JP3719288B2 - トルク変動吸収ダンパ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カップリング部およびトーショナルダンパ部を備えたトルク変動吸収ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7のグラフ図に示すように、自動車エンジン等の回転駆動系にトルク変動吸収ダンパを装着するとアイドル回転時における回転変動振幅を低下させることができるが、アイドル回転以下の回転数(起動時または停止時)のときにカップリング部の共振点を通過するために、カップリング部の弾性体に過大入力が作用して弾性体が過大変形する。したがって弾性体が過大変形して破損することがないようにトルク変動吸収ダンパには、従来から、図8および図9に示すようにハブ51側の凹凸とプーリ52側の凹凸とを組み合わせたストッパ部53が設けられている。
【0003】
しかしながらこの従来技術においては、ストッパ部53がハブ51の外周側に固定された剛材製の環状ストッパ部材54と、プーリ52の内周側に固定された同じく剛材製の環状ストッパ部材55との組み合わせによって構成されているために、図10のグラフ図に実線で示すようにストッパ部53の作動時にピンポイントで極めて大きな衝撃が発生し、これにより大きな打音が発生したりストッパ部53が破損したりする問題があり、また併せてダンパの部品点数が増大する問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑み、カップリング部およびトーショナルダンパ部を備えたトルク変動吸収ダンパについて、ストッパ部の作動時に大きな打音が発生することがなく、ストッパ部が破損することがなく、またダンパの部品点数が増大することがないトルク変動吸収ダンパを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるトルク変動吸収ダンパは、ハブおよびプーリをベアリングおよびゴム状弾性材製の弾性体を介して接続したカップリング部と、前記ハブおよび質量体をゴム状弾性材製の弾性体を介して接続したトーショナルダンパ部とを備えたトルク変動吸収ダンパにおいて、前記プーリに係合凹部を設けるとともに前記質量体に軸方向に突出して前記係合凹部に挿入された係合凸部を設け、前記係合凹部の内壁と前記係合凸部の間に所定の大きさの回転方向の間隙を設定して、前記係合凹部および前記係合凸部により前記カップリング部の弾性体の過大変形を防止する回転方向のストッパ部を設け、前記係合凸部の回転方向の側面には、ゴム状弾性材製または合成樹脂製の緩衝体を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2によるトルク変動吸収ダンパは、ハブおよびプーリをベアリングおよびゴム状弾性材製の弾性体を介して接続したカップリング部と、前記ハブおよび質量体をゴム状弾性材製の弾性体を介して接続したトーショナルダンパ部とを備えたトルク変動吸収ダンパにおいて、前記カップリング部におけるプーリおよび弾性体にそれぞれ係合凹部を設けるとともに前記質量体に軸方向に突出して前記両係合凹部に挿入された係合凸部を設け、前記プーリに設けた係合凹部の内壁と前記係合凸部の間に所定の大きさの回転方向の間隙を設定して、前記係合凹部および前記係合凸部により前記カップリング部の弾性体の過大変形を防止する回転方向のストッパ部を設け、前記係合凸部が前記プーリに設けた係合凹部の内壁に当接するのに先立って、前記係合凸部は前記弾性体に設けた係合凹部の内壁に先に当接してこれを押圧しながら前記係合凹部の内壁に当接することを特徴とするものである。
【0006】
【作用】
上記構成を備えた本発明のトルク変動吸収ダンパにおいては、ストッパ部の一方を構成する係合凸部がトーショナルダンパ部の質量体に設けられ、この質量体がゴム状弾性材製の弾性体を介してハブに接続されているために、ストッパ部の作動時にこの弾性体による緩衝効果が作用する。したがって質量体および係合凹部を設けたカップリング部のプーリ自体が剛材製であっても、この弾性体による緩衝効果によりストッパ部の当たりを従来より柔らかくすることが可能である。
