JP3726842B2 - ラチェットレンチ - Google Patents
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Description
ラチェットレンチは従来から良く知られており、基本的には、上記目的のため、ハンドルを円弧状に往復させる運動を、駆動部材を一定方向に回転させる運動に変換する機構を有する。通常、ハンドルは、駆動部材の軸に直角な平面内においてこの軸から半径方向外方に延びるアームからなる。但し、このアームはクランク状にされたり、ジョイント結合されたりすることがある。駆動部材は通常は、例えばソケットを受容するための矩形状駆動シャフトのような突起を有する。
このような構成に加えて、駆動部材を回転させる二重の手段を設けたものもある。例えば、このものではラチェット機構を用いた従来の作動手段のハンドル上に回転部材が追加され、この回転部材をハンドルの長手軸のまわりで回転させても駆動部材を回転させることができる。
このような装置は特に、従来のレンチを用いるのが難しいような狭い空間において使用するのに有用であり、なかんずく、締結物を回転させるために要求されるトルクが非常に高く、限られた場所で従来のレンチを使用するので非常に時間がかかるような場合に有用である。従来のラチェットレンチはまた、例えば、ナットおよびボルトアセンブリによってレンチのラチェット作用もしくはスリップさせるだけの抵抗が得られないような場合には、扱い難い。
ラチェットレンチの基本構成を工夫する様々な試みがなされてきている。そのうちのいくつかは構成が複雑であり、製造コストが高く且つ作動信頼性が低い。他のものは構成は簡単であるが、最良の作動を行えるものではない。
米国特許第4299145号では、出力駆動部材と同心に配設された互いに反対回転する二つのリングギヤと、これらの間に配設されるとともにレンチハンドルを介したシャフトによっていずれの方向にも回転されるベベルギヤ駆動ピニオンとからなる装置が用いられている。各リングギヤ用のラチェット機構により、シャフトの回転方向の如何に拘わらず、駆動部材が一定方向に回転するが、これは、スリーブの直線運動をシャフトの回転運動に変換する螺旋機構によって達成される。
同様な原理が国際公開(WO)92/07692に開示されており、シャフトの回転が単に駆動ハンドルの回転によって達成されるという点以外は非常に類似する手段を用いている。
これら両装置は従来と同様にハンドルを前後に揺動させて使用することが可能であり、ベベルギヤピニオンの互いに反対側に位置する歯が二つのリングギヤに平等に作用し、リングギヤを回転もしくはスリップさせるために作動する二つのラチェット機構を介してトルクが駆動部材に伝達される。
もっと簡単な装置の一例として、米国特許第4699028号がある。ここでは、従来のラチェットレンチにラチェット機構を出力駆動部材から切り離すことができるラチェットスイッチを設けており、これにより二者択一モードが可能となる。これはまた、レンチハンドルを通って延びる回転シャフトの一端を単一ベベルギヤ配列によって駆動部材に接続し、シャフトの他端をアーム端部から突出する「スピンノブ」に接続することによって達成される。この構成では、「スピンノブ」と出力駆動部材との接続にラチェット機構は用いられない。このため、もし「スピンノブ」の回転方向が逆転されると、出力駆動部材の回転方向も逆転する。
米国特許第2206802号に開示の構成では、レンチのハンドルのシャフトが、ラチェット爪をそれぞれ有した二つの駆動ベベルギヤを介して出力駆動部材に繋がれている。ハンドルを出力駆動部材の軸のまわりでいずれの方向に回転させても、ラチェット爪の作用により出力駆動部材は常に同一方向に回転する。ハンドルのシャフトは二つの駆動ベベルギヤと噛合する連続駆動ベベルギヤを有する。従動ベベルギヤの歯は連続しておらず、このため、シャフトは出力駆動部材を回転させるために、一方向に連続して回転することができない。出力駆動部材を回転させるため、ハンドルのシャフトは揺動され、この結果、ラチェット爪の作用により、出力駆動部材は一方向に連続的に回転される。
