JP3720505B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクに静電気力を作用させ、色剤粒子を含むインク滴を記録媒体上に飛翔させて画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルプリンタ分野では、記録媒体に向ってインク滴を飛翔することにより記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録方式のプリンタが広く普及している。
【0003】
このようなインクジェットプリンタの記録ヘッドは、互いに平行且つ等間隔で並べて設けられた複数本の吐出電極と、各吐出電極先端の吐出ポイントに帯電された色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなるインクを供給するインク供給装置と、を備えている。
【0004】
また、記録ヘッドには、各吐出電極にバイアス電圧を印加するためのバイアス電源と、画像信号に応じて各吐出電極に記録電圧(色剤粒子と同極性の電圧)を選択的に印加するための記録電圧発生部と、が接続されている。
【0005】
更に、各吐出電極先端の吐出ポイントと対向する位置には、接地された対向電極が所定距離離間して設けられ、この対向電極と吐出電極との間に記録媒体が配置されている。
【0006】
上記のように構成されたインクジェットプリンタにより記録媒体に画像を形成する場合、まず、インク供給装置により記録ヘッドの各吐出ポイントへインクを供給する。そして、各吐出電極に色剤粒子と同極性の所定のバイアス電圧を印加する。バイアス電圧を印加することにより、色剤粒子が吐出電極から反発されて各電極間に移動されるとともに吐出ポイントに向って移動される。
【0007】
続いて、画像信号に応じて選択された吐出電極に記録電圧を印加し、この吐出電極と対向電極との間に、インク滴を飛翔可能な大きさの電界を形成する。これにより、選択された吐出電極の吐出ポイントに色剤粒子が更に移動され、移動された色剤粒子の電荷と記録電圧による電界との積からなる静電気力が色剤粒子に作用される。そして、この静電気力が吐出ポイントに形成されたインク滴の表面張力より大きくなると、インク滴が吐出ポイントから分離され、対向電極に向って飛翔される。
従って、飛翔したインク滴が吐出ポイントと対向電極との間に配置された記録媒体に付着し、記録媒体上に画像信号に応じた画像が形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の記録ヘッドにおいて、画像信号に応じて選択された吐出ポイントから飛翔されるインク滴内に含まれる色剤粒子の濃度は、吐出電極に印加されるバイアス電圧の印加時間に依存することが知られている。このため、1つの吐出ポイントから連続してインク滴を飛翔させる場合、各飛翔段階において十分な量の色剤粒子を短時間でこの吐出ポイントに集めることができず、飛翔されるインク滴の色剤粒子濃度が不安定になる問題がある。
【0009】
また、選択された吐出電極の吐出ポイントに飛翔に必要な十分な電荷量の色剤粒子を移動させるために多くの時間を必要とすることから、インク滴の高い吐出周波数を得ることが困難となる問題がある。
【0010】
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、高い吐出周波数を有し、高濃度で滲みの無い良質な画像を形成できる画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の画像形成装置は、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を被画像形成媒体から所定距離離間した吐出位置へ供給する供給手段と、上記吐出位置に第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を凝集させ、上記吐出位置に上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、凝集した色剤粒子を被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、上記吐出位置に上記第2の電界より強い第3の電界を形成し、上記吐出位置から飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物を上記吐出位置から飛翔させて除去する除去手段と、を備えている。
【0012】
また、この発明のうち請求項2記載の画像形成装置は、所定の転写位置へ被画像形成媒体を搬送する搬送手段と、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を上記転写位置から所定距離離間した吐出位置へ供給する供給手段と、上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送した状態で、上記吐出位置から上記転写位置へ向う第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を凝集させ、上記吐出位置から上記転写位置へ向う上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、凝集した色剤粒子を被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、上記搬送手段にて被画像形成媒体が搬送されていない状態で、上記吐出位置から上記転写位置へ向う上記第2の電界より強い第3の電界を形成し、上記吐出位置から飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物を上記吐出位置から飛翔させて除去する除去手段と、上記除去手段にて除去された残留物を回収する回収手段と、を備えている。
【0013】
また、この発明のうち請求項3記載の画像形成装置は、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を所定の吐出位置へ供給する供給手段と、上記吐出位置まで延びた先端を有する複数の吐出電極と、上記吐出位置から所定距離離間して配置された対向電極と、上記複数の吐出電極と対向電極との間の所定の転写位置を通して被画像形成媒体を搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送した状態で、上記複数の吐出電極から上記対向電極へ向う第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を上記複数の吐出電極の各先端近くに凝集させ、且つ画像信号に応じて選択された吐出電極から上記対向電極へ向う上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、当該吐出電極の先端近くに凝集した色剤粒子を被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送していない状態で、上記複数の吐出電極から上記対向電極へ向う上記第2の電界より強い第3の電界を形成し、上記各吐出電極の先端近くに飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物を上記対向電極に向けて飛翔させる除去手段と、上記除去手段にて飛翔された残留物を上記対向電極から回収する回収手段と、を備えている。
