JP3713981B2 - 水中基礎の構築工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、水中基礎の構築工法に関し、特に、スカート部を水底地盤中に貫入させる水中基礎の構築工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水中に基礎構造物を構築する際、基礎構造物が杭基礎の場合は、一般的に、押し込み力として打撃や振動を用いて施工する。しかし、基礎構造物が大規模で、建設地点が大深度の場合には、打撃や振動により押し込むことには、限界があって、このような条件下での杭基礎の採用は、非常に難しくなる。
【0003】
そこで、大規模な基礎構造物を水中の大深度に構築する際には、スカート部を下端に一体に形成した基礎構造物を、自重に付加バラスト荷重を加えたり、あるいは、サクションを作用させることなどにより、水底地盤中に強制的に貫入する方法が採用されている。
【0004】
ところが、このような水中基礎の構築工法には、以下に説明する技術的な課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、スカート部を水底地盤中に貫入させて基礎構造物を据え付けると、据え付け後の構造物の追加荷重などにより、スカート部が貫入している先端より下に粘性土層があると地盤が圧密沈下を起こし、構造物の完成後も沈下が継続し、沈下量が許容値以上になったり、傾斜するなどの不具合が発生し、構造物の供用に支障が生じる恐れがあった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、構築後に追加荷重などが作用しても、供用に支障を来すほどの不具合が発生することがない水中基礎の構築工法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、水中に設置される基礎本体の下端にスカート部を一体に形成し、前記スカート部を水底地盤中に貫入させる水中基礎の構築工法において、前記水底地盤に圧密対象の粘性土層が介在している際に、前記スカート部の下端に集水ドレーン部を延設し、バラスト荷重やサクション荷重を作用させることで前記基礎本体を水底地盤の所定深度まで沈設させて、前記集水ドレーン部を支持地盤層に到達させた後に、前記集水ドレーン部に集められた前記粘性土層中の水を、前記スカート部に設けられた排水通路を介して、外部に排出するようにした。
このように構成した水中基礎の構築工法によれば、水底地盤に圧密対象の粘性土層が介在している際に、スカート部の下端に集水ドレーン部を延設し、バラスト荷重やサクション荷重を作用させることで基礎本体を水底地盤の所定深度まで沈設させて、集水ドレーン部を支持地盤層に到達させた後に、集水ドレーン部に集められた前記粘性土層中の水を、スカート部に設けられた排水通路を介して、外部に排出するので、スカート部の下方部分の水底地盤の圧密沈下が促進される。
従って、基礎の構築後に追加荷重などが作用しても、供用に支障を来すほどの沈下の発生を防止することができる。
前記集水ドレーン部は、前記排水通路と連通し、外周面に貫通孔が設けられたドレーン管と、このドレーン管内に設けられたフィルター材と、前記ドレーン管内に充填された透水材とで構成することができる。
この構成によれば、フィルター材により土砂の流入を防ぎつつ、圧密沈下を促進する排水を行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照にして詳細に説明する。図1から図4は、本発明にかかる水中基礎の構築工法の一実施例を示している。
【0009】
同図に示した水中基礎は、水中に設置される基礎本体10と、スカート部12とを備えている。基礎本体10は、版状の上版10aと、この上版10aの下端に一体に設けられた筒状の内,外側壁10b,10cと、これらの内,外側壁10b,10cの下端を閉塞するように設けられた版状の下版10dとを備えている。
【0010】
このように構成された基礎本体10は、その水平断面が円ないしは角形に形成され、内部には、上,下版10a,10dと、内,外側壁10b,10cとで隔成された隔室10eが設けられ、この隔室10e内には、水中基礎を沈設する際にバラスト荷重となる海水などが充填される。
【0011】
下版10dは、本実施例の場合には、所定の曲率で湾曲する曲面に形成されている。
【0012】
スカート部12は、後述するように、水底地盤中に貫入されるものであって、本実施例の場合には、基礎本体10の内,外側壁10b,10cの下端に連なるように、内,外側壁10b,10cと同じ厚みで、同じ直線上に位置するようにして、下方に向けて一体に延設された複数の中空円筒体から構成されている。
【0013】
また、本実施例の場合には、スカート部12は、内,外側壁10b,10cの周方向に沿って、相互に所定の間隔を隔てて複数配置されている。
【0014】
以上のような水中基礎としての基本的な構成は、従来のこの種の基礎と同じであるが、本実施例の水中基礎には、以下に説明する点に顕著な特徴がある。
【0015】
すなわち、本実施例の水中基礎には、スカート部12の下端にそれぞれ集水ドレーン部14を延設し、この集水ドレーン部14に集められた水を、スカート部12に設けられた排水通路16を介して、外部に排出するようにしている。
【0016】
