JP3725436B2 - 画像形成装置とそのトナー濃度制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真複写機などの画像形成装置とそのトナー濃度制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機やファクシミリ装置などの画像形成装置においては、原稿を光照射して原稿からの反射光により感光体上に静電潜像を形成し、これを現像して可視像として記録紙に記録したり、外部から送られてくる画像を表す電気信号を用いて同様な処理により可視像を形成し記録紙に記録している。
【0003】
この種の画像形成装置においては、可視像の形成に、トナーおよび磁性キャリヤから成る二成分系現像剤が用いられている。このトナー濃度は複写画像の濃度に影響を与える。そこで、画像形成装置は、常に一定濃度の複写画像を得るために、トナー濃度を検知し、トナー濃度が減少したときはトナーを補給してトナー濃度が適正な範囲内に入るように制御するようにしている。
【0004】
トナー濃度を検知するためのトナー濃度センサは、現像装置内に配されている。現像装置は、表面に感光体が設けられた感光体ドラムに隣接して配されており、感光体ドラムに形成された静電潜像を現像して可視像とする。
【0005】
複写機やプリンター等に使用される公知のトナー濃度センサとしては、例えば、磁性キャリアとトナーとからなる二成分系現像剤においてトナー濃度を検知する方式と、磁性トナーの残量又は磁性トナーの有無を検知する差動トランス方式とがあり、差動トランス方式のトナー濃度センサが多く用いられている。
【0006】
差動トランス方式のトナー濃度センサは、図4に示すように、差動トランスの一次コイル41に交流電源44が供給される。その二次側には、略同じ巻き数で逆極性の2個のコイルが直列に巻かれている。その二次側のコイルのうちの一方のコイルは基準コイル42、もう一方のコイルは検知コイル43である。
【0007】
一次コイル41および基準コイル42の近くには高透磁率のねじコア45が磁心として働くように挿入されている。このねじコア45の位置を調整することにより、一次コイル41と基準コイル42との間のインダクタンスを調整することができる。一次コイル41および検知コイル43の近くには、測定されるべき現像剤46あるいは磁性トナーが流れており、その現像剤46あるいは磁性トナーが磁心として働いて一次コイル41と検知コイル43との間のインダクタンスを変化させる。このインダクタンスの大きさは、磁心として働いている現像剤46あるいは磁性トナーの磁粉量によって決まるので、検知コイル43の出力電圧によって磁粉量すなわちトナー濃度を測定できる。
【0008】
基準コイル42と検知コイル43とは略同じ巻き数であり、極性は逆極性である。また、基準コイル42と検知コイル43とは、直列に結ばれているので、その出力としては両コイルの差が取り出せる。位相比較回路47では、コイル41へ供給される交流電圧と二次側のコイルである基準コイル42および検知コイル43の出力との排他的論理和をとる。その後、その出力信号を平滑回路48で平滑化して直流電圧として取り出して、その出力電圧に応じてトナーの補給などが行われる。
【0009】
一般に、二成分系現像剤(以下、現像剤と称する)を用いた画像形成装置においては、現像剤を撹拌する際の摩擦によってトナーを帯電させ、この帯電トナーを、感光体ドラム上に形成された静電潜像に静電気的に付着させ可視像を形成している。
【0010】
このような画像形成装置におけるトナー濃度センサは透磁率センサ、即ち、磁性キャリヤ(以下、キャリヤと称する)濃度を検知するものである。従って、図5に示すように、トナー濃度が低いときにはトナー濃度センサの出力電圧は高くなり、トナー濃度が高いときにはトナー濃度センサの出力電圧は低くなる。即ち、トナー濃度センサは空間に対するキャリヤの密度を反映しているものであるため、現像剤に含まれる空気もトナーとして誤検知することがある。
【0011】
また、同図に示すように、トナー濃度が同じ場合であっても、現像剤が湿気を帯びているが、乾燥しているかによって、トナー濃度センサの出力電圧は異なる。ここで、図5中Aは、湿度が80%の場合、Bは湿度が60%の場合、Cは湿度が15%の場合のトナー濃度とトナー濃度センサの出力電圧との関係を示したものである。このように、トナー濃度が同じ場合であっても、湿度が高いほど、トナー濃度センサの出力電圧は高くなる。
【0012】
また、一般に、温度を検出する温度センサや、湿度を検出する湿度センサは、温度あるいは湿度が変化しても即座に追従することができ、その変化を検知することができる。一方、現像剤には容量性があり、周りの温度や湿度等の環境要因が変化しても、現像剤の状態は即座に環境要因の変化に追従して変化することができない。
【0013】
例えば、冬場に、画像形成装置の動作終了後に暖房を切って退勤し、また、翌朝、暖房がまだ効かないうちに画像形成装置の動作を開始するとき、周りの温度上昇に比べて現像剤の温度上昇は遅い。即ち、画像形成装置の周りの温度が高くなっても、現像剤の温度が周りの温度に追従して上昇するまでには時間がかかる。
【0014】
同様に、梅雨時には室内は除湿されるが、現像剤が水分を吸った状態から、周りと同様に除湿されるまでには時間がかかる。このように、画像形成装置の前回動作終了時と動作開始時とで環境要因が大きく変化している場合、周りの環境要因の変化と、現像剤の状態の変化との間にはずれが生じる。
【0015】
また、画像形成装置において、例えば、湿度が高いときは、キャリヤの電荷保持量が減少し、キャリヤどうしの反発力も減少する。これにより、キャリヤ同士の間隔が短縮し、現像剤の単位体積当たりのキャリヤの個数が増加して、単位体積当りの透磁率が増加する。そのためトナー濃度センサは、キャリヤの個数の増加による現像剤の透磁率の増加を見かけ上のトナ−濃度(以下、検知トナー濃度Tdと称する)の減少として検出してしまうので自動的にトナーを補給し、その結果実際のトナー濃度(以下、実質トナー濃度Tcと称する)が増加してしまう。
【0016】
これとは逆に、乾燥したときなどは現像剤の湿度が低いので、キャリヤの電荷保持量が増加し、キャリヤ同士の反発力も増加する。従って、キャリヤ同士の間隔が増加し、現像剤単位体積当たりのキャリヤの個数が減少し、これにより、単位体積当りの透磁率が減少する。そのためトナー濃度センサは、キャリヤの個数の減少による現像剤の透磁率の減少を検知トナー濃度Tdの増加として検出してしまいトナーの補給を停止し、これにより、実質トナー濃度Tcが減少してしまう。
【0017】
図6は、湿度とトナー濃度センサの出力電圧との関係を示すグラフであり、横軸は湿度(%)とし、縦軸はトナー濃度センサの出力電圧(V)としている。図7は、トナー濃度センサの制御電圧とトナー濃度センサの出力電圧との関係を示すグラフであり、横軸はトナー濃度センサの制御電圧(V)とし、縦軸はトナー濃度センサの出力電圧(V)としている。トナー濃度は、トナー濃度センサの出力電圧が制御電圧に近づくようにトナーの補給を行うことにより、制御されている。
【0018】
図6、図7より例えば湿度40%の環境下でトナー濃度センサの出力電圧が2.2Vになるように制御電圧を調整した場合、(イ)現像剤の湿度が20%のときのトナー濃度センサの出力電圧は2.2Vから0.30Vだけ減少して1.9Vとなり、(ロ)湿度80%のとき出力電圧は2.2Vから0.2Vだけ増加して2.4Vとなる。
【0019】
