JP3719884B2 - ポリケトン繊維の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の添加剤を含有せしめることによって、熱延伸時での分子量低下や熱架橋物の生成が抑制された分子量の高いポリケトン繊維に関する。更に詳しくは、分子量が高く、しかも熱延伸時や使用環境下での分子量の低下やポリマー劣化・変性が起こりにくく、耐摩耗性、耐熱性、耐光性等の産業用資材用途に要求される耐久性が優れるポリケトン繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一酸化炭素とエチレン、プロピレンのようなオレフィンとをパラジウムやニッケルなどの遷移金属錯体を触媒として用いて重合させることにより、一酸化炭素と該オレフィンが実質完全に交互共重合したポリケトンが得られている(工業材料、12月号、第5ページ、1997年)。こうしたポリケトンは、湿式紡糸により8.82cN/dtex以上の強度、176.4cN/dtex以上の弾性率を有する高強度、高弾性率繊維になることがすでに知られている(特開平2−112413号公報、特開平4−228613号公報、特表平4−505344号公報等)。ポリケトン繊維は高強度、高弾性率の他、高温での寸法安定性、接着性、耐クリープ特性といった優れた特性を有しているので、これらの特性を生かしてタイヤコード、ベルト等の補強繊維、コンクリート補強用繊維といった複合材料用繊維への応用が期待されている(特開平2―112413号公報、特開平9−324377号公報、特開平9―328342号公報等)。
本発明者らも、上記ポリケトン繊維の特性に着目し、その繊維化研究を進めているが、その過程で公知のポリケトン繊維では産業用途に使用する上で重大な問題があることが判明した。
【0003】
第一の問題は、繊維化段階、特に熱延伸を行うときにポリケトンの分子量が大きく低下してしまうことである。分子量の低下は、延伸温度や延伸時間等の延伸条件によっても異なるが、公知の繊維化技術を用いる限りでは、熱延伸工程でポリケトン繊維の極限粘度、すなわち[η]は、用いた原料ポリケトンの[η]の数分の1まで減少してしまうことが判明した。特に、このような[η]の低下は延伸温度や延伸倍率が高い時に顕著であった。更に、熱延伸温度を高くするとポリマーが熱架橋し不溶不融の架橋物が繊維中に生成することが判明した。こうしたポリケトン繊維は、一般的に脆く、小さな応力で擦られたりしても毛羽が発生しやすいので産業資材等に用いることができない。
第二の問題は、公知のポリケトン繊維には、長時間、高温に曝された状態で使用する場合に徐々に分子量が低下したり、不溶不融の架橋物が生成することである。このような繊維では仮に繊維形成時に高強度・高弾性率を示していても、実使用段階で上記のような現象が起こり、その結果、実使用時間が延びるにつれて、繊維物性が低下しやすいといった問題があった。このような繊維は、産業用途等には用いることができない。
【0004】
例えば、特表平4−228613号公報の実施例1qでは、固有粘度([η]と同意)が5.1のエチレン/一酸化炭素交互共重合体(以下、「ECO」と略記する)をフェノールとアセトンの混合溶剤に溶解させた後、湿式紡糸を行い、強度2.1GPa(約16.8cN/dtexに相当)、弾性率55.0GPa(約439cN/dtexに相当)なる繊維を得ている。しかしながら、こうして得られた繊維は高い強度、弾性率を有しているが、[η]を測定すると2.5未満の値を示した。また、この繊維中には熱架橋物が多く含まれていた。このように[η]が大きく低下したり、熱架橋物を大量に含む繊維は、耐摩耗性が悪く、また長期高温使用下では更に[η]が低下する。更に、この繊維を長期間屋外で使用すると経時的に強度、伸度が低下し、耐光性の悪い繊維であった。これらの理由から、産業用途に用いることが実用特性上困難である。
【0005】
また、特開平2−112413号公報の実施例6の中でMw (重量平均分子量)が1.3×105 のポリケトンをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解し、その溶液中にヒンダードフェノール系酸化防止剤(IRGANOX1076:Ciba Geigy商標)を含む溶液を用いてアセトンを凝固浴にして湿式紡糸し繊維化する方法が開示されている。しかしながら、この酸化防止剤はアセトンに溶解するため、凝固段階で脱落してしまい繊維には残存せず添加剤の効果は示さない。その結果、耐摩耗性、耐熱性が悪い繊維であった。
以上のように、公知技術の範囲ではポリケトン繊維が熱延伸時に[η]の低下を起こしやすいこと、熱架橋物が生成しやすいことといった問題の知見や、それらの解決策に関する示唆は一切無い。また、添加剤を含有せしめることで上記問題を解決し、耐摩耗性、耐熱性等の耐久性を備えた産業用資材に適したポリケトン繊維に関する一切の記載はなされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ポリケトン繊維の耐摩耗性、耐熱性等の耐久性の観点から検討した結果、公知のポリケトン繊維では、繊維化過程、特に熱延伸過程で[η]が大幅に低下したり、熱架橋物が大量に生成すること、また長期高温使用下においても[η]の低下と架橋物の生成といった問題が生じ、経時的に強度、伸度、弾性率が低下し、ひどい場合には非常に脆い繊維になるため、結果として耐摩耗性、耐熱性等の実用上の性能が劣ることがわかった。即ち、公知のポリケトン繊維は、繊維化段階での[η]の低下により高強度、高弾性率が達成し難いばかりでなく、工業的安定生産の視点から見ても[η]が変動しやすく、また、熱等の外的要因などにより長期使用時には安定した性能を保ち得ないということである。
本発明が解決しようとする課題は、長期使用時の耐摩耗性、耐熱性、耐光性等の、産業用資材用途に要求される耐久性が優れると同時に、分子量が高く、高強度、高弾性率を発現するポリケトン繊維を提供することである。具体的には、熱延伸時の繊維化段階での[η]低下及び熱架橋物生成の抑制、長期高温使用時の[η]低下抑制、架橋物生成の抑制、これらの問題を解決する添加剤の開発である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、特定の添加剤を繊維製造過程で含有させることにより、高い延伸温度、延伸倍率でも[η]が大きく低下せず、また熱架橋物の生成が著しく抑制できる可能性を見いだし、更に検討を進めた結果、本発明の課題を解決することができた。