米国特許第4592256号には、ハンドルの回転によって選択された方向に出力駆動部材を回転させる制御を行うための単一のラチェット爪を有したラチェットレンチが開示されている。この爪が中立位置に移動されると、ハンドルのシャフトの回転によって出力駆動部材の回転が可能となる。中立位置ではラチェット爪は外れるので、出力駆動部材の回転方向はシャフトの回転方向に従う。
互いに反転するギヤを用いた装置の限界は、その構成の複雑なことおよび製造が高価且つ難しい部品にある。さらに、全トルクが常にベベルギヤピニオンを介して伝達されるので、磨耗および耐久性に問題がある。一方、米国特許第4699028号の発明は、スピンノブがいずれの作動モードでも駆動部材に永久的に固定されており、このため、従来のラチェット使用に際して作業者のグリップから離しておく必要があるので、回転方向を選択する手段を設けるためには、非常に短いスピンノブに頼らなければならない。これがもし短くなければ、ハンドルの全長が長くなりすぎるが、これが短いと作業者がこれを特に強く握ることができなくなる。いずれにせよ、このレンチ構成にはある程度妥協が必要である。
米国特許第3952617号ではさらなる試みがなされており、レンチハンドルの回転シャフトがベベルギヤにより永久的に駆動部材と結合されており、ハンドル内において回転シャフトとこれを覆うスリーブとの間に配設された二重ラチェット配列はスライディングウェッジシステムにより制御される。その上、全トルクがベベルギヤを介して伝達される。
米国特許第4545267号には、レンチハンドルの端部におけるスプライン付ハウジング内面と共動する駆動部材上に配設された爪手段によって行われる一次ラチェット駆動機構を有したレンチが開示されている。ラチェットハンドル上の回転スリーブは、二次ラチェットモードにおいて通常のベベルギヤ接続を介して駆動部材を回転させるために設けられており、このとき二次ラチェットはスリーブ内に配設される。しかしながら、三個の特徴ある解放装置が用いられ、これらは(各中立位置において)二つのラチェットのそれぞれの端部に設けられたものと、レンチが基本揺動モードで使用されるときにスリーブの回転を避けるために必要なベベルギヤの解放を行うためのものである。
本発明の目的は、少ない数の部品構成であり、信頼性が高く操作にすぐれているラチェットレンチを提供することである。
米国特許第4545267号によれば、第1軸のまわりで回転可能な出力駆動部材と、この出力駆動部材が配設される駆動ハウジングと、第1軸のまわりで駆動ハウジングを回転させるために駆動ハウジングに設けられたハンドルと、第2軸のまわりで回転可能となって前記ハンドルに取り付けられた回転部材と、ハウジング内で出力駆動部材の周囲に沿って延びた駆動リングと、第2軸まわりでの回転部材の回転と第1軸まわりでの駆動リングとの回転を結合させるカップリング手段と、出力駆動部材とハウジングとを一方向にのみ回転可能に選択的に接続される一次ラチェット手段と、出力駆動部材と回転部材とを駆動リングを介して一方向にのみ回転可能に選択的に接続させる二次ラチェット手段とを有して構成されるラチェットレンチが知られており、ここでは、ハンドルを第1軸のまわりで回転させるか、回転部材を第2軸のまわりで回転させることにより、選択されたいずれかの方向に出力駆動部材を回転させることができる。
本発明によれば、このようなラチェットレンチにおいて、駆動リングが出力駆動部材に対して第1軸のまわりで回転可能であり、二次ラチェット手段は駆動リングと出力駆動部材との間に配設されていることを特徴とする。
このため本発明に係るラチェットレンチは出力駆動部材を駆動ハウジングに繋ぐことができ、最大トルクを必要な場合およびスペースが許す場合にはハンドルを手動で前後させて使用され、さらに、必要トルクが低い場合やハンドルを揺動させるスペースがない場合には駆動リングを介して回転部材を回転させて使用することもできる。回転部材はハンドル上に配設され、指で回転されるようになっており、限られたスペース内での作業や、低トルク条件下において速く作業を行うときに使用される。本発明の好ましい実施例においては、以下に述べられるように、両方向の回転抵抗が小さい場合において、回転部材と二次ラチェット作用との組み合わせ使用が効果的である。これは、一次ラチェット手段が反対方向の回転に対して駆動部材をロックすることができるようになっており、二次ラチェットをスリップさせる(ラチェット回転させる)ために必要な回転抵抗を付与するためである。
