JP3726770B2 - 連続酸洗方法および連続酸洗装置 - Google Patents
連続酸洗方法および連続酸洗装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3726770B2 JP3726770B2 JP2002119174A JP2002119174A JP3726770B2 JP 3726770 B2 JP3726770 B2 JP 3726770B2 JP 2002119174 A JP2002119174 A JP 2002119174A JP 2002119174 A JP2002119174 A JP 2002119174A JP 3726770 B2 JP3726770 B2 JP 3726770B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pickling
- acid solution
- supply amount
- solution supply
- continuous
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23G—CLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
- C23G3/00—Apparatus for cleaning or pickling metallic material
- C23G3/02—Apparatus for cleaning or pickling metallic material for cleaning wires, strips, filaments continuously
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23G—CLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
- C23G1/00—Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
- C23G1/02—Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts with acid solutions
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23G—CLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
- C23G3/00—Apparatus for cleaning or pickling metallic material
- C23G3/02—Apparatus for cleaning or pickling metallic material for cleaning wires, strips, filaments continuously
- C23G3/021—Apparatus for cleaning or pickling metallic material for cleaning wires, strips, filaments continuously by dipping
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続酸洗方法および連続酸洗装置に関する。より具体的には、本発明は、例えば、熱間圧延を終了した鋼帯の表面に存在するスケールを除去するための連続酸洗方法および連続酸洗装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、熱間圧延を行われた鋼帯の表面には、酸化物からなるスケールが存在する。このスケールは、一般的に、鋼帯を例えば塩酸等からなる酸洗液に連続的に浸漬させることにより行われる酸洗によって、除去される。この酸洗は、通常、3槽〜5槽程度の酸洗槽を備える連続酸洗装置を用いて行われる。
【0003】
図6は、4槽の酸洗槽2a〜2dを備える連続酸洗装置1を模式的に示す説明図である。同図に示すように、酸洗は、鋼帯3を連続酸洗装置1の第1槽2a、第2槽2b、第3槽2cおよび第4槽(最終槽)2dに順次連続的に通板させることにより、行われる。各酸洗槽2a〜2dに収容される酸洗液は、鋼帯3との反応や鋼帯3による持ち出しにより、徐々に減少する。そのため、この連続酸洗装置1では、酸液供給装置4から最終槽2dに酸液を供給する。そして、供給された酸液を、隣接する各酸洗槽2a〜2dの間に設けられた酸液輸送配管5a〜5cを介して下流側の酸洗槽から上流側に隣接する酸洗槽へ順次輸送する。第1槽2aからオーバーフローする酸洗液は、回収装置6に送られて回収され、再利用される。
【0004】
このように、連続酸洗装置1では酸洗液を各酸洗槽2a〜2d間で循環させるため、各酸洗槽2a〜2dに収容される酸洗液の酸濃度は異なる。例えば、最終槽2dにおける酸濃度は12%程度(本明細書では特にことわりがない限り「%」は「重量%」を意味するものとする)であるのに対し、第1槽2aでは3%程度である。第3槽2cおよび第2槽2bそれぞれにおける酸濃度は、最終槽2dおよび第1槽2aそれぞれの酸濃度の中間の濃度となる。
【0005】
この連続酸洗装置1では、最終槽2dへの酸液の供給量を決定するには、少なくとも最終槽2dに収容された酸洗液の実際の酸濃度を測定する必要がある。酸濃度の測定には、公知の滴定式分析計(例えば商品名「タイトレータ」)や、導電率、密度および温度から濃度を連続的に測定する方法等がある。
【0006】
滴定式分析計を用いた場合、酸洗液の酸濃度を短時間で測定できないことを補うために、例えば、特開昭57−174473号公報には、酸洗液の酸濃度を測定せずに鋼帯の寸法や材質等に基づいて酸液の供給量を演算により求める発明が開示されている。また、特開平7−54175 号公報には、酸洗液の酸濃度を測定せずに酸洗の前後における鋼帯の板厚の測定値に基づいて酸液の供給量を演算により求める発明が開示されている。これらの従来の技術によれば、酸液を供給される酸洗槽(図6の連続酸洗装置1の場合には最終槽2d)に収容された酸洗液の酸濃度を、制御精度は±3〜5%程度と低いものの、目標値に制御できる。
【0007】
これらの従来の技術では、1槽のみに酸液を供給するため、酸液を供給される酸洗槽以外の酸洗槽に収容される酸洗液の酸濃度を高めることが容易ではない。このため、連続酸洗装置1を備える酸洗工程の酸洗速度を上昇させることによって酸洗工程の生産性を向上させることができない。すなわち、連続酸洗装置1の酸洗速度を向上するには、酸液を供給される最終槽2dへの酸液の供給量を増加することによって、各酸洗槽2a〜2dに収容される酸洗液の酸濃度を全体的に高める必要がある。しかし、最終槽2dの酸洗液の酸濃度が約12%を越えると、酸洗液である塩酸の蒸気圧が高くなる。このため、最終槽2dにおいて蒸発による塩酸の消費量が増加し、酸洗液に要するコストが著しく増加する。したがって、最終槽2d以外の各酸洗槽2a〜2cに収容される酸洗液の酸濃度を目標値に制御することができず、酸洗速度を向上することができない。
【0008】
また、特開平7−54175 号公報により開示された発明により給酸量を制御するためには、酸洗槽の前後で鋼板の板厚を測定する必要がある。ここで、鋼板の表面におけるスケールの厚さは3〜12μm程度であることから、スケールの厚さを定量化するためには、鋼板の板厚もμm単位の精度で測定する必要がある。しかし、鋼板の板厚はμm単位でばらつくものであることから、連続的に走行する熱延鋼板の板厚をμm単位の精度で測定することは、極めて困難である。
【0009】
一方、特開平9−125270号公報には、酸洗槽および循環タンクを用い、原則として、酸濃度の分析値が目標の下限値より低い場合は給酸のみを行い、一方、酸濃度の分析値が目標の上限値より高い場合には給水のみを行うことによって、酸洗槽の酸濃度を制御する発明が開示されている。しかし、この発明は、基本的にフィードバック制御を主体とするものであり、制御の応答性が悪い。このため、この発明によっても酸濃度のばらつきを小さく抑制することはできない。
【0010】