すなわち本発明は、ポリケトン溶液の調製工程、繊維化工程、凝固・洗浄工程、乾燥工程及び延伸工程からなる繰返し単位の90重量%以上が下記構造式(a)で示されるポリケトン繊維の製造方法であって、洗浄工程から乾燥工程の間に、分子量が10000以下であって、(1)〜(12)の化合物群から選ばれた少なくとも1つの化合物をポリケトン繊維重量に対して0.001〜10重量%含有するようにポリケトン繊維に添加することを特徴とするポリケトン繊維の製造方法を提供するものである。
【0008】
本発明のポリケトン繊維を製造する時に用いるポリケトン、更には本発明のポリケトン繊維を構成するポリケトンは、繰り返し単位の90重量%以上が下記構造式(a)で示されるポリケトンである。
【化5】
Figure 0003719884
(ここで、Rは炭素数1〜30の有機基である。)
【0009】
ポリケトンは、繰り返し単位の10重量%未満で式(a)のケトン以外の繰り返し単位を有していてもよい。このポリケトンは、カルボニル基とR基が交互に配列されているポリマーである。このポリマー中には部分的にカルボニル基同士、アルキレン基同士が結合していてもよいが、95重量%以上が完全交互共重合体、すなわち、Rの次にはカルボニル基が結合し、カルボニル基の次にはRが結合する交互共重合体からなるポリケトンであることが耐熱性、耐光性を向上させる観点から好ましい。もちろん、完全交互共重合した部分の含有率は高ければ高いほどよく、好ましくは97重量%以上であり、最も好ましくは100重量%である。
【0010】
Rは、炭素数が1〜30の有機基であり、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、1−フェニルエチレン等が例示される。これらの水素原子の一部または全部が、ハロゲン原子、エステル基、カルボキシル基、アミド基、水酸基、エーテル結合等の原子や基で置換されていてもよい。もちろん、Rは2種以上であってもよく、例えば、エチレンとプロピレンが混在していてもよい。
これらのポリケトンとしては、Rがエチレンの完全交互共重合単位から構成されるポリケトンが、高強度、高弾性率、高温での寸法安定性が優れるという観点から最も好ましい。本発明で使用するポリケトンの[η]は2.5以上であることが好ましい。これは、2.5未満では、耐摩耗性、耐熱性等に優れた繊維が得られにくくなるからである。得られる繊維の強度と紡糸性の兼ね合いから、好ましくは3〜15、最も好ましくは4〜10である。
【0011】
本発明に用いるポリケトンの製造方法については、公知の方法をそのまま、あるいは修正して用いることができる。例えば、一酸化炭素とエチレンやプロピレン等のオレフィンを、パラジウム、ニッケル、コバルト等の第VIII族遷移金属化合物、下記の構造式で示されるリン系二座配位子及び、pKaが4以下の酸のアニオンからなる触媒下でメタノールなどの溶媒下、圧力を10MPaから100MPaの高圧下で重合させて、本発明で用いるポリケトンを製造することができる。
R’R”P−R−PR’”R””
(ここで、R’、R”、R’”、R””は異種又は同種の炭素数1〜30の有機基であり、Rは炭素数2〜5の有機基である。)
本発明のポリケトン繊維中には、分子量が10000以下であって、(1)〜(12)の化合物群から選ばれた少なくとも1つの化合物を0.001〜10重量%含有することが必要である。これらの化合物をポリケトン繊維に含有させることで、熱延伸時の[η]低下を抑制する共に、ポリケトン繊維の耐摩耗性、耐熱性、耐光性等の産業用資材用途に要求される耐久性を大きく向上させることが可能となる。
【0012】
以下、(1)〜(12)の化合物の説明を行う。
化合物(1)は、次の構造式で示されるものであり、いわゆるヒンダードフェノール系酸化防止剤である。
【化6】
Figure 0003719884
(ここで、R1 、R2 は、水素原子又は炭素数1〜10の有機基であり、Xは、水素原子又は炭素数1〜400の有機基から選ばれた基を示す。)
【0013】
化合物(1)は、化合物(1)〜(12)の中で、本発明の目的を達成するために最も効果が高い添加剤である。化合物(1)を添加することで、特に熱延伸時での繊維の[η]の低下や熱架橋物の生成を抑制するのに大きな効果を示すと同時に、得られた繊維の耐熱性、耐光性、耐摩擦摩耗性等を向上させるのに大きく寄与する。化合物(1)において、R1 、R2 は、水素原子、又は炭素数1〜10の有機基であり、Xは、水素原子又は、炭素数1〜400の有機基から選ばれた基を示す。R1 、R2 としては、水素原子又は炭素数1〜10の有機基であれば特に制限は無く、ベンゼン環への結合位置も特に制限はない。
【0014】
また、炭素数1〜10の有機基の場合、炭素に結合する水素原子の一部または全部がハロゲン原子、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、イミド結合、チオエーテル結合、チオエステル結合、水酸基、カルボニル結合等の官能基で置換されていてもよく、これらの官能基で結合されていても良い。更には、R1 、R2 中に他のフェノール性ベンゼン環を有していても良い。好ましくはR1 、R2 のいずれか一方、または両方がt−ブチル基であることが、化合物(1)の熱延伸時に繊維の[η]の低下を抑制する効果が大きいので特に好ましい。
また、Xとしては、水素原子又は炭素数1〜400の有機基であれば特に制限はなく、また炭素数1〜400の有機基の場合、炭素に結合する水素原子の一部または全部がハロゲン原子、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、イミド結合、チオエーテル結合、チオエステル結合、水酸基、カルボニル結合等の官能基で置換されていてもよい。更には、R1 、R2 、X中に他のフェノール性ベンゼン環を1個以上有していてもよい。
【0015】
これらの化合物(1)の具体的例としては、ペンタエリストリールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4―ヒドロキシフェニルプロピオナミド]、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、
【0016】
カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5―ジ−tert−ブチル−4―ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、
