JP3728405B2 - 同期電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタンスLqとを有する同期電動機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
d軸のインダクタンスとq軸のインダクタンスを有する同期電動機の代表的な例としては、例えば埋込磁石形の同期電動機がある。従来の同期電動機の制御装置では、起磁力相差角φを、図8に示すように、低速領域では、最大トルクのときのトルク定数が最大になるようにφを一定とし、高速領域では、最大トルクのときの電動機電圧が電力変換器の出力電圧以下になるようにφを速度に応じて増大させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の制御装置のように1つの関係によって制御を行うと、最大トルク時は、トルク効率が最大にすることができるものの、定格トルクのときには、必ずしもトルク効率を最大にすることができなかった。こうした課題を解決するために、トルク効率が最大となる起磁力相差角は、最大トルク時と定格トルク時で調べてみると、これらが異なっていることが分かった。こうした同期電動機の特性を考慮して同期電動機の制御を精密化することが必要となってきた。例えば、近年の電動機設計は、小型軽量化する傾向にあり、従来の制御方法のように最大トルク時を起磁力相差角の基準にして制御を行うと、定格運転ときの電動機の温度上昇が規格値に入らないという問題が生じる。また、地球環境の保全という意味からも、エネルギー消費を減らす必要があった。
【0004】
一方、定格トルク時に最大トルク効率になるように起磁力相差角を設定する事も考えられる。しかしながら、このようにすると、今度は、最大トルクを得ようとしてもトルクが得られないという問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記の様な問題点を解消するためになされたもので、最大トルク領域のみならず、定格トルク領域においても、電動機のトルク効率が最大となる電動機の制御装置を得る事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はd軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタスLqとを有する同期電動機をd軸電流指令とq軸電流指令とに従って制御する電力制御手段と、同期電動機の駆動軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、速度指令ωmcと回転速度検出手段が検出した電動機の回転速度ωmとの偏差からトルク指令Tcを発生するトルク指令発生手段と、トルク指令に基づいて電流指令Icを出力する電流指令演算手段と、電流指令とd軸との間の角度として定義される起磁力相差角φを用いて、d軸電流指令とq軸電流指令を出力するdq軸電流指令発生手段と、起磁力相差角を発生する起磁力相差角発生手段とを具備する同期電動機の制御装置を改良の対象とする。トルク指令発生手段は、トルク指令を速度指令ωmcと回転速度検出手段が検出した電動機の回転速度ωmとの偏差から発生するように構成してもよいが、単独でトルク指令を発生するように構成してもよく、その構成は任意である。
【0007】
本発明の同期電動機の制御装置では、起磁力相差角発生手段は、最大トルクを発生する際に、最大トルク効率を得るのに必要な回転速度ωmと起磁力相差角φとの関係を示す第1のデータ曲線と最大トルクよりも小さな所定のトルクを発生する際に最大トルク効率を得るのに必要な回転速度と起磁力相差角との関係を示す第2のデータ曲線に基づいて所定の回転速度において、最大トルクと所定のトルク間のトルクを最大トルク効率で発生させるのに必要な起磁力相差角φを決定する。
【0008】
このようトルク指令と回転速度によって起磁力相差角を制御すると、最大トルク領域のみならず、最大トルクよりも小さな所定のトルク領域においても、電動機のトルク効率が最大となるように制御することができる簡単な構造の同期電動機の制御装置を得ることができる。その結果、トルク指令や回転速度が広い範囲で変動しても常にトルク効率を最大に保ちながら電動機を稼働させることができる効果がある。
【0009】
また見方を変えると、本発明は、d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタスLqとを有し、且つ最大トルク効率で最大トルクを得るために必要な回転速度と起磁力相差角との関係を示す第1の最大トルク効率曲線と、最大トルク効率で最大トルクよりも小さい所定のトルクを得るために必要な回転速度と起磁力相差角との関係を示す第2の最大トルク効率曲線とが、回転速度をX軸にとり且つ位相角をY軸にとったときに、第1及び第2の最大トルク効率曲線の一方をX軸方向とY軸方向とに平行移動すると他方にほぼ重なる関係が得られる同期電動機をd軸電流指令とq軸電流指令に従って制御する電力制御手段と、同期電動機の駆動軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、トルク指令Tcを発生するトルク指令発生手段と、トルク指令に基づいて電流指令Icを出力する電流指令演算手段と、起磁力相差角φを用いてd軸電流指令とq軸電流指令を出力するdq軸電流指令発生手段と起磁力相差角を発生する起磁力相差角発生手段とを具備する同期電動機の制御装置を改良の対象とするものである。
【0010】
本発明の同期電動機の制御装置では、第1及び第2の最大トルク効率曲線から、前記最大トルクと所定のトルクの間におけるトルクに対する最大トルク効率曲線を得るのに必要なX軸方向とY軸方向への平行移動量を得るためのX軸方向とY軸方向への平行移動係数をそれぞれ予め定め、起磁力相差角発生手段は所定の回転速度においてトルク指令から指令されたトルクで最大トルク効率を達成するために必要な起磁力相差角を、第1及び第2の最大トルク効率曲線から選択した一方の最大トルク効率曲線と、平行移動係数と、一方の最大トルク効率曲線のトルクと指令トルクから指令されたトルクとの差分とから決定する。
【0011】
このようにすると、起磁力相差角をφ、回転速度をωm、第1のトルク指令と例えば第1のトルク指令よりも小さなトルク指令との偏差をΔTとし、平行移動係数をK1、K2とし、第1の最大トルク効率曲線をφ=F(ωm)のように求めておくと、トルク指令が他の値の場合には、ωmに対するφは、φ=F(ωm−K1ΔT)−K2ΔTのように簡単な式で求めることができる。平行移動量がωmによらないで、トルクの偏差値だけによるので非常に簡単な計算でωmに対してトルク効率を最大にするφを求めて、トルク効率を最大にする同期電動機の制御装置を提供することができる効果がある。
【0012】
