JP3718898B2 - コンデンサ用ポリオレフィンフィルムおよびそれからなるコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用ポリオレフィンフィルムおよびそれからなるコンデンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好な作業性を有し、かつ内部放電の少ないコンデンサ用ポリオレフィンフィルムおよびそれからなるコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィンフィルムは、電気特性が優れていることを理由に電気用物品の材料として広く用いられている。中でも、コンデンサ用途における誘電体材料としての需要の伸びは著しい。このコンデンサの重要特性のひとつにコロナ放電特性がある。
【0003】
コンデンサ内部に発生するコロナ放電は、誘電体や電極に悪影響を及ぼし、コンデンサの寿命を早めるものであることが「蒸着ポリプロピレンフィルムコンデンサの寿命について」(コンデンサ評論1986第116号Vol.39NO,2狩野ら)などで、よく知られている。
該コロナ放電が、誘電体と電極からなるコンデンサ素子の各層間の空隙で発生することから、この空隙を最小限にとどめるべく、種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、特開昭54−53253号公報では、真空状態下でコンデンサ素子を巻取る方法が提案されている。また、特開昭62−186512号公報では、金属化フィルムコンデンサ素子の各層間の密着強度と外装材を規定する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭54−53253号公報では、コンデンサ素子の巻取り工程の複雑さによる生産性の低下や、コンデンサ素子巻後に素子を大気中に戻した時のフィルム層間への空気の再進入を防止できないなどの欠点があった。また、特開昭62−186512号公報では、コンデンサ素子が誘電体フィルムと剛性の高い金属箔とを巻き合わせる箔巻タイプの場合には適応せず、外装材の選択自由度も小さいという欠点があった。
【0006】
本発明はかかる従来技術の欠点を改良し、通常のフィルム製造工程によって製造可能で、箔巻タイプのコンデンサ素子にも適用でき、かつ加工時や取扱い時でのブロッキングの発生が少なく、巻き取り後のコンデンサ素子において密着強度の高いコンデンサ用ポリオレフィンフィルムおよびそれからなるコンデンサを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の目的は、融点が140℃以下のフェノール系酸化防止剤を含有するポリオレフィン樹脂に、ポリメチルペンテンを0.5wt%以上4.5wt%以下混合させたポリマーからな単一層のポリオレフィンフィルムであって、少なくとも片面にコロナ放電処理が施されているコンデンサ用ポリオレフィンフィルムおよびそれからなるコンデンサによって達成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のポリオレフィンフィルムを構成するポリマーとしては、ポリプロピレンや、ポリスチレン等が挙げられ、延伸のし易さの点でポリプロピレンが好ましい。ここでいうポリプロピレンとは、プロピレンホモポリマー以外に、プロピレンと例えばエチレン、ブテンなどの他種オレフィンとの共重合体やポリプロピレンと例えばポリエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどのα−オレフィン重合体との混合物などが挙げられる。
【0009】
本発明の融点が140℃以下のフェノール系酸化防止剤としては、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ハイドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(以下テトラキスメタンと記す)、n−オクタデシル−3−(4´−ハイドロキシ−3´,5´−ジ−ターシャリブチル−フェニル)プロピオネート、2,2−チオ[ジエチル−ビス−3(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ハイドロキシフェニル)プロピオネート]などを例示することができるが、なかでもテトラキスメタンが電気特性や熱安定性の点から、好ましい。融点が140℃を超えるフェノール系酸化防止剤であると十分な密着強度が得られない。