さらに、特開平10−306391号公報には、鋼板の板厚、板幅さらにはスケール量に関する鋼板の状態量と、酸洗槽に供給される酸の濃度、供給量、酸の液温、ラインスピードさらには酸洗槽に入る直前のストリップ温度に関するプラントの運転状態量とを監視し、その値を用いて任意の複数部分の酸洗槽内の脱スケーリング率を求め、その値に基づいてプラントの最適運転状態量を決定する発明が開示されている。この発明は、酸洗における脱スケール現象を数式化して給酸量を制御するものである。しかし、実際の酸洗では、特に高温巻取り材のようなウィスタイト(FeO) が多量に生成する鋼板では、酸洗中にスケールが剥離し脱スケールが進行する。このため、このスケールの剥離量を、複数個に分割された酸洗槽の各分割領域について定量化することは極めて困難である。したがって、この発明は制御の応答性が低く、この発明によっても酸濃度のばらつきを小さく抑制できない。
【0011】
そこで、本発明者は、先に特開2000−297390号公報により連続酸洗装置にかかる発明を開示した。この連続酸洗装置は、連続酸洗装置を構成する複数の酸洗槽のうちの2以上の酸洗槽と、2以上の酸洗槽へそれぞれ酸液を供給する酸液供給系と、2以上の酸洗槽にそれぞれ収容された酸洗液の酸濃度をそれぞれ連続的に測定する酸濃度連続測定装置と、2以上の酸洗槽にそれぞれ収容された酸洗液の酸洗時における酸消費量の予測値を、酸洗時の酸洗条件からそれぞれ算出し、算出した予測値に基づいて酸液供給量を決定して酸液供給系へ酸液供給信号を出力するとともに、酸液供給系から2以上の酸洗槽へ酸液が供給された後に酸濃度連続測定装置から出力される酸濃度の連続的な測定値に基づいて、2以上の酸洗槽にそれぞれ収容された酸洗液の酸濃度がいずれも目標値に一致するように、酸液供給系へ酸液供給信号を出力する制御装置とを組み合わせて備える。
【0012】
この提案にかかる連続酸洗装置は、連続酸洗装置を構成する複数の酸洗槽のうちの2以上の酸洗槽にそれぞれ収容された酸洗液の酸洗時における酸消費量の予測値を、酸洗時の酸洗条件に基づいて算出し、算出した予測値に基づいて2以上の酸洗槽それぞれへの酸液供給量を決定して酸液を供給し、酸液を供給された2以上の酸洗槽にそれぞれ収容される酸洗液の酸濃度を連続的に測定し、測定された酸濃度の連続的な測定値に基づいて、2以上の酸洗槽にそれぞれ収容された酸洗液の酸濃度がいずれも目標値に一致するように、2以上の酸洗槽への酸液供給量を制御する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
この連続酸洗装置は、各酸洗槽からの酸洗液の蒸発量をできるだけ抑制しながら、各酸洗槽に収容された酸洗液の酸濃度を、いずれも高めて目標値に近づけることができる。このため、この装置によれば、既存の連続酸洗設備に対する改造をできるだけ抑制しながら、この連続酸洗設備を用いた酸洗の生産性を高めることができる。
【0014】
本発明は、この連続酸洗装置および連続酸洗方法をさらに発展および改良するものである。
本発明の目的は、酸液を供給される酸洗槽からの酸洗液の蒸発量をできるだけ抑制しながら、各酸洗槽に収容された酸洗液の酸濃度を高めて所望の値に近づけることができ、これにより、酸洗の生産性を向上することができる連続酸洗方法および連続酸洗装置を提供することである。また、本発明の目的は、このような連続酸洗方法および連続酸洗装置を、既存の連続酸洗設備に対する改造をできるだけ抑制しながら、提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、連続酸洗装置を構成する複数の酸洗槽のうち2以上の酸洗槽に酸液をそれぞれ供給しながら、搬送される鋼帯の酸洗を行うに際し、鋼帯のスケールの厚さと、鋼帯の板幅と、鋼帯の搬送速度とを用いて単位時間当たりの総酸液供給量を求め、鋼帯の酸洗パターンと、鋼帯の搬送速度とを用いて2以上の酸洗槽それぞれへの単位時間当たりの酸液供給量の分配率を求め、求めた総酸液供給量と分配率とから2以上の酸洗槽それぞれへの単位時間当たりの酸液供給量を算出し、算出した酸液供給量に基づき2以上の酸洗槽それぞれへの酸液供給量制御を行うことを特徴とする連続酸洗方法である。
【0016】
本発明にかかる連続酸洗方法では、酸液供給量の分配率が予め定めた複数個の設定値のうちから選択される値を用いて決定されることが例示される。
これらの本発明にかかる連続酸洗方法では、スケールの厚さが、鋼帯の鋼種に基づいて予め定めた複数個の設定値のうちから選択される値を用いることが例示される。
【0017】
ここで、「鋼種に基づいて」とは、スケールの厚さに大きな影響を及ぼす鋼成分と熱間圧延後の巻取温度とに基づいて、スケールの厚さの設定値を決定することを意味する。したがって、同じ鋼成分を有する二つの鋼帯であっても巻取条件が異なる場合には別の鋼種と定義することを意味する。また、スケールの厚さが近似した鋼種をまとめて複数のグループに分類し、分類したそれぞれのグループを一つの設定値により代表してもよい。
【0018】
さらに、上述したスケールの厚さおよび分配率それぞれの設定値の個数は、特定の値には制限されない。酸洗装置で処理する鋼種の種類に応じて、スケールの厚さを1個以上適宜設定すればよく、また分配率も1組以上適宜設定すればよい。
【0019】
これらの本発明にかかる連続酸洗方法では、酸液供給量の分配率が、予め定めた複数個の設定値のうちから鋼帯の搬送速度に基づいて選択される値を用いて決定することが例示される。
【0020】
これらの本発明にかかる連続酸洗方法では、算出した酸液供給量に、2以上の酸洗槽にそれぞれ収容された酸液の濃度の測定値とこの濃度の設定値との偏差に基づいた単位時間当たりの酸液供給量の修正値を加算することによって得られた単位時間当たりの酸液供給量に基づき、2以上の酸洗槽それぞれへの酸液供給量制御を行うことが例示される。
【0021】
これらの本発明にかかる連続酸洗方法では、酸液供給量の修正値に基づいて、予め定められたスケールの厚さの設定値および/または分配率の設定値を、この修正値が零となるように修正して設定することが例示される。
【0022】
これらの本発明にかかる連続酸洗方法では、2以上の酸洗槽が、少なくとも最終酸洗槽を含むことが例示される。
別の観点から、本発明は、複数の酸洗槽を備え、これら複数の酸洗槽のうち2以上の酸洗槽に酸液をそれぞれ供給しながら、搬送される鋼帯の酸洗を行う連続酸洗装置であって、複数の酸洗槽へそれぞれ酸液を供給する酸液供給装置と、鋼帯のスケールの厚さと、鋼帯の板幅と、鋼帯の搬送速度とを用いて単位時間当たりの総酸液供給量を求め、鋼帯の酸洗パターンと、鋼帯の搬送速度とを用いて2以上の酸洗槽それぞれへの単位時間当たりの酸液供給量の分配率を求め、求めた総酸液供給量と分配率とから2以上の酸洗槽それぞれへの単位時間当たりの酸液供給量を算出し、算出した酸液供給量に基づき2以上の酸洗槽それぞれへの酸液供給量制御を行う制御装置とを備えることを特徴とする連続酸洗装置である。
【0023】
この本発明にかかる連続酸洗装置では、酸液供給量の分配率が予め定めた複数個の設定値のうちから選択される値を用いて決定されることが例示される。
本発明にかかる連続酸洗装置では、スケールの厚さが、鋼帯の鋼種に基づいて予め定めた複数個の設定値のうちから選択される値を用いることが例示される。
【0024】
本発明にかかる連続酸洗装置では、酸液供給量の分配率が、予め定めた複数個の設定値のうちから鋼帯の搬送速度に基づいて選択される値を用いて決定することが例示される。
【0025】
本発明にかかる連続酸洗装置では、制御装置が、算出した酸液供給量に、2以上の酸洗槽にそれぞれ収容された酸液の濃度の測定値とこの濃度の設定値との偏差に基づいた単位時間当たりの酸液供給量の修正値を加算することにより得られた単位時間当たりの酸液供給量に基づき2以上の酸洗槽それぞれへの酸液供給量制御を行うことが例示される。
【0026】
本発明にかかる連続酸洗装置では、予め定められたスケールの厚さの設定値および/または分配率の設定値は、酸液供給量の修正値に基づいて、この修正値が零となるように、修正して設定することが例示される。
【0027】
さらに、本発明にかかる連続酸洗装置では、2以上の酸洗槽が、少なくとも最終酸洗槽を含むことが例示される。