更に見方を変えると、本発明はd軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタスLqとを有し、且つ最大トルク効率で最大トルクを得るために必要な回転速度と起磁力相差角との関係を示す第1の最大トルク効率曲線が、電機子の回転速度が低いときには、電機子の回転速度の関数として一定値を保ち、回転速度が高くなると、起磁力相差角が増大し始め、次第に増大が緩やかになり、最大トルク効率で最大トルクよりも小さい所定のトルクを得るために必要な回転速度と起磁力相差角との関係を示す第2の最大トルク効率曲線が、回転速度が低いときには、回転速度の関数として最大トルクのときのときよりも低い一定値を保ち、回転速度が高くなると、最大トルクのときよりも高い回転速度で、起磁力相差角が最大トルクのときよりも小さな値に増大し始め、次第に増大が緩やかになるような特性を有し、回転速度をX軸にとり且つ位相角をY軸にとったときに、第1及び第2の最大トルク効率曲線の一方をX軸方向とY軸方向とに平行移動すると他方にほぼ重なる関係が得られる同期電動機をd軸電流指令とq軸電流指令に従って制御する電力制御手段と、同期電動機の駆動軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、トルク指令Tcを発生するトルク指令発生手段と、トルク指令に基づいて電流指令Icを出力する電流指令演算手段と、起磁力相差角φを用いてd軸電流指令とq軸電流指令を出力するdq軸電流指令発生手段と起磁力相差角を発生する起磁力相差角発生手段とを具備する同期電動機の制御装置を改良の対象とする。
【0013】
本発明の同期電動機の制御装置では、起磁力相差角発生手段は、第1と第2の最大トルク効率曲線を測定又はコンピュータシミュレーションで予め決定しておき、トルク指令|Tc|が第1の最大トルクT1に等しいとき、第1の最大トルク効率曲線を与える回転速度ωmと起磁力相差角φの間の関係を次式
Figure 0003728405
で表される2つの折れ曲がり点を含む折れ線によって近似されるように、予め定めたφ0、N0、N1、KV1、KV2を用い、
但し、θ(x)は、x≧0のとき、θ(x)=1、x<0のときθ(x)=0で定義される階段関数であるものとし、
最大トルクT1より小さいトルク指令|Tc|のときの、最大トルク効率曲線を
φ=G[ωm+K1・(T1−|Tc|)]−K2・(T1−|Tc|) (2)
のように平行移動し、(2)式で|Tc|=T2としたとき第2の最大トルク効率曲線に一致するように予め定めた係数K1,K2を用いて、T1〜T2の間の|Tc|に対して、以上のようにして求めた係数を含む折れ線(2)式を用いて、回転速度ωmと|Tc|に対する起磁力相差角φを決定する。
【0014】
このようにすると同期電動機の特性の計算結果を観察し、観察結果を利用して最大トルク効率曲線を3本の折れ線で表すことによって最大トルク効率曲線を単純な表現を実現することができる。更に、トルク指令による最大トルク効率曲線の変動を回転速度に関係なく、基準とする最大トルク効率曲線のトルク値とトルク指令からのトルク値との偏差に比例するベクトル量だけ平行移動すると言う簡単な方法で計算することができる。その結果、広い範囲のトルク値と回転速度ωmで稼働する電動機のトルク効率を最大にすることができる制御装置を提供することができる効果がある。
【0015】
また本発明は、d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタスLqとを有し、且つ最大トルク効率で最大トルクT1を得るために必要な回転速度と起磁力相差角との関係を示す第1の最大トルク効率曲線が、電機子の回転速度が低いときには、電機子の回転速度の関数として一定値を保ち、回転速度が高くなると、起磁力相差角が増大し始め、次第に増大が緩やかになり、最大トルク効率で最大トルクよりも小さい所定のトルクT2を得るために必要な回転速度と起磁力相差角との関係を示す第2の最大トルク効率曲線が、回転速度が低いときには、回転速度の関数として最大トルクのときのときよりも低い一定値を保ち、回転速度が高くなると、最大トルクのときよりも高い回転速度で、起磁力相差角が最大トルクのときよりも小さな値に増大し始め、次第に増大が緩やかになるような特性を有し、回転速度をX軸にとり且つ位相角をY軸にとったときに、第1及び第2の最大トルク効率曲線の一方をX軸方向とY軸方向とに平行移動すると他方にほぼ重なる関係が得られる同期電動機をd軸電流指令とq軸電流指令に従って制御する電力制御手段と、同期電動機の駆動軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、速度指令ωmcと回転速度検出手段が検出した電動機の回転速度ωmとの偏差からトルク指令Tcを発生するトルク指令発生手段と、トルク指令に基づいて電流指令Icを出力する電流指令演算手段と、起磁力相差角φを用いてd軸電流指令とq軸電流指令を出力するdq軸電流指令発生手段と、起磁力相差角を発生する起磁力相差角発生手段とを具備する同期電動機の制御装置を改良の対象とする。
【0016】
本発明の同期電動機の制御装置では、起磁力相差角発生手段は、第1と第2の最大トルク効率曲線をそれぞれ測定又はコンピュータシミュレーションで予め決定しておき、トルク指令|Tc|が第1の最大トルクT1に等しいとき、第1の最大トルク効率曲線を与える回転速度ωmと起磁力相差角φの間の関係を、折れ線で近似できるように予め定めた、ωmが小さいときの一定値を示す初期起磁力相差角φ0、起磁力相差角が急激に増加し始める第1の起磁力相差角変更速度N0,N0以上のωmでの折れ線の勾配を与える第1の速度補償係数KV1、起磁力相差角が回転速度の関数として緩やかに増加し始める第2の起磁力相差角変更速度N1、それ以上での折れ線の勾配を与える第2の速度補償係数KV2を予め定めておき、これを用いて折れ線の方程式を電動機の回転速度ωmの関数φT1として次式
φT1=φ0+KV1・(α−N0)+KV2・(β−N1) (11)
によって出力し、
ただし、変数α,βは第1と、第2の記憶装置に保存され、
ωm<N0のとき、α=N0、β=N1 (12)
N0≦ωm<N1のとき、α=ωm、β=N1 (13)
N1≦ωmのとき、α=N1、β=ωm (14)
のようにスイッチするものとし、このようなφT1をωmの関数として出力する速度補償手段と、
|Tc|<T1では、|Tc|の変化による最大トルク効率関数の変化を、|Tc|=T1のときの折れ線からT1−|Tc|に比例する平行移動で表し、この折れ線φが、第2の最大トルク効率曲線|Tc|=T2のときに、最大トルク効率曲線に近似的に一致するように、予め求めた、T1−|Tc|に対する第1と第2の平行移動係数K1,K2を用いて、
起磁力相差角φが最初に増加し始める第1の起磁力相差角変更速度N0とφが緩やかに増加し始める第2の起磁力相差角変更速度N1に、これらとT1−|Tc|に第1の平行移動係数K1倍した積との加算点で
N0′=N0+K1・(T1−|Tc|) (15)
N1′=N1+K1・(T1−|Tc|) (16)
