JP3718020B2 - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、重荷重用空気入りラジアルタイヤ、より詳細には建設車両を始めとするトラック及びバスや産業車両のような重車両の使途に供する重荷重用空気入りラジアルタイヤに関し、特に、優れたビード部耐久性を少なくとも保持した上で、タイヤの軽量化及びより優れた生産性の実現を可能とする重荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
重荷重用空気入りラジアルタイヤは重荷重負荷の下で転動するのは言うまでもなく、中でも建設車両に装着するタイヤには平滑路面走行における通常の荷重以外に不整地走行に伴う変動荷重が負荷される場合もあり、従ってこの種のタイヤのビード部には大きな外力が作用する結果、セパレーションに代表される故障が生じ勝ちであり、よって従来からビード部耐久性向上に対する各種改善手段が講じられてきた。
【0003】
上記の改善手段のうち最も良く知られたビード部構造は、図4に要部断面を示すように、1層以上のスチールコード層の、いわゆるワイヤーチェーファ15や複数層(図示例は2層)の有機繊維コ─ド層をコードが互いに交差するように積層した有機繊維コ─ドチェーファ、例えばナイロンチェーファ16を補強部材として適用し、この種の補強部材をときには単独で配置し(図示省略)、ときには組合わせて配置する構成(図4に示す)を有する。
【0004】
図4を参照して、このビード部補強コード層15、16を有する構成のタイヤの場合、カーカス3の折返し部3bと、この折返し部3bを除くカーカス本体3aとの間でビードコア2上からカーカス本体3aに沿ってタイヤ半径方向外側に向け延びるスティフナゴム4を配置し、このゴム全体を硬質ゴムとしたり、折返し部3bに沿うゴム部分のみを軟質ゴム4bとする、いわばカーカスによるゴムのサンドイッチ構成のビード部構造を採用するのが一般である。
【0005】
また重荷重の作用下で適用リムのフランジと接触するビード部部材は、フランジに対し円周方向及びタイヤ半径方向に大きく変位するため著しく摩滅し、ときには亀裂が発生するなどの不具合を併せもつので、これらの摩滅や亀裂発生に強い抵抗力を有する硬質のゴムチェーファ5をビード部外側に適用するのも常套手段である。この部材適用に当り硬質ゴムチェーファ5をカーカスの折返し部3bと接触させるのはタイヤの負荷転動下で折返し部3bに大きな応力をもたらすため不利であり、従ってゴムチェーファ5と折返し部3bとの間に軟質のサイドウォールゴム6を挿入させるのも一般的手段である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたビード部構成により、極めて厳しい使用条件での使用を除く一般的使用において、ビード部耐久性は十分なレベルを達成し、特に大きな問題とはなっていない反面、一層の生産性向上とコスト低減が必須課題であるタイヤ製造業者にとって、このビード部構造のうち特に補強コード層の配置は複雑過ぎて生産性向上の阻害要因となっている上、直接材料費用(直材費)を含む製造コストの押し上げ要因でもある反面、折返し部が比較的低いタイヤで単に補強コード層を除去すれば折返し部端から比較的早期に亀裂が生じてセパレーション故障に至る上、ビード部外側表面に斜め方向の亀裂が発生する。これらの点でビード部補強コード層は諸刃の剣とも言える存在である。
【0007】
従って、この発明の請求項1〜8に記載した発明は、ビード部耐久性を従来の満足されるレベルの保持を最低限の条件とし、極めて厳しい使用条件下で成るべく従来以上の優れたビード部耐久性を発揮し、同時に高度の生産性が得られ、製造コストをより一層低減することができる重荷重用空気入りラジアルタイヤの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載した発明は、トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部及び一対のビード部とからなり、これら各部をビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強するラジアル配列スチールコードのゴム被覆プライになるカーカスを備え、該カーカスはビードコアの周りを内側から外側に巻上げる折返し部を有し、該折返し部の内側でビードコア上