JP3713765B2 - 防振支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば車両のエンジン等のように周期的な振動を発する振動体を車体等の支持体に防振しつつ支持する装置に関し、特に、振動体及び支持体間に介在する支持弾性体によって流体室を画成し、その流体室内の隔壁の一部を形成する可動部材を電磁アクチュエータの磁力によって変位させることにより前記流体室の容積を変化させ、もって能動的な支持力を発生させる形式の防振支持装置において、大出力可能な大型で高価な装置としなくても、大振幅入力等を十分に低減できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に車両のパワーユニットを支持するために用いられる防振支持装置であるエンジンマウントには、主として、アイドル振動やこもり音振動及び加速時騒音振動等に対して良好な防振機能が発揮されることが要求されるが、これら各種の振動のうち、20〜30Hz程度の比較的大振幅の振動であるアイドル振動を低減するために防振支持装置に要求される特性は、高動バネ定数で且つ高減衰であるのに対し、80〜800Hz程度の比較的小・中振幅の振動であるこもり音振動・加速時騒音振動を低減するために防振支持装置に要求される特性は、低動バネ定数で且つ低減衰である。従って、通常の弾性体のみからなるエンジンマウントや、従来の液体封入式のエンジンマウントでは、全ての振動を防振することは困難である。
【0003】
そこで、例えば特開平3−24338号公報に開示されるように、能動的な支持力を発生可能な液体封入式の防振支持装置が従来から存在する。即ち、この公報に記載された防振支持装置は、振動体及び支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室とを有し、その流体室には流体を封入する一方、流体室の容積を変動可能に可動板を弾性体に支持させて配設し、そして、その可動板を、永久磁石及び電磁石からなる電磁アクチュエータによって適宜変位させて流体室の容積を変動させ、支持弾性体を拡張方向に弾性変形させて、防振支持装置に伝達される振動を相殺し得る制御力を発生させていた。つまり、可動板は、自身を弾性支持する弾性体の支持力と、永久磁石による磁力とが釣り合う所定の中立位置まで電磁アクチュエータ側に引き寄せられるが、電磁石が発生する磁力を適宜調整すれば可動板に付与される磁力が増減するから、その可動板と電磁アクチュエータとの間の隙間は可能な範囲で任意の値に変化することができ、流体室の容積を変動させることができるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示されたような従来の装置にあっては、可動板をリング形状の板バネによって弾性支持するようになっていたため、その板バネの単位板厚に対するバネ剛性が高くなり易く、板バネの弾性変形領域が狭いから、制御変位に比例する可動板の変位量を大きくし難く、仮に可動板の変形領域を大きくするために板バネの板厚を薄くしてしまうとその耐久性が低下してしまうという不具合があった。従って、従来の防振支持装置では、大出力を得るためには装置自体を大型化しなければならず、高価格化を招くばかりか、スペース上の制約の大きい車両にとっては搭載自体が困難になってしまう。この結果、従来の防振支持装置にあっては、防振支持装置への振動入力が大きいディーゼルエンジンや大排気量ガソリンエンジン等を支持する場合に、十分な防振特性を発揮することが困難であった。
【0005】
本発明は、このような従来の防振支持装置が有する未解決の課題に着目してなされたものであって、大出力可能な大型で高価な装置としなくても、大振幅入力等を十分に低減できる防振支持装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を中央に開口部を有する円形の板バネとするとともに、前記板バネに前記開口部側から外周側に向かって放射状に延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの内周側で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、さらに、前記可動部材側及び前記保持部材側の少なくとも一方に、前記可動部材が前記電磁アクチュエータ側に近づくに従って前記板バネとの接触面積が大きくなる支持面を有する支持部材を設けたものである。
上記目的を達成するために、請求項2に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を中央に開口部を有する円形の板バネとするとともに、前記板バネに前記開口部側から外周側に向かって放射状に延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの内周側で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、さらに、前記可動部材及び前記保持部材の少なくとも一方に、前記可動部材が前記電磁アクチュエータ側に近づくに従って前記板バネとの接触面積が大きくなる支持面を形成したものである。
上記目的を達成するために、請求項3に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を中央に開口部を有する円形の板バネとするとともに、前記板バネに前記開口部側から外周側に向かって放射状に延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの内周側で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに近づくに従って前記バネ定数が大きくなる非線形特性としたものである。
上記目的を達成するために、請求項4に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を中央に開口部を有する円形の板バネとするとともに、前記板バネに前記開口部側から外周側に向かって放射状に延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの内周側で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに近づくに従って前記バネ定数が段階的に大きくなる特性としたものである。
上記目的を達成するために、請求項5に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流 体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を中央に開口部を有する円形の板バネとするとともに、前記板バネに前記開口部側から外周側に向かって放射状に延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの内周側で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、さらに、前記可動部材を前記電磁アクチュエータに接触する位置まで変位させた場合に前記弾性部材が発生するバネ力を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに接触した場合に受ける吸引力よりも大きくしたものである。
上記目的を達成するために、請求項6に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を中央に開口部を有する円形の板バネとするとともに、前記板バネに前記開口部側から外周側に向かって放射状に延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの内周側で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を可変とする特性可変手段を設けたものである。
【0007】