【0017】
2’−3−ビス[[3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド、ビス−(2−ヒドロキシ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、N,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−(4−ヒドロキシ−3,5−tert−ブチルフェニル)プロピオン酸ジエステル、トリエチレングリコールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドラジンフェニル)プロパノエート]、その他には旭電化商標の“AO−30(CAS−No.1843−03−4)”、“AO−40(CAS−No.85−60−9)”、“AO−80(CAS−No.90498−90−1)”等が挙げられ、好ましくはN,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4―ヒドロキシフェニルプロピオナミド]、3,3’, 3”, 5, 5’, 5”−ヘキサ−t−ブチル−a、a’、a”- (メシチレンー2, 4, 6―トレイル)トリーp―クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等である。
【0018】
化合物(1)の繊維中の含有量としては0.001〜10重量%である。0.001重量%未満では効果が出ず、10重量%を越えると延伸倍率を高めることができない。好ましくは、0.05重量%〜2重量%、より好ましくは0.05〜1重量%である。また、化合物の分子量としては分子量が10000以下であることが必要である。10000を越えると、ポリケトン繊維中への分散が悪くなり、分子量低下抑制効果や繊維の耐久性を向上させる効果が低くなってしまう。化合物の分散性と繊維からのブリードアウトが小さいという観点から好ましくは300〜5000であり、更に好ましくは300〜3000である。
【0019】
化合物(2)は、エチルジエチルホスホノアセテートである。
化合物(2)を添加することで、熱延伸時の[η]低下や熱架橋物の生成だけでなく、長期間または高温下での使用の際に[η]の低下や熱架橋物の生成を抑制する。また、[η]低下抑制だけでなく、熱延伸時の繊維形成過程や長期間または高温下使用時の着色防止にも効果を発揮する。化合物(2)は単独で用いても構わないが、化合物(1)と併用すると[η]低下抑制効果、着色防止効果は大きくなる。
【0020】
化合物(2)の繊維中の含有量は添加剤の効果と延伸性の兼ね合いから0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜1.5重量%である。
【0021】
化合物(3)は、トリス(2,4−ジ−ブチルフェニル)フォスフォナイトで、いわゆる亜リン酸系熱安定剤である。
化合物(3)を添加することで、化合物(2)と同様に熱延伸時の[η]低下だけでなく、長期または高温下での使用の際に[η]の低下や熱架橋物の生成を抑制する。また、[η]低下や熱架橋物の生成の抑制だけでなく、熱延伸時の繊維形成過程や長期または高温下使用時の着色防止にも効果を発揮する。化合物(3)は単独で用いても構わないが、通常、化合物(3)を除く化合物(1)〜(12)の化合物と併用すると相乗効果を発揮し、[η]低下抑制や着色防止、光安定化等の耐久性向上に大きく寄与する。特に化合物(1)と併用すると、[η]低下抑制効果、着色防止効果は大きくなる。
【0022】
【0023】
【0024】
また、化合物(3)の繊維中の含有量は添加剤の効果と延伸性の兼ね合いから0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜2重量%である。
【0025】
化合物(4)は、TINUVIN 123S(化合物A:CAS−No.129757−67−1 化合物B:CAS−No.9003−07−0:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社商標)で、いわゆるヒンダードアミン系光安定剤である。
【0026】
化合物(4)を添加することで、化合物(1)〜(3)の場合のように熱延伸時の[η]低下や熱架橋物の生成を抑制する効果と共に、長期または高温下での使用の際に、光、特に屋外などの紫外線が当たる状態での[η]の低下を抑制する。化合物(4)は単独で用いても構わないが、通常、化合物(4)を除く化合物(1)〜(12)と併用して用いると相乗効果を発揮し、[η]低下抑制や着色防止、光安定化などの耐久性向上に大きく寄与する。特に、化合物(1)や化合物(5)と併用すると[η]低下抑制効果、光安定化効果は大きくなる。
【0027】
【0028】
化合物(4)の繊維中の含有量は、添加剤の効果と延伸性の兼ね合いから0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜2重量%である。
【0029】
化合物(5)は、2−(2‘−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールで、いわゆるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である。
【0030】
化合物(5)を添加することで、熱延伸時の[η]低下や熱架橋物の生成を抑制する効果と共に、長期または高温下での使用の際に光、特に屋外などの紫外線が当たる状態での[η]の低下や熱架橋物の生成を抑制する。化合物(5)は単独で用いても構わないが、通常、化合物(5)以外の化合物(1)〜(12)と併用して用いると相乗効果を発揮し[η]低下抑制や着色防止、光安定化などの耐久性向上に大きく寄与する。特に化合物(1)や化合物(4)と併用すると[η]低下抑制効果、光安定化効果は大きくなる。
【0031】
【0032】
【0033】
化合物(5)の繊維中の含有量は、添加剤の効果と延伸性の兼ね合いから0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜2重量%である。
【0034】
化合物(6)は、ジドデシル3,3‘−チオジプロピネートで、いわゆるイオウ系耐熱安定剤である。