しかし、トナー濃度センサの感度を0.6V/重量%と仮定すると、(イ)のときは0.50%だけ検知トナー濃度Tdが大きくなり、(ロ)のときは0.33%だけ検知トナー濃度Tdが小さくなるため記録紙の記録濃度が変化(淡くなったり、濃くなったり)してしまう。また、湿度によって出力電圧が変化することにより、制御電圧にもずれが生じる。例えば、図7に示すように、湿度が40%の場合、出力電圧が2.2Vとなる制御電圧は、湿度が20%になると0.22V、湿度が80%になると0.18Vずれることとなる。
【0020】
また、高温時の使用や、頻繁な使用、あるいは直射日光の当たる窓際への設置等により画像形成装置内部の温度が上昇すると、トナー濃度センサはトナー濃度(検知トナー濃度Td)が増加したとして検出するのでトナーの補給を停止し、実質トナー濃度Tcが減少してしまう。
【0021】
これとは逆に、低温時での使用や、冷房装置の吹き出し口付近への装置の設置等により画像形成装置内部の温度が下降すると、トナー濃度センサはトナー濃度(検知トナー濃度Td)の減少として検出する。その結果、トナ−を補給することにより、実質トナー濃度Tc が増加してしまい、正常な濃度による画像の記録が行えなくなることがある。これはトナー濃度センサの磁界を発生するための発振回路に用いられているバリキャップ(可変容量ダイオード)が、温度が高くなると静電容量が増加し、温度が低くなると静電容量が減少する温度特性に起因するためである。
【0022】
図8は複写機内の温度とトナー濃度センサの出力電圧との関係を示すグラフであり、横軸は温度(℃)とし、縦軸はトナー濃度センサの出力電圧(V)としている。図9はトナー濃度センサの制御電圧とトナー濃度センサの出力電圧との関係を示すグラフであり、横軸は制御電圧(V)とし、縦軸はトナー濃度センサの出力電圧(V)としている。
【0023】
図8、図9により、20℃の環境下でトナー濃度センサの出力電圧が2.0Vになるように制御電圧の調整を行った場合、(ハ)複写機内の温度が10℃のとき出力電圧が0.133V増加して2.133Vとなり、(ニ)30℃のとき出力電圧が0.106Vだけ減少して1.894Vとなる。
【0024】
トナー濃度センサの感度を0.6V/重量%と仮定すると(ハ)のときは0.22%だけ実質トナー濃度Tc が小さくなり、(ニ)のときは0.18%だけ実質トナー濃度Tc が大きくなってしまい正常な濃度による画像の記録が行えなくなることがある。また、温度によって出力電圧が変化することにより、制御電圧にもずれが生じ、例えば、図9に示すように、温度が20℃の場合、出力電圧が2.0Vとなる制御電圧は、温度が10℃になると0.12V、温度が30℃になると0.10Vずれることとなる。
【0025】
また、温度センサや湿度センサは、温度あるいは湿度を検出する検出面に接する領域の温度あるいは湿度のみが検出される。このため、局所的に湿度が高かったり、温度の高いところが検出され、温度センサや湿度センサの出力に対して影響を及ぼす場合がある。
【0026】
さらに、現像剤を攪拌したとしても、現像剤の状態、即ち、検出されるトナー濃度が均一になり、図10に示すように、トナー濃度センサの出力電圧が一定になるまでにはタイムラグがある。同図に示すように、例えば、3.2Vの出力電圧が2.5Vで一定になるまでには約5分を要する。
【0027】
以上のように、温度センサや湿度センサで検出される値が変化する速度に対して、現像剤の状態変化の速度は遅延する。即ち、現像剤は温度センサや湿度センサに対して反応遅れを有する。この反応遅れを小さくするためにトナー濃度センサの出力電圧に補正を行う場合、一定の補正値を与え続けるとすると、トナーを過剰に補給したり、トナーの補給を必要以上に長い期間行わないこととなり、過補正となる場合がある。また、温度の高い現像剤が瞬間的に検知された場合、この局所的に高い温度に合わせた補正値を用いて補正をしても、正しい補正はできない。また、現像剤の状態が安定するまでにはタイムラグを有するため、現像剤の状態が安定する前の状態に合わせた補正値を用いて補正をしても、正しい補正はできない。
【0028】
従って、環境要因の変化にかかわらず、適切にトナー濃度の制御を行うためには、補正しなくても使用しているうちにトナー濃度が均一な状態になることを考慮に入れた補正が必要であり、また、過補正を防止して適切にトナー濃度の制御を行うためには、補正を行ったとしても、最初に用いた補正値を継続的に用いるのではなく、徐々に補正の強度を軽減する必要がある。
【0029】
特開平11−202605号公報には、補正に用いる値を切り替えることにより、環境要因の変化にかかわらず、トナー濃度を適正範囲内に維持することができる画像形成装置が記載されている。この画像形成装置では、トナーの予測消費量に基づくトナー補給制御と、トナーの予測消費量とトナー濃度センサによる実測定値とに基づくトナー濃度制御とが切り替えられる。プリント枚数が初期制御枚数に達するまではトナーの予測消費量に基づくトナー補給制御が行われる。プリント枚数が初期制御枚数に達した後は、トナーの予測消費量とトナー濃度センサによる実測定値とに基づくトナー濃度制御が行われる。この初期制御枚数は、温度と湿度と画像形成装置の動作が停止していた時間とにより算出される。また、トナーの予測消費量は、画像濃度情報であるドットカウント値から演算される。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載の画像形成装置では、常にトナー補給制御が行われる。即ち、プリント指令され、温度と湿度と装置の動作が停止していた時間とが演算されるたびに、初期制御枚数およびトナーの予測消費量は演算される。
【0031】
しかしながら、温度や湿度の変化、あるいは、装置の動作が停止していた時間が少ない場合、トナー補給は必要ない場合もある。そのような場合、初期制御枚数およびトナーの予測消費量の演算は必要ない。
【0032】
このように、トナー補給の必要がないにもかかわらず、初期制御枚数およびトナーの予測消費量の演算をすることにより、画像形成動作に移行するまでに時間がかかる。これにより、画像形成装置における装置稼働率の低下を招来する。
【0033】
また、適切にトナー濃度の制御を行うためには、補正しなくても使用しているうちにトナー濃度が均一な状態になることを考慮に入れた補正が必要である。
【0034】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、環境要因が変化しても、装置稼働率の低下および過補正を招来することなく、適切にトナー濃度を制御することができ、適正なトナー濃度を維持することができる画像形成装置とそのトナー濃度制御方法を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成装置は、上記の課題を解決するために、現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサと、環境要因を測定する環境要因測定手段と、上記トナー濃度センサの出力電圧に基づいて現像剤のトナー濃度を制御するトナー制御手段とを備えた画像形成装置において、画像形成装置が停止する直前に環境要因測定手段により測定された環境要因と画像形成装置の再起動後に環境要因測定手段により測定された環境要因との差と、画像形成装置が停止する直前におけるトナー濃度センサの出力電圧と画像形成装置の再起動後におけるトナー濃度センサの出力電圧との差とに基づいて上記トナー濃度センサの出力電圧の補正の要否を判定する判定手段を備えており、上記トナー制御手段は、上記判定手段の判定結果に応じて現像剤のトナー濃度を制御することを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、画像形成装置が停止する直前の環境要因(例えば温度や湿度)と画像形成装置の再起動後の環境要因とに基づいて上記トナー濃度センサの出力電圧の補正の要否を判定する判定手段を備えている。これにより、画像形成装置が停止する直前と再起動後とで環境要因が大きく変化している場合に、トナー濃度センサの出力電圧に適切な補正を行うことができる。従って、適切にトナー濃度を制御することができ、これにより、適正なトナー濃度を維持することができる。