これらの本発明にかかる連続酸洗装置では、連続酸洗装置が、下流側の酸洗槽に収容された酸洗液を上流側に隣接する酸洗槽へ順次オーバーフローさせる型の連続酸洗装置、または、下流側の酸洗槽に収容された酸洗液を上流側に隣接する酸洗槽へ順次輸送する型の連続酸洗装置であることが望ましい。
【0028】
これらの本発明にかかる連続酸洗装置では、酸濃度測定装置が、少なくとも、2以上の酸洗槽にそれぞれ設けられ、測定をすることが望ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる連続酸洗方法および連続酸洗装置の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の実施の形態の説明では、酸洗液が塩酸であるとともに、本発明者らが特開平2000−313978号公報および特開平2000−313979号公報において提案した酸濃度連続測定装置13を用いる場合を例にとる。なお、本発明の実施に際しては、この酸濃度連続式測定装置13を用いて酸濃度測定を行うことが望ましいが、本発明はこの形態に限定されるものではなく、例えば滴定式等の間欠的測定装置を用いて行うことも可能である。
【0030】
図1は、本実施の形態の連続酸洗装置10の構成を模式的に示す説明図である。また、図2は、この連続酸洗装置10の第3槽11c および最終槽11d を抽出してその制御フローを模式的に示す説明図である。図1および図2にそれぞれ示すように、この連続酸洗装置10は、酸洗槽11a 〜11d と、酸液供給系12と、酸濃度連続測定装置13c 、13d と、フィードバック制御装置14と、酸洗ライン制御装置24とを備える。以下、これらの構成要素について順次説明する。
【0031】
〔酸洗槽11a 〜11d 〕
この連続酸洗装置10は、4つの酸洗槽11a 〜11d を有する。酸洗槽11a が第1槽であり、酸洗槽11b が第2槽であり、酸洗槽11c が第3槽であり、さらに酸洗槽11d が最終槽である。
【0032】
酸洗される鋼帯15は、第1槽11a 、第2槽11b 、第3槽11c および最終槽11d の順に、各酸洗槽11a 〜11d に収容された酸洗液に順次浸漬される。そして、最終槽11d を出た鋼帯15は、次工程に送られる。
【0033】
また、この連続酸洗装置10では、下流側の酸洗槽に収容された酸洗液が上流側に隣接する酸洗槽へ順次オーバーフローする。すなわち、最終槽11d に収容された酸洗液が第3槽11c へオーバーフローし、第3槽11c に収容された酸洗液が第2槽11b へオーバーフローし、第2槽11b に収容された酸洗液が第1槽11a へオーバーフローする。そして、第1槽11a からオーバーフローする酸洗液は、図示しない回収装置へ送られて回収され、再利用される。
【0034】
本実施の形態の酸洗槽11a 〜11d は、以上のように構成される。
〔酸液供給系12〕
本実施の形態の連続酸洗装置10は、酸液供給系12を有する。本実施の形態の酸液供給系12は、第3槽11c に酸液を供給する第3槽酸液供給装置12c と、最終槽11d に酸液を供給する最終槽酸液供給装置12d とにより構成される。第3槽酸液供給装置12c および最終槽酸液供給装置12d は、いずれも、流量調整弁16を介して、図示しない酸液供給源に接続されている。第3槽酸液供給装置12c および最終槽酸液供給装置12d にそれぞれ設けられた流量調整弁16は、いずれも、後述するフィードバック制御装置14に接続されており、フィードバック制御装置14から出力される酸液供給信号によって弁の開度が制御される。
【0035】
この流量調整弁16は、管路に設けられた流量計の信号をフィードバックして流量調整弁の開度制御をすることがより好ましい。これらの流量調整弁により、第3槽酸液供給装置12c から第3槽11c への酸液の供給量と、最終槽酸液供給装置12d から最終槽11d への酸液の供給量とが、個別に制御される。
【0036】
なお、本実施の形態では第3槽11c および最終槽11d に酸液を供給する。しかし、この形態とは異なり、第2槽11b やさらには第1槽11a にも第3槽酸液供給装置12c および最終槽酸液供給装置12d と同様の酸液供給装置をそれぞれ設けて、酸液を個別に供給するようにしてもよい。
【0037】
本実施の形態の酸液供給系12は、以上のように構成される。
〔酸濃度連続測定装置13c 、13d 〕
本実施の形態では、第3槽11c には酸濃度連続測定装置13c が設けられるとともに、最終槽11d には酸濃度連続測定装置13d が設けられる。酸濃度連続測定装置13c および酸濃度連続測定装置13d は、同一のものであることが望ましい。これらの酸濃度連続測定装置は応答速度、精度の面から特開平2000−313978号公報または特開平2000−313979号公報に開示された酸濃度計を用いるのが望ましく、その詳細は同公報に開示されているので説明は省略する。
【0038】
なお、本実施の形態では、第3槽11c および最終槽11d にそれぞれ酸濃度連続測定装置13c 、13d を設けたが、かかる態様に限定されるものではなく、図1に図示するように、第2槽11b にも酸濃度連続測定装置13b を設け、さらに必要に応じて第1槽11a にも酸濃度連続測定装置13a を設け、これらの出力値もフィードバック制御装置14に入力するように構成してもよい。
【0039】
〔酸洗ライン制御装置24〕
本実施の形態の連続酸洗装置10は、酸洗ライン制御装置24を有する。この酸洗ライン制御装置24は、第3槽11c に収容された酸洗液の酸洗時における酸供給量と、最終槽11d に収容された酸洗液の酸洗時における酸供給とを、いずれも、酸洗時の鋼帯15の表面に存在するスケールの厚さ、および、2以上の酸洗槽への分配率について予め定められた設定値をいずれも用いて、算出する。
【0040】
第3槽11c および最終槽11d それぞれにおける酸消費量の計算は、酸洗ライン制御装置24に入力される、鋼帯15の材質や寸法、通板速度、酸液組成、酸液温度さらには各槽の寸法等といった酸洗時の酸洗条件にも基づいて行われるが、特定の手段には限定されない。少なくとも、酸洗時の鋼帯15の表面に存在するスケールの厚さ、および、2以上の酸洗槽への分配率について計算を行えばよい。
【0041】
すなわち、酸洗時の鋼帯15の表面には、厚さが3〜12μm程度のスケール層が存在しており、酸洗時の各酸洗槽における単位時間当たりの酸消費量はこの厚さに略比例する。このため、酸消費量の総量Sは、鋼帯15の表面におけるスケール層の厚さt、板幅W、鋼帯15の搬送速度L/S および換算係数Aに基づいて、S=A・t・W・(L/S) として求められる。
【0042】
一方、酸洗は、図3にグラフで例示するように、同じ搬送速度で酸洗をする場合、実線で示す酸洗パターン (本明細書では単に「パターン」ともいう) 1、破線で示すパターン2および一点鎖線で示すパターン3という、3つのパターンに大別される。この例は、酸洗の進行パターンが、鋼帯15の酸洗完了位置に応じた3種類に分類される場合である。例えば、図3にグラフで示すパターン1に分類された鋼帯と、パターン3に分類された鋼帯とを比較する場合を考えると、酸洗が完了する位置がパターン3に分類された鋼帯の方が、パターン1に分類された鋼帯よりも下流側になることから、第4槽11d における酸消費量が増加する。このため、パターン3に分類された鋼帯を酸洗する場合には、パターン1に分類された鋼帯を酸洗する場合に対して、分配率の設定値を異ならせる必要がある。つまり、鋼帯15の搬送速度に基づいて酸洗のパターンを分類して最適化する必要がある。この分類の数は、酸洗装置で処理する鋼種の種類に基づいて、1パターン以上で適宜設定すればよい。この酸洗パターンは、基準となる固定した搬送速度の条件で、スケールの厚さと酸洗速度に依存して変化する。
【0043】
例えば、酸洗速度が同等な鋼種において、スケールの厚さが厚い場合、酸洗完了位置は下流側へ移動し、パターン3のようになるが、スケールの厚さが薄い場合は逆に上流側へ移動し、パターン1のようになる。
【0044】
また、スケールの厚さが同等な鋼種において、酸洗速度が遅い場合、酸洗完了位置は下流側へ移動し、パターン3のようになるが、酸洗速度が速い場合は逆に上流側へ移動し、パターン1のようになる。
【0045】
この場合の酸洗速度は単位時間あたりの酸洗減量値を意味し、鋼成分や鋼帯の製造条件に依存したスケール組成、圧延等によるスケール中のクラックの数等鋼帯の前工程での条件、さらに酸濃度、酸洗温度、酸液の流動等の酸洗条件等によって変化する。