【0010】
またその含有量は、密着強度の点で0.1wt%以上が好ましく、蒸着加工時等フィルム加工時のフィルムのブロッキングの防止、加工性や素子巻性などの作業性の点で1.0wt%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.2wt%以上、0.8wt%以下であり、さらに好ましくは0.2wt%以上、0.7wt%以下である。
【0011】
本発明のポリオレフィンフィルムはまたポリメチルペンテンを含有している必要がある。その含有量は、フィルムのすべり性やフィルム加工時のブロッキング防止、加工性や作業性の点で0.5wt%以上であり、また密着強度の点で4.5wt%以下であるポリメチルペンテンの含有量は、好ましくは0.8wt%以上、4.0wt%以下であり、さらに好ましくは0.8wt%以上、3.0wt%以下である。
【0012】
なお、本発明のポリオレフィンフィルムには、上記したフェノール系酸化防止剤やポリメチルペンテン以外に、ジブチルヒドロキシトルエン等の安定剤などの添加物が密着強度やコンデンサ特性に悪影響を及ぼさない範囲で含まれてもかまわない。
【0013】
また、本発明においてフィルムの少なくとも片面にコロナ放電処理が施されている必要がある。コロナ放電処理が施されていないと、充分な密着強度が得られないばかりでなく、その面に金属蒸着を行っても均一な金属層を得られない。密着強度が一層向上する点でフィルムの両面にコロナ放電処理が施されていることが好ましい。
【0014】
フィルムの少なくとも片面の濡れ指数は、密着強度の点で34dyne/cm以上が好ましく、蒸着加工などのフィルム加工時のブロッキング防止の点で45dyne/cm以下が好ましい。より好ましくは36dyne/cm以上、43dyne/cm以下である。
【0015】
また、本発明のポリオレフィンフィルムの面粗さRaは、特に限定されるものではないが、空気排除効果の点で0.15μm以下が好ましく、フィルム加工時フィルム同士やフィルムと他材料の密着を防止し、素子巻性などの作業性を向上させる点で0.02μm以上が好ましい。
【0016】
また、本発明のポリオレフィンフィルムの熱収縮率は特に限定されるものではないが、大きすぎるとコンデンサ素子の熱処理時に素子の形態保持に支障をきたすことがあり、小さすぎると充分な層間密着度が得られないことがある。従って、長さ方向0.5%以上5.0%以下、幅方向0%以上2.5%以下であることが好ましい。
【0017】
さらに、本発明のポリオレフィンフィルムは、テンター法、インフレーション法のいずれで得たものでもかまわない。延伸処方も未延伸、一軸延伸、二軸延伸のいずれでも差し支えないが、コンデンサ用フィルムには、薄くてかつ、厚薄むらの小さいことが要求されることから、テンター法二軸延伸が好ましい。
【0018】
また、本発明のポリオレフィンフィルムからなるコンデンサの構造や形態は、特に限定されず、コンデンサ素子の少なくとも一部が本発明のポリオレフィンフィルムであればよい。例えば、同一コンデンサ素子内に本発明のポリオレフィンフィルムと他の誘電体材料を合わせ巻きや積層などで混合(複合)構造として使用することも可能である。他誘電体材料としては、プラスチックフィルム,金属化プラスチックフィルム,紙,金属化紙などが例示される。
【0019】
コンデンサに用いられる電極は、本発明のポリオレフィンフィルムの片面もしくは両面に金属蒸着層を形成しこれを電極としてもよいし、他の紙やフィルムなどの金属蒸着を施したもの、または金属箔であってもかまわない。特に金属蒸着層を形成しこれを電極とすると電極層が薄くなり、密着強度が向上する点で好ましい。なお金属蒸着はコロナ放電を施した面に行うことが金属蒸着層とフィルムの接着強度の点で好ましい。ここで金属蒸着層または金属箔を構成する金属の種類は、アルミニウム,亜鉛,銅,錫,銀,ニッケル,クロムなどの単体や複数種の混合物あるいは合金などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0020】
また、本発明のポリオレフィンフィルムをリード線を用いるタブ構造素子タイプのコンデンサ素子として用いると、リード線保持力が向上し好ましい。