化合物(6)を添加することで、熱延伸時の[η]低下だけでなく、長期または高温下での使用の際に[η]の低下を抑制する。また、[η]低下抑制だけでなく、熱延伸時の繊維形成過程や長期または高温下使用時の着色防止にも効果を発揮する。化合物(6)は単独で用いても構わないが、通常、化合物(6)以外の化合物(1)〜(12)と併用して用いると相乗効果を発揮し、[η]低下抑制や着色防止、光安定化などの耐久性向上に大きく寄与する。特に化合物(1)と併用すると、[η]低下抑制効果、着色防止効果は大きくなる。
【0035】
【0036】
化合物(6)の繊維中の含有量は添加剤の効果と延伸性の兼ね合いから0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.05〜2重量%である。
【0037】
化合物(7)は酸化カルシウムであり、化合物(7)を添加することで、熱延伸時の[η]低下だけでなく、長期または高温下での使用の際に[η]の低下を抑制する。また、[η]低下抑制だけでなく、架橋物生成抑制効果や熱延伸時の繊維形成過程や長期または高温下使用時の着色防止にも効果を発揮する。化合物(7)は単独で用いても構わないが、通常、化合物(7)以外の化合物(1)〜(12)と併用して用いると相乗効果を発揮し、[η]低下抑制、架橋物抑制、着色防止、光安定化などの耐久性向上に大きく寄与する。特に化合物(1)又は/及び化合物(3)と併用すると[η]低下抑制効果、架橋物抑制、着色防止効果は大きくなる。
繊維中の含有量は、多すぎると延伸時の延伸性を阻害し、また少なすぎると熱架橋物の抑制などの効果が小さくなる。好ましい範囲としては0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.05〜1重量%である。粒径については延伸時の糸切れ、毛羽などの製造上の問題、更には強度、伸度などの物性上の観点から小さければ小さいほど好ましく、通常0.00001〜1.0μmであり、より好ましくは0.0001〜0.5μmである。
【0038】
化合物(8)は水酸化マグネシウムであり、化合物(8)を添加することで熱延伸時の[η]低下だけでなく、長期または高温下での使用の際に[η]の低下を抑制する。また、[η]低下抑制だけでなく、架橋物生成抑制効果や熱延伸時の繊維形成過程や長期または高温下使用時の着色防止にも効果を発揮する。化合物(8)は単独で用いても構わないが、通常、化合物(8)以外の化合物(1)〜(12)と併用して用いると相乗効果を発揮し、[η]低下抑制、架橋物抑制、着色防止、光安定化などの耐久性向上に大きく寄与する。特に、化合物(1)又は/及び化合物(3)と併用すると、[η]低下抑制効果、架橋物抑制、着色防止効果は大きくなる。
【0039】
繊維中の含有量は、多すぎると延伸時の延伸性を阻害し、また少なすぎると熱架橋物の抑制などの効果が小さくなる。好ましい範囲としては0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.05〜1重量%である。粒径については延伸時の糸切れ、毛羽などの製造上の問題、更には強度、伸度などの物性上の観点から小さければ小さいほど好ましく、通常0.00001〜1.0μmであり、より好ましくは0.0001〜0.5μmである。
【0040】
化合物(9)は炭酸カルシウムであり、化合物(9)を添加することで熱延伸時の[η]低下だけでなく、長期または高温下での使用の際に[η]の低下を抑制する。また、[η]低下抑制だけでなく、架橋物生成抑制効果や熱延伸時の繊維形成過程や長期または高温下使用時の着色防止にも効果を発揮する。化合物(9)は単独で用いても構わないが、通常、化合物(9)以外の化合物(1)〜(12)と併用して用いると相乗効果を発揮し、[η]低下抑制、架橋物抑制、着色防止、光安定化などの耐久性向上に大きく寄与する。特に、化合物(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤、化合物(3)のトリス(2,4−ジ−ブチルフェニル)フォスフォナイトと併用すると[η]低下抑制効果、架橋物抑制、着色防止効果は大きくなる。
【0041】
繊維中の含有量は、多すぎると延伸時の延伸性を阻害し、また少なすぎると熱架橋物の抑制などの効果が小さくなる。好ましい範囲としては0.001重量%〜10重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜2重量%である。粒径については延伸時の糸切れ、毛羽などの製造上の問題、更には強度、伸度などの物性上の観点から小さければ小さいほど好ましく、通常0.00001μm〜1.0μmであり、より好ましくは0.0001〜0.5μm以下である。
【0042】
化合物(10)はチタンアルコキシドであり、化合物(10)を添加することで、熱延伸時の[η]低下だけでなく、長期または高温下での使用の際に[η]の低下を抑制する。また、[η]低下抑制だけでなく、架橋物生成抑制効果や熱延伸時の繊維形成過程や長期または高温下使用時の着色防止にも効果を発揮する。化合物(10)は単独で用いても構わないが、通常、化合物(10)以外の化合物(1)〜(12)と併用して用いると相乗効果を発揮し、[η]低下抑制、架橋物抑制、着色防止、光安定化などの耐久性向上に大きく寄与する。特に、化合物(1)又は/及び化合物(3)と併用すると[η]低下抑制効果、架橋物抑制、着色防止効果は大きくなる。
【0043】
繊維中の含有量は、多すぎると延伸時の延伸性を阻害し、また少なすぎると熱架橋物の抑制などの効果が小さくなる。好ましい範囲としては0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.05〜2重量%である。粒径については延伸時の糸切れ、毛羽などの製造上の問題、更には強度、伸度などの物性上の観点から小さければ小さいほど好ましく、通常0.00001〜1.0μmであり、より好ましくは0.0001〜0.5μm以下である。
【0044】
化合物(11)燐酸ランタンである。
化合物(11)を添加することで、熱延伸時の[η]低下だけでなく、長期または高温下での使用の際に[η]の低下を抑制する。また、[η]低下抑制だけでなく、架橋物生成抑制効果や熱延伸時の繊維形成過程や長期または高温下使用時の着色防止にも効果を発揮する。化合物(11)は単独で用いても構わないが、通常、化合物(11)以外の化合物(1)〜(12)と併用して用いると相乗効果を発揮し、[η]低下抑制、架橋物抑制、着色防止、光安定化などの耐久性向上に大きく寄与する。特に、化合物(1)又は/及び化合物(3)と併用すると、[η]低下抑制効果、架橋物抑制、着色防止効果は大きくなる。