【0037】
また、例えば、トナー濃度センサの出力電圧の補正が必要ないと判定された場合、直ちに画像形成動作へ移行することができ、画像形成装置における装置稼働率の低下を防止することができる。
【0038】
上記の画像形成装置は、判定手段が、画像形成装置が停止する直前に環境要因測定手段により測定された環境要因と画像形成装置の再起動後に環境要因測定手段により測定された環境要因との差が、予め所定の値に設定された環境設定値未満の場合には、上記トナー濃度センサの出力電圧の補正を不要と判定するようになっていることが好ましい。
【0039】
上記の構成によれば、画像形成装置が停止する直前の環境要因に対し、画像形成装置の再起動時の環境要因の変動量が僅かであり、トナー濃度センサの出力電圧の補正を必要としないような場合には、トナー濃度センサの出力補正を行わずに直ちに画像形成動作へ移行することができる。これにより、装置稼働率および画像形成効率の低下を防止することができる。
【0040】
上記の画像形成装置は、判定手段が、画像形成装置が停止する直前に環境要因測定手段により測定された環境要因と画像形成装置の再起動後に環境要因測定手段により測定された環境要因との差が上記環境設定値以上であって、画像形成装置が停止する直前における上記トナー濃度センサの出力電圧と画像形成装置の再起動後におけるトナー濃度センサの出力電圧との差が、予め所定の値に設定されたトナー設定値以上の場合には、上記トナー濃度センサの出力電圧の補正を必要と判定する一方、画像形成装置が停止する直前に環境要因測定手段により測定された環境要因と画像形成装置の再起動後に環境要因測定手段により測定された環境要因との差が上記環境設定値以上であって、画像形成装置が停止する直前における上記トナー濃度センサの出力電圧と画像形成装置の再起動後におけるトナー濃度センサの出力電圧との差が、上記トナー設定値未満の場合には、上記トナー濃度センサの出力電圧の補正を不要と判定するようになっていることが好ましい。
【0041】
上記の構成によれば、画像形成装置が停止する直前の環境要因に対し、画像形成装置の再起動時の環境要因の変動量がトナー濃度センサの出力補正を要する程度の変動量であっても、実際のトナー濃度を検出する。この実際のトナー濃度により、最終的なトナー濃度センサの出力補正の要否を決定するので、最短の装置停止時間で、トナー濃度センサの出力補正を行わずに画像形成動作へ移行することができる。従って、装置稼働率および画像形成効率の低下を防止することができる。
【0042】
本発明の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサの出力電圧を補正することにより現像剤のトナー濃度を制御する画像形成装置のトナー濃度制御方法において、画像形成装置が停止する直前の環境要因と画像形成装置の再起動後の環境要因との差と、予め所定の値に設定された環境設定値との比較結果に応じて上記トナー濃度センサの出力電圧の補正の要否を判定し、該判定結果に基づいて現像剤のトナー濃度を制御することを特徴としている。
【0043】
上記の構成によれば、画像形成装置の前回動作停止時と動作開始時とで環境要因が大きく変化している場合にも、トナー濃度センサの出力電圧に適切な補正を行うことができる。また、トナー濃度センサの出力電圧の補正が必要ないと判定された場合、直ちに画像形成動作へ移行することができ、画像形成装置における装置稼働率の低下を防止することができる。
【0044】
上記の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、画像形成装置が停止する直前の環境要因と画像形成装置の再起動後の環境要因との差が、上記環境設定値未満の場合には、上記トナー濃度センサの出力電圧の補正を不要と判定するようになっており、画像形成動作へ移行することが好ましい。
【0045】
上記の構成によれば、装置停止直前の環境要因に対する装置再起動時の環境要因の変動量が僅かであり、補正を必要としないような場合には、トナー濃度センサの出力補正を行わずに直ちに画像形成動作へ移行することができる。従って、装置稼働率および画像形成効率の低下を防止することができる。
【0046】
上記の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、画像形成装置が停止する直前の環境要因と画像形成装置の再起動後の環境要因との差が、上記環境設定値以上であって、画像形成装置が停止する直前における上記トナー濃度センサの出力電圧と、画像形成装置の再起動時における上記トナー濃度センサの出力電圧との差が、予め所定の値に設定されたトナー設定値未満の場合には、上記トナー濃度センサの出力電圧の補正を不要と判定するようになっており、画像形成動作へ移行することが好ましい。
【0047】
上記の構成によれば、画像形成装置が停止する直前の環境要因に対し、画像形成装置の再起動時の環境要因の変動量がトナー濃度センサの出力補正を要する程度の変動量であっても、実際のトナー濃度を検出することによって、最終的なトナー濃度センサの出力補正の要否を決定する。従って、最短の装置停止時間で、トナー濃度センサの出力補正を行わずに画像形成動作へ移行することができる。これにより、装置稼働率および画像形成効率の低下を防止することができる。
【0048】
上記の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、トナー濃度センサの出力電圧が、画像形成装置の起動時より所定時間遅延して、検出が開始されることが好ましい。
【0049】
一般に、現像剤は容量性を有するため、環境要因が変動しても直ちに呼応して状態変化せず、環境要因に応じて状態変化するまでに時間的ずれを伴う。一方、例えば、温度センサや湿度センサ等の環境要因測定手段は感度が良好であるので、環境要因の変動に対して機敏に反応する。このため、トナー濃度制御を行う際には、環境要因の変動速度に対して、現像剤の状態変化の速度遅延、即ち、時間的ずれが障害となる。このように変動速度が速い環境要因変化の要素(例えば温度や湿度)を、変動速度が遅い現像剤のトナー濃度制御に反映すると、過補正の傾向となる。
【0050】
しかしながら、上記の構成によれば、トナー濃度センサの出力電圧が、画像形成装置の起動時より所定時間遅延して、検出が開始されることにより、現像剤が周りの環境の変化になじんでからトナー濃度センサの出力電圧の検出を開始することができる。これにより、画像形成装置の停止時間の長短の違いまで反映させて補正を行うことができ、過補正の影響による画像品質の低下を回避することができる。
【0051】
上記の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、トナー濃度センサの出力電圧の検出が開始されてから画像形成動作が実行されるまでの間に、トナー濃度センサの出力電圧の補正を行うことが好ましい。
【0052】
上記の構成によれば、トナー濃度センサの出力電圧の検出が開始されてから画像形成動作が実行されるまでの間、即ち、前回転中にトナー濃度センサの出力電圧の補正を行うことにより、トナー濃度センサの出力電圧の補正後は直ちに画像形成動作に移行することができる。従って、画像形成動作への影響がなく、また、装置稼働率の低下を防止することができる。
【0053】
上記の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、画像形成動作の実行中に、トナー濃度センサの出力電圧に対する補正の強度を時間経過に伴って軽減することが好ましい。
【0054】
例えば、画像形成動作と、トナー濃度センサの出力電圧に対する補正とを別個に行う場合、トナー濃度センサの出力電圧に対する補正を行う時間の分だけ、画像形成動作前の時間が長くなり、画像形成装置の停止時間が長くなる。
【0055】
しかしながら、上記の構成によれば、画像形成動作と、トナー濃度センサの出力電圧に対する補正とが同時に進行することにより、画像形成装置の停止時間を短縮できる。従って、トナー濃度センサの出力電圧に対する補正のためのみの装置停止を回避することができ、装置稼働率の低下を防止することができる。
【0056】
上記の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、画像形成動作に移行後における、画像信号に基づいて感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを付与してトナー像を形成する現像手段を駆動するモータの累積回転時間を計数し、計数された上記累積回転時間の経過に伴ってトナー濃度センサの出力電圧に対する補正強度を順次軽減することが好ましい。
【0057】
上記の構成によれば、現像手段を駆動するモータの、画像形成動作に移行後における累積回転時間の経過に伴ってトナー濃度センサの出力電圧に対する補正の強度を順次軽減することにより、トナー濃度を制御することができる。
【0058】
例えば、用紙の大きさが異なる場合、同じ枚数に画像を形成したとしても、現像手段の回転時間は異なり、従って、現像装置内の現像剤におけるトナー濃度も異なる。このように、画像形成された枚数は、現像剤におけるトナー濃度に直接関係しない。また、同様に、例えば、画像形成装置が起動してから経過した時間や、感光体の回転時間等も現像剤におけるトナー濃度に直接関係しない。
【0059】
しかしながら、現像手段を駆動するモータの、画像形成動作に移行後における累積回転時間は、現像剤におけるトナー濃度に直接関係するため、この累積回転時間を用いてトナー濃度センサの出力電圧に対する補正を行うことにより、画像形成された枚数、画像形成装置が起動してから経過した時間、感光体の回転時間等を用いて補正を行うよりも、高精度な補正を行うことができる。
【0060】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0061】
本実施の形態に係る画像形成装置は、図2に示すように、感光体ドラム22と現像装置(現像手段)20とを備えている。感光体ドラム22は、回転駆動されるようになっている。また、感光体ドラム22の表面には感光体が設けられている。感光体ドラム22の表面は、図示しない帯電ローラにより所定の電位に均一に帯電されており、例えば、図示しないLSU(レーザービームスキャナーユニット)からのレーザー光によって露光される。これにより、感光体ドラム22の表面には、外部から入力された画像データ(画像信号)に応じた静電潜像が形成される。
【0062】
現像装置20は、感光体ドラム22に形成された静電潜像を現像して可視像とするものである。
【0063】
現像装置20は、トナーが収納されたトナー収容器23と、トナー濃度センサ21、現像ローラ24および攪拌ローラ25・25が設けられており、トナーおよび磁性キャリヤからなる二成分系現像剤(以下、現像剤と称する)が充填された現像槽26とを備えている。トナー収容器23に収納されているトナーは、必要に応じて現像槽26内の現像剤に補給される。
【0064】
現像ローラ24は感光体ドラム22に接するように配されている。また、トナー濃度センサ21はその検知面21aが常に現像剤に接し、かつ現像ローラ24から離れた位置に配されている。トナー濃度センサ21は透磁率センサであるため、磁界の影響を受けやすい。このため、現像ローラ24から離れた位置にトナー濃度センサ21を配することにより、トナー濃度センサ21が磁界の影響を受けにくくしている。トナー濃度センサ21は、例えば、トナー濃度センサ21の出力電圧を記憶するためのメモリ等が設けられた基板と接続されている。
【0065】
現像槽26は、現像剤を収容するための収容槽である。
【0066】
攪拌ローラ25は、現像槽26内の現像剤を攪拌することで、トナーを微小に帯電させるものである。
【0067】
現像ローラ24は、感光体ドラム22と対向するように設けられた回転ローラであり、感光体ドラム22と同じ速さで感光体ドラム22と接触しながら回転駆動されるようになっている。これにより、感光体ドラム22の静電潜像にトナーを付着させ、この静電潜像を現像してトナー像を形成するようになっている。
【0068】
さらに、例えば感光体ドラム22の近傍等の画像形成装置内には、例えば、図示しないプロセスコントロール用のサーミスタ等の温度センサ(環境要因測定手段)が配されており、温度(環境要因)を測定する。
【0069】
なお、環境要因としては、温度に限られるものではなく、画像形成に影響する要因、例えば湿度でもかまわない。従って、画像形成装置内には湿度センサを配していてもかまわない。
【0070】
現像に伴い、現像槽26内のトナーは消費される。このため、常に一定濃度の複写画像を得るために、画像形成装置は、現像剤のトナー濃度が適正範囲に保持されるように、適宜トナーをトナー収容器23から現像槽26に補給する必要がある。トナーの補給は、トナー濃度センサ21の出力電圧に応じて行われる。即ち、トナーの補給は、トナー濃度センサ21の出力電圧が目標値としての制御電圧に近づくように制御されており、これにより、トナー濃度が制御されている。従って、トナー濃度センサ21の出力電圧は、制御電圧に近づくように補正されることとなる。また、制御電圧は、例えば、新品の現像装置20を画像形成装置に設置した際、現像剤を所定時間攪拌した後トナー濃度センサ21により検出された出力電圧を初期設定したものである。
【0071】
ここで、トナー濃度センサ21の出力電圧の補正を行う前に、その補正が必要であるか否かを、例えば、判定回路(判定手段)により判定する。そして、この判定回路が、補正が必要であると判定した場合のみ補正を行う。この判定は、画像形成装置が停止する直前に温度センサにより検出された温度Taと画像形成装置の再起動後に温度センサにより検出された温度Tbとの温度差である差分値ΔTと、予め所定の値に設定された規定温度T(環境設定値)とを比較した比較結果、および、画像形成装置が停止する直前におけるトナー濃度センサ21の出力電圧Vaと画像形成装置の再起動後における出力電圧Vbとの出力差である差分値ΔVと、予め所定の値に設定された設定値VX(トナー設定値)とを比較した比較結果に基づいて行われる。
【0072】
上記の判定回路は、画像形成装置が停止する直前と再起動後とで温度が大きく変化している場合は、トナー濃度センサ21の出力電圧の補正を必要と判定するようになっている。一方、画像形成装置が停止する直前と再起動後とで温度があまり変化していない場合は、トナー濃度センサの出力電圧の補正を不要と判定するようになっている。
【0073】
従って、画像形成装置が停止する直前と再起動後とで環境要因が大きく変化している場合に、トナー濃度センサの出力電圧に適切な補正を行うことができる。従って、適切にトナー濃度を制御することができ、これにより、適正なトナー濃度を維持することができる。
【0074】
また、画像形成装置が停止する直前と再起動後とで温度があまり変化していない場合には、直ちに画像形成動作へ移行することができ、画像形成装置における装置稼働率の低下を防止することができる。
【0075】
以下、トナー濃度制御方法を、図1に基づいて説明する。
【0076】
例えば、画像形成装置の暖機回転時、用紙搬送ジャムからの復帰時、インターロック解除時等に、温度センサを用いて電源投入直後の現像槽26内における温度Tbを検出する(S1)。
【0077】
そして、前回、画像形成装置が停止する直前に、温度センサにより検出してメモリに記憶しておいた現像槽26内の温度Taと、現在の画像形成装置の電源投入直後に検出した現像槽26内の温度Tbとの差分値ΔTを算出する(S2)。そして、この差分値ΔTが設定値である規定温度T以上、即ち、ΔT=|Ta−Tb|≧Tであるか否かを判定回路により判定する(S3)。
【0078】
差分値ΔTが、ΔT=|Ta−Tb|≧Tの場合、即ちS3で YESの場合、電源投入から所定時間、例えば、1.5秒だけ遅延して前回転を開始し、トナー濃度センサ21によるトナー濃度(出力電圧)の検出を開始する(S4)。ここで、前回転とは現像を行わずに現像剤を攪拌ローラ25で攪拌することをいう。
【0079】
トナー濃度の検出が開始され、トナー濃度センサ21の出力電圧Vbが読み込まれると(S5)、その出力電圧Vbと、前回、画像形成装置が停止する直前に読み込まれ、メモリに記憶しておいたトナー濃度センサ21の出力電圧Vaとの差分値ΔVを算出して(S6)、この差分値ΔVと予め設定された設定値VXとを比較する(S7)。このS7で、トナー濃度センサ21の出力電圧の補正を行うか否か決定される。トナー濃度センサ21の出力電圧の補正は、予め初期設定されている制御電圧に基づいて行われる。トナー濃度センサ21の出力電圧の補正を行う場合、予め初期設定されている制御電圧を補正し、その補正された制御電圧の値に近づくようにトナー濃度センサ21の出力電圧は補正されることとなる。ここで、初期設定されている制御電圧を電圧Vref とする。
【0080】
差分値ΔVが、ΔV=|Vb−Va|≧VXを満たす場合、即ち、S7で YESの場合、図3に示すように、現像剤の状態が安定状態に移行するのに要するだけの時間間隔Xを設けた後、後述するトナー濃度センサ21の出力電圧の補正を行う。時間間隔Xの期間中は現像剤撹拌が継続される。その撹拌速度は機種によって異なるので、撹拌時間も異なるが、通常180秒〜300秒程度現像剤は攪拌される。これにより、局所的に他の部分と異なる値をトナー濃度センサ21が検知することを防止することができる。従って、現像剤の状態が安定してから画像形成動作を開始することができ、画像品質の低下を防止することができる。
【0081】
差分値ΔTが規定温度T未満の場合、即ち、S3においてNOの場合には、環境要因の状態変化が無しと判断され、トナー濃度センサ21の出力電圧の補正を行わずに、直ちに画像形成動作に移行するので、装置稼動率を維持することができる。
【0082】
また、S7において、NOの場合、即ち、差分値ΔTは規定温度T以上であるが、差分値ΔVが設定値VX未満の場合にも、直ちに画像形成動作に移行する。即ち、環境要因は変化していると判定されても、トナー濃度センサ21の出力電圧があまり変化していないと判定された場合には、トナー濃度センサ21の出力電圧の補正は行わない。
【0083】
次に、トナー濃度制御方法におけるトナー濃度センサ21の出力電圧の補正方法について図1、図3に基づいて説明する。
【0084】
ここで、例えば、高温状態では、トナー濃度センサ21は実質トナー濃度が、適値かそれよりも低目であるにもかかわらず、トナー濃度(検知トナー濃度)が増加したとしてオーバートナー検知する傾向を有するので、トナー補給を停止する。このため、実質トナー濃度は減少する。
【0085】
従って、高温状態の場合、トナー補給を行わすべく、図3に示すように、初期設定されているトナー濃度センサ21の制御電圧である電圧Vref を高側に変更し(制御電圧の補正を行い)、電圧Vref2として(S8)、画像形成の実行を開始する(S9)。なお、制御電圧とは、検知トナー濃度が正常な濃度となるのに必要な電圧であり、トナー濃度センサ21の出力電圧は、制御電圧に近づくように補正されることとなる。従って、例えば、制御電圧が電圧Vref2に補正された場合、トナー濃度センサ21の出力電圧は、この電圧Vref2に近づくように補正される。
【0086】
このように、電圧Vref2は、画像形成装置の初期設定時に画像形成装置が記憶している電圧Vref に対して、プラス補正がなされたものである。このプラス補正の幅は画像形成装置の製造時に予めプログラム化して出力値の補正に用いる定数として画像形成装置に記憶させておくか、あるいは、各画像形成装置に対する個別対応として画像形成装置設置時に専門技術者が操作パネル等を介して入力することとなる。
【0087】
画像形成の実行が開始されると、現像装置20を駆動する現像装置駆動モータ(現像手段を駆動するモータ)の回転時間が検出される(S10)。そして、この回転時間が設定値以上であるか否かを判定する(S11)。
【0088】
回転時間が設定値以上である場合、即ち、S11で YESの場合は、電圧Vref2を徐々に補正し、その補正された制御電圧に基づいてトナー濃度センサ21の出力電圧、即ち、トナー濃度を制御する。この制御電圧の補正は、電圧Vref2を、現像装置駆動モータの回転時間がT1時間経過する毎にVsずつステップ刻みで解除(補正のレベルを軽減)してゆき、電圧Vref に戻るまで行われる。即ち、制御電圧を電圧Vref から高側の電圧Vref2へ変更した後、T1時間経過すると、電圧Vref2からVs低くする。その後もT1時間経過する度に、前回の制御電圧を基準電圧としてVsずつ低くしていくように補正する(S12)。
【0089】
また、トナー濃度センサ21の制御電圧を電圧Vref2から電圧Vref へ戻す過程、即ち、上記S12において、電圧Vref 到達前にトナー濃度センサ21の出力電圧V2と、その前回の出力電圧V1との差分値ΔV3が、再び上記設定値VX(S7参照)以上、即ち、ΔV3=|V2−V1|≧VXであるか否かを判定する(S13)。
【0090】
差分値ΔV3が設定値VX以上である場合、即ち、S13で YESの場合は制御電圧を補正して、補正レベルが最大となる電圧Vref2へと戻す。ここで、トナー濃度センサ21の出力電圧補正実行中、即ち、制御電圧の補正実行中においても、常に前回の検出結果(V1)の更新を行い、制御電圧が補正されて電圧Vref に戻るまで、前回検出結果を採用する。
【0091】
差分値ΔV3が設定値VX未満である場合、即ち、S13でNOの場合にはトナー濃度センサ21の制御電圧を電圧Vref2から電圧Vref へと徐々に戻す(補正を行う)。
【0092】
現像装置駆動モータの回転時間が設定時間に満たない場合、即ち、S11でNOの場合、画像形成動作の実行開始前(S9の前)まで戻り、現像装置20の回転数カウンタがリセットされない限り、トナー濃度センサ21の出力電圧の補正は行われない。
【0093】
また、上記のようなトナー濃度センサ21の出力電圧の補正が一旦完了した後でも、再度差分値ΔV3が、ΔV3=|V2−V1|≧VXであることが検出されると、上述したのと同じ手順でトナー濃度センサ21の出力電圧の補正を繰り返すこととなる。即ち、画像形成動作の実行開始前(S9の前)まで戻り、再びトナー濃度センサ21の出力電圧の補正が行われる。この補正は、S12で補正を段階的に戻す過程が繰り返され、S8で補正された設定が全て解除される、即ち、トナー濃度センサ21の制御電圧が電圧Vref に戻る(S14)まで繰り返される。
