移動し、脱塩室入口水10は脱イオン処理され純水11が製造される。
【0004】
脱塩室7内に充填されたイオン交換体9は、水解によって発生するH+、OH-により連続的に再生されるため、酸あるいはアルカリによる再生作業は必要なく、このようにして純水11を連続的に製造することが可能となる(特許第1782943、特許第2751090、特許第2699256号各明細書、特願平10−153697号)。
また、最近では、脱塩室7を中間イオン交換膜で2つの脱塩室に分割し、片方の脱塩室の流出水をもう片方の脱塩室に導入することで、脱塩性能を改善した電気再生式脱塩装置も開発されている(特開2001−239270、特開2001−327971号各公報)。
【0005】
前記従来の電気再生式脱塩装置では、炭酸、シリカなどの弱陰イオン成分の除去能力が、他のイオン分の除去能力に比べて劣っていることが一般に知られている。
これらの弱陰イオン成分は、電気再生式脱塩装置に直流電流を過大に印可すれば、その除去率が多少改善することも知られているが、その場合でも、弱陰イオン成分は十分には除去できなく、単位流量当りの消費電力は大きくなってしまう。
そのため、残存弱陰イオン成分の除去には、必要に応じてカートリッジポリッシャーや電気再生式脱塩装置を後段に設置する必要があり、設置面積、機器数の増加、価格の上昇を招くことになる。
また、純水の使用箇所によっては、比抵抗の高い純水と、比抵抗の比較的低い純水の2種類の純水を使用することがあり、そのような場合は、比抵抗の高い純水に、炭酸ガス等を添加することにより比抵抗を下げる操作を行うこともある。しかし、このような処置を行うことは、一度高度に脱塩した純水に不純物を添加するため、炭酸ガス等の添加装置やその制御などが必要になり、設置面積、機器数の増加、価格の上昇を招くことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、電気再生式脱塩装置の弱陰イオン成分の除去性能を高めると共に、外部に2種以上の水質の異なる純水を供給することができる電気再生式脱塩装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、陰極を有する陰極室と、陽極を有する陽極室とを有し、該両極室間に、陽極側に陽イオン交換膜、陰極側に陰イオン交換膜を配置して構成される濃縮室と、次の(a)〜(e)の脱塩室、(a)陰極側に陽イオン交換膜陽極側に陰イオン交換膜を配置し、内部にイオン交換体を充填した脱塩室、(b)両側に陽イオン交換膜を配置し、内部にイオン交換体を充填した脱塩室、(c)両側に陰イオン交換膜を配置し、内部にイオン交換体を充填した脱塩室、(d)陰極側に陽イオン交換膜、陽極側にバイポーラ膜を配置し、内部にイオン交換体を充填した脱塩室、(e)陰極側にバイポーラ膜、陽極側に陰イオン交換膜を配置し、内部にイオン交換体を充填した脱塩室、のいずれか1種類以上の脱塩室とを配置して構成される電気再生式脱塩装置であって、前記脱塩室として、両側に濃縮室を配置した前記いずれかの脱塩室と、間に濃縮室を介さずに前記いずれか1種類以上の脱塩室を複数隣接して配置した脱塩室群とを、それぞれ1以上有することとしたものである。
【0008】
前記電気再生式脱塩装置において、濃縮室を介さずに配置した脱塩室群は、前記脱塩室群を構成する第1の脱塩室に導入された被処理水が、第1の脱塩室から前記脱塩室群を構成する最終の脱塩室まで、順次直列で通水して脱塩処理されるように接続するのがよく、前記(a)の脱塩室に充填されるイオン交換体は、陰イオン交換体、陽イオン交換体、又は陰イオン交換体と陽イオン交換体の両方のイオン交換体であり、前記(b)の脱塩室に充填されるイオン交換体は、陽イオン交換体であり、前記(c)の脱塩室に充填されるイオン交換体は、陰イオン交換体であり、前記(d)の脱塩室に充填されるイオン交換体は、陽イオン交換体であり、前記(e)の脱塩室に充填されるイオン交換体は陰イオン交換体であるのがよく、また、前記イオン交換体は、放射線グラフト重合法によりイオン交換基が導入されたイオン交換繊維からなるイオン交換体であり、イオン交換繊維からなるイオン交換体は、不織布又は織布、及び網目状のスペーサとすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、両側に濃縮室が隣接する通常の脱塩室と、間に濃縮室を介さずに複数の脱塩室を配置した弱陰イオン分の除去性能が高い脱塩室群とを用いて、1台の電気再生式脱塩装置を構成することで、弱陰イオン分の除去性能を高めた比抵抗の高い純水を得ることができると共に、従来の電気再生式脱塩装置で得られる程度の純水をも同時に得られるため、2種類の水質の純水を外部に供給することができる。