【0007】
またストッパ部の一方を構成する係合凸部が当該ダンパにもともと備えられているトーショナルダンパ部の質量体に設けられるとともに、ストッパ部の他方を構成する係合凹部が同じく当該ダンパにもともと備えられているカップリング部のプーリに設けられているために、ダンパの部品点数を従来より削減することが可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】
カップリング部のプーリは一般にボス部とリム部とを接続する、これらより薄肉のステー部を備えており、よってこのステー部に、軸方向に貫通する孔として係合凹部を設けるのが好適である。またこの孔は軸方向から見て、これを円弧形ないし扇形に形成するのが好適である。
【0009】
【実施例】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
第一実施例・・・
図1に示すように、ハブ1の外周側にボール式のベアリング2を介してプーリ3が回転自在に接続されるとともにハブ1とプーリ3の間にゴム状弾性材製の弾性体(カップリングゴムとも称する)4が介装されており、これらによって低回転域のトルク変動を吸収するカップリング部5が設けられている。ハブ1およびプーリ3はそれぞれ金属等所定の剛材によって環状に成形されており、プーリ3は、ベアリング2の外周側に嵌着されたボス部3aとベルト係合溝3cを設けたリム部3bとの間に、これらより薄肉のステー部3dを一体に備えている。弾性体4は所定のゴム状弾性材によって環状に加硫成形され、加硫成形と同時にインナースリーブ6およびアウタースリーブ7に加硫接着され、インナースリーブ6をハブ1の外周側に嵌着するとともにアウタースリーブ7をプーリ3のリム部3bの内周側に嵌着することにより、ハブ1とプーリ3の間に介装されている。
【0018】
カップリング部5と軸方向に並んで、ハブ1の外周側にスリーブ8およびゴム状弾性材製の弾性体9を介して質量体(振動リングとも称する)10が接続されており、これらによって中高回転域のクランクシャフトの捩り振動を低減させるトーショナルダンパ部11が設けられている。質量体10は金属等所定の剛材によって環状に成形され、その外周面にベルト係合溝10aを備えている。弾性体9は所定のゴム状弾性材によって環状に加硫成形され、加硫成形と同時にスリーブ8および質量体10に加硫接着され、スリーブ8をハブ1の外周側に嵌着することにより、ハブ1と質量体10の間に介装されている。
【0019】
カップリング部5のプーリ3のステー部3dに、図2に示すように係合凹部12が軸方向から見て円弧形ないし扇形の貫通孔として設けられており、トーショナルダンパ部11の質量体10に、軸方向に突出してこの係合凹部12に挿入される係合凸部13が軸方向から見て円弧形ないし扇形の突起として設けられ、この係合凸部13の表面にゴム状弾性材製の緩衝体16が加硫接着され、この緩衝体16を含む係合凸部13と係合凹部12の内壁12aの間に所定の大きさθの回転方向の間隙14が設定され、これらによってカップリング部5の弾性体4の過大変形を防止する回転方向のストッパ部15が設けられている。緩衝体16は弾性体9に一体成形されて係合凸部13全体を覆っているが、その機能からすれば係合凸部13の回転方向の面(両側面)を覆っているだけであっても良い。
【0020】
上記構成を備えたトルク変動吸収ダンパは例えば自動車エンジンのクランクシャフトに装着されて、カップリング部5により低回転域のトルク変動を吸収するとともにトーショナルダンパ部11により中高回転域のクランクシャフトの捩り振動を低減させるもので、上記構成により以下のように作動する点に特徴を有している。
【0021】
