JP3726279B2 - ステアリング装置の中間軸継手 - Google Patents

ステアリング装置の中間軸継手 Download PDF

Info

Publication number
JP3726279B2
JP3726279B2 JP07922298A JP7922298A JP3726279B2 JP 3726279 B2 JP3726279 B2 JP 3726279B2 JP 07922298 A JP07922298 A JP 07922298A JP 7922298 A JP7922298 A JP 7922298A JP 3726279 B2 JP3726279 B2 JP 3726279B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
shaft member
intermediate shaft
serration
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07922298A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11280778A (ja
Inventor
勇 竹間
栄 松本
昭次 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP07922298A priority Critical patent/JP3726279B2/ja
Priority to DE19912247A priority patent/DE19912247A1/de
Publication of JPH11280778A publication Critical patent/JPH11280778A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3726279B2 publication Critical patent/JP3726279B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Steering Controls (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用中間軸継手に関し、特に、ステアリング装置に使用される車両用中間軸継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用中間軸継手、特に、ステアリング装置に使用される車両用中間軸継手は、ステアリングシャフトからの回転力をステアリングギアに伝達するのであるが、中間軸継手のシャフト部分をスプライン係合あるいはセレーション係合したパイプと軸部材とで構成した場合には、スプラインあるいはセレーションの加工精度にも限界があるので、係合部分において回転方向にある程度のガタが出てしまう。
このようなガタを低減するために、例えば、実公昭63−17862号公報に開示されたようなスプライン結合構造が使用されている。このスプライン結合構造は、外周に第1のスプライン歯を有する軸部材と該第1のスプライン歯に係合する第2のスプライン歯を内周に有するパイプとの組み合わせからなる。パイプには、パイプの端部からパイプの軸方向に伸びる複数のスリットが設けられており、パイプの内径が拡張/緊縮可能に構成されていると共に、パイプの端部外周に該端部を緊締する弾性材からなる緊締部材を嵌合してパイプを緊締することにより、パイプ内周のスプライン歯と軸部材外周のスプライン歯とを隙間なく係合せしめて回転方向のガタを低減するものである。
【0003】
実公昭63−17862号公報では、パイプの片側端にスリットを設け、その外周部に緊締部材を配してパイプのスリットが設けられている部分を弾性変形させることにより、パイプのスリットが設けられている部分におけるパイプと軸部材とのスプライン嵌合部隙間をなくしている。
実際の中間軸継手の仕様では、スプラインの代わりに標準的なインボリュートセレーション(圧力角α0 =45°)が用いられている。その理由は、中間軸継手においては、パイプのスリットが設けられている部分を変形させることによりガタを低減することが可能であるため、あえてスプラインを用いる必要がないからである。また、モジュールmが小さく歯数が多い場合には、標準的な自動車用インボリュートスプライン(基準ピッチ円上における圧力角α0 =20°、転位係数x=0.8)では、歯厚がアンバランスとなり強度上好ましくないからである。これに対して、標準的なインボリュートセレーションを用いた場合には、軸部材を転造加工することができるので、より低コストとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の中間軸継手のスプライン嵌合によって摺動及びトルク伝達を行う場合において、特に回転方向ガタを極力小さくするためには、パイプ側及び軸部材側のスプラインを精度よく加工する必要があり、加工コストが増大するという問題点があった。