このレンチにはセレクタ手段を設けることができ、この手段により、一次および二次ラチェット手段の一方もしくは両方を駆動部材に係合させてハンドルもしくは回転部材の作動に応じて時計回りもしくは反時計回りに回転させる。両ラチェット手段のセレクタ手段はリンクされて両ラチェット手段が一緒に切り換えられる。
本発明の好ましい例によれば、ラチェットレンチは駆動ハウジングと、ここから延びてハンドルとして用いられる固定アームとを備える。駆動ハウジング内に配設された駆動部材は、レンチアームの長手軸に垂直な出力駆動軸を有する。駆動リングは出力駆動軸上で駆動ハウジングと同心位置に配設されたベベルリングギヤからなる。回転部材はアーム上に配設されてアームを通して同軸に延びた回転シャフトに繋がり、このシャフトの内端は別のベベルギヤによってリングギヤと繋がれる。スリーブは刻みが入れられたホイールもしくはノブのような代替物と置き換えられる。
一次ラチェット手段は通常は駆動ハウジングと出力駆動部材との間に配設される。駆動ハウジングは、従来のラチェットレンチに見られるのと同様の、内歯スプライン付円筒表面を有し、ラチェット爪は駆動部材内に取り付けられる。
二次ラチェット手段は駆動リングと駆動部材との間に配設される。駆動リングは第1駆動手段の同一形状の開口と、ベベルギヤ面および円筒面からなる外面とを有する。
通常の使用においては、レンチアームが、出力駆動軸に垂直な平面内において従来通りに揺動される。第1の方向の揺動において、一次ラチェット手段が駆動ハウジングと係合して駆動ハウジングは出力駆動部材と結合され、これと反対方向の揺動においては、ラチェット手段が駆動ハウジングのスプラインを有した内面状で「ラチェット作用」(スリップ)するので、駆動ハウジングと出力駆動部材との接続が解放される。
このモードでの使用中に、駆動リングは出力駆動部材とともに駆動方向に回転し、駆動ハンドル上のスリーブは静止状態で保持される。なお、上記反対方向の揺動において、二次ラチェット手段の作動抵抗に比例する力が駆動シャフトおよびハンドル上のスリーブに加わるが、これに対しては駆動部材が回転に対して抵抗することにより簡単に対応できる。
もう一つの作動は、スリーブを回転させることにより、すなわち、レンチアームの長手方向に延びる軸のまわりで内部シャフトをハンドルに対して回転させることにより、行われる。駆動方向に回転されると、二次ラチェット手段が係合して、駆動リングによってシャフトと出力駆動部材とが結合され、反対方向に回転されるときには、このラチェット手段が駆動リングのスプライン上で「ラチェット作用」を行うため、スリーブと出力駆動部材との結合が解放される。
このモードでの使用中に、回転部材の駆動方向の回転に対して、駆動ハウジングは出力駆動部材に対して「ラチェット作用」を行い、これと反対方向の回転に対して、一次ラチェット手段が駆動部材と駆動ハウジングとを結合させ、一方、リングギヤに対してはラチェット作用する。この構成は締結物の締結力が緩いときに有利である。
さらに、本実施例の構成によれば、レンチに加わる最大力は、従来のレンチと同様に、ボディすなわち駆動ハウジングを介して伝達されるだけであり、ベベルギヤを介して伝達されることはない。これに対して、既存のもっと複雑な位置は、このような負荷を、ギヤ歯を含む多数の複雑なコンポーネントを介して伝達する必要がある。逆にもっと簡単な装置の場合にはしばしば、異なる作動モードに対して切り換え操作を必要とし、且つ、従来とは異なる作動の場合に本発明が有する「ラチェット作用」保持機能を有していない。なお、このことはナットおよびボルトアセンブリが緩い場合には問題とならないが、抵抗が大きいとき、特に抵抗が中間値であるときによく問題となる。
本発明に基づくラチェットレンチの実施例について図面を参照して例示説明するが、ここで、
図1は、好ましい実施例に係るラチェットレンチを示す斜視図である。
図2は、レンチを側面からみて示す部分断面図である。
図3は、レンチを部品に分解して示す斜視図である。
図4は、レンチ駆動ハウジングの下部を示す斜視図である。
図示のように、レンチ10は、表面に刻み目が設けられるとともに固定アーム14の上に取り付けられたスリーブ12からなるハンドル11を備え、このハンドル11は駆動ハウジング15の長手軸に垂直な面に沿って延びる。ハウジングの上部16にはスプラインが形成された円筒状内面17が設けられ、一方、下部18には切頭円錐状の肩部20の下側に同心に位置するフラットな円筒状内面19が設けられる。