【0045】
繊維中の含有量は、多すぎると延伸時の延伸性を阻害し、また少なすぎると熱架橋物の抑制などの効果が小さくなる。好ましい範囲としては0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.05〜2重量%である。粒径については延伸時の糸切れ、毛羽などの製造上の問題、更には強度、伸度などの物性上の観点から小さければ小さいほど好ましく、通常0.00001〜1.0μmであり、より好ましくは0.0001〜0.5μmである。
【0046】
化合物(12)はカルシウムヒドロキシアパタイトであり、化合物(12)を添加することで、熱延伸時の[η]低下だけでなく、長期または高温下での使用の際に[η]の低下を抑制する。また、[η]低下抑制だけでなく、架橋物生成抑制効果や熱延伸時の繊維形成過程や長期または高温下使用時の着色防止にも効果を発揮する。特に架橋物生成抑制効果が著しく優れている。化合物(12)は単独で用いても構わないが、通常、化合物(12)を除く化合物(1)〜(12)と併用して用いると相乗効果を発揮し、[η]低下抑制、架橋物抑制、着色防止、光安定化などの耐久性向上に大きく寄与する。特に、化合物(1)又は/及び化合物(3)と併用すると、[η]低下抑制効果、架橋物抑制、着色防止効果は大きくなる。
【0047】
繊維中の含有量は多すぎると、延伸時の延伸性を阻害し、また少なすぎると、熱架橋物の抑制などの効果が小さくなる。好ましい範囲としては0.001〜10重量%であり、より好ましくは0.05〜2重量%である。粒径については延伸時の糸切れ、毛羽などの製造上の問題、更には強度、伸度などの物性上の観点から小さければ小さいほど好ましく、通常0.00001〜1.0μmであり、より好ましくは0.0001〜0.5μmである。
【0048】
化合物(1)〜(12)は、必要に応じて2種以上を本発明のポリケトン繊維中に含有せしめてもよい。この場合、各化合物の特性が相乗効果として発揮され、本発明の目的を高度に達成できるからである。化合物の組み合わせ、添加量の割合は、特に制限はなく、任意に選択することができるが、組み合わせの中には少なくとも化合物(1)を用いることが好ましい。2種以上組み合わせた場合も繊維中の含有量としては、0.001〜10重量%が好ましく、特に好ましくは、0.01〜2重量%である。
【0049】
以上示した添加剤を含有させることにより、本発明のポリケトン繊維は以下のような好ましい特性を付与させることができる。
すなわち、本発明のポリケトン繊維は、[η]が2. 5以上、かつ弾性率が176cN/dtex以上が達成できる。特に優れた耐摩耗性、耐熱性を発揮するには、[η]が3以上であることが好ましく、更に好ましくは4.2以上である。[η]の上限については、特に制限はないが、湿式紡糸原液の溶解性や重合速度の観点から20以下が好ましく、更に好ましくは、15以下である。また、弾性率が176cN/dtex未満であると、繊維強化複合材料、タイヤコード、ロープ等の産業用資材の状態で高い応力が掛かった場合に、容易に変形して寸法安定性が損なわれたり、ひどい場合には破壊する場合がある。好ましくは、耐久性が高いという観点から、弾性率は265cN/dtex以上が好ましく、更に好ましくは310cN/dtex以上である。弾性率の上限も特に制限は無いが、通常は1060cN/dtexである。
【0050】
また、優れた耐摩耗性、耐熱性、耐光性、寸法安定性の性能を併せ持った産業用途資材としてのポリケトン繊維とは[η]と弾性率のいずれもが高い繊維である。[η]が3以上かつ弾性率が265cN/dtex以上が好ましく、更に好ましくは、[η]が4.2以上かつ、弾性率が310cN/dtex以上である。
更に本発明のポリケトン繊維は、結晶化度が30%以上、結晶配向度が70%以上であると、繊維の高温時の耐摩耗性、弾性率の低下が抑制されるので、高温で使用する用途にはより好ましい繊維と言える。結晶化度としては50%以上が更に好ましく、結晶配向度としては70%以上、更には90%以上が好ましい。
【0051】
更に本発明のポリケトン繊維は、架橋物が5重量%以下であることが必要である。ここで言う架橋物とは、ポリマーの一部が熱架橋して生成するものであり、その大部分は熱延伸時に生成する。架橋物が5重量%を越えると、繊維が脆くなり、引き裂き強度、伸度が小さくなる。架橋物が少なければ少ないほど好ましく、特に好ましくは2重量%以下であり、更に好ましくは1重量%以下である。
本発明のポリケトン繊維の製造方法は、得られる繊維の力学物性が優れているという観点から溶液紡糸である
【0052】
また、溶液紡糸を採用する場合、例えば、特開平2−112413号公報、特開平4−228613号公報、特願平10−236595号公報などに開示されている方法に従って、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノール、m−クレゾール、レゾルシン、亜鉛塩水溶液等を用い、例えば、0.25から30重量%、好ましくは0.5から20重量%のポリマー濃度で繊維化し、ついでトルエン、エタノール、イソプロパノール、n−ヘキサン、イソオクタン、アセトン、メチルエチルケトン、水などの非溶剤浴で溶剤を除去、洗浄して紡糸原糸を得ることができる。
【0053】
中でも特願平10−236595号公報の開示の方法、つまり溶剤として亜鉛塩水溶液、非溶剤浴として水を用いることが溶剤の低毒性、不燃性、経済性、溶剤回収性、紡糸安定性の面から最も好ましい。使用する紡口については特に制限は無いが、紡口径は0.01〜2mm、穴数は1ホールから3000ホールのものを使用することができる。また吐出溶液量についても特に制限は無いが、1つの紡口当たりの吐出溶液量は1〜500g/minの範囲が実用上好ましい。得られた紡糸原糸は痕跡の不純物を除去するために、希薄硫酸水、希薄アルカリ水などでなどで数分間から1昼夜洗浄することが好ましい。さらに、純水、イオン交換水、温水などで酸やアルカリ成分を徹底的に除去したあと、延伸工程に供する。
【0054】