【0014】
また、この発明のうち請求項4記載の画像形成装置は、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を所定の吐出位置へ供給する供給手段と、上記吐出位置まで延びた先端を有する複数の吐出電極を備えた記録ヘッドと、上記吐出位置から所定距離離間して配置された導電性のプラテンローラと、被画像形成媒体を上記記録ヘッドとプラテンローラとの間の所定の転写位置を通して上記プラテンローラの外周面に沿って搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送した状態で、上記複数の吐出電極とプラテンローラとの間に第1の電位差を与えて上記複数の吐出電極から上記プラテンローラに向う第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を上記複数の吐出電極の各先端近くに凝集させ、且つ画像信号に応じて選択された吐出電極と上記プラテンローラとの間に上記第1の電位差より大きい第2の電位差を与えて上記選択された吐出電極から上記プラテンローラに向う上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、当該吐出電極の先端近くに凝集した色剤粒子を上記プラテンローラに沿って搬送される被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送していない状態で、上記複数の吐出電極と上記プラテンローラとの間に上記第2の電位差より大きい第3の電位差を与えて上記複数の吐出電極から上記プラテンローラに向う上記第2の電界より強い第3の電界を形成し、上記各吐出電極の先端近くに飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物を上記プラテンローラに向けて飛翔させる除去手段と、上記プラテンローラに転接され、上記除去手段にて上記プラテンローラの外周面上に飛翔された残留物を回収するクリーニングローラを有する回収手段と、を備えている。
【0015】
また、この発明のうち請求項5記載の画像形成装置は、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を被画像形成媒体から所定距離離間した吐出位置へ供給する供給手段と、上記吐出位置に第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を凝集させ、上記吐出位置に上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、凝集した色剤粒子を被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、上記吐出位置に上記第1および第2の電界と逆向きの第3の電界、および上記第2の電界より強い第4の電界を交互に形成し、上記吐出位置から飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物に振動を与えるとともに上記残留物を上記吐出位置から飛翔させて除去する除去手段と、を備えている。
【0016】
また、この発明のうち請求項6記載の画像形成装置は、所定の転写位置へ被画像形成媒体を搬送する搬送手段と、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を上記転写位置から所定距離離間した吐出位置へ供給する供給手段と、上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送した状態で、上記吐出位置から上記転写位置へ向う第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を凝集させ、上記吐出位置から上記転写位置へ向う上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、凝集した色剤粒子を被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、上記搬送手段にて被画像形成媒体が搬送されていない状態で、上記吐出位置に上記第1および第2の電界と逆向きの第3の電界、および上記吐出位置から上記転写位置へ向う上記第2の電界より強い第4の電界を交互に形成し、上記吐出位置から飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物に振動を与えるとともに上記残留物を上記吐出位置から飛翔させて除去する除去手段と、上記除去手段にて除去された残留物を回収する回収手段と、を備えている。
【0017】
また、この発明のうち請求項7記載の画像形成装置は、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を所定の吐出位置へ供給する供給手段と、上記吐出位置まで延びた先端を有する複数の吐出電極と、上記吐出位置から所定距離離間して配置された対向電極と、上記複数の吐出電極と対向電極との間の所定の転写位置を通して被画像形成媒体を搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送した状態で、上記複数の吐出電極から上記対向電極へ向う第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を上記複数の吐出電極の各先端近くに凝集させ、且つ画像信号に応じて選択された吐出電極から上記対向電極へ向う上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、当該吐出電極の先端近くに凝集した色剤粒子を被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、上記搬送手段にて被画像形成媒体が搬送されていない状態で、上記対向電極から上記複数の吐出電極へ向う第3の電界、および上記複数の吐出電極から上記対向電極に向う上記第2の電界より強い第4の電界を交互に形成し、上記各吐出電極の先端近くに飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物に振動を与えるとともに上記残留物を上記対向電極に向けて飛翔させる除去手段と、上記除去手段にて飛翔された残留物を上記対向電極から回収する回収手段と、を備えている。