ベベルタイプの駆動リングギヤ21は、フラットな円筒状外面22とこれと同心でスプラインが形成された円筒面23を有する内周面とを備え、この内周面のスプラインはハウジングの上部のスプラインと同一形状である。このリングギヤ21はハウジングの下部18内にこれと同心で且つ回転自在に配設される。
アーム14は駆動ハウジングと一体に形成された円筒チューブ状の部材であり、その内部に回転シャフト24が配設されている。このシャフトの内端部にはベベルピニオンギヤ25が形成されており、駆動ハウジングに隣接して位置する円筒状アーム14のテーパ状に形成された内端に嵌入している。さらに、このテーパ状内端には、図4から最も良く分かるように、ハウジング下部18の円錐状肩部20の上に位置して開口26が形成されており、この開口を介してベベルピニオンギヤがベベルリングギヤ21と噛み合っている。このテーパ面は、駆動ハウジングの上部のスプラインを有した円筒状内面17にまでは侵入しないように形成されている。
シャフト24の外端はアーム14を越えて延び、ハンドルのスリーブ12にスプライン結合される突起27が設けられている。このシャフトは、アーム内のアンダーカット部31内に配設されたサークリップ30によって所定位置に位置決めされている。スリーブ12はシャフト24およびベベルピニオンギヤ25を介してベベルリングギヤ21に繋がれてこれを回転させる部材としての役割を果たす。
出力駆動部材13が、ハウジングの上部16の段部33内に上部フランジ32が位置して、駆動ハウジングおよびリングギヤ内でこれらと同心上で回転するように配設されている。リングギヤ21の底面に形成された段部35に対応するアンダーカット34が駆動部材の下部に設けられており、スプリングファスナー36によって両部材(駆動部材とリングギヤ)がハウジング15内に保持される。多角形状突起37、本例の場合には標準的な矩形状の駆動スタッドが、スプリング付勢ボール38を有して駆動部材から突出しており、このレンチで回転されるための通常の駆動ソケットもしくはその他の部材がここに取り付け可能である。
出力駆動部材13には、一次および二次ラチェット手段が設けられている。これらは、軸方向に延びた円筒孔41と交差する上部および下部スロット39,40と、これらスロットにピン44に枢支されて配設された二つの爪42,43とから構成され、これら爪は同時に揺動するが、それぞれハウジング上部のスプラインを有した内面および駆動リングギヤのスプラインを有した内面と噛合して、第1および第2ラチェット手段を構成する。爪の揺動位置は軸方向円筒孔41内に配設されたセレクタースイッチ45によって決まり、このスイッチは、上部プレート52に形成されたフィンガーグリップ54と、スピンドル46と、ベアリングピン47,48と、スプリング49,50とを有する。
スイッチのスピンドル46は円筒孔41内に回転可能に配設され、このとき上部プレート52は駆動部材の表面に形成された対応凹部53内に位置する。ベアリングピン47,48はスピンドルから突出して爪42,43の内面に当接する。スピンドルの穴55,56内においてピンの内側に位置するスプリング49,50によってピンが爪を押し、爪を同時に且つ同一方向に付勢する。スピンドルの回転限界範囲はベアリングピンがスロット39,40の側面に当接して決まり、さらに、ピンがスロットの上面に当接することによりセレクタースイッチ機構全体を駆動部材内に保持する。
このレンチ10の使用は、以下に説明するように、従来すなわち一次モードと、非従来すなわち二次モードと、これらモードの組み合わせとのいずれかの下で行われる。
一次モードでの使用においては、ハンドル11は出力駆動軸のまわりでいずれの方向にも揺動される。一方の方向においては、一次ラチェット機構が上部側爪42およびスプライン付内面17を介して駆動ハウジング15を駆動部材13と接続させ、駆動部材をこれと同方向に回転させる。一方、二次ラチェット機構において下部側爪43はリングギヤ21のスプライン付内面23と係合するが、これら部材は、回転スリーブ12がハンドル11上で回転しない限りレンチと一体回転するため、駆動されることもスリップすることもない。反対方向の回転においては、一次ラチェット機構は駆動部材13とハウジング15との係合を解放し、駆動部材が繋がれている締結物がこの回転に対する十分な抵抗力を有する限り、駆動部材は回転しない。一方、下部側爪43を有した二次ラチェット機構は駆動リングギヤ21と駆動部材13との係合を解放する。