【0010】
次に、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による電気再生式脱塩装置の一例を示す概略構成図であり、図1では、前記した図3に示す構成と同一構成を同一符号で示して説明する。
陰極1を有する陰極室2と、陽極3を有する陽極室4を対向して配置し、この陰極室2と陽極室4の間に、陰極1側に陰イオン交換膜5を、陽極3側に陽イオン交換膜6を配置して構成された濃縮室8と、陰極1側に陽イオン交換膜6を、陽極3側に陰イオン交換膜5を配置して構成された脱塩室7と、両側に陰イオン交換膜5を配置して構成された脱塩室71、72と、陰極1側に陽イオン交換膜6を、陽極3側に陰イオン交換膜5を配置して構成された脱塩室73とから、間に濃縮室を介さずに構成した脱塩室群70とにより、本発明による電気再生式脱塩装置が構成される。
【0011】
ここで脱塩室群は、第1の脱塩室71の出口が第2の脱塩室72の入口に、第2の脱塩室72の出口が第3の脱塩室73の入口に接続されており、第1の脱塩室71、第2の脱塩室72の両側に存在するイオン交換膜は陰イオン父換膜5であるため、内部に充填するイオン交換体9は陰イオン交換体とし、第3の脱塩室73、及び脱塩室7は陰イオン交換膜5と陽イオン交換膜6で形成されているため、充填するイオン交換体9は、陰イオン交換体と陽イオン交換体の混合イオン交換体とした。
これは、脱塩室の両側にあるイオン交換膜が陰イオン交換膜5と陽イオン交換膜6である場合には、電極間に直流電流を印可すると、被処理水中の陰イオンは陰イオン交換膜5を通過して濃縮室8へ、陽イオンは陽イオン交換膜6を通過して濃縮室8へ移動するため、陰イオン交換体と陽イオン交換体の両方を脱塩室に充填すると脱イオン効果があるのに対し、脱塩室の両側にあるイオン交換膜が両方とも陰イオン交換膜5の場合は、被処理水中の陽イオンは陰イオン交換膜5を通過できないため、陽イオン交換体を内部に充填していても連続脱塩効果が期待できないためである。
【0012】
同様に、両側に陽イオン交換膜6を配置した脱塩室を用いる場合には、陰イオンは陽イオン交換膜6を通過できないため、内部には陽イオン交換体のみを充填するのがよい。
また、濃縮室8、及び両極室2、4にも、イオン交換体9を充填することが望ましく、このイオン交換体9は、その形状、種類に特に制限はないが、濃縮室8には陽イオン交換体と陰イオン交換体の両者を使用し、陽イオン交換膜側に陽イオン交換体を、陰イオン交換膜側に陰イオン交換体を配置するのが析出の防止に効果的である。
陰極室2には、脱塩室7が隣接する場合には陽イオン交換体を、濃縮室8が隣接する場合には陰イオン交換体を充填するのがよく、陽極室4には、脱塩室7が隣接する場合には陰イオン交換体を、濃縮室8が隣接する場合には陽イオン交換体を充填するのがよい。
濃縮室8、両極室2、4には、一部にイオン交換体以外の、例えばスペーサを充填することもできる。
【0013】
陰極室2に陰極室入口水14を、陽極室4に陽極室入口水16を、濃縮室8に濃縮室入口水12を、脱塩室7に脱塩室入口水10を、脱塩室群70のうちの第1の脱塩室71に脱塩室群入口水18を導入し、陰極1と陽極3間に直流電流を印可することにより、脱塩室入口水10及び脱塩室群入口水18中に含まれているイオン分は、イ才ン交換体9の表面を電位の方向に移動し、陰イオンは陰イオン交換膜5、陽イオンは陽イオン交換膜6を透過して、濃縮室8中の濃縮水、陰極室2中の陰極水、陽極室4中の陽極水に移動し系外に排出され、脱塩室入口水10及び脱塩室群入口水18は脱イオン処理され、脱塩室出口純水11及び脱塩室群出口純水19が製造される。