【0018】
更に、この発明のうち請求項8に記載の画像形成装置は、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を所定の吐出位置へ供給する供給手段と、上記吐出位置まで延びた先端を有する複数の吐出電極を備えた記録ヘッドと、上記吐出位置から所定距離離間して配置された導電性のプラテンローラと、被画像形成媒体を上記記録ヘッドとプラテンローラとの間の所定の転写位置を通して上記プラテンローラの外周面に沿って搬送する搬送手段と、上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送した状態で、上記プラテンローラの電位を基準電位V0 にするとともに上記複数の吐出電極の電位をバイアス電位Vb にして上記複数の吐出電極とプラテンローラとの間に第1の電位差を与え、上記複数の吐出電極から上記プラテンローラに向う第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を上記複数の吐出電極の各先端近くに凝集させ、この状態で、画像信号に応じて選択された吐出電極の電位を上記バイアス電位Vb より高い記録電位Vp にして上記プラテンローラとの間に上記第1の電位差より大きい第2の電位差VA を与え、上記選択された吐出電極から上記プラテンローラに向う上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、当該吐出電極の先端近くに凝集した色剤粒子を上記プラテンローラに沿って搬送される被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、上記搬送手段にて被画像形成媒体が搬送されていない状態で、上記複数の吐出電極の電位を上記バイアス電位Vb にするとともに、上記プラテンローラの電位を、上記記録電位より高い第1のクリーニング電位、および上記バイアス電位Vb より低く上記バイアス電位Vb との間の電位差VD が上記第2の電位差VA より大きくなるような第2のクリーニング電位に交互にして、上記プラテンローラから上記複数の吐出電極に向う第3の電界、および上記複数の吐出電極から上記プラテンローラに向う上記第2の電界より強い第4の電界を交互に形成し、上記各吐出電極の先端近くに飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物に振動を与えるとともに上記残留物を上記プラテンローラに向けて飛翔させる除去手段と、上記プラテンローラに転接され、上記除去手段にて上記プラテンローラの外周面上に飛翔された残留物を回収するクリーニングローラを有する回収手段と、を備えている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に示すように、この発明の画像形成装置としてのインクジェットプリンタ1は、ハウジング2を備えている。ハウジング2内の所定位置には、画像信号に応じて記録紙にインク滴を飛翔させて画像を形成するための記録ヘッド10(後述する)が配設されている。記録ヘッド10のインク滴が飛翔される先端から所定距離離間して対向した位置、即ちハウジング2の略中央位置には、記録ヘッド10の後述する吐出電極との間で所定の電界を形成する対向電極として作用するとともに、被画像形成媒体としての記録紙Pを搬送するためのプラテンローラ21が回動自在に配設されている。そして、記録ヘッド10は、プラテンローラ21の軸方向に移動できるように、移動ステージ11上に搭載され、プラテンローラ21の外周面に向って所定角度で傾斜して配設されている。
【0020】
記録ヘッド10に供給するインクは、インクリザーバー13に貯蔵されている。記録ヘッド10とインクリザーバー13は、供給管15を介して連結されており、供給管15の途中には、記録ヘッド10へインクを汲上げるための供給ポンプ14が設けられている。供給ポンプ14は、記録ヘッド10の先端に形成されるインクメニスカス(後述する)が安定するようにインクの供給量および供給圧力を調整している。また、インクリザーバー13内には、インクを撹拌してインク内のトナーの分散を均一にするためのプロペラ18、およびインク内のトナー濃度を検知する濃度センサ19が設けられている。
【0021】
また、インクジェットプリンタ1は、画像が形成される記録紙Pを搬送するプラテンローラ21を含む搬送機構20を有している。搬送機構20は、記録前の記録紙Pを保存した記録紙カセット22、記録紙カセット22から記録紙Pを一枚づつ間欠的に取出す取出しローラ23、取出した記録紙Pをプラテンローラ21の外周に沿って搬送する搬送ローラ群24、搬送ローラ群24によって搬送される記録紙Pをガイドするガイド板群25、記録紙Pと記録ヘッド10との間隔を一定に保ちながら記録紙Pを搬送するプラテンローラ21、および画像形成後の記録紙Pをプラテンローラ21から受け取るトレー26を有している。
【0022】
尚、記録ヘッド10に対して略反対側のプラテンローラ21の外周面上には、プラテンローラ21に付着された余剰インクを除去するためのクリーニングローラ28が転接されている。クリーニングローラ28は、フェルトやスポンジにより形成されている。また、記録ヘッド10の駆動、インクの供給、記録紙Pの搬送などのプリンタ1の各動作を制御する制御部30および高圧電源がハウジング2内の底部近くに設置されている。
【0023】
上記のように構成されたインクジェットプリンタ1で使用されるインクは、所定の極性に帯電された色剤粒子としてのトナーを絶縁性液体としてのキャリア液内に10重量%以下の比率で分散させて構成されている。キャリア液は、電気抵抗率が少なくとも109 オーム・センチ以上、好ましくは絶縁性の液体であるイソパラフィン系溶媒(例えば、1012〜1013以上の電気抵抗を有するアイソパーG、H、L)からなる分散媒であり、トナーは、0.01〜5μm程度の粒子径を有している。尚、本実施例においては、トナーは正の極性に予め帯電されている。
【0024】
次に、上記のように構成されたインクジェットプリンタ1の動作を制御する制御系について説明する。
図2に示すように、インクジェットプリンタ1の制御系は、制御手段として作用する制御部30を有している。制御部30には、ユーザーによる各種操作入力がなされるコントロールパネル31、プリンタ1の各種動作プログラム等の制御データを格納したROM32、スキャナー等の外部装置に接続される外部I/F33、外部I/F33を介して入力される画像データを一時的に格納するためのRAM34、プラテンローラ21および記録ヘッド10に印加する高圧を発生する高圧電源35、およびインクリザーバー13内のインクのトナー濃度を検知する濃度センサ19が接続されている。
【0025】
