JP3728623B2 - 圧電/電歪膜型素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電/電歪膜型素子に係り、中でも屈曲変位を利用するアクチュエータや、流体特性や音圧、微小重量、加速度等のセンサとして、例えばマイクロホンや粘度センサに用いられる圧電/電歪膜型素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電/電歪電歪膜型素子は、従来よりアクチュエータや各種センサとして用いられている。センサとして用いられる圧電/電歪膜型素子は、例えば特開平8−201265号公報に開示されるように、流体の密度、濃度、粘度等の特性測定に利用される。このような素子にあっては、圧電体振動子の振幅と振動子に接触する流体の粘性抵抗に相関があることを利用しセンサとして用いるものである。振動子の振動のような機械系での振動形態は、電気系での等価回路に置き換えることができ、流体中で圧電/電歪膜型振動子を振動させ、この振動子が流体の粘性抵抗に基づいて機械的抵抗を受けることにより振動子を構成する圧電体の等価回路の電気的定数が変化するのを検出し、流体の粘度、密度、濃度等の特性を測定することが可能となる。測定可能な流体としては、液体及び気体を意味し、水、アルコール、油等単一の成分からなる液体のみならず、これらの液体に可溶または不溶な媒質を溶解または混合あるいは懸濁せしめた液体、スラリー、ペーストが含まれる。また、検出する電気的定数としては、損失係数、位相、抵抗、リアクタンス、コンダクダンス、サセプタンス、インダクタンス及びキャパシタンス等を挙げることができ、特に等価回路の共振周波数近傍で極大または極小変化点を1つもつ損失係数または位相が好ましく用いられる。これにより流体の粘度のみならず、密度や濃度をも測定することができ、例えば、硫酸水溶液中の硫酸濃度を測定することができる。なお、振動形態の変化を検出する指標として電気的定数以外に、測定精度、耐久性の観点から特に問題が無ければ共振周波数の変化を利用することもできる。
【0003】
かかる圧電/電歪膜型素子にあっては、特開平5−267742号公報に開示されるように、図3のように厚肉部2を周縁部に持つ薄肉ダイヤフラム部3を有するセラミックスからなる基板1に積層した下部電極4とは独立した位置に、補助電極8を形成し、その補助電極の一部が前記圧電/電歪膜5の下側の一部に入り込ませるように形成されている。このような構成により、上部電極6を補助電極8及び圧電/電歪膜5の面上で断線すること無く連続して形成することが可能となり、上部電極6の接続の信頼性が向上する。なお図3にあっては、被測定流体は空洞部10に存在し、貫通孔9により導入される。
【0004】
さらに、かかる圧電/電歪膜型素子にあっては、特開平6−260694号公報に開示されるように、図3のように、下部電極4上の圧電/電歪膜5を、下部電極4を覆いかつ圧電/電歪膜5の周囲部がセラミック基板1上に張り出す大きさとされることがある。これにより、下部電極4と圧電/電歪膜5の精密な位置合わせが不要となり、上下電極間の短絡が容易に防止できる。さらに、この圧電/電歪膜5の張り出し部11を前記基板1と不完全な結合状態とし、不完全結合部7Aとすることで、張り出し部11が基板と結合していないために、十二分な屈曲変位や発生力や振動を発現することができる。不完全結合状態とは、張り出し部の一部がセラミック基板と部分的に結合した状態または、結合した部分が全く無い未結合状態のことを意味し、具体的には、張り出し部とセラミック基板のピール(引き剥がし)強度で、0.5 kg/mm2以下とされる。このような不完全結合状態の形成には、基板材料と圧電/電歪材料の相互の反応性が低くなるように、それらを選択してなされるほか、圧電/電歪膜と基板が直接接しないように、ダミー層を形成したうえで、圧電/電歪膜5を形成する場合もある。このダミー層の形成には、スタンピング法、スクリーン印刷法、あるいはインクジェット法が好適に用いられる。ダミー層は、圧電/電歪膜5が焼結のために熱処理される場合には、この熱処理により燃焼・消失する材料、例えば樹脂材料等で形成され、消失後不完全結合部7Aが形成されるのである。または、圧電/電歪膜及び上部電極が熱処理されない場合には、ダミー層を水や有機溶媒等に溶解する樹脂材料で形成し、圧電/電歪膜5を形成後あるいは圧電/電歪膜5と上部電極6を形成後、水や有機溶媒等により溶解・除去処理され不完全結合部7Aが形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような振動における電気的特性を検知することによりセンシングを行うセンサ用素子にあっては、電気的特性がばらつかないのが望ましいのに対し、従来の圧電/電歪膜型素子の構造においては、初期の電気的定数が素子固体間でばらついたり、電気的定数の経時変化が生じたりする場合があり、そのような場合には、微調整の手間をかける必要があった。