すなわち、アイドル回転以下の回転数でカップリング部5の共振点を通過したときにカップリング部5の弾性体4が過大変形しないようにストッパ部15が作動し、すなわち係合凸部13が係合凹部12の一方の内壁12aに当接してプーリ3がハブ1に対してそれ以上相対回転するのが停止せしめられるが、このときに、ストッパ部15の一方を構成する係合凸部13がトーショナルダンパ部11の質量体10に設けられ、この質量体10がゴム状弾性材製の弾性体9を介してハブ1に接続されているために、ストッパ部15の作動時にこの弾性体9による緩衝効果が作用する。また係合凸部13の回転方向の側面にゴム状弾性材製の緩衝体16が加硫接着されているために、ストッパ部15の作動時にこの緩衝体16による緩衝効果が併せて作用する。したがって係合凸部13を設けた質量体10および係合凹部12を設けたプーリ3自体が剛材製であっても、この弾性体9による緩衝効果および緩衝体16による緩衝効果によりストッパ部15の当たりを従来より二段に亙って柔らかくすることが可能となり、これによりストッパ部15の作動時に発生する衝撃の大きさを図10に点線で示すように従来より小さくすることができる。したがってストッパ部15の作動時に発生する打音の大きさを従来より小さくすることができるとともにストッパ部15が破損するのを防止することができ、静粛性および耐久性に優れたダンパ製品を提供することができる。
【0022】
またストッパ部15の一方を構成する係合凸部13が当該ダンパにもともと備えられているトーショナルダンパ部11の質量体10に設けられるとともに、ストッパ部15の他方を構成する係合凹部12が同じく当該ダンパにもともと備えられているカップリング部5のプーリ3に設けられているために、ダンパの部品点数を、専用のストッパ部材を備えた従来例より削減することができる。
【0023】
またストッパ部15の一方を構成する係合凸部13がトーショナルダンパ部11の質量体10に設けられているために、この係合凸部13の分、質量体10に設定される慣性質量を増大させることができる。またこの係合凸部13がプーリ3のリム部3bの内周側に配置されているために、ダンバ全体を大型化することなく、ダンパの限られた占有スペース内でトーショナルダンパ部11の慣性質量を増大させることができる。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
第二実施例・・・
図3に示すように、ハブ1の外周側にボール式のベアリング2を介してプーリ3が回転自在に接続されるとともにハブ1とプーリ3の間にゴム状弾性材製の弾性体(カップリングゴムとも称する)4が介装されており、これらによって低回転域のトルク変動を吸収するカップリング部5が設けられている。ハブ1およびプーリ3はそれぞれ金属等所定の剛材によって環状に成形されており、プーリ3は、ベアリング2の外周側に嵌着されたボス部3aとベルト係合溝3cを設けたリム部3bとの間に、これらより薄肉のステー部3dを一体に備えている。弾性体4は所定のゴム状弾性材によって環状に加硫成形され、加硫成形と同時にインナースリーブ6およびアウタースリーブ7に加硫接着され、インナースリーブ6をハブ1の外周側に嵌着するとともにアウタースリーブ7をプーリ3のリム部3bの内周側に嵌着することにより、ハブ1とプーリ3の間に介装されている。
【0033】
カップリング部5と軸方向に並んで、ハブ1の外周側にスリーブ8およびゴム状弾性材製の弾性体9を介して質量体(振動リングとも称する)10が接続されており、これらによって中高回転域のクランクシャフトの捩り振動を低減させるトーショナルダンパ部11が設けられている。質量体10は金属等所定の剛材によって環状に成形され、その外周面にベルト係合溝10aを備えている。弾性体9は所定のゴム状弾性材によって環状に加硫成形され、加硫成形と同時にスリーブ8および質量体10に加硫接着され、スリーブ8をハブ1の外周側に嵌着することにより、ハブ1と質量体10の間に介装されている。
【0034】
プーリ3のステー部3dと質量体10の間に、環状を呈する合成樹脂製のスラストベアリング18が介装されており、このスラストベアリング18が介装されていることにより質量体10がスラストベアリング18介装前の鎖線の位置から介装後の実線の位置へと軸方向に変位せしめられ、これに伴う弾性体9の弾発力(反力)によりプーリ3がベアリング2に押し付けられて、ハブ1、ベアリング2およびプーリ3よりなる回転自在な連結構造に軸方向のガタつきが発生しないようになっている。
【0035】