1以上の脱塩室7と1以上の脱塩室群70は、各々同じ脱塩室入口水10を処理しても、別の水を処理してもかまわず、脱塩室7と脱塩室群70の出口水は、別々に外部に供給してもかまわず、混合して供給してもよい。
また、脱塩室7の出口水を脱塩室群70を構成している第1の脱塩室71に導入してさらに脱塩処理しても、脱塩室群70を構成している最終の脱塩室73の出口水を脱塩室7の入口水として用いることも可能である。
【0014】
脱塩室7の出口水11を脱塩室群70に導入する場合、及び脱塩室群70の出口水19を脱塩室7に導入する場合は さらに高度の脱塩効果が期待できる。
脱塩室群70の作用について詳しく説明すると、第1の脱塩室71に導入された脱塩室入口水10中の陰イオン分は、両極に印可された直流電流により陽極3側に移動し、陰イオン交換膜5を透過して濃縮室8中に移動する。陽イオン分は、陰極側に配置されている陰イオン交換膜5を透過することができないため、第1の脱塩室71に留まる。これにより、第1の脱塩室71内は陰イオン分のみが減少するためpHが高くなり、弱アニオン成分もイオン化することで除去しやすくなる。陰極側に配置されているイオン交換膜5からは、第2の脱塩室72で除去される残存陰イオン分とOH-が第1の脱塩室71に透過してくる。このOH-の作用で、第1の脱塩室71内に充填されている陰イオン交換体は再生され、再び脱塩室入口水10中の陰イオン分を除去できるようになる。
【0015】
第1の脱塩室71で上述の脱塩処理をされた処理水は、続いて第2の脱塩室72に導入される。ここでも第1の脱塩室71での脱塩処理と同様に、陰イオン分は陰イオン交換膜5を透過して第1の脱塩室へ移動し、陽イオン分は処理水中に留まるため、処理水は第2の脱塩室72に導入された時点からpHが高いまま保持され、さらに弱陰イオン成分の脱塩効果を高くしている。これにより、第1の脱塩室71で脱塩しきれなかった、主に弱陰イオン分かなる残存陰イオン分が除去される。
陰極1側に存在する陰イオン交換膜5からは、主にOH-が第2の脱塩室72に透過してくるため、第2の脱塩室中の陰イオン交換体は、第1の脱塩室71中の陰イオン交換体よりも効率よく再生され、第1の脱塩室で除去しきれなかった陰イオン成分の除去を効率よく行うことができる。
第2の脱塩室72でさらに脱塩処理された処理水は、第3の脱塩室73に導入され、最終的な脱塩処理が行われる。
【0016】
第3の脱塩室73に導入された時点で、処理水中の陰イオン成分はほとんどなくなっており、極微量の弱陰イオン成分及び陽イオン成分が除去の対象となる。第3の脱塩室73には、陽イオン交換体と陰イオン交換体が充填されており、陽イオン分は陽イオン交換体とイオン交換された後、陰極1側に存在する陽イオン交換膜6を透過して濃縮室8に移動する。残存する微量の弱陰イオン成分は、第3の脱塩室73中の陰イオン交換体とイオン交換した後、陽極3側にある陰イオン交換膜5を透過して、第2の脱塩室72に移動する。
第3の脱塩室では、イオン分の移動の他、水解によって水がH+とOH-に分解されており、これが第3の脱塩室73中の陽イオン交換体、陰イオン交換体を再生すると共に、OH-は、第1、第2の脱塩室71、72内に充填された陰イオン交換体の再生にも用いられるため、酸、アルカリによるイオン交換体の再生作業は必要なく、このようにして、脱塩室入口水10中のイオン分は、弱陰イオン成分も含めて十分に除去され、連続的に純水19を得ることができる。
【0017】
ここで、陽イオン分は、弱陰イオン分に比べ遥かに除去し易いため、通常は第3の脱塩室73だけで十分除去することが可能だが、脱塩室入口水10中に陽イオン成分が多量に含まれている場合には、本図であげている第3の脱塩室に充填するイオン交換体を陽イオンのみとすることで、陽イオンの除去能力を増大したり、第2の脱塩室72の陽極側のイオン交換膜を陽イオン交換膜6に変更し、第2の脱塩室72に充填されているイオン交換体を陽イオン交換体と陰イオン交換体の混合イオン交換体とすると共に、第3の脱塩室73中のイオン交換体を陽イオン交換体とし、第1の脱塩室71から流出した処理水を第3の脱塩室73に導入し、さらに陰イオン交換体と陽イオン交換体の充填された第2の脱塩室72に導入する、という処理方法を行って陽イオンの除去能力を増大させてもよい。