【0006】
特に、例えば高温多湿下のような過酷な使用条件下では、特性の変化が著しい場合があった。
さらに、圧電/電歪膜に用いられる材料の種別によっては、薄肉ダイヤフラムの振動あるいは変位に伴い発生する応力が集中しやすい、薄肉ダイヤフラム部の端部で、圧電/電歪膜にクラックが生じ、上部電極の断線に至り素子として機能しなくなる場合があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、研究の結果、従来の圧電/電歪膜型素子においては、図3に示すように、張り出し部11の不完全結合部7Aと同様な不完全結合状態にある不完全結合部7Bが、下部電極4と補助電極8間で、基板の薄肉ダイヤフラム3上と厚肉部2に跨り形成され、振動における電気的定数を利用したセンサ素子等にあっては、かかる不完全結合部7Bの不完全結合状態のばらつきや経時変化が、振動形態の変化ひいては電気的定数の変化を引き起こす主原因の一つであることを見出した。すなわち、密着力や、機械的強度の弱い不完全結合部が、振動あるいは変位する薄肉ダイヤフラムと固定されている厚肉部に跨っているために、部分的に結合が取れたり、マイクロクラックが生じたりするなどの現象が生じ、不完全結合状態を再現性よく安定的に形成することができない。マイクロクラックの発生は、場合によっては、大きなクラックに進展し、圧電/電歪膜のクラックにもつながることもある。
【0008】
さらに、図3に示される構造では、下部電極と上部電極に挟まれた圧電/電歪膜が、薄肉ダイヤフラム上から厚肉部に連続して存在しており、素子の分極処理や駆動時の電界が、薄肉ダイヤフラム部上から厚肉部に至る領域に印加されることになり、応力の集中しやすい薄肉ダイヤフラム部端部で圧電的に活性となり、付加的な応力が生じることによりクラックが発生する場合があることを見出した。
【0009】
本発明は、厚肉部を周縁部に持つ薄肉ダイヤフラム部を有するセラミックスからなる基板に、下部電極及び補助電極と、圧電/電歪膜と、上部電極を順次積層させた圧電/電歪膜型素子であって、前記下部電極を前記周縁部の一方の厚肉部から前記薄肉ダイヤフラム部まで連続して形成し、前記補助電極を、前記薄肉ダイヤフラム部であって前記下部電極とは独立した位置から前記周縁部の他方の厚肉部まで連続して形成するとともに、前記下部電極と前記補助電極に跨る形で前記圧電/電歪膜を形成し、前記下部電極と前記補助電極との間に、前記圧電/電歪膜と前記薄肉ダイヤフラム部を結合させるための結合層を設けたことを特徴とする圧電/電歪膜型素子である。
【0010】
さらに、上記圧電/電歪膜型素子において、前記圧電/電歪膜は、 (Bi 0.5 Na 0.5 )TiO またはこれを主成分とする材料、または、(1−x) (Bi 0.5 Na 0.5 )TiO −x KNbO (xはモル分率で0≦x≦ 0.06) またはこれを主成分とする材料、で構成されることが好ましい。
【0011】
また、前記圧電/電歪膜が上記材料で構成される場合、前記結合層は、(1−x) (Bi 0.5 Na 0.5 )TiO −x KNbO (xはモル分率で 0.08 ≦x≦ 0.5) を主成分とする材料で構成されることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施例であるセンサ用圧電/電歪膜型素子が示されている。かかる圧電/電歪膜型振動子は、薄肉のダイヤフラム部3と厚肉部2からなるセラミック基板1の上に、下部電極4と、圧電/電歪膜5及び上部電極6が、通常の膜形成法によって順次積層されてなる一体構造となって形成されている。下部電極4の補助電極8側の一端は、薄肉ダイヤフラム部3を越えない位置までの長さをもって形成されている。下部電極4と同一面上の、これとは独立した位置に、圧電/電歪膜5の下側に入り込むような位置に補助電極8が、下部電極4とは反対側の厚肉部1から薄肉ダイヤフラム部3に至るまでの所定の長さを持って連続的に形成さている。圧電/電歪膜5は下部電極4と補助電極8に跨るように形成され、上部電極6は圧電/電歪膜5と補助電極8に跨って、補助電極8に導通せしめるよう形成され、不完全結合部7Bが薄肉ダイヤフラム部3にのみに近接されている。
