JP3714453B2 - 吸着性シート及びその製造方法並びに空気浄化用フィルター - Google Patents

吸着性シート及びその製造方法並びに空気浄化用フィルター Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱臭機能を有する吸着性シート、及び除塵機能と脱臭機能を有した空気浄化用フィルター、並びにその吸着性シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、粒状活性炭は、安価且つ通気性が良好な上、エアロゾルや溶液中の溶質に対して強力な吸着能を示すため、気体や液体の浄化や脱臭等に一般的に利用されている。
【0003】
このような粒状活性炭を空気浄化用フィルターに適用する技術の1つとして、浄化したい空気をシート面に対して直交方向に通気させて用いるシート状吸着材がある。しかしながら、かかるシート状吸着材の中の粒状活性炭は、それ自体のみではろ過膜として成形することが容易ではなく、仮に何らかの担体を用いて濾過膜を形成することができたとしても、担体から簡単に剥離して流失してしまうという問題を有する。このような事情から、上記粒状活性炭を空気浄化用フィルターの素材として有効に利用できる技術の開発が望まれている。
【0004】
一方で、粉塵汚染の問題の高まりとともに、空気清浄用フィルターとして除塵機能を有するフィルターと脱臭機能を有するフィルターを組み合わせて配置したものが要望されてきている。しかしながら、除塵フィルターと脱臭フィルターを分離させて別々に存在させる形状では、スペースの問題やコスト的に高価になりやすいといった問題があった。
【0005】
粒状活性炭を空気浄化用フィルターの素材として有効に利用する技術としては、現在、不織布、ネット状基材、又はポリウレタンフォームに活性炭を担持する方法が知られている。
【0006】
例えば、特開昭48―72088号公報には、不織布に接着剤を付着させ、その後活性炭を散布して得られた吸着性シートが開示されている。しかし、かような吸着性シートは、活性炭を強固に固持しようとすれば接着剤を多量に不織布一面に覆うことが必要となり、その結果、通気抵抗が高くなり、また比較的粗い粉塵たとえば、花粉、砂塵、スパイク粉塵等に対して早期の目詰まりを起こしやすいという問題があった。
【0007】
又、特開平9―285531号公報には、圧損を低減するためにネット状基材にバインダーを塗布し、その後活性炭を担持させた吸着性シート、特公平4―35201号公報には、ポリウレタンフォームにバインダーを塗布し、その後活性炭を担持させた吸着性シートが開示されている。しかし、このような吸着性シートは、実際のフィルター用途として使用するには、更に何らかの活性炭脱落防止用シートを少なくとも下流側に重ね合わせることが必要である。また、単純に重ね合わせるだけでは風圧によって使用中に活性炭脱落防止用シートがはがれ落ちるので、何らかの方法で固定する必要がある。その1つの方法として接着剤を使用する方法があるが、この方法では結局上述と同じ現象が生じ、通気抵抗が高くなる。またバインダーを使用しない方法としてニードルパンチによる交絡法があるが、活性炭の担持力が弱いため、活性炭の脱落が大きくなり、このため脱臭性能の低下を招き、実用上問題であった。
【0008】
また、米国特許第5605746号明細書には、熱融着性繊維と他の繊維との複合繊維で形成された不織布マトリックス内に、粒状活性炭等を熱融着により固定した繊維構造体が開示されている。また、このような繊維構造体の製造方法として、米国特許第5674339号明細書には、熱融着性繊維と他の繊維とを含む開かれた繊維質ウエブ構造を乾式形成し、その構造内に適当なサイズと重量等の粒状活性炭を分散して取り込ませた後、加熱して熱融着により粒状活性炭等を固定する製造方法が開示されている。
【0009】
しかしながら、上記のように熱融着性繊維により粒状活性炭を固定する方法では、粒状活性炭が脱落しないように確実に固定するのが一般に困難であるため、上述の従来技術と同様に、粒状活性炭の強固な保持と、吸着性能や通気性との両立が困難であった。
【0010】
上記で説明した通り、粒状活性炭を強固に保持し、悪臭ガスに対する吸着性能や折り曲げ加工性に優れ、且つ、圧損が低く、粉塵に対する目詰まりが生じ難い吸着性シートや空気浄化用フィルターで満足のいくものは得られていないのが現状である。
【0011】
一方、除塵性能不足の問題を解決するために、除塵フィルターと脱臭フィルターを積層一体化したフィルターが種々提案されている。
【0012】
例えば、特開平4―74505号公報には、エレクトレット化不織布を用いた除塵フィルターとラテックス中に粒状活性炭を分散させた脱臭フィルターをホットメルト接着剤により接着し、プリーツ形状に一体成型したフィルターが開示されている。しかし、この公報に開示されているエレクトレット化不織布は、いわゆるスパンボンドタイプのエレクトレット不織布であり、この不織布では、除塵機能が不十分である。また、早期に目詰まりが発生し、急激な圧損上昇を生じるため、脱臭シートの寿命が来る前にフィルター寿命を来してしまい、フィルター機能及び経済上問題のあるものであった。
【0013】
また、特開平7―265640号公報には、エレクトレット繊維を起毛させ粉塵を3次元的に捕捉し目詰まりを生じにくくしたフィルターが開示されている。しかし、この公報に開示されているエレクトレット繊維も、いわゆるスパンボンドタイプのエレクトレットフィルターであり、帯電率が低く充分満足できる除塵効率が得られなかった。
【0014】
上記の通り、十分な除塵効果を発揮し、且つ、フィルター寿命の長い複合機能(除塵及び脱臭)フィルターは、存在しないのが現状である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、通気性が良好で、且つ、活性炭の保持性に優れた吸着性シート、及び優れた除塵性能が長期に渡って維持される空気浄化用フィルター、並びにその吸着性シートの製造方法を提供することにある。
【0016】
本発明者らは、上記課題を解決するために、繊維による粒状活性炭の保持構造及びその形成に関して種々検討した結果、接着剤で活性炭を固定するのではなくて、実質的に支持繊維により粒状活性炭を固定することにより、粒状活性炭の固定強度と通気性が共に良好な吸着性シートが得られることを見出した。
【0017】
また、上記のシートは、粒状活性炭と支持繊維を混抄し、湿式抄紙することにより好適に製造できることを見出した。その際、上記の粒状活性炭と支持繊維に加えて、接着性繊維を少量添加することにより、支持繊維による粒状活性炭の保持構造をより強固な安定したものとすることが可能となることを見出した。
【0018】
また、前記脱臭シートとエレクトレット不織布を積層一体化したものであり、さらにはエレクトレット繊維がフィルムスプリット型エレクトレット繊維であることを特徴とする吸着性シートを提供するものである。また、本発明は、上記の吸着性シートを、プリーツ状又は波状に成型されてなることを特徴とする空気浄化用フィルターを提供するものである。
【0019】
本発明者らは、上記の知見を基に、さらに重ねて検討した結果、本発明に到達したものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
即ち、上記目的は、次のごとき本発明により達成できる。
【0021】
即ち、本発明の吸着性シートは、粒状活性炭含有シートを有する吸着性シートであって、前記粒状活性炭含有シートは、平均粒子径100〜600μmの粒状活性炭と、その粒状活性炭に接触して固定する繊維径15μm以上の支持繊維と、主に形状保持に寄与する接着性繊維とを含むと共に、一方の表面には粒状活性炭を含有しない表面層が繊維を介して一体的に形成され、かつ他方の表面には粒状活性炭の沈降層が形成され、更に、その沈降層の表面には、通気性シートが積層されていることを特徴とする。
【0022】
本発明の吸着性シートによると、接着剤で活性炭を固定するのではなくて、実質的に支持繊維により特定粒子径の活性炭を固定することにより、粒状活性炭の固定強度と通気性が共に良好な吸着性シートが得られるようになる。つまり、接着剤等の接着性成分の使用量を最小限とし、粒状活性炭本来の脱臭性能を最大限に利用することを可能とすると同時に、シート全体の通気抵抗を低く維持することを可能としたものである。また、粒状活性炭を含有しない表面層を有するため、粒状活性炭の流失をより確実に防止できる。
【0023】
また、前記粒状活性炭含有シートが、前記接着性繊維として水膨潤性繊維を用いて湿式接着により一体的に形成されている好ましい。このような湿式接着では、乾燥時に支持繊維と粒状活性炭との密着力が大きくなるため、粒状活性炭含がシート内部に一体的且つ強固に固定され、折り曲げ加工時等における粒状活性炭の脱落が極めて生じ難くすることが可能となる。
【0024】
前記支持繊維の外表面積が1m2 /g以下であり、繊維長が3〜20mmであり、且つ、密度が0.8〜1.7g/ccであることが好ましい。これにより、得られる吸着性シートの通気性、吸着性能、抄紙性等が良好になる。
【0025】
前記粒状活性炭含有シートが、その全重量に対して30〜80重量%の前記粒状活性炭を含むことが好ましい。これにより、得られる吸着性シートの吸着性能、強度等が良好になる。
【0026】
また、前記粒状活性炭含有シートが、その厚み方向に実質的に通気し得る微細な孔を形成せしめてなることが好ましい。かかる通気孔を形成せしめることにより、圧損を更に低下させると同時に、粉塵保持量を大きく向上させ、さらには、吸着シートの寿命を大幅に向上することができる。
【0027】
その際、前記微細な孔の孔1個あたりの平均開孔面積が、0.5mm2 〜3mm2 であることが好ましい。また、前記微細な孔の個数が、前記粒状活性炭含有シート1cm2 あたり1個〜20個であることが好ましい。更に、前記微細な孔の開口率が、3%〜10%であることが好ましい。
【0028】
本発明では、以上のような粒状活性炭含有シートに加えて、通気性シートを含むことが好ましい。折り曲げ加工時等やフィルターとしての使用時等の粒状活性炭の脱落防止をより確実なものとし得るからである。また、シート厚み方向の充填密度を考えた場合、粗から密の状態を実現できているため、粉塵を上流側から負荷した場合にシート厚み方向に比較的まんべんなく粉塵が保持できるため早期の目詰まりによる圧損上昇を生じ難くできる。従って、前記通気性シートが、前記粒状活性炭含有シートの裏側層に積層されていることが好ましい。
【0029】
その際、前記通気性シートが、フィルムスプリット型エレクトレット繊維からなる不織布を主構成成分としてなることが好ましい。これにより、サブミクロン粒子に対する除去効果を増大させることができる。
【0030】
前記通気性シートが、さらに、不織布状、織物状又はネット状のカバーファクターが付与されてなることが好ましい。これにより、除塵効率の安定化、粉塵保持量の安定化、フィルムスプリット型エレクトレット繊維ケバ立ち防止等、フィルターとしての取り扱い性をさらに良好にすることができる。
【0031】
なお、前記通気性シートの充填密度が、0.01〜0.20g/ccであることが好ましい。これにより、吸着性シートの通気性、粉塵保持量、強度、取り扱い性が更に良好になる。
【0032】
一方、本発明の空気浄化用フィルターは、以上のような吸着性シートを、プリーツ状又は波状に成型してなる空気浄化用フィルターである。このフィルターは、本発明の吸着性シートを用いているため、通気性が良好で、活性炭の保持性に優れ、優れた除塵性能が長期に渡って維持できる。さらに、前述のように加工時に粒状活性炭の脱落等を生じさせることなく、プリーツ状又は波状に成型して、有効濾過面積を大きくすることができる。
【0033】
その際、フィルターの厚みが10〜400mm、山頂点間隔が2〜30mmであることが好ましい。
【0034】
他方、本発明の製造方法は、粒状活性炭含有シートの形成工程を有する吸着性シートの製造方法であって、前記粒状活性炭含有シートの形成工程は、平均粒子径100〜600μmの粒状活性炭、繊維径15μm以上の支持繊維、及び水膨潤性の接着性繊維を含有する水系スラリーを調製する工程と、前記水系スラリーを面状に展開する工程と、展開した水系スラリーから機械的な脱水と乾燥とを行って、一方の表面には粒状活性炭を含有しない表面層を一体的に形成すると共に、他方の表面には粒状活性炭の沈降層を形成する工程とを含む。
【0035】
この製造方法によると、必要な接着性成分が極めて少量で済むため、低通気抵抗な粒状活性炭含有シートが形成でき、粒状活性炭の特性を最大限に生かすことのできるものとなる。また、固形分の沈降の速度差を利用して、裏側層と比較して粒状活性炭の含有量が少ない表面層を形成することも可能である。
【0036】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の吸着性シートの概略構造について、図面を参照しながら説明する。
【0037】
図1(A)は粒状活性炭含有シートのみで形成された本発明の吸着性シートの模式図を示す。本発明における粒状活性炭含有シートは、粒状活性炭1と、粒状活性炭1に接触して固定する支持繊維と、主に形状保持に寄与する接着性繊維とを含む。ここで、支持繊維と接着性繊維は混在した繊維成分2として図示されている。この形態では、図面の下側程、粒状活性炭の含有密度が高くなっており、上側の表面には、裏側層L2と比較して粒状活性炭1の含有量が少ない、好ましくは含有しない、表面層L1が形成されている。このような構造は、湿式接着を行うための抄造工程において、固形分の沈降の速度差を利用して形成することができる。なお、この図は本発明の吸着性シートの構造を模式的に示したものであり、本発明はこのような単純な構造のものに限定されるものではない。
【0038】
図1(B)は更に通気性シートL3とカバーファクター4とを有する本発明の吸着性シートの模式図を示す。この形態では、通気性シートL3とカバーファクター4とが、裏側層L2に順次積層されている。また、特に好ましい通気性シートL3として、フィルムスプリット型エレクトレット繊維からなる不織布3が使用されている。なお、矢印は通常の使用におけるエアーフローの方向を示している。
【0039】
以下、各々の構成材料の詳細について説明する。
【0040】
本発明の吸着性シートに用いられる粒状活性炭の平均粒子径は、通気性、吸着材の脱落、抄紙性等を考慮して、JIS標準ふるい(JISZ8801)による値で平均60〜600μmであることが好ましく、100〜500μmであればより好ましい。平均粒子径が60μm未満の場合には、一定の高吸着容量を得るのに圧損が大きくなりすぎ、また、同時にシート充填密度が高くなりやすく、粉塵供給時に早期の圧損上昇を引き起こす原因にもなる。平均粒子径が600μmを越える場合には、脱落が生じやすくなり、またワンパスでの初期吸着性能が極端に低くなり、更にはプリーツ形状及びハニカム状等の空気浄化用フィルターとしたときの折り曲げ、及び波状加工時の加工性が悪くなる。
【0041】
なお、上記の粒状活性炭は、通常の分級機を使用して所定の粒度調整をすることにより、得ることが可能である。
【0042】
本発明の吸着性シートに用いられる粒状活性炭の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、ヤシガラ系、木質系、石炭系、ピッチ系等が好適に用いられる。また、上記の粒状活性炭は、形状的には破砕炭、造粒炭、ビーズ炭等が好適に用いられる。
【0043】
本発明の吸着性シートに用いられる粒状活性炭のJISK1474に準拠して測定したときのトルエン吸着量は、20重量%以上が好ましい。悪臭ガス等の無極性のガス状及び液状物質に対して高い吸着性能を必要とするためである。
【0044】
本発明の吸着性シートに用いられる粒状活性炭は、極性物質の吸着性能を向上することを目的として、薬品処理を施して用いてもよい。ガス薬品処理に用いられる薬品としては、アルデヒド系ガスやN Ox 等の窒素化合物、SOx等の硫黄化合物、酢酸等の酸性の極性物質に対しては、例えばエタノールアミン、ポリエチレンイミン、アニリン、P―アニシジン、スルファニル酸等のアミン系薬剤や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸グアニジン、リン酸グアニジン、アミノグアニジン硫酸塩、5,5―ジメチルヒダントイン、ベンゾグアナミン、2,2―イミノジエタノール、2,2,2―ニトロトリエタノール、エタノールアミン塩酸塩、2−アミノエタノール、2,2−イミノジエタノール塩酸塩、p―アミノ安息香酸、スルファニル酸ナトリウム、L ―アルギニン、メチルアミン塩酸塩、セミカルバジド塩酸塩、ヒドラジン、ヒドロキノン、硫酸ヒドロキシルアミン、過マンガン酸塩、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が好適に用いられ、アンモニア、メチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン等の塩基性の極性物質に対しては、例えば、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸等が好適に用いられる。なお、薬品処理は、例えば、粒状活性炭に薬品を担持させたり、添着することにより行う。また、活性炭に直接薬品を処理する以外に、シート面表面付近に通常のコーティング法等で添着加工する方法やシート全体に含浸添着することも可能である。
【0045】
本発明の吸着性シートに含まれる粒状活性炭含有シートは、粒状活性炭を30〜80重量%含有することが好ましい。30重量%未満の場合には、良好な吸着性能が得られず、80重量%を越える場合には、吸着性シートの強度が低下する。
【0046】
本発明の吸着性シートに含まれる粒状活性炭含有シートは、支持繊維を5〜50重量%含有することが好ましい。5重量%未満では、抄紙性が悪くなり、50重量%を超える場合には、吸着効果が不良となる。
【0047】
本発明の吸着性シートに用いられる支持繊維の外表面積は、1m2 /g以下であることが好ましい。1m2 /gを越える場合には、通気性及び抄紙性が低下するためである。
【0048】
なお、上記の支持繊維としては、フィブリル化した繊維、フィブリル化していない繊維の両者が用いられる。
【0049】
本発明の吸着性シートに用いられる支持繊維の繊維長は、3〜20mmであることが好ましい。3mm未満の場合には、通気性が悪くなり、20mmを超える場合には、抄紙性やシートの地合が悪くなり、通気抵抗、吸着性能のバラツキが大きくなる。
【0050】
本発明の吸着性シートに用いられる支持繊維の比重は、0.8〜1.7g/ccであることが好ましい。比重が0.8g/cc未満の場合には、抄紙スラリー生成時に、支持繊維と粒状活性炭とが分離して形成されるため、表面層に支持繊維の緻密な層が形成され、圧損が高くなり、また、支持繊維による粒状活性炭の固持が不十分となり、粒状活性炭の脱落が大きくなる。比重が1.7g/ccをこえる場合には、粒状活性炭(比重約1.8)との比重差が小さいため、表面層が形成されず、本来の目的を達成できない。
【0051】
また、上記の支持繊維としては、親水性のあるのものが好ましい。活性炭含有シートをより強固に形成するためである。
【0052】
本発明の吸着性シートに用いられる支持繊維の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリオレフィン等の合成繊維の他、リンター、木綿、麻、木材パルプ、レーヨン、ガラス繊維等が用いられる。好ましくは、木材パルプ、レーヨン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドである。
【0053】
なお、繊維形状は同心円形でも異形断面でもよい。また倦縮のかかった繊維も使用できる。
【0054】
本発明の吸着性シートに用いられる接着性繊維は、水膨潤性繊維や熱溶融性繊維等、混抄時の接着成分(バインダー)となるものであればよく、例えば、ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレン繊維やポリプロピレン−ポリエチレン、ポリエステル複合繊維、ポリアミド複合繊維等が好適に用いられる。
【0055】
また、これらの繊維はシースコア構造でも、サイドバイサイド構造、あるいは倦縮のある繊維でもよい。
【0056】
本発明の吸着性シートに用いられる接着性繊維の比重は、0.8〜1.7g/ccであることが好ましく、特に、前記の支持繊維にほぼ同じ比重(±10%)を有することが好ましい。抄紙スラリー生成後に、支持繊維の近傍に存在し、粒状活性炭含有シートの表面層及び裏側層の形態保持性を良好なものとするためである。
【0057】
本発明の吸着性シートに用いられる接着性繊維の繊維長は、1〜20mmであることが好ましい。1mm未満の場合には、通気性が悪くなり、20mmを超える場合には、抄紙性やシートの地合が悪くなり、通気抵抗、吸着性能のバラツキが大きくなる。
【0058】
本発明の吸着性シートに用いられる接着性繊維の混抄割合は、1〜30重量%が好ましく、5〜20重量%であればより好ましい。1重量%未満の場合には、接着成分としての機能を発揮することができず、30重量%を超える場合には、吸着性が相対的に低下し、圧損も上昇する。
【0059】
本発明の吸着性シートは、抗菌剤、抗かび剤、抗ウイルス剤、難燃剤等の付随的機能を有する成分等を含めて構成してもよい。これらの成分は繊維類中に練り込んでも、後加工で添着、及び担持して付与してもよい。例えば、難燃剤を含めて構成することにより、FMVSS.302で規定されている遅燃性の基準やUL難燃規格に合致した吸着性シートを製造することが可能である。
【0060】
上記の付随的機能を有する成分は、粒状活性炭へ添着又は担持してもよい。但し、この際には、粒状活性炭本来の吸着機能を損なわないよう留意する必要がある。
【0061】
また、繊維類に吸着性能を有する繊維、例えば、イオン交換繊維等を用いることにより、脱臭機能を強化することも可能である。
【0062】
本発明の吸着性シートの厚みは、0.3〜2.5mmが好ましい。通気性や加工性を良好にするためである。
【0063】
本発明の吸着性シートの目付は、50g/m2 以上が好ましく、200g/m2 以上であればさらなる高吸着能化が実現でき、より官能的に除去効果が感じられるものとなるため好適である。
【0064】
本発明の吸着性シートの充填密度は、0.15〜0.3g/ccであれば好ましく、0.17〜0.25g/ccであればより好ましい。0.15g/cc未満の場合には、粉塵除去効率が低くなり、0.3g/ccを超える場合には、目詰まりにより早期の圧損上昇を引き起こし、フィルターとしては好ましくない。このようなシート密度に調整するには、支持繊維中に繊維径15μm以上のものを適量混抄することにより、繊維と活性炭間に空隙を持たせることが容易となるためより好ましい。
【0065】
本発明の吸着性シートに含まれる粒状活性炭含有シートは、種々の方法で製造可能であるが、本発明の製造方法が特に好適なものとして適用できる。本発明の製造方法は、粒状活性炭含有シートの形成工程を有する吸着性シートの製造方法であって、前記粒状活性炭含有シートの形成工程は、平均粒子径60〜600μmの粒状活性炭、支持繊維、及び水膨潤性の接着性繊維を含有する水系スラリーを調製する工程と、前記水系スラリーを面状に展開する工程と、展開した水系スラリーから機械的な脱水と乾燥とを行う工程とを含むものである。好ましい形態について、図2に基づき説明する。
【0066】
上記水系スラリーは、通常、水又は水溶液を分散媒体として常法にて調製され、容器12の底部より供給される。供給された水系スラリーは、網状無端ベルト11の上面に面状に展開され、搬送されながら機械的な脱水が徐々に行われて湿潤ウェッブ18が形成される。その際、機械的な脱水としては、長網式、短網式、円網式等の方法が採用でき、更に、プレスローラー13,14で軽く絞ったり、あるいは吸引脱水等も可能である。
【0067】
その後、シート運搬用無端ベルト15で回転乾燥ドラム6まで搬送され、回転乾燥ドラム16にて接触乾燥して吸着性シート19とすることができる。この吸着性シート19を巻取りロール17で巻き取りながら、一連の工程を連続して行うことにより、本発明の吸着性シートを連続物として製造することができる。上記の際、スラリー中に高分子系、無機系の分散剤や凝集剤を適量添加して歩留まりを向上させることもできる。
【0068】
一方、通気性のある穴のあいた金型や樹脂型に上記スラリーを流し込み、その後吸引、乾燥する方法でも本発明の吸着性シートを製造できる。また、支持繊維、接着性繊維を含む不織布ウェッブを予め作製しておき、この中に活性炭を分散させその後、熱風を吹き付ける方法でシート化する方法でも製造可能である。但し、活性炭の均一分散性等を考慮すると前述の水中に分散する工程を介して製造するのがより好ましい。
本発明の吸着性シートは、該吸着性シートの厚み方向に実質的に通気孔を形成せしめることで、前述のように特性を更に向上させることができる。
【0069】
なお、かかる通気孔は、吸着性シートを貫通していても、貫通していなくてもよく、吸着性シートの厚み方向に設けられた孔であり、実質的に通気し得る孔であればよい。
【0070】
本発明の吸着性シートに形成された通気孔の孔1個当たりの平均開孔面積は、0.5mm2 〜3mm2 であることが好ましく、1mm2 〜2mm2 であればより好ましい。平均開孔面積が0.5mm2 未満の場合には通気抵抗低下や粉塵に対する目詰まり低減の効果が小さい。平均開孔面積が3mm2 を越える場合には、粒状活性炭の固持が不十分となり、粒状活性炭の脱落が発生する恐れがある。
【0071】
なお、孔1個当たりの平均開孔面積の測定は、吸着性シートの任意の3点から1cm角の大きさでサンプリングしたものについて、面積測定機能の付属した顕微鏡、例えばキーエンス社製高精細デジタルマイクロスコープVH−6300を用いて測定する。
【0072】
本発明の吸着性シートに形成された通気孔の開口率は、3%〜10%であることが好ましく、5%〜8%であればより好ましい。開口率が3%未満の場合には圧損低下や粉塵に対する目詰まり低減の効果が小さい。開口率が10%を越える場合には、粒状活性炭の固持が不十分となり、粒状活性炭の脱落が発生する恐れがある。
【0073】
なお、開口率の測定は、吸着性シートの任意の3点から1cm角の大きさでサンプリングしたものについて、開孔面積の総和を求め、下記式により求める。
【0074】
開口率(%)=開孔面積の総和/サンプル面積×100
上記のような、平均開孔面積と開口率とを考慮すると、吸着性シートに形成される微細な孔の個数は、粒状活性炭含有シート1cm2 あたり1個〜20個、特に5〜15個であることが好ましい。
【0075】
本発明の吸着性シートに形成された通気孔の開孔方法は、特に限定されるものではなく、ニードルパンチ法、エアパンチ法、水流交絡法等を単独、又は組み合わせて用いる方法などが好適に用いられる。また、開孔部の形状も特に限定されるものではなく、円筒状、円錐状等が好適に用いられる。
【0076】
本発明の吸着性シートは、このままでも活性炭の脱落が極めて少なく、かつ低通気抵抗、高脱臭性能、高除塵性能を有するが、上記で説明した粒状活性炭含有シートの裏側層に、通気性シートを積層するのが前述の理由より好ましい。
【0077】
本発明の吸着性シートに用いられる通気性シートの種類は、特に限定されるものではなく、例えば、不織布状、織物状、ニット状等が好適に用いられる。
【0078】
本発明の吸着性シートに用いられる通気性シートの材質は、特に限定されるものではなく、例えば、木材パルプ、レーヨン、アセテート、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリクラール等を単独に又は混合して用いることができる。
【0079】
本発明の吸着性シートに用いられる通気性シートとして、特に、永久帯電されたいわゆるエレクトレット化されたシートを積層すれば、タバコ煙粒子、カーボン粒子、海塩粒子をはじめとするサブミクロン粒子に対する除去効果も増大することができる。かかるエレクトレット化されたシートを得る方法としては、エレクトレット化が可能な原料からなる繊維を不織布に成形してコロナ荷電処理を施したり、エレクトレット化されたフィルムを割繊繊維化して不織布に成形するフィルムスプリット法等の公知の方法を使用する事が出来るが、特に荷電効率が高く、嵩高い状態でのシート化が可能で圧損を低く抑える事が可能であるフィルムスプリット法を用いる事が好ましい。
【0080】
本発明に用いられるフィルムスプリット型エレクトレット繊維の素材は、特に限定されるものではなく、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、シンジオタクチックポリスチレンなどのポリオレフィン系ポリマー、ポリー4―メチル−1ペンテンなどのα―ポリオレフィン系ポリマー、テフロン等のフッ素系ポリマー、ポリカーボネート、ポリエステルなどが好適に用いられる。
【0081】
本発明に用いられるフィルムスプリット型エレクトレット繊維の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、上記の樹脂から溶融押出しによりキャストフィルムを作製し、次いでこのフィルムを5〜10倍に縦あるいは横方向に延伸することにより延伸フィルムを形成した後、荷電によりエレクトレットフィルムとし、開繊カッターでスプリットして製造する。
【0082】
なお、延伸フィルムの荷電は、コロナ放電、電界放電、電子線照射、摩擦帯電などの荷電法を単独又は組み合わせて用いることができる。また、エレクトレットフィルムをスプリットする方法としては、針式カッター、ねじ式カッター、ブレード式カッターなどによる方法が用いられる。
【0083】
本発明に用いられるフィルムスプリット型のエレクトレット繊維の平均スプリット幅は、好ましくは10μm 〜500μm 、より好ましくは20μm 〜300μm 、最も好ましくは40μm 〜200μm である。
【0084】
本発明に用いられるフィルムスプリット型のエレクトレット繊維のエレクトレットフィルムの厚さは3μm 〜30μm が好ましい。
【0085】
本発明に用いられるフィルムスプリット型のエレクトレット繊維の表面荷電密度は、ルースの式で示される最大表面電荷密度を有することが好ましいが、それに限定されるものではない。
【0086】
本発明に用いられる除塵シート中のフィルムスプリット型エレクトレット繊維の下記式で求められる充填密度は、0.01〜0.20cc/ccが好ましい。0.20cc/ccを越える場合には、脱臭シートとの一体化工程での押圧のためさらに高密度となり、通気抵抗が高くなる。0.01cc/cc未満の場合には、安定した密度を維持するのが困難で、また強度面での取り扱いが困難なものになる。
【0087】
なお、上記の充填密度は、除塵シート中のフィルムスプリット型エレクトレット繊維の充填密度をいい、下記の式で計算される。
【0088】
充填密度(cc/cc)=(W×10-4)/(T×ρ)
但し、W:繊維層の目付(g/m2
T:繊維層の厚さ(cm)
ρ:繊維の密度(g/cc )
本発明に用いられる除塵シート中のフィルムスプリット型エレクトレット繊維の目付は、5〜250g/m2 が好ましい。目付が5g/m2 未満の場合は、粉塵の捕集効率が低く、250g/m2 を越える場合には目詰まりを生じ易くなる。
【0089】
本発明に用いられるフィルムスプリット型エレクトレット繊維は、帯電性を向上するため添加剤を用いてもよい。ここで用いられる添加剤は特に限定されるものではなく、例えばリン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム、ソディウム2,2' −エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェートのような樹脂改良剤、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1,ビス(2' −メチル−4ヒドロキシ−5' −t−ブチルフェニル)ブタン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ポロピオネート〕、3,9−ビス〔2−{3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル}プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストリト−ルジホスファイト、エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトのような抗酸化剤、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、デカンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジドのような重金属不活性剤、2−(2' −ヒドロキシ−5' −メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' −t−ブチル−5' −メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2' −メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルビキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β' ,β' −テトラメチル−3,9−〔2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン〕ジエチル(混合)−1,2,3,4−ブタンテトラカルビキシレートのような光安定剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムのような脂肪酸金属塩などが好適に用いられる。
【0090】
また、これらの添加剤の添加量は、添加剤の種類によっても異なるが、フィルムスプリット型エレクトレット繊維の重量に対して0.05〜5重量%の範囲が効果的である。
【0091】
本発明に用いられる除塵シートは、前述のように、カバーファクターを付与することがより好ましい。前記カバーファクターの形態としては、不織布状、織物状、ネット状基材等が好適に用いられる。
【0092】
前記カバーファクターを付与する方法としては、カバーファクターと前述のフィルムスプリット型エレクトレット繊維を主構成成分とする不織布とを、ニードルパンチ法やエアーパンチ法等の機械的交絡法により積層一体化すればよい。
【0093】
前記カバーファクターの素材としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、レーヨン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリクラール、ポリエチレン等が挙げられる。
【0094】
前記カバーファクターの目付は、低圧損、高粉塵除去率を可能な限り活かすためできるだけ低目付が好ましく、5g/m2 〜100g/m2 が好ましい。
【0095】
また、前記カバーファクターの中に熱融着繊維を混入して隣あう繊維と融着すれば、よりケバ立ちが抑制できさらに好ましい。
【0096】
この際の熱融着繊維の断面は丸断面、短形断面等の種々の形状が用いられる。熱融着繊維は単一成分の樹脂でもよく、複数成分からなるものであってもよい。多成分からなる熱融着繊維としては、サイドバイサイド構造やシースコア構造を有する断面形状が挙げられる。例えば、シースコア構造を有する繊維についてはシース部の方がコア部より溶融温度が低い樹脂を用いる。このような組合せとしては、例えば、シースをポリエチレンやエチレン酢ビ共重合物、コアをポリプロピレンとする組合せやシースを溶融温度の低い共重合ポリエステル、コアをポリエチレンテレフタレートとする組合せ等が挙げられる。このように溶融温度の異なる樹脂を組合せ、繊維の表面に溶融温度の低い繊維とすることで所定の温度において表面部分だけを溶融させ、内部の繊維の形状そのまま保持することができる。また、当然ながらこれら繊維層を複数層積層してもよい。
【0097】
本発明に用いられるフィルムスプリット型エレクトレット繊維を主構成成分とする不織布には、抗菌繊維、脱臭繊維、芳香繊維、難燃繊維、さらには、スパンボンドタイプやメルトブローンタイプのエレクトレットフィルター化された繊維もしくは不織布を繊維層の機能を失わない範囲で混合してもさしつかえない。
【0098】
本発明に用いられる除塵シートの充填密度は、0.01〜0.20g/ccが好ましく、0.02〜0.15g/ccであればより好ましい。0.20g/ccを越える場合には、圧損が高くなり、粉塵保持量が低くなる。0.01g/cc未満の場合には、強度が弱く、取り扱い性が悪くなる。
【0099】
なお、除塵シートの充填密度とは、除塵シートを構成するフィルムスプリット型エレクトレット繊維やカバファクター、その他の添加剤の全てを含む充填密度をいい、下記式により計算される。
【0100】
充填密度(g/cc)=除塵シートの目付(g/cm2 )/除塵シートの厚み(cm)
上記で、除塵シートの厚みは、吸着性シートに荷重180gf/cm2 の圧力を加えた時の吸着性シートの厚みと脱臭シートの厚みとの差として求める。
【0101】
本発明の吸着性シートにおいて、粒状活性炭含有シートと通気性シートの積層方法は、特に限定されるものではなく、例えば、単純に重ね合わせるだけでもよく、また少量の接着剤の塗布、あるいは熱融着性を利用した接着法、たとえば、接着繊維を被接着体に吹きかける方法、接着性シートをシート間に挿入し接着する方法や、超音波により融着させ接着する方法、ニードルパンチ、エアーパンチ、水流交絡法等バインダーを使用しない方法でもよい。いずれにしても、上流側に配置することになるので、風圧により通気性シートは、簡単にはがれることはなく、あまり強固な接着は不要である。
【0102】
本発明の空気浄化用フィルターは、上記で説明した吸着性シートをプリーツ状や波状に成型されてなることが好ましい。
【0103】
成型された空気浄化用フィルターの厚みは、10〜400mmが好ましい。カーエアコン内部装着をはじめとする車載用途や家庭用空気清浄機であれば、通常の内部スペースの関係から、10〜60mm程度、ビル空調用途へよく設置される大型のフィルタユニットであれば40〜400mm程度が収納スペースから考えると好ましい。
【0104】
本発明の空気浄化用フィルターのひだ山頂点間隔は2〜30mmが好ましい。2mm以下ではひだ山間が密着しすぎでデッドスペースが多く、効率的にシートを活用できなくなる。一方、30mm以上ではシート展開面積が小さくなるためフィルター厚みに応じた除去効果を得ることができなくなる。
【0105】
本発明の空気浄化用フィルターは、通気性シートと一体にしたものでは粒状活性炭含有シートの表面層を、裏側層より下流側に配置してなることがより好ましい。かようにすることにより、一体化した通気性シートがよりはがれ落ちにくくなるからである。
【0106】
【実施例】
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿って設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0107】
尚、実施例中の数値は以下のような方法で測定した値である。
【0108】
(1)JIS15種粉塵保持量
下記の混合粉体を用いて、線速30cm/s、供給濃度0.5g/m3 の条件下で供給を行い、初期圧損から150Pa上昇したときを寿命と判断し、該時点において濾材に堆積した粉塵量を天秤で秤量した。この値は、粉塵に対する目詰まり度の代用特性を示すものである。
【0109】
混合粉体の組成
JIS8種(平均約8μm、関東ローム) 72重量%
カーボンブラック(平均約0.1μm) 23重量%
コットンリンタ(平均約1.5μm) 5重量%
(2)通気抵抗
線速30cm/sの条件下で通気した時の圧力損失を測定した。
【0110】
(3)粒子除去効率
0.3μmのNaCl粒子を用いて線速30cm/sにおいてフィルターの上下流の粒子濃度をそれぞれパーティクルカウンター(リオン製、KC−01C)で測定し、上流側の粒子濃度から下流側の粒子濃度を減じた値を上流側の粒子濃度で除した値の百分率で示した。
【0111】
(4)シート充填密度
シート充填密度(g/cc)=シート目付/シート厚み
[シート厚みは180gf/cm2 の荷重下での値]
(5)補強シートのはがれ
線速30cm/sの条件下で、補強シートの本体シートからのはがれ性も比較した。
【0112】
(実施例1)
平均粒径310μm、JIS K 1474法によって測定したトルエン吸着能が470mg/gである粒状活性炭を70重量部、8デニール×繊維長8mmのレーヨン繊維を18重量部、水熱溶融性繊維である1デニール×繊維長3mmのポリビニルアルコール12重量部を、パルパーで水中に分散し湿式抄紙用原液を調製した。図2に示す装置を用いて、これを長網式抄紙法にて抄紙して湿潤ウェッブをつくり、その後プレスローラーで軽く絞り140℃で回転乾燥ドラムにて乾燥し、目付300g/m2 、シート充填密度0.21g/ccの低充填密度吸着シートを得た。このシートは抄紙スクリーン上で粒状活性炭とレーヨン(比重約1.5)、ポリビニルアルコール(比重約1.3)の比重差により、沈降速度の差異が生じ、その結果活性炭含有層(裏側層)と支持繊維及び接着性繊維からなる表面層を形成できた。
【0113】
このシートの裏側層を上流に配置し圧損を測定したところ30Paときわめて低く、トルエン吸着量はシート重量の33%もあり非常に高吸着能を有するシートになった。またフィルターとして使用中に粒状活性炭の脱落もなく、取り扱い性に非常に優れたものであった。更に、特筆すべきはJIS15種の粉塵負荷した場合に終圧に達するまでの圧損上昇が非常にゆるやかで目詰まりしにくく、最終的に40g/m2 もの粉塵を保持できた。すなわち脱臭機能だけでなく、除塵機能も優れたシートである。また、このシートをレシプロ式ひだおり機にてフィルター厚み40mm、ひだ山頂点間隔7mmのプリーツ状に加工しフィルターユニットにしたところ、ひだ山折り目で割れの発生もなく、またこのフィルターは堅固であり、折り山側から4m/sの面風速を与えても山崩れせず非常に加工性にすぐれ、かつ取り扱い性に優れたものであることがわかった。
【0114】
(実施例2)
平均粒径310μm、JIS K 1474法によって測定したトルエン吸着能が470mg/gである粒状活性炭を70重量部、8デニール×繊維長8mmのレーヨン繊維を10重量部、1デニール×繊維長3mmの繊維状ポリビニルアルコール12重量部、シースコア構造を有し鞘側が110℃の融点を有する2デニール×繊維長5mmのポリエステル複合繊維8重量部を、パルパーで水中に分散し湿式抄紙用原液を調製した。これを長網式抄紙法にて抄紙して湿潤ウェッブをつくり、その後プレスローラーで軽く絞り140℃で回転乾燥ドラムにて乾燥し、目付400g/m2 、シート充填密度0.18g/ccの低充填密度吸着シートを得た。このシートは実施例1と同様で沈降速度の差異により活性炭含有層(裏側層)と支持繊維、接着繊維層からなる表面層を形成できた。
【0115】
このシートの裏側層を上流側に配置し通気抵抗を測定したところ32Paときわめて低く、トルエン吸着量はシート重量の33%もあり非常に高吸着能を有するシートになった。またフィルターとして使用中に粒状活性炭の脱落もなく、取り扱い性に非常に優れたものであった。更に、特筆すべきはJIS15種の粉塵負荷した場合に終圧に達するまでの圧損上昇が非常にゆるやかで目詰まりしにくく、最終的に38g/m2 もの粉塵を保持できた。すなわち脱臭機能だけでなく、除塵機能も優れたシートと言える。またこの吸着性シートのより実効果を確認するためにフィルター正面サイズ200mm×180mm、フィルター厚み40mm、ひだ山頂点間隔7mmのプリーツ状に加工し、更に端面固定用枠材を付けユニット化したものをカーエアコンの内部に設置した。エアコンモードは外気導入にし、面風速1m/s程度の定常状態(AUTO)で作動させた。冷暖房能力はフィルター未装着時と比較しほとんど変化しなかったが、ディーゼル排ガス車の後方10mを追従走行した場合、車内搭乗者(パネラー4名)全員が、ディーゼル排ガス特有の不快臭気を感じなかった。
【0116】
(実施例3)
粒状活性炭は平均130μm、目付170g/m2 の脱臭シートを実施例2と同様の方法で、かつ同様の支持繊維、接着繊維比率で作製した。このシートの裏側層を上流側に配置し圧損を測定したところ28Paときわめて低く、トルエン吸着量はシート重量の33%もあり非常に高吸着能を有するシートになった。またフィルターとして使用中に粒状活性炭の脱落もなく、取り扱い性に非常に優れたものであった。更に、特筆すべきはJIS15種の粉塵負荷した場合に終圧に達するまでの圧損上昇が非常にゆるやかで目詰まりしにくく、最終的に41g/m2 もの粉塵を保持できた。すなわち脱臭機能だけでなく、除塵機能も優れたシートと言える。
【0117】
(比較例1)
通気抵抗が5Paである目付20g/m2 のポリプロピレン製低圧損不織布に10%のブタジエンーアクリロニトリル水分散液を噴射し、簡易乾燥後、実施例1と同じ活性炭を210g担持した。このシートの通気抵抗は60Paときわめて高いものとなった。またJIS15種の粉塵を負荷した場合に早期に圧損上昇がおこり、最終的に10g/m2 しか粉塵を保持できなかった。
【0118】
(比較例2)
圧損が2Paであるポリプロピレン製の目付50g/m2 、目開き4×4mmの網目状ネットにバインダーとしてアクリロニトリルブタジエン系ラテックスエマルジョンを浸せきしゴムロール間で軽く絞った後、実施例1と同様の活性炭を担持し、更にゴムロール間で絞り、その後エアブローで余剰の活性炭を吹き飛ばした。このシートの通気抵抗は30Paと低いものであったが、活性炭の脱落が大きくこのままでは実用フィルターとしては使用できないものであった。活性炭の脱落を防止するため比較例1で使用した目付20g/m2 のポリプロピレン製不織布を下流側にニードルパンチに法にて一体化したが活性炭の脱落が大きく、また使用中に該不織布がはがれ落ちるという問題が生じ、とても使用に耐えうるものではなかった。
【0119】
上記の結果を表1に示す。
【0120】
【表1】
Figure 0003714453
(除塵シートの作製例)
以下のエレクトレット化した除塵シートを作製した。
【0121】
除塵シートA
厚さ8.5μm、平均スプリット幅65μmのポリプロピレン製(ラウリン酸アルミニウム0.3%含有)エレクトレットフィルムスプリット繊維のみからなる目付30g/m2 のエレクトレットスプリット繊維層を作製した。この繊維層の圧損は7Paと非常に低いにもかかわらず粒子除去効率は40%と非常に大きなものであった。
【0122】
除塵シートB
厚さ8.5μm、平均スプリット幅65μmのポリプロピレン製(ラウリン酸アルミニウム0.3%含有)エレクトレットフィルムスプリット繊維からなる目付30g/m2 のエレクトレットスプリット繊維層と、シースが共重合ポリエステルでコアがポリエチレンテレフタレートからなる4デニールの熱融着繊維の目付10g/m2 とを積層し、次いでパンチ密度を50パンチ/inch2 でニードルパンチ加工を施し、その後120℃で30秒間熱風オーブン中で熱処理をしフィルムスプリット型エレクトレット繊維層Aを作製した。この繊維層の通気抵抗は8Paと非常に低いにもかかわらず粒子除去効率は40%と非常に大きなものであった。
【0123】
除塵シートC
厚さ8.5μm、平均スプリット幅65μmのポリプロピレン製(ラウリン酸アルミニウム0.3%含有)エレクトレットフィルムスプリット繊維からなる目付30g/m2 のエレクトレットスプリット繊維と、4デニールのポリプロピレンからなる目付15g/m2 の乾式不織布をニードルパンチ加工しフィルムスプリット型エレクトレット繊維層B を作製した。この繊維層の圧損は8Paと非常に低いにもかかわらず粒子除去効率は41%と非常に大きなものであった。
【0124】
(実施例4)
実施例2で述べた製法で目付350g/m2 の脱臭シートを作製し、この裏側層にASTM D2979で定められた25℃で950g/5mmφのプローブタックを有する繊維径50μmの接着剤4g/m2 を吹きかけた後、除塵シートAを重ねあわせた後、軽くプレスローラー間に挟み常温圧着し一体化し、除塵脱臭一体シートを作製した。このシートの除塵シート側は多少ケバ立ちを生じていたが、実用上問題になるものではなかった。
【0125】
(実施例5)
実施例3で述べた脱臭シート(目付170g/m2 )の裏側層にASTM D2979で定められた25℃で950g/5mmφのプローブタックを有する繊維径50μmの接着剤4g/m2 を吹きかけた後、除塵シートBを重ねあわせた後、軽くプレスローラー間に挟み常温圧着し一体化し、除塵脱臭一体シートを作製した。このシートの両面ともケバ立ちはほとんどなく、取り扱い性に優れたものであった。
【0126】
特性面では通気抵抗は40Paと低いものでありながら粒子除去効率は39%と高除去率であるのはもちろんのこと、JIS15種の粉塵負荷した場合に終圧に達するまでの圧損上昇が非常にゆるやかで目詰まりしにくく、終圧に達するまでに50g/m2 もの粉塵を保持できた。また、このシートの実効果をより具体的に確認するためにフィルター正面サイズ200mm×180mm、フィルター厚み40mm、ひだ山頂点間隔8mmのプリーツ状に加工し(シート展開面積0.36m2 )、さらに端面固定用枠材を付けユニット化したものをカーエアコン内部に設置した。このユニットのJIS15種粉塵保持量は、ユニットあたり17gであった。場所の差あれ年あたりの自動車用フィルターの外気から流入する粉塵量は約10gといわれており、1.7年間有効ということができる。
【0127】
(実施例6)
実施例3で述べた脱臭シートの裏側層に除塵シートCを重ねあわせた後、通常のニードルパンチ装置にてパンチ密度50パンチ/inch2 .でニードルパンチ加工を施し一体化した。ケバ立ち等の発生はほとんどなく性能面は実施例3と同様良好なものであった。特筆すべきは、このシート全体へのニードルパンチ加工により貫通した適度な通気孔を設けることができたため、脱臭シートとフィルムスプリット型エレクトレット繊維層の各々単独で測定した圧損の積算値よりも小さくなり、より低圧損なものとなった。
【0128】
(実施例7)
実施例3で述べた脱臭シートにニードルパンチ装置を用いて平均開孔面積1.2mm2 、開口率5%の孔をあけ、得られたシートの通気抵抗を測定したところ15Paと更に大幅に低減した。一方、脱臭性能を測定したところトルエン吸着量はシート重量の33%のまま維持していた。またフィルターとして使用中に粒状活性炭の脱落もなく、取り扱い性に非常に優れたものであった。更に、特筆すべきはJIS15種の粉塵負荷した場合に終圧に達するまでの圧損上昇が非常にゆるやかで目詰まりしにくく、最終的に50g/m2 もの粉塵を保持できた。すなわち脱臭機能は維持したまま低圧損、除塵機能が更に向上したものになったといえる。
【0129】
上記の結果を表2に示す。
【0130】
【表2】
Figure 0003714453

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸着性シートの模式図であり、(A)は粒状活性炭含有シートのみで形成されたもの、(B)は更に通気性シートとカバーファクターとを有するもの
【図2】本発明の吸着性シートを長網式抄紙法によって製造する際の装置構成例を示す概略説明図
【符号の説明】
1 粒状活性炭
2 繊維成分(支持繊維,接着性繊維)
3 不織布
4 カバーファクター
L1 表面層
L2 裏側層
L3 通気性シート
18 湿潤ウェッブ
19 吸着性シート

Claims (14)

  1. 粒状活性炭含有シートを有する吸着性シートであって、前記粒状活性炭含有シートは、平均粒子径100〜600μmの粒状活性炭と、その粒状活性炭に接触して固定する繊維径15μm以上の支持繊維と、主に形状保持に寄与する接着性繊維とを含むと共に、一方の表面には粒状活性炭を含有しない表面層が繊維を介して一体的に形成され、かつ他方の表面には粒状活性炭の沈降層が形成され、更に、その沈降層の表面には、通気性シートが積層されている吸着性シート。
  2. 前記粒状活性炭含有シートが、前記接着性繊維として水膨潤性繊維を用いて湿式接着により一体的に形成されている請求項1に記載の吸着性シート。
  3. 前記支持繊維の外表面積が1m2 /g以下であり、繊維長が3〜20mmであり、且つ、密度が0.8〜1.7g/ccである請求項1又は2に記載の吸着性シート。
  4. 前記粒状活性炭含有シートが、その全重量に対して30〜80重量%の前記粒状活性炭を含む請求項1〜3いずれかに記載の吸着性シート。
  5. 前記粒状活性炭含有シートが、その厚み方向に実質的に通気し得る微細な孔を形成せしめてなる請求項1〜4いずれか記載の吸着性シート。
  6. 前記微細な孔の孔1個あたりの平均開孔面積が、0.5mm2 〜3mm2 である請求項5に記載の吸着性シート。
  7. 前記微細な孔の個数が、前記粒状活性炭含有シート1cm2 あたり1個〜20個である請求項5又は6記載の吸着性シート。
  8. 前記微細な孔の開口率が、3%〜10%である請求項5〜7いずれかに記載の吸着性シート。
  9. 前記通気性シートが、フィルムスプリット型エレクトレット繊維からなる不織布を主構成成分としてなる請求項1に記載の吸着性シート。
  10. 前記通気性シートが、さらに、不織布状、織物状又はネット状のカバーファクターが付与されてなる請求項1に記載の吸着性シート。
  11. 前記通気性シートの充填密度が、0.01〜0.20g/ccである請求項1に記載の吸着性シート。
  12. 請求項1〜11いずれかに記載の吸着性シートを、プリーツ状又は波状に成型してなる空気浄化用フィルター。
  13. フィルターの厚みが10〜400mm、山頂点間隔が
    2〜30mmである請求項12に記載の空気浄化用フィルター。
  14. 粒状活性炭含有シートの形成工程を有する吸着性シートの製造方法であって、前記粒状活性炭含有シートの形成工程は、平均粒子径100〜600μmの粒状活性炭、繊維径15μm以上の支持繊維、及び水膨潤性の接着性繊維を含有する水系スラリーを調製する工程と、前記水系スラリーを面状に展開する工程と、展開した水系スラリーから機械的な脱水と乾燥とを行って、一方の表面には粒状活性炭を含有しない表面層を一体的に形成すると共に、他方の表面には粒状活性炭の沈降層を形成する工程とを含むものである吸着性シートの製造方法。
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