また、本図の第3の脱塩室73に加え、さらに第4の脱塩室を設け、第3の脱塩室73の出口水をさらに脱塩処理するということも可能である。
【0018】
脱塩室群70を、片側にバイポーラ膜を配置した脱塩室を使用して構成する場合は、陰イオン交換膜とバイポーラ膜で形成された脱塩室内部には陰イオン交換体を、バイポーラ膜と陽イオン交換膜で形成された脱塩室内部には陽イオン交換体を充填すると脱塩効率が高い。
バイポーラ膜の特性から、バイポーラ膜にて低電圧で効率的に水解によるH+、OH-が発生し、H+は陽イオン交換体を、OH-は陰イオン交換体を再生させ、脱塩室群入口水18中のイオン分を除去することが可能となる。
水解を効率的に発生させられるため、バイポーラ膜を用いた場合は、さらに運転電圧が低減することが期待できる。
また、電気再生式脱塩装置においては、従来、脱塩室の数の±1の濃縮室が必要であったのが、上述のように、複数枚のイオン交換膜で分割された脱塩室を用いて電気再生式脱塩装置を形成することにより、濃縮室の室数を減らすことが可能になり、その分運転電圧を軽減することも可能となる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
この実施例では、本発明の効果を比較例との対比の元で説明する。試験設備は、図2に示す試験装置のフロー図の通りであり、、脱塩室入口水10、濃縮室入口水1、陰極室入口水14、陽極室入口水16として、藤沢市水を活性炭濾過器、保安フィルタ、逆浸透膜装置で前処理したものを使用し、その水質は、比抵抗0.25MΩ・cmであった。
本実施例では、図2に示す試験装置中の電気再生式脱塩装置に、図1に示す構成の電気再生式脱塩装置を用い、脱塩室入口水10の流量を100L/h、脱塩室群入口水18の流量を150L/h、濃縮室入口水12の流量を50L/h、陰極室入口水14の流量及び陽極室入口水16の流量をそれぞれ10L/hとして、0.4Aの直流電流を陰極1と陽極3に印可して運転を行った。
【0020】
電気再生式脱塩装置は、電極面積640cm2、脱塩室は10室でそのうちの6室を2つの脱塩室群70に用い、脱塩室群70のうち、第1の脱塩室71、第2の脱塩室72は、両側を陰イオン交換膜5で形成し、内部に陰イオン交換体を、第3の脱塩室73及び脱塩室7は、陰イオン交換膜5と陽イオン交換膜6で形成し、陰イオン交換体と陽イオン交換体を充填した構成とした。
濃縮室8は5室とし、両端に陰極室2と陽極室4を設けた。
また、濃縮室8の内部には、陰イオン交換体と陽イオン交換体を、陰極室2の内部には、陽イオン交換体と導電性をもたないスペーサを、陽極室4の内部には、陰イオン交換体と導電性を持たないスペーサを充填した。
上記条件で運転した結果、脱塩室群70からは比抵抗17.7MΩ・cm、炭酸、シリカの除去率が共に99%程度の脱塩室群出口純水19が、脱塩室7からは比抵抗14.2MΩ・cm、炭酸除去率94%、シリカ除去率88%程度の脱塩室出口純水11が連続して得られた。
【0021】
比抵抗が高い純水と、それほど高くなくてもかまわない純水の2種類を使用するような場合は、本発明においては、複数の脱塩室を濃縮室を介さないで形成した脱塩室群70と、両側に濃縮室8を配置した脱塩室7の各部屋数、通水流量を変化させることで、1台の電気再生式脱塩装置で、2種類の目的にあった比抵抗の純水を得ることが可能となる。
濃縮室8の部屋数が、下記の比較例1の9室に対して5室に減少しているため、運転電圧は180V程度と比較例1に比べ低かった。
また、脱塩室出口純水11と脱塩室群出口純水19の両者を混合して用いる場合にも、混合された純水の水質は、16.0MΩ・cmで、炭酸除去率は約97%、シリカ除去率は約95%と比較例1に対して高い比抵抗の純水が得られた。
【0022】
比較例1
比較例として、図3に示す構成の電気再生式脱塩装置を用い、脱塩室入口水10の流量を250L/h、濃縮室入口水12の流量を90L/h、陰極室入口水14の流量及び陽極室入口水16の流量をそれぞれ10L/hとして、0.4Aの直流電流を陰極1と陽極3に印可して運転を行った。