なお、本発明においては張り出し部11は必ずしも必要ではなく、素子特性としての電気的定数のばらつきや経時変化をより小さくすることが求められる場合には、下部電極4と圧電/電歪膜5は、ほぼ同等の大きさとされる場合もある。
【0013】
セラミック基板1の材質としては、耐熱性、化学的安定性、絶縁性を有する材質が好ましい。これは、後述するように下部電極4、圧電/電歪膜5、上部電極6を一体化する際に、熱処理する場合があること、センサ素子としての圧電/電歪膜型素子が液体の特性をセンシングする場合、その液体が導電性や、腐食性を有する場合があるためである。
かかる観点から使用できるセラミックスとしては、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムライト、窒化アルミニウム、窒化珪素及びガラス等を例示することができる。これらの内、安定化された酸化ジルコニウムは薄肉ダイヤフラム部を薄く形成した場合にも機械的強度を高く保てること、靭性に優れることなどから、好適に使用することができる。
【0014】
セラミック基板1の薄肉ダイヤフラム部3の厚さとしては、圧電/電歪膜の振動を妨げないために、一般に50μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは15μm以下とされる。また、薄肉ダイヤフラム部の表面形状としては、長方形、正方形、三角形、楕円形、真円形等いかなる形状もとりうるが、励起される共振モードを単純化させる必要のあるセンサ素子の応用では、長方形や真円形が必要に応じて選択される。
【0015】
このようなセラミック基板1の表面上に、下部電極4及び補助電極8が形成されている。かかる下部電極4は、セラミック基板の一方の端から、薄肉ダイヤフラム部3上の、圧電/電歪膜5が形成されるべき大きさと同等か、より小さい所定の大きさで形成される。一方、補助電極8は、セラミック基板1の下部電極4とは反対側の端部から、薄肉ダイヤフラム部3上の所定の位置まで連続して形成されている。下部電極4及び補助電極8の厚肉部上の端部は、リード用端子として用いられる。
【0016】
下部電極4及び補助電極8は、異なる材質でも、同一の材質でもよく、セラミック基板1と圧電/電歪膜5とのいずれとも接合性のよい導電性材料が用いられる。具体的には、白金、パラジウム、ロジウム、銀、あるいはこれらの合金を主成分とする電極材料が好適に用いられ、特に、圧電/電歪膜を形成する際に焼結のための熱処理が行われる場合には、白金、及びごれを主成分とする合金が好適に用いられる。
【0017】
下部電極4と補助電極8の形成には、公知の各種の膜形成手法が用いられる。具体的には、イオンビーム、スパッタリング、真空蒸着、CVD、イオンプレーティング、メッキ等の薄膜形成手法や、スクリーン印刷、スプレー、ディッピング等の厚膜形成手法が適宜選択されるが、その中でも特にスパッタリング法及びスクリーン印刷法が好適に選択される。
【0018】
下部電極4と補助電極8との間に、圧電/電歪膜5と薄肉ダイヤフラム部3を結合させるための結合層を設ける場合には、圧電/電歪膜5の形成に先立ち、不完全結合部7Bの位置に図2のように結合層7Cが形成される。絶縁体からなる結合層7Cとしては、圧電/電歪膜5とセラミック基板1の双方と密着性、結合性が高ければ、有機材料、無機材料のいずれの材料でもよい。また、結合層7Cとして用いる材料の熱膨張係数が、基板材料の熱膨張係数及び、圧電/電歪膜5に用いる材料の熱膨張係数の中間の値を有することが、信頼性の高い結合性が得られるためより好ましい。圧電/電歪膜5が焼結のために熱処理される場合には、結合層7Cを構成する材料としてガラス材料が、圧電/電歪膜5とセラミック基板1の双方と密着性、結合性が高いので、好適に用いられ、中でも圧電/電歪膜5の熱処理温度以上の軟化点を有するガラス材料が、圧電/電歪膜5と基板1をより強固に結合せしめ、また、軟化点が高いために熱処理による変形を抑制できることから、より好適に用いられる。
【0019】