また、制御部30には、記録ヘッド10を載置した移動ステージ11を駆動して記録ヘッド10を所望の方向にスライドさせるヘッド移動コントローラ36、記録紙Pを搬送する搬送機構20を駆動させる搬送モータ37、クリーニングローラ28を回転させるモータ38、プラテンローラ21を所定の電位に制御するプラテンローラ駆動回路4、高圧電源35を介して記録ヘッド10の後述する各電極に電圧を与え、記録ヘッド10を駆動する記録ヘッド駆動回路6、インクリザーバー13から記録ヘッド10へインクを汲上げる供給ポンプ14、インクリザーバー13内に収容されたインクを撹拌するプロペラ18、および濃度センサ19によって検知されたトナー濃度に応じて高濃度インクを補給するカートリッジ39が接続されている。
【0026】
次に、上記のように構成されたインクジェットプリンタ1の動作について説明する。尚、インクジェットプリンタ1は、ROM32に格納されているプログラムに従って動作される。
【0027】
まず、コントロールパネル31または外部I/F33から入力される指示により、外部I/Fを介して画像データが入力され、この画像データがRAM34に一旦書込まれる。
【0028】
そして、搬送機構20の搬送モータ37が所定速度で回転され、記録紙Pがカセット22から取出される。取出された記録紙Pは、プラテンローラ21に巻き付けられて搬送される。このとき、プロペラ18によってインクリザーバー13内のインクが撹拌され、供給ポンプ14を介してインクが記録ヘッド10へ供給される。また、インクリザーバー13内に収容されたインクのトナー濃度が濃度センサ19によって監視され、カートリッジ39を介して高濃度インクが補給され、トナー濃度が一定に保たれる。
【0029】
この状態で、RAM34に記憶した画像データに応じて記録ヘッド10が駆動され、プラテンローラ21との間に所定の電界が形成される。そして、プラテンローラ21を介して搬送中の記録紙P上に記録ヘッド10からインク滴が飛翔され、記録紙P上に所望の画像が形成される。
【0030】
画像が形成された記録紙Pは、搬送機構20によって更に搬送されて排紙トレー26上に排紙される。
次に、上記記録ヘッド10について詳細に説明する。
図3に示すように、記録ヘッド10は、ハウジング2に対して所定角度で固設される矩形板状の基材41を有し、基材41の上面には図4に示すような矩形のフィルム基板42が張り付けられている。フィルム基板42は、誘電体フィルム、例えば厚さ100μmのポリイミドフィルムにより形成されている。尚、記録ヘッド10は、フィルム基板42の前端42aがプラテンローラ21の軸方向に沿って平行に延び、且つ前端42aがプラテンローラ21に向って上方を向くように水平面に対して所定の角度で傾斜されて配置される。
【0031】
フィルム基板42の上面には、フィルム基板42の前端42aに向けて互いに平行且つ所定距離離間されて延びた複数の吐出電極44が形成されている。各吐出電極44の先端はフィルム基板42の前端42aから所定距離後退した位置44aまで延び、後端はフィルム基板42の後端42bまで延びている。
【0032】
また、フィルム基板42の前端42aには、各吐出電極44に対して一対一で設けられ、前端42aから各吐出電極44の先端44a近くまで延びた複数の矩形の切欠き45が形成されている。各切欠きの幅は20〜200μmに設定され、これらの切欠き45がフィルム基板42の前端42aで開放された部分が各吐出電極44に対応したインクの吐出ポイントを形成している。
【0033】
フィルム基板42の前端42a近くのフィルム基板42の上面には、各吐出電極44毎に区分した複数のインク供給路48を形成した櫛形の隔壁部材46が配設されている。隔壁部材46が各切欠き45の間に位置した複数の先端46aは、各切欠き45の開放端に向って集束されているとともに、フィルム基板42の前端42aに向けて傾斜されている。つまり、各インク供給路48がインクの吐出ポイントに向って細くなるように形成されている。
【0034】
また、フィルム基板42の上面には、上記隔壁部材46を覆うとともに、この隔壁部材46と共同してインクの供給路を形成するためのカバー部材51が配設されている。カバー部材51は、フィルム基板42の上面(隔壁部材46)上に取付けられた状態で、各インク供給路48に連通した共通インク室52を有し、共通インク室52にはインクリザーバー13から導かれた供給管15が接続されている。
【0035】
共通インク室52は、記録ヘッド10が上述のように水平面から傾斜されて配設された状態で、フィルム基板42の前端42aに向けて下方に所定角度で傾斜されている。しかして、供給管15を介して所定の圧力で供給されたインクは、共通インク室52を介して各インク供給路48に均一に分配され、各インク供給路48の吐出ポイントにおいて所定形状のインクメニスカスを形成するようになっている。このとき、フィルム基板42の前端42aに形成された切欠き45の毛管作用によってインクが吸引され、吐出ポイントに導かれる。
【0036】
また、カバー部材51は、共通インク室に沿って略同じ角度で傾斜された上面(傾斜面)51aを有し、この傾斜面51a上にトナー搬送電極54を備えている。トナー搬送電極54は、フィルム基板42上に形成された複数のインク供給路48の全幅、即ち共通インク室52の全幅を超えて延び、共通インク室52内を流れるインクに含まれるトナーを各インク供給路48へ効率的に導くために設けられている。
【0037】
つまり、トナー搬送電極54は、各吐出電極44の先端44aより対向電極 (プラテンローラ)20に対して後退した位置、言い換えれば、インクの供給方向に対して各吐出電極44の先端44aより上流側の位置に設けられている。そして、対向電極20、吐出電極44、トナー搬送電極54の順に電位が高くなるように吐出電極44およびトナー搬送電極54の電位を制御することにより、トナーが各インク供給路48に効率良く搬送される。
【0038】
例えば、プラテンローラ21の電位を0V、各吐出電極44のバイアス電位を1.2KV、各吐出電極44に重畳印加する記録電圧を400V、トナー搬送電極54の電位を2.4KV(吐出電極に印加したバイアス電圧に記録電圧を重畳した電位1.6KVより大きい電位)に設定すると、記録ヘッド10の先端近傍には、図5に矢印Eで示すような電気力線に沿った電界が形成される。
【0039】
吐出ポイント近傍に図5に示すような電界Eが形成されると、トナー搬送電極54から各吐出電極44に向う電界成分の影響によって、共通インク室52を通って流れるインク内のトナーに静電気力が作用され、トナーが各吐出電極44方向に付勢される。これにより、共通インク室52から各インク供給路48に押出されたトナーは、吐出電極44からプラテンローラ21に向う電界成分の影響によって、今度はインクメニスカス56の液面に向う方向に移動され、インクメニスカス56の液面に沿って各吐出ポイントへ搬送される(図6参照)。
【0040】
