JP3717099B2 - ツインクラッチ - Google Patents

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    • F16D13/385Friction clutches with axially-movable clutching members with flat clutching surfaces, e.g. discs double clutches, i.e. comprising two friction disc mounted on one driven shaft

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ツインクラッチ、特に、摩擦面を有するフライホイールとトランスミッションのシャフトとの間でトルク伝達及びトルク遮断を行うツインクラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
クラッチは、エンジン側のフライホイールと変速機(トランスミッション)の入力側のシャフトとの間で動力を伝達あるいは遮断するための装置である。一般にクラッチは、フライホイールに装着されるクラッチカバー組立体とクラッチディスク組立体とから構成されている。クラッチディスク組立体は、外周部に摩擦ディスクが設けられ、内周部にはトランスミッションのシャフトに係合するハブが設けられている。摩擦ディスクとハブとは、複数のプレート状部材や弾性部材によって連結されている。クラッチカバー組立体は、クラッチディスク組立体の摩擦ディスクをフライホイールに対して押圧又は押圧力を解除することで、クラッチの連結及び連結解除を行うものである。クラッチカバー組立体は、主として、フライホイールに固定されるクラッチカバーと、クラッチカバー内に配置され摩擦ディスクに近接して配置されたプレッシャープレートと、クラッチカバーに支持され押圧力を作用させることによりプレッシャープレートを軸方向に移動させるプレッシャープレート移動機構とから構成されている。
【0003】
ところで、限られたスペースで大きなトルク伝達容量を確保しなければならない場合においては、2つの摩擦ディスクを備えたツインクラッチが用いられることがある。ツインクラッチは、第1及び第2摩擦ディスクと、これらの間に配置された中間プレートとを有している。中間プレートは、フライホイールに対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に装着されており、両側面に第1及び第2摩擦ディスクに対する摩擦面が形成されている。
【0004】
ツインクラッチでは、クラッチ連結時には、クラッチカバー組立体のプレッシャープレートがダイヤフラムスプリング等の押圧部材によってフライホイール側に押圧され、第1摩擦ディスクがフライホイールと中間プレートとの間に挟まれ、第2摩擦ディスクが中間プレートとプレッシャープレートとの間に挟まれる。またクラッチレリーズ時には、プレッシャープレートへの押圧が解除され、プレッシャープレート及び中間プレートがフライホイールから引き離されて、各摩擦ディスクの連結が解除される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上に述べたツインクラッチにおいては、クラッチ動作(クラッチ連結、クラッチレリーズ)時に第1摩擦ディスクと第2摩擦ディスクとが同時に連結されることが好ましい。第1摩擦ディスクと第2摩擦ディスクとが同時につながると、2つのクラッチディスク組立体のダンパーにおける位相ずれが小さく又はほとんどなくなるからである。
【0006】
さらに、クラッチ切れ特性において、中間プレートのレバーストロークに対するリフト量は、プレッシャープレートのそれに対して全領域で常に1/2の位置であることが好ましい。中間プレートがプレッシャープレートに対して近接又は離れていると、中間プレートが第1又は第2摩擦ディスクと接触してクラッチの切れ性能を悪化させるからである。
【0007】
特開昭63−235724号に開示されたツインクラッチでは、上述の2つの目的を達成するためのレバー部材が設けられている。レバー部材は、一端がクラッチカバーに揺動可能に支持されており、他端が軸方向に移動可能になっている。この他端は、プレッシャープレートに対してフライホイール側から作用可能に当接している。中間プレートには、レバー部材の中間部に、フライホイール側から当接する当接部材が設けられている。このような構造により、クラッチ動作時には、中間プレートの軸方向移動量は常にプレッシャープレートの軸方向移動量の1/2となり、クラッチの連結及びレリーズが同時に行われる。
【0008】
また、このツインクラッチでは、当接部材が中間プレートに対して軸方向に移動可能に摩擦係止されている。これにより、第2摩擦ディスクの摩耗量が第1摩擦ディスクより大きくなった場合に、レバー部材が当接部材を中間プレートに対して軸方向フライホイール側に移動させる。したがって、プレッシャープレートの軸方向フライホイール側への移動がレバー部材に制限されず、その結果第2摩擦ディスクに対する十分な押圧荷重を確保できる。
【0009】