カップリング部5のプーリ3のステー部3dに、図4に示すように係合凹部12が軸方向から見て円弧形ないし扇形の貫通孔として設けられており、トーショナルダンパ部11の質量体10に、軸方向に突出してこの係合凹部12に挿入される係合凸部13が軸方向から見て円弧形ないし扇形の突起として設けられ、この係合凸部13の先端面を除く表面が合成樹脂製の緩衝体19に覆われ、この緩衝体19を含む係合凸部13と係合凹部12の内壁12aの間に所定の大きさθの回転方向の間隙14が設定され、これらによってカップリング部5の弾性体4の過大変形を防止する回転方向のストッパ部15が設けられている。緩衝体19はスラストベアリング18に一体成形されて係合凸部13の先端面を除く全体を覆っているが、その機能からすれば係合凸部13の回転方向の面(両側面)を覆っているだけであっても良い。スラストベアリング18および緩衝体19には係合凸部13を差し込むための孔20が設けられている。
【0036】
上記構成を備えたトルク変動吸収ダンパは例えば自動車エンジンのクランクシャフトに装着されて、カップリング部5により低回転域のトルク変動を吸収するとともにトーショナルダンパ部11により中高回転域のクランクシャフトの捩り振動を低減させるもので、上記構成により以下のように作動する点に特徴を有している。
【0037】
すなわち、アイドル回転以下の回転数でカップリング部5の共振点を通過したときにカップリング部5の弾性体4が過大変形しないようにストッパ部15が作動し、すなわち係合凸部13が係合凹部12の一方の内壁12aに当接してプーリ3がハブ1に対してそれ以上相対回転するのが停止せしめられるが、このときに、ストッパ部15の一方を構成する係合凸部13がトーショナルダンパ部11の質量体10に設けられ、この質量体10がゴム状弾性材製の弾性体9を介してハブ1に接続されているために、ストッパ部15の作動時にこの弾性体9による緩衝効果が作用する。また係合凸部13の回転方向の側面が合成樹脂製の緩衝体19に覆われているために、ストッパ部15の作動時にこの緩衝体19による緩衝効果が併せて作用する。したがって係合凸部13を設けた質量体10および係合凹部12を設けたプーリ3自体が剛材製であっても、この弾性体9による緩衝効果および緩衝体19による緩衝効果によりストッパ部15の当たりを従来より二段に亙って柔らかくすることが可能となり、これによりストッパ部15の作動時に発生する衝撃の大きさを従来より小さくすることができる。したがってストッパ部15の作動時に発生する打音の大きさを従来より小さくすることができるとともにストッパ部15が破損するのを防止することができ、静粛性および耐久性に優れたダンパ製品を提供することができる。
【0038】
またストッパ部15の一方を構成する係合凸部13が当該ダンパにもともと備えられているトーショナルダンパ部11の質量体10に設けられるとともに、ストッパ部15の他方を構成する係合凹部12が同じく当該ダンパにもともと備えられているカップリング部5のプーリ3に設けられているために、スラストベアリング18の数を差し引いても、ダンパの部品点数を、専用のストッパ部材を備えた従来例より削減することができる。
【0039】
またストッパ部15の一方を構成する係合凸部13がトーショナルダンパ部11の質量体10に設けられているために、この係合凸部13の分、質量体10に設定される慣性質量を増大させることができる。またこの係合凸部13がプーリ3のリム部3bの内周側に配置されているために、ダンバ全体を大型化することなく、ダンパの限られた占有スペース内でトーショナルダンパ部11の慣性質量を増大させることができる。
【0040】
第三実施例・・・