【0021】
次に本発明のポリオレフィンフィルムの製造法の一例を示すが、特に限定されるものではない。
【0022】
融点が140℃以下のフェノール系酸化防止剤を0.1wt%〜1.0wt%含有したアイソタクチック度が95%以上のポリオレフィン樹脂にポリメチルペンテンを0.5wt%〜4.5wt%混合したポリマーを、200〜280℃の温度の押出機に供給して溶融し、スリットを施したTダイより、シート状に押出し、20〜100℃の温度の冷却ロ−ルで冷却固化する。このとき、一般に冷却ロール温度が高い程、面粗さが大きくなる関係にあるので、適宜冷却ロール温度を選択すればよい。
【0023】
次に100〜155℃の延伸ロールでフィルムを長さ方向に3〜7倍に延伸する。この場合も延伸温度を選択することで面粗さの大きさを変えられる。次いで、140〜165℃で幅方向に5〜12倍に延伸する。その後、140〜170℃で熱処理を施す。
【0024】
こうして得られたポリオレフィンフィルムには、その両面にコロナ放電処理を施した後、ワインダーで巻取る。
【0025】
上記ポリオレフィンフィルムを適宜スリットし素子巻機で巻き取り、コンデンサ素子を作成してプラスチックケース中に収納し、充填剤を充填することによりコンデンサを得ることができる。この時充填剤としてはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが特に限定されない。
【0026】
次に、本発明に用いる測定法および評価法について説明する。
(1)密着強度
JIS Z−1707 7.5による。但し、測定条件は次の通り
Figure 0003718898
なお本発明においては、密着強度10g/3cm以上のものを合格とする。
【0027】
(2)ブロッキング
フィルムを幅630mm,長さ20,000mにスリットし、巻上げた後、このフィルムをコンデンサ用真空蒸着機にてアルミニウムを2.5Ω/□の膜抵抗になるよう片面に蒸着し、その後、幅50mm,長さ4,500mにスリットし、48本のリ−ルを採取した。
このとき、ブロッキングによる金属はがれが認められたリール数を全リール数で除して、百分率で表した。
なお本発明においては、ブロッキング20%以下のものを合格とする。
【0028】
(3)面粗さ
JIS B−0601による。
【0029】
(4)濡れ指数
JIS K−6768による。
【0030】
(5)熱収縮率
JIS C−2330による。
【0031】
(6)コロナ開始電圧
JIS C−4908による。
なおコロナ開始電圧が低いほどコロナ放電が発生しやすいことを意味し、本発明においては、コロナ開始電圧500V以上のものを合格とする。
【0032】
(7)素子巻性
通常のコンデンサ作成工程同様の素子巻を行い、100個のコンデンサ素子を作成し、しわ及び巻ずれの発生率を調べた。この時の主要素子巻条件は次の通り。
素子巻機 ;皆籐製作所KAW−4L
素子巻速度;2000rpm
張力 ;600g
なお本発明においては、素子巻性のしわ10%以下、巻ずれ20%以下のものを合格とする。
【0033】
次に、本発明を実施例に基づき説明する。
【0034】
【実施例】
実施例1
テトラキスメタンを0.4wt%含有したアイソタクチック度が97%のポリプロピレン樹脂にポリメチルペンテンである4−メチル−ペンテン−1を2.0wt%混合したポリマ−を、265℃の押出機に供給して溶融し、幅500mm、スリット1mmのTダイよりシート状に押出し、65℃の温度の冷却ロールで冷却固化した後、135℃の温度で長さ方向に4倍に延伸し、次いで、160℃の温度で幅方向に9倍に延伸し、さらに160℃の温度で熱処理した。その後、フィルムの両面に濡れ指数が39dyne/cmとなるようコロナ放電処理を施し、ワインダーで巻取った。
このとき、フィルム厚さは10μm、面粗さRaは0.05μm、長さ方向の熱収縮率3.0%、幅方向の熱収縮率0.5%であった。こうして得たポリプロピレンフィルムの密着強度を調べた。
【0035】
また、このフィルムを幅630mm,長さ20,000mにスリットし、巻上げた。このフィルムをコンデンサ用真空蒸着機にてアルミニウムを2.5Ω/□の膜抵抗になるよう片面に蒸着し、その後、幅50mm,長さ4,500mにスリットし、48本のリールを採取した。
このとき、ブロッキングによる金属はがれを観察評価した。
【0036】