【0046】
つまり、第3槽11c および最終槽11d に酸液を補給する場合は、鋼帯の鋼種に応じて鋼帯15の搬送速度に基づいて定めた分配率を用いて、酸消費総量Sを各槽に分配すればよいことになる。ここで、第3槽11c および最終槽11d それぞれへの分配量S3、S4は、分配係数 (分配率) をP (0≦P≦1) とすると、それぞれ、S3=S・P、S4=S・(1−P) となる。
【0047】
さらに、鋼帯15の表面に存在するスケールの量やスケールの組成は、鋼帯15の巻取温度によっても変動する。この巻取温度は、操業条件のばらつきの他に、季節の変化による熱延鋼板の冷却速度の変動にも起因して変化するため、とりわけ鋼帯15のエッジ部分におけるスケールの量やスケールの組成を変動させる。
【0048】
したがって、スケールの厚さを決定する際には、上述した鋼帯15の鋼成分だけでなく、鋼帯15の巻取温度をも考慮することが望ましい。
このように、第3槽11c および最終槽11d それぞれにおける酸消費量は、鋼帯15の表面に存在するスケール量と酸洗完了位置 (酸洗の進行パターン) とによって変化する。このため、如何に優れた酸洗モデルを用いて酸濃度のフィードフォワード制御を行ったとしても、スケールの厚さの設定値の誤差や、搬送速度に基づいた分配率Pの設定値の誤差が不可避的に発生するため、実操業における制御値を実際の値に完全に一致させることは極めて難しい。
【0049】
このため、本実施の形態では、フィードフォワード制御だけではなく、フィードフォワード制御とともにフィードバック制御をも併用して、第3槽11c および最終槽11d それぞれへの酸液補給量を制御する。
【0050】
すなわち、酸洗ライン制御装置24は、第3槽酸液供給装置12c から第3槽11c へ酸液を供給するとともに最終槽酸液供給装置12d から最終槽11d へ酸液を供給する。また、フィードバック制御装置14は、酸濃度連続測定装置13c 、13d から出力される酸濃度の連続的な測定値と、それぞれの槽の酸濃度目標値との偏差に基づいて、酸液供給系12へ酸液供給信号を加算して、第3槽11c および最終槽11d にそれぞれ収容された酸洗液の酸濃度が目標値に一致するように、フィードバック制御する。
【0051】
このように、フィードフォワード制御に重畳させてフィードバック制御を行うことにより、フィードフォワード制御の欠点である酸液供給量の過不足を、実用上問題ない程度に解消することができる。しかしながら、フィードフォワード制御の誤差が大きい場合においては、フィードバック制御により酸洗液の酸濃度が安定するまでに長時間を要することがある。かかる問題を防止するため、本実施の形態では、フィードフォワード制御の設定値 (パラメータ) をできるだけ実操業に近い値に設定する。
【0052】
例えば、単位面積当たりのスケール減少量(本明細書では「酸洗減量値」という。)を時間に対して1次式を用いて近似する場合、酸洗時間と酸洗減量値との関係は比例関係になる。図4は、この関係の一例を示すグラフである。
【0053】
図4にグラフで示すように、酸洗時間と酸洗減量値との関係は、原点Oを起点とする直線関係となる。すなわち、第1槽11a の出側を通過する時刻t1における酸洗減量値m1、第2槽11b の出側を通過する時刻t2における酸洗減量値m2、第3槽11c の出側を通過する時刻t3における酸洗減量値m3、および最終槽11d の出側を通過する時刻t4における酸洗減量値m4は、いずれも、同一の直線上に位置し、酸洗が完了した時刻t4以降は酸洗減量値が一定となる。この直線の傾きは酸洗速度を示しており、酸洗される鋼帯15の材質や酸洗条件 (酸洗液の温度や組成等) 等により規定される。
【0054】
したがって、各酸洗槽11a 〜11d における酸消費量は、図4のグラフの直線の傾きと、鋼帯15の寸法 (幅) と、鋼帯の搬送速度とを掛け合わせた値として、求められる。このようにして、各酸洗槽11a 〜11d それぞれにおける酸洗液の消費量を算出することができる。なお、本実施の形態のように、酸洗時間と酸洗減量値との関係を直線で近似するのではなく、図4のグラフにおいて一点鎖線で示すように、実際の酸洗曲線に近いS字状曲線により近似すれば、より高精度に各酸洗槽11a 〜11d における酸消費量を算出することができる。
【0055】
すなわち、スケールの厚さの設定値は、酸洗が完了した時の減量値である図4のグラフにおける酸洗減量値m4から算出できる。また、搬送速度に基づいた分配率Pは、第3槽11c および最終槽11d の酸消費量の比により決定できる。酸洗槽11c と11d の分配率Pは、図4のグラフの各槽における減量値 (m3−m2) および (m4−m3) に基づいてP= (m3−m2) /{(m4 −m3) +(m3 −m2) }として算出される。また図3を用いても同様に分配率をPを求めることができる。
【0056】
なお、この時の酸消費量と搬送速度との関係は、以下に示す通りとなる。すなわち、図4のグラフにおける横軸 (t3−t4) は、各酸洗槽11c 、11d を出た時の時間である。このため、搬送速度が遅くなるとこれらの時間は大きくなり、第4槽における酸消費量が減少し、酸洗が完了した時間が時刻t3より小さくなる場合は第4槽11d での酸消費量は実質的に0となる。なお、酸洗抑制剤 (インヒビター) が添加されているため、完全にスケールがなくなった後は酸洗は殆ど進行しない。ここで決定される分配率Pによる制御をさらに精度良くするためには、実酸洗装置を用いて試験を行い、設定値の調整を行うことや本発明の特徴の一つでもある学習制御を用いて、オンラインで設定値を書き換えることが有効な手段である。
【0057】
具体的には、フィードフォワード制御に用いる、酸洗時の鋼帯の表面に存在するスケールの厚さ、および、2以上の酸洗槽への分配率の設定値を、フィードバック制御の修正量に基づいて修正して設定し直す。
【0058】
本実施の形態の制御装置は、以上のように構成される。
次に、4つの酸洗槽11a 〜11d と、酸液供給系12と、酸濃度連続測定装置13c 、13d と、フィードバック制御装置14と、酸洗ライン制御装置24とを備える本実施の形態の連続酸洗装置10を用いて、鋼帯15に酸洗を行う状況を経時的に説明する。
【0059】
図5は、本実施の形態における制御フローを示すブロック図である。以下、この図5も参照しながら説明する。
〔酸消費量の計算〕
図1に示す連続酸洗装置10により、鋼帯15に酸洗が行われている。
【0060】
ここで、図5におけるステップ (以下、単に「S」と記す) 1〜S5により、搬送される鋼板の情報 (鋼種、板幅、巻取り温度等) およびライン速度が酸洗ライン制御装置24に入力され、第3槽11c および最終槽11d にそれぞれ収容された酸洗液の酸消費量が計算される。
【0061】
この算出値には、実際の酸消費量に対する誤差が存在する。そこで、本実施の形態では、後述するように、酸濃度の連続的な測定値を用いて酸液の供給量を制御することにより、この誤差を可及的に低減する。
【0062】
〔算出値に基づく酸液の供給〕
次に、酸洗ライン制御装置24により、第3槽11c および最終槽11d にそれぞれ収容された酸洗液の酸消費量の計算値に基づいて、図5におけるS6により、第3槽11c および最終槽11d それぞれへの酸液供給量が決定される。
【0063】
この際、前述したように、予めテーブル値として図5におけるS2において定められた、酸洗時の鋼帯15の表面に生成するスケールの厚さtの設定値、および、図5におけるS5において定められた、酸洗槽11c 、11d への分配率Pの設定値をともに用いて、S6により、第3槽11c および最終槽11d それぞれへの酸液供給量S3、S4は、S3=A・t・W・(L/S) ・P=S・P、S4=A・t・W・(L/S) ・(1−P)=S・(1−P)として求められる。
【0064】
このように、本発明における「酸液供給量の分配率」とは、酸液を供給する全酸液供給量に対する第3槽への酸液供給量の分配比率を意味する。
なお、S6において第3槽11c および最終槽11d それぞれへの酸液供給量S3、S4を求めるために、S7において入力された搬送速度(L/S) および板幅Wにより、S8において求められた総給酸量S =A・t・W・(L/S) を用いている。