図5に示すように、ハブ1の外周側に支持プレート21およびボール式のベアリング2を介してプーリ3が回転自在に接続されるとともにハブ1とプーリ3の間にゴム状弾性材製の弾性体(カップリングゴムとも称する)4が介装されており、これらによって低回転域のトルク変動を吸収するカップリング部5が設けられている。ハブ1、支持プレート21およびプーリ3はそれぞれ金属等所定の剛材によって環状に成形されており、プーリ3は、ベアリング2の外周側に嵌着されたボス部3aとベルト係合溝3cを設けたリム部3bとの間に、これらより薄肉のステー部3dを一体に備えている。弾性体4は所定のゴム状弾性材によって環状に加硫成形され、加硫成形と同時にインナースリーブ6およびアウタースリーブ7に加硫接着され、インナースリーブ6をハブ1の外周側に嵌着するとともにアウタースリーブ7をプーリ3のリム部3bの内周側に嵌着することにより、ハブ1とプーリ3の間に介装されている。尚、この実施例においては上記第一および第二実施例と違って、弾性体4がプーリ3と後記するトーショナルダンパ部11との間に配置されている。
【0041】
カップリング部5と軸方向に並んで、ハブ1の外周側にスリーブ8およびゴム状弾性材製の弾性体9を介して質量体(振動リングとも称する)10が接続されており、これらによって中高回転域のクランクシャフトの捩り振動を低減させるトーショナルダンパ部11が設けられている。質量体10は金属等所定の剛材によって環状に成形され、その外周面にベルト係合溝10aを備えている。弾性体9は所定のゴム状弾性材によって環状に加硫成形され、加硫成形と同時にスリーブ8および質量体10に加硫接着され、スリーブ8をハブ1の外周側に嵌着することにより、ハブ1と質量体10の間に介装されている。
【0042】
カップリング部5のプーリ3のステー部3dに、図6に示すように係合凹部12が軸方向から見て円弧形ないし扇形の貫通孔として設けられており、同じく弾性体4に係合凹部22が軸方向から見て円弧形ないし扇形の貫通孔として設けられ、トーショナルダンパ部11の質量体10に、軸方向に突出してこの両係合凹部12,22に挿入される係合凸部13が軸方向から見て円弧形ないし扇形の突起として設けられ、係合凹部12の内壁12aと係合凸部13の間に所定の大きさθの回転方向の間隙14が設定され、これらによってカップリング部5の弾性体4の過大変形を防止する回転方向のストッパ部15が設けられている。また係合凹部22の内壁22aと係合凸部13の間に、上記した間隙14の大きさθより小さな大きさθ’の回転方向の間隙23が設定され、回転変位時、係合凸部13が係合凹部22の内壁22aに先に当接してこれを押圧しながら係合凹部12の内壁12aに当接するようになっている。
【0043】
上記構成を備えたトルク変動吸収ダンパは例えば自動車エンジンのクランクシャフトに装着されて、カップリング部5により低回転域のトルク変動を吸収するとともにトーショナルダンパ部11により中高回転域のクランクシャフトの捩り振動を低減させるもので、上記構成により以下のように作動する点に特徴を有している。
【0044】
すなわち、アイドル回転以下の回転数でカップリング部5の共振点を通過したときにカップリング部5の弾性体4が過大変形しないようにストッパ部15が作動し、すなわち係合凸部13が係合凹部12の一方の内壁12aに当接してプーリ3がハブ1に対してそれ以上相対回転するのが停止せしめられるが、このときに、ストッパ部15の一方を構成する係合凸部13がトーショナルダンパ部11の質量体10に設けられ、この質量体10がゴム状弾性材製の弾性体9を介してハブ1に接続されているために、ストッパ部15の作動時にこの弾性体9による緩衝効果が作用する。またこれに先立って、係合凸部13が係合凹部22の内壁22aに先に当接してこれを押圧しながら係合凹部12の内壁12aに当接するために、ストッパ部15の作動時にこの弾性体4による緩衝効果が併せて作用する。したがって係合凸部13を設けた質量体10および係合凹部12を設けたプーリ3自体が剛材製であっても、この弾性体9による緩衝効果および弾性体4による緩衝効果によりストッパ部15の当たりを従来より二段に亙って柔らかくすることが可能となり、これによりストッパ部15の作動時に発生する衝撃の大きさを従来より小さくすることができる。したがってストッパ部15の作動時に発生する打音の大きさを従来より小さくすることができるとともにストッパ部15が破損するのを防止することができ、静粛性および耐久性に優れたダンパ製品を提供することができる。
【0045】
