JP3714022B2 - アクティブマトリクス基板、表示装置、及び電子機器 - Google Patents

アクティブマトリクス基板、表示装置、及び電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブマトリクス基板、表示装置、及び電子機器に関するものである。さらに詳しくは、表示装置を構成する基板に形成される配向膜表面に対する平坦化技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
表示装置として、例えば液晶装置に用いられるアクティブマトリクス基板では、図14に示すように、アクティブマトリクス基板AMの基体たる透明基板30の表面に絶縁性の下地保護膜301が形成され、この下地保護膜301の表面には、画素スイッチング用のTFT10を形成するためのシリコン膜10a、および保持容量40を形成するためのシリコン膜40aが形成されている。シリコン膜10aの表面にはゲート絶縁膜13が形成され、このゲート絶縁膜13の表面に走査線91がゲート電極として通っている。シリコン膜10aのうち、走査線91に対してゲート絶縁膜13を介して対峙する領域がチャネル形成領域15になっている。このチャネル形成領域15に対して一方側には、低濃度ソース領域161および高濃度ソース領域162を備えるソース領域16が形成され、他方側には低濃度ドレイン領域171および高濃度ドレイン領域172を備えるドレイン領域17が形成されている。このように構成された画素スイッチング用のTFT10の表面側には、第1層間絶縁膜18および第2層間絶縁膜19AがいずれもCVD法により形成され、第1層間絶縁膜18の表面に形成されたデータ線90は、第1層間絶縁膜18に形成されたコンタクトホールを介して高濃度ソース領域162に電気的に接続している。また、第1層間絶縁膜18の表面にはドレイン電極14が形成され、このドレイン電極14は、第1層間絶縁膜18に形成されたコンタクトホールを介して高濃度ドレイン領域172に電気的に接続している。また、第2層間絶縁膜19Aの表面にはITO膜(Indium Tin Oxide)からなる画素電極8が形成され、この画素電極8は、第2層間絶縁膜19Aに形成されたコンタクトホールを介してドレイン電極14に電気的に接続している。
【0003】
また、画素電極8の表面側にはアクリル樹脂からなる保護膜45Aが形成され、この保護膜45Aの表面にポリイミド膜からなる配向膜46が形成されている。この配向膜46は、ポリイミド膜に対してラビング処理が施された膜である。ラビング処理とは、図6(A)に示す構造のポリイミド膜を形成した基板を、図6(B)に示すように、金属製のロール501上に付したレーヨン系繊維からなるパフ布502でポリイミド膜を一定方向に擦る処理である。このラビング処理によってポリイミド分子は表面近傍で一定方向に配列するので、基板間に封入される液晶分子は、ポリイミド分子との相互作用により液晶分子が一定方向に配列することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の液晶装置では、図14に示すデータ線90やドレイン電極14に起因する凹凸や画素電極8に起因する凹凸が配向膜46の表面にまで反映されているため、ラビング処理時に配向膜46の表面に筋状の傷が付きやすい。配向膜46表面に凹凸があると、凸部がラビング時にパフ布で削られるからである。このような傷の存在は、液晶に配向不良を引き起こす原因となる。ここで、従来の液晶装置では、画素電極8の表面にはアクリル樹脂からなる保護膜45Aが形成されているので、この保護膜45Aによって凹凸は多少、平坦化されている。しかしながら、アクリル樹脂は誘電率が低いため、あまり厚く形成できない。従って、アクリル樹脂からなる保護膜45Aでは、データ線90やドレイン電極14に起因する凹凸や画素電極8に起因する凹凸を十分に平坦化することはできない。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、下層側に凹凸があってもこの凹凸が配向膜の表面にまで反映されるのを確実に防止することによって、ラビング時に配向膜表面に傷が付くのを防止し、表示品位の向上を図ることのできる液晶装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のアクティブマトリクス基板は、マトリクス状に形成されてなる画素電極と、前記画素電極に対応して形成された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続してなるデータ線とドレイン電極および走査線とを有し、前記画素電極と前記ドレイン電極とが接続されてなるアクティブマトリクス基板において、前記画素電極の上層には、前記画素電極、前記スイッチング素子、前記データ線および走査線を覆うようにポリシラザンからなる保護膜が形成され、前記ドレイン電極と前記画素電極との間には層間絶縁膜が形成され、前記層間絶縁膜は、ポリシラザンから形成した下層側層間絶縁膜、および該下層側層間絶縁膜の上にCVD法により形成した上層側層間絶縁膜からなることを特徴とする。
【0007】
画素電極、スイッチング素子、データ線および走査線を覆うポリシラザンを形成することにより、表面が平坦な絶縁膜を形成することができる。このような絶縁膜を保護膜として用いることにより電子機器への応用が容易となる。また、スイッチング素子は薄膜トランジスタであることを特徴とする。
【0008】
本発明では、一対の基板間に液晶層が挟持されてなる表示装置において、前記基板のうち少なくとも一方の基板の液晶層側の面にはポリシラザンからなる保護膜が形成されてなることを特徴とする。
【0009】
ポリシラザンは平坦性が高く、液晶層に接する面が平坦となるため液晶層厚を均一にすることができる。従って、液晶層厚の不均一による表示ムラが生じない。
【0010】
また、前記保護膜の表面には配向膜が形成されていることを特徴とする。このような構成とすることによって、液晶層内の液晶分子の配向特性を向上させることができる。
【0011】