次に、この蒸着リ−ルを用いて素子巻機にて巻取り、コンデンサ素子100個を作成し、しわ,巻ずれを評価した。
【0037】
この内、しわ,巻ずれのない正常なコンデンサ素子を10個選別し、通常の方法でプラスチックケ−スエポキシ樹脂充填型乾式コンデンサを作成し、これらのコロナ開始電圧を測定し、10個の平均値を求めた。これらの結果を表1に示す。 表1から明らかなように、密着強度、ブロッキング、素子巻き性のしわ、巻ずれ、コロナ開始電圧のいずれにおいても優れたフィルムおよびコンデンサを得ることができた。
【0038】
実施例2
テトラキスメタンの添加量を0.05wt%とした以外は、実施例1と同様にフィルムおよびコンデンサを作成し測定を行った。結果を表1に示す。
【0039】
表1から明らかなように、密着強度、素子巻き性の巻ずれ、コロナ開始電圧において実施例1より若干劣るものの実用上問題がなく、ブロッキング、素子巻き性のしわにおいて優れたフィルムおよびコンデンサを得ることができた。
【0040】
実施例3
テトラキスメタンの添加量を2.0wt%とした以外は、実施例1と同様にフィルムおよびコンデンサを作成し測定を行った。結果を表1に示す。
【0041】
表1から明らかなように、ブロッキング、素子巻き性のしわにおいて実施例1より若干劣るものの実用上問題がなく、密着強度、素子巻き性の巻ずれ、コロナ開始電圧において優れたフィルムおよびコンデンサを得ることができた。
【0042】
参考例1
ポリメチルペンテンの添加量を5.0wt%としたこと以外は、実施例1と同様にフィルムおよびコンデンサを作成し測定を行った。結果を表1に示す。
【0043】
表1から明らかなように、密着強度、素子巻き性の巻ずれ、コロナ開始電圧において実施例1より若干劣るものの実用上問題がなく、ブロッキング、素子巻き性のしわにおいて優れたフィルムおよびコンデンサを得ることができた。
【0044】
参考例2
ポリメチルペンテンの添加量を0.3wt%としたこと以外は、実施例1と同様にフィルムおよびコンデンサを作成し測定を行った。結果を表1に示す。
【0045】
表1から明らかなように、ブロッキング、素子巻き性のしわにおいて実施例1より若干劣るものの実用上問題がなく、密着強度、素子巻き性の巻ずれ、コロナ開始電圧において優れたフィルムおよびコンデンサを得ることができた。
【0046】
実施例
フィルムの両面に濡れ指数が33dyne/cmとなるようコロナ放電処理を施したこと以外は、実施例1と同様にフィルムおよびコンデンサを作成し測定を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、密着強度、素子巻き性の巻ずれ、コロナ開始電圧において実施例1より若干劣るものの実用上問題がなく、ブロッキング、素子巻き性のしわにおいて優れたフィルムおよびコンデンサを得ることができた。
【0047】
参考例3
フィルムの両面に濡れ指数が47dyne/cmとなるようコロナ放電処理を施したこと以外は、実施例1と同様にフィルムおよびコンデンサを作成し測定を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、ブロッキング、素子巻き性のしわにおいて実施例1より若干劣るものの実用上問題がなく、密着強度、素子巻き性の巻ずれ、コロナ開始電圧において優れたフィルムおよびコンデンサを得ることができた。
【0048】
参考例4
コロナ放電処理をフィルムの片面のみに施したこと以外は、実施例1と同様にフィルムおよびコンデンサを作成し測定を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、密着強度、素子巻き性の巻ずれ、コロナ開始電圧において実施例1より若干劣るものの実用上問題がなく、ブロッキング、素子巻き性のしわにおいて優れたフィルムおよびコンデンサを得ることができた。
【0049】
比較例1
テトラキスメタンの代わりに、融点が240℃のフェノール系酸化防止剤である1,3,5トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−ターシャリブチル−4ハイドロキシベンジル)ベンゼンを0.3wt%添加した以外は実施例1と同様にフィルムおよびコンデンサを作成し測定を行った。結果を表1に示す。 表1から明らかなように、密着強度がなく、素子巻き性の巻ずれの発生が多く、コロナ開始電圧が低く、全く実用化できるものできなかった。