またストッパ部15の一方を構成する係合凸部13が当該ダンパにもともと備えられているトーショナルダンパ部11の質量体10に設けられるとともに、ストッパ部15の他方を構成する係合凹部12が同じく当該ダンパにもともと備えられているカップリング部5のプーリ3に設けられているために、支持プレート21の数を差し引いても、ダンパの部品点数を、専用のストッパ部材を備えた従来例より削減することができる。
【0046】
またストッパ部15の一方を構成する係合凸部13がトーショナルダンパ部11の質量体10に設けられているために、この係合凸部13の分、質量体10に設定される慣性質量を増大させることができる。またこの係合凸部13がプーリ3のリム部3bの内周側に配置されているために、ダンバ全体を大型化することなく、ダンパの限られた占有スペース内でトーショナルダンパ部11の慣性質量を増大させることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0048】
すなわち、上記構成を備えた本発明の請求項1によるトルク変動吸収ダンパにおいては、ストッパ部の一方を構成する係合凸部がトーショナルダンパ部の質量体に設けられ、この質量体がゴム状弾性材製の弾性体を介してハブに接続されているために、ストッパ部の作動時にこの弾性体による緩衝効果が作用する。また係合凸部の回転方向の側面にゴム状弾性材製または合成樹脂製の緩衝体が設けられているために、ストッパ部の作動時にこの緩衝体による緩衝効果が併せて作用する。したがって質量体および係合凹部を設けたカップリング部のプーリ自体が剛材製であっても、この弾性体による緩衝効果および緩衝体による緩衝効果によりストッパ部の当たりを二段に亙って柔らかくすることが可能となり、これによりストッパ部の作動時に発生する衝撃の大きさを従来より小さくすることができる。したがってストッパ部の作動時に発生する打音の大きさを従来より小さくすることができるとともにストッパ部が破損するのを防止することができ、静粛性および耐久性に優れたダンパ製品を提供することができる。
【0049】
またストッパ部の一方を構成する係合凸部が当該ダンパにもともと備えられているトーショナルダンパ部の質量体に設けられるとともに、ストッパ部の他方を構成する係合凹部が同じく当該ダンパにもともと備えられているカップリング部のプーリに設けられているために、ダンパの部品点数を、専用のストッパ部材を備えた従来例より削減することができる。
【0050】
またストッパ部の一方を構成する係合凸部がトーショナルダンパ部の質量体に設けられているために、この係合凸部の分、質量体に設定される慣性質量を増大させることができる。またこの係合凸部がプーリのリム部の内周側に配置されているために、ダンバ全体を大型化することなく、ダンパの限られた占有スペース内でトーショナルダンパ部の慣性質量を増大させることができる。
【0051】
また、上記構成を備えた本発明の請求項2によるトルク変動吸収ダンパにおいては、ストッパ部の一方を構成する係合凸部がトーショナルダンパ部の質量体に設けられ、この質量体がゴム状弾性材製の弾性体を介してハブに接続されているために、ストッパ部の作動時にこの弾性体による緩衝効果が作用する。またこれに先立って、係合凸部がカップリング部の弾性体に設けた係合凹部の内壁に先に当接してこれを押圧しながらプーリに設けた係合凹部の内壁に当接するために、ストッパ部の作動時にこのカップリング部の弾性体による緩衝効果が併せて作用する。したがって係合凸部を設けた質量体および係合凹部を設けたプーリ自体が剛材製であっても、トーショナルダンパ部の弾性体による緩衝効果およびカップリング部の弾性体による緩衝効果によりストッパ部の当たりを二段に亙って柔らかくすることが可能となり、これによりストッパ部の作動時に発生する衝撃の大きさを従来より小さくすることができる。したがってストッパ部の作動時に発生する打音の大きさを従来より小さくすることができるとともにストッパ部が破損するのを防止することができ、静粛性および耐久性に優れたダンパ製品を提供することができる。
【0052】
またストッパ部の一方を構成する係合凸部が当該ダンパにもともと備えられているトーショナルダンパ部の質量体に設けられるとともに、ストッパ部の他方を構成する係合凹部が同じく当該ダンパにもともと備えられているカップリング部のプーリに設けられているために、ダンパの部品点数を、専用のストッパ部材を備えた従来例より削減することができる。