このことから分かるように、第1の方向の回転ではリングギヤ21とシャフト24との間の運動はなく、ハンドルスリーブ12は回転しない。これと反対方向の回転では二次ラチェット機構の回転抵抗に比例する小さな力がハンドルに作用するが、下部側爪を付勢するスプリング50がたわむのでハンドルは回転しない。
二次モードでの使用においては、スリーブ12がアーム14の長手軸のまわりでいずれかの方向に回転される(捻られる)。一方の方向の回転においては、二次ラチェット機構が、下部爪43を介して駆動リングギヤ21のスプライン付内面23を駆動部材13と係合させ、駆動部材を同一方向に回転させる。一方、一次ラチェットの上部爪42が駆動部材と駆動ハウジングのスプライン付内面17との係合を解放する。これと逆方向の回転においては、二次ラチェット機構が駆動部材13とリングギヤ21との係合を解放し、上部爪42がスプライン付き表面17と駆動部材13とを係合させ、駆動リングによりスリップする爪43に作用するどのような残留力に対しても「ラチェット方向」の回転を阻止する。
逆「ラチェット」方向においては、スリーブ12が回転されても駆動部材13が駆動ハウジング15によって静止保持されるので、非常に弱い締結力の締結物のときでもレンチのラチェット作用が得られないようなことがなくなる。さらに、このレンチを上記両モードの組み合わせの下で使用すること、すなわち、スリーブ12を捻りながらアーム14を揺動させるような使用も可能であり、これにより駆動部材13を速く回転させることができる。
以上においては本発明の実施例を詳細に説明したが、本発明の範囲内において、様々な変形例および修正例が他にもある。
Claims (10)
- ハンドルを第1軸のまわりで手動回転させる第1のモードと、前記ハンドル上のシャフトを前記第1軸と交差する第2軸のまわりで手動回転させる第2のモードとを備え、前記二つのモードのいずれかにおける前記ハンドルでの手動往復運動のそれぞれを入力運動として、これを断続的な回転の出力運動として伝達するラチェットレンチであって、
前記第1軸のまわりで回転可能な出力駆動部材(13)と、
前記出力駆動部材を含む駆動ハウジング(15)と、
前記第1軸のまわりで前記駆動ハウジングを回転させるため前記駆動ハウジングに設けられた前記ハンドル(11)と、
前記ハンドルに取り付けられるとともに前記第2軸のまわりで回転可能な前記回転部材(24)と、
前記駆動ハウジング内において前記出力駆動部材を囲んで配設され、前記出力駆動部材に対して前記第1軸のまわりで回転可能に設けられた駆動リング(21)と、
前記第2軸のまわりで前記回転部材の回転と前記第1軸のまわりで前記駆動リングの回転とを接続するカップリング手段(25)と、
前記出力駆動部材を前記駆動ハウジングに対して一方向にのみ選択的に接続させる一次ラチェット手段(17,42)と、
前記出力駆動部材を前記駆動リングを介して前記回転部材に対して一方向にのみ選択的に接続させる二次ラチェット手段(23,43)とを有してなり、
前記ハンドル(14)を前記第1軸のまわりで手動回転させるか前記回転部材(24)を前記第2軸のまわりで手動回転させるかして、前記出力駆動部材(13)を選択された方向に回転させることができ、
前記一次ラチェット手段(17,42)が前記駆動ハウジングと前記出力駆動部材との間に配設されており、前記二次ラチェット手段(23,43)が前記駆動リングと前記出力駆動部材との間に配設されていることを特徴とするラチェットレンチ。 - 前記二次ラチェット手段が、前記駆動リング(21)に設けられたスプライン付円筒内面(23)と、このスプライン付円筒内面(23)と共動する調整可能爪(43)とからなることを特徴とする請求項1に記載のラチェットレンチ。