ところで、各吐出ポイント近傍のインク供給路48は、隔壁部材46によって吐出ポイントに向って細くなるように形成されている。このため、各吐出ポイントに形成されるインクメニスカス56は、吐出ポイントに向って薄く且つ幅が狭くなるように形成される。従って、電界Eの影響によって各吐出ポイントに向けて移動されたトナーは、薄くされたインクメニスカスの液面にぶつかって泳動し、隔壁部材46の作用によって吐出ポイントに効率良く凝集されることになる(図7参照)。
【0041】
以下、記録ヘッド10の吐出ポイントからインク滴を飛翔させる場合の動作について、図8を参照して説明する。
記録ヘッド10の各インク供給路48にインクが供給されて各吐出ポイント近傍にインクメニスカスが形成された状態で、各吐出電極44にバイアス電圧が印加されると、図8(a)に示すように、吐出ポイントに向けてトナーが凝集され、このトナー凝集物に静電気力が作用され、インクメニスカス61がプラテンローラ21に向けて盛り上がる。このとき、トナー凝集物に作用されるプラテンローラ21からの静電吸引力がインクメニスカス61の表面張力を打ち破ることのないように、バイアス電圧の大きさが設定されている。
【0042】
このように、トナーが各吐出ポイント近傍に凝集された状態で、画像信号に応じて選択された吐出電極44に記録電圧が印加されると、図8(b)に示すように、吐出ポイントに形成されたインクメニスカス61がプラテンローラ21に向って更に突出され、切欠き45の幅を基端とした糸状のインクメニスカス61が形成される。
【0043】
そして、図8(c)に示すように、インクメニスカス61に凝集されたトナー凝集物に作用される静電気力がインクメニスカス61の表面張力に打ち勝ち、切欠き45の開口端を節としてトナー凝集物がインクメニスカスから分離され、プラテンローラ21に向って飛翔される。
【0044】
この場合、インクメニスカス61から飛翔されるインク滴のドット径は、切欠き45の開口幅によって決定されるため、切欠き45の幅を所定の値に設定することによりドット径を均一にできる。ドット径が均一にされると、記録紙P上にざらつきのない画像を形成でき、高品位な画質を得ることができる。例えば、切欠き45の開口幅を60μmに設定したとき、ドット径が50μmに安定したインク滴が形成された。
【0045】
また、切欠き45の開口幅によってインク滴のドット径が決定されるので、所望するドット径に対してインク供給路の幅を大きくすることができる。これにより、ドット径を小さく設定してもインク供給路の幅を大きく設定することができ、インクの目詰まりを防止できる。更に、切欠き45の幅を小さくすることにより、インクメニスカスを小さくすることができ、トナー凝集物を引き止める表面張力を小さくでき、インクの吐出周波数を高くすることができる。
【0046】
ところで、上記のように切欠き45の幅に対してインク供給路の幅を大きくする場合には、マルチチャンネル化したときに各画素の間隔が大きくなる。このため、記録ヘッド10を移動ステージ11上に載置して、記録ヘッド10をその画素の並んだ方向、即ちプラテンローラ21の軸方向に沿ってスライドさせて走査している。
【0047】
以下、記録ヘッド10の適切な取付け角度について説明する。
記録ヘッド10の各吐出ポイントに形成されるインクメニスカスの形状は、フィルム基板42に対するインクの濡れ性、切欠き45の毛管作用、吐出電極44に印加される電圧値(電圧印加により形成される電界)、重力等により決定される。従って、記録ヘッド10の取付け角度が変更されると、インクメニスカスに作用される重力の向きが変化され、インクメニスカスの形状が変化される。
【0048】
例えば、図9に示すように、水平面に対する記録ヘッド10の配置角度を0度以下に設定すると、フィルム基板42の前端42a近くまでインクメニスカスの厚さが厚くなる。この状態で、吐出電極44に記録電圧を印加すると、十分な量のトナーが集まらないうちにインク滴が飛翔されてしまい、多量のキャリア液を含んだインクが記録紙P上に転写される。この結果、記録紙P上の画像に滲みを生じる。
【0049】
反対に、図10に示すように、記録ヘッド10を水平面に対して60度の角度で配置すると、インクがフィルム基板42の前端42aまで到達しづらくなり、吐出ポイント近くのインクメニスカスが薄くなる。この状態で、吐出電極44に記録電圧を印加しても、吐出ポイントにトナーを凝集しにくくなり、飛翔に十分なトナーを集めるのに長時間を要し、インク吐出周波数が低下するとともに、インク滴のドット径が減少される。
【0050】
記録ヘッド10の傾斜角度と印字特性との関係を調べたところ、記録ヘッド10の傾斜角度を0度以下に設定すると画像に滲みを生じ、45度以上に設定するとインク滴の吐出周波数が500Hz以下になることが解った。従って、記録ヘッド10の適切な傾斜角度は0度から45度であるこが判断され、記録ヘッド10の傾斜角度をこの範囲内に設定することにより、吐出周波数1KHzで滲みのない良質な画像を得ることができた。
【0051】
次に、上記記録ヘッド10による記録動作、特にトナー凝集物を飛翔した後に吐出ポイントに滞留したインクのクリーニング動作について、図11(a)および図11(b)に示すタイミングチャートを用いて説明する。尚、ここでは、吐出電極44の電位を実線で示し、プラテンローラ21の電位を破線で示した。
【0052】
上記記録ヘッド10においては、吐出ポイントに凝集されたトナー凝集物がキャリアー液から分離されて飛翔されると、飛翔されずに残ったキャリア液が吐出ポイント近くに滞留される。このように吐出ポイント近くに滞留されたキャリア液は、トナーが消費されるに従って変質され、液面の抵抗が徐々に低下される。
【0053】
つまり、キャリア液が吐出ポイント付近に滞留すると、気中放電によって生じたイオンが電界の影響によってインク面に付着され、キャリア液に含まれるトナー以外の正イオンが電界の影響によってインク面に押付けられる。また、トナーとの間の相互帯電作用によってキャリア液中に生じた負イオンがトナーの消費に従って増加し、この負イオンが電極からの電荷注入によって正極性に帯電され、電界の影響によってインク面に押付けられ、吐出ポイント付近のインクが導電性となり、インク面の液面抵抗が低下される。
【0054】
このように、インク面の液面抵抗が低下されると、トナー凝集物とともに飛翔されるキャリア液の量が多くなり、記録紙P上に形成される画像に滲みを生じ、高濃度画像を形成できない。
【0055】
このため、本実施の形態においては、記録動作終了時に、記録ヘッド10の各吐出電極44とプラテンローラ21との間に所定の電位差を与えることにより、不所望に吐出ポイント近傍に滞留した液面抵抗の低いキャリア液をプラテンローラ21に向けて飛翔させ、代りに液面抵抗の高い新たなインクを吐出ポイントに供給している。
【0056】
詳細には、図11(a)に示すように、プラテンローラ21の電位をV0 、各吐出電極44の電位をトナーが飛翔することのないバイアス電位Vb に設定し、記録紙Pを搬送した状態で、画像信号に応じて選択された吐出電極44に所定のタイミングで記録電圧Vp を重畳印加して、記録紙Pに向けてインク滴を飛翔させる。尚、図11(a)では全ての画素を印字するようなタイミングチャートとなっているが、印字しない画素もあることはいうまでもない。