また、前記一対の基板のうち一方の基板には、マトリクス状に形成されてなる画素電極、該画素電極に接続してなる薄膜トランジスタ、該薄膜トランジスタに接続してなるデータ線および走査線が形成されてなることを特徴とする。
【0012】
一方の基板をこのような構成とするとともに、液晶層側の面にポリシラザンからなる保護膜を形成するので、液晶層側の面が平坦となる。従って、素子、配線による凹凸をポリシラザンからなる絶縁膜によって解消し、液晶層に接している面では平坦となる。つまり、液晶層の層厚が均一となるため液晶層厚の不均一による配向不良を解消することができる。
【0013】
また、前記保護膜よりも下層に層間絶縁膜が形成されてなることを特徴とする。保護膜よりも下層に層間絶縁膜を形成することにより、凸部(もしくは凹部)の段差が大きい場合にはその段差を層間絶縁膜によりそれを解消することができるためより平坦性を高くすることができる。
【0014】
更に、前記層間絶縁膜はポリシラザンを用いることにより容易に層間絶縁膜を形成することが可能である。
【0015】
また、前記層間絶縁膜は、ポリシラザンから形成した下層側層間絶縁膜、および該下層側層間絶縁膜の表面にCVD法により形成した上層側層間絶縁膜からなる構成としてもよい。以上のような表示装置を電子機器に用いることも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
[アクティブマトリクス基板]
図1および図2はそれぞれ、本形態に係る表示装置の一例である液晶装置を対向基板の側からみた平面図、および図1のH−H′線で切断したときの液晶装置の断面図である。
【0018】
これらの図において、液晶装置1は、画素電極8がマトリクス状に形成されたアクティブマトリクス基板AM(本願明細書における第1の基板)と、対向電極32が形成された対向基板OP(本願明細書における第2の基板)と、これらの基板間に封入、挟持されている液晶39とから概略構成されている。アクティブマトリクス基板AMと対向基板OPとは、対向基板OPの外周縁に沿って形成されたギャップ材含有のシール材52によって所定の間隙を介して貼り合わされている。また、アクティブマトリクス基板AMと対向基板OPとの間には、シール材52によって液晶封入領域40が区画形成され、この液晶封入領域40内に液晶39が封入されている。この液晶封入領域40内において、アクティブマトリクス基板AMと対向基板OPと間にはスペーサ37を介在させることもある。シール材52としては、エポキシ樹脂や各種の紫外線硬化樹脂などを用いることができる。また、シール材52に配合されるギャップ材としては、約2μm〜約10μmの無機あるいは有機質のファイバ若しくは球などが用いられる。
【0019】
対向基板OPはアクティブマトリクス基板AMよりも小さく、アクティブマトリクス基板AMの周辺部分は、対向基板OPの外周縁よりはみ出た状態に貼り合わされる。従って、アクティブマトリクス基板AMの駆動回路(走査線駆動回路70やデータ線駆動回路60)や入出力端子45は対向基板OPから露出した状態にある。ここで、シール材52は部分的に途切れているので、この途切れ部分によって、液晶注入口241が構成されている。このため、対向基板OPとアクティブマトリクス基板AMとを貼り合わせた後、シール材52の内側領域を減圧状態にすれば、液晶注入口241から液晶39を減圧注入でき、液晶39を封入した後、液晶注入口241を封止剤242で塞げばよい。なお、対向基板OPには、シール材52の内側において画面表示領域7を見切りするための遮光膜BM2も形成されている。また、対向基板OPのコーナー部のいずれにも、アクティブマトリクス基板AMと対向基板OPとの間で電気的導通をとるための上下導通材56が形成されている。
【0020】
ここで、走査線に供給される走査信号の遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路70は片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路60を画面表示領域7の辺に沿って両側に配列しても良い。例えば奇数列のデータ線は画面表示領域7の一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給し、 偶数列のデータ線は画面表示領域7の反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給するようにしても良い。このようにデータ線を櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆動回路60の形成面積を拡張することが出来るため、複雑な回路を構成することが可能となる。また、アクティブマトリクス基板AMにおいて、データ線駆動回路60と対向する辺の側では、遮光膜BM2の下などを利用して、プリチャージ回路や検査回路が設けられることもある。なお、データ線駆動回路60および走査線駆動回路70をアクティブマトリクス基板AMの上に形成する代わりに、たとえば、駆動用LSIが実装されたTAB(テープ オートメイテッド、ボンディング)基板をアクティブマトリクス基板AMの周辺部に形成された端子群に対して異方性導電膜を介して電気的および機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板OPおよびアクティブマトリクス基板AMの光入射側の面あるいは光出射側には、使用する液晶39の種類、すなわち、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード等々の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の向きに配置される。
【0021】