さらに、圧電/電歪膜5が、後述の(Bi0.5Na0.5)TiO3またはこれを主成分とする材料、または(1−x)(Bi0.5Na0.5)TiO3−xKNbO3(xはモル分率で0≦x≦0.06)またはこれを主成分とする材料で構成される場合には、(1−x)(Bi0.5Na0.5)TiO3−xKNbO3(xはモル分率で0.08≦x≦0.5)を主成分とする材料で構成された結合層7Cが、圧電/電歪膜5とセラミック基板1の双方との密着性が高く、熱処理の際の圧電/電歪膜5及び基板1への悪影響を抑制できることから、より好適に用いられる。すなわち、結合層7Cを(1−x)(Bi0.5Na0.5)TiO3−xKNbO3(xはモル分率で0.08≦x≦0.5)とすることで、圧電/電歪膜5と同様の成分を有することから、圧電/電歪膜5との密着性が高く、また、ガラスを用いた場合に生じ易い異種元素の拡散による問題が少なく、KNbO3を多く含むことから、基板との反応性が高く強固な結合が可能となる。また、(1−x)(Bi0.5Na0.5)TiO3−xKNbO3(xはモル分率で0.08≦x≦0.5)は、圧電特性をほとんど示さないので、使用時に下部電極4と補助電極8に生じる電界に対し、振動や変位及び応力を発生しないため、安定した素子特性を得ることができる。
【0020】
これらの結合層7Cの形成には、通常の厚膜手法が用いられ、特にスタンピング法、スクリーン印刷法、あるいは形成すべき部分の大きさが数十μm〜数100μm程度の場合にはインクジェット法が好適に用いられる。また、結合層7Cの熱処理が必要な場合には、次の圧電/電歪膜5の形成前に熱処理されてもよいし、圧電/電歪膜5の形成後同時に熱処理されてもよい。
【0021】
圧電/電歪膜5は、下部電極4、補助電極8及び結合層7Cに跨るようにして、また、下部電極4を覆う大きさで形成されている。圧電/電歪膜の材料としては、圧電/電歪効果を示す材料であればいずれの材料でもよく、このような材料として、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の鉛系セラミック圧電/電歪材料や、チタン酸バリウム及びこれを主成分とするチタバリ系セラミック強誘電体や、ポリ弗化ビニリデン(PVDF)に代表される高分子圧電体、あるいは(Bi0.5Na0.5)TiO3に代表されるBi系セラミック圧電体、Bi層状セラミックを挙げることができる。もちろん、圧電/電歪特性を改善した、これらの混合物や、固溶体及び、これらに添加物を添加せしめたものが用いられうることは言うまでもない。PZT系圧電体は、圧電特性が高く、高感度検出が可能なセンサの材料として好適に用いられる。本発明にあっては特に、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛から選ばれた少なくとも1種以上を主成分とする材料で構成されることが、基板を構成する材料との反応性が低く、熱処理中の成分の偏析が起き難く、組成を保つための処理が良好に行われ得、目的とする組成、結晶構造が得られやすいことから、より好適に用いられる。
【0022】
また、下部電極4及び補助電極8に白金または白金を主成分とする合金が用いられる場合には、これらとの接合性がより高く、素子の特性ばらつきを少なくし、高い信頼性が得られることから、(Bi0.5Na0.5)TiO3またはこれを主成分とする材料が好適に用いられる。これらの中でも、特に、(1−x)(Bi0.5Na0.5)TiO3−xKNbO3(xはモル分率で0≦x≦0.06)またはこれを主成分とする材料が、比較的高い圧電特性を有することから、より好適に用いられる。
【0023】
このような圧電/電歪材料は、圧電/電歪膜5として、下部電極4と補助電極8と同様に公知の各種膜形成法により形成される。中でも、低コストの観点からスクリーン印刷が好適に用いられる。
【0024】
これにより形成された圧電/電歪膜5は必要に応じて熱処理され、下部電極4、補助電極8及び結合層7Cと、一体化される。素子の特性ばらつきを抑え、信頼性を高くするために、圧電/電歪膜4と下部電極5及び補助電極8、結合層7Cの接合性をより強固にする必要がある場合には、(Bi0.5Na0.5)TiO3またはこれを主成分とする材料、特に、(1−x)(Bi0.5Na0.5)TiO3−xKNbO3(xはモル分率で0≦x≦0.06)またはこれを主成分とする材料を用い、900℃から1400℃好ましくは1000℃から1300℃の温度で熱処理されることが好ましい。PZT系材料を用いた場合にも同様である。この際、高温時に圧電/電歪膜5が不安定にならないように、圧電/電歪材料の蒸発源とともに雰囲気制御を行いながら熱処理することが好ましい。
【0025】
さらに、このようにして形成された圧電/電歪膜5の上に、上部電極6が、圧電/電歪膜5から補助電極8にまで跨って連続的に形成されている。
この上部電極6の材質としては、圧電/電歪膜5との接合性の高い導電性材料が用いられ、下部電極4及び補助電極8と同様の膜形成法により形成される。