延伸速度は特に制限はないが、1〜3000m/min、好ましくは生産性及び延伸性の面から10〜2000m/minである。延伸方法についても特に制限は無いが、例えば、加熱ロールを用いても良いし、非加熱ロール間にホットプレートにより繊維に熱を与えても構わない。あるいは加熱ロールとホットプレートを組み合わせても良い。ロールの数、ホットプレートの数についても特に制限はないが、ロールの数は2から10、好ましくは作業性の面から3〜5個である。ホットプレートの数も1から9、好ましくは2から4個である。加熱ロール及びホットプレートの温度は(T−100)℃から(T+30)℃、好ましくは(T−50)℃から(T+20)℃で延伸して最終的に所望の繊維を得ることができる(但し、Tは上記ポリマーの結晶融点である。)。
【0055】
繊維に上記記載の添加剤を添加する場所としては、繊維中に均一に分散できること、かつ添加剤が添加量に対し、少なくとも10重量%以上繊維中に確実に残る場所あるいは方法であることが必要であって、繊維が溶媒を含んだ状態であると添加剤をより均一に分散できる点から、洗浄工程から乾燥工程までの間で添加するのがよい。また、添加剤を付与する位置としては1カ所でも構わないし、2カ所以上でも構わない。例えば、洗浄乾燥工程間と巻取工程の直前に添加しても良い。
【0056】
また、添加剤を繊維に添加する方法としては、例えば、添加剤を均一に分散させた水エマルジョンまたはアセトン、メタノールなどの有機溶媒の溶液状態で仕上げ剤ノズルを用いて直接、乾燥前後のいずれか、または両方で繊維に付着させても良いし、添加剤を含んだ浴槽に繊維を通しても構わない。また繊維に平滑性を与える仕上げ剤と同時に付着させてもよい。また2種類以上の添加剤を添加する場合には別々に異なる方法で添加しても構わない。
【0057】
【0058】
【0059】
本発明のポリケトン繊維の繊度は特に制限はないが、通常単糸繊度は0.01〜10dtex、総繊度は5〜5000dtexである。
本発明のポリケトン繊維は、耐久性に優れ、かつ高強度高弾性率を発現するので、タイヤ、ベルト等の繊維強化ゴム、建材に用いる繊維強化樹脂、建材、自動車、船舶、スポーツ用品等に用いる繊維強化樹脂等の繊維強化複合材料の補強繊維として用いることができる。用いるポリケトン繊維の量は、該複合材料に用いた繊維重量の1重量%以上が性能発揮するために必要であり、好ましくは20重量%以上、更に好ましくは50重量%以上である。繊維強化複合材料として、特に本発明のポリケトン繊維の性能を発揮できるという観点から特に、タイヤ、ベルト、建材が好ましい。これらの製造方法としては、公知の方法を用いることができる。
【0060】
本発明のポリケトン繊維をタイヤコードとする場合は、公知の方法を用いることができる。タイヤコードとして用いる場合は、単糸繊度は1〜4dtexが好ましく、総繊度は500〜3000texが好ましい。必要に応じて他の繊維、例えば、レーヨン、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、スチール繊維等と混合使用してもよいが、好ましくはタイヤ中に含まれる全タイヤコードの20重量%、好ましくは50重量%以上使用されていることが性能発揮の面から好ましい。得られたポリケトン繊維は、合撚して100〜1000T/m、好ましくは、200〜500T/mの撚りを掛けた後、すだれ織りとした後、10〜30%のRFL(フェノール/ホルマリンラテックス)液を付着させ、少なくとも100℃で固着させる。RFL樹脂の付着量は、繊維重量に対して2〜7重量%が好ましい。こうして得られたタイヤコードは、特にラジアルタイヤ用カーカス材として有用である。得られたタイヤコードをタイヤへ加工する方法としては、公知の方法を用いることができる。
【0061】
【実施例】
本発明を以下の実施例等により更に詳しく説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例の説明中に用いられる各測定値の測定方法は、次の通りである。
(1)極限粘度[η]
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求めた。
[η]=lim(T−t)/(t・C)
C→0
定義式中のt及びTは、純度98%以上のヘキサイソプロパノール溶媒及び該ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒に溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。また、Cは上記100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
【0062】
(2)添加剤量
NMRにより測定した。
(3)結晶化度
融点測定で200〜300℃の範囲で得られる最大の吸熱ピーク面積から計算される熱量△H(J/g)より下記式から算出した。
結晶化度=(△H/225)×100(%)
(4)結晶配向度
株式会社リガク製イメージングプレートX線回折装置RINT2000を用いて下記の条件で繊維の回折像を取り込んだ。
X線源 :CuKα線
出力 :40KV 152mA
カメラ長:94. 5mm
測定時間:3分
得られた画像の2θ=21°付近に観察される(110)面を円周方向にスキャンして得られる強度分布の半値幅Hから下記式により算出した。
結晶配向度(%)=〔(180―H)/180〕×100(%)
【0063】
(5)架橋物量
ヘキサフルオロイソプロパノールで繊維を50℃でもはや溶解しなくなるまで溶解させ、未溶解分をX(g)を求める。この未溶解分には、触媒や添加剤等の金属成分が存在する可能性があるので、繊維を空気中で700℃で加熱して得られる残さをY(g)として別途求めておいた。X−Yが有機物であって、しかもポリケトンの溶剤であるヘキサフルオロイソプロパノールに溶解しないものと考えられるので、これを架橋物と定義する。架橋物量は以下の式に従って算出した。
Figure 0003719884
【0064】
(6)繊維の強力(強度、伸度、弾性率)
繊維の強伸度は、JIS−L−1013に準じて測定した。
(7)粘度保持率
粘度保持率は下記で定義する。
Figure 0003719884
(8)融点
パーキンエルマー社製DSCを用い、窒素雰囲気下、20℃/minの昇温速度で測定した。
【0065】
(9)摩耗性の評価
繊維の摩耗性の評価は以下のように行った。