【0065】
そして、酸洗ライン制御装置24から、第3槽酸液供給系12c および最終槽酸液供給系12d それぞれの流量調整弁16、16へ酸液供給信号が出力され、第3槽11c および最終槽11d それぞれへ決定された供給量の酸液が供給される。
【0066】
〔酸濃度の連続測定〕
このようにして、第3槽11c および最終槽11d それぞれへ、決定された供給量S3、S4の酸液が供給された後に、図5におけるS9において酸濃度連続測定装置13c により第3槽11c に収容された酸洗液の酸濃度が連続的に測定されるとともに、酸濃度連続測定装置13d により最終槽11d に収容された酸洗液の酸濃度が連続的に測定される。これらの連続的な測定値は、フィードバック制御装置14に送られる。
【0067】
〔連続測定結果に基づく酸液の供給〕
図5におけるS10において、フィードバック制御装置14では、これらの連続的な測定値と、第3槽11c および最終槽11d にそれぞれ収容された酸洗液の酸濃度の目標値との偏差が求められる。そして、この偏差が零になるように、フィードバック制御装置14から第3槽酸液供給系12c および最終槽酸液供給系12d それぞれの流量調整弁16、16へ酸液供給信号を加算または減算して、第3槽11c および最終槽11d それぞれに対する酸液の供給量S3、S4→S3+FB3 、S4+FB4 が決定される。
【0068】
この際、図5におけるS12において、フィードバック制御の結果に基づき、スケールの厚さtの設定値、および、酸洗槽11c 、11d への分配率Pの設定値がt' 、P' にそれぞれ修正されて再設定される学習制御が行われる。
【0069】
このため、第3槽11c および最終槽11d それぞれへの酸液供給量の予測計算結果S3、S4が有する誤差が略完全に補正される。これにより、本実施の形態によれば、最終槽11d のみならず、第3槽11c に収容された酸洗液の酸濃度を、目標値に迅速かつ正確に近づけることが可能となる。
【0070】
本実施の形態において、最終槽11d だけでなく第3槽11c にも酸液を供給するのは、このように、第4槽11d や第3槽11c にそれぞれ収容された酸洗液の酸濃度を高め、目標値に近づけるためである。したがって、第4槽が最終槽11d となる本実施の形態では、最終槽11d および第3槽11c に酸液を供給したが、例えば第5槽が最終槽となる連続酸洗装置の場合には、最終槽および第3槽それぞれに酸液を供給することが望ましい。
【0071】
本実施の形態では、連続測定結果に基づく酸液の供給を、最終槽11d だけでなく第3槽11c に対しても行うため、最終槽11d に収容された酸洗液の酸濃度を12%超に上昇させることなく、第3槽11c に収容された酸洗液の酸濃度を高めて目標値に近づけることができる。このため、最終槽11d からの酸洗液の蒸発を防止しながら、第3槽11c に収容された酸洗液の酸濃度を高めて目標値に近づけることができる。このため、各酸洗槽11a 〜11d それぞれの酸洗能力をいずれも充分に発揮させて、鋼帯15の酸洗を行うことができる。したがって、本実施の形態によれば、連続酸洗装置10の全体の生産性を顕著に向上することができる。
【0072】
また、本実施の形態は、既存の連続酸洗装置の第3槽11c および最終槽11d の近傍に酸濃度連続測定装置13c 、13d を設け、これらの酸濃度連続測定装置13c 、13d からの出力信号をフィードバック制御装置14へ送るとともに、フィードバック制御装置14および酸洗ライン制御装置24のソフトを一部追加あるいは変更するだけで、実施することができる。このため、既存の連続酸洗設備をできるだけ改造せずに実施することもできる。
【0073】
このように、本実施の形態によれば、従来の生産設備を大幅に改良することなく、不良率の低減と生産性の向上とをともに図ることができる。
【0074】
【実施例】
さらに、本発明を実施例を参照しながら、より具体的に説明する。
図1〜図5を用いて説明した連続酸洗装置1 (各酸洗槽13a 〜13d の容量:60m3、酸洗液の温度:90℃)を用い、本発明にかかる連続酸洗方法と、比較例であるフィードバック制御のみの連続酸洗方法とを用いて、鋼帯15の酸洗を24時間行った。なお、この型の連続酸洗装置を用いた酸洗では、通常、酸濃度変化は1時間で数%程度変化するために、本発明の有用性を評価するには充分な期間である。
【0075】
本実施例では、生産鋼種 (材質および巻取り温度) を、5種類のスケールの厚さと3の酸洗パターンに分類し、基礎実験を行い、その結果に基づいて、分配率を設定したテーブルを作成し、酸洗ライン制御装置24のメモリー部に入力した。
【0076】
従って、生産鋼種が決定されれば、スケール厚さと酸洗パターンが決定され、さらに実際の搬送速度の情報が入力されれば、分配率Pが計算され決定される。本実施例では、分配率Pは、3種類の酸洗パターンに対して3点の基準の搬送速度における分配率をテーブルの設定値として持ち、搬送速度が決定されれば、その搬送速度に対応した分配率を基準搬送速度に基づき内挿して求めた。
【0077】
そして、酸洗槽11c 、11d それぞれへの酸液供給量S3、S4は、酸洗ライン制御装置24において、スケール厚設定値と板幅と搬送速度により総供酸量Sが計算され、搬送速度と分配率設定値とにより実際制御に用いる分配率PをそれぞれS×PとS×(1−P)と計算することにより、決定される。
【0078】
また、本実施例では、この給酸後に、酸濃度連続測定装置13c 、13d からの連続測定値に基づいて、第3槽11c および最終槽11d それぞれに収容された酸洗液の酸濃度がいずれも12%になるように、第3槽酸液供給系12c および最終槽酸液供給系12d それぞれの流量調整弁16、16に対する制御に、いずれもPID 制御を適用し、上述したフィードフォワード制御値に加算することで行った。
【0079】
その結果、第3槽11c および最終槽11d それぞれにおける目標濃度に対する酸洗濃度の振れ幅は、比較例であるフィードバック制御のみの場合には−3.23%〜+3.60%であった。これに対して本発明例である酸濃度連続測定装置13c 、13d からの連続測定値を用いず、フィードフォワード制御のみの場合には−1.5 %〜+1.9 %であり、酸濃度連続測定装置13c 、13d からの連続測定値を併用した場合には−0.4 %〜+0.5 %に向上した。この結果から、本実施例によれば、フィードフォワード制御だけでなくフィードバック制御も併用することが有効であることがわかる。
【0080】
さらに、本実施例では、酸洗ライン制御装置24のメモリー部に入力したテーブル値を自動的に修正できるようにした。すなわち、図5に示すS12において、第3槽11c および最終槽11d への総給酸量をALL3、ALL4とし、t = (ALL3+ALL4)/ (A・W・(L/S))を新しいスケール厚として、酸洗ライン制御装置24のメモリー部に入力した。この時、フィードフォワード制御による給酸量の急激な変動を押さえる目的で、書き換え前のtをt0とし、書き換え後のtをt1とし、また、前述した計算式を用いて計算されるtをt'とすると、t1= t0 + Rt × (t0−t') とし、新しいスケール厚のテーブル値を入力した。なお、 Rt は1以下の定数である。
【0081】
また、この時の搬送速度における分配率Pは、P=ALL3/(ALL3+ALL4) で求め、この時の搬送速度より速い側の基準搬送速度の分配率Pの設定値は外挿により求め、酸洗ライン制御装置24のメモリー部に入力した。この時もスケール厚と同様に、急激な変動を押さえる目的で、書き換え前のPをP0、書き換え後のPをP1、また、前記計算式で計算されるPをP'とすると、P1=P0+ Rp × (P0−P') とし新しい分配率のテーブル値を入力した。なお同様に、 Rp は1以下の定数である。
【0082】
この結果、第3槽11c および最終槽11d それぞれにおける目標濃度に対する酸洗濃度の振れ幅は、−0.2 %〜+0.2 %に顕著に向上した。
(変形形態)
実施の形態および実施例の説明では、4槽の酸洗槽を備える連続酸洗装置を用いた。しかし、本発明は、この形態には限定されず、複数の酸洗槽を備える連続酸洗装置や予備タンクを備えた連続酸洗装置に対しても同様に適用される。