【0057】
このように、インク滴が飛翔されて記録紙1枚分の記録動作が終了されると、記録紙Pが排紙トレー26上に排出されるとともに、全ての吐出電極44の電位がバイアス電位Vb に戻されてプラテンローラ21の電位がクリーニング電位V1 に制御される。この場合、クリーニング電位V1 は、インク滴を飛翔する際の吐出電極44とプラテンローラ21との間の電位差VA (VP −V0 )よりクリーニング動作時における吐出電極44とプラテンローラ21との間の電位差VB (Vb −V1 )の方が大きくなるように設定されている。つまり、記録動作時の電位差VA とクリーニング動作時の電位差VB との間には、VA <VB の関係が成り立っている。
【0058】
このように、クリーニング動作に際し、記録動作時の電位差VA より大きい電位差VB を各吐出電極44とプラテンローラ21との間に与えることにより、記録動作時より強い電界が各吐出ポイントに形成され、記録動作時に飛翔されずに各吐出ポイントに滞留した液面抵抗の低いインクをプラテンローラ21に向けて容易に飛翔させることができる。
【0059】
クリーニング動作によって飛翔されてプラテンローラ21に付着されたインク滴は、プラテンローラ21の回転に伴って搬送され、クリーニングローラ28によって除去される。
【0060】
尚、以上のようなクリーニング動作を行なうタイミングは任意に設定できるものであり、記録紙1枚の記録動作が終了される毎のタイミングに限定する必要はない。また、クリーニング動作時における各吐出電極44とプラテンローラ21との間の電位差VB は、両者の間に放電を生じて電極を破損することのないように、放電を生じない範囲に設定されている。
【0061】
以上のように、各吐出電極44とプラテンローラ21との間に記録動作時より大きい電位差を与えることにより、吐出ポイントに滞留した不所望なインクを容易に除去でき、常に濃度の高いインクを吐出ポイントに供給できる。従って、トナー凝集物とともに飛翔されるキャリア液の量を低く押さえることができ、滲みのない良質な画像を形成できる。
【0062】
また、他の実施の形態として、吐出電極44とプラテンローラ21との間に図11(b)に示すようなタイミングで電位差を与えて、吐出ポイントに滞留した不所望なインクをクリーニングする方法もある。
【0063】
この方法によると、上述したように記録動作が終了された時点で、全ての吐出電極44の電位がバイアス電位Vb に戻されるとともに、プラテンローラ21の電位が第1のクリーニング電位V2 にされ、その後、第2のクリーニング電位V3 にされる。第1および第2のクリーニング電位V2 およびV3 は、それぞれ所定のパルス幅を有している。そして、この動作を1サイクルとして複数回繰り返されて不所望なインクがクリーニングされる。
【0064】
第1のクリーニング電位V2 は、吐出電極44に与えられる記録電位Vp より僅かに高く設定されており、プラテンローラ21が第1のクリーニング電位V2 に設定された状態では、吐出電極44の電位とプラテンローラ21の電位が逆転されている。従って、プラテンローラ21が第1の電位にされた状態では、電界の向きが逆転され、負極性の物質がプラテンローラ21に向けて飛翔されることになる。また、プラテンローラ21が第1のクリーニング電位V2 にされると、トナーとの相互帯電作用などによって生じた不極性のキャリア液も同時に飛翔される。
【0065】
しかしながら、長時間にわたって上記のように電界の向きを逆転させると、逆向きの電界によって正極性に帯電したトナーが吐出電極44に付着されてしまう問題が生じる。このため、プラテンローラ21に与える第1のクリーニング電位V2 のパルス幅をトナーが付着しない程度に短くして、第1のクリーニング電位V2 を与えた直後に第2のクリーニング電位V3 を与えている。
【0066】
第2のクリーニング電位V3 は、記録動作時に吐出電極44に与えられるバイアス電位Vb との間の電位差VD が、記録動作時に吐出電極44に与えられる記録電位Vp とプラテンローラ21の電位V0 との間の電位差VA より大きくなるように設定されている。つまり、記録動作時の電位差VA とクリーニング動作時の電位差VD との間には、VA <VD の関係が成り立っている。
【0067】
このように、記録動作時の電位差VA より大きい電位差VD を各吐出電極44とプラテンローラ21との間に与えることにより、記録動作時より強い電界が各吐出ポイントに形成され、記録動作時に飛翔されずに各吐出ポイントに滞留した液面抵抗の低いインクをプラテンローラ21に向けて容易に飛翔させることができる。
【0068】
以上のように、クリーニング動作として、プラテンローラ21に対して吐出電極44の記録電位より高い第1のクリーニング電位を与えることにより、電界の向きを逆転させて不極性の物質やキャリア液を吐出ポイントから飛翔させることができ、且つ各吐出電極44とプラテンローラ21との間に記録動作時より大きい電位差を与えることにより、吐出ポイントに滞留した不所望なインクを容易に除去でき、常に濃度の高いインクを吐出ポイントに供給できる。従って、トナー凝集物とともに飛翔されるキャリア液の量を低く押さえることができ、滲みのない良質な画像を形成できる。
【0069】
また、本実施の形態のように、プラテンローラ21の電位を第1のクリーニング電位V2 と第2のクリーニング電位V3 との間で交互に変えることにより、吐出ポイント近傍のインク、特にトナーに振動を与えることができ、トナーがフィルム基板42などに付着することが防止される。
尚、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の画像形成装置は、上記のような構成および作用を有しているので、高い吐出周波数を有し、高濃度で滲みの無い良質な画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインクジェットプリンタを示す概略図。
【図2】図1のインクジェットプリンタの動作を制御する制御系を示すブロック図。
【図3】図1のインクジェットプリンタに組込まれた記録ヘッドを示す断面図。
【図4】図3の記録ヘッドに組込まれたフィルム基板、吐出電極、および隔壁部材を示す斜視図。
【図5】記録ヘッドとプラテンローラとの間に形成される電界の向きを電気力線で示した図。
【図6】記録ヘッド先端の吐出ポイントに向うトナーの状態を示す概略図。
【図7】図6の記録ヘッドの平面図。
【図8】記録ヘッドによるインク滴の飛翔動作を説明するための動作説明図。
【図9】記録ヘッドの傾斜角度を0度以下に設定した場合のインクメニスカスの形状を示す概略図。
【図10】記録ヘッドの傾斜角度を60度に設定した場合のインクメニスカスの形状を示す概略図。
【図11】記録動作およびクリーニング動作時に吐出電極およびプラテンローラに与える電位を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ、