また、中間軸継手をステアリング装置に使用した場合には、ステアリングギアから軸部材に大トルクが加えられることがある。さらに、このような大トルクが軸部材の右回り回転と左回り回転との間を早いサイクルで切り換えるように軸部材に入力されることがある。このような場合に、緊締部材の緊締力が大きければ、スリットが設けられているスプライン部分を押し拡げようとする力に抗して緊締部材の緊締力がスプライン山の両側を押しているのでスプライン山の両側にすき間ができることはなく、ステアリングホイールにガタ感は伝わらない。しかしながら、緊締部材の緊締力に対してスプライン部分を押し拡げようとする力が大きい場合には、パイプのスリットが設けられているスプライン部分が押し拡げられるため、スプライン山の片側にすき間ができる。このすき間によりガタが発生し、このガタがステアリングホイールを介して運転者にガタつき感として伝えられる。
また、通常は殆どないが、運転者がステアリングホイールの右回り回転と左回り回転との間を早いサイクルで往復して切り換えたようなときも、上記と同様の作用に基づいて、ガタつき感が運転者に伝えられることがある。
このようなガタつき感をなくすためには、緊締部材の緊締力を大きくすればよいが、緊締部材の緊締力を大きくすると、ステアリング装置の組み立てにおいて軸部材をパイプに対して軸方向に摺動させるときに大きな力が必要となる。従って、ステアリング装置の組立が困難になることから、パイプと軸部材との間の軸方向摺動力はできるだけ小さいことが望ましく、その為には緊締部材の締め付け力をできるだけ小さくする必要がある。しかし、緊締部材の締め付け力を小さくした場合、上記ステアリングギアからの伝達トルクの分力により緊締部材は、押し戻されてガタの低減効果が減少するという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記伝達トルクの分力を少なくすることにより、締め付け力の効果を向上させた中間軸継手を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、軸線方向長さが可変である車両用中間軸継手において、一端部にスリットが設けられ内周面上にインボリュートセレーションが形成されているパイプと、パイプ内を軸線方向に摺動可能でありパイプのインボリュートセレーションと係合するインボリュートセレーションが外周面上に形成されている軸部材とを設け、互いに係合するインボリュートセレーションの基準ピッチ円上における圧力角を標準的な値よりも小さく設定した。
このことにより、伝達トルクにより生じるインボリュートセレーション部分を押し拡げようとする分力を、標準的なインボリュートセレーションが形成されている中間軸継手におけるものよりも小さくできる。従って、同一の伝達トルクであってもインボリュートセレーションの係合部分にすき間ができにくくなるので、ガタが発生しにくくなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、軸線方向長さが可変である車両用中間軸継手8において、一端部にスリット11aが設けられ内周面上にインボリュートセレーション15が形成されているパイプ11と、パイプ11内を軸線方向に摺動可能でありパイプ11のインボリュートセレーション15と係合するインボリュートセレーション16が外周面上に形成されている軸部材12とを設け、互いに係合するインボリュートセレーション15、16の基準ピッチ円上における圧力角α0 を標準的な値よりも小さく設定した。
圧力角α0 を標準的な値45°よりも小さく設定したことにより、インボリュートセレーション15、16の歯部に作用するパイプ11を半径方向外方へ押し拡げようとする分力Pn を小さくすることができる。これによって、パイプ11と軸部材12との間の締め付け力を小さくすることができるので、パイプ11と軸部材12との間の軸線方向摺動力を小さくすることができる。
【0008】
中間軸継手8において、インボリュートセレーション15、16の基準ピッチ円上における圧力角α0 を25°以上35°以下の範囲内で設定するとよい。これにより、中間軸継手8の伝達トルクによりインボリュートセレーションの歯に作用する分力Pn を小さくすることができる。分力Pn は、パイプ11のセレーション部分を半径方向外方へ押し拡げようとする力であり、分力Pn を小さくすることにより、高トルクの左右回りの早い交替サイクルが入力されたときにパイプ11と軸部材12のインボリュートセレーション15、16の間にすき間Sが生じることを防止できるので、中間軸継手8のガタを低減できる。
圧力角α0 を35°よりも大きくすると、分力Pn の低減割合が小さいためにスリット11aが形成されているパイプ11の端部が軸部材12を締め付ける締め付け力が低減され、有効な締め付け力が得られないことがある。一方、モジュールmが小さく、歯数が多い場合に、圧力角α0 を25°よりも小さくすると、転造加工でインボリュートセレーション歯を精度よく成形できないことがある。