【0083】
また、実施の形態および実施例の説明では、第3槽および最終槽に収容された酸洗液の酸消費量を予測し、これらの酸洗槽に酸液を供給する場合を例にとった。しかし、本発明は、この形態には限定されず、第3槽および最終槽以外の他の酸洗槽に収容された酸洗液の酸消費量も予測し、これらの酸洗槽にも酸液を供給するようにしてもよい。これにより、各酸洗槽に収容された酸洗液の酸濃度を、さらに高精度で制御することができる。
【0084】
また、実施の形態および実施例の説明では、特開平2000−313978号公報および特開平2000−313979号公報等により示された酸濃度連続測定装置を用いた場合を例にとった。しかし、これはあくまでも酸濃度連続測定装置の例示であり、本発明はこれらの酸濃度連続測定装置には限定されない。本発明は、これらの酸濃度連続測定装置以外でも、酸洗槽にそれぞれ収容された酸洗液の酸濃度を測定することができる酸濃度測定装置であれば、同様に適用することができる。
【0085】
また、実施の形態および実施例の説明では、少なくとも最終槽に酸液を供給される連続酸洗装置を用いた。しかし、本発明は、この形態には限定されず、最終槽には酸液を供給されない連続酸洗装置にも対しても、同様に適用される。
【0086】
また、実施の形態および実施例の説明では、下流側の酸洗槽に収容された酸洗液を上流側に隣接する酸洗槽へ順次オーバーフローさせる型の連続酸洗装置を用いた。しかし、本発明は、この形態には限定されず、複数の酸洗槽を有する連続酸洗装置であれば同様に適用される。例えば、図6に示すように、下流側の酸洗槽に収容された酸洗液を上流側に隣接する酸洗槽へ順次輸送する型の連続酸洗装置に対しても、同様に適用される。
【0087】
また、スケールの厚さは、予め設定したテーブル値を用いた。しかし、本発明はこれに限定されず、酸洗ラインの入り側で、例えばX線回折法等の精度の高い方法で測定した値を用いることもできる。
【0088】
また、分配率は基準となる3点の搬送速度に対応する分配率のテーブル値より内挿して求めた。しかし、本発明はこれに限定されず、搬送速度の関数、あるいは鋼種および搬送速度の関数として求めても良い。
【0089】
さらに、実施の形態および実施例の説明では、酸液が塩酸である場合を例にとった。しかし、本発明は、この形態には限定されず、例えば硫酸等の、鋼板に酸洗処理を行うことができる酸液であれば、等しく適用される。
【0090】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明により、各酸洗槽からの酸洗液の蒸発量をできるだけ抑制しながら、各酸洗槽に収容された酸洗液の酸濃度を、いずれも高めて目標値に近づけることができ、これにより、酸洗の生産性を向上することができる連続酸洗方法および連続酸洗装置を、既存の連続酸洗設備をできるだけ改造せずに、提供できることになった。
【0091】
かかる効果を有する本発明の意義は、極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の連続酸洗装置の構成を模式的に示す説明図である。
【図2】実施の形態の連続酸洗装置の第3槽および最終槽を抽出してその制御フローを模式的に示す説明図である。
【図3】酸洗のパターンを示すグラフである。
【図4】酸洗時間と酸洗減量値との関係の一例を示すグラフである。
【図5】本実施例における制御フローを示すブロック図である。
【図6】4槽の酸洗槽を備える従来の連続酸洗装置を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 連続酸洗装置
11c 第3槽
11d 最終槽
12 酸液供給系
13c 、13d 酸濃度連続測定装置
14 制御装置
Claims (14)
- 連続酸洗装置を構成する複数の酸洗槽のうち2以上の酸洗槽に酸液をそれぞれ供給しながら、搬送される鋼帯の酸洗を行うに際し、
前記鋼帯のスケールの厚さと、前記鋼帯の板幅と、前記鋼帯の搬送速度とを用いて単位時間当たりの総酸液供給量を求め、
前記鋼帯の酸洗パターンと、前記鋼帯の搬送速度とを用いて前記2以上の酸洗槽それぞれへの単位時間当たりの酸液供給量の分配率を求め、
前記総酸液供給量と前記分配率とから前記2以上の酸洗槽それぞれへの単位時間当たりの酸液供給量を算出し、算出した該酸液供給量に基づき前記2以上の酸洗槽それぞれへの酸液供給量制御を行うこと
を特徴とする連続酸洗方法。 - 前記酸液供給量の分配率は予め定めた複数個の設定値のうちから選択される値を用いて決定されること
を特徴とする請求項1に記載された連続酸洗方法。 - 前記スケールの厚さは、前記鋼帯の鋼種に基づいて予め定めた複数個の設定値のうちから選択される値を用いること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載された連続酸洗方法。 - 前記酸液供給量の分配率は、予め定めた複数個の設定値のうちから前記鋼帯の搬送速度に基づいて選択される値を用いて決定すること
を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された連続酸洗方法。 - 算出した前記酸液供給量に、前記2以上の酸洗槽にそれぞれ収容された酸液の濃度の測定値と該濃度の設定値との偏差に基づいた単位時間当たりの酸液供給量の修正値を加算することによって得られた単位時間当たりの酸液供給量に基づき、前記2以上の酸洗槽それぞれへの酸液供給量制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された連続酸洗方法。
- 前記酸液供給量の修正値に基づいて、予め定められた前記スケールの厚さの設定値および/または前記酸液供給量の分配率の設定値を、前記修正値が零となるように修正して設定する請求項5に記載された連続酸洗方法。
- 前記2以上の酸洗槽は、少なくとも最終酸洗槽を含む請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された連続酸洗方法。
- 複数の酸洗槽を備え、該複数の酸洗槽のうち2以上の酸洗槽に酸液をそれぞれ供給しながら、搬送される鋼帯の酸洗を行う連続酸洗装置であって、
前記複数の酸洗槽へそれぞれ酸液を供給する酸液供給装置と、
前記鋼帯のスケールの厚さと、前記鋼帯の板幅と、前記鋼帯の搬送速度とを用いて単位時間当たりの総酸液供給量を求め、前記鋼帯の酸洗パターンと、前記鋼帯の搬送速度とを用いて前記2以上の酸洗槽それぞれへの単位時間当たりの酸液供給量の分配率を求め、前記総酸液供給量と前記分配率とから前記2以上の酸洗槽それぞれへの単位時間当たりの酸液供給量を算出し、算出した前記酸液供給量に基づき前記2以上の酸洗槽それぞれへの酸液供給量制御を行う制御装置と
を備えることを特徴とする連続酸洗装置。 - 前記酸液供給量の分配率は予め定めた複数個の設定値のうちから選択される値を用いて決定されること
を特徴とする請求項8に記載された連続酸洗装置。 - 前記スケールの厚さは、前記鋼帯の鋼種に基づいて予め定めた複数個の設定値のうちから選択される値を用いること
を特徴とする請求項8または請求項9に記載された連続酸洗装置。 - 前記酸液供給量の分配率は、予め定めた複数個の設定値のうちから前記鋼帯の搬送速度に基づいて選択される値を用いて決定すること
を特徴とする請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載された連続酸洗装置。 - 前記制御装置は、算出した前記酸液供給量に、前記2以上の酸洗槽にそれぞれ収容された酸液の濃度の測定値と該濃度の設定値との偏差に基づいた単位時間当たりの酸液供給量の修正値を加算することにより得られた単位時間当たりの酸液供給量に基づき、前記2以上の酸洗槽それぞれへの酸液供給量制御を行う請求項8から11までのいずれか1項に記載の連続酸洗装置。
- 予め定められた前記スケールの厚さの設定値および/または前記酸液供給量の分配率の設定値は、前記酸液供給量の修正値に基づいて、該修正値が零となるように、修正して設定する請求項12に記載された連続酸洗装置。