のように加算し、それぞれの和N0′、N1′を速度補償手段に入力し、折れ線の式(11)と折れ線の直線部分を与えるωmの不等式(12)、(13)、(14)に含まれるN0、N1をN0′、N1′に置き換えて、前記(11)式の折れ線を右方向に平行移動し、平行移動した折れ線をφvとし、
この平行移動したφvと、差分T1−|Tc|を平行移動係数K2倍した積との第3の加算点で次式
φ=φv−K2・(T1−|Tc|) (17)
のように減算して、折れ線を下方向への平行移動するトルク補償手段と、
速度補償手段の出力、起磁力相差角φを予め定めた角度以下に抑えるリミッタを有する。
【0017】
また、速度補償手段は、第1と、第2の記憶装置に保存される変数α、βは、|Tc|=T1のときには
ωm<N0のとき、α=N0、β=N1
N0≦ωm<N1のとき、α=ωm、β=N1
N1≦ωmのとき、α=N1、β=ωm
のようにスイッチするものとし、2つの記憶回路の出力α,βに、それぞれ第1、2の加算点で、トルク指令補償された回転速度N0,N1を差し引き、それぞれの差にKV1,KV2を掛けて、それらの積を第3の加算点で加算し、その和に第4の加算点でφ0を加算した和を速度補償された起磁力相差角として出力し、
|Tc|<T1のときには、
ωm<N0′のとき、α=N0′、β=N1′ (18)
N0′≦ωm<N1′のとき、α=ωm、β=N1′ (19)
N1′≦ωmのとき、α=N1′、β=ωm (20)
のようにスイッチするものとし、2つの記憶回路の出力α,βに、それぞれ第1、2の加算点で、トルク指令補償された回転速度N0′,N1′を差し引き、それぞれの差にKV1,KV2を掛けて、それらの積を第3の加算点で加算し、その和に第4の加算点でφ0を加算した和を速度補償された起磁力相差角として出力するようにしてもよい。
【0018】
本発明の同期電動機の制御装置では、トルク指令|Tc|が最大トルクT1〜0トルクT0の値をとるとき、係数調整手段は、|Tc|=T1,T2,T0のときの最大トルク効率曲線を求めておき、T1をこれらのいずれかに等しいトルク値とし、|Tc|=T1のときの最大トルク効率曲線を2つの折れ曲がり点を持つ折れ線で近似できるように、速度座標N0,N1,初期起磁力相差角φ0,速度補償係数KV1,KV2を調整しておき、|Tc|≠T1のとき、TP−|Tc|の代わりに、T1−|Tc|を用いてトルク補償を行った折れ線で、T2≠T1でTP,TR,T0のどれかに等しいT2を用いて、|Tc|=T2とおいたときのトルク補償した折れ線が、このときの最大トルク効率曲線と近似的に一致するようにK1,K2を定めて、起磁力相差角発生手段は、|Tc|がT1〜T2の間の値におけるトルク補償した折れ線で、ωmと|Tc|対φの折れ線の関係を用いてトルク補償を行うようにしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明を同期電動機1の制御装置に適用した実施の形態の一例の回路図である。同期電動機1は複数の永久磁石がロータコアに埋め込まれているロータを備え、永久磁石の直軸であるd軸のインダクタンスLdとこの直軸と電気角で直交する直交軸であるq軸のインダクタンスLqとの関係がLd<Lqとなる埋込磁石形同期電動機(以下、「IPM電動機」という)である。なお本発明はロータコアの表面に永久磁石を固定するタイプの同期電動機等にも当然にして適用できる。起磁力相差角φは、d軸と1次電流指令Icとのなす角である。
【0020】
図1において、トルク指令発生手段3は、速度指令ωmcと回転速度検出手段5で検出された同期電動機1の回転速度ωmとの偏差からトルク指令Tcを算出する。電流指令演算手段6は、トルク指令発生手段3からのトルク指令に基づいて電流指令Icを出力する。dq軸電流指令発生手段7は、電流指令とd軸との間の角度として定義される起磁力相差角φを用いて、d軸電流指令とq軸電流指令を出力しする。起磁力相差角発生手段9は起磁力相差角φを発生し、dq軸電流指令発生手段7に出力する。電力制御手段11はこのd軸電流指令とq軸電流指令に従って同期電動機1を駆動する。
【0021】
トルク指令発生手段3は、速度制御器3aと加算点3bとにより構成されている。速度制御器3aは、速度指令信号ωmcと回転速度検出手段5で検出した同期電動機の回転速度ωmとの速度偏差を加算点3bで求め、その速度偏差からトルク指令Tcを演算する。回転速度検出手段5は、エンコーダ5aと速度検出器5bとで構成される。速度検出器5bは、エンコーダ5aで検出した回転位置θmから回転速度ωmを検出する。電流指令演算手段6は電流指令演算器(KTI)6aとリミッタ6bから構成される。電流指令演算器6aは、トルク指令Tcに電流指令換算係数KTIを乗算して電流指令Icを演算する。リミッタ6bは電流指令Icを一定値にリミットする。dq軸電流指令発生手段7は、絶対値化器7aと、sinφ信号発生器7bと、cosφ信号発生器7cとから構成される。sinφ信号発生器7bは、リミット処理後の電流指令Icをsinφ倍して、q軸電流指令Iqcを算出する。cos信号発生器7cは、リミット処理後の電流指令Icを絶対値化器7aで絶対値化し、それをcosφ倍して、d軸電流指令Idcを算出する。以上のようにして算出されたq軸電流指令Iqc及びd軸電流指令Idcを電力制御部11に送る。
【0022】
電力制御部11は、2つの積分制御器11a及び11b,信号発生器11c,,第1及び第2の座標変換器11d及び11e,電流制御器11f,PWM制御器11g,電力変換器11h,電流検出手段11iから構成される。
【0023】
信号発生手段11cは、エンコーダ5aにより検出した回転位置θmfに基づいて、第1の座標変換器11dと、第2の座標変換器11eに対して設けられたsinθmf信号とcosθmf信号を発生する。
【0024】
第1の座標変換器11dは、電流検出手段11iにより検出した出力電流と信号発生手段11cから出力されるsinθmf信号及びcosθmf信号とを入力信号としてd軸電流フィードバック信号Idf及びq軸電流フィードバック信号Iqfを出力する。
【0025】
第2の座標変換器11eは、q軸電流指令Iqcとq軸電フィードバックIqfとの差をとり、この差を積分制御器11aを通してq軸電流指令Iqcと加算点11aで加算し、積分補償量を含んだq軸電流指令Iqc′を求める。同様にIdc′も求める。Iqc′とIqc′を第2の座標変換器11eを通して、3相の電流指令IUc,IVc,IWcを求める。電流制御器11fにおいて、電流フイードバックとの偏差をとり、比例演算して電圧指令VUc,VVc,VWcを得る。これをPWM制御器11gに通し、電力変換器11hによりIPM電動機1を駆動する。
【0026】
起磁力相差角発生手段9は、最大トルクを発生する際に、最大トルク効率を得るのに必要な回転速度ωmと起磁力相差角φとの関係を示す第1のデータ曲線と最大トルクよりも小さな所定のトルクを発生する際に最大トルク効率を得るのに必要な回転速度と起磁力相差角との関係を示す第2のデータ曲線に基づいて所定の回転速度において、最大トルクと所定のトルク間のトルクを最大トルク効率で発生させるのに必要な起磁力相差角φを決定するように構成されている。