からカーカス本体に沿いトレッド部に向け先細り状に延びるスティフナゴムと、折返し部の外側に配置した硬質のゴムチェーファとを備える重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、標準リムに組付けたタイヤに最高空気圧を充てんして最大負荷能力に相当する荷重を負荷したとき、ビードベースラインから測ったカーカスの折返し部高さが、同じくビードベースラインから測ったタイヤ高さの12.5〜27%の範囲内にあり、硬質ゴムチェーファは、タイヤのリムのフランジとの離反位置からタイヤ半径方向内側に向け延びる部分がリムのフランジと接触し、上記離反位置からタイヤ半径方向外側に向け延びる部分がサイドウォールゴムの内側に位置する配置になり、荷重負荷を解放した最高空気圧充てん下のタイヤ姿勢にて、カーカスの折返し部はリムのフランジを超える高さを有し、少なくともリムのフランジ高さに相当する位置よりタイヤ半径方向外側に延びる折返し部と硬質ゴムチェーファとの間に、ゴムチェーファの100%モジュラスに比しより小さい100%モジュラスを有する軟質の応力緩和ゴム層を介在させて成ることを特徴とするものである。
【0009】
ここに、標準リム、最高空気圧、最大負荷能力とは、JATMA YEAR BOOK(1996年版)が記載する用語の定義に従い、標準リムとは、所定のタイヤ種類、サイズ、プライレーティングなどにつき、このYEAR BOOKが定めるものであり、最大負荷能力とは同じくYEAR BOOKが記載する「ラジアルプライタイヤの空気圧−負荷能力対応表」に記載された太字の負荷能力値(単位 kg)を指し、ただし単輪(S)と複輪(D)とが併記されているときは単輪(S)の値を採用するものとし、そして最高空気圧はこの最大負荷能力に対応する空気圧である。
【0010】
上記請求項1に記載した構成を有するタイヤは、請求項2に記載した発明のように、ビードコア、折返し部を含むカーカス、スティフナゴム及び硬質ゴムチェーファの各部材のみをビード部補強にもち、他の補強部材、例えば補強コード層などを除くものとする。よって先に触れた余分なビード部補強コード層を用いずとも、詳細は後述するが少なくとも現在使用者に満足されているビード部耐久性のレベルを確保することができ、これにより生産性をより一層高めることが可能となり、なおかつ、ビード部補強コード層を取り除いた分製造コストの大幅削減が可能となる。
【0012】
またカーカスの折返し部とゴムチェーファとの位置関係は、請求項3に記載した発明のように、カーカスの折返し部終端縁を、ゴムチェーファのタイヤ半径方向外側終端縁の高さ以下に位置させること、又は請求項4に記載した発明のように、カーカスの折返し部終端縁を、ゴムチェーファのタイヤ半径方向外側終端縁より高く位置させることのいずれも可とするが、両者を比較したとき、前者の請求項3に記載した終端縁関係を満たすほうがビード部耐久性に関してはより有利である。
【0013】
さらに請求項3に記載した発明の実効を高めるため、折返し部終端におけるスチールコード端からタイヤの外側表面までの距離と、同じスチールコード端から応力緩和ゴム層までの距離との比の値が大きく影響することを見出し、そこでこの比の値の最適化は、請求項5に記載した発明のように、タイヤの回転軸線を含む平面によるタイヤ断面にて、カーカスの折返し部終端でのスチールコードの外側隅からタイヤ外側輪郭線に下ろした法線上における、スチールコードの外側隅からゴムチェーファまでの距離A及び上記外側隅からタイヤ外側輪郭線までの距離Bに関し、距離Aの距離Bに対する比A/Bの値の百分率を、8.5〜50%の範囲内とすることにより実現することができる。
【0014】
また請求項4に記載した発明の場合は、カーカスの折返し部に作用する剪断歪を成るべく小さくするため、請求項6に記載した発明のように、タイヤの回転軸線を含む平面によるタイヤ断面にて、ゴムチェーファのタイヤ半径方向外側終端縁からカーカスの折返し部に下ろした法線上における、ゴムチェーファの上記終端縁から折返し部のスチールコードまでの距離C及び上記法線のタイヤ外側輪郭線への延長線上における、タイヤ外側輪郭線から折返し部のスチールコードまでの距離Dに関し、距離Cの距離Dに対する比C/Dの値の百分率を、8.5〜50%の範囲内にすることが望ましい。
【0015】