しかし、上記のツインクラッチでは、第1摩擦ディスクや第2摩擦ディスクが摩耗した場合に、レバー部材の位置や姿勢が、初期状態におけるレバー部材の絶対的な位置や姿勢から変化する。すなわち、摩耗時においても当接部材の中間プレートに対する摩擦係止位置が変わることでレバー部材の機能が維持されるように思えるが、レバー部材の他端や中間部の絶対的な位置やレバー部材の姿勢が変化するため、レバー部材自身の変形や当接状態の変化等によって、初期状態におけるレバー部材の機能と摩耗後のレバー部材の機能とが相違するようになる。したがって、上記公報に示されているツインクラッチでは、初期状態におけるクラッチの連結及びレリーズの同時性が摩耗後に損なわれる恐れが残る。
【0010】
本発明の課題は、摩擦ディスク(第1,第2摩擦連結部)が摩耗した場合においても、レバー部材によるクラッチ連結及びクラッチレリーズの同時性を確保する機能がより確実に維持されるツインクラッチを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のツインクラッチは、摩擦面を有するフライホイールとトランスミッションのシャフトとの間でトルク伝達及びトルク遮断を行うツインクラッチであって、第1クラッチディスク組立体と、第2クラッチディスク組立体と、クラッチカバーと、中間プレートと、プレッシャープレートと、プレッシャープレート移動機構と、レバー部材と、第1摩耗追従機構と、第2摩耗追従機構とを備えている。第1クラッチディスク組立体は、フライホイールの摩擦面に近接して配置される第1摩擦連結部を有しており、トランスミッションのシャフトにトルクを伝達することができる。第2クラッチディスク組立体は、第1摩擦連結部のフライホイール側と反対側に配置される第2摩擦連結部を有しており、トランスミッションのシャフトにトルクを伝達することができる。クラッチカバーは、フライホイールに固定され、第1及び第2クラッチディスク組立体を覆う。中間プレートは、第1摩擦連結部と第2摩擦連結部との軸方向間に配置されており、フライホイールあるいはクラッチカバーに連動して回転する。プレッシャープレートは、第2摩擦連結部のフライホイール側と反対側に配置されており、クラッチカバーに連動して回転する。プレッシャープレート移動機構は、プレッシャープレートを軸方向に移動させる機構であり、クラッチカバーに支持されている。レバー部材は、プレッシャープレートの軸方向移動量に対して中間プレートの軸方向移動量を規制する部材であって、その一端がクラッチカバーに支持され、その他端がプレッシャープレートの軸方向の動きに追随し、その中間部が中間プレートに係止する。第1摩耗追従機構は、レバー部材の他端とプレッシャープレートとの間に介在して、レバー部材の他端とプレッシャープレートとを係止させる機構である。この第1摩耗追従機構は、第1及び第2摩擦連結部の摩耗によりクラッチ連結時においてプレッシャープレートの軸方向絶対位置が移動したときに、変形して、レバー部材の他端の軸方向絶対位置を維持したままレバー部材の他端とプレッシャープレートとの係止状態を保持する。第2摩耗追従機構は、レバー部材の中間部と中間プレートとの間に介在して、レバー部材の中間部と中間プレートとを係止させる機構である。この第2摩耗追従機構は、第1摩擦連結部の摩耗によりクラッチ連結時において中間プレートの軸方向絶対位置が移動したときに、変形して、レバー部材の中間部の軸方向絶対位置を維持したままレバー部材の中間部と中間プレートとの係止状態を保持する。
【0012】
請求項1に記載のツインクラッチでは、トルク遮断からトルク伝達への移行時(以下、クラッチ連結時という。)には、プレッシャープレート移動機構がプレッシャープレートをフライホイール側に移動させることにより、プレッシャープレート及び中間プレートがフライホイール側に移動して、第1摩擦連結部がフライホイールと中間プレートとの間に挟持され、第2摩擦連結部が中間プレートとプレッシャープレートとの間に挟持されて、クラッチがトルク伝達状態となる。一方、トルク伝達からトルク遮断への移行時(以下、クラッチレリーズ時という。)には、プレッシャープレート移動機構によりプレッシャープレートがフライホイールから離れる方向に移動させられ、第1摩擦連結部がフライホイール及び中間プレートから離れ、第2摩擦連結部が中間プレート及びプレッシャープレートから離れて、クラッチがトルク遮断状態となる。
【0013】
また上記のクラッチ連結時及びクラッチレリーズ時においては、レバー部材の作用によって、中間プレートの軸方向の移動量がプレッシャープレートの軸方向の移動量の概ね半分となる。
クラッチ連結時にプレッシャープレートがフライホイール側に移動すると、レバー部材の一端は軸方向に移動せず他端だけがプレッシャープレートとともにフライホイール側に移動する。このため、レバー部材の中間部は、プレッシャープレートの軸方向移動量の約半分の移動量だけフライホイール側に移動する。したがって、レバー部材の中間部と同じ移動量だけフライホイール側に移動する中間プレートは、プレッシャープレートの軸方向移動量の約半分だけフライホイール側に移動することになる。
【0014】
クラッチレリーズ時にプレッシャープレートがフライホイールから離れるように移動すると、レバー部材の一端は移動しないが、他端がプレッシャープレートにしたがってフライホイールから離れる方向に移動する。このときには、レバー部材の中間部は、プレッシャープレートの軸方向移動量の約半分の移動量だけフライホイール側と反対側に移動する。したがって、レバー部材の中間部と同じだけフライホイールから離れる方向に移動する中間プレートは、プレッシャープレートの軸方向移動量の約半分だけフライホイール側と反対側に移動することになる。
【0015】