本形態の液晶装置1を透過型で構成した場合には、たとえば、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)において使用される。この場合、3枚の液晶装置1がRGB用のライトバルブとして各々使用され、各液晶装置1の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになる。従って、本形態の液晶装置1にはカラーフィルタが形成されていない。但し、対向基板OPにおいて各画素電極8に対向する領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜とともに形成することにより、投射型液晶表示以外にも、カラー液晶テレビなどといったカラー液晶表示装置を構成することができる。さらにまた、対向基板OPに何層もの屈折率の異なる干渉層を積層することにより、光の干渉作用を利用して、RGB色をつくり出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付きの対向基板によれば、より明るいカラー表示を行うことができる。
【0022】
(アクティブマトリクス基板の構成)
図3は、アクティブマトリクス基板AMの構成を模式的に示すブロック図、図4は、この液晶表示装置における画素領域の一部を抜き出して示す平面図、図5は、図4におけるA−A′線におけるアクティブマトリクス基板の断面図である。
【0023】
図3に示すように、液晶表示装置用のアクティブマトリクス基板AM上には、データ線90および走査線91に接続する画素スイッチング用のTFT10と、このTFT10を介してデータ線90から画像信号が入力される液晶セル94が存在する。データ線90に対しては、シフトレジスタ84、レベルシフタ85、ビデオライン87、アナログスイッチ86を備えるデータ線駆動回路60が形成されている。走査線91に対しては、シフトレジスタ88およびレベルシフタ89を備える走査線駆動回路70が形成されている。
【0024】
画素領域には、容量線92との間に保持容量40(容量素子)が形成され、この保持容量40は、液晶セル94での電荷の保持特性を高める機能を有している。なお、保持容量40は前段の走査線91との間に形成されることもある。
【0025】
いずれの場合でも、図4に一部の画素領域を抜き出して示すように、マトリクス状に複数の透明な画素電極8が形成されており、画素電極8の縦横の境界に沿って、データ線90、走査線91および容量線92が形成されている。データ線90は、コンタクトホールを介してポリシリコン膜からなる半導体層のソース領域16に電気的に接続され、画素電極8は、コンタクトホールを介してドレイン領域17に電気的に接続している。また、チャネル形成領域15に対向するように走査線91が延びている。なお、保持容量40は、画素スイッチング用のTFT10を形成するためのシリコン膜10a(半導体膜/図4に斜線を付した領域)の延設部分に相当するシリコン膜40a(半導体膜/図4に斜線を付した領域)を導電化したものを下電極41とし、この下電極41に対して容量線92が上電極として重なった構造になっている。
【0026】
このように構成した画素領域のA−A′線における断面は、図5に示すように表される。まず、アクティブマトリクス基板AMの基体たる透明基板30の表面に絶縁性の下地保護膜301が形成され、この下地保護膜301の表面には、島状のシリコン膜10a、40aが形成されている。また、シリコン膜10aの表面にはゲート絶縁膜13が形成され、このゲート絶縁膜13の表面に走査線91がゲート電極として通っている。シリコン膜10aのうち、走査線91に対してゲート絶縁膜13を介して対峙する領域がチャネル形成領域15になっている。このチャネル形成領域15に対して一方側には、低濃度ソース領域161および高濃度ソース領域162を備えるソース領域16が形成され、他方側には低濃度ドレイン領域171および高濃度ドレイン領域172を備えるドレイン領域17が形成されている。このように構成された画素スイッチング用のTFT10の表面側には、第1層間絶縁膜18および第2層間絶縁膜19が形成され、第1層間絶縁膜18の表面に形成されたデータ線90は、第1層間絶縁膜18に形成されたコンタクトホールを介して高濃度ソース領域162に電気的に接続している。第1層間絶縁膜18の表面にはデータ線90と同時形成されたドレイン電極14が形成され、このドレイン電極14は、第1層間絶縁膜18に形成されたコンタクトホールを介して高濃度ドレイン領域172に電気的に接続している。また、第2層間絶縁膜19の表面にはITO膜からなる画素電極8が形成され、この画素電極8は、第2層間絶縁膜19に形成されたコンタクトホールを介してドレイン電極14に電気的に接続している。
【0027】
ここで、第2層間絶縁膜19は、後述するように、ポリシラザン塗布膜を焼成して得た下層側層間絶縁膜191と、CVD法により形成されたシリコン酸化膜からなる上層側層間絶縁膜192との2層構造になっている。
【0028】
また、画素電極8の表面側には、ポリシラザン塗布膜を焼成して得たシリコン酸化膜からなる保護膜45が形成され、この保護膜45の表面にポリイミド膜からなる配向膜46が形成されている。この配向膜46は、ポリイミド膜に対してラビング処理が施された膜である。ラビング処理は、図6(A)に示す構造のポリイミド膜を形成した基板を、図6(B)に示すように、金属製のロール501上に付したレーヨン系繊維からなるパフ布502でポリイミド膜を一定方向に擦る処理である。このラビング処理によって、ポリイミド膜では、ポリイミド分子が表面近傍で一定方向に配列し、基板間に後で封入される液晶分子はポリイミド分子との相互作用により液晶分子が一定方向に配列する。
【0029】
ここで保護膜45を形成するために用いたポリシラザン塗布膜は、後述するように、ペルヒドロポリシラザンなどをキシレンなどに溶かしたものをスピンコート法やインクジェット法で塗布した膜である。従って、ポリシラザン塗布膜を凹凸のある面に塗布すると、ポリシラザン塗布膜は凸部には薄く、凹部には厚く塗布される。それ故、ポリシラザン塗布膜は下地の凹凸を平坦化する機能を有する。
【0030】
なお、高濃度ドレイン領域172から延設されたシリコン膜40aには低濃度領域からなる下電極41が形成され、この下電極41に対しては、ゲート絶縁膜13と同時形成された絶縁膜(誘電体膜)を介して容量線92が対向している。このようにして保持容量40が形成されている。
【0031】
ここで、TFT10は、好ましくは上述のようにLDD構造をもつが、低濃度ソース領域161および低濃度ドレイン領域171に相当する領域に不純物イオンの打ち込みを行わないオフセット構造を有していてもよい。また、TFT10は、走査線91をマスクとして高濃度で不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソースおよびドレイン領域を形成したセルフアライン型のTFTであってもよい。なお、本形態では、TFT10のゲート電極(走査線91)をソース−ドレイン領域の間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。この際、各々のゲート電極には同一の信号が印加されるようにする。このようにデュアルゲート(ダブルゲート)或いはトリプルゲート以上でTFT10を構成すれば、チャネルとソース−ドレイン領域の接合部でのリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することが出来る。これらのゲート電極の少なくとも1個をLDD構造或いはオフセット構造にすれば、さらにオフ電流を低減でき、安定したスイッチング素子を得ることが出来る。
【0032】
(対向基板の構成)
図7は、液晶装置1の端部の断面図である。図7において、対向基板OPは、画素電極8の各々に向けて盛り上がった複数のマイクロレンズL(小さな凸レンズ)がアクティブマトリクス基板AMの画素電極8に対応してマトリクス状に形成されたレンズアレイ基板LAと、このレンズアレイ基板LAに対してマイクロレンズLを覆うように接着剤48により貼り合わされた透明な薄板ガラス49とを有している。この薄板ガラス49の表面には対向電極31が形成され、この対向電極31の表面のうち、マイクロレンズLの境界領域に対応する領域には遮光膜6が形成されている。
【0033】
薄板ガラス49の表面において、対向電極31および遮光膜6の表面には、ポリシラザン塗布膜を焼成して得たシリコン酸化膜からなる保護膜44が形成され、この保護膜44の表面にポリイミド膜からなる配向膜47が形成されている。この配向膜47も、アクティブマトリクス基板AMの配向膜46と同様、図6(A)に示す構造のポリイミド膜に対して、図6(B)に示すように、金属製のロール501上に付したレーヨン系繊維からなるパフ布502で一定方向に擦るラビング処理が施された膜である。
【0034】
ここで保護膜44を形成するために用いたポリシラザン塗布膜も、後述するように、ペルヒドロポリシラザンなどをキシレンなどに溶かしたものをスピンコート法やインクジェット法で塗布した膜である。従って、ポリシラザン塗布膜を凹凸のある面に塗布すると、ポリシラザン塗布膜は凸部には薄く、凹部には厚く塗布される。それ故、ポリシラザン塗布膜は下地の凹凸を平坦化する機能を有する。
【0035】
このような構成の対向基板OPを用いた液晶装置1では、対向基板OPの側から入射した光のうち、TFT10のチャネル形成領域などに照射される光は遮光膜6によって遮られるとともに、斜めに入射した光などは各マイクロレンズLによって各画素電極8に向けて集光される。従って、対向基板OPの側に形成した遮光膜6の幅が狭くても、あるいは対向基板OPの側に遮光膜6がなくても、マイクロレンズLによってTFT10のチャネル形成領域に光が入射することを防止することができる。それ故、TFT10のトランジスタ特性の劣化を防止することができるので、信頼性を向上させることができる。また、対向基板OPの側に形成した遮光膜6の幅を狭くでき、あるいは対向基板OPの側から遮光膜6を省略してもよいので、表示に寄与する光量が遮光膜6によって減少するのを防止することができる。よって、液晶表示装置においてコントラストと明るさを大幅に向上させることができる。
【0036】
このような構成の対向基板OPにおいてマイクロレンズLの形成領域の周辺領域LB、あるいはアクティブマトリクス基板AMの外周縁よりやや内側領域にギャップ材含有のシール材52が塗布され、このシール材52によって、対向基板OPとアクティブマトリクス基板AMとが貼り合わされている。
【0037】
(本形態の効果)
このように本形態では、図5に示すように、アクティブマトリクス基板AMでは、配向膜46の下地に相当する保護膜45は、ポリシラザン塗布膜から形成した絶縁膜(シリコン酸化膜)であるため、画素電極8などに起因する凹凸を平坦化する。従って、下層側の凹凸が配向膜46の表面にまで反映されることがないので、配向膜46の表面は平坦である。また、図7に示すように、対向基板OPでも、配向膜47の下地に相当する保護膜44は、ポリシラザン塗布膜から形成した絶縁膜(シリコン酸化膜)であるため、遮光膜6などに起因する凹凸を平坦化する。従って、下層側の凹凸が配向膜47の表面にまで反映されることがないので、配向膜47の表面は平坦である。それ故、ラビング時に配向膜46、47表面を、図6(B)に示すパフ布502で擦っても配向膜46、47の凸部が削られることがないので、配向膜46、47の表面に筋状の傷が付くことがない。よって、配向膜46、47の表面の傷に起因する液晶39の配向不良を確実に防止できるので、液晶装置1での表示の品位が向上する。また、ポリシラザン塗布膜から形成した保護膜44、45は、ポリエステル樹脂と違って誘電率が高いのので、比較的厚く形成することができる。それ故、ポリシラザン塗布膜から形成した保護膜44、45は凹凸を確実に平坦化することができる。
【0038】
また、図5に示されているアクティブマトリクス基板AMの構成において、下層側層間絶縁膜191も、ポリシラザン塗布膜から形成した絶縁膜であるため、凹凸を平坦化する。従って、下層側の凹凸が下層側層間絶縁膜191の表面にまで反映されることがないので、配向膜46、47の表面は平坦である。それ故、ラビング時に配向膜46、47表面を、図7(B)に示すパフ布で擦っても配向膜46、47の表面に筋状の傷が付くことがない。よって、配向膜46、47の表面の傷に起因する液晶39の配向不良を確実に防止できる。
【0039】
また、ポリシラザンから形成した下層側層間絶縁膜191は平坦化に適している分、凸部では極めて薄くなってしまうので、この部分にクラックや高容量の寄生容量が発生するおそれがあるが、本形態では、下層側層間絶縁膜191の表面にCVD法により上層側層間絶縁膜192を形成し、下層側層間絶縁膜191の部分的に薄い部分を補う構成になっているので、クラックや高容量の寄生容量が発生することはない。
【0040】
(アクティブマトリクス基板AMの製造方法)
このような構成のアクティブマトリクス基板AMを製造する方法を、図8ないし図11を参照して説明する。これらの図は、本形態のアクティブマトリクス基板AMの製造方法を示す工程断面図であり、いずれの図においても、図4のA−A′線における断面に相当する。但し、ここでは画素用TFT10の製造方法のみについて説明することし、保持容量40などの製造方法の説明および図示を省略する。
【0041】
まず、図8(A)に示すように、ガラス基板、たとえば無アリカリガラスや石英などからなる透明な絶縁基板30の表面に直接、あるいは絶縁基板30の表面に形成した下地保護膜301の表面全体に、減圧CVD法などにより厚さが約200オングストローム〜約2000オングストローム、好ましくは約1000オングストロームのポリシリコン膜からなる半導体膜100を形成した後、半導体膜100の表面にフォトリソグラフィ技術を用いてレジストマスクRM1を形成する。この半導体膜100の形成は、アモルファスシリコン膜を堆積した後、500℃〜700℃の温度で1時間〜72時間、好ましくは4時間〜6時間の熱アニールを施してポリシリコン膜を形成したり、ポリシリコン膜を堆積した後、シリコンを打ち込み、非晶質化した後、熱アニールにより再結晶化してポリシリコン膜を形成する方法を用いてもよい。
【0042】
次に、レジストマスクRM1を介して半導体膜1をパターニングし、図8(B)に示すように、島状の半導体膜10a(能動層)を形成する。
【0043】
次に、図8(C)に示すように、CVD法などにより半導体膜10aの表面に厚さが約500オングストローム〜約1500オングストロームのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜13を形成する。あるいは、熱酸化膜を約50オングストローム〜約1000オングストローム、好ましくは300オングストローム形成した後、全面にCVD法などによりシリコン酸化膜を約100オングストローム〜約1000オングストローム、好ましくは500オングストローム堆積し、それらによりゲート絶縁膜13を形成してもよい。また、ゲート絶縁膜13としてシリコン窒化膜を用いてもよい。
【0044】
次に、図8(D)に示すように、ゲート電極などを形成するためのタンタル膜910を絶縁基板30全面に形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストマスクRM2を形成する。
【0045】
次に、レジストマスクRM2を介してタンタル膜3をパターニングし、図8(E)に示すように、走査線91(ゲート電極)を形成する。
【0046】
次に、図9(A)に示すように、画素TFT部および駆動回路のNチャネルTFT部の側には、走査線91(ゲート電極)をマスクとして、約0.1×1013/cm2 〜約10×1013/cm2 のドーズ量で低濃度の不純物イオン(リンイオン)の打ち込みを行い、画素TFT部の側には、ゲート電極に対して自己整合的に低濃度のソース領域161および低濃度のドレイン領域171を形成する。ここで、ゲート電極の真下に位置しているため、不純物イオンが導入されなかった部分は半導体膜のままのチャネル領域15となる。
【0047】
次に、図9(B)に示すように、画素TFT部では、ゲート電極よりの幅の広いレジストマスクRM3を形成して高濃度の不純物イオン(リンイオン)を約0.1×1015/cm2 〜約10×1015/cm2 のドーズ量で打ち込み、高濃度のソース領域162およびドレイン領域172を形成する。このようにして、図9(C)に示すように、低濃度ソース領域161および高濃度ソース領域162を備えるソース領域16を形成し、低濃度ドレイン領域171および高濃度ドレイン領域172を備えるドレイン領域17を形成する。
【0048】
これらの不純物導入工程に代えて、低濃度の不純物の打ち込みを行わずにゲート電極より幅の広いレジストマスクRM3を形成した状態で高濃度の不純物(リンイオン)を打ち込み、オフセット構造のソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。また、ゲート電極の上に高濃度の不純物(リンイオン)を打ち込んで、セルフアライン構造のソース領域およびドレイン領域を形成してもとよいことは勿論である。
【0049】
また、図示を省略するが、周辺駆動回路のPチャネルTFT部を形成するために、前記画素部およびNチャネルTFT部をレジストで被覆保護して、ゲート電極をマスクとして、約0.1×1015/cm2 〜約10×1015/cm2 のドーズ量でボロンイオンを打ち込むことにより、自己整合的にPチャネルのソース・ドレイン領域を形成する。なお、NチャネルTFT部の形成時と同様に、ゲート電極をマスクとして、約0.1×1013/cm2 〜約10×1013/cm2 のドーズ量で低濃度の不純物(ボロンイオン)を導入して、ポリシリコン膜に低濃度領域を形成した後、ゲート電極よりの幅の広いマスクを形成して高濃度の不純物(ボロンイオン)を約0.1×1015/cm2 〜約10×1015/cm2 のドーズ量で打ち込み、LDD構造(ライトリー・ドープト・ドレイン構造)のソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。また、低濃度の不純物の打ち込みを行わずに、ゲート電極より幅の広いマスクを形成した状態で高濃度の不純物(リンイオン)を打ち込み、オフセット構造のソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。これらのイオン打ち込み工程によって、CMOS化が可能になり、周辺駆動回路の同一基板内への内蔵化が可能となる。
【0050】
次に、図9(D)に示すように、走査線91の表面側にCVD法などにより、酸化シリコン膜やNSG膜(ボロンやリンを含まないシリケートガラス膜)などからなる第1の層間絶縁膜18を3000オングストローム〜15000オングストローム程度の膜厚で形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて、第1の層間絶縁膜18にコンタクトホールや切断用孔を形成するためのレジストマスクRM4を形成する。
【0051】
次に、レジストマスクRM4を介して第1の層間絶縁膜18にエッチングを行い、図9(E)に示すように、第1の層間絶縁膜18のうち、ソース領域162およびドレイン領域172に対応する部分にコンタクトホールをそれぞれ形成する。
【0052】
次に、図10(A)に示すように、第1の層間絶縁膜18の表面側に、ソース電極などを構成するためのアルミニウム膜900をスパッタ法などで形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて、レジストマスクRM5を形成する。
【0053】
次に、レジストマスクRM5を介してアルミニウム膜900にエッチングを行い、図10(B)に示すように、ソース領域162にコンタクトホールを介して電気的に接続するアルミニウム膜からなるソース電極(データ線90の一部)と、ドレイン領域172にコンタクトホールを介して電気的に接続するドレイン電極14とを形成する。
【0054】
次に、図10(C)に示すように、ソース電極90およびドレイン電極14の表面側に、ペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を焼成した層間絶縁膜191を形成する。さらに、この層間絶縁膜191の表面に、TEOSを用いたCVD法によりたとえば400℃程度の温度条件下で厚さが約500オングストローム〜約15000オングストロームのシリコン酸化膜からなる上層側層間絶縁膜192を形成する。これらの層間絶縁膜191、192によって、第2の層間絶縁膜19が形成される。
【0055】
ここで、ペルヒドロポリシラザンとは無機ポリシラザンの一種であり、大気中で焼成することによってシリコン酸化膜に転化する塗布型コーティング材料である。たとえば、東燃(株)製のポリシラザンは、−(SiH2 NH)−を単位とする無機ポリマーであり、キシレンなどの有機溶剤に可溶である。従って、この無機ポリマーの有機溶媒溶液(たとえば、20%キシレン溶液)を塗布液としてスピンコート法(たとえば、2000lrpm、20秒間)で塗布した後、450℃の温度で大気中で焼成すると、水分や酸素と反応し、CVD法で成膜したシリコン酸化膜と同等以上の緻密なアモルファスのシリコン酸化膜を得ることができる。従って、この方法で成膜した層間絶縁膜191(シリコン酸化膜)はCVD法で形成した層間絶縁膜と同様の信頼性を有しているとともに、ドレイン電極14に起因する凹凸などを平坦化してくれる。
【0056】
次に、図10(C)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて、絶縁膜18、19にコンタクトホールを形成するためのレジストマスクRM6を形成する。
【0057】
次に、レジストマスクRM6を介して第2の層間絶縁膜19にエッチングを行い、図10(D)に示すように、ドレイン電極14に対応する部分にコンタクトホールを形成する。
【0058】
次に、図11(A)に示すように、第2の層間絶縁膜19の表面側に、厚さが約400オングストローム〜約2000オングストロームのITO膜80をスパッタ法などで形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて、ITO膜80をパターニングするためのレジストマスクRM7を形成する。
【0059】
次に、レジストマスクRM7を介してITO膜80にエッチングを行って、図11(B)に示すように、ドレイン電極14に電気的に接続する画素電極8を形成する。
【0060】
次に、図11(C)に示すように、画素電極8の表面側に、ペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を形成した後、それを450℃の温度で大気中で焼成することによってポリシラザンを水分や酸素と反応させ、透明なアモルファスのシリコン酸化膜(保護膜45)を形成する。このペルヒドロポリシラザンとは、前記したように、無機ポリシラザンの一種であり、大気中で焼成することによってシリコン酸化膜に転化する塗布型コーティング材料である。従って、この方法で成膜した保護膜45は画素電極8に起因する凹凸などを平坦化してくれる。
【0061】
次に、図11(D)に示すように、保護膜45の表面にポリイミド膜(配向膜46)を形成する。それには、ブチルセロソルブやn−メチルピロリドンなどの溶媒に5〜10重量%のポリイミドやポリアミド酸を溶解させたポリイミド・ワニスをフレキソ印刷した後、加熱・硬化(焼成)する。そして、図6(A)に示す構造のポリイミド膜を形成した基板を、図6(B)に示すように、金属製のロール501上に付したレーヨン系繊維からなるパフ布502でポリイミド膜を一定方向に擦り、ポリイミド分子を表面近傍で一定方向に配列させる。その結果、後で充填した液晶分子とポリイミド分子との相互作用により液晶分子が一定方向に配列する。
【0062】
このとき、第2層間絶縁膜19の表面では画素電極8に起因する凹凸があるが、この凹凸はポリシラザン塗布膜を焼成して得た保護膜45によって平坦化されているので、配向膜46の表面は平坦である。従って、ラビング処理時に配向膜46表面をパフ布で擦っても配向膜46の凸部が削られることがないので、配向膜46表面に筋状の傷が付くことがない。よって、配向膜46表面の傷に起因する液晶に配向不良を確実に防止できるので、液晶装置での表示の品位が向上する。
【0063】
(対向基板OPの製造方法)
これに対して、図7に示す対向基板OPを製造するには、レンズアレイ基板LAに対してマイクロレンズLを覆うように薄板ガラス49を接着剤48により貼り合わされた後、薄板ガラス49の表面を研磨し平行出しを行う。
【0064】
次に、ITO膜によって対向電極31を形成した後、対向電極31の表面のうち、マイクロレンズLの境界領域に対応する領域に対して、フォトリソグラフィ技術を用いてクロム膜などからなる遮光膜6を形成する。
【0065】
次に、対向電極31および遮光膜6の表面側に、ペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を形成した後、それを450℃の温度で大気中で焼成することによってポリシラザンを水分や酸素と反応させ、透明なアモルファスのシリコン酸化膜(保護膜44)を形成する。このペルヒドロポリシラザンとは、前記したように、無機ポリシラザンの一種であり、大気中で焼成することによってシリコン酸化膜に転化する塗布型コーティング材料である。従って、この方法で成膜した保護膜44は遮光膜6に起因する凹凸などを平坦化してくれる。
【0066】
次に、保護膜44の表面にポリイミド膜(配向膜47)を形成する。この場合も、ブチルセロソルブやn−メチルピロリドンなどの溶媒に5〜10重量%のポリイミドやポリアミド酸を溶解させたポリイミド・ワニスをフレキソ印刷した後、加熱・硬化(焼成)する。そして、図7(A)に示す構造のポリイミド膜を形成した基板を、図7(B)に示すように、金属製のロール501上に付したレーヨン系繊維からなるパフ布502でポリイミド膜を一定方向に擦り、ポリイミド分子を表面近傍で一定方向に配列させる。その結果、後で充填した液晶分子とポリイミド分子との相互作用により液晶分子が一定方向に配列する。
【0067】
このとき、対向電極31の表面では遮光膜6の凹凸があるが、この凹凸はポリシラザン塗布膜を焼成して得た保護膜44によって平坦化されているので、配向膜47の表面は平坦である。従って、ラビング処理時に配向膜47表面をパフ布で擦っても配向膜47の凸部が削られることがないので、配向膜47表面に筋状の傷が付くことがない。よって、配向膜47表面の傷に起因する液晶に配向不良を確実に防止できるので、液晶装置での表示の品位が向上する。
【0068】
(液晶装置への組立て工程)
このように構成した対向基板OPとアクティブマトリクス基板AMとを用いて液晶装置1を組み立てるには、図7に示すように、アクティブマトリクス基板AMにシール材52を塗布した後、スペーサ37を散布し、しかる後に、対向基板OPとアクティブマトリクス基板AMとを貼り合わせる。そして、シール材52の途切れ部分である液晶注入口241から液晶39を減圧注入した後、液晶注入口241を封止剤242で塞ぐ。このようにして液晶装置1を組み立てた後、偏光板(図示せず。)などの貼り付けを行う。
【0069】
(その他の形態)
なお、上記形態では、画素電極8の表面を保護膜45が覆う形態になっていたが、画素電極8の表面が保護膜45から露出している構成であってもよい。
【0070】
また、各画素に形成される画素スイッチング用のTFTとしては、正スタガ型またはコプラーナ型のポリシリコンTFTを用いた例で説明したが、逆スタガ型のTFTやアモルファスシリコンTFTなど、他の形式のTFTを画素スイッチング用に用いてもよい。
【0071】
さらに、上記形態では本発明をアクティブマトリクス基板に適用した例であったが、パッシッブマトリクスタイプの液晶装置に本発明を適用してもよい。
【0072】
[液晶装置の電子機器への適用]
次に、液晶装置1を備えた電子機器の一例を、図12および図13を参照して説明する。
【0073】
まず、図12には、上記の各形態に係る液晶装置1と同様に構成された液晶装置を備えた電子機器の構成をブロック図で示してある。
【0074】
図12において、電子機器は、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1004、液晶装置1006、クロック発生回路1008、および電源回路1010を含んで構成される。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、光ディスクなどのメモリ、テレビ信号の画信号を同調して出力する同調回路などを含んで構成され、クロック発生回路1008からのクロックに基づいて、所定フォーマットの画像信号を処理して表示情報処理回路1002に出力する。この表示情報出力回路1002は、たとえば増幅・極性反転回路、シリアル−パラレル変換回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、あるいはクランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成され、クロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKとともに駆動回路1004に出力する。駆動回路1004は、液晶装置1を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定の電源を供給する。なお、前記した液晶装置1のように、液晶装置1006を構成するアクティブマトリクス基板AMの上に駆動回路1004を形成してもよく、それに加えて、表示情報処理回路1002もアクティブマトリクス基板AMの上に形成してもよい。
【0075】
このような構成の電子機器としては、液晶装置1を透過型で構成した場合には、図13を参照して後述する投射型液晶表示装置(液晶プロジェクタ)、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)、およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、あるいは携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルなどを挙げることができる。
【0076】
図13に示す投射型液晶表示装置1100は、前記の駆動回路1004がアクティブマトリクス基板AM上に搭載された液晶装置1を含む液晶モジュールを3個準備し、各々RGB用のライトバルブ100R、100G、100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。この液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプなどの白色光源のランプユニット1102から光が出射されると、3枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの3原色に対応する光成分R、G、Bに分離され(光分離手段)、対応するライトバルブ100R、100G、100B(液晶装置100/液晶ライトバルブ)に各々導かれる。この際に、光成分Bは、光路が長いので、光損失を防ぐために入射レンズ1122、リレーレンズ1123、および出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G、100Bによって各々変調された3原色に対応する光成分R、G、Bは、ダイクロイックプリズム1112(光合成手段)に3方向から入射され、再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120などにカラー画像として投射される。
【0077】
次に、この表示装置を、モバイル型のパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図15は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶表示ユニット1206とから構成されている。この液晶表示ユニット1206は、先に述べた表示装置1005の背面にバックライトを付加することにより構成されている。
【0078】
さらに、この液晶パネルを、携帯電話に適用した例について説明する。図16は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の表示装置1005を備えるものである。この反射型の表示装置1005にあっては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液晶装置において、配向膜の下地に相当する保護膜は、ポリシラザン塗布膜から形成した絶縁膜であるため、電極に起因する凹凸を平坦化する。従って、下層側の凹凸が配向膜の表面にまで反映されることがないので、配向膜の表面は平坦である。それ故、ラビング時に配向膜表面をパフ布で擦っても配向膜の凸部が削られることがないので、配向膜表面に筋状の傷が付くことがない。よって、配向膜表面の傷に起因する液晶に配向不良を確実に防止できるので、液晶装置での表示の品位が向上する。また、ポリシラザン塗布膜から形成した絶縁膜は、ポリエステル樹脂と違って誘電率が高いのので、比較的厚く形成することができるので、凹凸を確実に平坦化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したアクティブマトリクス型を用いた表示装置の平面図である。
【図2】図1のH−H′線における断面図である。
【図3】図1に示すアクティブマトリクス基板の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すアクティブマトリクス基板に形成された画素の構成を示す平面図である。
【図5】図4のA−A′線における断面図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ、ポリイミドの構造およびラビング装置の説明図である。
【図7】図1に示す表示装置の端部を拡大して示す断面図である。
【図8】(A)〜(E)は、図1に示す表示装置の製造方法を示す工程断面図である。
【図9】(A)〜(D)は、図1に示す表示装置の製造方法において図8に示す工程に続いて行う各工程を示す工程断面図である。
【図10】(A)〜(D)は、図1に示す表示装置の製造方法において図9に示す工程に続いて行う各工程を示す工程断面図である。
【図11】(A)〜(D)は、図1に示す表示装置の製造方法において図10に示す工程に続いて行う各工程を示す工程断面図である。
【図12】図4および図5に示す表示装置の使用例を示す電子機器の回路構成を示すブロック図である。
【図13】図1および図2に示す表示装置の使用例を示す投射型液晶表示装置の全体構成図である。
【図14】従来のアクティブマトリクス基板に形成された画素の構成を示す断面図である。
【図15】表示装置を電子機器に用いた図である。
【図16】表示装置を電子機器に用いた図である。
【符号の説明】
1 表示装置
6 遮光膜
8 画素電極
10 画素スイッチング用のTFT
18 第1層間絶縁膜
19 第2層間絶縁膜
31 対向電極
39 液晶
40 液晶封入領域
44、45 保護膜
46、47 配向膜
48 接着剤
49 薄板ガラス
52 シール材
90 データ線
94 液晶セル
191 第2層間絶縁膜の下層側層間絶縁膜
192 第2層間絶縁膜の上層側層間絶縁膜
AM アクティブマトリクス基板
L マイクロレンズ(小さな凸レンズ)
LA レンズアレイ基板
LB 対向基板の周辺領域
OP 対向基板

Claims (5)

  1. マトリクス状に形成されてなる画素電極と、前記画素電極に対応して形成された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続してなるデータ線とドレイン電極および走査線とを有し、前記画素電極と前記ドレイン電極とが接続されてなるアクティブマトリクス基板において、
    前記画素電極の上層には、前記画素電極、前記スイッチング素子、前記データ線および走査線を覆うようにポリシラザンからなる保護膜が形成され、
    前記ドレイン電極と前記画素電極との間には層間絶縁膜が形成され、
    前記層間絶縁膜は、ポリシラザンから形成した下層側層間絶縁膜、および該下層側層間絶縁膜の上にCVD法により形成した上層側層間絶縁膜からなることを特徴とするアクティブマトリクス基板。
  2. 請求項1に記載のアクティブマトリクス基板と対向する基板との間に電気光学物質を挟持してなることを特徴とする表示装置。
  3. 前記保護膜の表面には配向膜が形成されていることを特徴と
    する請求項2に記載の表示装置。
  4. 請求項2乃至3のいずれかに記載の表示装置において、前記一対の基板のうち一方の基板には、マトリクス状に形成されてなる画素電極、該画素電極に接続してなる薄膜トランジスタ、該薄膜トランジスタに接続してなるデータ線および走査線が形成されてなることを特徴とする表示装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれかに記載の表示装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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