さらにこの発明では、ゴムチェーファは硬質ゴム(高モジュラスゴム)であること、そして応力緩和ゴム層は軟質ゴム(低モジュラスゴム)であることを要し、実際上は、請求項7に記載した発明のように、ゴムチェーファの100%モジュラスが、30〜60kgf/cm2 の範囲内にあり、応力緩和ゴム層のゴムの100%モジュラスが、15〜28kgf/cm2 の範囲内にあるのが好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態の一例を図1〜図3に基づき説明する。
図1〜図3は、標準リム(以下単にリムという)に組付けた重荷重用空気入りラジアルタイヤ(以下、単にタイヤという)に、先に述べた最高空気圧を充てんした際の、タイヤ回転軸線を含む平面による要部断面図である。
【0017】
図1〜図3においてタイヤは、図示を省略したトレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部(図示省略)及び一対のビード部1(片側のみ示す)とからなり、これらトレッド部(図示省略)、サイドウォール部(図示省略)及びビード部1を、ビード部1内に埋設したビードコア2相互間にわたり補強するカーカス3を備え、カーカス3は1プライ以上(図示例は1プライ)のラジアル配列スチールコードのゴム被覆プライからなる。またカーカス3はビードコア2相互間でトロイド状をなして連なるカーカス本体3aの他に、ビードコア2の周りをタイヤの内側から外側に巻上げる折返し部3bを有する。
【0018】
折返し部3bはリム10のフランジ10Fの高さを超える高さを有するものとし、スティフナゴム4は、カーカス3の折返し部3bの内側でビードコア2上からカーカス本体3aに沿って図示省略のトレッド部に向け、すなわちタイヤ半径方向(以下半径方向と略記する)外側に向け先細り状に延び、この例では硬質スティフナゴム4aと軟質スティフナゴム4bとの複合ゴムを示すが、硬質ゴム単体であることを可とする。
【0019】
折返し部3bの外側には硬質のゴムチェーファ5を配置し、ゴムチェーファ5の半径方向外側はリム10のフランジ10Fを超える高さで延びる一方、半径方向内側はカーカス3のビードコア2周りの巻付け部に接して、リム10のビードシートと接触するビードベース部を構成する位置まで延びる。
【0020】
図1〜図3において、タイヤに、先に定義した最大負荷能力に相当する荷重を負荷した際の荷重直下におけるタイヤビード部の外側輪郭を二点鎖線1Lで示し、ここに符号HL は上記荷重直下におけるビード部の外側表面がリム10のフランジ10Fと離反する位置(断面では離反点)をあらわす。荷重負荷から解放した、各図に実線で示す最高空気圧充てん下のタイヤ姿勢にて、荷重負荷における離反位置HL が離反位置Hに相当する。
【0021】
この離反位置Hから半径方向内側に延びる硬質ゴムチェーファ5部分はリム10のフランジ10Fと接触させる配置とする一方、離反位置Hから半径方向外側に延びる硬質ゴムチェーファ5部分はサイドウォールゴム6の内側に位置させる配置とする。そして少なくともリム10のフランジ10Fの高さに相当する位置より半径方向外側に延びるカーカス3の折返し部3bと硬質ゴムチェーファ5との間に軟質の応力緩和ゴム層7を介在させる構成とする。ここに少なくともとは、フランジ10Fの高さに相当する位置より半径方向外側には必ず応力緩和ゴム層7が存在する必要があり、各図に示すように、この位置より半径方向内側にも応力緩和ゴム層7が存在して良いことを意味する。なお符号8はインナーライナゴムである。
【0022】
ここにゴムチェーファ5のゴムの100%モジュラスM5100 と、応力緩和ゴム層7のゴムの100%モジュラスM7100 とは、M5100 >M7100 の関係を満たすことが必要である。
【0023】
ここで、荷重負荷転動時におけるタイヤのビード部領域のうち離反位置Hから半径方向外側領域には駆動・制動に伴うトルクの作用により剪断変形が生じ、この剪断変形はビード部1の外側表面から内部に向かい伝搬する。そのとき大きな剛性段差を形成する折返し部3b終端縁3bE近傍部分では剪断変形がもたらす剪断歪が特に大きくなる。
【0024】