サンプルは同一繊度のものを用い、かつ以下に示す同一の評価装置にて評価した。評価装置は幅間隔が20cmの2本の平行の棒を床面に平行に配置し、摩耗観察用の繊維の一方を棒に固定し、一方には20gの加重をかけ2本の平行な棒に直角に弛まないように配置した。ついで、加重をかけた繊維と同じ繊維を用いて、観察用繊維の上に直角にかつ床面に平行となるように配置し、一方を往復運動する装置に固定し、もう一方を20gの加重をかけ観察用繊維に力がかかるようにした。そして毎分30回、振幅10cmの往復運動をさせた。この時、往復運動させる繊維は観察用繊維の同じ箇所を擦るように糸道を作っておいた。往復運動を300回(10分間)行い、観察用の繊維の摩耗状態を光学顕微鏡にて観察した。
【0066】
(10)耐熱強度
繊維を枷状にサンプリングし、大気雰囲気のオーブン170℃で10日間放置した後の引き裂き強度を耐熱強度として評価した。
(11)UV強度
UV強度は繊維を枷状にサンプリングし、99年8月の1ヶ月間屋外(延岡市)に放置後に引き裂き強度をUV強度として評価した。
【0067】
【実施例1〜11】
エチレン/一酸化炭素共重合ポリマー([η]=5.3)を8重量%、塩化亜鉛60重量%、塩化ナトリウム10重量%、純水22重量%の組成のドープを調整し、80℃に保ちながら、直径0.1mmのノズル50穴から、ドープ吐出量2.5g/min、エアギャップ長10mmで押し出し、ポリマーに対し非溶媒である水に凝固させることにより繊維化した。ついで2%硫酸水浴にて繊維を通し、塩化亜鉛を完全に除去し、水洗ロールにて硫酸を除去して巻き取った。巻き取り速度は13m/minで行った。次いで、乾燥前に表1記載の添加剤1〜11をそれそれ含む0.05重量%のメタノール溶液に仕上げ剤ノズルを用いて付着させ、非加熱ロールの間にあるホットプレート上で速度1m/min、240℃で乾燥させた。その後、延伸温度240℃で6倍延伸後、更に265℃で2倍延伸し4.0dtexの繊維を得た。得られた繊維の物性等を表3に示す。添加剤1〜11は比較例1の添加剤無しに比べて、強伸度、粘度保持率、耐熱強度、UV強度、架橋物量、摩耗性すべてにおいて良好であった。特に、化合物(1)のヒンダードフェノール系の酸化防止剤は粘度保持率が高く、強度も高く、良好であった。
【0068】
【実施例12〜17】
添加剤の繊維への添加方法として、添加剤12〜17を水で分散させた懸濁液を仕上げ剤ノズルで未乾燥糸に付着させた以外は実施例1〜11と同様に行った。得られた繊維の物性等を表3に示す。添加剤12〜17は比較例1の添加剤無しと比べて強伸度、粘度保持率、耐熱強度、UV強度、架橋物量、耐摩耗性すべてにおいて良好であった。特に、カルシウムヒドロキシアパタイトは架橋物量が少なく良好であった。
【0069】
【実施例18】
添加剤の種類をヒンダードフェノール系酸化防止剤の化合物(1)と亜リン酸系熱安定剤の化合物(3)の2種類にし、それぞれの濃度を0. 05重量%のメタノール溶液にして仕上げ剤ノズルにて未乾燥糸に添加した以外は実施例1〜11と同様に行った。得られた繊維の物性等を表3に示す。得られた繊維は添加剤単独添加に比べて、粘度保持率が高く、また強伸度、耐熱強度、UV強度も高かった。
【0070】
【実施例19】
添加剤の種類がヒンダードフェノール系酸化防止剤の化合物(1)とイオウ系酸化防止剤の化合物(6)の2種類にし、それぞれの濃度を0. 05重量%のメタノール溶液にして仕上げ剤ノズルで未乾燥糸にて添加して実施例1〜11と同様に乾燥、延伸を行い、繊度40dtexの繊維を得た。更に、その繊維を延伸温度272℃で1. 4倍延伸し、引き続き277℃で1. 13倍延伸して、繊度5.6dtexの繊維を得た。得られた繊維の物性等を表3に示す。得られた繊維の強伸度、弾性率、耐熱強度、UV強度、粘度保持率、架橋物量、摩耗性は比較例1の添加剤無しと比べて、非常に優れたものであった。
【0071】
【実施例20】
添加剤の種類をヒンダードフェノール系酸化防止剤の化合物(1)、亜リン酸系熱安定剤の化合物(3)、ヒンダードアミン系光安定剤の化合物(4)の3種類にした以外は実施例19と同様に行った。得られた繊維の物性等を表3に示す。得られた繊維の強伸度、弾性率、耐熱強度、UV強度、粘度保持率、架橋物量、摩耗性は比較例1の添加剤無しと比べて、非常に優れたものであった。
【0072】
【実施例21】
添加剤の添加方法として、実施例1のように仕上げ剤ノズルにてメタノール溶液で添加するのでは無く、未乾燥糸をチーズのまま実施例1と同じ添加剤0. 05重量%のアセトン溶液に1時間含浸させた以外は、乾燥、延伸を実施例1と同様に行った。得られた繊維の物性等を表3に示す。得られた繊維の物性、耐久性は実施例1と同様であった。これは繊維に添加剤が確実に分散、含有することができれば、繊維への添加方法によらず、得られる繊維の物性あるいは耐久性はすぐれたものになることを示す。
【0073】
比較例1
プロピレンを5%共重合したエチレン/プロピレン/一酸化炭素共重合ポリマー([η]=1.8)にヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加剤3を0. 3重量%混ぜ、押出温度とブロック温度を245℃として、吐出量を20g/min、紡口穴径0.25mm、穴数50個で紡糸した。また紡糸吐出後、紡口から100mmの位置から0.4m/minの温度15℃の冷風で冷却して固化した。また紡糸速度1500m/minにてチーズ形態で巻き取った。ついで非加熱ロール間にホットプレートを有する延伸機にてホットプレート温度210℃で8倍延伸した。延伸速度は800m/minで行った。得られた繊維の繊度は16.7dtexであった。得られた繊維の物性等を表3に示す。得られた繊維は強伸度、弾性率、耐熱強度、UV強度、摩耗性すべてにおいて、添加剤無しの比較例に比べて優れていた。
【0074】
【比較例
添加剤をメタノール溶液などで付着させない以外は実施例1〜18と同様に行った。得られた繊維の物性等を表3に示す。得られた繊維は実施例1〜21の添加剤有りのものに比べると、強伸度、耐熱強度、UV強度、粘度保持率、架橋物量、摩耗性のすべてにおいて劣るものであった。
【0075】
【比較例
エチレン/一酸化炭素共重合ポリマー([η]=5.3)を6重量%、ヘキサフルオロイソプロパンール94重量%、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である添加剤2を0. 05重量%の組成のドープを調整し、20℃に保ちながら、直径0.1mmのノズル50穴からドープ吐出量2.5g/minで押し出し、ポリマーに対し非溶媒であるアセトンに凝固させることにより繊維化した。巻き取り速度は13m/minで行った。次いで、非加熱ロールの間にあるホットプレート上で速度1m/min、240℃で乾燥させた。その後、延伸温度240℃で6倍延伸後、更に265℃で2倍延伸し40dtexの繊維を得た。得られた繊維の物性等を表3に示す。得られた繊維の強伸度、粘度保持率、耐熱強度、UV強度、架橋物量、摩耗性は添加剤を入れていない比較例と同様であった。またNMRで定量した添加剤量は0. 0005重量%と非常にわずかであった。