【0009】
中間軸継手8において、パイプ11のインボリュートセレーション15が形成されている部分の開放端部の直径D2 を該部分の内側端部の直径D1 よりも小さくするとよい。更に、開放端部においてパイプ11と軸部材12とが締まりばめになり、内側端部においてパイプ11と軸部材12とが緩みばめとなるように、開放端部の直径と内側端部の直径とが定められているとよい。
パイプ11の先端部の内径が端部に向かって縮径していることにより、図3にAで示す部分において、パイプ11と軸部材12はシメシロができる締まりばめとなり、Bで示す部分において、パイプ11と軸部材12はすき間ができるすき間ばめとなる。パイプ11の端部にはスリット11aが設けられているので、軸部材12は、パイプ11のスリット11a付き端部を押し拡げて嵌着される。従って、パイプ11と軸部材12のインボリュートセレーション15、16はAで示す部分において、弾性的なシメシロ状態となり、ガタはなくなる。また、Bで示す部分は、すき間ばめとなっているが、この部分は過大なトルクが入力された場合に、スリットが入っていないので押し拡げられず、負荷を受けることができる。
【0010】
中間軸継手8において、パイプ11のスリット11aが設けられている端部外周上に嵌合して該端部を緊締する弾性材からなる円環状の緊締部材18を更に設けてもよい。
緊締部材18を設けることにより、ガタの低減をより確実なものとすることができる。
【0011】
本発明の中間軸継手8は、ステアリング装置2に使用することができる。ステアリング装置2に使用することにより、運転者が感じるガタを低減し、操舵フィーリングを向上することができる。
【0012】
【実施例】
次に、本発明による中間軸継手について図面を参照して具体的に説明する。
【0013】
(第1実施例)
図1は、車両1に組み付けたときのステアリング装置2を示す概略図である。ステアリング装置2は、ステアリングホイール3の回転運動をステアリングギア14に伝達するための機構である。ステアリングギア14は、ステアリングホイール3の回転運動を不図示のタイロッド部の往復運動に変換するためと、ステアリングホイール3を回す腕力を楽にするための一種の減速装置である。図1において、ステアリングホイール3は、ステアリングシャフト4の一端部に固定されている。ステアリングシャフト4は、ステアリングコラム5の内部に挿通されて、回転自在に支持されている。ステアリングコラム5は、ブラケット6、7により、車両1に固定されている。ステアリングシャフト4の回転運動は、中間軸継手8を介してステアリングギア14の入力軸9に伝達される。中間軸継手8は、ステアリングシャフト4に連結された自在継手10と、自在継手10に連結されたパイプ11と、パイプ11に連結された軸部材12と、軸部材12に連結された自在継手13とからなる。自在継手13は、ステアリングギア14の入力軸9に連結されている。
【0014】
上記ステアリング装置2は、車両1の衝突時に運転者を保護するために、中間軸継手8のパイプ11と軸部材12で構成されるシャフト部分の全長が、衝撃に伴って縮まるように構成されている。これにより、衝突のエネルギーや衝突に伴うステアリング装置2の移動・変形を吸収することができる。このような機構は、すでに一般的に知られているものである。シャフト部分の全長が縮まるようにするために、パイプ11と軸部材12とを、互いにスプライン係合あるいはセレーション係合させて、それらの間の軸方向の相対移動を許容するようにする構造が広く用いられている。本実施例においては、中間軸継手8のパイプ11の内面にセレーション歯を形成し、軸部材12の外面にセレーション歯を形成して、軸部材12をパイプ11に挿入してセレーション係合させている。
【0015】
このように中間軸継手8に軸方向移動の自由度を与えることは、ステアリング装置2の組立時においても有用である。車両1の組立においては、一般に、操向車輪の向きを変えるためのステアリングギア14が最初に車両1のシャーシ(不図示)に固定され、他方、中間軸継手8がステアリングコラム5と一緒に車両1の車体に固定され、その後に、ステアリングギア14と中間軸継手8とをつなぎ合わせるという手順がとられる。ステアリングギア14の入力軸9は、シャーシ側に取り付けられており、自在継手13より上の部分は車体側に取り付けられており、組立時に、入力軸9と自在継手13とを結合することになる。従って、後により詳しく説明するが、中間軸継手8のパイプ11と軸部材12とからなるシャフト部分が軸方向の移動(伸縮)の自由度を持つことは、組立時においても必要かつ有益なことである。
【0016】
図2は、ステアリングシャフト4とステアリングギア14との間に取り付けられる中間軸継手8の断面図である。図2の(A)は、中間軸継手8をステアリングギア14に取り付けたときの状態を示している。図2の(B)は、中間軸継手8をステアリングギア14に取り付ける前の状態を示している。図2の(A)と(B)とを較べてみると、軸部材12がパイプ11の内部を摺動して軸部材12の位置が変わっていることが分かる。