しかし、離反位置Hより半径方向外側で、優れた耐屈曲疲労性を必要とし、それ故軟質ゴムとすることが必要なサイドウォールゴム6の内側に、硬質で、それ故高い100%モジュラスM5100 をもつゴムチェーファ5を配置することにより、まず剪断変形は、それに対し元来高い耐久性をもつ軟質のサイドウォールゴム6で多くが吸収される一方、変形に対し高い抵抗力をもつゴムチェーファ5により内部への伝搬の多くが阻止される。換言すればビード部1の剪断変形は、まず外側表面に近い領域を変形吸収性に富んだサイドウォールゴム6により変形度合いを減少させ、次に耐変形性に優れたゴムチェーファ5により弱まった変形の多くを遮断する、ということである。
【0025】
最後に、少なくともリム10のフランジ10Fの高さに相当する位置、それは離反位置Hより僅か半径方向内側に寄った位置より半径方向外側で、ゴムチェーファ5と折返し部3bとの間に軟質で、100%モジュラスM7100 がM7100 <M5100 の関係を満たす応力緩和ゴム層7を配置することで、大きな剛性段差を形成する折返し部終端縁3bE近傍に作用する、剪断変形に基づく剪断歪・剪断応力は大幅に緩和され、その結果、図4に示す従来のビード部補強コード層のワイヤーチェーファ15やナイロンチェーファ16を用いずとも、折返し部終端縁3bEからの亀裂発生と、その進展としてのセパレーション発生とを抑制することができ、ビード部1の耐久性を少なくとも従来並に保持することができる。
【0026】
ビード部補強コード層15、16(図4参照)を除去することで、直材費と加工費を大幅に削減することができ、準備する材料のうち超大型サイズのタイヤでも少なくともゴムチェーファ5は一体押出しとその張付けとが可能であり、一般の大型以下のサイズではゴムチェーファ5と応力緩和ゴム層7との一体押出し及び同時張付けも可能であり、これらの点で明らかに生産性及び製造コストを、従来のビード部補強コード層15、16を備えるタイヤに比し大幅に改善することができる。
【0027】
またビード部1の外側表面でゴムチェーファ5は離反位置Hより半径方向内側にも位置し、荷重負荷転動下でリム10のフランジ10Fと互いに押圧接触しているので剪断変形による亀裂発生を阻止することができ、離反位置Hより半径方向外側表面には耐屈曲疲労性に優れたサイドウォールゴム6のみが位置しているので、このタイヤのビード部1に亀裂発生のうれいはない。
【0028】
上記の効果を有利に発揮することができるのはカーカス3の折返し部3bが比較的低いタイヤであり、より具体的に有利なカーカス3の折返し部3bの高さは、ビードベースラインBLから測ったとき、同じ測りかたでのタイヤ高さの12.5〜27%である。ここにタイヤ高さの12.5%未満では最高空気圧充てん下及び荷重負荷転動下で折返し部3bの引き抜け現象が生じるため、上述した効果が得られず、27%を超えると折返し部終端縁3bEでの故障は生じ難くなる反面直材費が上昇し過ぎ、この発明の目的にそぐわない。なおビードベースラインBLとはビードベースの延長線と、フランジ10Fに接するビード部1の外側輪郭線のうちタイヤ回転軸線(図示省略)への垂線との交点を通る回転軸線に平行な直線をいう。
【0029】
ゴムチェーファ5及び応力緩和ゴム層7それぞれの100%モジュラスは、具体的には、ゴムチェーファ5のM5100 は30〜60kgf/cm2 の範囲内にあり、応力緩和ゴム層7のM7100 は15〜28kgf/cm2 の範囲内にあるのが先に述べた効果に対し好適である。ここにM5100 が30kgf/cm2 未満では剪断変形抑制効果が小さくなり過ぎ、60kgf/cm2 を超えると耐亀裂性確保に不具合が生じるため、いずれも好ましくない。またM7100 が15kgf/cm2 未満ではゴムチェーファ5で遮断しきれなかった剪断歪が折返し部終端縁3bEへ伝達され、また最高空気圧充てん、荷重負荷転動下で折返し部3bの引き抜けが発生し易くなる不都合があり、28kgf/cm2 を超えると十分な応力緩和効果を得ることができず、いずれも望ましくない。
【0030】
さて、折返し部終端縁3bEとゴムチェーファ5の半径方向外側終端縁5Eとの位置関係は重要であり、まずより有利な位置関係は、図1に示すように、折返し部終端縁3bEをゴムチェーファ5の半径方向外側終端縁5Eの高さ以下とするものである。このとき図1におけるタイヤ断面にて、折返し部終端縁3bE(乃至その近傍)に存在するスチールコードのタイヤ外側隅からタイヤ外側輪郭線に下ろした法線L(法線Lとタイヤ外側輪郭線との交点V)上にて測った、スチールコードのタイヤ外側隅からゴムチェーファ5までの距離A及び同じ外側隅から上記交点Vまでの距離Bに関し、距離Aの距離Bに対する比A/Bの値の百分率が、8.5〜50%の範囲内にあるのが先に述べたビード部耐久性向上効果に対し寄与する。
【0031】
次に、図2を参照して、折返し部終端縁3bEをゴムチェーファ5の半径方向外側終端縁5Eより高く位置させることもできる。このときは、ゴムチェーファ5の半径方向外側終端縁5Eから折返し部3bに下ろした法線L(法線Lと折返し部3bのスチールコード外側輪郭線との交点W)上にて測った、ゴムチェーファ5の半径方向外側終端縁5Eから上記交点Wまでの距離C及び交点Wから交点V′(法線Lとタイヤ外側輪郭線との交点)までの距離Dに関し、距離Cの距離Dに対する比C/Dの値の百分率が、8.5〜50%の範囲内にあるのが先に述べたビード部耐久性保持効果に対し寄与する。
【0032】
図2に示すゴムチェーファ5の半径方向外側終端縁5Eの高さは、無負荷で最高空気圧充てん下のビード部1のフランジ10Fからの離反位置Jを通るタイヤ回転軸線と平行な直線から測った折返し部3b高さの70%以上とするのが望ましく、70%未満では満足されるビード部耐久性レベルの確保が困難となる。
【0033】
図3に示す例は、ゴムチェーファ5の半径方向外側終端縁5Eと折返し部終端縁3bEとが同一法線L上に存在する別の例であり、この例の場合は図2に示す形態例に近いが、ビード部耐久性に関しては図1に示す例に近い性能を発揮するので距離A、距離Bの図示は図1に準じた。
【0034】
上述した比A/Bの値の百分率及び比C/Dの値の百分率の下限値が8.5%未満では、ゴムチェーファ5が受ける剪断変形の緩和作用が不十分となり、折返し部終端縁3bEに亀裂が生じ易くなり、50%を超えるとゴムチェーファ5の変形遮断効果が低下し、やはり終端縁3bEに亀裂を生じ易くするので、いずれの場合も好ましくない。
【0035】
【実施例】
建設車両用2種タイヤ(グレーダ用)で、サイズが14.00R24 TGでワンスター(☆)であり、JATMA YEAR BOOKに従い、このサイズの最大負荷能力は最高速度40km/hで3650kgで、これに対応する最高空気圧は3.75kgf/cm2 である。カーカス3は1プライのラジアル配列スチールコードのゴム被覆になり、実施例1、2、4のビード部1の構成は図1に従い、実施例3が図2のビード部1の構成に従う。従来例は図4に示すビード部構成とした他は各実施例に合わせた。
【0036】
各例について折返し部のビードベースラインBLから測った高さh(mm)及びゴムチェーファ5の100%モジュラスM5100 (kgf/cm2) 、各実施例について応力緩和ゴム層7の100%モジュラスM7100(kgf/cm2) 、比A/Bの値の百分率(%)及び比C/Dの値の百分率(%)を表1に示す。なお表1には対応する図面のNo.も記載した。
【0037】
【表1】
Figure 0003718020
【0038】
実施例1〜4及び従来例のタイヤを供試タイヤとして、ビード部耐久性試験を実施した。試験条件は、直径が5mのドラムに、上述した内圧を充てんしたタイヤを、最大負荷能力に相当する荷重を100%ロードとしたとき、当初は150%ロードで押し当てて三日間走行させた後、負荷荷重を20%宛増加させて(170%ロード、次は190%ロード、・・・・)三日間づつ走行させるステップロード方式によった。
【0039】
評価は、ビード部に故障が生じて外観でそれとわかるまで走行した累計時間を従来例を100とする指数にてあらわすものとした。値は大なるほど良い。なお直材費及び生産性の指標の代用特性としてタイヤ重量を、従来例を100とする指数にて、試験結果と共に表1の下段に示す。タイヤ重量指数は値が小なるほど良い。
【0040】
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜4は、ビード部補強コード層15、16を備えずにタイヤ重量が従来例に比し軽量化されているにもかかわらず、実施例1、2、4は従来例に比し格段に優れたビード部耐久性を示し、実施例3でも従来例とほぼ同等のビード部耐久性を示していることが分かり、実施例3の耐久性レベルでも一般的使用に対し実用化に支障をきたすことはない。
【0041】
【発明の効果】
この発明の請求項1〜8に記載した発明によれば、ビード部耐久性を少なくとも従来タイヤレベル並に保持し、むしろ従来タイヤレベルより顕著に向上させ、同時に直材費の低減と生産性の向上とを達成して製造コストの大幅低減及び設備の稼働率向上を実現することができる重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の一例を示すタイヤの要部断面図である。
【図2】この発明の実施の形態の別の例を示すタイヤの要部断面図である。
【図3】この発明の実施の形態の他の例を示すタイヤの要部断面図である。
【図4】従来のタイヤの要部断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 ビードコア
3 カーカス
3a カーカス本体
3b 折返し部
3bE 折返し部終端縁
4 スティフナゴム
5 ゴムチェーファ
5E ゴムチェーファ半径方向外側終端縁
6 サイドウォールゴム
7 応力緩和ゴム層
8 インナーライナ
10 リム
10F フランジ
L 荷重直下のビード部離反位置
H 荷重解放下のビード部離反位置

Claims (7)

  1. トレッド部と、その両側に連なる一対のサイドウォール部及び一対のビード部とからなり、これら各部をビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強するラジアル配列スチールコードのゴム被覆プライになるカーカスを備え、該カーカスはビードコアの周りを内側から外側に巻上げる折返し部を有し、該折返し部の内側でビードコア上からカーカス本体に沿いトレッド部に向け先細り状に延びるスティフナゴムと、折返し部の外側に配置した硬質のゴムチェーファとを備える重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、標準リムに組付けたタイヤに最高空気圧を充てんして最大負荷能力に相当する荷重を負荷したとき、ビードベースラインから測ったカーカスの折返し部高さが、同じくビードベースラインから測ったタイヤ高さの12.5〜27%の範囲内にあり、硬質ゴムチェーファは、タイヤのリムのフランジとの離反位置からタイヤ半径方向内側に向け延びる部分がリムのフランジと接触し、上記離反位置からタイヤ半径方向外側に向け延びる部分がサイドウォールゴムの内側に位置する配置になり、荷重負荷を解放した最高空気圧充てん下のタイヤ姿勢にて、カーカスの折返し部はリムのフランジを超える高さを有し、少なくともリムのフランジ高さに相当する位置よりタイヤ半径方向外側に延びる折返し部と硬質ゴムチェーファとの間に、ゴムチェーファの100%モジュラスに比しより小さい100%モジュラスを有する軟質の応力緩和ゴム層を介在させて成ることを特徴とする重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  2. ビードコア、折返し部を含むカーカス、スティフナゴム及び硬質ゴムチェーファの各部材のみをビード部補強にもつ請求項1に記載したタイヤ。
  3. カーカスの折返し部終端縁を、ゴムチェーファのタイヤ半径方向外側終端縁の高さ以下に位置させて成る請求項1〜2のいずれか一項に記載したタイヤ。
  4. カーカスの折返し部終端縁を、ゴムチェーファのタイヤ半径方向外側終端縁より高く位置させて成る請求項1〜3のいずれか一項に記載したタイヤ。
  5. タイヤの回転軸線を含む平面によるタイヤ断面にて、カーカスの折返し部終端でのスチールコードの外側隅からタイヤ外側輪郭線に下ろした法線上における、スチールコードの外側隅からゴムチェーファまでの距離(A)及び上記外側隅からタイヤ外側輪郭線までの距離(B)に関し、距離(A)の距離(B)に対する比(A/B)の値の百分率が、8.5〜50%の範囲内にある請求項3に記載したタイヤ。
  6. タイヤの回転軸線を含む平面によるタイヤ断面にて、ゴムチェーファのタイヤ半径方向外側終端縁からカーカスの折返し部に下ろした法線上における、ゴムチェーファの上記終端縁から折返し部のスチールコードまでの距離(C)及び上記法線のタイヤ外側輪郭線への延長線上における、タイヤ外側輪郭線から折返し部のスチールコードまでの距離(D)に関し、距離(C)の距離(D)に対する比(C/D)の値の百分率が、8.5〜50%の範囲内にある請求項4に記載したタイヤ。
  7. ゴムチェーファの100%モジュラスが、30〜60kgf/cm2 の範囲内にあり、応力緩和ゴム層のゴムの100%モジュラスが、15〜28kgf/cm2 の範囲内にある請求項1に記載したタイヤ。
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