【0076】
【比較例
実施例1において添加剤1の量を2. 5重量%のメタノール溶液にした以外は実施例1と同様に行った。得られた繊維の物性等を表3に示す。得られた繊維は実施例1と比較して強伸度、耐熱強度、UV強度、架橋物量、摩耗性すべてにおいて劣っていた。添加剤の量が多すぎたためである。
【0077】
【比較例
添加剤を入れない以外は比較例1と同様に行った。得られた繊維は比較例1と比較して粘度保持率が劣っていた。得られた繊維の物性等を表3に示す。得られた繊維は強伸度、耐熱強度、UV強度、架橋物量、摩耗性すべてにおいて劣っていた。
【0078】
【表1】
Figure 0003719884
【0079】
【表2】
Figure 0003719884
【0080】
【表3】
Figure 0003719884
【0081】
【実施例22
吐出量を104g/min、紡口数を750ホールとした以外は実施例1と同様の方法で得た1667dtex/750fの繊維を下撚、上撚共に、390T/mで合撚し、生コードを得た。これに20%の樹脂量のRFLを付着させ、樹脂付着率が5重量%になるように130℃、225℃の乾燥機を通した。こうして得たタイヤコードを用いて、ラジアルタイヤを作成した。
作成したラジアルタイヤをアスファルト面に1tの乗用車が200km/hrで走行する場合と同じ接圧をかけながら、35℃のアスファルト面に接触させて200km/hrの走行する場合と同じ回転をさせ、そのまま96時間の回転試験を行った。
96時間後、タイヤからタイヤコードを取り出し、強度保持率を測定した。実施例22のポリケトン繊維を用いた場合は、RFL処理後のタイヤコードと比較して強度低下は殆ど起こっていなかった。比較として、吐出量104g/min、紡口数750ホールとした以外は比較例と同様の方法で得た添加剤を含まないポリケトン繊維を用いて同様実験を行ったが、実験後のタイヤコードの強度は約6%低下していた。
【0082】
【実施例23
実施例22と同様の方法で得た1667dtex/750fの繊維を50mmの短繊維に切断した。この短繊維を2部、パルプ3部、ポルトランセメント57部、シリカ38部を混合した後、湿式抄造しオートクレーブ中120℃で成型してスレート板を作成した。こうして得られたスレート板は強度に優れ、断面を観察したところポリケトン繊維は均一に分散していた。スレート板から取り出したポリケトン繊維の溶液粘度を測定したところ、粘度の低下はみられなかった。
しかしながら、比較として、吐出量104g/min、紡口数750ホールとした以外は比較例と同様の方法で得た安定剤を含まないポリケトン繊維を用いて同様実験を行ったが、実験後のポリケトン繊維の粘度は約12%低下していた。オートクレーブ成型の段階で、粘度低下が起こったものと思われる。
【0083】
【実施例24】
実施例22のポリケトン繊維を下撚、上撚共に、390T/mで合撚し、生コードを得た。これにエポキシ樹脂を付着させ、樹脂付着率が5重量%になるように230℃の乾燥機を通した。こうして得た処理コードを定法に従って、上帆布、クロロプレンゴムからなる圧縮ゴム層及び下帆布の構成からなる長さ1016mmのB型コグ付きVベルトを作成した。このVを2つのブーリー間に通し、200rpmで24時間回転させた。実験後、ポリケトン繊維をVベルトから取り出し強度を測定したところ、エポキシ処理後の強度に対して殆ど強度低下は起こっていなかった。
しかしながら、比較として、吐出量104g/min、紡口数750ホールとした以外は比較例と同様の方法で得た安定剤を含まないポリケトン繊維を用いて同様実験を行ったが、実験後のポリケトン繊維の強度は約15%低下していた。
【0084】
【発明の効果】
本発明のポリケトン繊維は、従来のポリケトン繊維と比較すると、分子量が高く、しかも熱延伸時や使用環境下での分子量の低下やポリマー劣化・変性が起こりにくいので、耐摩耗性、耐熱性、耐光性等の、産業用資材用途に要求される耐久性が優れるポリケトン繊維である。従って、本発明のポリケトン繊維は、長期にわたり繊維の性能が安定しているため、タイヤ、ベルト等の繊維強化ゴム、建材に用いる繊維強化樹脂、建材、自動車、船舶、スポーツ用品等に用いる繊維強化樹脂等の繊維強化複合材料の補強繊維として用いることができる。

Claims (1)

  1. ポリケトン溶液の調製工程、繊維化工程、凝固・洗浄工程、乾燥工程及び延伸工程からなる繰返し単位の90重量%以上が下記構造式(a)で示されるポリケトン繊維の製造方法であって、洗浄工程から乾燥工程の間に、分子量が10000以下であって、下記の(1)〜(12)の化合物群から選ばれた少なくとも1つの化合物をポリケトン繊維重量に対して0.001〜10重量%含有するようにポリケトン繊維に添加することを特徴とするポリケトン繊維の製造方法。
    Figure 0003719884
    (ここで、Rは炭素数1〜30の有機基である。)
    Figure 0003719884
    (ここで、R1 、R2 は、水素原子又は炭素数1〜10の有機基であり、Xは、水素原子又は炭素数1〜400の有機基から選ばれた基を示す。)
    エチルジエチルホスホノアセテート ・・・(2)
    トリス(2,4−ジ−ブチルフェニル)フォスフォナイト ・・・(3)
    TINUVIN 123S(CAS−No.63843−89−0:Ciba Geigy社商標) ・・・(4)
    2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール ・・・(5)
    ジドデシル3,3’−チオジプロピネート ・・・(6)
    酸化カルシウム ・・・(7)
    水酸化マグネシウム ・・・(8)
    炭酸カルシウム ・・・(9)
    チタンアルコキシド ・・・(10)
    燐酸ランタン ・・・(11)
    カルシウムヒドロキシアパタイト ・・・(12)
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