中間軸継手8は、ステアリングコラム5と一体的に組み立てられて、不図示の車体に固定されている。中間軸継手8のシャフト部分は、パイプ11と軸部材12とで構成されている。パイプ11の内周面上には、インボリュートセレーション15が形成されており、軸部材12の外周面上には、インボリュートセレーション16が形成されている。パイプ11のインボリュートセレーション15と軸部材12のインボリュートセレーション16とが係合することにより、軸部材12がパイプ11に対して軸方向に摺動可能に結合している。パイプ11は、その一端部が自在継手10を介してステアリングコラム5の内部のステアリングシャフト4に接続されている。軸部材12は、その一端部が自在継手13を介してシャーシに固定されたステアリングギア14の入力軸9に接続される。
【0017】
ステアリング装置2の組立の手順を以下に示す。
中間軸継手8は、ステアリングコラム5に組み付けられて、ステアリングコラム5と一緒に車体に固定される。他方で、ステアリングギア14は、シャーシに固定されている。このような構成において、車両1の組立のときに、中間軸継手8とステアリングギア14とを結合する。具体的には、自在継手13のヨーク17とステアリングギア14の入力軸9とを結合する。図2の(B)を参照して、軸部材12をパイプ11内に(図2の(B)の右方向に)予め深く押し込んでおき、シャーシとボディとを組み立てるときには、ヨーク17が入力軸9に対して軸方向に離間するようにしておく。しかる後に、軸部材12を図2の(B)の矢印方向(左方向)に引き出して入力軸9をヨーク17のセレーション穴(不図示)に嵌合し、図2の(A)に示すような結合状態とする。
【0018】
図3は、パイプ11の断面図である。パイプ11の軸部材12と係合する端部には、円周方向に90度毎の等間隔で軸方向に延在するスリット11aが形成されている。スリット11aは、パイプ11の軸部材12と係合する端部の縁で開放している。
パイプ11の内周表面には、インボリュートセレーション15が設けられている。インボリュートセレーション15が設けられているパイプ11のセレーション部分は、スリット11aの開放端部に向かって直径が徐々に縮小されている。即ち、パイプ11は、インボリュートセレーション15が設けられているセレーション部分の左端部の直径D2 が、セレーション部分の右端部の直径D1 よりも小さくなるように形成されている。パイプ11の直径の差分(D1 −D2 )は、軸部材12のインボリュートセレーション16に対するシメシロとなる。このシメシロによる締め付け力は、パイプ11と軸部材12と間のガタ量(伝達トルクに対して決められる)やパイプ11に対する軸部材12の摺動力などを考慮して、最適な値が決められる。
パイプ11のセレーション部分に縮径部分を設けたことにより、図3にAで示す部分において、パイプ11と軸部材12は締まりばめのような状態になり、図3にBで示す部分において、パイプ11と軸部材12はすき間ばめのような状態になる。Aで示す部分においてパイプ11と軸部材12との間にすき間がなくなることから、回転方向のガタが防止される。
【0019】
図4は、パイプ11の内周表面に設けられたインボリュートセレーション15の歯形、及び、基準ピッチ円上における歯面に作用する力の関係を表している。
図4で使用されている参照符号を以下に説明する。
0 :基準ピッチ円直径
α0 :基準ピッチ円上における圧力角
t :伝達トルクによる接線力(基準ピッチ円上、1山当たり)
N :歯面に作用する法線方向の力
μN:Nによる摩擦力
μ :摩擦係数
R :NとμNの合力
ρ :摩擦角(μ=tanρ)
n :Rの分力
パイプ11のセレーション部分を押し拡げようとする力Pn は、
n =Pt ・tan(α0 −ρ)
で表される。
【0020】
セレーション部分を押し拡げようとする力Pn が大きい場合には、図5に示すように、パイプ11のセレーション部分が押し拡げられるため、山の片側にすき間Sができる。軸部材12の右回りと左回りとの間を早いサイクルで切り換えるような大トルクがステアリングギア14から軸部材12に加えられると、このすき間Sによりガタが発生し、このガタがステアリングホイール3を介して運転者にガタつき感として伝えられる。従って、力Pn をできるだけ小さくする必要がある。
上記式において、摩擦角ρ=一定とした場合、基準ピッチ円上における圧力角α0 を小さくすることで、セレーション部分を押し拡げようとする力Pn を小さくすることができる。
【0021】
標準的なインボリュートセレーションとして、JIS B1602では、圧力角α0 =45°、転位係数x=0.1を示している。ここで、摩擦係数μ=0.15(ρ=8.53°)とすると、圧力角が45°の場合のセレーション部分を押し拡げようとする力P45° に対して、圧力角が変化した場合の力Pα0 の比率は、下表のようになる。