このように、クラッチ連結時及びクラッチレリーズ時において中間プレートがプレッシャープレートの移動に連動して約半分だけ軸方向移動するようになっているため、クラッチ連結及びクラッチレリーズの同時性を確保することができるとともに、クラッチの切れ性が確保される。
そして、本請求項1に記載のツインクラッチでは、第1及び第2摩耗追従機構の作動によって、第1及び第2摩擦連結部が摩耗したときにも、前述した中間プレートとプレッシャープレートとの移動量の関係を確保することができる。また、どちらの摩擦連結部が多く摩耗した場合にも、前述した中間プレートとプレッシャープレートとの移動量の関係を確保することができる。
【0016】
第1摩擦連結部が摩耗したときにはクラッチ連結状態において初期に較べて中間プレート及びプレッシャープレートの軸方向位置がフライホイール側に移動するが、第1摩耗追従機構が変形してレバー部材の他端の軸方向絶対位置(初期の軸方向位置)を維持したままレバー部材の他端とプレッシャープレートとの係止状態を保持し、第2摩耗追従機構が変形してレバー部材の中間部の軸方向絶対位置(初期の軸方向位置)を維持したままレバー部材の他端と中間プレートとの係止状態を保持する。このため、第1摩擦連結部が摩耗したときにも、レバー部材の他端及び中間部材の軸方向位置やレバー部材の姿勢が初期の状態に保たれる。
【0017】
また、第2摩擦連結部が摩耗したときにはクラッチ連結状態において初期に較べてプレッシャープレートの軸方向位置がフライホイール側に移動するが、第2摩耗追従機構が変形してレバー部材の中間部の軸方向絶対位置(初期の軸方向位置)を維持したままレバー部材の中間部とプレッシャープレートとの係止状態を保持する。このため、第2摩擦連結部が摩耗したときにも、レバー部材の他端及び中間部材の軸方向位置やレバー部材の姿勢が初期の状態に保たれる。
【0018】
このように、第1摩擦連結部が摩耗したときにも第2摩擦連結部が摩耗したときにもレバー部材の軸方向位置やレバー部材の姿勢が初期の状態に保たれるため、レバー部材により確保されるクラッチ連結及びクラッチレリーズの同時性が摩擦連結部が摩耗してきたときにも維持される。
請求項2に記載のツインクラッチは、請求項1に記載のツインクラッチであって、第1摩耗追従機構は、互いに摩擦係止するレバー部材側の第1部材とプレッシャープレート側の第2部材とを有しており、第1及び第2摩擦連結部の摩耗によりクラッチ連結時のプレッシャープレートの軸方向絶対位置が移動したときに第1部材と第2部材との摩擦係止部が摺動する変形を起こす。第2摩耗追従機構は、互いに摩擦係止するレバー部材側の第3部材と中間プレート側の第4部材とを有しており、第1摩擦連結部の摩耗によりクラッチ連結時の中間プレートの軸方向絶対位置が移動したときに第3部材と第4部材との摩擦係止部が摺動する変形を起こす。
【0019】
ここでは、第1部材と第2部材、あるいは第3部材と第4部材とを摩擦係止させ、摩擦連結部の摩耗にしたがって軸方向絶対位置が移動するプレッシャープレートや中間プレートの動きによってこれらの部材同士を摺動させている。このような第1,第2部材の摺動あるいは第3,第4部材の摺動という変形によって、摩耗追従機構はレバー部材の軸方向位置やレバー部材の姿勢を初期の状態に保つことができる。
【0020】
請求項3に記載のツインクラッチは、請求項2に記載のツインクラッチであって、第1摩耗追従機構の第1部材は、レバー部材の他端にフライホイール側から係止している。また、第2摩耗追従機構の第3部材は、レバー部材の中間部にフライホイール側と反対側から係止している。
請求項4に記載のツインクラッチは、請求項2又は3に記載のツインクラッチであって、第1摩耗追従機構の第1部材は、クラッチ連結時においてクラッチカバーにフライホイール側と反対側から当接する。また、第2摩耗追従機構の第3部材は、クラッチ連結時においてクラッチカバーにフライホイール側と反対側から当接する。
【0021】
ここでは、レバー部材に係止している第1部材及び第3部材がクラッチ連結時においてクラッチカバーにフライホイール側と反対側から当接する。したがって、第1部材及び第3部材は、フライホイールに固定され絶対位置が変化しないクラッチカバーに対する相対位置が、クラッチ連結時では初期状態においても摩擦連結部の摩耗時においても等しくなる。すなわち、第1部材及び第3部材は、クラッチ連結時では、初期状態においても摩擦連結部の摩耗時においても軸方向絶対位置が変わらない。このため、摩擦連結部の摩耗時には第2部材や第4部材が絶対位置の変わらない第1部材や第3部材に対して摺動してその位置を変えるようになるが、これらの第2部材や第4部材がレバー部材に係止しているのではなく第1部材及び第3部材がレバー部材に係止しているため、レバー部材の軸方向絶対位置やレバー部材の姿勢が変化することはない。
【0022】
請求項5に記載のツインクラッチは、請求項2から4のいずれかに記載のツインクラッチであって、第1摩耗追従機構の第1部材あるいは第2摩耗追従機構の第3部材は、第1摩耗追従機構の第2部材あるいは第2摩耗追従機構の第4部材に摩擦係止する摩擦係止部材と、この摩擦係止部材にねじ込まれるダブルナットとを有している。そして、第1部材の摩擦係止部材とレバー部材の他端との軸方向相対位置あるいは第3部材の摩擦係止部材とレバー部材の中間部との軸方向相対位置は、ダブルナットの摩擦係止部材に対するねじ込み量によって調整される。
【0023】
ここでは、ダブルナットのねじ込み量を調整することによって、プレッシャープレートの軸方向移動量と中間プレートの軸方向移動量との比を所望の値に設定することができる。また、円周方向に複数設けられたレバー部材それぞれに対して調整を行うことで、円周方向各部での比のずれを抑えることができる。
請求項6に記載のツインクラッチは、請求項5に記載のツインクラッチであって、摩擦係止部材は、直接係止部材と、間接係止部材とから構成されている。直接係止部材は、第2部材あるいは第4部材に直接摩擦係止する部材である。間接係止部材は、ダブルナットがねじ込まれる部材であって、直接係止部材に対して軸方向移動不能とされている。
【0024】
【発明の実施の形態】
<ツインクラッチの全体構成>
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係るツインクラッチ1を示している。このツインクラッチ1は、車両、特に大型車両やトラクターのように必要なトルク伝達容量が大きい車両で採用されるものであり、エンジン側のフライホイール2からトランスミッションの入力シャフト(図示せず)にトルクを伝達及び遮断するためのプルタイプのツインクラッチである。図1におけるO−Oがツインクラッチ1の回転軸線である。また、図2の矢印R1側がフライホイール2及びツインクラッチ1の回転方向であり、矢印R2がその逆回転方向である。なお、以降、図1の左側を第1軸方向側(エンジン側)と呼び、図1の右側を第2軸方向側(トランスミッション側)と呼ぶこととする。
【0025】
このツインクラッチ1は、主として、第1クラッチディスク組立体3と、第2クラッチディスク組立体4と、中間プレート11と、フライホイールスペーサ7を介してフライホイール2に固定されるクラッチカバー組立体とから構成されている。また、ツインクラッチ1は、レバー機構26を備えている。レバー機構26は、後述するクラッチカバー組立体のプレッシャープレート10の軸方向移動に中間プレート11を連動させ、中間プレート11の軸方向移動量をプレッシャープレート10の軸方向移動量の約半分に規制する機構である。
【0026】
<クラッチディスク組立体>
第1クラッチディスク組立体3及び第2クラッチディスク組立体4は、捩じり振動を減衰するためのスプリングや摺動部材等からなるダンパーを有しており、中心にあるハブにトランスミッションの入力シャフトがスプライン係合する。また、両クラッチディスク組立体3,4は、それぞれ摩擦フェーシング等からなる第1及び第2摩擦ディスク3a,4aを外周部に有している。第1クラッチディスク組立体3の第1摩擦ディスク3aはフライホイール2の摩擦面2aに近接して配置されている。第2クラッチディスク組立体4の第2摩擦ディスク4aは第1摩擦ディスク3aから第2軸方向側に離れた位置に配置されている。
【0027】
<クラッチカバー組立体>
クラッチカバー組立体は、摩擦ディスク3a,4aをフライホイール2に連結させてフライホイール2と一体回転するようにする、又はその連結を解除するための機構である。クラッチカバー組立体は、クラッチカバー8と、プレッシャープレート10と、プレッシャープレート移動機構12(図5参照)とから構成されている。
【0028】
(クラッチカバー,フライホイールスペーサ)
クラッチカバー8は、環状の部材であり、フライホイール2の摩擦面2aから第2軸方向側に離れて配置されている。クラッチカバー8の外周部8bとフライホイール2の外周部との間には、フライホイールスペーサ7が配置されている。フライホイールスペーサ7は、プレッシャープレート10や第2摩擦ディスク4aの外側を覆う筒状の部材である。フライホイールスペーサ7には、軸方向に貫通する孔7dが複数設けられている。この孔7dを貫通するボルトによって、クラッチカバー8の外周部8bがフライホイール2の外周部に固定される。クラッチカバー8は、このフライホイールスペーサ7によって、フライホイール2に対するその軸方向の位置が決められる。また、フライホイールスペーサ7に設けられた孔7dを通るボルトによって、クラッチカバー8とフライホイールスペーサ7とは互いに固定されている。このように、フライホイールスペーサ7は、クラッチカバー8とともにフライホイール2に固定される部材であり、広義の意味でのクラッチカバーであるとみなすことができる。
【0029】
また、フライホイールスペーサ7は、第1及び第2ストラッププレート18,22を組み付けるための切欠き7b,7cを有している。切欠き7bは第2軸方向側が開いており、切欠き7cは第1軸方向側が開いており、それぞれ円周方向に等間隔に4つ形成されている。
(プレッシャープレート及びプレッシャープレート移動機構)
プレッシャープレート10は、第1軸方向側の面が第2クラッチディスク組立体4の第2摩擦ディスク4aに対向する摩擦面となっており、第2軸方向側の面には円周方向に複数配置された突起10bを有している。また、プレッシャープレート10の第2軸方向側の面には、円周方向に等間隔に4ヶ所、雌ねじが形成されたボルト孔10cが形成されている。さらに、プレッシャープレート10の外周面には、外方に延び切欠き7b内に位置する外方突出部10aが円周方向に4つ形成されている。
【0030】
また、プレッシャープレート10は、クラッチカバー8に相対回転不能にかつ軸方向移動可能になっている。具体的には、円周方向に延びるように配置された複数の第1ストラッププレート18によって、プレッシャープレート10がクラッチカバー8に連結されている。第1ストラッププレート18のR1側端部は、図3に示すように、クラッチカバー8の外周部8bに固定されている。第1ストラッププレート18のR2側端部は、プレッシャープレート10の外周部に設けられた外方突出部10aに固定されている。
【0031】
プレッシャープレート移動機構12は、主に、ダイアフラムスプリング71から構成されている。このダイアフラムスプリング71の中央部からやや外周側の部分は、プレッシャープレート10の突起10bの先端に当接している(図1参照)。このダイアフラムスプリング71の突起10bに当接している部分の第2軸方向側の面には、押さえプレート72が当接している。この押さえプレート72は、筒状部材73aを介してプレッシャープレート10に固定されている。詳細には、押さえプレート72が、プレッシャープレート10のボルト孔10cにねじ込まれるスタッドピン73によって固定されている。したがって、ダイアフラムスプリング71は、プレッシャープレート10の突起10bと押さえプレート72の外周部との間に挟持された状態となっている。また、ダイアフラムスプリング71の外周端は、ワイヤリング70を介してクラッチカバー8に第2軸方向側から支持されている。
【0032】
このダイアフラムスプリング71の内周端には、レリーズ部材74が連結される。図示しないレリーズ装置がレリーズ部材74を第1軸方向側に押しているときにはダイアフラムスプリング71がプレッシャープレート10を第1軸方向側に押圧している状態となり、レリーズ部材74を第2軸方向側に引き上げているときにはダイアフラムスプリング71のプレッシャープレート10への押圧が解除された状態となる。
【0033】
<中間プレート>
中間プレート11は、第1摩擦ディスク3aと第2摩擦ディスク4aとの間に配置される環状のプレートである。この中間プレート11は、第1及び第2摩擦ディスク3a,4aに対向する摩擦面を軸方向両側面に有している。また、中間プレート11は、フライホイールスペーサ7に対して、相対回転不能にかつ軸方向移動可能にされている。具体的には、円周方向に沿って設けられた複数の第2ストラッププレート22によって、中間プレート11がフライホイールスペーサ7に連結されている。また、第2ストラッププレート22は、中間プレート11をフライホイール側(第1軸方向側)に付勢している。
【0034】
第2ストラッププレート22は、中間プレート11の外周側部分に配置されている。各第2ストラッププレート22は、弧状に延びる板ばねであり、フライホイールスペーサ7の切欠き7c内に配置されている。これらの第2ストラッププレート22は、R1側端部がフライホイールスペーサ7に固定され、R2側端部が中間プレート11に設けられた外方突出部11aに固定されている。この外方突出部11aは、中間プレート11の外周面から径方向外方に延び、フライホイールスペーサ7の切欠き7c内に位置している(図3参照)。
【0035】
<レバー機構>
レバー機構26は、クラッチ動作中におけるプレッシャープレート10の軸方向の移動に中間プレート11を連動させ、中間プレート11の軸方向移動量をプレッシャープレート10の軸方向移動量の約半分に規制する機構である。レバー機構26は、円周方向に4ヶ所設けられ、フライホイールスペーサ7の切欠き7b内及びその近傍に配置されている。レバー機構26は、主として、レバー部材27と、第1摩耗追従機構と、第2摩耗追従機構とから構成されている。
【0036】
(レバー部材)
レバー部材27は、図2及び図3に示すように、ツインクラッチ1の外周接線方向に延びる板金製の部材である。レバー部材27のR2側端部27aは、プレッシャープレート10に連動する係止補助部材33(後述)の外方突出板33bに第2軸方向側から係止している。レバー部材27のR1側端部27bは、フライホイールスペーサ7に固定されている。レバー部材27の中間部27cには後述する第2スタッドピン42が貫通する孔が開けられており、この孔の周りに対してダブルナット43,44(後述)が第2軸方向側から係止する。また、レバー部材27のR1側端部27bと中間部27cとの間には、湾曲部27dが形成されている。このように湾曲部27dが形成されているため、レバー部材27は、R1側端部27bがフライホイールスペーサ7に固定されている部分ではなく、それよりもR2側に寄った部分を中心に回動する。
【0037】
なお、レバー部材27の回転中心からダブルナット43,44が第2軸方向側から係止しているレバー部材27の中間部27cまでの距離は、レバー部材27の回転中心から係止補助部材33の外方突出板33bが第1軸方向側から係止しているレバー部材27のR2側端部27aまでの距離の約半分となっている。
(第1摩耗追従機構)
第1摩耗追従機構は、レバー部材27のR2側端部27aとプレッシャープレート10との間に介在し、両者を互いに係止させるものである。そして、この第1摩耗追従機構は、第1及び第2摩擦ディスク3a,4aの摩耗によりクラッチ連結時におけるプレッシャープレート10の軸方向絶対位置が移動したときに、後述する第1ブロック30と第1ロールピン31とが摺動して相対位置がずれることによって、レバー部材27のR2側端部27aの軸方向絶対位置を維持しつつ、レバー部材27のR2側端部27aとプレッシャープレート10との係止状態を保持する。
【0038】
第1摩耗追従機構は、プレッシャープレート10の外方突出部10aに固定される第1ブロック(第2部材)30と、第1ブロック30に摩擦係止する第1ロールピン(第1部材)31と、第1ロールピン31と一体化される係止補助部材(第1部材)33と、第1ロールピン31及び係止補助部材33の軸方向相対移動を規制するとともにこれらに対して軸方向に相対移動不能な第1スタッドピン32とから構成されている。
【0039】
第1ブロック30は、プレッシャープレート10の外方突出部10aの側面に固定されており、軸方向に貫通する孔が設けられている。
第1ロールピン31は、軸方向に延びるスリットが形成されている筒状部材であり、自身の拡張により第1ブロック30の孔の内面に押しつけられる。すなわち、第1ブロック30と第1ロールピン31とは摩擦係止しており、軸方向に強い力が作用しない限り、両者(第1ブロック30,第1ロールピン31)は軸方向に相対移動しないようになっている。
【0040】
係止補助部材33は、主として第1スタッドピン32によって、第1ロールピン31に対して軸方向移動が不能になるようにされている部材である。係止補助部材33は、断面がコの字状の内周部33aと、内周部33aの第1軸方向側の板から外方に延びる外方突出板33bとから構成されている。内周部33aの第1軸方向側の板及び第2軸方向側の板には孔が形成されている。これらの孔、及び第1ロールピン31は同芯であり、これらの孔、及び第1ロールピン31を第1スタッドピン32が貫通する。第1ロールピン31は、軸方向両端に頭部32a,32bを有しており、係止補助部材33と第1ロールピン31との軸方向相対移動を不能とする。すなわち、第1ロールピン31、第1スタッドピン32、及び係止補助部材33は軸方向に対して一体となっている。
【0041】
また、係止補助部材33の外方突出板33bには、レバー部材27のR2側端部27aの湾曲した凸面が第2軸方向側から当接している。
また、軸方向に一体となっている第1ロールピン31、第1スタッドピン32、及び係止補助部材33の中で第1軸方向側端にある第1スタッドピン32の頭部32aは、その第1軸方向側の面が、クラッチ連結時においてフライホイールスペーサ7に当接する(図3参照)。
【0042】
(第2摩耗追従機構)
第2摩耗追従機構は、中間プレート11の外周面に2つのボルト40bにより固定される第2ブロック(第4部材)40と、第2ブロック40に摩擦係止する第2ロールピン(第3部材;直接係止部材)41と、第2ロールピン41内を貫通し第2ロールピン41に対して軸方向に相対移動不能とされる第2スタッドピン(第3部材;間接係止部材)42と、ダブルナット(第3部材)43,44とから構成されている。
【0043】
第2ブロック40には、外方に突出する外方突出部40aが形成されている。この外方突出部40aには軸方向に貫通する孔が形成されており、この孔内に第2ロールピン41が配置されている。
第2ロールピン41は、軸方向に延びるスリットが形成されている筒状部材であり、自身の拡張により第2ブロック40の外方突出部40aの孔の内面に押しつけられる。すなわち、第2ブロック40と第2ロールピン41とは摩擦係止しており、軸方向に強い力が作用しない限り、両者(第2ブロック40,第2ロールピン41)は軸方向に相対移動しないようになっている。
【0044】
第2スタッドピン42は、第2ロールピン41内を貫通する部材であり、第1軸方向側に頭部42aを有している。頭部42aは、第2ロールピン41の第1軸方向側端に係止している。また、第2スタッドピン42は、レバー部材27の中間部27cの孔を貫通し、第2軸方向側に延びている。第2スタッドピン42の第2軸方向側の部分にはネジ溝が形成されており、ここにはダブルナット43,44がねじ込まれる。
【0045】
ダブルナット43,44は、第2スタッドピン42に第2軸方向側からねじ込まれる2つのナットであって、レバー部材27の中間部27cの孔よりも大きな外径を有している。第1軸方向側のナット43の第1軸方向側の面は、湾曲した凸状面となっており、レバー部材27の中間部27cに第2軸方向側から当接する。
【0046】
また、軸方向に一体となっている第2ロールピン41及び第2スタッドピン42の中で第1軸方向側端にある第2スタッドピン42の頭部42aは、その第1軸方向側の面が、クラッチ連結時においてフライホイールスペーサ7に当接する(図3参照)。
<ツインクラッチの動作>
次に、クラッチ連結動作及びクラッチレリーズ動作について、ツインクラッチ1の模式図である図5を参照しながら説明する。
【0047】
図1、図3及び図5(a)に示すクラッチ連結状態からレリーズ部材74が第2軸方向側に引き上げられると、クラッチがレリーズ(連結解除)される。レリーズ部材74が第2軸方向側に移動すると、ダイアフラムスプリング71が、ワイヤリング70を介してクラッチカバー8に支持されている外周部を支点として第2軸方向側に持ち上がる。この動きが押さえプレート72を介してプレッシャープレート10に作用し、プレッシャープレート10も第2軸方向側に持ち上がる(図5(b)参照)。
【0048】
すると、プレッシャープレート10の移動に伴い、外方突出部10aに固定されている第1ブロック30に摩擦係止している第1ロールピン31及び係止補助部材33も第2軸方向側に移動し、係止補助部材33の外方突出板33bがレバー部材27のR2側端部27aを第2軸方向側に持ち上げる。これにより、レバー部材27がR1側端部27b近傍の回転中心を中心に回動し、中間部27cに第2軸方向側から係止しているダブルナット43,44が、レバー部材27のR2側端部27aの移動量の約半分だけ第2軸方向側に持ち上がる。これに従い、ダブルナット43,44がねじ込まれている第2スタッドピン42、第2スタッドピン42の頭部42aに係止している第2ロールピン41、第2ロールピン41に摩擦係止している第2ブロック40、及び第2ブロック40が固定されている中間プレート11も、同じだけ第2軸方向側に持ち上がる。すなわち、中間プレート11は、プレッシャープレート10の第2軸方向側への移動量の半分だけ第2軸方向側へと持ち上がる(図5(b)参照)。
【0049】
一方、クラッチ連結時には、レリーズ部材74の第1軸方向側への移動にしたがってプレッシャープレート10が第1軸方向側に移動して、両摩擦ディスク3a,4aが中間プレート11を介してフライホイール2とプレッシャープレート10との間に挟み込まれるようになる。このときには、レバー部材27が上記クラッチレリーズ時と逆の動きをするため、中間プレート11は、第2ストラッププレート22の付勢力によって、その移動量がプレッシャープレート10の移動量の半分の移動量となるようにフライホイール側へと移動する。
【0050】
上記のように、ツインクラッチ1では、クラッチレリーズ時及びクラッチ連結時におけるプレッシャープレート10の軸方向移動量と中間プレート11の軸方向移動量との比がおよそ2:1となる。
<ツインクラッチの摩耗追従機能>
摩擦ディスク3a,4aが摩耗したときのツインクラッチの挙動について説明する。
【0051】
まず、第2摩擦ディスク4aが摩耗した場合には、第1摩耗追従機構が変形する。図5(a)に示す状態から第2摩擦ディスク4aが摩耗してその軸方向厚みが小さくなると、図6に示すようにプレッシャープレート10がクラッチ連結時においてそれまでよりも第1軸方向側に移動する。しかし、プレッシャープレート10に固定されている第1ブロック30が摩擦係止している第1ロールピン31は、軸方向相対移動不能の第1スタッドピン32がフライホイールスペーサ7によって第1軸方向側への移動が規制されているため、第1軸方向側に移動することができない。言い換えれば、第1ロールピン31、第1スタッドピン32、及び係止補助部材33は、摩擦ディスク3a,4aが摩耗しても、そのクラッチ連結時の軸方向絶対位置が第1軸方向側に移動することはない。このため、第1摩耗追従機構では、軸方向に摩擦係止している第1ブロック30と第1ロールピン31とが摺動する変形が生じ、それまで近接していた第1ブロック30と係止補助部材33の第2軸方向側の板との間に図6に示す隙間S1が現れるようになる。
【0052】
次に、第2摩擦ディスク4aに加えて第1摩擦ディスク3aも摩耗した場合には、第1摩耗追従機構とともに第2摩耗追従機構が変形する。第1摩耗追従機構は上記のように変形するが、第1ブロック30と係止補助部材33の第2軸方向側の板との間に出現する隙間S2(図7参照)は、両摩擦ディスク3a,4aの摩耗量に対応した大きさとなる。第2摩耗追従機構では、中間プレート11に固定されている第2ブロック40が摩擦係止している第2ロールピン41がフライホイールスペーサ7に規制されて第1軸方向側へ移動不能なため、第1摩擦ディスク3aに摩耗量に応じて、軸方向に摩擦係止している第2ブロック40と第2ロールピン41とが摺動する変形が生じる(図6及び図7を比較参照)。
【0053】
上記のように、ツインクラッチ1では、第1摩耗追従機構及び第2摩耗追従機構の変形により、摩擦ディスク3a,4aが摩耗したときにも第1ロールピン31や第2ロールピン41の軸方向の絶対位置(クラッチ連結時における絶対位置)は変化しない。すなわち、摩擦ディスク3a,4aが摩耗した場合にも、レバー部材27の各部の軸方向の絶対位置が変化することはなく、レバー部材27の姿勢も一定に保たれ続ける。
【0054】
<本ツインクラッチの特徴>
(1)
本実施形態のツインクラッチでは、第1及び第2摩耗追従機構の変形によって、摩擦ディスク3a,4aが摩耗したときにも、レバー部材27の各部の軸方向の絶対位置が変化することはなく、レバー部材27の姿勢も一定に保たれ続ける。したがって、レバー機構26による中間プレートとプレッシャープレートとの軸方向移動量の関係が、摩擦ディスク3a,4aの摩耗時にも変わらず維持されることになる。
【0055】
(2)
本実施形態のツインクラッチでは、ダブルナット43,44のねじ込み量を調整することによって、プレッシャープレート10の軸方向移動量と中間プレート11の軸方向移動量との比を所望の値に設定することができる。また、円周方向4ヶ所に設けられたレバー部材27それぞれに対して調整を行うことで、円周方向各部での比のずれを抑えることが可能となっている。
【0056】
【発明の効果】
本発明では、第1摩擦連結部が摩耗したときにも第2摩擦連結部が摩耗したときにも、第1及び第2摩耗追従機構の変形によってレバー部材の軸方向位置やレバー部材の姿勢が初期の状態に保たれるため、レバー部材により確保されるクラッチ連結及びクラッチレリーズの同時性が摩擦連結部が摩耗してきたときにも維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るツインクラッチの縦断面概略図。
【図2】ツインクラッチの一部透視平面図。
【図3】図2のIII矢視側面図。
【図4】レバー機構近傍の平面図。
【図5】ツインクラッチの動作を表す模式図。
【図6】第2摩擦ディスク摩耗時のツインクラッチの状態図。
【図7】第1及び第2摩擦ディスク摩耗時のツインクラッチの状態図。
【符号の説明】
1 ツインクラッチ
2 フライホイール
3 第1クラッチディスク組立体
3a 第1摩擦ディスク(第1摩擦連結部)
4 第2クラッチディスク組立体
4a 第2摩擦ディスク(第2摩擦連結部)
7 フライホイールスペーサ(クラッチカバー)
8 クラッチカバー
10 プレッシャープレート
11 中間プレート
12 プレッシャープレート移動機構
26 レバー機構
27 レバー部材
27a R2側端部(一端)
27b R1側端部(他端)
27c 中間部
30 第1ブロック(第2部材)
31 第1ロールピン(第1部材)
32 第1スタッドピン(第1部材)
33 係止補助部材(第1部材)
40 第2ブロック(第4部材)
41 第2ロールピン(第3部材;直接係止部材)
42 第2スタッドピン(第3部材;間接係止部材)
43,44 ダブルナット
71 ダイヤフラムスプリング

Claims (6)

  1. 摩擦面を有するフライホイールとトランスミッションのシャフトとの間でトルク伝達及びトルク遮断を行うツインクラッチであって、
    前記フライホイールの摩擦面に近接して配置される第1摩擦連結部を有し、前記シャフトにトルクを伝達可能な第1クラッチディスク組立体と、
    前記第1摩擦連結部の前記フライホイール側と反対側に配置される第2摩擦連結部を有し、前記シャフトにトルクを伝達可能な第2クラッチディスク組立体と、
    前記第1及び第2クラッチディスク組立体を覆うように前記フライホイールに固定されるクラッチカバーと、
    前記第1摩擦連結部と前記第2摩擦連結部との軸方向間に配置され、前記フライホイールあるいは前記クラッチカバーに連動して回転する中間プレートと、
    前記第2摩擦連結部の前記フライホイール側と反対側に配置され、前記クラッチカバーに連動して回転するプレッシャープレートと、
    前記クラッチカバーに支持され、前記プレッシャープレートを軸方向に移動させるプレッシャープレート移動機構と、
    一端が前記クラッチカバーに支持され、他端が前記プレッシャープレートの軸方向の動きに追随し、中間部が前記中間プレートに係止して、前記プレッシャープレートの軸方向移動量に対して前記中間プレートの軸方向移動量を規制するレバー部材と、
    前記レバー部材の他端と前記プレッシャープレートとの間に介在して前記レバー部材の他端と前記プレッシャープレートとを係止させる機構であって、前記第1及び第2摩擦連結部の摩耗によりクラッチ連結時の前記プレッシャープレートの軸方向絶対位置が移動したときに変形して前記レバー部材の他端の軸方向絶対位置を維持したまま前記レバー部材の他端と前記プレッシャープレートとの係止状態を保持する、第1摩耗追従機構と、
    前記レバー部材の中間部と前記中間プレートとの間に介在して前記レバー部材の中間部と前記中間プレートとを係止させる機構
    であって、前記第1摩擦連結部の摩耗によりクラッチ連結時の前記中間プレートの軸方向絶対位置が移動したときに変形して前記レバー部材の中間部の軸方向絶対位置を維持したまま前記レバー部材の中間部と前記中間プレートとの係止状態を保持する、第2摩耗追従機構と、
    を備えたツインクラッチ。
  2. 前記第1摩耗追従機構は、互いに摩擦係止する前記レバー部材側の第1部材と前記プレッシャープレート側の第2部材とを有しており、前記第1及び第2摩擦連結部の摩耗によりクラッチ連結時において前記プレッシャープレートの軸方向絶対位置が移動したときに前記第1部材と前記第2部材との摩擦係止部が摺動する変形を起こし、
    前記第2摩耗追従機構は、互いに摩擦係止する前記レバー部材側の第3部材と前記中間プレート側の第4部材とを有しており、前記第1摩擦連結部の摩耗によりクラッチ連結時において前記中間プレートの軸方向絶対位置が移動したときに前記第3部材と前記第4部材との摩擦係止部が摺動する変形を起こす、
    請求項1に記載のツインクラッチ。
  3. 前記第1摩耗追従機構の第1部材は、前記レバー部材の他端に前記フライホイール側から係止しており、
    前記第2摩耗追従機構の第3部材は、前記レバー部材の中間部に前記フライホイール側と反対側から係止している、
    請求項2に記載のツインクラッチ。
  4. 前記第1摩耗追従機構の第1部材は、クラッチ連結時において前記クラッチカバーに前記フライホイール側と反対側から当接し、
    前記第2摩耗追従機構の第3部材は、クラッチ連結時において前記クラッチカバーに前記フライホイール側と反対側から当接する、
    請求項2又は3に記載のツインクラッチ。
  5. 前記第1部材あるいは前記第3部材は、前記第2部材あるいは前記第4部材に摩擦係止する摩擦係止部材と、前記摩擦係止部材にねじ込まれるダブルナットとを有しており、
    前記第1部材の摩擦係止部材と前記レバー部材の他端との軸方向相対位置あるいは前記第3部材の摩擦係止部材と前記レバー部材の中間部との軸方向相対位置は、前記ダブルナットの前記摩擦係止部材に対するねじ込み量によって調整される、
    請求項2から4のいずれかに記載のツインクラッチ。
  6. 前記摩擦係止部材は、前記第2部材あるいは前記第4部材に直接摩擦係止する直接係止部材と、前記直接係止部材に対して軸方向移動不能であり前記ダブルナットがねじ込まれる間接係止部材とから構成されている、請求項5に記載のツインクラッチ。
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