- 前記2以上の酸洗槽は、少なくとも最終酸洗槽を含む請求項8から請求項13までのいずれか1項に記載された連続酸洗装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002119174A JP3726770B2 (ja) | 2001-04-27 | 2002-04-22 | 連続酸洗方法および連続酸洗装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-132264 | 2001-04-27 | ||
JP2001132264 | 2001-04-27 | ||
JP2002119174A JP3726770B2 (ja) | 2001-04-27 | 2002-04-22 | 連続酸洗方法および連続酸洗装置 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003013268A JP2003013268A (ja) | 2003-01-15 |
JP2003013268A5 JP2003013268A5 (ja) | 2004-10-28 |
JP3726770B2 true JP3726770B2 (ja) | 2005-12-14 |
Family
ID=18980299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002119174A Expired - Fee Related JP3726770B2 (ja) | 2001-04-27 | 2002-04-22 | 連続酸洗方法および連続酸洗装置 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20040149323A1 (ja) |
JP (1) | JP3726770B2 (ja) |
KR (1) | KR100527788B1 (ja) |
CN (1) | CN100471999C (ja) |
TW (1) | TWI286165B (ja) |
WO (1) | WO2002088426A1 (ja) |
Families Citing this family (25)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2925530B1 (fr) * | 2007-12-21 | 2010-08-27 | Siemens Vai Metals Tech Sas | Installation et procede pour le decapage en continu de bandes d'acier |
CN101956201B (zh) * | 2009-07-16 | 2014-01-01 | 宝钢集团新疆八一钢铁有限公司 | 环保型钢丝酸洗槽 |
KR101294945B1 (ko) * | 2009-12-30 | 2013-08-08 | 주식회사 포스코 | 소재의 연속산세방법 |
CN102151705B (zh) * | 2010-12-30 | 2013-03-20 | 天津市润杰创新环保科技有限公司 | 免酸洗去除钢带氧化皮装置及去除钢带氧化皮的方法 |
CN102154658A (zh) * | 2011-03-31 | 2011-08-17 | 河南恒星科技股份有限公司 | 钢帘线盘条粗拉酸洗工艺和装置 |
CN102312243A (zh) * | 2011-07-01 | 2012-01-11 | 云南钛业股份有限公司 | 一种钛及钛合金带卷酸洗方法 |
CN102330100A (zh) * | 2011-07-01 | 2012-01-25 | 云南钛业股份有限公司 | 一种钛带酸洗工艺方法 |
CN102312245A (zh) * | 2011-07-01 | 2012-01-11 | 云南钛业股份有限公司 | 一种钛及钛合金带卷抛光白化方法 |
CN102929303B (zh) * | 2011-08-12 | 2015-05-20 | 宝山钢铁股份有限公司 | 冷轧酸洗酸浓度控制方法和装置 |
CN102534639B (zh) * | 2012-02-24 | 2013-06-12 | 重庆钢铁(集团)有限责任公司 | 一种轧钢生产线酸洗用盐酸补给方法 |
EP2927772B1 (en) | 2012-11-30 | 2017-10-18 | Baoshan Iron & Steel Co., Ltd. | Method and apparatus for controlling acid concentration for pickling in cold rolling |
KR101543869B1 (ko) | 2013-11-14 | 2015-08-11 | 주식회사 포스코 | 열연강판의 산세 장치 및 방법 |
KR101518640B1 (ko) * | 2013-12-26 | 2015-05-07 | 주식회사 포스코 | 산세 공정의 신산 투입량 결정 방법 |
CN104451723B (zh) * | 2014-10-16 | 2017-02-01 | 武汉钢铁(集团)公司 | 提高热轧带钢酸洗效率和质量的方法 |
CN105780058A (zh) * | 2014-12-23 | 2016-07-20 | 宁波创润新材料有限公司 | 阴极电解产物的清洗方法 |
CN105648460B (zh) * | 2016-03-14 | 2018-02-13 | 佛山市网冠金属制品有限公司 | 一种智能喷涂***及方法 |
CN106521524A (zh) * | 2016-11-28 | 2017-03-22 | 太原钢铁(集团)有限公司 | 一种增强不锈钢管酸洗效率的方法 |
CN106908614B (zh) * | 2017-02-08 | 2018-11-09 | 北京科技大学 | 金属箔材表面处理高通量样品制备与表征的装置及方法 |
TWI657167B (zh) * | 2018-02-21 | 2019-04-21 | 中國鋼鐵股份有限公司 | 酸洗鋼帶清洗裝置 |
JP7176137B2 (ja) * | 2020-01-09 | 2022-11-21 | Primetals Technologies Japan株式会社 | 鋼板の酸洗方法及び酸洗装置 |
CN115135805A (zh) * | 2020-02-18 | 2022-09-30 | 株式会社Posco | 工艺控制***及其操作方法 |
CN111390570B (zh) * | 2020-03-31 | 2021-07-06 | 日照宝华新材料有限公司 | 一种酸平线上酸洗卷和热轧平整相互转换的方法 |
KR102466506B1 (ko) * | 2020-12-21 | 2022-11-10 | 주식회사 포스코 | 산 농도 자동 관리 장치 및 방법, 그리고 이를 이용한 산세 시스템 |
CN115044917B (zh) * | 2022-06-21 | 2023-10-03 | 北京首钢冷轧薄板有限公司 | 热轧带钢酸洗速度确定方法及装置 |
CN116332190A (zh) * | 2023-03-30 | 2023-06-27 | 湖南旗滨光能科技有限公司 | 一种石英砂酸洗***及酸洗工艺 |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2927871A (en) * | 1956-03-26 | 1960-03-08 | Bethlehem Steel Corp | Control of pickling baths |
US3433670A (en) * | 1965-10-21 | 1969-03-18 | Inland Steel Co | Pickling bath control apparatus and method |
KR900007072B1 (ko) * | 1985-03-15 | 1990-09-28 | 신닛뽄 세이데쓰 가부시끼가이샤 | 냉간압연 강스트립의 제조방법 및 장치 |
US5175502A (en) * | 1990-09-14 | 1992-12-29 | Armco Steel Company, L.P. | Method and apparatus for determining acid concentration |