2…ハウジング、
10…記録ヘッド、
11…移動ステージ、
13…インクリザーバー、
20…搬送機構、
21…プラテンローラ、
28…クリーニングローラ、
30…制御部、
35…高圧電源、
42…フィルム基板、
44…吐出電極、
45…切欠き、
46…隔壁部材、
48…インク供給路、
51…カバー部材、
52…共通インク室、
54…トナー搬送電極、
56…インクメニスカス、
P…記録紙。

Claims (8)

  1. 帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を被画像形成媒体から所定距離離間した吐出位置へ供給する供給手段と、
    上記吐出位置に第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を凝集させ、上記吐出位置に上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、凝集した色剤粒子を被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、
    上記吐出位置に上記第2の電界より強い第3の電界を形成し、上記吐出位置から飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物を上記吐出位置から飛翔させて除去する除去手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 所定の転写位置へ被画像形成媒体を搬送する搬送手段と、
    帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を上記転写位置から所定距離離間した吐出位置へ供給する供給手段と、
    上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送した状態で、上記吐出位置から上記転写位置へ向う第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を凝集させ、上記吐出位置から上記転写位置へ向う上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、凝集した色剤粒子を被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、
    上記搬送手段にて被画像形成媒体が搬送されていない状態で、上記吐出位置から上記転写位置へ向う上記第2の電界より強い第3の電界を形成し、上記吐出位置から飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物を上記吐出位置から飛翔させて除去する除去手段と、
    上記除去手段にて除去された残留物を回収する回収手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を所定の吐出位置へ供給する供給手段と、
    上記吐出位置まで延びた先端を有する複数の吐出電極と、
    上記吐出位置から所定距離離間して配置された対向電極と、
    上記複数の吐出電極と対向電極との間の所定の転写位置を通して被画像形成媒体を搬送する搬送手段と、
    上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送した状態で、上記複数の吐出電極から上記対向電極へ向う第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を上記複数の吐出電極の各先端近くに凝集させ、且つ画像信号に応じて選択された吐出電極から上記対向電極へ向う上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、当該吐出電極の先端近くに凝集した色剤粒子を被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、
    上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送していない状態で、上記複数の吐出電極から上記対向電極へ向う上記第2の電界より強い第3の電界を形成し、上記各吐出電極の先端近くに飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物を上記対向電極に向けて飛翔させる除去手段と、
    上記除去手段にて飛翔された残留物を上記対向電極から回収する回収手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を所定の吐出位置へ供給する供給手段と、
    上記吐出位置まで延びた先端を有する複数の吐出電極を備えた記録ヘッドと、
    上記吐出位置から所定距離離間して配置された導電性のプラテンローラと、
    被画像形成媒体を上記記録ヘッドとプラテンローラとの間の所定の転写位置を通して上記プラテンローラの外周面に沿って搬送する搬送手段と、
    上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送した状態で、上記複数の吐出電極とプラテンローラとの間に第1の電位差を与えて上記複数の吐出電極から上記プラテンローラに向う第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を上記複数の吐出電極の各先端近くに凝集させ、且つ画像信号に応じて選択された吐出電極と上記プラテンローラとの間に上記第1の電位差より大きい第2の電位差を与えて上記選択された吐出電極から上記プラテンローラに向う上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、当該吐出電極の先端近くに凝集した色剤粒子を上記プラテンローラに沿って搬送される被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、
    上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送していない状態で、上記複数の吐出電極と上記プラテンローラとの間に上記第2の電位差より大きい第3の電位差を与えて上記複数の吐出電極から上記プラテンローラに向う上記第2の電界より強い第3の電界を形成し、上記各吐出電極の先端近くに飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物を上記プラテンローラに向けて飛翔させる除去手段と、
    上記プラテンローラに転接され、上記除去手段にて上記プラテンローラの外周面上に飛翔された残留物を回収するクリーニングローラを有する回収手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を被画像形成媒体から所定距離離間した吐出位置へ供給する供給手段と、