【0027】
図2は、この実施例が制御の対象とするIPM電動機の場合の定格トルク、及び、最大トルクのときの、トルク効率が最大となる起磁力相差角をシミュレーションにより求めたものである。トルク効率が最大となる起磁力相差角は、最大トルク時と、定格トルク時とでは異なり、定格トルク時は、最大トルクのときより、小さな起磁力相差角で、トルク効率が最大となる。定格トルクの曲線では電機子の回転速度が低いときには、電機子の回転速度の関数として一定値を保ち、回転速度が高くなると、起磁力相差角が増大し始め、次第に増大が緩やかになっている。IPM電動機で磁気飽和が無い場合は、IPM電動機のトルクはリラタタンストルクとマグネットトルクの和として得られるので、起磁力相差角120〜135°付近でトルク効率が最大となる。定格トルクで、回転速度が低い場合の起磁力相差角は、これに相当する。回転速度が高くなった場合は、電動機電圧が上昇してくるため、電力変換器の出力電圧を超えないよう、起磁力相差角が回転速度の上昇と共に大きくなる。最大トルクの曲線では、回転速度が低いときには、回転速度の関数として定格トルクのときよりも高い一定値を保ち、回転速度が高くなると、定格トルクのときよりも低い回転速度で、起磁力相差角が最大トルクのときよりも大きな値に増大し始め、次第に増大が緩やかになるような特性を有している。最大トルク時は、起磁力相差角を若干大きくして、磁気飽和を緩和した所が最大トルク効率となる。また、定格トルクのときより電動機電圧が高くなるため、定格トルクのときより低い回転速度から起磁力相差角を大きくする必要がある。従って最大トルクと定格トルクのときの最大トルク効率曲線の一方を横軸方向と縦軸方向とに平行移動すると他方にほぼ重なる関係になっている。本発明ではこのような同期電動機の特性を利用して、それを有効に制御する制御装置を提供する。
【0028】
図3は、図1に示す第1の実施の形態の動作を説明するためのグラフである。縦軸に起磁力相差角φ、横軸に回転速度ωmを示す。図3で、3本の折れ線はそれぞれ|Tc|が、最大トルク(TP)、定格トルク(TR)、トルク0(TO)のときの、図2に示すような実験またはシミュレーションで得られた最大トルク効率曲線を近似する折れ線を示したものである。
【0029】
図1に示すように、起磁力相差角発生手段9は、速度補償手段13と第1,2のトルク補償手段15とリミッタ17とから構成される。速度補償手段13は、トルク指令|Tc|が第1の最大トルクT1に等しいとき、第1の最大トルク効率曲線を与える回転速度ωmと起磁力相差角φの間の関係を、折れ線で近似できるように予め定めておく。折れ線を決める定数としては、ωmが小さいときの一定値である初期起磁力相差角φ0、起磁力相差角が急激に増加し始める第1の起磁力相差角変更速度N0、第1の起磁力相差角変更速度N0以上のωmでの折れ線の勾配を与える速度補償係数KV1、起磁力相差角が回転速度の関数として緩やかに増加し始める第2の起磁力相差角変更速度N1、それ以上での折れ線の勾配を与える速度補償係数KV2を用いる。速度補償手段13は、これらの定数を用いて、折れ線の方程式を電動機の回転速度ωmの関数φT1として次式
φT1=φ0+KV1・(α−N0)+KV2・(β−N1) (21)
によって出力する。
【0030】
但し、
ωm<N0のとき、α=N0、β=N1 (22)
N0≦ωm<N1のとき、α=ωm、β=N1 (23)
N1≦ωmのとき、α=N1、β=ωm (24)
のように変更するものとする。
【0031】
このようにして得られた起磁力相差角φT1は、ωmの関数として図3に示す|Tc|=T1=TPの折れ線のグラフになる。
【0032】
ωmが0〜N0までの範囲では、式(1)で、ωm<N0のときの、α=N0、β=N1を代入すると、右辺の第1項のみが残る。従って、
φT1=φ0 (25)
のような一定値になる。
【0033】
ωmがN0〜N1では、(1)式で、N0≦ωm<N1のときの、α=ωm、β=N1を代入すると、
φT1=φ0+KV1・(ωm−N0) (26)
のように第2項が加算され、ωm=N0で折れ曲がる勾配を与える速度補償係数KV1の折れ線になる。
【0034】
ωmがN1以上のときは、N1≦ωmのときの、α=N1、β=ωmを代入すると、
φT1=φ0+KV1・(N1−N0)+KV2・(ωm−N1) (27)
のように第3項が加算されて、ωm=N1で折れ曲がる勾配を与える速度補償係数KV2の折れ線ができる。
【0035】
図4に、図1の実施の形態で示した速度補償手段13の構成の一例を示す。この速度補償手段13は、記憶装置13a,13b、速度補償係数演算器13c,13d、加算点13e,13f,13g,13hで構成されている。速度補償手段13に起磁力相差角変更速度N0,N1、初期起磁力相差角φ0、速度補償係数KV1,KV2、をパラメータとして入力し、ωmを入力変数とする。第1及び第2の記憶装置13a及び13bに保存される変数α,βは、|Tc|=T1のときには
ωm<N0のとき、α=N0、β=N1 (28)
N0≦ωm<N1のとき、α=ωm、β=N1 (29)
N1≦ωmのとき、α=N1、β=ωm (30)
のように変更する。内部の2つの記憶回路13a及び13bからの出力α,βに、それぞれ加算点13e及び13fで、トルク指令補償された起磁力相差角変更速度N0,N1を差し引き、それぞれの差に速度補償係数演算器13c,13dで速度補償係数KV1,KV2を掛けて、それらの積を加算点13gで加算し、その和に加算点13hでφ0を加算した和を速度補償された起磁力相差角φT1として出力する。
【0036】
|Tc|<T1では、トルク補償手段15が作動する。トルク補償手段15は、第1の平行移動係数演算器15a、第2の平行移動係数演算器15d、加算点15b,15c,15eから構成されている。平行移動係数演算器15aは、トルク指令|Tc|=T1における折れ線をT1−|Tc|に比例して、右方向にK1・(T1−|Tc|)平行移動し、第2の平行移動係数演算器15dは下降方向にK2・(T1−|Tc|)平行移動する。このとき、平行移動係数K1及びK2は、図3に示すように、|Tc|=T2=TRのときの折れ線が、|Tc|=T2のときの最大トルク効率曲線に近似的に一致するように予め決めておく。第1及び第2のトルク補償手段は予めこのようにしてそれぞれ決まった速度補償係数K1、K2を用いて横方向平行移動と下降方向平行移動を以下のように行う。
【0037】
図1において、トルク補償手段15は、第1の平行移動係数演算器15aによって、トルク入力の偏差(T1−|Tc|)と平行移動係数K1との積K1・(T1−|Tc|)を生成し、この積と折れ曲がり点の横座標である起磁力相差角変更速度N0,N1とを加算点15b,15cで次式
N0′=N0+K1・(T1−|Tc|) (31)
N1′=N1+K1・(T1−|Tc|) (32)