- 前記一次ラチェット手段が、前記駆動ハウジング(15)に形成されたスプライン付円筒内面(17)と、このスプライン付円筒内面(17)と共動する調整可能爪(42)とからなり、前記一次調整可能爪(42)および前記二次調整可能爪(43)がともに前記出力駆動部材(13)に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のラチェットレンチ。
- 前記一次および二次ラチェット手段がリンクされたセレクター手段(45)を有し、このセレクター手段により前記一次および二次ラチェット手段(23,43)の両方と前記出力駆動部材との接続状態の切換を同時に行い、前記ハンドルもしくは前記回転部材の操作に応じて前記出力駆動部材を二方向のうちの選択されたいずれかの方向に回転させるようになっていることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のラチェットレンチ。
- 前記一次および二次ラチェット手段が、前記駆動部材(13)に取り付けられた一次爪(42)と二次爪(43)とからなり、前記セレクター手段が、前記駆動部材における軸方向円筒孔に配設されるスピンドル(46)と、前記スピンドルの各回転位置に対応する二つの作動位置の間で前記爪を揺動させるための保持手段(47,48)とからなることを特徴とする請求項4に記載のラッチェットレンチ。
- 前記ハンドル(11)は円筒形状のアーム(14)を備えて、前記回転部材は前記アーム内に延びて配設されるシャフト(24)を備えてそれぞれ構成され、前記シャフトは前記駆動リングにおける前記スプライン付内面(23)の方向に延びており、前記カップリング手段は前記シャフトの内側の端部に備えられていることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のラチェットレンチ。
- 前記駆動リング(21)が、前記駆動ハウジング(15)内に同心に配接されたベベルギヤを有し、前記ハンドル(11)が円筒形状のアーム(14)を有し、前記回転部材が前記アーム内に延びて配設されるシャフト(24)を有し、前記カップリング手段が前記シャフト(24)の内側の端部に設けられたベベルピニオン(25)からなることで、前記ベベルピニオンと前記ベベルギヤが前記端部の前記穴部(26)を通じて常時噛合することを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のラチェットレンチ。
- 前記カップリング手段(25)が前記回転部材(24)と前記駆動リング(21)とを常時結合させ、前記出力駆動部材(13)が、前記ハンドル(14)を前記第1軸のまわりで手動回転させることによりおよび前記回転部材(24)を前記第2軸のまわりで手動回転させることにより選択された方向に常に回転自在であることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のラチェットレンチ。
- 前記ハンドル(14)内に配設された前記回転部材(24)が、前記ハンドルにおける円筒状のアーム固定位置の外側を延びるスリーブ部分(12)を有することを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のラチェットレンチ。
- 前記駆動リング(21)が、前記駆動ハウジング(15)内に同心に配接されたベベルギヤを有するとともに、前記第1軸のまわりで前記出力駆動部材(13)に対して回転可能であり、
前記二次ラチェット手段(23,43)が前記駆動リングと前記出力駆動部材との間に配設されており、
前記スリーブ部分(12)が、前記アームより突出して延びる前記シャフトに取り付けられており、
前記カップリング手段が前記シャフト(24)の内側の端部に設けられたベベルピニオン(25)からなり、前記ベベルピニオンと前記ベベルギヤが前記端部の前記穴部(26)を通じて常時噛合されていることで、
前記ハンドル(11)が、前記駆動ハウジングに固設された円筒形状のアーム(14)を有して、前記駆動ハウジングを前記第1軸のまわりで回転可能となり、
前記回転部材が、前記アーム固定位置の外側における前記ハンドル上に設けられた前記スリーブ部分(12)を有して、前記第2軸のまわりで回転可能となることを特徴とする請求項1に記載のラチェットレンチ。
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