この集水ドレーン部14の詳細を図3,4に示している。同図に示した集水ドレーン部14は、ドレーン管14aと、フィルター材14bと、透水材14cとを備えている。
【0017】
ドレーン管14aは、下端が閉塞された円筒ないしは角形,楕円形などの閉塞断面状の管体であって、その側面には、多数のスリット孔14dが貫通形成されている。各ドレーン管14aは、各スカート部12の下端に嵌着固定された取付用鋼筒18に上端側が固設されることにより支持されている。
【0018】
各スカート部12内には、その上下方向に沿って伸びる排水通路16が設けられていて、この排水通路16とドレーン管14aの内部とが相互に連通するようになっている。
【0019】
排水通路16は、スカート部12内を上下に貫通し、内,外側壁10b,10cの中間位置まで延設され、上端側が上版10aの中心に垂設された合流管17にバルブを介在させて連通接続されている。
【0020】
各スカート部12の下端に取付けられたドレーン管14aは、周および径方向に配置された連結材20により相互に連結されている。フィルター材14bは、各ドレーン管14aの内面側に設置され、水分のみを透過する機能を有する金網,合成樹脂網、不織布などの筒体から構成されている。
【0021】
透水材14cは、中詰砂,砂利,砕石,合成樹脂の小ブロックなどから構成され、フィルター材14bが設置されたドレーン管14a内に充填されている。
【0022】
以上のように構成された水中基礎の構築方法について説明する。基礎本体10は、スカート部12および集水ドレーン部14を一体に取付けた状態で製作ヤードで製作される。
【0023】
製作された基礎本体10は、設置地点まで曳航船などにより運搬する。設置地点まで運搬された基礎本体10は、隔室10e内に海水などを注入することや、カウンターウエイトを載置するなどによりバラスト荷重を作用させ、また、減圧によりサクションを作用させることにより水底地盤A中に沈設させる。
【0024】
この場合、集水ドレーン部14が支持地盤層Cに到達した後、排水通路16の上端側の合流管17に、排水ポンプなどの吸水装置を連通設置して、支持地盤層Cの間隙水を積極的に揚水,排水する。
【0025】
なお、図1に示した実施例では、支持地盤層Cは、砂質土層C1と粘性土層C2とが、交互に形成されている。
【0026】
そして、このような排水処理を所定期間行った後に、基礎本体10の上部側に橋脚などの追加構造物22を構築する。
【0027】
さて、以上のようにして行う水中基礎の構築工法によれば、スカート部12の下端に集水ドレーン部14を延設し、集水ドレーン部14に集められた水を、スカート部12に設けられた排水通路16を介して、外部に排出すると、排水により間隙水圧が低減して、水底地盤Aの支持地盤層Cに対するプレロード効果が発揮され、スカート部12を支持している支持地盤層C中の圧密沈下が促進される。
【0028】
従って、基礎の構築後に追加荷重などが作用しても、供用に支障を来すほどの沈下の発生を防止することができる。また、スカート部12を支持している地盤層Cの圧密沈下を積極的に促進させると、早期に確実な支持地盤が確保されるとともに、安定した基礎も早期に確保することができる。
【0029】
このような作用効果は、支持地盤層Cが、砂質土層C1と粘性土層C2との互層状態であっても有効に発揮され、粘性土層C2の圧密化を早期に起こすことができる。
【0030】
また、本実施例の場合には、集水ドレーン部14は、スカート部12に設けられた排水通路16と連通し、外周面に貫通孔が設けられたドレーン管14aと、このドレーン管14a内に設けられたフィルター材14bと、ドレーン管14a内に充填された透水材14cで構成しているので、フィルター材14bにより土砂の流入を防ぎつつ、圧密沈下を促進する排水を行うことができる。
【0031】
【発明の効果】
以上、実施例で詳細に説明したように、本発明にかかる水中基礎の構築方法によれば、構築後に追加荷重などが作用しても、供用に支障を来すほどの不具合が発生することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる水中基礎の構築工法の一実施例を示す施工完了状態の説明図である。
【図2】 図1の要部水平断面図である。
【図3】 図1のA部拡大断面図である。
【図4】 図2のB部拡大図である。
Claims (2)
- 水中に設置される基礎本体の下端にスカート部を一体に形成し、前記スカート部を水底地盤中に貫入させる水中基礎の構築工法において、
前記水底地盤に圧密対象の粘性土層が介在している際に、
前記スカート部の下端に集水ドレーン部を延設し、バラスト荷重やサクション荷重を作用させることで前記基礎本体を水底地盤の所定深度まで沈設させて、前記集水ドレーン部を支持地盤層に到達させた後に、前記集水ドレーン部に集められた前記粘性土層中の水を、前記スカート部に設けられた排水通路を介して、外部に排出することを特徴とする水中基礎の構築工法。 - 前記集水ドレーン部は、前記排水通路と連通し、外周面に貫通孔が設けられたドレーン管と、このドレーン管内に設けられたフィルター材と、前記ドレーン管内に充填された透水材とを有することを特徴とする請求項1記載の水中基礎の構築工法。
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