    上記吐出位置に第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を凝集させ、上記吐出位置に上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、凝集した色剤粒子を被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、
    上記吐出位置に上記第1および第2の電界と逆向きの第3の電界、および上記第2の電界より強い第4の電界を交互に形成し、上記吐出位置から飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物に振動を与えるとともに上記残留物を上記吐出位置から飛翔させて除去する除去手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 所定の転写位置へ被画像形成媒体を搬送する搬送手段と、
    帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を上記転写位置から所定距離離間した吐出位置へ供給する供給手段と、
    上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送した状態で、上記吐出位置から上記転写位置へ向う第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を凝集させ、上記吐出位置から上記転写位置へ向う上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、凝集した色剤粒子を被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、
    上記搬送手段にて被画像形成媒体が搬送されていない状態で、上記吐出位置に上記第1および第2の電界と逆向きの第3の電界、および上記吐出位置から上記転写位置へ向う上記第2の電界より強い第4の電界を交互に形成し、上記吐出位置から飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物に振動を与えるとともに上記残留物を上記吐出位置から飛翔させて除去する除去手段と、
    上記除去手段にて除去された残留物を回収する回収手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  7. 帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を所定の吐出位置へ供給する供給手段と、
    上記吐出位置まで延びた先端を有する複数の吐出電極と、
    上記吐出位置から所定距離離間して配置された対向電極と、
    上記複数の吐出電極と対向電極との間の所定の転写位置を通して被画像形成媒体を搬送する搬送手段と、
    上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送した状態で、上記複数の吐出電極から上記対向電極へ向う第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を上記複数の吐出電極の各先端近くに凝集させ、且つ画像信号に応じて選択された吐出電極から上記対向電極へ向う上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、当該吐出電極の先端近くに凝集した色剤粒子を被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、
    上記搬送手段にて被画像形成媒体が搬送されていない状態で、上記対向電極から上記複数の吐出電極へ向う第3の電界、および上記複数の吐出電極から上記対向電極に向う上記第2の電界より強い第4の電界を交互に形成し、上記各吐出電極の先端近くに飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物に振動を与えるとともに上記残留物を上記対向電極に向けて飛翔させる除去手段と、
    上記除去手段にて飛翔された残留物を上記対向電極から回収する回収手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させてなる記録液を所定の吐出位置へ供給する供給手段と、
    上記吐出位置まで延びた先端を有する複数の吐出電極を備えた記録ヘッドと、
    上記吐出位置から所定距離離間して配置された導電性のプラテンローラと、
    被画像形成媒体を上記記録ヘッドとプラテンローラとの間の所定の転写位置を通して上記プラテンローラの外周面に沿って搬送する搬送手段と、
    上記搬送手段にて被画像形成媒体を搬送した状態で、上記プラテンローラの電位を基準電位V0 にするとともに上記複数の吐出電極の電位をバイアス電位Vb にして上記複数の吐出電極とプラテンローラとの間に第1の電位差を与え、上記複数の吐出電極から上記プラテンローラに向う第1の電界を形成し、上記供給手段にて上記吐出位置へ供給された記録液に含まれる色剤粒子を上記複数の吐出電極の各先端近くに凝集させ、この状態で、画像信号に応じて選択された吐出電極の電位を上記バイアス電位Vb より高い記録電位Vp にして上記プラテンローラとの間に上記第1の電位差より大きい第2の電位差VA を与え、上記選択された吐出電極から上記プラテンローラに向う上記第1の電界より強い第2の電界を形成し、当該吐出電極の先端近くに凝集した色剤粒子を上記プラテンローラに沿って搬送される被画像形成媒体に向けて飛翔させる記録手段と、
    上記搬送手段にて被画像形成媒体が搬送されていない状態で、上記複数の吐出電極の電位を上記バイアス電位Vb にするとともに、上記プラテンローラの電位を、上記記録電位より高い第1のクリーニング電位、および上記バイアス電位Vb より低く上記バイアス電位Vb との間の電位差VD が上記第2の電位差VA より大きくなるような第2のクリーニング電位に交互にして、上記プラテンローラから上記複数の吐出電極に向う第3の電界、および上記複数の吐出電極から上記プラテンローラに向う上記第2の電界より強い第4の電界を交互に形成し、上記各吐出電極の先端近くに飛翔されずに残留した絶縁性液体を含む残留物に振動を与えるとともに上記残留物を上記プラテンローラに向けて飛翔させる除去手段と、
    上記プラテンローラに転接され、上記除去手段にて上記プラテンローラの外周面上に飛翔された残留物を回収するクリーニングローラを有する回収手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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