【表1】
Figure 0003726279
即ち、圧力角α0 =30°では、押し拡げる力Pn は、圧力角α=45°の場合の約50%程度となり、同じ伝達トルクに対して、締め付け力の低下を少なくすることができることがわかる。
【0022】
中間軸継手8に用いるインボリュートセレーションでは、通常均一な歯面当たりを得るため歯数を多くしている。一方、スペース的な制約から、(径方向寸法を小さくするために)そのモジュールmをできるだけ小さくしている。一般的には、モジュールm=0.5とする場合が多い。
モジュールm=0.5の場合、特に、転造加工でインボリュートセレーションの歯形成形を精度よく行うためには、圧力角α0 =25°以上とするのがよい。
従って、モジュールm=0.5では、圧力角α0 =25°以上45°以下であるが、締め付け力を有効にするには、圧力角α0 =25°〜35°が望ましい。
【0023】
(第2実施例)
図6は、本発明による中間軸継手8の第2実施例を示す断面図である。図6の(A)は、中間軸継手8をステアリングギア14に取り付けたときの状態を示している。図6の(B)は、中間軸継手8をステアリングギア14に取り付ける前の状態を示している。
第2実施例は、緊締部材18をパイプ11上に装着している点を除いて、図2に示した第1実施例と同様の構成であるので、同様の構成要素には同様の符号を付して説明を省略する。
第2実施例による中間軸継手8においては、パイプ11のセレーション部分の直径の差分(D1 −D2 )に基づくシメシロによる締め付け力に加えて、緊締部材による締め付け力を付加している。これにより、ガタを確実に低減することができる。
【0024】
パイプ11の軸部材12側の端部付近の外周上には、弾性を有する緊締部材18が装着されている。緊締部材18は、板ばね等からつくられており、周方向の一箇所で開いた(即ち一部を切り欠いた)円環形状をしている。なお、緊締部材18は、ゴム製バンドでつくってもよい。パイプ11には4箇所にスリット11aが形成されているので、緊締部材18の内向きの緊締力によりスリット11aを形成された端部が半径方向内方に変位される。これによりセレーション部分におけるパイプ11と軸部材12との係合が密となり、パイプ11から軸部材12へ、或いは軸部材12からパイプ11へ回転力が伝達される際のガタが低減される。
【0025】
特に、パイプ11のセレーション部分の直径の差分(D1 −D2 )が大きい場合には、軸部材12をパイプ11に挿入するのが難しくなるという問題がある。従って、パイプ11と軸部材12との組立の容易さを考慮して、差分(D1 −D2 )を極力小さくし、或いは差分(D1 −D2 )=0(シメシロはなし)として緊締部材18の締め付け力を大きくしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0027】
本発明によれば、圧力角α0 を小さく設定することにより、パイプを押し拡げようとする力Pn を低減できる。これによって同じ締め付け力に対して、ガタを感じる伝達トルクが大きくなり操舵フィーリングを向上することができる。
本発明は、α0 を変えるだけであり、低コストで上記効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両1に組み付けたときのステアリング装置2を示す概略図である。
【図2】ステアリングシャフトとステアリングギアとの間に取り付けられる本発明による中間軸継手の第1実施例を示す断面図である。図2の(A)は、中間軸継手をステアリングギアに取り付けたときの状態を示している。図2の(B)は、中間軸継手をステアリングギアに取り付ける前の状態を示している。
【図3】パイプ11の断面図である。
【図4】パイプ11の内周表面に設けられたインボリュートセレーション15の歯形、及び、基準ピッチ円上における歯面に作用する力の関係とを示す図である。
【図5】Pn が大きい場合に、パイプ11のインボリュートセレーション15と軸部材12のインボリュートセレーション16との間にできるすき間Sを示す図である。
【図6】ステアリングシャフトとステアリングギアとの間に取り付けられる本発明による中間軸継手の第2実施例を示す断面図である。図6の(A)は、中間軸継手をステアリングギアに取り付けたときの状態を示している。図6の(B)は、中間軸継手をステアリングギアに取り付ける前の状態を示している。
【符号の説明】
2・・・・・ステアリング装置
8・・・・・中間軸継手
11・・・・パイプ
11a・・・スリット
12・・・・軸部材
15、16・インボリュートセレーション
18・・・・緊締部材
α0 ・・・・基準ピッチ円上における圧力角
n ・・・・インボリュートセレーションの歯面に作用する分力
1 ・・・・内側端部の直径
2 ・・・・開放端部の直径
A・・・・・締まりばめの部分
B・・・・・すき間ばめの部分