AT404030B (de) * | 1995-02-15 | 1998-07-27 | Andritz Patentverwaltung | Verfahren zur beize von materialien aus stahl, insbesondere edelstahl |
TW338729B (en) * | 1996-09-30 | 1998-08-21 | Kawasaki Steel Co | Hot roll stainless steel tape and the manufacturing method |
KR100464580B1 (ko) * | 1997-03-03 | 2005-02-28 | 가부시끼가이샤 히다치 세이사꾸쇼 | 산세정플랜트의제어방법과그산세정플랜트 |
CN1203213C (zh) * | 1997-11-06 | 2005-05-25 | 住友金属工业株式会社 | 酸浓度测定和自动控制的方法和装置 |
AT407755B (de) * | 1998-07-15 | 2001-06-25 | Andritz Patentverwaltung | Verfahren zum beizen von edelstahl |
JP4316034B2 (ja) * | 1998-11-13 | 2009-08-19 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | ステンレス鋼板の表面処理方法 |
JP3591366B2 (ja) * | 1999-04-12 | 2004-11-17 | 住友金属工業株式会社 | 連続酸洗方法および連続酸洗装置 |
-
2002
- 2002-04-22 JP JP2002119174A patent/JP3726770B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2002-04-25 KR KR10-2002-7017725A patent/KR100527788B1/ko active IP Right Grant
- 2002-04-25 CN CNB028014316A patent/CN100471999C/zh not_active Expired - Lifetime
- 2002-04-25 WO PCT/JP2002/004137 patent/WO2002088426A1/ja active IP Right Grant
- 2002-04-26 TW TW091108764A patent/TWI286165B/zh not_active IP Right Cessation
-
2003
- 2003-10-24 US US10/691,667 patent/US20040149323A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TWI286165B (en) | 2007-09-01 |
US20040149323A1 (en) | 2004-08-05 |
CN100471999C (zh) | 2009-03-25 |
WO2002088426A1 (fr) | 2002-11-07 |
JP2003013268A (ja) | 2003-01-15 |
CN1462321A (zh) | 2003-12-17 |
KR20040002402A (ko) | 2004-01-07 |
KR100527788B1 (ko) | 2005-11-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3726770B2 (ja) | 連続酸洗方法および連続酸洗装置 | |
KR100363929B1 (ko) | 산농도 측정 및 자동 제어방법과 장치 | |
KR102545735B1 (ko) | 연속 처리 라인을 운영하는 방법 | |
JP5050410B2 (ja) | 酸洗プロセスの酸濃度制御方法・装置、及びこれらを用いた鋼板製造方法 | |
JP6102650B2 (ja) | 連続ラインにおける板温制御方法及び板温制御装置 | |
JP6075301B2 (ja) | 冷却制御装置および冷却制御方法 | |
JP3356112B2 (ja) | 酸濃度自動制御装置および酸濃度自動制御方法 | |
KR100568358B1 (ko) | 권취목표온도 변경을 통한 열연강판의 냉각제어방법 | |
JP3591366B2 (ja) | 連続酸洗方法および連続酸洗装置 | |
KR101518640B1 (ko) | 산세 공정의 신산 투입량 결정 방법 | |
Noh et al. | Acid concentration control for pickling line of cold rolling | |
KR101294945B1 (ko) | 소재의 연속산세방법 | |
JP2004269957A (ja) | 鋼帯の酸洗方法 | |
JPH0224916B2 (ja) | ||
JPH0754175A (ja) | 鋼帯の酸洗設備における酸濃度の制御方法 | |
JP6290691B2 (ja) | 酸洗液の投入量決定方法 | |
JP2003286593A (ja) | ステンレス鋼の酸洗設備及び同設備の酸洗液制御方法 | |
CN112840061B (zh) | 镀覆量控制装置和控制方法 | |
JP6098601B2 (ja) | 酸濃度制御方法、酸濃度制御装置、および金属板の製造方法 | |
JP2981157B2 (ja) | 鋼帯の酸洗処理方法およびその設備 | |
CN114918265A (zh) | 带钢精轧入***套张力控制方法及装置 | |
JPH01215990A (ja) | 酸洗槽循環タンクの酸濃度制御方法 | |
CN115044917A (zh) | 热轧带钢酸洗速度确定方法及装置 | |
JP3551627B2 (ja) | めっき液成分濃度制御方法 | |
JP2006063354A (ja) | 鋼帯のスケール除去方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040426 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050519 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050621 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050811 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050906 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050919 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3726770 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091007 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091007 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101007 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111007 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121007 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131007 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131007 Year of fee payment: 8 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131007 Year of fee payment: 8 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |