JP3722028B2 - 画像再生装置及び画像照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムに露光記録されている画像情報を再生する画像再生装置、及び、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムに露光記録されている画像情報を再生するための再生光をホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して照射する画像照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホログラフィックステレオグラムは、例えば、被写体を異なる観察点から順次撮像することによって得られた多数の画像を原画として、これらを1枚のホログラム用記録媒体に短冊状又はドット状の要素ホログラムとして順次露光記録することによって作製される。
【0003】
例えば、横方向のみに視差情報を有するホログラフィックステレオグラムは、図26に示すように、被写体200を横方向の異なる観察点から順次撮影することによって得られた複数の原画201a〜201eを、所定の光学系を有するホログラフィックステレオグラム作製装置における表示器に順次表示し、表示された画像にレーザ光を照射することで画像変調した物体光と参照光との干渉によって生じる干渉縞を短冊状の要素ホログラムとしてホログラム用記録媒体202に順次露光記録することによって作製される。
【0004】
このようにして作製されたホログラフィックステレオグラムは、横方向の異なる観察点から順次撮影することによって得られた画像情報が、短冊状の要素ホログラムとして横方向に順次記録されていることから、観察者がこれをある位置から片方の目で見た場合には、各要素ホログラムの一部分として記録されている画像情報の集合体が2次元画像として識別され、また、この位置とは異なる他の位置から片方の目で見た場合には、各要素ホログラムの他の一部分として記録されている画像情報の集合体が他の2次元画像として識別される。したがって、ホログラフィックステレオグラムは、観察者がこれを両目で見た場合には、左右の目の視差により、露光記録画像が3次元画像として認識される。
【0005】
このようなホログラフィックステレオグラムを適用したアプリケーションとしては、例えば、「Akira Shirakura,Nobuhiro Kihara and Shigeyuki Baba,”Instant holographic portrait printing system”,Proceeding of SPIE,Vol.3293,pp.246−253,Jan.1998」や「木原、白倉、馬場:”高速ホログラムポートレイトプリントシステム”、3次元画像コンファレンス1998、1998年7月」等に記載されているように、被写体を撮影して視差画像列を生成する撮影装置と、ホログラフィックステレオグラムを作製するホログラフィックステレオグラム作製装置のようなホログラフィックステレオグラム又はホログラムを印刷物として出力する印刷装置とを組み合わせたプリンタシステム等がある。このようなプリンタシステムは、被写体の撮影から撮影結果の印刷までのサービスを同一場所で提供することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムから再生像を再生する際には、記録時に用いた参照光によって定められる再生光が必要とされる。この再生光の光源としては、記録時と同様にレーザ光が用いられる場合もあるが、いわゆるレインボーホログラムやリップマンホログラム等を再生するためには、コヒーレントな光源を用いる必要はなく、例えばハロゲンランプ等のインコヒーレントな白色光源を用いることもできる。また、観察者に対して映像を展示するようなディスプレイホログラムにおいては、再生光として、例えば、太陽光のような平行光による照明や、ハロゲンランプによるスポットライト等のような略点光源状態若しくは略平行光状態の照明が用いられる。
【0007】
ここで、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムにおいては、光源から放射される再生光の発散角については、記録時に用いた参照光の状態に近い状態である方が望ましい。そのため、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムにおいては、再生光の光源の種別や光学的な配置にある程度の制限が加えられる。
【0008】
そして、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムからは、再生光が照明されることにより、記録時の物体光の波面が再生される。観察者は、上述したように、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムを両目で視認することにより、立体映像等の3次元像を観察することができる。また、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムにおいては、時系列の画像が順次記録されていることにより、静止した3次元像のみではなく、時系列映像を表示することも可能となる。
【0009】
しかしながら、このようなホログラム又はホログラフィックステレオグラムにおいては、観察者が再生像を観察するためには、当該ホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して視差方向に移動、すなわち、視点移動する必要があった。そのため、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムにおいては、視認される再生像が観察者の恣意によって決定されることになる。特に、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムにおいては、複数の3次元像が記録されている場合や時系列映像が記録されている場合といったように、観察者が視点を移動させることによって再生像が変化する場合には、観察者の恣意によって再生像のバリエーションにばらつきが生じるといった問題があった。
【0010】
一方、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムにおいては、再生光の入射角度を、記録時に定められた参照光の入射角度から変位させることにより、観察者が視点を移動させた状態と略近似した状態のもとに、3次元像や時系列映像等の再生像を観察することができることが知られている。
【0011】
例えば、本件出願人が先に出願している特開2001−142382号公報では、ホログラムに対して所定の入射角度を保ちながら移動する光源を備える画像再生装置が開示されている。この特開2001−142382号公報では、光源の移動機構として、レバー及びばね、さらには、ばねの付勢力を制御するダンパからなる機構が例示されている。この画像再生装置は、初期状態からレバーを移動させると、ばねの付勢力によってレバーが初期状態に戻る機構を備えており、このレバーの移動に伴い光源が移動するものである。
【0012】
しかしながら、この画像再生装置は、光源が初期状態から離れ、再び初期状態へと戻るという1回往復動移動動作を行うものであった。そのため、画像再生装置においては、観察者が再生像を繰り返し観察しようとする場合には、レバーの移動動作を反復して行う必要があり、操作の煩わしさを否めない感があった。また、この画像再生装置は、繰り返しレバーを移動動作させることにより、機構の破損や消耗が生じやすいという問題もあった。
【0013】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、観察者が視点を移動させる必要がなく、簡便な構造のもとにホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対する再生光の入射角度を変位させて再生像を繰り返し観察することが可能となる画像再生装置及び画像照明装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかる画像再生装置は、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムに露光記録されている画像情報を再生する画像再生装置であって、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムを保持して展示するための展示手段と、展示手段に保持されたホログラム又はホログラフィックステレオグラムから画像情報を再生するための再生光を出射する光源手段と、少なくとも光源手段の駆動電力を供給する電源手段と、光源手段を支持するとともに、展示手段に保持されたホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対する再生光の照射位置を往復移動させる支持手段とを備え、この支持手段が、一端にカウンターバランス用おもりが取り付けられ他端には連結アームが所定の角度を保ちながら取り付けられ、水平方向の支軸を回転中心として回動自在な回動部材により、この連結アームに取り付けられた光源手段をホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させることを特徴としている。
【0015】
このような本発明にかかる画像再生装置は、光源手段をホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させ、展示手段に保持されたホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対する再生光の照射位置を往復移動させる。
【0016】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる画像照明装置は、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムに露光記録されている画像情報を再生するための再生光をホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して照射する画像照明装置であって、再生光を出射する光源手段と、少なくとも光源手段の駆動電力を供給する電源手段と、光源手段を支持するとともに、展示手段に保持されたホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対する再生光の照射位置を往復移動させる支持手段とを備え、この支持手段が、一端にカウンターバランス用おもりが取り付けられ他端には連結アームが所定の角度を保ちながら取り付けられ、水平方向の支軸を回転中心として回動自在な回動部材により、この連結アームに取り付けられた光源手段をホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させることを特徴としている。
【0017】
このような本発明にかかる画像照明装置は、光源手段をホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させ、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対する再生光の照射位置を往復移動させる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
この実施の形態は、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムに露光記録されている3次元画像情報や時系列映像情報等を再生する画像再生装置である。この画像再生装置は、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムから再生像を再生するための再生光の照射位置を、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して反復的に往復移動させるものである。具体的には、画像再生装置は、いわゆる振り子の原理を用いて、光源をホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させることによって照射位置を往復移動させる、又は、ねじれ振り子の原理を用いて、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムを光源に対して反復的に回動させることによって照射位置を往復移動させるものである。この画像再生装置は、このような振り子の原理を用いることにより、光源とホログラム又はホログラフィックステレオグラムとの相対的な往復移動を所定時間持続させることができる。また、この画像再生装置は、例えば数mW以下の低消費電力のもとに、振り子を駆動するための動力を供給することによって動作を持続させることもできる。なお、以下では、画像再生装置は、説明の便宜上、ホログラフィックステレオグラムを再生するものとする。
【0022】
まず、画像再生装置の説明に先だって、ホログラフィックステレオグラムを作製するホログラフィックステレオグラム作製装置について説明する。なお、ここでは、ホログラフィックステレオグラム作製装置は、短冊状の複数の要素ホログラムを1つのホログラム用記録媒体に露光記録することにより、横方向の視差情報を有するホログラフィックステレオグラムを作製するものとして説明するが、ホログラフィックステレオグラム作製装置としては、ドット状の複数の要素ホログラムを1つのホログラム用記録媒体に露光記録することにより、横方向及び縦方向の視差情報を有するホログラフィックステレオグラムを作製するものであってもよいことはいうまでもない。
【0023】
図1に示すように、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、感光フィルムからなるホログラム用記録媒体3に対してホログラフィックステレオグラム画像を露光記録するものである。ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、露光記録対象の画像データの処理を行う画像データ処理部11と、当該ホログラフィックステレオグラム作製装置10を統括的に制御する制御用コンピュータ12と、ホログラフィックステレオグラム作製用の光学系を有するホログラフィックステレオグラム作製部13とを備える。
【0024】
画像データ処理部11は、少なくとも画像処理用コンピュータ14及び記憶装置15を有し、例えば多眼式カメラや移動式カメラ等を有する視差画像列撮像装置1から供給される視差情報を含む撮像画像データD1や、画像データ生成用コンピュータ2によって生成された視差情報を含むコンピュータ画像データD2等の画像データに基づいて、視差画像データ列D3を生成する。
【0025】
なお、撮像画像データD1は、例えば多眼式カメラによる同時撮影又は移動式カメラによる連続撮影によって得られた複数の画像データであり、撮像画像データD1を構成する各画像データ間には視差情報が含まれる。また、コンピュータ画像データD2は、例えばCAD(Computer Aided Design)やCG(Computer Graphics)として作成された複数の画像データであり、コンピュータ画像データD2を構成する各画像データ間には視差情報が含まれる。
【0026】
画像データ処理部11は、これらの撮像画像データD1及び/又はコンピュータ画像データD2に基づく視差画像データ列D3に対して、画像処理用コンピュータ14によってホログラフィックステレオグラム用の所定の画像処理を施してホログラム画像データD4を生成する。ホログラム画像データD4は、例えばメモリやハードディスク装置等の記憶装置15に一時的に格納される。画像データ処理部11は、後述するように、ホログラム用記録媒体3に要素ホログラム画像を露光記録する際に、記憶装置15に格納されたホログラム画像データD4から1画像分毎の要素ホログラム画像データD5を順次読み出し、これらの要素ホログラム画像データD5を、制御用コンピュータ12に供給する。
【0027】
制御用コンピュータ12は、ホログラフィックステレオグラム作製部13を制御して、画像データ処理部11から供給された要素ホログラム画像データD5に基づく要素表示画像を、ホログラフィックステレオグラム作製部13の一部に設けられたホログラム用記録媒体3に短冊状の要素ホログラムとして順次露光記録させる。この際、制御用コンピュータ12は、後述するように、ホログラフィックステレオグラム作製部13の各機構の動作を制御する。
【0028】
ホログラフィックステレオグラム作製部13は、光学系を構成する各部材が図示しない支持基板(光学定盤)に配設支持されるとともに、この支持基板を図示しないダンパ等を介して装置筐体に支持されて構成される。ホログラフィックステレオグラム作製部13は、ホログラフィックステレオグラム作製用の光学系として、入射光学系、物体光学系及び参照光学系を有する。なお、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、感光材であるホログラム用記録媒体3を用いることから、装置筐体は、少なくとも光学系の遮光性を保持した構造となっている。
【0029】
ホログラフィックステレオグラム作製部13は、図2(A)に示すように、入射光学系として、所定の波長のレーザ光を出射するレーザ光源21と、このレーザ光源21からのレーザ光L1の光軸上に配されてレーザ光L1を後段へ入射させる又は遮断するシャッタ機構22と、レーザ光L1を物体光L2と参照光L3とに分割するハーフミラー23とを有する。
【0030】
レーザ光源21は、例えば単一波長で且つ干渉性のよいレーザ光L1を出射する半導体励起YAGレーザ装置、水冷アルゴンイオンレーザ装置又は水冷クリプトンレーザ装置等のレーザ装置から構成される。
【0031】
シャッタ機構22は、要素ホログラム画像データD5の出力タイミングに対応して制御用コンピュータ12から出力された制御信号C1によって開閉動作され、レーザ光L1を後段の光学系へと入射させる、又は、レーザ光L1の後段の光学系への入射を遮断する。
【0032】
ハーフミラー23は、入射されたレーザ光L1を透過光と反射光とに分割する。レーザ光L1は、透過光が上述した物体光L2として用いられる一方、反射光が参照光L3として用いられる。これらの物体光L2と参照光L3とは、それぞれ、後段に設けられた物体光学系又は参照光学系に入射される。
【0033】
なお、入射光学系には、図示しないが、レーザ光L1の進行方向を適宜変化させ、物体光L2と参照光L3との光路長を同一にすること等を目的としてミラー等を設けてもよい。また、シャッタ機構22は、例えば、シャッタ片を機械的に駆動するように構成したものや、音響光学変調器(Acousto−OpticModulation;AOM)を用いた電子シャッタによって構成したものであってもよい。すなわち、シャッタ機構22は、レーザ光L1を遮蔽及び透過可能とする開閉自在なものであればよい。
【0034】
また、ホログラフィックステレオグラム作製部13は、図2(A)及び図2(B)に示すように、物体光学系として、ミラー24、スペーシャルフィルタ25、コリメータレンズ26、投影レンズ27、シリンドリカルレンズ28及びマスク29等の光学部品を有し、これらの各光学部品を光軸に沿ってその入力側から順次配列させている。
【0035】
ミラー24は、ハーフミラー23を透過した物体光L2を反射する。このミラー24によって反射された物体光L2は、スペーシャルフィルタ25へと入射される。
【0036】
スペーシャルフィルタ25は、例えば凸レンズとピンホールとを組み合わせて構成されており、ミラー24によって反射された物体光L2を後述する透過型液晶表示器30の表示面幅に対応して等方的に拡大させる。
【0037】
コリメータレンズ26は、スペーシャルフィルタ25によって拡大された物体光L2を、平行光化して透過型液晶表示器30へと導光する。
【0038】
投影レンズ27は、物体光L2を若干拡散させ、シリンドリカルレンズ28へと投影する。この投影レンズ27は、物体光L2を若干拡散させることにより、作製されるホログラフィックステレオグラムの画質の向上に寄与するものである。
【0039】
シリンドリカルレンズ28は、平行光化された物体光L2を横方向に対して集光する。
【0040】
マスク29は、短冊状の開口部を有しており、シリンドリカルレンズ28によって集光された物体光L2のうち、開口部を通過したものを、ホログラム用記録媒体3へと入射させる。
【0041】
また、物体光学系には、コリメータレンズ26と投影レンズ27との間に位置して透過型液晶表示器30が配設されている。透過型液晶表示器30には、制御用コンピュータ12から供給された要素ホログラム画像データD5に基づいて、要素ホログラム画像が順次表示される。なお、制御用コンピュータ12は、要素ホログラム画像データD5の出力タイミングに対応して、駆動信号C2を後述するホログラム用記録媒体3の記録媒体送り機構34に供給し、その動作制御を行うことにより、ホログラム用記録媒体3の送り動作を制御する。
【0042】
このような物体光学系においては、入射光学系から分割されて入射される細いビーム状である物体光L2が、スペーシャルフィルタ25によって拡大されるとともに、コリメータレンズ26に入射することで平行光とされる。さらに、物体光学系においては、コリメータレンズ26を介して透過型液晶表示器30に入射された物体光L2が、この透過型液晶表示器30に表示された要素ホログラム画像に応じて画像変調されるとともに、投影レンズ27を介してシリンドリカルレンズ28へと入射される。そして、物体光学系は、シャッタ機構22が開放動作されている間、画像変調された物体光L2をマスク29の開口部を介してホログラム用記録媒体3に入射させ、要素ホログラム画像に対応してこれを露光記録する。
【0043】
さらに、ホログラフィックステレオグラム作製部13は、参照光学系として、スペーシャルフィルタ31、コリメータレンズ32及びミラー33を有し、これらの各光学部品を光軸に沿ってその入力側から順次配列させている。
【0044】
スペーシャルフィルタ31は、上述した物体光学系におけるスペーシャルフィルタ25とは異なり、例えばシリンドリカルレンズとスリットとが組み合わされて構成され、ハーフミラー23によって反射分割された参照光L3を所定幅、具体的には、透過型液晶表示器30の表示面幅に対応して1次元方向に拡大させる。
【0045】
コリメータレンズ32は、スペーシャルフィルタ31によって拡大された参照光L3を平行光化する。
【0046】
ミラー33は、参照光L3を反射させてホログラム用記録媒体3の後方へと導光して入射させる。
【0047】
このような光学系を備えるホログラフィックステレオグラム作製部13は、ハーフミラー23によって分割された物体光L2が通過する光学系である物体光学系と、参照光L3が通過する光学系である参照光学系との光路長がほぼ同一に構成されている。したがって、ホログラフィックステレオグラム作製部13は、物体光L2と参照光L3との干渉性の向上が図られて、より鮮明な再生像が得られるホログラフィックステレオグラムを作製することができる。
【0048】
さらに、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、ホログラム用記録媒体3を図2(B)中矢印aで示す方向へと1要素ホログラム分だけ間欠送りする記録媒体送り機構34を備える。
【0049】
記録媒体送り機構34は、制御用コンピュータ12から供給される駆動信号C2に基づいて、ホログラム用記録媒体3を間欠的に走行駆動する。また、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、この記録媒体送り機構34の動作に連動して制御用コンピュータ12から供給される制御信号C1に基づいて、上述したシャッタ機構22が動作されてレーザ光L1の光路を開放する。
【0050】
このようなホログラフィックステレオグラム作製装置10は、1要素画像分の露光記録終了毎に制御用コンピュータ12から1要素ホログラムに対応した駆動信号C2が記録媒体送り機構34に対して供給されることにより、ホログラム用記録媒体3を1要素ホログラムに対応した量だけ走行路に沿って走行駆動させ、マスク29の開口部に未露光部位を対応させて停止させる。なお、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、ホログラム用記録媒体3の走行動作に伴って当該ホログラム用記録媒体3に生じた振動が速やかに停止されるように構成される。ここで、ホログラム用記録媒体3は、長尺状の感光フィルムからなり、図示しないが、例えば全体が遮光状態に保持されたフィルムカートリッジの内部に回転自在に設けられた供給ロールに巻回されている。ホログラム用記録媒体3は、このフィルムカートリッジがホログラフィックステレオグラム作製装置10に装填されると、ホログラフィックステレオグラム作製装置10の内部に繰り出され、記録媒体送り機構34によって走行路を走行駆動させられる。
【0051】
ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、この状態でシャッタ機構22が開放動作されてホログラム用記録媒体3に対してその表裏面から画像変調された物体光L2と参照光L3とをホログラム用記録媒体3に入射させ、要素ホログラム画像に対応した干渉縞を露光記録する。ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、1要素画像の露光記録が終了すると制御用コンピュータ12から記録媒体送り機構34に対して駆動信号C2が供給され、ホログラム用記録媒体3を速やかに所定量だけ走行駆動させ停止させる。
【0052】
さらに、ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、図示しない定着処理部により、ホログラム用記録媒体3に対する紫外線の照射処理と、ホログラム用記録媒体3に対する所定温度での加熱処理とからなる定着処理を行い、ホログラム用記録媒体3に対して露光記録されたホログラフィックステレオグラム画像を定着させる。ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、定着処理が施されたホログラム用記録媒体3を、ホログラフィックステレオグラム画像毎に所定の大きさに順次切り抜き、1枚のホログラフィックステレオグラムとして外部に排出する。
【0053】
ホログラフィックステレオグラム作製装置10は、以下順次この動作を行うことにより、長尺状のホログラム用記録媒体3に対して、複数のホログラフィックステレオグラム画像を順次露光記録し、1枚のホログラフィックステレオグラム画像が露光記録されたホログラフィックステレオグラムを作製する。
【0054】
つぎに、このようなホログラフィックステレオグラム作製装置10によって作製されたホログラフィックステレオグラムに露光記録されている3次元画像情報や時系列映像情報等のホログラフィックステレオグラム画像を再生する画像再生装置について説明する。
【0055】
まず、再生光を出射する光源をホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させることによって再生光の照射位置を往復移動させる画像再生装置について説明する。
【0056】
図3(A)及び図3(B)に外観を示す画像再生装置50は、駆動電力を供給するための電源及び各種電気回路を備える電源手段である電源部51と、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)等を備える光源手段である光源部52と、この光源部52を支持する支持手段である支持部53と、ホログラフィックステレオグラムを保持して展示するための展示手段であるホログラフィックステレオグラム展示部54とに大別される。
【0057】
電源部51には、画像再生装置50の基盤55の内部に、電池等の電源56や光源部52及び支持部53を駆動するための図示しない電気回路が設けられる。また、電源部51には、電源のON/OFFの切り替えを行うためのスイッチ57が設けられる。
【0058】
光源部52は、後述する支持部53における連結アーム60の一端に取り付けられており、電源部51から供給される駆動電力に基づいて、ホログラフィックステレオグラムを作製した際に用いた所定の波長の光を再生光として出射する。例えば、光源部52は、後述するように、複数個の発光ダイオード等の略点光源を線状に並べたり、所定の光学系によって線状光とすることにより、ホログラフィックステレオグラム展示部54に保持されるホログラフィックステレオグラムに対して略平行光を照射する。このとき、光源部52は、ホログラフィックステレオグラム展示部54に保持されたホログラフィックステレオグラムに対して、作製時に用いた参照光の入射角度と同様の入射角度で再生光を照射するように設けられる。勿論、光源部52は、カラーホログラフィックステレオグラムを再生するのに対応して、赤色、緑色及び青色等の複数色の発光ダイオードを備えるようにしてもよい。
【0059】
支持部53は、基盤55に対して垂直方向に立設され且つ支軸58を回動中心として図3(A)中矢印bで示す方向へと回動自在とされる回動部材59と、この回動部材59と所定の角度を保ちながら当該回動部材59の一端に取り付けられる連結アーム60と、回動部材59の他端に取り付けられるカウンターバランス用のおもり61とを備える。支持部53は、電源部51から供給される駆動電力に基づいて動作する。具体的には、支持部53は、図4(A)に示す初期状態から、回動部材59が正逆方向へと反復的に回動することにより、光源部52が先端に取り付けられた連結アーム60を、図4(B)中矢印c及び図4(C)中矢印dで示す方向へと約90°程度のふれ角で反復的に揺動する。
【0060】
ホログラフィックステレオグラム展示部54は、ホログラフィックステレオグラムを保持する保持部材62を備える。保持部材62は、図3(B)に側面を示すように、基盤55に対して所定の角度をもって取り付けられる。このとき、保持部材62は、その主面に対する上述した光源部52から出射される再生光のなす角度が、ホログラフィックステレオグラムの作製時に用いた参照光の入射角度と同様になるように取り付けられる。観察者は、このホログラフィックステレオ展示部54に保持されて展示されたホログラフィックステレオグラムを観察することになる。
【0061】
このような外観を呈する画像再生装置50は、支持部53が支軸58を回動中心として反復的に回動することにより、光源部52が反復的に揺動する。これにより、画像再生装置50は、ホログラフィックステレオグラム展示部54に保持されるホログラフィックステレオグラムに対する再生光の照射位置を往復移動させることができる。
【0062】
以下では、このような画像再生装置50における構成について詳細に説明する。
【0063】
まず、画像再生装置50における光源部52と、ホログラフィックステレオグラム展示部54に保持されるホログラフィックステレオグラムと、支持部53の回動軸との空間的配置について、図5乃至図7を用いて説明する。
【0064】
画像再生装置50においては、図5に示すように、ホログラフィックステレオグラム展示部54に保持されるホログラフィックステレオグラムHSに対して照射される再生光の入射角度αが、ホログラフィックステレオグラムHSの作製時に用いた参照光の入射角度と同一角度であることが望ましく、さらに、観察者OBの視点方向とホログラフィックステレオグラムHSとのなす角度である観察角度θが、ホログラフィックステレオグラムHSの作製時に用いた物体光とホログラフィックステレオグラムHSとのなす角度と同一角度である90°であることが望ましい。
【0065】
しかしながら、ホログラフィックステレオグラムHSは、その主面が所定の面積からなる空間的な大きさを有している。そのため、ホログラフィックステレオグラムHSから有限距離だけ離隔された光源部52から出射される再生光は、ホログラフィックステレオグラムHSへと到達するまでに等方的に拡大される。この結果、ホログラフィックステレオグラムHSに対する再生光の入射角度は、図6に示すように、参照光の入射角度と同一角度αのみならず、その近傍の角度α±δαとなる。したがって、ホログラフィックステレオグラムHSにおいては、当該光源部52が点光源である場合には、観察角度θが一定であったとしても、点光源から出射される再生光の入射角度のばらつきが生じることによって再生光に対する回折効率が変化し、当該ホログラフィックステレオグラムHSから再生されるホログラフィックステレオグラム画像の明るさに空間的なばらつきが生じるおそれがある。
【0066】
また、画像再生装置50においては、上述したように、観察角度θも一定であることが望ましいが、実際には、図7に示すように、その近傍の角度θ±δθをもって観察されることになる。この場合、ホログラフィックステレオグラムHSにおいては、当該ホログラフィックステレオグラムHSの作製時に用いた物体光の状態にも依存するが、当該ホログラフィックステレオグラムHSから再生されるホログラフィックステレオグラム画像の明るさに空間的なばらつきが生じやすい。
【0067】
そこで、画像再生装置50は、光源部52として、上述したように、ホログラフィックステレオグラム展示部54に保持されるホログラフィックステレオグラムHSに対して略平行光を照射するように、複数個の発光ダイオード等の略点光源を線状に並べたり、所定の光学系による線状光源を用いる。これにより、画像再生装置50は、ホログラフィックステレオグラムHSの主面上における所定の面積を有する領域に入射角度αとその近傍の角度をもって再生光を入射させることができ、ホログラフィックステレオグラムHSから再生されるホログラフィックステレオグラム画像の明るさを平均化することができる。
【0068】
また、画像再生装置50は、光源部52として複数の点光源を線状に並べる場合には、各光源から出射される再生光の広がり角が小さいものを用いるのが望ましい。すなわち、画像再生装置50は、上述した角度δαが小さい点光源を用いるのが望ましい。画像再生装置50は、このような点光源を用いることによって最適な入射角度αに近い入射角度の再生光のみをホログラフィックステレオグラムHSに対して照射することができ、回折効率の向上を図ることができる。
【0069】
なお、このような複数の点光源を線状に並べたり、所定の光学系による線状光源を用いることによる効果は、いわゆるリップマンホログラムや横方向及び縦方向の視差情報を有するホログラフィックステレオグラムにもみられるものであるが、特に、横方向又は縦方向のいずれかの方向にのみ視差情報を有するホログラフィックステレオグラムについて顕著なものである。
【0070】
つぎに、画像再生装置50における電気的な回路構成について、図8乃至図15を用いて説明する。なお、以下では、光源部52として発光ダイオードを備えるものとして説明する。
【0071】
画像再生装置50は、支持部53において互いに電気的に絶縁された少なくとも2点以上の支点631,632を備え、これらの支点631,632を介して電源部51から光源部52への電力供給を行う。すなわち、画像再生装置50は、支点631,632を電極として用い、光源部52への電力供給を行う。
【0072】
画像再生装置50においては、光源部52として、並列に接続された複数の発光ダイオード641,642を備える。ここで、発光ダイオードは、電流値によって発光強度が変化するが、通常、所定の電圧値以上を超過すると、電流値が急激に大きくなるという特性を有する。そのため、発光ダイオードは、電圧制御を行おうとすると不安定な点灯動作を行うことになる。そこで、画像再生装置50においては、電流値を制御することによって発光強度を一定に保つように構成される。
【0073】
このような定電流制御を実現する画像再生装置50は、例えば図8に示すように、光源部52として、発光ダイオード641,642のそれぞれに対して直列に電流制御用の可変抵抗651,652を設けるものが考えられる。この場合、画像再生装置50は、可変抵抗651,652によって発光ダイオード641,642に流れる電流量を制限することができる。
【0074】
ところで、画像再生装置50においては、支点631,632を電極として用いていることから、これらの支点631,632の表面に傷やゴミ等が付着した場合には、支点631,632の動作とともに接触抵抗が変化するおそれがある。このような場合、画像再生装置50は、発光ダイオード641,642に流れる電流量が変化し、これに起因して、発光ダイオード641,642が例えば点滅するといったように不安定な動作を行うことになる。
【0075】
そこで、画像再生装置50は、図9に示すように、発光ダイオード641,642に対して並列に平滑化手段である平滑化回路66を設け、発光ダイオード641,642に流れる電流量を安定化させるのが望ましい。なお、同図においては、平滑化回路66として電解コンデンサを設けるものとしているが、多くの電荷を蓄積できるものであれば、例えばリチウムイオン電池やニッケルカドミウム電池等の2次電池やスーパーキャパシタ等であってもよい。
【0076】
また、画像再生装置50は、支持部53における電極を正負反転させた場合の対処としてダイオードブリッジ67を設けてもよい。
【0077】
さらに、画像再生装置50においては、平滑化回路66として電解コンデンサ等の電荷蓄積手段を用いることによって放電時の両端電圧が徐々に低下するおそれがあることから、発光ダイオード641,642に流れる電流量を一定に保つために、先に図8に示した可変抵抗651,652等の制限抵抗を設けるのではなく、図9に示すように、発光ダイオード641,642のそれぞれに対して直列に定電流ダイオード(Current Regulate Diode;CRD)681,682等の定電流手段である定電流回路を設けるのが特に望ましい。
【0078】
なお、画像再生装置50に適用可能な定電流回路としては、例えば図10及び図11に示すように、発光ダイオードLEDに対して直列に定電流ダイオードCRDを接続したものが考えられる。なお、定電流回路としては、2個の発光ダイオードLEDを直列に接続した場合には、図11に示すように、2倍の電圧を供給可能な電源PSを設ければよい。また、定電流回路としては、例えば、図12に示すように、発光ダイオードLEDに対して直列に電解コンデンサFETを接続したものや、図13に示すように、三端子レギュレータRG及び可変抵抗Rを用いるもの、さらには、図14及び図15に示すように、トランジスタTRを用いるものも考えられる。
【0079】
このような画像再生装置50は、光源部52をホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させることによって再生光の照射位置を往復移動させることができることから、観察者が視点を移動させる必要がなく、簡便な構造のもとにホログラフィックステレオグラム画像を繰り返し観察させることができる。
【0080】
つぎに、画像再生装置50を改良し、支持部53の揺動に応じて、光源部52の制御を行う画像再生装置について説明する。なお、この画像再生装置は、上述した画像再生装置50の構成に加え、支持部53の揺動を検知する手段を備えたものである。そのため、以下では、画像再生装置50と同一の部位については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
【0081】
図16(A)及び図16(B)に外観を示す画像再生装置70は、上述した電源部51、光源部52、支持部53、ホログラフィックステレオグラム展示部54の他に、支持部53の揺動状態を検知する揺動検知手段である揺動検知部71を備える。
【0082】
揺動検知部71は、初期状態にある支持部53における回動部材59の長軸の延長軸上に位置して、電源部51における基盤55の上に載置される。揺動検知部71は、後述するように、支持部53が揺動することによる磁気の変化に応じて、光源部52に対する制御信号を供給する。
【0083】
このような外観を呈する画像再生装置70は、揺動検知部71によって支持部53の揺動状態を検知し、その検知結果に基づいて光源部52を制御する。
【0084】
この画像再生装置70における電気的な回路構成について、図17を用いて説明する。なお、以下では、光源部52として発光ダイオードを備えるものとして説明する。
【0085】
画像再生装置70は、支持部53の一部に永久磁石72を設けている。画像再生装置70においては、支持部53が同図中矢印eで示す方向へと揺動するのに伴い、永久磁石72による磁界が変化する。画像再生装置70は、この永久磁石72による磁界の変化を揺動検知部71によって検知することにより、支持部53の揺動状態を検知する。
【0086】
具体的には、画像再生装置70は、揺動検知部71として、磁気に反応するリードスイッチ73を用いる。画像再生装置70においては、永久磁石72がリードスイッチ73に近づくと、このリードスイッチ73がONになる。画像再生装置70においては、リードスイッチ73がONになると、光源部52へとパルス信号を1つだけ供給する。なお、画像再生装置70においては、支持部53の揺動状態を検知する方法としては、この方法に限らず、いかなるものであってもよい。ただし、揺動状態を検知する方法としては、支持部53の揺動に減衰を与えにくい非接触方式であることが望ましい。例えば、画像再生装置70は、揺動状態を検知する方法として、磁石とコイルとを用いる方法や、フォトインタラプタのように光を用いる方法や、超音波による方法等を適用することができる。
【0087】
一方、画像再生装置70においては、光源部52に例えば集積回路”74HC4538”を用いた単安定マルチバイブレータ74を備えている。画像再生装置70においては、揺動検知部71から光源部52に対してパルス信号が供給されると、このパルス信号をトリガとして、所定時間だけ発光ダイオード641,642を点灯させることができる。具体的には、画像再生装置70においては、図18に示すように、揺動検知部71から供給されるパルス信号PIが単安定マルチバイブレータ74における集積回路”74HC4538”の端子Aに入力されると、単安定マルチバイブレータ74におけるコンデンサCの静電容量Cxと抵抗Rの抵抗値Rxとによって定まる時定数tw(=0.7・Cx・Rx)をもって集積回路”74HC4538”の端子Qから出力されるパルス信号POが持続する。そして、画像再生装置70においては、時定数twだけ経過すると、発光ダイオード641,642を滅灯させることができる。
【0088】
なお、画像再生装置70においては、支持部53が揺動している間は、図19に示すように、揺動検知部71から光源部52に対して連続的に複数のパルス信号PIが供給される。そして、画像再生装置70においては、支持部53の揺動が略停止することによって揺動検知部71によって揺動状態が検知不能になると、リードスイッチ73がOFFとなる。この場合、画像再生装置70においては、同図に示すように、揺動検知部71から光源部52に対して供給された最後のパルス信号PIから時定数twだけ経過後に発光ダイオード641,642を滅灯させる。すなわち、画像再生装置70においては、揺動検知部71から光源部52に対して供給された各パルス信号PI毎に、時定数twをもってパルス信号POが持続するが、パルス信号POがローになる前に、次のパルス信号PIが光源部52に対して供給されることにより、最終的に最後のパルス信号PIが光源部52に対して供給された時点から時定数twだけ経過後に発光ダイオード641,642を滅灯させることになる。
【0089】
このように、画像再生装置70は、揺動検知部71によって支持部53の揺動状態を検知し、その検知結果に基づいて光源部52を制御することにより、観察者が支持部53に接触して揺動させるのに応じて光源部52を点灯させ、所定時間経過後及び/又は支持部53の揺動が略停止することによって揺動状態が検知不能になった場合に、光源部52を滅灯させることができる。したがって、画像再生装置70は、観察者が光源部52の点灯又は消灯の切り替えを行う必要がなく、観察者にとって優れた利便を提供することができる。また、画像再生装置70においては、1つの発光ダイオードが消費する電流値が約20mA程度であるのに対して、単安定マルチバイブレータ74が消費する電流値は数百μA程度であることから、低消費電力のもとに、このような制御を行うことができる。
【0090】
なお、画像再生装置70においては、揺動検知部71及び光源部52の回路構成としては、図17に示したものに限らず、揺動検知部71から出力されるパルス信号が一定時間持続するものであるのか若しくは断続的なものであるのかに応じて、又は、支持部53の揺動が検知不能になった後どの程度の時間の経過後に光源部52を滅灯させるかに応じて、変更することができる。例えば、画像再生装置70においては、単安定マルチバイブレータ74を用いる代わりに、タイマーを用いたり、CPU(Central Processing Unit)によってソフトウェアを実行するようにしてもよく、シーケンサ等によるものであってもよい。
【0091】
つぎに、画像再生装置70を改良し、支持部53の揺動を観察者の動作によって開始するのではなく、自発的に揺動を開始したり(自己起動)、外部からの起動によって揺動し、揺動状態を所定時間だけ持続させることができる画像再生装置について説明する。なお、この画像再生装置は、上述した画像再生装置70の構成に加え、支持部53を駆動させるための手段を備えたものである。そのため、以下では、画像再生装置70と同一の部位については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
【0092】
図20(A)及び図20(B)に外観を示す画像再生装置80は、上述した電源部51、光源部52、支持部53、ホログラフィックステレオグラム展示部54、揺動検知部71の他に、支持部53を揺動駆動させるための揺動駆動手段である揺動駆動部81を備える。
【0093】
揺動駆動部81は、支持部53を揺動駆動させるものであって、例えばメトロノーム等と同様の技術によって実現することができる。揺動駆動部81は、後述するように、例えばコイル等を備え、支持部53における下端側に電磁力を作用させ、支持部53の揺動を自己起動させたり、揺動を所定時間持続させる。
【0094】
このような外観を呈する画像再生装置80は、揺動検知部71によって支持部53の揺動状態を検知し、その検知結果に基づいて光源部52及び揺動駆動部81を制御し、支持部53の動作を制御する。
【0095】
この画像再生装置80における電気的な回路構成について、図21を用いて説明する。なお、以下では、光源部52として発光ダイオードを備えるものとして説明する。
【0096】
画像再生装置80は、電源部51に上述した集積回路”74HC4538”を用いた単安定マルチバイブレータ82を設けるとともに、揺動駆動部81にも単安定マルチバイブレータ83を設けている。
【0097】
すなわち、画像再生装置80においては、上述した画像再生装置70と同様に、揺動検知部71によって出力される揺動状態の検知結果を示すパルス信号をトリガとして、所定時間だけ発光ダイオード641,642を点灯させることができる。すなわち、画像再生装置80においては、単安定マルチバイブレータ82におけるコンデンサC1の静電容量CX1と抵抗R1の抵抗値Rx1とによって定まる時定数tw1(=0.7・Cx1・Rx1)をもって集積回路”74HC4538”の端子Qバーから出力されるパルス信号が持続する。そして、画像再生装置80においては、支持部53の揺動状態が検知不能になった後、時定数tw1だけ経過すると、発光ダイオード641,642を滅灯させることができる。
【0098】
また、画像再生装置80においては、揺動検知部71によって出力される揺動状態の検知結果を示すパルス信号をトリガとして、支持部53を揺動駆動させることができる。すなわち、画像再生装置80においては、単安定マルチバイブレータ83におけるコンデンサC2の静電容量Cx2と抵抗R2の抵抗値Rx2とによって定まる時定数tw2(=0.7・Cx2・Rx2)をもって集積回路”74HC4538”の端子Qから出力されるパルス信号が持続する。このとき、画像再生装置80においては、電源部51における単安定マルチバイブレータ82から出力されるパルス信号を単安定マルチバイブレータ83における集積回路”74HC4538”の端子Bに供給し、端子Aに供給されるトリガとしてのパルス信号のマスク信号としている。そのため、画像再生装置80においては、単安定マルチバイブレータ82,83のそれぞれの時定数の間にtw1>tw2の関係が成立するならば、単安定マルチバイブレータ83は、支持部53の揺動開始時にのみトリガを受け取り、時定数tw1の経過後までは次のトリガを受け取らないような構成とされている。これにより、画像再生装置80においては、支持部53の揺動開始後、少なくとも時定数tw2の期間は支持部53の揺動を持続させることができる。
【0099】
さらに、画像再生装置80においては、支持部53及び揺動駆動部81として、特許第2937287号公報に記載されている自己起電可能な構成を採用している。すなわち、画像再生装置80においては、支持部53の一部に永久磁石84を設けるとともに、揺動駆動部81として、自走発振回路85にコイル86を接続したものを設けている。画像再生装置80においては、自走発振回路85に通電することによってコイル86に発生する磁界により、支持部53の一部に設けられた永久磁石84に電磁力を作用させ、支持部53の揺動を自己起動させることができる。したがって、画像再生装置80においては、支持部53の揺動開始後、少なくとも時定数tw2の経過前に、外乱等によって揺動が停止してしまった場合であっても、自己起動作用によって揺動を再開することができる。
【0100】
このように、画像再生装置80は、揺動駆動部81を設けることにより、支持部53の揺動を観察者の動作によって開始するのではなく、自発的に揺動を開始することができ、揺動状態を所定時間だけ持続させることができ、低消費電力のもとに、観察者にとって優れた利便を提供することができる。
【0101】
さて、上述した画像再生装置50,70,80は、それぞれ、光源をホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させることによって再生光の照射位置を往復移動させるものである。これに対して、画像再生装置としては、ホログラフィックステレオグラムを光源に対して反復的に回動させることによって照射位置を往復移動させるようにしてもよい。以下では、このような画像再生装置について説明する。
【0102】
図22(A)及び図22(B)に外観を示す画像再生装置90は、駆動電力を供給するための電源及び各種電気回路を備える電源手段である電源部91と、発光ダイオード等を備える光源手段である光源部92と、この光源部92を支持する支持手段である支持部93と、ホログラフィックステレオグラムを保持して展示するための展示手段であるホログラフィックステレオグラム展示部94と、ホログラフィックステレオグラムの回動状態を検知する回動検知手段である回動検知部95とに大別される。すなわち、画像再生装置90は、上述した画像再生装置70に対応するものであり、揺動検知部71の代わりに、回動検知部95を備えるものである。
【0103】
電源部91には、上述した電源部51と同様に、画像再生装置90の基盤96の内部に、電池等の電源97や光源部92及び支持部93を駆動するための図示しない電気回路が設けられる。また、電源部91には、電源のON/OFFの切り替えを行うためのスイッチ98が設けられる。
【0104】
光源部92は、上述した光源部52と同様に、支持部93における連結アーム100の一端に取り付けられており、電源部91から供給される駆動電力に基づいて、ホログラフィックステレオグラムを作製した際に用いた所定の波長の光を再生光として出射する。光源部52は、複数個の発光ダイオード等の略点光源を線状に並べたり、所定の光学系によって線状光とすることにより、ホログラフィックステレオグラム展示部94に保持されるホログラフィックステレオグラムに対して略平行光を照射する。
【0105】
支持部93は、基盤96に対して垂直方向に立設される支柱99と、この支柱99に対して垂直方向に横設される連結アーム100と、この連結アーム100に取り付けられ且つ支軸101を回動中心として図22(B)中矢印fで示す方向へと回動自在とされる回動部材102と、支軸101の下端に取り付けられるカウンターバランス用のおもり103とを備える。支持部93は、電源部91から供給される駆動電力に基づいて動作する。具体的には、支持部93は、後述するホログラフィックステレオグラム展示部94の主面が正面方向に向いた状態である初期状態から、回動部材102が正逆方向へと反復的にねじれ回動することにより、ホログラフィックステレオグラム展示部94を反復的に回動する。
【0106】
ホログラフィックステレオグラム展示部94は、上述したホログラフィックステレオグラム展示部54と同様に、ホログラフィックステレオグラムを保持する保持部材104を備える。保持部材104は、上述した保持部材62とは異なり、図22(B)に側面を示すように、基盤55に対する角度を垂直として取り付けられる。ホログラフィックステレオグラム展示部94は、支持部53が回動することによって回動する。観察者は、このホログラフィックステレオ展示部94に保持されて展示されたホログラフィックステレオグラムを観察することになる。
【0107】
回動検知部95は、上述した揺動検知部71と同様に、電源部91における基盤96の上に載置される。回動検知部95は、後述するように、支持部93が回動することによる磁気の変化に応じて、光源部92に対する制御信号を供給する。
【0108】
このような外観を呈する画像再生装置90は、支持部93が支軸101を回動中心として反復的に回動することにより、ホログラフィックステレオグラム展示部94が反復的に回動する。これにより、画像再生装置90は、ホログラフィックステレオグラム展示部94に保持されるホログラフィックステレオグラムに対する再生光の照射位置を往復移動させることができる。また、画像再生装置90は、回動検知部95によって支持部93の回動状態を検知し、その検知結果に基づいて光源部92を制御する。
【0109】
この画像再生装置90における電気的な回路構成について、図23を用いて説明する。なお、以下では、光源部92として発光ダイオードを備えるものとして説明する。
【0110】
画像再生装置90は、光源部92として、並列に接続された複数の発光ダイオード1051,1052と、これらの発光ダイオード1051,1052のそれぞれに対して直列に定電流ダイオード1061,1062等の定電流回路を設けている。
【0111】
また、画像再生装置90は、支持部93の一部に永久磁石107を設けている。画像再生装置90においては、支持部93が同図中矢印gで示す方向へと回動するのに伴う永久磁石107による磁界の変化を回動検知部95によって検知することにより、支持部93の回動状態を検知する。
【0112】
すなわち、画像再生装置90においては、上述した画像再生装置70と同様に、回動検知部95として、磁気に反応するリードスイッチ108を用い、永久磁石107がリードスイッチ108に近づくと、このリードスイッチ108がONに遷移することによって出力されるパルス信号を光源部92へと供給する。
【0113】
そして、画像再生装置90においては、電源部91に設けられた単安定マルチバイブレータ109における集積回路”74HC4538”の端子Aに回動検知部95から供給されるパルス信号をトリガとして、所定時間、すなわち、単安定マルチバイブレータ109におけるコンデンサCの静電容量Cxと抵抗Rの抵抗値Rxとによって定まる時定数tw(=0.7・Cx・Rx)だけ発光ダイオード1051,1052を点灯させることができる。さらに、画像再生装置90においては、時定数twだけ経過すると、発光ダイオード1051,1052を滅灯させることができる。
【0114】
このように、画像再生装置90は、ホログラフィックステレオグラムを光源に対して反復的に回動させることによって再生光の照射位置を往復移動させることができることから、観察者が視点を移動させる必要がなく、簡便な構造のもとにホログラフィックステレオグラム画像を繰り返し観察させることができる。
【0115】
また、画像再生装置90は、回動検知部95によって支持部93の回動状態を検知し、その検知結果に基づいて光源部92を制御することにより、観察者が支持部93に接触して回動させるのに応じて光源部92を点灯させ、所定時間経過後及び/又は支持部93の回動が略停止することによって回動状態が検知不能になった場合に、光源部92を滅灯させることができる。したがって、画像再生装置90は、観察者が光源部92の点灯又は消灯の切り替えを行う必要がなく、低消費電力のもとに、観察者にとって優れた利便を提供することができる。
【0116】
つぎに、画像再生装置90を改良し、上述した画像再生装置80と同様に、支持部93の回動を観察者の動作によって開始するのではなく、自発的に回動を開始したり、外部からの起動によって回動し、回動状態を所定時間だけ持続させることができる画像再生装置について説明する。なお、この画像再生装置は、上述した画像再生装置90の構成に加え、支持部93を駆動させるための手段を備えたものである。そのため、以下では、画像再生装置90と同一の部位については同一符号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
【0117】
図24(A)及び図24(B)に外観を示す画像再生装置110は、上述した電源部91、光源部92、支持部93、ホログラフィックステレオグラム展示部94、回動検知部95の他に、支持部93を回動駆動させるための回動駆動手段である回動駆動部111を備える。
【0118】
回動駆動部111は、支持部93を回動駆動させるものであって、支持部93における下端側に電磁力を作用させ、支持部93の回動を自己起動させたり、回動を所定時間持続させる。
【0119】
このような外観を呈する画像再生装置110は、回動検知部95によって支持部93の回動状態を検知し、その検知結果に基づいて光源部92及び回動駆動部111を制御し、支持部93の動作を制御する。
【0120】
この画像再生装置110における電気的な回路構成について、図25を用いて説明する。なお、以下では、光源部92として発光ダイオードを備えるものとして説明する。
【0121】
画像再生装置110は、上述した画像再生装置80と同様に、電源部91に集積回路”74HC4538”を用いた単安定マルチバイブレータ112を設けるとともに、回動駆動部111にも単安定マルチバイブレータ113を設けている。
【0122】
すなわち、画像再生装置110においては、上述した画像再生装置80と同様に、単安定マルチバイブレータ112におけるコンデンサC1の静電容量Cx1と抵抗R1の抵抗値Rx1とによって定まる時定数tw1(=0.7・Cx1・Rx1)をもって集積回路”74HC4538”の端子Qバーから出力されるパルス信号が持続する。そして、画像再生装置110においては、支持部93の回動状態が検知不能になった後、時定数tw1だけ経過すると、発光ダイオード1051,1052を滅灯させることができる。
【0123】
また、画像再生装置110においては、回動検知部95によって出力される回動状態の検知結果を示すパルス信号をトリガとして、支持部93を回動駆動させることができる。すなわち、画像再生装置110においては、単安定マルチバイブレータ113におけるコンデンサC2の静電容量Cx2と抵抗R2の抵抗値Rx2とによって定まる時定数tw2(=0.7・Cx2・Rx2)をもって集積回路”74HC4538”の端子Qから出力されるパルス信号が持続する。これにより、画像再生装置110においては、支持部93の回動開始後、少なくとも時定数tw2の期間は支持部93の回動を持続させることができる。
【0124】
さらに、画像再生装置110においては、支持部93の一部に永久磁石114を設けるとともに、回動駆動部111として、自走発振回路115にコイル116を接続したものを設けている。画像再生装置110においては、自走発振回路115に通電することによってコイル116に発生する磁界により、支持部93の一部に設けられた永久磁石114に電磁力を作用させ、支持部93の回動を自己起動させることができる。したがって、画像再生装置110においては、支持部93の回動開始後、少なくとも時定数tw2の経過前に、外乱等によって回動が停止してしまった場合であっても、自己起動作用によって回動を再開することができる。
【0125】
このように、画像再生装置110は、回動駆動部111を設けることにより、自発的に回動を開始することができ、回動状態を所定時間だけ持続させることができ、低消費電力のもとに、観察者にとって優れた利便を提供することができる。
【0126】
以上説明したように、本発明の実施の形態として示す画像再生装置は、振り子の原理を用いて、光源をホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させることによって照射位置を往復移動させる、又は、ねじれ振り子の原理を用いて、ホログラフィックステレオグラムを光源に対して反復的に回動させることによって照射位置を往復移動させることにより、光源とホログラフィックステレオグラムとの相対的な往復移動を所定時間持続させることができ、観察者が視点を移動させなくても、簡便な構造及び低消費電力のもとに、ホログラフィックステレオグラム画像を繰り返し観察させることができる。したがって、画像再生装置は、観察者の手間を簡略化してホログラフィックステレオグラム画像を確実に再生することができ、高い利便を提供することができるものである。
【0127】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば、ホログラフィックステレオグラムではなくホログラムにも適用できるものである。すなわち、上述した実施の形態では、ホログラフィックステレオグラム作製装置によって作製されたホログラフィックステレオグラムを、画像再生装置によって再生するものとして説明したが、本発明は、作製されたホログラムを画像再生装置におけるホログラフィックステレオグラム展示部に保持して観察するものにも容易に適用することができる。
【0128】
また、上述した実施の形態では、3次元画像情報や時系列映像情報が露光記録されたホログラフィックステレオグラムを再生する画像再生装置について説明したが、本発明は、単なる2次元画像情報が露光記録されたホログラフィックステレオグラムであっても適用可能である。
【0129】
さらに、上述した実施の形態では、ホログラフィックステレオグラムを再生するための画像再生装置として説明したが、本発明は、ホログラフィックステレオグラムに対して再生光を照射する照明装置として構成する場合にも適用可能である。
【0130】
さらにまた、上述した実施の形態では、光源又はホログラフィックステレオグラムのいずれか一方が他方に対して移動するものとして説明したが、本発明は、再生光がホログラフィックステレオグラムの主面上を相対的に往復移動するものであればよい。例えば、本発明は、光源及びホログラフィックステレオグラムの両者ともに固定とし、固定された光源から出射される再生光を鏡等を用いて反射させて固定されたホログラフィックステレオグラムへと導光する際に、この鏡等を回動させることによって再生光の入射角度を変位させるようにしてもよい。
【0131】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0132】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明にかかる画像再生装置は、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムに露光記録されている画像情報を再生する画像再生装置であって、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムを保持して展示するための展示手段と、展示手段に保持されたホログラム又はホログラフィックステレオグラムから画像情報を再生するための再生光を出射する光源手段と、少なくとも光源手段の駆動電力を供給する電源手段と、光源手段を支持するとともに、展示手段に保持されたホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対する再生光の照射位置を往復移動させる支持手段とを備え、この支持手段が、一端にカウンターバランス用おもりが取り付けられ他端には連結アームが所定の角度を保ちながら取り付けられ、水平方向の支軸を回転中心として回動自在な回動部材により、この連結アームに取り付けられた光源手段をホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させるものである。
【0133】
したがって、本発明にかかる画像再生装置は、光源手段をホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させ、展示手段に保持されたホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対する再生光の照射位置を往復移動させることにより、光源手段とホログラム又はホログラフィックステレオグラムとの相対的な往復移動を所定時間持続させることができ、観察者が視点を移動させなくても、簡便な構造及び低消費電力のもとに、ホログラム画像又はホログラフィックステレオグラム画像を繰り返し観察させることができる。
【0134】
また、本発明にかかる画像照明装置は、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムに露光記録されている画像情報を再生するための再生光をホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して照射する画像照明装置であって、再生光を出射する光源手段と、少なくとも光源手段の駆動電力を供給する電源手段と、光源手段を支持するとともに、展示手段に保持されたホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対する再生光の照射位置を往復移動させる支持手段とを備え、この支持手段が、一端にカウンターバランス用おもりが取り付けられ他端には連結アームが所定の角度を保ちながら取り付けられ、水平方向の支軸を回転中心として回動自在な回動部材により、この連結アームに取り付けられた光源手段をホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させるものである。
【0135】
したがって、本発明にかかる画像照明装置は、光源手段をホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させ、ホログラム又はホログラフィックステレオグラムに対する再生光の照射位置を往復移動させることにより、光源手段とホログラム又はホログラフィックステレオグラムとの相対的な往復移動を所定時間持続させることができ、観察者が視点を移動させなくても、簡便な構造及び低消費電力のもとに、ホログラム画像又はホログラフィックステレオグラム画像を繰り返し観察させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホログラフィックステレオグラムを作製するホログラフィックステレオグラム作製装置の全体構成を説明する図である。
【図2】同ホログラフィックステレオグラム作製装置の光学系を説明する図であって、(A)は、同ホログラフィックステレオグラム作製装置の光学系の正面図であり、(B)は、同ホログラフィックステレオグラム作製装置の光学系の平面図である。
【図3】再生光を出射する光源をホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させる本発明の実施の形態として示す画像再生装置の外観を説明する図であって、(A)は、同画像再生装置の正面図であり、(B)は、同画像再生装置の側面図である。
【図4】同画像再生装置が備える支持部の動作を説明するための図であって、(A)は、初期状態における同画像再生装置の正面図であり、(B)は、左方向へと回動した状態における同画像再生装置の正面図であり、(C)は、右方向へと回動した状態における同画像再生装置の正面図である。
【図5】同画像再生装置が備える光源部と、ホログラフィックステレオグラム展示部に保持されるホログラフィックステレオグラムと、支持部の回動軸との空間的配置について説明するための要部側面図であって、理想的な再生光の入射角度と観察角度とを説明するための図である。
【図6】同画像再生装置が備える光源部と、ホログラフィックステレオグラム展示部に保持されるホログラフィックステレオグラムと、支持部の回動軸との空間的配置について説明するための要部側面図であって、再生光の入射角度が参照光の入射角度と同一角度のみならず、その近傍の角度となる様子を説明するための図である。
【図7】同画像再生装置が備える光源部と、ホログラフィックステレオグラム展示部に保持されるホログラフィックステレオグラムと、支持部の回動軸との空間的配置について説明するための要部側面図であって、観察角度一定ではなく、その近傍の角度となる様子を説明するための図である。
【図8】同画像再生装置における電気的な回路構成を説明する図であって、電流制御用の可変抵抗を設けた回路構成を説明する図である。
【図9】同画像再生装置における電気的な回路構成を説明する図であって、平滑化回路及び定電流回路としての定電流ダイオードを設けた回路構成を説明する図である。
【図10】定電流回路の構成例を示す図であって、発光ダイオードに対して直列に1個の定電流ダイオードを接続した定電流回路を示す図である。
【図11】定電流回路の構成例を示す図であって、2個の発光ダイオードに対して直列に1個の定電流ダイオードを接続した定電流回路を示す図である。
【図12】定電流回路の構成例を示す図であって、発光ダイオードに対して直列に電解コンデンサを接続した定電流回路を示す図である。
【図13】定電流回路の構成例を示す図であって、三端子レギュレータ及び可変抵抗を用いる定電流回路を示す図である。
【図14】定電流回路の構成例を示す図であって、1個のトランジスタを用いる定電流回路を示す図である。
【図15】定電流回路の構成例を示す図であって、2個のトランジスタを用いる定電流回路を示す図である。
【図16】再生光を出射する光源をホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させ且つ支持部の揺動を検知する手段を備えた本発明の他の実施の形態として示す画像再生装置の外観を説明する図であって、(A)は、同画像再生装置の正面図であり、(B)は、同画像再生装置の側面図である。
【図17】同画像再生装置における電気的な回路構成を説明する図である。
【図18】同画像再生装置が備える揺動検知部から出力されるパルス信号と、同画像再生装置が備える光源部における単安定マルチバイブレータから出力されるパルス信号との関係を説明する図である。
【図19】揺動検知部から連続的に出力される複数のパルス信号と、光源部における単安定マルチバイブレータから出力されるパルス信号との関係を説明する図である。
【図20】再生光を出射する光源をホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させ且つ支持部を駆動させるための手段を備えた本発明の他の実施の形態として示す画像再生装置の外観を説明する図であって、(A)は、同画像再生装置の正面図であり、(B)は、同画像再生装置の側面図である。
【図21】同画像再生装置における電気的な回路構成を説明する図である。
【図22】ホログラフィックステレオグラムを再生光を出射する光源に対して反復的に回動させ且つ支持部の回動を検知する手段を備えた本発明の他の実施の形態として示す画像再生装置の外観を説明する図であって、(A)は、同画像再生装置の正面図であり、(B)は、同画像再生装置の側面図である。
【図23】同画像再生装置における電気的な回路構成を説明する図である。
【図24】ホログラフィックステレオグラムを再生光を出射する光源に対して反復的に回動させ且つ支持部を駆動させるための手段を備えた本発明の他の実施の形態として示す画像再生装置の外観を説明する図であって、(A)は、同画像再生装置の正面図であり、(B)は、同画像再生装置の側面図である。
【図25】同画像再生装置における電気的な回路構成を説明する図である。
【図26】一般的なホログラフィックステレオグラムの作製方法を説明するための図である。
【符号の説明】
50,70,80,90,110 画像再生装置、 51,91 電源部、52,92 光源部、 53,93 支持部、 54,94 ホログラフィックステレオグラム展示部、 71 揺動検知部、 81 揺動駆動部、 95 回動検知部、 111 回動駆動部
Claims (18)
- ホログラム又はホログラフィックステレオグラムに露光記録されている画像情報を再生する画像再生装置であって、
上記ホログラム又は上記ホログラフィックステレオグラムを保持して展示するための展示手段と、
上記展示手段に保持された上記ホログラム又は上記ホログラフィックステレオグラムから上記画像情報を再生するための再生光を出射する光源手段と、
少なくとも上記光源手段の駆動電力を供給する電源手段と、
上記光源手段を支持するとともに、上記展示手段に保持された上記ホログラム又は上記ホログラフィックステレオグラムに対する上記再生光の照射位置を往復移動させる支持手段とを備え、
上記支持手段が、一端にカウンターバランス用おもりが取り付けられ他端には連結アームが所定の角度を保ちながら取り付けられ、水平方向の支軸を回転中心として回動自在な回動部材により、上記連結アームに取り付けられた上記光源手段を上記ホログラム又は上記ホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させることを特徴とする画像再生装置。 - 上記光源手段は、複数の点光源が線状に並べられていることを特徴とする請求項1記載の画像再生装置。
- 上記点光源は、出射する上記再生光の広がり角が小さいものであることを特徴とする請求項2記載の画像再生装置。
- 上記光源手段は、線状光源であることを特徴とする請求項1記載の画像再生装置。
- 上記支持手段は、互いに電気的に絶縁された少なくとも2点以上の支点を有し、上記支点を介して上記電源手段から上記光源手段への電力供給を行うことを特徴とする請求項1記載の画像再生装置。
- 上記光源手段は、上記支点を介して上記電源手段から供給される電流量を平滑化する平滑化手段を有することを特徴とする請求項5記載の画像再生装置。
- 上記光源手段は、上記支点を介して上記電源手段から供給される電流量を一定に保つための定電流手段を有することを特徴とする請求項5記載の画像再生装置。
- 上記支持手段の揺動状態を検知する揺動検知手段を備え、上記揺動検知手段による検知結果に基づいて、上記光源手段を制御することを特徴とする請求項1記載の画像再生装置。
- 上記揺動検知手段は、上記支持手段が揺動することによる磁気の変化に基づいて、上記支持手段の揺動状態を検知することを特徴とする請求項8記載の画像再生装置。
- 上記光源手段は、上記揺動検知手段による検知結果に基づいて、所定時間だけ点灯することを特徴とする請求項8記載の画像再生装置。
- 上記光源手段は、上記揺動検知手段による検知結果に基づいて、点灯開始から所定の時定数をもって滅灯することを特徴とする請求項10記載の画像再生装置。
- 上記支持手段を揺動駆動させるための揺動駆動手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像再生装置。
- 上記支持手段の揺動状態を検知する揺動検知手段を備え、上記揺動検知手段による検知結果に基づいて、上記揺動駆動手段を制御することを特徴とする請求項12記載の画像再生装置。
- 上記揺動駆動手段は、上記揺動検知手段による検知結果に基づいて、所定時間だけ上記支持手段の揺動状態を持続させることを特徴とする請求項13記載の画像再生装置。
- 上記揺動駆動手段は、上記揺動検知手段による検知結果に基づいて、上記支持手段の揺動開始から所定の時定数をもって上記支持手段の揺動を停止することを特徴とする請求項14記載の画像再生装置。
- 上記揺動検知手段による検知結果に基づいて、上記光源手段を制御することを特徴とする請求項13記載の画像再生装置。
- 上記揺動駆動手段は、上記支持手段を自己起動させることを特徴とする請求項12記載の画像再生装置。
- ホログラム又はホログラフィックステレオグラムに露光記録されている画像情報を再生するための再生光を上記ホログラム又は上記ホログラフィックステレオグラムに対して照射する画像照明装置であって、
上記再生光を出射する光源手段と、
少なくとも上記光源手段の駆動電力を供給する電源手段と、
上記光源手段を支持するとともに、上記展示手段に保持された上記ホログラム又は上記ホログラフィックステレオグラムに対する上記再生光の照射位置を往復移動させる支持手段とを備え、
上記支持手段が、一端にカウンターバランス用おもりが取り付けられ他端には連結アームが所定の角度を保ちながら取り付けられ、水平方向の支軸を回転中心として回動自在な回動部材により、上記連結アームに取り付けられた上記光源手段を上記ホログラム又は上記ホログラフィックステレオグラムに対して反復的に揺動させることを特徴とする画像照明装置。
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