【0050】
比較例2
ポリメチルペンテンを添加しなかった以外は、実施例1と同様にフィルムおよびコンデンサを作成し測定を行った。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、ブロッキング、素子巻き性のしわの発生が著しく、全く実用化できるものできなかった。
【0051】
比較例3
コロナ放電処理を施さなかった以外は実施例1と同様にフィルムおよびコンデンサを作成し測定を行った。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、密着強度がなく、素子巻き性の巻ずれの発生が多く、コロナ開始電圧が低く、全く実用化できるものできなかった。
【0052】
実施例
テトラキスメタンの代わりに、2,2−チオ[ジエチル−ビス−3(3,5−ジ−ターシヤリブチル−4−ハイドロキシフェニル)プロピオネート]を0.3wt%含有したこと以外は実施例1と同様にフィルムおよびコンデンサを作成し測定を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように、ブロッキングと素子巻性のしわが僅かに生じたが、密着強度、素子巻き性の巻ずれ、コロナ開始電圧の点で優れたものが得られた。
【表1】
Figure 0003718898
【0053】
【発明の効果】
本発明のコンデンサ用ポリオレフィンフィルムは、融点が140℃以下のフェノ−ル系酸化防止剤とポリメチルペンテンを含有し、少なくとも片面にコロナ放電処理が施されているため、密着強度が高く、このためフィルム素子とした場合の素子内部の空隙が少なく、コロナ放電の発生が少ない。また通常のフィルム工程で製造できブロッキングの発生も少なく、加工性、作業性もよいので、低コストで効率良くフィルムを製造することができる。剛性の高い金属箔と巻き合わせる巻き箔タイプのコンデンサ素子にも適用することができる。また本発明のコンデンサ用ポリオレフィンフィルムを用いたコンデンサは、長期間にわたり安定した電気特性を維持でき、寿命も長い。

Claims (8)

  1. 融点が140℃以下のフェノール系酸化防止剤を含有するポリオレフィン樹脂に、ポリメチルペンテンを0.5wt%以上4.5wt%以下混合させたポリマーからな単一層のポリオレフィンフィルムであって、少なくとも片面にコロナ放電処理が施されていることを特徴とするコンデンサ用ポリオレフィンフィルム。
  2. ポリオレフィンフィルムがポリプロピレンフィルムであることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ用ポリオレフィンフィルム。
  3. 融点が140℃以下のフェノール系酸化防止剤がテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ハイドロキシフェニル)プロピオネート]メタンであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンデンサ用ポリオレフィンフィルム。
  4. 融点が140℃以下のフェノール系酸化防止剤の含有量が0.1wt%以上、1.0wt%以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコンデンサ用ポリオレフィンフィルム。
  5. コロナ放電処理がフィルムの両面に施されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のコンデンサ用ポリオレフィンフィルム。
  6. フィルムの少なくとも片面の濡れ指数が34dyne/cm以上、45dyne/cm以下であることを特徴とする請求項1ないし5項のいずれか1項に記載のコンデンサ用ポリオレフィンフィルム。
  7. フィルムの少なくとも片面に金属蒸着層を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のコンデンサ用ポリオレフィンフィルム。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載のコンデンサ用ポリオレフィンフィルムを用いてなるコンデンサ。
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