のような加算を行い、トルク補償した起磁力相差角変更速度N0′及びN1′を演算し、これらを速度補償手段13に入力する。
【0038】
速度補償手段13は、(21)式のφT1に含まれる起磁力相差角変更速度N0,N1を次式
φv=φ0+KV1・(α−N0′)+KV2・(β−N1′) (33)
のようにN0′,N1′に置き換えた折れ線の起磁力相差角φvを出力する。φvはωmの関数として|Tc|=T1=TPの折れ線を速度軸に右方向に平行移動した折れ線になっている。
【0039】
ただし、第1と、第2の記憶装置13a及び13bの記憶内容α,βは、
ωm<N0′のとき、α=N0′,β=N1′ (34)
N0′≦ωm<N1′のとき、α=ωm,β=N1′ (35)
N1′≦ωmのとき、α=N1′,β=ωm (36)
のように折れ曲がり点で変更して横座標も平行移動したものになっている。
【0040】
図4において、|Tc|<T1で、速度補償手段13に起磁力相差角変更速度N0′,N1′、初期起磁力相差角φ0、速度補償係数KV1,KV2をパラメータとして入力し、ωmを入力変数とする。第1及び第2の記憶装置13a,13bに保存される変数α,βは、上記式(34)乃至(36)のように変更される。
【0041】
2つの記憶回路13a及び13bからの出力α,βに、それぞれ加算点13e,13fで、トルク指令補償された起磁力相差角変更速度N0′,N1′を差し引き、それぞれの差に速度補償係数KV1,KV2を掛けて、それらの積を加算点13gで加算し、その和に加算点13hでφ0を加算した(33)式の和φvを出力する。
【0042】
またトルク補償手段15は、速度補償手段13の出力の起磁力相差角φvと、差分T1−|Tc|を第2の平行移動係数演算器15dで平行移動係数K2倍した積とを加算点15eで次式
φ=φv−K2・(T1−|Tc|) (37)
のように差し引き、(33)式の折れ線φvを縦方向に平行移動し、(37)式の起磁力相差角φを|Tc|<T1における回転速度ωmに対する起磁力相差角φとして出力する。
【0043】
リミッタ17は速度補償手段13の出力である起磁力相差角φを予め定めた角度以下に抑える。リミッタ17は、φを90〜180°以内にリミット処理し、各種補償後の起磁力相差角φとする。
【0044】
図3でトルク指令|Tc|が定格トルクTR以下でT0以上のとき、即ちT0<Tc<TRのときには、T1=TR、T2=T0とおいて以上述べたのと同じ関係を使うことができる。またはT1=T0、T2=TRとおいて、以上の関係でT1−|Tc|の替わりに|Tc|を用いてトルク補償と、速度補償を行うこともできる。
【0045】
図3を用いて本発明の第2の実施の形態の1例を説明する。本実施の形態では、起磁力相差角発生手段9は、図1の実施の形態に示す同期電動機を制御するための起磁力相差角φを以下のようにして発生する。
【0046】
ステップS1:起磁力相差角発生手段9は、図2に示すような第1と第2の最大トルク効率曲線を測定又はコンピュータシミュレーションで予め決定しておく。第1と第2のトルク指令|Tc|は、例えば最大トルクTP、定格トルクTR、0トルクT0のいずれかの異なる2つのトルク指令の組として選ぶことができる。
【0047】
ステップS2:|Tc|=T1のときの最大トルク効率関数関係を次式のように2つの折れ曲がり点を含む折れ線で近似する。
【0048】
Figure 0003728405
但し、ステップ関数θ(x)は、x≧0のとき、θ(x)=1、x<0のときθ(x)=0で定義される。ここでωmが0〜N0の間は、φは第1項のみの一定値φ0になる。ωmがN0〜N1の間は、第2項が加算されて、勾配KV1の折れ線になる。ωmがN1以上では、第2項は一定値になり、第3項が加算されて、勾配KV2の折れ線になる。この折れ線が最大トルク効率関数関係の良い近似で表されるように、φ0,N0,N1,KV1,KV2を予め決定しておく。
【0049】
ステップS3:T1と異なる|Tc|のときの、最大トルク効率曲線を
φ=G[ωm−K1・(T1−|Tc|)]−K2・(T1−|Tc|) (39)
のように平行移動した折れ線で近似する。ここで平行移動した折れ線が|Tc|=T2のときの最大トルク効率曲線に一致するように平行移動係数K1,K2を決定する。
【0050】
ステップS4:T1〜T2の間の|Tc|に対して、以上のようにして定数を決定した折れ線(39)式を用いて、回転速度ωmと|Tc|に対する起磁力相差角φを決定する。
【0051】
図5は本発明の第3の実施の形態を説明するために用いる図である。この実施の形態では、図1の実施の形態に示す起磁力相差角発生手段9は起磁力相差角φを以下のように発生する。
【0052】
ステップS1:起磁力相差角発生手段9は、第1と第2の最大トルク効率曲線を測定又はコンピュータシミュレーションで予め決定しておく。第1と第2のトルク指令|Tc|は、最大トルクTP、定格トルクTR、0トルクT0のいずれかの異なる2つのトルク指令の組に選ぶことができる。
【0053】
ステップS2:|Tc|=T1のときの最大トルク効率曲線を、次式
φ=F(ωm) (40)
とする。F(ωm)の式の形としては、例えは数値計算の結果を簡単な多項式で近似したものを用いてもよい。例えばF(ωm)とN個の点で一致する多項式を決めるには、N−1次の多項式を用いればよい。この場合にはN個の係数を必要とするので、N個の点の関数値が決まればN個の係数が決まる。このような決め方は折れ線近似よりは近似の精度を高めることができる効果が期待できる。
【0054】
ステップS3:T1と異なる|Tc|のときの、最大トルク効率曲線を
φ=F[ωm+K1・(T1−|Tc|)]−K2・(T1−|Tc|) (41)
のように平行移動する。|Tc|=T2のときの最大トルク効率曲線に例えば最小自乗法で一致するように平行移動係数K1,K2を決定する。
【0055】
ステップS4:T1〜T2の間の|Tc|に対して(41)式を用いて、ωmからφを決める。
【0056】
図6は本発明の第4の実施の形態の一例を説明するために用いるグラフである。この実施の形態では、図1の実施の形態に示す起磁力相差角発生手段9は起磁力相差角φを以下のステップに従って出力する。
【0057】
ステップS1:図2に示すようにトルク効率が最大となる電動機の回転速度ωmと起磁力相差角φとの間の最大トルク効率曲線を、トルク指令が最大トルクTP、定格トルクTR、トルク0時T0に対して、予め求めておく。以下ではトルク指令Tcが|Tc|=TP,TR,T0の場合を、それぞれ|Tc|=T(i)(i=0,1,2)と書くことにする。説明の便宜のためにこのようなトルク指令値を例として選ぶが、複数のトルク値に対する最大トルク効率曲線を用いる場合に一般化することができる。本実施の形態で最大トルクT(0)は本発明の請求項7において最大トルクT1と表記したものに相当する。本実施の形態で定格トルクT(1)は本発明の請求項7で、最大トルクよりも小さい所定のトルクT2としたものの一例である。本実施の形態の3つのトルクの場合は請求項7の2つのトルクの場合からの一般化になっている。