さらに、上部電極6は、膜形成後必要に応じて熱処理され、圧電/電歪膜5及び補助電極8と接合され、一体構造とされる。このような熱処理がかならずしも必要でないことは下部電極4と同様である。
【0026】
なお、下部電極4、接合層、圧電/電歪膜5、上部電極6が熱処理により接合される場合には、それぞれを形成の都度熱処理してもよいし、それぞれを順次膜形成後、同時に熱処理してもよい。熱処理する際、良好な接合性や構成元素の拡散による変質を抑制するために、熱処理温度が適切に選ばれるのは言うまでもない。また、図1では空洞部10に貫通孔9を形成しているが、素子が流体に接触する空洞部10以下の構造は、蓋部の無い単純なキャビティ構造等、どのような構造でもよく、限定しない。
さらに、圧電/電歪膜5の補助電極8側の端部は薄肉ダイヤフラム部3を越えない長さとし、圧電/電歪膜5が厚肉部2に跨らない構造としてもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載にかかる圧電/電歪膜型素子は、下部電極と補助電極間において、圧電/電歪膜と基板とが完全結合状態であるため、振動のばらつきや経時変化が無く、振動における電気的定数の検知により流体特性や気体/液体を判別する素子あるいは音圧や微小重量、加速度等の測定素子、さらにはアクチュエータ素子として、好適な素子が得られる効果がある。
請求項2及び3記載に係る圧電/電歪膜型素子は、請求項1記載の発明による効果に加え、圧電/電歪膜の材料を特定したことにより、素子の特性ばらつきが少なくなり、高い信頼性が得られる。
さらに請求項4記載に係る圧電/電歪膜型素子は、請求項2または3記載の発明による効果に加え、結合層が圧電/電歪膜と同様の成分を有することから、圧電/電歪膜との密着性が高く、また、ガラスを用いた場合に生じ易い異種元素の拡散による問題が少なく、 KNbO を多く含むことから、基板との反応性が高く強固な結合が可能となる。また、(1−x) (Bi 0.5 Na 0.5 )TiO −x KNbO (xはモル分率で 0.08 ≦x≦ 0.5) は、圧電特性をほとんど示さないので、使用時に下部電極と補助電極に生じる電界に対し、振動や変位及び応力を発生しないため、安定した素子特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセンサ用圧電/電歪膜型素子の実施形態を示す説明図である。
【図2】本発明に係るセンサ用圧電/電歪膜型素子の他の実施形態を示す説明図である。
【図3】従来のセンサ用圧電/電歪膜型素子の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・基板、2・・厚肉部、3・・ダイヤフラム部、4・・下部電極、5・・圧電/電歪膜、6・・上部電極、7A,7B・・不完全結合部、7C・・結合層、8・・補助電極、9・・貫通孔、10・・空洞部。

Claims (4)

  1. 厚肉部を周縁部に持つ薄肉ダイヤフラム部を有するセラミックスからなる基板に下部電極及び補助電極と、圧電/電歪膜と、上部電極を順次積層させた圧電/電歪膜型素子であって、
    前記下部電極を前記周縁部の一方の厚肉部から前記薄肉ダイヤフラム部まで連続して形成し、前記補助電極を、前記薄肉ダイヤフラム部であって前記下部電極とは独立した位置から前記周縁部の他方の厚肉部まで連続して形成するとともに、前記下部電極と前記補助電極に跨る形で前記圧電/電歪膜を形成し、前記下部電極と前記補助電極との間に、前記圧電/電歪膜と前記薄肉ダイヤフラム部を結合させるための結合層を設けたことを特徴とする圧電/電歪膜型素子。
  2. 前記圧電/電歪膜は、 (Bi 0.5 Na 0.5 )TiO またはこれを主成分とする材料で構成されることを特徴とする請求項1記載の圧電/電歪膜型素子。
  3. 前記圧電/電歪膜は、(1−x) (Bi 0.5 Na 0.5 )TiO −x KNbO (xはモル分率で0≦x≦ 0.06) またはこれを主成分とする材料で構成されることを特徴とする請求項1記載の圧電/電歪膜型素子。
  4. 前記結合層は、(1−x) (Bi 0.5 Na 0.5 )TiO −x KNbO (xはモル分率で 0.08 ≦x≦ 0.5) を主成分とする材料で構成されることを特徴とする請求項2または3記載の圧電/電歪膜型素子。
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