【0094】
以上のように、S4では、画像形成装置の起動時より所定時間遅延して、トナー濃度センサ21の出力電圧の検出が開始される。
【0095】
一般に、現像剤は容量性を有するため、温度が変化しても直ちに呼応して状態変化せず、温度変化に応じて状態変化するまでに時間的ずれを伴う。一方、温度センサは感度が良好であるので、温度変化に対して機敏に反応する。このため、トナー濃度制御を行う際には、温度センサにより検出される温度変化の速度に対する、現像剤の状態変化の速度遅延、即ち、時間的ずれが障害となる。従って、温度センサにより検出される温度を、変動速度が遅い現像剤のトナー濃度制御に反映すると、過補正の傾向となる。
【0096】
しかしながら、S4では、画像形成装置の起動時より所定時間遅延して、トナー濃度センサ21の出力電圧の検出が開始される。これにより、現像剤が周りの環境の変化になじんでからトナー濃度センサ21の出力電圧の検出を開始することができる。従って、画像形成装置の停止時間の長短の違いまで反映させて補正を行うことができ、この結果、過補正の影響による画像品質の低下を回避することができる。
【0097】
また、S12においては、制御電圧の補正のレベルを徐々に軽減している。トナー濃度センサ21の出力電圧の補正は制御電圧に応じて補正されるため、トナー濃度センサ21の出力電圧の補正のレベルを徐々に軽減することができる。制御電圧を電圧Vref2に継続して維持すると、過剰にトナー補給される結果、オーバートナーに転じ、過補正となる虞れがあるが、補正のレベルを徐々に軽減することにより、過補正を防止することができる。
【0098】
トナー濃度センサ21の出力電圧の補正と、画像形成動作の実行とは、この順に行ってもよいが、トナー濃度センサ21の出力電圧に対する補正と、画像形成動作の実行とを同時に行ってもかまわない。このとき、画像形成動作の実行中に、トナー濃度センサ21の出力電圧に対する補正の強度を時間経過に伴って軽減する方が好ましい。
【0099】
例えば、画像形成動作とトナー濃度センサ21の出力電圧に対する補正とを別個に行う場合、トナー濃度センサ21の出力電圧に対する補正を行う時間の分だけ、画像形成動作前の時間が長くなり、画像形成装置の停止時間が長くなる。
【0100】
しかしながら、画像形成動作と、トナー濃度センサ21の出力電圧に対する補正とが同時に進行することにより、画像形成装置の停止時間を短縮できる。従って、トナー濃度センサ21の出力電圧に対する補正のためのみの装置停止を回避することができ、装置稼働率の低下を防止することができる。
【0101】
一般に、現像剤は容量性を有するため、温度が変動しても直ちに呼応して状態変化せず、温度変化に応じて状態変化するまでに時間的ずれを伴う。一方、センサ類は感度が良好であるので、温度変化に対して機敏に反応する。このため、トナー濃度制御を行う際には、温度が変化する速度に対して、現像剤の状態変化の速度遅延即ち、時間的ずれが障害となる。
【0102】
変動速度が速い温度を、変動速度が遅い現像剤のトナー濃度制御に反映すると、過補正の傾向となるが、ここで、トナー濃度センサ21の出力電圧に対する補正の強度を時間経過に伴って軽減することにより、この過補正の影響による画像品質の低下を回避しながら、直ちに画像形成動作へ移行することができる。これにより、装置稼働率の低下を防止することができる。そして、画像形成動作を実行すると、現像剤の状態が時間経過とともに安定するので、過補正を防止することができる。
【0103】
なお、制御電圧を電圧Vref から高側のVref2へ変更する制御電圧補正は、前回転時に行ってもかまわない。これにより、制御電圧を補正しながら出力電圧を補正した後、直ちに画像形成を実行することができ、画像形成動作への影響、即ち、装置稼働率の低下を招くことがない。
【0104】
また、S11では、現像装置駆動モータの回転時間を時間的尺度の基準として用いている。時間的尺度の基準としては、例えば、画像形成された枚数も考えられる。しかしながら、例えば、A3用紙1枚でも、A4用紙1枚でも、同じように1枚と計算される。このように、用紙の大きさが異なる場合では、現像ローラ24の回転時間も異なり、現像装置20内の現像剤におけるトナー濃度も異なる。現像剤の状態も異なることとなる。
【0105】
このように、画像形成された枚数は、現像剤におけるトナー濃度に直接関係しない。また、同様に、例えば、画像形成装置が起動してから経過した時間や、感光体ドラム22の回転時間等も現像剤におけるトナー濃度に直接関係しない。
【0106】
しかしながら、現像装置駆動モータの、画像形成動作に移行後における累積回転時間は、現像剤におけるトナー濃度に直接関係するため、この累積回転時間を用いてトナー濃度センサ21の出力電圧に対する補正を行うことにより、画像形成された枚数、画像形成装置が起動してから経過した時間、感光体の回転時間等を用いて補正を行うよりも、高精度な補正を行うことができる。
【0107】
【発明の効果】
以上のように、本発明の画像形成装置は、画像形成装置が停止する直前に環境要因測定手段により測定された環境要因と画像形成装置の再起動後に環境要因測定手段により測定された環境要因との差と、画像形成装置が停止する直前におけるトナー濃度センサの出力電圧と画像形成装置の再起動後におけるトナー濃度センサの出力電圧との差とに基づいてトナー濃度センサの出力電圧の補正の要否を判定する判定手段を備えており、トナー制御手段は、判定手段の判定結果に応じて現像剤のトナー濃度を制御する構成である。
【0108】
これにより、画像形成装置が停止する直前と再起動後とで環境要因が大きく変化している場合にも、トナー濃度センサの出力電圧に適切な補正を行うことができる。従って、適切にトナー濃度を制御することができ、適正なトナー濃度を維持することができる。また、トナー濃度センサの出力電圧の補正が必要ないと判定された場合には、直ちに画像形成動作へ移行することができ、画像形成装置における装置稼働率の低下を防止することができるといった効果を奏する。
【0109】
本発明の画像形成装置は、判定手段が、画像形成装置が停止する直前に環境要因測定手段により測定された環境要因と画像形成装置の再起動後に環境要因測定手段により測定された環境要因との差が、予め所定の値に設定された環境設定値未満の場合には、トナー濃度センサの出力電圧の補正を不要と判定するようになっている構成である。
【0110】
これにより、画像形成装置が停止する直前の環境要因に対し、画像形成装置の再起動時の環境要因の変動量が僅かであり、トナー濃度センサの出力電圧の補正を必要としないような場合には、トナー濃度センサの出力補正を行わずに直ちに画像形成動作へ移行することができる。従って、装置稼働率および画像形成効率の低下を防止することができるといった効果を奏する。
【0111】
本発明の画像形成装置は、判定手段が、画像形成装置が停止する直前に環境要因測定手段により測定された環境要因と画像形成装置の再起動後に環境要因測定手段により測定された環境要因との差が上記環境設定値以上であって、画像形成装置が停止する直前におけるトナー濃度センサの出力電圧と画像形成装置の再起動後におけるトナー濃度センサの出力電圧との差が、予め所定の値に設定されたトナー設定値以上の場合には、トナー濃度センサの出力電圧の補正を必要と判定する一方、画像形成装置が停止する直前に環境要因測定手段により測定された環境要因と画像形成装置の再起動後に環境要因測定手段により測定された環境要因との差が上記環境設定値以上であって、画像形成装置が停止する直前におけるトナー濃度センサの出力電圧と画像形成装置の再起動後におけるトナー濃度センサの出力電圧との差が、上記トナー設定値未満の場合には、トナー濃度センサの出力電圧の補正を不要と判定するようになっている構成である。
【0112】
これにより、画像形成装置が停止する直前の環境要因に対し、画像形成装置の再起動時の環境要因の変動量がトナー濃度センサの出力補正を要する程度の変動量であっても、実際のトナー濃度を検出することによって、最終的なトナー濃度センサの出力補正の要否を決定するので、最短の装置停止時間で、トナー濃度センサの出力補正を行わずに画像形成動作へ移行することができる。従って、装置稼働率および画像形成効率の低下を防止することができるといった効果を奏する。
【0113】
本発明の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサの出力電圧を補正することにより現像剤のトナー濃度を制御する画像形成装置のトナー濃度制御方法において、画像形成装置が停止する直前の環境要因と画像形成装置の再起動後の環境要因との差と、予め所定の値に設定された環境設定値との比較結果に応じて上記トナー濃度センサの出力電圧の補正の要否を判定し、該判定結果に基づいて現像剤のトナー濃度を制御する構成である。
【0114】
これにより、画像形成装置の前回動作停止時と動作開始時とで環境要因が大きく変化している場合にも、トナー濃度センサの出力電圧に適切な補正を行うことができる。また、トナー濃度センサの出力電圧の補正が必要ないと判定された場合、直ちに画像形成動作へ移行することができ、画像形成装置における装置稼働率の低下を防止することができるといった効果を奏する。
【0115】
本発明の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、画像形成装置が停止する直前の環境要因と画像形成装置の再起動後の環境要因との差が、上記環境設定値未満の場合には、上記トナー濃度センサの出力電圧の補正を不要と判定し、画像形成動作へ移行する構成である。
【0116】
これにより、装置停止直前の環境要因に対する装置再起動時の環境要因の変動量が僅かであり、補正を必要としないような場合には、直ちに画像形成動作へ移行することができる。従って、装置稼働率および画像形成効率の低下を防止することができるといった効果を奏する。
【0117】
本発明の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、画像形成装置が停止する直前の環境要因と画像形成装置の再起動後の環境要因との差が、上記環境設定値以上であって、画像形成装置が停止する直前におけるトナー濃度センサの出力電圧と、画像形成装置の再起動時におけるトナー濃度センサの出力電圧との差が、予め所定の値に設定されたトナー設定値未満の場合には、トナー濃度センサの出力電圧の補正を不要と判定し、画像形成動作へ移行する構成である。
【0118】
これにより、画像形成装置が停止する直前の環境要因に対し、画像形成装置の再起動時の環境要因の変動量がトナー濃度センサの出力補正を要する程度の変動量であっても、最短の装置停止時間で、トナー濃度センサの出力補正を行わずに画像形成動作へ移行することができる。従って、装置稼働率および画像形成効率の低下を防止することができるといった効果を奏する。
【0119】
本発明の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、トナー濃度センサの出力電圧が、画像形成装置の起動時より所定時間遅延して、検出が開始される構成である。
【0120】
これにより、現像剤が周りの環境の変化になじんでからトナー濃度センサの出力電圧の検出を開始することができる。これにより、画像形成装置の停止時間の長短の違いまで反映させて補正を行うことができ、過補正の影響による画像品質の低下を回避することができるといった効果を奏する。
【0121】
本発明の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、トナー濃度センサの出力電圧の検出が開始されてから画像形成動作が実行されるまでの間に、トナー濃度センサの出力電圧の補正を行う構成である。
【0122】
これにより、トナー濃度センサの出力電圧の補正後は直ちに画像形成動作に移行することができる。従って、画像形成動作への影響がなく、また、装置稼働率の低下を防止することができるといった効果を奏する。
【0123】
本発明の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、画像形成動作の実行中に、トナー濃度センサの出力電圧に対する補正の強度を時間経過に伴って軽減する構成である。
【0124】
これにより、画像形成動作と、トナー濃度センサの出力電圧に対する補正とが同時に進行することができ、画像形成装置の停止時間を短縮できる。従って、トナー濃度センサの出力電圧に対する補正のためのみの装置停止を回避することができ、装置稼働率の低下を防止することができるといった効果を奏する。
【0125】
本発明の画像形成装置のトナー濃度制御方法は、画像形成動作に移行後における、画像信号に基づいて感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを付与してトナー像を形成する現像手段を駆動するモータの累積回転時間を計数し、計数された上記累積回転時間の経過に伴ってトナー濃度センサの出力電圧に対する補正の強度を順次軽減する構成である。
【0126】
これにより、画像形成された枚数、画像形成装置が起動してから経過した時間、感光体の回転時間等を用いて補正を行うよりも、高精度な補正を行うことができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る画像形成装置のトナー濃度制御方法を示すフローチャートである。
【図2】上記画像形成装置の概略の構成を示す断面図である。
【図3】制御電圧に基づいたトナー濃度制御を示す説明図である。
【図4】トナー濃度センサの構成の一例を示す回路図である。
【図5】トナー濃度とトナー濃度センサの出力電圧との関係を示すグラフである。
【図6】湿度とトナー濃度センサの出力電圧との関係を示すグラフである。
【図7】制御電圧とトナー濃度センサの出力電圧との関係を示すグラフである。
【図8】温度とトナー濃度センサの出力電圧との関係を示すグラフである。
【図9】制御電圧とトナー濃度センサの出力電圧との関係を示すグラフである。
【図10】現像剤とトナー濃度センサの出力電圧との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
20 現像装置
21 トナー濃度センサ
21a 検知面
23 トナー収容器
24 現像ローラ
25 撹拌ローラ
26 現像槽
Claims (12)
- 現像装置の現像槽内における現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサと、環境要因を測定する環境要因測定手段と、現像剤のトナー濃度が適正範囲に保持されるように上記トナー濃度センサの出力電圧に基づいて上記現像槽へのトナー補給を制御するトナー制御手段とを備えた画像形成装置において、