Claims (1)

  1. 軸線方向長さが可変である車両用中間軸継手であって、
    一端部にスリットが設けられ、内周面上にインボリュートセレーションが形成されているパイプと、
    前記パイプ内を軸線方向に摺動可能であり、前記パイプのインボリュートセレーションと係合するインボリュートセレーションが外周面上に形成されている軸部材とを含み、
    互いに係合する前記インボリュートセレーションの基準ピッチ円上における圧力角が25°以上35°以下の範囲内で設定されており、かつ
    前記パイプと前記軸部材とは、前記パイプと前記軸部材との嵌合部のうち前記パイプの前記一端部において締まりばめで係合しており、前記嵌合部のうち前記一端部以外の部分においてすき間ばめで係合していることを特徴とする車両用中間軸継手。
JP07922298A 1998-03-26 1998-03-26 ステアリング装置の中間軸継手 Expired - Fee Related JP3726279B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07922298A JP3726279B2 (ja) 1998-03-26 1998-03-26 ステアリング装置の中間軸継手
DE19912247A DE19912247A1 (de) 1998-03-26 1999-03-18 Zwischenwellenkupplung

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07922298A JP3726279B2 (ja) 1998-03-26 1998-03-26 ステアリング装置の中間軸継手

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11280778A JPH11280778A (ja) 1999-10-15
JP3726279B2 true JP3726279B2 (ja) 2005-12-14

Family

ID=13683900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07922298A Expired - Fee Related JP3726279B2 (ja) 1998-03-26 1998-03-26 ステアリング装置の中間軸継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3726279B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6798122B2 (ja) * 2016-03-22 2020-12-09 日本精工株式会社 伸縮自在シャフト

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59127925U (ja) * 1983-02-18 1984-08-28 三菱自動車工業株式会社 スプライン結合構造
CA2062025A1 (en) * 1991-03-14 1992-09-15 David E. Bulman Fan shaft spline coupling having increased loading capacity and tooth geometry therefor
JPH08145069A (ja) * 1994-11-21 1996-06-04 Koyo Seiko Co Ltd 軸継手
US5637042A (en) * 1995-03-21 1997-06-10 Dana Corporation Drive line assembly with reducing tube yoke

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11280778A (ja) 1999-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0155028B1 (ko) 충격 흡수식 스티어링 샤프트의 제조 방법
JP3835147B2 (ja) 伸縮自在シャフトの結合構造
JPH08511850A (ja) 可変長さ軸組立体
EP3208480B1 (en) Torque transmission coupling and electric power steering device
US6565446B2 (en) Elastic shaft joint
JP3329252B2 (ja) 回転シャフトの結合構造
US7004844B2 (en) Clearance damping device for a telescoping shaft assembly
JP3726279B2 (ja) ステアリング装置の中間軸継手
JP3409614B2 (ja) 衝撃吸収式ステアリングシャフトの収縮荷重調整方法
JPH0872727A (ja) 衝撃吸収式ステアリング装置用シャフト
US9233576B2 (en) Wheel hub rotary joint arrangement
JP4029761B2 (ja) 伸縮自在シャフトおよびその製造方法
JPH1045005A (ja) ステアリング装置の動力伝達軸およびその組立方法
JP2009190423A (ja) ステアリング装置用伸縮軸
JPH0891231A (ja) ステアリング装置の衝撃吸収軸構造およびその製造方法
JP3835157B2 (ja) 伸縮自在シャフト
JP3870688B2 (ja) 伸縮自在シャフトの結合構造
JP4846216B2 (ja) 動力伝達構造
JP3975623B2 (ja) 車両ステアリング用の伸縮自在シャフトの結合構造
JP2006046498A (ja) 伸縮シャフト
JP3712540B2 (ja) 衝撃吸収可能な動力伝達装置
JP2005030477A (ja) 伸縮自在シャフト
JP2008261423A (ja) 伸縮式回転伝達軸
JPH0740360U (ja) 伸縮自在シャフトのセレーション嵌合構造
JPH1163003A (ja) ステアリング中間軸継手

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050530

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050918

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081007

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091007

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101007

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees