JP3716876B2 - 磁気パターンの認識方法、磁気パターン認識装置および複合処理装置 - Google Patents

磁気パターンの認識方法、磁気パターン認識装置および複合処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気インク文字などの磁気パターンを認識する方法および認識装置、さらにこの認識機能を備えた複合処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金融機関などにおいては従来より磁気インク文字が使用されており、磁気インク文字の印刷されたチェック紙などが磁気インク文字識別装置によって選別され、集計等の作業が行われていた。近年、現金やカードと同様に多くのパーソナルチェックが店舗における買い物に使用されるケースが増加している。このパーソナルチェックの表面には、カスタマーアカウントやパーソナルチェックのシリアル番号などが磁気インク文字(MICR文字,Magnetic Ink Character Recognition)を用いて記載してあり、この磁気インク文字を磁気ヘッドで読み取り、これらのデータを照会することによって、パーソナルチェックの有効・無効が確認できるようになっている。
【0003】
このため、各々の店舗の会計処理ステーション(POSステーション)に磁気インク文字を認識するための装置が設置されるようになっており、これらの多くの装置は直流モータを用いてパーソナルチェック用紙を搬送しながら磁気ヘッドによって磁気インク文字を認識するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
個々の店舗のPOSステーションにおいては、小型で操作が簡単でありオペレーションミスの発生する可能性の少ない装置が要求されている。パーソナルチェックに関しても、磁気インク文字(以下においてはMICR文字)を識別するMICRリーダに通した後にプリンタに設置して裏書き印字(エンドースメント印字)を行うといった処理が必要となる。このため、図1に示すようなMICRリーダとプリンタの機能を兼ね備えた複合処理装置が開発されている。図1に示した複合処理装置は、2つのロール紙を収納しており、一方のロール紙にはジャーナル印字を、また他方のロール紙にはレシート印字を行い、本体の下方から挿入した単票用紙(スリップ用紙)にも印字できるプリンタをベースに、さらに、MICRリーダとしての機能も搭載した複合処理装置である。このため、複合処理装置の紙経路にはMICR文字を読み取るための磁気ヘッドが装着されており、この磁気ヘッドで検出された検出波形を基準波形と比較し、MICR文字が判別できるようになっている。このような複合処理装置(プリンタ)は、小型・高機能であり、さらに、パーソナルチェックを用いた処理を一括して自動的に行うことができるのでPOSステーションを構成するプリンタとして適しており、今後、商店やホテルなどに多用されるものである。
【0005】
このような小型で多機能化された複合装置においては、MICR文字を高い認識率識別できることが重要である。例えば、金融機関などにおいて従来から用いられている大型のMICR文字識別装置や、MICR文字を読む機能だけを搭載したMICRリーダにおいてはMICR文字を認識するのに最適な経路や速度などを設定することができる。これに対し、小型で多機能化された装置においては、紙送り用のモータや紙経路を印刷機能と兼用することが望ましいため、必ずしもMICR文字を識別するために最適な環境を構築できるとは限らない。例えば、紙送り用のモータとして印刷の位置決めの簡単なパルスモータを兼用する場合は、直流モータなどのMICR文字を読み取るために最適なモータと比較すると、紙送りする際の速度に微小な変動があり読み取り誤差の原因となることがある。しかしながら、MICR文字の読み取り専用にモータおよび駆動系を設置すると装置が大型化し、制御回路、コストおよび重量も増加してしまう。
【0006】
また、POSステーションなどで取り扱うパーソナルチェックの状態は様々である。表面の汚れや歪みなどによって判別が困難な状態のMICR文字が付されたチェック紙も取り扱う必要があり、これらに対してもできるかぎり高い認識率が要求される。
【0007】
そこで、本発明においては、MICR文字などの磁気パターンが必ずしも最良な状態で検出できない場合であっても、高い認識率を確保できる磁気パターンの認識方法およびその装置を提供することを目的としている。そして、POS用のプリンタ機能も兼ね備えた小型の複合処理装置に適した、高いMICR文字認識率を実現できる磁気パターンの認識方法および認識装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、磁気ヘッドによって検出された磁気パターンの検出波形を基準波形と単純に比較するだけでなく、複数の磁気パターンの間隔を識別し、その間隔に基づき基準波形を伸縮して検出波形と比較し、認識率を高めるようにしている。
すなわち、本発明は、複数の文字に対応した磁気パターンの付された領域に対し磁気ヘッドを相対的に移動させながら前記磁気パターンの検出波形を得て、この検出波形と基準波形を比較することによって前記磁気パターンを認識する方法であって、各々の文字間情報を識別する第1の工程と、前記文字間情報に基づき前記基準波形を伸縮し、この伸縮された基準波形と前記検出波形を比較する第2の工程とを有することを特徴としている。
【0009】
MICR文字のような磁気パターンは規格に従った間隔で付されている。従って、検出された間隔を規格化された間隔と比較して基準波形を伸縮することにより、皺や歪みなどの磁気パターンの付された領域の状態、あるいは、モータの回転速度の変動や速度誤差などの磁気パターンを検出する状態を反映でき、検出された波形に基準波形を近づけることにより、磁気パターンの認識率を高くできる。特に、第2の工程において、基準波形の全体を伸縮するのではなく、基準波形の一部のみを伸縮して検出波形と比較することにより、認識率を大幅に向上できることが発明者らによって見いだされている。この認識方法は、特に、パルスモータを用いた移動手段のように移動速度に多少の変動が伴う場合や、MICR文字の付された表面に皺がよったり歪みの発生しやすいチェック紙などを読み取る場合に適している。
【0010】
さらに、基準波形の一部のみを伸縮する場合は、基準波形の変化量の少ない部分のみを伸縮することが望ましく、これによって基準波形のピークの形状は殆ど変動しないので、検出波形が一義的に認識される確率が高くなる。
【0011】
また、基準波形を全体的に伸縮して検出波形と比較する処理も併用することにより、さらに、認識率は向上される。
【0012】
本発明の磁気パターンの認識方法は、複数の文字に対応した磁気パターンの付された領域に対し磁気ヘッドを相対的に移動させる移動手段と、前記磁気ヘッドが検出した前記磁気パターンの検出波形と基準波形を比較して前記磁気パターンを認識する認識手段と、各々の前記磁気パターンに対応した文字間情報を識別する手段と、前記文字間情報に基づき前記基準波形を伸縮する波形伸縮手段とを有する磁気パターン認識装置に適用でき、認識手段が、伸縮された基準波形を用いて検出波形との比較ができるようにすれば良い。また、認識率を高めるには、波形伸縮手段が基準波形の一部のみを伸縮する手段を備えていることが有効である。
【0013】
さらに、複数の文字に対応した磁気パターンの付された領域に対し磁気ヘッドを相対的に移動させる移動手段と、前記磁気ヘッドが検出した前記磁気パターンの検出波形と基準波形を比較して前記磁気パターンを認識する認識手段と、各々の前記磁気パターンに対応した文字間情報を識別する手段と、前記文字間情報に基づき前記基準波形を伸縮する波形伸縮手段とを設け、認識手段によって伸縮された基準波形を用いて検出波形と比較できるようにすれば良い。このような複合処理装置は、本発明の認識方法を用いて磁気パターンを認識できるので、磁気インク文字などの磁気パターンに対し高い認識率を備えた小型で安価な複合処理装置を提供できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下においては、上述した図1に示したようなプリンタをベースにMICR文字(磁気インク文字)の認識機能を備えた複合処理装置(以下においてはプリンタ)10に基づき説明する。本例のプリンタ10は、本体11の左右に延びた移動軸12に沿ってプリンタヘッド(印刷ヘッド)13が移動しながらジャーナル印字、およびスリップ印字を行う。本例のプリンタヘッド13は、たとえばワイヤードットタイプであり、ヘッド13に内蔵されたワイヤーをプラテン14に向かって駆動しインクリボンをインパクトすることによって、ロール紙15あるいは単票用紙16に印字を行う。プリンタヘッド13はタイミングベルトやヘッド送り用のパルスモータを用いたプリンタヘッド駆動手段によって動かされ、プラテン14に沿って左右に動いてロール紙15あるいは単票用紙16の所定の位置に印字を行う。ロール紙15あるいは単票用紙16は、後述するフィードローラー群、および紙送り用のパルスモータなどによって構成される紙送り機構によってプリンタヘッド13の移動方向と直角に送られる。ロール紙15は本体11の後方11bにセットされ、後方11bからプラテン14とプリンタヘッド13の間を通って本体11の上方11cに導かれる。本例のプリンタ10は、2本のロール紙15をセットでき、店舗の記録用のジャーナル紙および領収書として使用するレシート紙の印刷が可能である。
【0015】
さらに、本例のプリンタはMICRデータを持ったパーソナルチェックなどの単票用紙(チェック紙)16の処理も行えるようになっている。チェック紙16は、本体11の前方11aに用意された用紙挿入口21から、後述する紙経路を通ってプリンタヘッド13とプラテン14との間に導かれ、印刷が終了した後は、プリンタの上方11cから排出される。
【0016】
以下の説明において、単票用紙としてパーソナルチェック16を用いた場合を例にとって説明する。なお、本例のプリンタは、パーソナルチェック以外にも、帳票類や、レシートなど様々な単票用紙に対し印刷できることはもちろんである。本例で参照しているパーソナルチェック16は、店舗の支払いに使用される個人使用用の小切手であり銀行で発行される。パーソナルチェックの表面16aには、使用者のアカウントなどがMICR文字17で印刷されている。MICR文字は文字形状や印字品質が規格化されており、また、パーソナルチェック上の印刷位置も規格化されている。従って、パーソナルチェックの所定の領域を磁気ヘッドでサーチすることによってMICR文字に対応した波形が得られ、この波形を基準波形と比較することによって印刷されたデータを判別できる。この際、磁気ヘッドでサーチする前にMICR文字の付された領域に磁石を当て、MICR文字を磁化している。
【0017】
パーソナルチェック16の表面16aには、さらに、払われる金額や支払い者のサインが記入される。また、パーソナルチェック16の裏面16bには、使用された日時、店舗名、金額などの記録が裏書き(エンドースメント印字)18される。店舗の担当者がパーソナルチェックを受け取ると、まず、MICR文字で記載されたデータからパーソナルチェックの有効・無効を確認し、次に、有効なパーソナルチェックにはエンドースメント印字を施す。
【0018】
本例のプリンタにおいては、プリンタヘッド13によってエンドースメント印字18が可能なように、裏面16bを上にしてパーソナルチェック16はセットされる。このため、パーソナルチェック16が挿入口21から挿入されると、MICRデータ17は下方を向いてプリンタ本体の右側に沿って置かれる。
【0019】
図2に、本例のプリンタ10の紙経路20に沿って配置されたMICR文字の認識処理に係わる部分の構成を示してある。紙経路20の挿入口21から順番に、チェック紙に印刷されたMICR文字を再磁化するための永久磁石32、MICR文字による波形を検出するための磁気ヘッド31が配置されている。チェック紙は紙送りローラ29に挟まれて紙経路20に沿って導かれ、磁石32および磁気ヘッド31を順番に通過し、チェック紙に印刷されたMICR文字が検出される。紙経路20には、さらに、印刷ヘッド13が設置されており、MICR文字によって記載されたアカウントなどの情報が確認されると、紙送りローラ29によってチェック紙がさらに搬送され、印刷ヘッド13によってエンドースメント印字が連続して行えるようになっている。
【0020】
MICR文字を検出した磁気ヘッド31は、MICR文字検出回路61を介してプロセッサ67に検出波形を送る。MICR文字検出回路61は、磁気ヘッド31で検出された磁束密度の変化による微小な電圧変化を増幅する増幅回路62と、様々なノイズやMICR文字の印刷不良による不要な信号を除去するフィルタ回路63と、フィルタ回路63を通過したアナログ信号をA/D変換してディジタル値を出力するA/D変換回路64を備えている。フィルタ回路63は、チェック紙に対する紙送り速度とMICR文字の規格に従った配列間隔の長さによって定まるカットオフ周波数を用いて磁気ヘッド31からの不要な信号を除去できるようになっている。プロセッサ67は、MICR文字検出回路61から送られた検出波形をRAM68に一次的に保管する。そして、MICR文字の検出が終了すると、RAM68に一次的に保管された検出波形と、ROM69に記憶されている基準波形とを比較してMICR文字を認識する。MICR文字を識別できるとその結果を外部のコンピュータなどに出力する。もちろん、MICR文字の検出波形を直接コンピュータに転送し、コンピュータ側でMICR文字の認識に関する処理を行うことも可能である。本例のプリンタ10においては、プロセッサ67が紙送りローラ29などの搬送機構を制御する機能も備えており、モータ制御回路65を介して搬送用のパルスモータ45を制御し、MICR文字の読み取り用と、印刷用とにパルスモータ45を兼用できるようになっている。さらに、プロセッサ67は、プリンタヘッド13を用いて印刷を行う印刷制御回路66を制御する機能も備えている。
【0021】
このように、本例のプリンタ10は単票用紙へ印字する機能に加え、チェック紙等の単票用紙に印刷されたMICRデータを読み取る機能を備えた複合処理装置である。そして、同一の紙経路内を送られるチェック紙に対し、印刷とMICRデータの読み取りの両方が可能なようにこれらの機能は配置されており、パーソナルチェックに付されたMICR文字の読み取りと、パーソナルチェックへのデータの印刷、本例では特に裏書き印字を連続して処理できる。また、本例のプリンタは小型化および構造、制御などの簡略化を図り、多機能型のプリンタを安価に提供できるように、磁気ヘッド31にチェック紙16を送る紙送り機構と、プリンタヘッド13にチェック紙16を送る紙送り機構とを共通にしてある。このため、精度の高い位置制御が可能であり、さらに、搬送スピードを制御できるパルスモータを用いている。
【0022】
図3に、MICR文字認識に係る本例のプリンタ10の機能ブロックを示してある。プロセッサ67の制御部50の制御の下に搬送制御部51がモータ制御回路65を介してチェック紙を搬送し、磁気ヘッド31によりMICR文字を検出する。磁気ヘッド31によって検出された検出波形は、MICR文字検出経路61を介してプロセッサ67に入力され、プロセッサ67の文字検出部52が検出波形をいったんRAM68の検出波形記憶部68aに記憶する。そして、MICR文字の検出が終了すると、文字切出部53がRAMの検出波形記憶部68aに記憶された検出波形から1文字ごとの開始位置を検出し、各文字毎に検出波形を切りだす。切りだされた検出波形が文字認識部54によってROM69の基準波形記憶部69aに記憶されている基準波形と比較され、文字認識が行われる。本例のプリンタ10においては、基準波形を伸縮する機能を備えた基準波形供給部55を備えており、文字切出部53で得られた文字間情報を用いて基準波形を伸縮し、その基準波形を文字認識部54に供給できるようになっている。文字認識部54において検出波形から文字が一義的に決まった場合は、その認識結果がRAM68の認識結果記憶部68bに記憶される。文字認識部54において検出波形から文字が一義的に決定できない場合は、チェック紙を磁気ヘッドに対し再び移動させてMICR文字を再検出したり、オペレータに文字認識ができなかった旨を表示するなどのエラー処理が行われる。
【0023】
図4に示したフローチャートに基づき本例のプリンタ10における文字認識処理をさらに詳しく説明する。まず、ステップ71において、RAM68に記憶されている検出波形から文字開始位置を検出する。図5に示すようなMICR文字列「・・5012・・」が付されたチェック紙が磁気ヘッドに対し矢印Aのように送られると、各MICR文字は矢印Aの方向から検出され検出波形が得られる。例えば、MICR文字「0」に対しては、図6(a)に示すような基準波形に沿った検出波形が得られ、MICR文字「1」に対しては、図6(b)に示すような基準波形に沿った検出波形が得られる。これらの検出波形の第1番目のピーク(図6(a)および(b)の左端のピーク)が文字開始位置として識別される。
【0024】
次に、ステップ72において、文字開始位置から文字間情報を取得する。MICR文字は規格(例えば、ISO−1004)に従って記載されており、文字開始位置の間隔L0は一定(例えば、3.175+/−0.254mm)となるように印刷されている。従って、ステップ72においては、各々の文字開始位置の間隔L1およびL2を規格化された間隔L0と比較することによって、MICR文字の検出が基準となる状態から縮んでいるのか、あるいは伸びているのかを判断できるようにしている。例えば、文字間隔L1が基準値L0より短ければMICR文字は圧縮して検出されている可能性があり、文字間隔L2が基準値L0より長ければMICR文字が伸長されて検出されている可能性がある。
【0025】
文字間情報が得られると、ステップ73において1文字分の検出波形を切りだし、ステップ74において、切りだされた検出波形の正規化を行う。正規化を行う方法としては、検出波形の振幅の絶対値の最大を求めて、その値を用いて検出波形全体を正規化する方法と、所定の値から正の方向の最大値と負の方向の最大値をそれぞれ求めて、正の最大値で正の成分を正規化し、負の最大値で負の成分を正規化する方法などがある。本例では、検出する際の基準電圧にばらつきがでたり、増幅器の特性によって正負の出力電圧にアンバランスがでることがあるので、正負それぞれの側で正規化することにより認識率が高められるようにしている。
【0026】
検出波形の正規化が終了すると、ステップ75において、まず、基準波形と単純比較を行う。比較する際は、正規化された検出波形と基準波形の各サンプリング点における差分の合計を求める誤差関数を用いている。そして、唯一の基準波形に対してこの誤差関数の値が所定の値より小さくなった場合に検出波形から文字が決定できたものとしている。ステップ76において、1文字が決定できたか否かを判断し、1文字に決定できた場合はステップ77において文字を確定する。そして、認識結果をRAM68に保存した後、ステップ71に戻って次の検出波形に対する処理を繰り返す。
【0027】
単純比較では1文字に決定できなかった場合はステップ78に移行し、スライド比較を行う。このスライド比較においては、基準波形を時間軸に沿って前後にスライドさせて検出波形との間で上記の誤差関数を計算する。図6に示したような基準波形に近い検出波形が得られている場合は、これらの工程で殆どの文字が決定できる。ステップ79において、1文字に決定できたか否かを判断し、決定できなかった場合はステップ80に移行する。
【0028】
ステップ80においては、ステップ72において取得していた文字間情報を用いて検出波形が伸縮されている可能性を判断する。文字間の伸縮がない場合は、ステップ85に移行し、基準波形を前後方向に段階的に伸縮させて誤差関数を求め、ステップ86において1文字に決定できるか否かを判断する。
【0029】
一方、文字間が大きく伸縮されている場合は、ステップ83に移行し、まず、各基準波形によって予め定められている点を基準に文字間の伸縮情報に基づいて基準波形の片側のみを伸縮し、誤差関数を求める。ステップ84において1文字に決定できない場合は、さらにステップ86において基準波形を段階的に伸縮させて1文字に決定できるか否かを判断する。
【0030】
さらに、文字間の伸縮が小さい場合は、まず、ステップ81において、文字間の伸縮情報に基づいて基準波形の両側を伸縮し、1文字に決定できるか否かをステップ82で判断する。決定できない場合は、ステップ83に移行し、文字間が大きく伸縮されている場合と同様に基準波形の片側を伸縮して比較する。
【0031】
このように、本例の文字認識方法においては、文字間の伸縮情報を用いて基準波形を伸縮し、MICR文字の認識率を高めるようにしている。文字間が伸縮されている場合は、MICR文字自体も伸縮されて検出されている可能性が大きいからである。さらに、本例においては、文字間の伸縮が大きい場合は、基準波形全体を伸縮させるのではなく、図7(a)および図7(b)に示すように、基準波形の所定の位置から前後いずれか片方を伸縮させるようにしている。伸縮する個所は、基準波形の前半部と後半部の区切りとなるような個所が望ましく、さらに、単位時間当たりの変化量が少ない個所が望ましい。また、基準波形を伸縮しても他の基準波形に近似しない場合は伸縮量を大きくしておくことが望ましい。特に、基準波形の変化量の少ない部分を伸縮させることにより、判別結果の得やすいピークの形状を変化させずに済むので認識率を向上させることが可能となる。さらに、基準波形の前方は文字開始位置として識別されるので、本例においては、基準波形の後方の部分を時間軸の前後に動かすことによって基準波形を伸縮している。また、基準波形の伸縮の基準となるポイントや、伸縮のピッチなどはそれぞれの基準波形に対し予めテーブル化されており、基準波形供給部55においては、文字間情報に基づき予め定められたピッチおよび個所で基準波形を伸縮できるようにしてある。
【0032】
このように基準波形の全体を伸縮させるのではなく、一部のみを伸縮させることによって認識率を大きく向上させられることが発明者らの実験によって判明している。これは、基準波形を一義的に決定しにくい検出波形は、全体が圧縮あるいは伸長されているケースより、チェック紙を磁気ヘッド上に通過させる際の搬送速度の微小な変動や、MICR文字の記載された個所の部分的なしわあるいは歪みどの原因によってMICR文字の一部が圧縮あるいは伸長されて検出されているケースが多いからであると考えられる。
【0033】
これらの工程において基準波形の一部あるいは全体を伸縮させて検出波形と比較し、一義的に文字が決定できた場合は、ステップ71に戻って次の検出波形を切りだし、上記の工程を繰り返す。一方、基準波形を伸縮させても一義的に文字が決定できなかった場合は、ステップ87においてエラー処理を行い文字認識処理を終了する。エラー処理においては、自動的にチェック紙を紙経路20にそってバックフィードし、再び磁気ヘッド31の前面を通過させてMICR文字の読み取りを行うことが考えられる。あるいは、オペレータに対し認識できなかった個所を示してマニュアルで入力させることも可能である。また、MICR文字を識別ができなかったとしてチェック紙をプリンタ10から排出しても良い。
【0034】
このように本例のプリンタ10においては、MICR文字を認識する処理において、文字間情報を用いて基準波形を伸縮させて認識率を高めている。さらに、文字間の伸縮が大きな場合は、基準波形を均等に圧縮あるいは伸長するのではなく、その一部のみを圧縮あるいは伸長して検出波形と比較することにより、さらに認識率を高めている。従って、パルスモータを用いてチェック紙を搬送する本例のプリンタのように、多機能で必ずしもMICR文字を検出するために最適な環境を実現できない機器においても十分な認識率を得ることが可能となる。従って、MICR文字検出機能を備えた小型で多機能の複合処理装置を実現できる。また、本例のMICR文字の認識方法を採用することにより、店舗のPOSステーションなどにおいて取り扱うことの多い、皺や歪みのあるチェック紙に対してもMICR文字の認識率を高めることができるので、オペレータの手間を軽減し、より確実に、そして簡単に会計処理を行えるMICR文字認識装置を提供することができる。
【0035】
なお、本例においては、MICR文字の付されたチェック紙を処理可能なプリンタをベースとした複合処理装置を例に説明しているが、磁気カードリーダなどの他の磁気パターンを認識する装置に対しても適用できることはもちろんである。また、チェック紙に対し磁気ヘッドの側を動かして磁気パターンを読み取る装置に対しても本発明の認識方法を適用できることはもちろんである。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の磁気パターンの認識方法は、磁気パターン間の情報を用いて基準波形を伸縮して検出波形と比較するようにしており、パルスモータを用いた複合処理装置のように磁気ヘッドに対する移動速度に微妙な変動があったり、あるいはチェック紙のように磁気パターンの側に歪みや皺があるなどの読み取りエラーの原因を備えた磁気パターンに対しても十分な認識率を確保することができる。従って、本発明により、店舗などの比較的条件の良くない環境で用いられるような小型で安価な磁気パターン認識装置の認識率を高くすることが可能となる。また、磁気パターンの認識機能に加え印刷機能などを兼ね備えた複合処理装置においても、パルスモータなどの影響を抑制して十分な認識率が得られるので、小型で認識率が高く高機能の複合処理装置を安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合処理装置の概要を示す斜視図である。
【図2】図1に示す複合処理装置のMICR文字を認識する機構の概要を示す概念図である。
【図3】図1に示す複合処理装置のMICR文字を認識する部分の機能ブロック図である。
【図4】図1に示す複合処理装置においてMICR文字を認識する処理を示すフローチャートである。
【図5】検出波形を得るためのMICR文字列の例を示す図である。
【図6】検出波形と比較するための基準波形の例を示す図であり、図6(a)は「0」の基準波形を示し、図6(b)は「1」の基準波形を示す図である。
【図7】基準波形の一部を伸縮した波形を示す図であり、図7(a)は「0」の基準波形を伸縮した状態を示し、図7(b)は「1」の基準波形を伸縮した示す図である。
【符号の説明】
10・・プリンタをベースとした複合処理装置
11・・プリンタ本体
12・・移動軸
13・・プリンタヘッド
14・・プラテン
15・・ロール紙
16・・単票用紙(パーソナルチェック)
20・・紙経路
21・・挿入口
29・・紙送りローラー
31・・磁気ヘッド
32・・磁石
45・・パルスモータ
50・・制御部
51・・搬送制御部
52・・文字検出部
53・・文字切出部
54・・文字認識部
55・・基準波形供給部
61・・MICR文字検出回路
62・・増幅回路
63・・フィルタ
64・・A/D変換回路
65・・モータ制御回路
66・・印刷制御回路
67・・プロセッサ
68・・RAM
69・・ROM

Claims (9)

  1. 複数の文字に対応した磁気パターンの付された領域に対し磁気ヘッドを相対的に移動させながら前記磁気パターンの検出波形を得て、この検出波形と基準波形を比較することによって前記磁気パターンを認識する方法であって、
    各々の文字間情報を識別する第1の工程と、
    前記文字間情報に基づき前記基準波形を伸縮し、この伸縮された基準波形と前記検出波形を比較する第2の工程とを有することを特徴とする磁気パターンの認識方法。
  2. 請求項1において、前記第2の工程は、前記基準波形の一部のみを伸縮して前記検出波形と比較する第3の工程を備えていることを特徴とする磁気パターンの認識方法。
  3. 請求項2において、前記第3の工程では、前記基準波形の変化量の少ない部分のみを伸縮することを特徴とする磁気パターンの認識方法。
  4. 請求項2において、前記第3の工程では、前記基準波形の後方の部分をのみを時間軸の前後に動かすことによって基準波形を伸縮することを特徴とする磁気パターンの認識方法。
  5. 請求項1において、前記磁気パターンは磁気インク文字であることを特徴とする磁気パターンの認識方法。
  6. 複数の文字に対応した磁気パターンの付された領域に対し磁気ヘッドを相対的に移動させる移動手段と、
    前記磁気ヘッドが検出した前記磁気パターンの検出波形と基準波形を比較して前記磁気パターンを認識する認識手段と、
    各々の前記磁気パターンに対応した文字間情報を識別する手段と、
    前記文字間情報に基づき前記基準波形を伸縮する波形伸縮手段とを有し、
    前記認識手段は、前記伸縮された基準波形を用いて前記検出波形と比較可能であることを特徴とする磁気パターン認識装置。
  7. 請求項6において、前記波形伸縮手段は、前記基準波形の一部のみを伸縮する手段を備えていることを特徴とする磁気パターン認識装置。
  8. パルスモータを備えた紙送り手段と、
    前記紙送り手段によって送られた紙片に印刷する印刷手段と、
    前記紙送り手段によって送られた前記紙片に付された複数の文字に対応した磁気パターンを検出する磁気ヘッドと、
    前記磁気ヘッドが検出した前記磁気パターンの検出波形と基準波形を比較して前記磁気パターンを認識する認識手段と、
    各々の前記磁気パターンに対応した文字間情報を識別する手段と、
    前記文字間情報に基づき前記基準波形を伸縮する波形伸縮手段とを有し、
    前記認識手段は、前記伸縮された基準波形を用いて前記検出波形と比較可能であることを特徴とする複合処理装置。
  9. 請求項8において、前記波形伸縮手段は、前記基準波形の一部のみを伸縮する手段を備えていることを特徴とする複合処理装置。
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