【0058】
ステップS2:ステップS1で求めた3つの最大トルク効率曲線における起磁力相差角φと回転速度ωmの関数関係を、図6(A)に示すようにそれぞれ同数の複数の折れ曲がり点からなる折れ線で近似し、それぞれの折れ線の折れ曲がり点を同じ順番同志で互いに対応を付ける。例えば、これらに折れ曲がり点に1からN−1までの番号をつけ、0を始点、Nを終点とする。0からNまでの始点と終点を含む折れ曲がり点をそれぞれ番号jによってj=0〜Nとする。横軸をωmとし縦軸をφとするωm−φ平面上の番号iの折れ線の番号jの折れ曲がり点(i,j)(i=0〜2、j=0〜N)の座標を、N(i,j)、φ(i,j)とする。i番目の最大トルク効率曲線を近似する折れ線の折れ曲がり点の数は同数のN−1個であり、それぞれの折れ線のj番目の折れ曲がり点が互いに対応する番号jの折れ曲がり点になっている。
【0059】
ステップS3:トルク指令Tcの大きさ|Tc|が2つのトルク値T(i)、T(i+1)の間の値をとるときに、回転速度ωmに対してトルク効率を最大にする起磁力相差角φを求める。以下i=0に固定しておく。i=1に固定した場合も以下の話は同様に成立する。起磁力相差角φを求めるのに必要な最大トルク効率曲線の部分を近似的に求めるためにまず図6(B)に示すような4辺形を決める。即ち、図6(B)において、i番目のトルク値T(i)のときのトルク効率を最大にする最大トルク効率曲線を近似する折れ線の一直線区間、即ち2つの折れ曲がり点(N(i,j)、φ(i,j))と(N(i,j+1)、φ(i,j+1)を結ぶ線と、i+1番目のトルク値T(i+1)のときのトルク効率を最大にする最大トルク効率曲線を近似する折れ線の一直線区間、即ち2つの折れ曲がり点(N(i+1,j)、φ(i+1,j))と(N(i+1,j+1)、φ(i+1,j+1)を結ぶ線を対辺とする4辺形を作る。ここでjの値としては、N(i,j)<ωm<N(i,j+1)の関係を満足するように選ぶ。これらの4辺形の頂点はそれぞれの4辺形の対辺の両端の点になっており、またそれぞれj、j+1番目の対応する同じ順番の点になっている。ここでjは、0〜N−1の中の1つの数である。
【0060】
ステップS4:ステップS3で求めた4辺形を形作る対辺の両端の点の中でj番目の点同志(N(i,j)、φ(i,j))と(N(i+1,j)、φ(i+1,j)をつなぐ第1の辺を、T(i)−|Tc|:|Tc|−T(i+1)の比に内分する第1の内分点(N(|Tc|,j)、φ(|Tc|,j))を次式によって求める。
【0061】
Figure 0003728405
ステップS5:同様に、ステップS3で求めた4辺形を形作る対辺の両端の点の中でj+1番目の点同志(N(i,j+1)、φ(i,j+1))と(N(i+1,j+1)、φ(i+1,j+1)をつなぐ第2の辺を、T(i)1−|Tc|:|Tc|−T(i+1)の比に内分する第2の内分点(N(|Tc|,j+1)、φ(|Tc|,j+1))を次式によって求める。
【0062】
Figure 0003728405
ステップS6:回転速度検出手段5から求めた回転速度ωmが、N(|Tc|,j)〜N(|Tc|,j+1)]をつなぐ線分の範囲内にあることを判定する。そうしてステップS3で4辺形を選ぶ時にこのようになるように選ぶ。そうなっていない場合にはステップS3に戻り、ωm<N(i+1,j)のときは、jをj+1にして、ωm>φ(i+1,j+1)時はjをj−1にして条件を満たすまでステップS3〜ステップS6を繰り返す。条件を満足すれば次のステップに進む。
【0063】
ステップS7:ステップS6の条件を満足したとき、これらの内分点をつなぐ線分の方程式は次式のようなωmとφの1次式の関係で与えられる。
【0064】
Figure 0003728405
これによってωmからφを決定する。
【0065】
ステップS8:ωmに対するφを出力する。
【0066】
図7は、従来方式と、本方式における定格運転ときの電動機コイル温度上昇の実測結果である。これから、本方式は、定格回転速度ときのトルク効率を大幅に改善できていることがわかる。
【0067】
上記各実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
【0068】
(1)最大トルク領域のみならず、定格トルク領域においても電動機のトルク効率を最大にできるようになったため、高効率で、エネルギー消費の少ない電動機制御装置を提供できる。
【0069】
(2)電動機をより小型、軽量に設計できるようになる。
【0070】
(3)トルク0〜最大トルクまでの起磁力相差角を最大トルクとトルク指令の絶対値との差に比例させて制御するようにしたため、少ない電動機パラメータでトルク調整が可能である。また、最大トルク時をベースにしたトルク調整が可能である。
【0071】
【発明の効果】
本発明のように、トルク指令と回転速度とによって起磁力相差角を制御すると、最大トルク領域のみならず、最大トルクよりも小さな所定のトルク領域においても、電動機のトルク効率が最大となるように制御することができる簡単な構造の同期電動機の制御装置を得ることができる。その結果、本発明によれば、トルク指令や回転速度が広い範囲で変動しても常にトルク効率を最大に保ちながら電動機を稼働させることができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の同期電動機の制御装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明が制御の対象とする同期電動機の特性のシミュレーション結果である。
【図3】本発明が制御の対象とする同期電動機の特性のシミュレーション結果を折れ線近似したものある。
【図4】本発明の第1の実施の形態の実施の形態の同期電動機の制御装置の一部の詳細を示すブロック図である。
【図5】トルク補償曲線を平行移動近似する方法を説明する図である。
【図6】(A)及び(B)は折れ線近似と内分点を用いる方法を説明するための図である。
【図7】本発明の効果を説明するための図である。
【図8】同期電動機の従来の制御法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 IPM電動機
3 トルク指令発生手段
3a 速度制御器
3b 加算点
5 回転速度検出手段
5a エンコーダ
5b 速度検出器
6a 電流指令演算器
6b リミッタ
7 dq軸電流指令発生手段
7a 絶対値化器
7b sin信号発生器
7c cos信号発生器
9 起磁力相差角発生手段
11 電力制御手段
11a,11b 積分制御器
11c 信号発生器
11d 第1の座標変換器
11e 第2の座標変換器
11f 電流制御器
11g PWM制御器
11h 電力変換器
11i 電流検出手段
11s,11t,11u,11v 加算点
13 速度補償手段
13a,13b 記憶回路
13c KV1
13d KV2
13e,13f,13g,13h 加算点
15 トルク補償手段