画像形成装置が停止する直前に環境要因測定手段により測定された環境要因と画像形成装置の再起動後に環境要因測定手段により測定された環境要因との差が予め設定されている環境設定値以上か否かを判定する第1の判定の結果と、画像形成装置が停止する直前におけるトナー濃度センサの出力電圧と画像形成装置の再起動後におけるトナー濃度センサの出力電圧との差が予め設定されているトナー設定値以上か否かを判定する第2の判定の結果とに基づいて、上記トナー濃度センサの出力電圧に対応したトナー補給量を変更することの要否を判定する判定手段を備えており、
上記判定手段は、第1の判定の結果において両環境要因の差が上記環境設定値以上であり、かつ第2の判定の結果においてトナー濃度センサの両出力電圧の差が上記トナー設定値以上である場合にのみ、トナー補給量の上記変更を必要と判定し、
上記トナー制御手段は、上記判定手段によりトナー補給量の上記変更が必要と判定された場合に、上記トナー濃度センサの出力電圧に対応したトナー補給量を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 現像装置の現像槽内における現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサと、環境要因を測定する環境要因測定手段と、上記トナー濃度センサの出力電圧が基準電圧に近づくように上記現像槽へのトナー補給を制御するトナー制御手段とを備えた画像形成装置において、
画像形成装置が停止する直前に環境要因測定手段により測定された環境要因と画像形成装置の再起動後に環境要因測定手段により測定された環境要因との差が予め設定されている環境設定値以上か否かを判定する第1の判定の結果と、画像形成装置が停止する直前におけるトナー濃度センサの出力電圧と画像形成装置の再起動後におけるトナー濃度センサの出力電圧との差が予め設定されているトナー設定値以上か否かを判定する第2の判定の結果とに基づいて、上記基準電圧を変更することの要否を判定する判定手段を備えており、
上記判定手段は、第1の判定の結果において両環境要因の差が上記環境設定値以上であり、かつ第2の判定の結果においてトナー濃度センサの両出力電圧の差が上記トナー設定値以上である場合にのみ、上記基準電圧の変更を必要と判定し、
上記トナー制御手段は、上記判定手段により上記基準電圧の変更が必要と判定された場合に、上記基準電圧を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 上記トナー濃度センサの出力電圧は、画像形成装置の起動時より所定時間遅延して検出が開始されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 上記トナー濃度センサの出力電圧の検出が開始されてから画像形成動作が実行されるまでの間に、上記制御電圧の補正を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 画像形成動作の実行中に、上記制御電圧に対する補正の強度を時間経過に伴って軽減することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 画像形成動作に移行後における、画像信号に基づいて感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを付与してトナー像を形成する現像手段を駆動するモータの累積回転時間を計数し、計数された上記累積回転時間の経過に伴って上記制御電圧に対する補正の強度を順次軽減することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 現像装置の現像槽内における現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサの出力電圧に基づいて、現像剤のトナー濃度が適正範囲に保持されるように、上記現像槽へのトナー補給を制御する制御ステップを備えている画像形成装置のトナー濃度制御方法において、
画像形成装置が停止する直前の環境要因と画像形成装置の再起動後の環境要因との差が予め設定されている環境設定値以上か否かを判定する第1の判定の結果と、画像形成装置が停止する直前におけるトナー濃度センサの出力電圧と画像形成装置の再起動後におけるトナー濃度センサの出力電圧との差が予め設定されているトナー設定値以上か否かを判定する第2の判定の結果とに基づいて、上記トナー濃度センサの出力電圧に対応したトナー補給量を変更することの要否を判定する判定ステップを備え、
上記判定ステップでは、第1の判定の結果において両環境要因の差が上記環境設定値以上であり、かつ第2の判定の結果においてトナー濃度センサの両出力電圧の差が上記トナー設定値以上である場合にのみ、トナー補給量の上記変更を必要と判定し、
上記制御ステップでは、上記判定ステップにおいてトナー補給量の上記変更が必要と判定された場合に、上記トナー濃度センサの出力電圧に対応したトナー補給量を変更することを特徴とする画像形成装置のトナー濃度制御方法。 - 現像装置の現像槽内における現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサの出力電圧が基準電圧に近づくように上記現像槽へのトナー補給を制御する制御ステップを備えている画像形成装置のトナー濃度制御方法において、
画像形成装置が停止する直前の環境要因と画像形成装置の再起動後の環境要因との差が予め設定されている環境設定値以上か否かを判定する第1の判定の結果と、画像形成装置が停止する直前におけるトナー濃度センサの出力電圧と画像形成装置の再起動後におけるトナー濃度センサの出力電圧との差が予め設定されているトナー設定値以上か否かを判定する第2の判定の結果とに基づいて、上記基準電圧を変更することの要否を判定する判定ステップを備え、
上記判定ステップでは、第1の判定の結果において両環境要因の差が上記環境設定値以上であり、かつ第2の判定の結果においてトナー濃度センサの両出力電圧の差が上記トナー設定値以上である場合にのみ、上記基準電圧の変更を必要と判定し、
上記制御ステップでは、上記判定ステップにおいて上記基準電圧の変更が必要と判定された場合に、上記基準電圧を変更することを特徴とする画像形成装置のトナー濃度制御方法。 - 上記トナー濃度センサの出力電圧は、画像形成装置の起動時より所定時間遅延して検出が開始されることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置のトナー濃度制御方法。
- 上記トナー濃度センサの出力電圧の検出が開始されてから画像形成動作が実行されるまでの間に、上記制御電圧の補正を行うことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置のトナー濃度制御方法。
- 画像形成動作の実行中に、上記制御電圧に対する補正の強度を時間経過に伴って軽減することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置のトナー濃度制御方法。
- 画像形成動作に移行後における、画像信号に基づいて感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを付与してトナー像を形成する現像装置を駆動するモータの累積回転時間を計数し、計数された上記累積回転時間の経過に伴って上記制御電圧に対する補正の強度を順次軽減することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置のトナー濃度制御方法。
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