電気再生式脱塩装置は、電極面積640cm2、脱塩室は10室、濃縮室は9室とし、両端に陰極室と陽極室を設け、脱塩室、濃縮室内部には陰イオン交換体と陽イオン交換体を、陰極室には陽イオン交換体を、陽極室には陰イオン交換体を充填してある。
上記条件で運転した結果、比抵抗14.4MΩ・cm程度の純水11が連続して製造された。
この運転において、運転電圧は210V、炭酸除去率95%、シリカ除去率88%であった。
【0023】
【発明の効果】
本発明の電気再生式脱塩装置によれば、上述したように、被処理水中の弱陰イオン成分を除去する能力を高め比抵抗の高い純水を得ることができると共に、水質の異なる2種類の純水を外部に供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気再生式脱塩装置の一例を示す概略構成図。
【図2】実施例に用いた試験装置のフロー図。
【図3】従来の電気再生式脱塩装置の一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
1:陰極、2:陰極室、3:陽極、4:陽極室、5:陰イオン交換膜、6:陽イオン交換膜、7:脱塩室、8:濃縮室、9:イオン交換体、10:脱塩室入口水、11:純水、12:濃縮室入口水、13:濃縮室出口水、14:陰極室入口水、15:陰極室出口水、16:陽極室入口水、17:陽極室出口水、18:脱塩室群入口水、19:純水、71:脱塩室群を構成する第1の脱塩室、72:脱塩室群を構成する第2の脱塩室、73:脱塩室群を構成する第3の脱塩室
Claims (5)
- 陰極を有する陰極室と、陽極を有する陽極室とを有し、該両極室間に、陽極側に陽イオン交換膜、陰極側に陰イオン交換膜を配置して構成される濃縮室と、次の(a)〜(e)の脱塩室、(a)陰極側に陽イオン交換膜、陽極側に陰イオン交換膜を配置し、内部にイオン交換体を充填した脱塩室、(b)両側に陽イオン交換膜を配置し、内部にイオン交換体を充填した脱塩室、(c)両側に陰イオン交換膜を配置し、内部にイオン交換体を充填した脱塩室、(d)陰極側に陽イオン交換膜、陽極側にバイポーラ膜を配置し、内部にイオン交換体を充填した脱塩室、(e)陰極側にバイポーラ膜、陽極側に陰イオン交換膜を配置し、内部にイオン交換体を充填した脱塩室、のいずれか1種類以上の脱塩室とを配置して構成される電気再生式脱塩装置であって、前記脱塩室として、両側に濃縮室を配置した前記いずれかの脱塩室と、間に濃縮室を介さずに前記いずれか1種類以上の脱塩室を複数隣接して配置した脱塩室群とを、それぞれ1以上有することを特徴とする電気再生式脱塩装置。
- 前記間に濃縮室を介さずに配置した脱塩室群は、前記脱塩室群を構成する第1の脱塩室に導入された被処理水が、第1の脱塩室から前記脱塩室群を構成する最終の脱塩室まで、順次直列で通水して脱塩処理されるように接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電気再生式脱塩装置。
- 前記(a)の脱塩室に充填されるイオン交換体は、陰イオン交換体、陽イオン交換体、又は陰イオン交換体と陽イオン交換体の両方のイオン交換体であり、前記(b)の脱塩室に充填されるイオン交換体は、陽イオン交換体であり、前記(c)の脱塩室に充填されるイオン交換体は、陰イオン交換体であり、前記(d)の脱塩室に充填されるイオン交換体は、陽イオン交換体であり、前記(e)の脱塩室に充填されるイオン交換体は、陰イオン交換体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気再生式脱塩装置。
- 前記イオン交換体は、放射線グラフト重合法によりイオン交換基が導入されたイオン交換繊維からなるイオン交換体であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の電気再生式脱塩装置。
- 前記イオン交換繊維からなるイオン交換体は、不織布又は織布、及び網目状のスペーサであることを特徴とする請求項4記載の電気再生式脱塩装置。
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