15b,15c,15e 加算点
17 リミッタ

Claims (6)

  1. d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタスLqとを有する同期電動機をd軸電流指令とq軸電流指令とに従って制御する電力制御手段と、
    前記同期電動機の駆動軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    トルク指令Tcを発生するトルク指令発生手段と、
    前記トルク指令に基づいて電流指令Icを出力する電流指令演算手段と、
    前記電流指令と前記d軸電流指令との間の角度として定義される起磁力相差角φを用いて、前記d軸電流指令と前記q軸電流指令とを出力するdq軸電流指令発生手段と、
    前記起磁力相差角を発生する起磁力相差角発生手段とを具備する同期電動機の制御装置であって、
    前記起磁力相差角発生手段は、最大トルクを発生する際に、最大トルク効率を得るのに必要な前記回転速度ωmと前記起磁力相差角φとの関係を示す第1のデータ曲線と前記最大トルクよりも小さな所定のトルクを発生する際に最大トルク効率を得るのに必要な前記回転速度と前記起磁力相差角との関係を示す第2のデータ曲線とに基づいて、所定の回転速度において前記最大トルクと所定のトルク間のトルクを最大トルク効率で発生させるのに必要な前記起磁力相差角φを決定するように構成されていることを特徴とする同期電動機の制御装置。
  2. d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタスLqとを有し、且つ最大トルク効率で最大トルクを得るために必要な回転速度と起磁力相差角との関係を示す第1の最大トルク効率曲線と、最大トルク効率で前記最大トルクよりも小さい所定のトルクを得るために必要な前記回転速度と前記起磁力相差角との関係を示す第2の最大トルク効率曲線とが、前記回転速度をX軸にとり且つ前記起磁力相差角をY軸にとったときに、前記第1及び第2の最大トルク効率曲線の一方をX軸方向とY軸方向とに平行移動すると他方にほぼ重なる関係が得られる同期電動機をd軸電流指令とq軸電流指令に従って制御する電力制御手段と、
    前記同期電動機の駆動軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    トルク指令Tcを発生するトルク指令発生手段と、
    前記トルク指令に基づいて電流指令Icを出力する電流指令演算手段と、
    前記起磁力相差角φを用いて前記d軸電流指令と前記q軸電流指令を出力するdq軸電流指令発生手段と
    前記起磁力相差角を発生する起磁力相差角発生手段とを具備し、
    前記第1及び第2の最大トルク効率曲線から、前記最大トルクと前記所定のトルクの間におけるトルクに対する最大トルク効率曲線を得るのに必要な前記X軸方向と前記Y軸方向への平行移動量を得るための前記X軸方向と前記Y軸方向への平行移動係数をそれぞれ予め定め、
    前記起磁力相差角発生手段は所定の回転速度において前記トルク指令から指令されたトルクで最大トルク効率を達成するために必要な前記起磁力相差角を、前記第1及び第2の最大トルク効率曲線から選択した一方の最大トルク効率曲線と、前記平行移動係数と、前記一方の最大トルク効率曲線のトルクと前記指令トルクから指令された前記トルクとの差分とから決定するように構成されていることを特徴とする同期電動機の制御装置。
  3. d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタスLqとを有し、且つ最大トルク効率で最大トルクを得るために必要な回転速度と起磁力相差角との関係を示す第1の最大トルク効率曲線が、電機子の回転速度が低いときには前記電機子の回転速度の関数として一定値を保ち、前記回転速度が高くなると前記起磁力相差角が増大し始め、その後次第に増大が緩やかになり、最大トルク効率で前記最大トルクよりも小さい所定のトルクを得るために必要な前記回転速度と前記起磁力相差角との関係を示す第2の最大トルク効率曲線が、前記回転速度が低いときには前記回転速度の関数として前記最大トルクのときのよりも低い一定値を保ち、前記回転速度が高くなると前記最大トルクのときよりも高い回転速度で、前記起磁力相差角が前記最大トルクのときよりも小さな値に増大し始め、次第に増大が緩やかになるような特性を有し、前記回転速度をX軸にとり且つ前記位相角をY軸にとったときに、前記第1及び第2の最大トルク効率曲線の一方を前記X軸方向と前記Y軸方向とに平行移動すると他方にほぼ重なる関係が得られる同期電動機をd軸電流指令とq軸電流指令に従って制御する電力制御手段と、
    前記同期電動機の駆動軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    トルク指令Tcを発生するトルク指令発生手段と、
    前記トルク指令に基づいて電流指令Icを出力する電流指令演算手段と、
    前記起磁力相差角φを用いてd軸電流指令とq軸電流指令を出力するdq軸電流指令発生手段と、
    前記起磁力相差角を発生する起磁力相差角発生手段とを具備し、
    前記起磁力相差角発生手段は、前記第1及び第2の最大トルク効率曲線を測定又はコンピュータシミュレーションで予め決定しておき、トルク指令Tcの大きさ|Tc|が前記第1の最大トルクT1に等しいとき、前記第1の最大トルク効率曲線を与える前記回転速度ωmと前記起磁力相差角φとの間の関係を次式
    φ=G(ωm)
    =φ0+KV1・[θ(ωm−N0)・(ωm−N0)−θ(ωm−N1)・(ωm−N1)]+KV2・θ(ωm−N1)・(ωm−N1) …(1)
    で表される2つの折れ曲がり点を含む折れ線によって近似し、
    但し上記(1)式において、φ0は初期起磁力相差角であり、N0及びN1は第1と第2の起磁力相差角変更速度であり、KV1及びKV2は第1及び第2の速度補償係数であり、
    そして、θ(x)は、x≧0のときθ(x)=1であり、x<0のときθ(x)=0で定義される階段関数であるものとし、
    前記最大トルクT1より小さいトルク指令|Tc|のときの、最大トルク効率曲線を
    φ=G[ωm+K1・(T1−|Tc|)]−K2・(T1−|Tc|) …(2)
    の式で表すように平行移動し、前記(2)式において前記第2のトルク指令|Tc|=T2としたときに前記第2の最大トルク効率曲線に一致するように予め定めた第1及び第2の平行移動係数K1及びK2を用い、
    T1〜T2の間の|Tc|に対して、前記式(2)を用いて、前記回転速度ωmと前記トルク指令|Tc|に対する前記起磁力相差角φを決定することを特徴とする同期電動機の制御装置。
  4. d軸のインダクタンスLdとq軸のインダクタスLqとを有し、且つ最大トルク効率で最大トルクT1を得るために必要な回転速度と起磁力相差角との関係を示す第1の最大トルク効率曲線が、電機子の回転速度が低いときには電機子の回転速度の関数として一定値を保ち、回転速度が高くなると起磁力相差角が増大し始め、次第に増大が緩やかになり、最大トルク効率で前記最大トルクよりも小さい所定のトルクT2を得るために必要な前記回転速度と前記起磁力相差角との関係を示す第2の最大トルク効率曲線が、回転速度が低いときには回転速度の関数として前記最大トルクのときのときよりも低い一定値を保ち、回転速度が高くなると前記最大トルクのときよりも高い回転速度で、起磁力相差角が前記最大トルクのときよりも小さな値に増大し始め、次第に増大が緩やかになるような特性を有し、前記回転速度をX軸にとり且つ前記位相角をY軸にとったときに、前記第1及び第2の最大トルク効率曲線の一方をX軸方向とY軸方向とに平行移動すると他方にほぼ重なる関係が得られる同期電動機をd軸電流指令とq軸電流指令に従って制御する電力制御手段と、
    前記同期電動機の駆動軸の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    トルク指令Tcを発生するトルク指令発生手段と、
    前記トルク指令に基づいて電流指令Icを出力する電流指令演算手段と、
    前記起磁力相差角φを用いてd軸電流指令とq軸電流指令を出力するdq軸電流指令発生手段と、
    前記起磁力相差角を発生する起磁力相差角発生手段とを具備し、
    前記起磁力相差角発生手段に使用する前記第1と第2の最大トルク効率曲線をそれぞれ測定又はコンピュータシミュレーションで予め決定しておき、
    前記トルク指令|Tc|が前記第1の最大トルクT1に等しいときに、前記第1の最大トルク効率曲線を与える回転速度ωmと起磁力相差角φとの間の関係を、折れ線で近似できるように、ωmが小さいときの一定値である初期起磁力相差角φ0、起磁力相差角が急激に増加し始める第1の起磁力相差角変更速度N0、速度N0以上のωmでの折れ線の勾配を与える第1の速度補償係数KV1、起磁力相差角が回転速度の関数として緩やかに増加し始める第2の起磁力相差角変更速度N1、速度N1以上での折れ線の勾配を与える第2の速度補償係数KV2を予め定めておき、これらの定数を用いて前記折れ線の方程式を電動機の回転速度ωmの関数φT1として次式より求め、
    φT1=φ0+KV1・(α−N0)+KV2・(β−N1) (1)
    ただし、変数α及びβは第1及び第2の記憶装置に保存され、
    ωm<N0のとき、α=N0、β=N1 (2)
    N0≦ωm<N1のとき、α=ωm、 β=N1 (3)
    N1≦ωmのとき、α=N1、β=ωm (4)
    のように変更するものとし、このような前記起磁力相差角φT1を回転速度ωmの関数として出力する速度補償手段と、
    前記トルク指令が|Tc|<T1のときには、前記トルク指令|Tc|の変化による前記最大トルク効率関数の変化を、前記|Tc|=T1のときの折れ線からT1−|Tc|に比例して平行移動した折れ線で表し、前記トルク指令が|Tc|=T2のときに、前記平行移動した折れ線が、前記第2の最大トルク効率曲線に近似的に一致するように、予め求めた、T1−|Tc|に対する第1と第2の平行移動係数K1,K2を用いて、
    前記起磁力相差角φT1が最初に増加し始める第1の起磁力相差角変更速度N0と前記起磁力相差角φT1が緩やかに増加し始める第2の起磁力相差角変更速度N1に、これらとT1−|Tc|に前記第1の平行移動係数K1倍した積との加算点で
    N0′=N0+K1・(T1−|Tc|) (5)
    N1′=N1+K1・(T1−|Tc|) (6)
    のように加算し、それぞれの和、第1及び第2のトルク補償した起磁力相差角変更速度N0′及びN1′を前記速度補償手段に入力し、前記折れ線の式(1)と前記折れ線の直線部分の範囲を与えるωmの不等式(2)、(3)、(4)に含まれる起磁力相差角変更速度N0,N1を前記トルク補償した起磁力相差角変更速度N0′,N1′に置き換えて、(1)式で表される折れ線φT1を右方向に平行移動し、この平行移動した折れ線をφvとし、
    前記第1の平行移動した折れ線φvと、差分T1−|Tc|を第2の平行移動係数K2倍した積とを第3の加算点で次式
    φ=φv−K2・(T1−|Tc|) (7)
    のように減算して、折れ線を下方向への平行移動するトルク補償手段と、
    前記速度補償手段の出力を、前記起磁力相差角φを予め定めた角度以下に抑えるリミッタとを具備することを特徴とする同期電動機の制御装置。
  5. 前記速度補償手段は、前記第1及び第2の記憶装置に保存される前記変数α,βを、前記|Tc|=T1のときには
    ωm<N0のとき、α=N0、β=N1 (2)
    N0≦ωm<N1のとき、α=ωm、β=N1 (3)
    N1≦ωmのとき、α=N1、β=ωm (4)
    のように変更するものとし、前記2つの記憶回路の出力α,βに、それぞれ第1,2の加算点で、前記起磁力相差角変更速度N0及びN1を差し引き、それぞれの差に速度補償係数KV1,KV2を掛けて、それらの積を第3の加算点で加算し、その和に第4の加算点で初期起磁力相差角φ0を加算した和を速度補償された起磁力相差角φvとして出力し、|Tc|<T1のときには、
    ωm<N0′のとき、α=N0′、β=N1′ (8)
    N0′≦ωm<N1′のとき、α=ωm、β=N1′ (9)
    N1′≦ωmのとき、α=N1′、β=ωm (10)
    のように変更するものとし、前記2つの記憶回路の出力α,βに、それぞれ前記第1及び第2の加算点で、前記トルク指令補償された起磁力相差角変更速度N0′,N1′を差し引き、それぞれの差に速度補償係数KV1,KV2を掛けて、それらの積を第3の加算点で加算し、その和に第4の加算点でφ0を加算した和を速度補償された起磁力相差角φvとして出力することを特徴とする請求項4に記載の同期電動機の制御装置。
  6. トルク指令|Tc|が最大トルクT1〜0トルクT0の値をとるとき、|Tc|=T1,T2,T0のときの最大トルク効率曲線を求めておき、
    T1をこれらのいずれかに等しいトルク値とし、|Tc|=T1のときの最大トルク効率曲線を2つの折れ曲がり点を持つ折れ線で近似できるように、前記速度座標N0,N1、前記初期起磁力相差角φ0、前記速度補償係数KV1,KV2を調整しておき、
    |Tc|≠T1のとき、T1−|Tc|を用いてトルク補償を行った折れ線で、T2≠T1でTP,TR,T0のどれかに等しいT2を用いて、|Tc|=T2とおいたときのトルク補償した折れ線が、このときの最大トルク効率曲線と近似的に一致するように前記K1,K2を定めて、
    起磁力相差角発生手段は、|Tc|がT1〜T2の間の値におけるトルク補償した折れ線で、ωmと|Tc|対φの折れ線の関係を用いてトルク補償を行うことを特徴とする請求項4乃至5に記載の同期電動機の制御装置。
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