【0053】
またストッパ部の一方を構成する係合凸部がトーショナルダンパ部の質量体に設けられているために、この係合凸部の分、質量体に設定される慣性質量を増大させることができる。またこの係合凸部がプーリのリム部の内周側に配置されているために、ダンバ全体を大型化することなく、ダンパの限られた占有スペース内でトーショナルダンパ部の慣性質量を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例に係るトルク変動吸収ダンパの半裁断面図
【図2】 図1におけるB−B線断面図
【図3】 本発明の第二実施例に係るトルク変動吸収ダンパの半裁断面図
【図4】 図3におけるD−D線断面図
【図5】 本発明の第三実施例に係るトルク変動吸収ダンパの半裁断面図
【図6】 図5におけるE−E線断面図
【図7】 エンジン回転数と回転変動振幅の関係を示すグラフ図
【図8】 従来例に係るトルク変動吸収ダンパの半裁断面図
【図9】 同トルク変動吸収ダンパの要部断面図
【図10】 時間と衝撃トルクの関係を示すグラフ図
【符号の説明】
1 ハブ
2 ベアリング
3 プーリ
3a ボス部
3b リム部
3c,10a ベルト係合溝
3d ステー部
4,9 弾性体
5 カップリング部
6 インナースリーブ
7 アウタースリーブ
8 スリーブ
10 質量体
11 トーショナルダンパ部
12,22 係合凹部
12a,22a 内壁
13 係合凸部
14,23 間隙
15 ストッパ部
16,19 緩衝体
17,18 スラストベアリング
20 孔
21 支持プレート

Claims (2)

  1. ハブ(1)およびプーリ(3)をベアリング(2)およびゴム状弾性材製の弾性体(4)を介して接続したカップリング部(5)と、
    前記ハブ(1)および質量体(10)をゴム状弾性材製の弾性体(9)を介して接続したトーショナルダンパ部(11)とを備えたトルク変動吸収ダンパにおいて、
    前記プーリ(3)に係合凹部(12)を設けるとともに前記質量体(10)に軸方向に突出して前記係合凹部(12)に挿入された係合凸部(13)を設け、
    前記係合凹部(12)の内壁(12a)と前記係合凸部(13)の間に所定の大きさ(θ)の回転方向の間隙(14)を設定して、前記係合凹部(12)および前記係合凸部(13)により前記カップリング部(5)の弾性体(4)の過大変形を防止する回転方向のストッパ部(15)を設け、
    前記係合凸部(13)の回転方向の側面には、ゴム状弾性材製または合成樹脂製の緩衝体(16)(19)を設けたことを特徴とするトルク変動吸収ダンパ。
  2. ハブ(1)およびプーリ(3)をベアリング(2)およびゴム状弾性材製の弾性体(4)を介して接続したカップリング部(5)と、
    前記ハブ(1)および質量体(10)をゴム状弾性材製の弾性体(9)を介して接続したトーショナルダンパ部(11)とを備えたトルク変動吸収ダンパにおいて、
    前記カップリング部(5)におけるプーリ(3)および弾性体(4)にそれぞれ係合凹部(12)(22)を設けるとともに前記質量体(10)に軸方向に突出して前記両係合凹部(12)(22)に挿入された係合凸部(13)を設け、
    前記プーリ(3)に設けた係合凹部(12)の内壁(12a)と前記係合凸部(13)の間に所定の大きさ(θ)の回転方向の間隙(14)を設定して、前記係合凹部(12)および前記係合凸部(13)により前記カップリング部(5)の弾性体(4)の過大変形を防止する回転方向のストッパ部(15)を設け、
    前記係合凸部(13)が前記プーリ(3)に設けた係合凹部(12)の内壁(12a)に当接するのに先立って、前記係合凸部(13)は前記弾性体(4)に設けた係合凹部(22)の内壁(22a)に先に当接してこれを押圧しながら前記係合凹部(12)の内壁(12a)に当接することを特徴とするトルク変動吸収ダンパ。
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