また、上記目的を達成するために、請求項に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を円形の板バネとするとともに、前記板バネに外周側から中央部に向かって延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの中央部で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、さらに、前記可動部材側及び前記保持部材側の少なくとも一方に、前記可動部材が前記電磁アクチュエータ側に近づくに従って前記板バネとの接触面積が大きくなる支持面を有する支持部材を設けた。
上記目的を達成するために、請求項8に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を円形の板バネとするとともに、前記板バネに外周側から中央部に向かって延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの中央部で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、さらに、前記可動部材及び前記保持部材の少なくとも一方に、前記可動部材が前記電磁アクチュエータ側に近づくに従って前記板バネとの接触面積が大きくなる支持面を形成した。
上記目的を達成するために、請求項9に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を円形の板バネとするとともに、前記板バネに外周側から中央部に向かって延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの中央部で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに近づくに従って前記バネ定数が大きくなる非線形特性とした。
上記目的を達成するために、請求項10に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を円形の板バネとするとともに、前記板バネに外周側から中央部に向かって延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの中央部で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに近づくに従って前記バネ定数が段階的に大きくなる特性とした。
上記目的を達成するために、請求項11に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する 電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を円形の板バネとするとともに、前記板バネに外周側から中央部に向かって延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの中央部で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、さらに、前記可動部材を前記電磁アクチュエータに接触する位置まで変位させた場合に前記弾性部材が発生するバネ力を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに接触した場合に受ける吸引力よりも大きくした。
上記目的を達成するために、請求項12に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を円形の板バネとするとともに、前記板バネに外周側から中央部に向かって延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの中央部で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を可変とする特性可変手段を設けた。
【0008】
そして、上記目的を達成するために、請求項13に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を、一端側が前記可動部材側に結合され且つ他端側が前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持された複数の板バネとし、さらに、前記可動部材側及び前記保持部材側の少なくとも一方に、前記可動部材が前記電磁アクチュエータ側に近づくに従って前記板バネとの接触面積が大きくなる支持面を有する支持部材を設けた。
上記目的を達成するために、請求項14に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を、一端側が前記可動部材側に結合され且つ他端側が前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持された複数の板バネとし、さらに、前記可動部材及び前記保持部材の少なくとも一方に、前記可動部材が前記電磁アクチュエータ側に近づくに従って前記板バネとの接触面積が大きくなる支持面を形成した。
上記目的を達成するために、請求項15に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を、一端側が前記可動部材側に結合され且つ他端側が前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持された複数の板バネとし、さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに近づくに従って前記バネ定数が大きくなる非線形特性とした。
上記目的を達成するために、請求項16に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を、一端側が前記可動部材側に結合され且つ他端側が前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持された複数の板バネとし、さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに近づくに従って前記バネ定数が段階的に大きくなる特性とした。
上記目的を達成するために、請求項17に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を、一端側が前記可動部材側に結合され且つ他端側が前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持された複数の板バネとし、さらに、前記可動部材を前記電磁アクチュエータに接触する位置まで変位させた場合に前記弾性部材が発生するバネ力を、前記可動部材が前記電磁アク チュエータに接触した場合に受ける吸引力よりも大きくした。
上記目的を達成するために、請求項18に係る発明は、周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、前記弾性部材を、一端側が前記可動部材側に結合され且つ他端側が前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持された複数の板バネとし、さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を可変とする特性可変手段を設けた。
【0012】
さらに、請求項19に係る発明は、上記請求項6、12、18に係る発明である防振支持装置において、前記特性可変手段を、圧電素子を含んで構成した。これに対し、請求項20に係る発明は、上記請求項6、12、18に係る発明である防振支持装置において、前記特性可変手段を、磁歪素子を含んで構成した。
また、請求項21に係る発明は、上記請求項1〜20に係る発明である防振支持装置において、オリフィスを介して前記流体室に連通する容積可変の副流体室を設けるとともに、前記流体室,前記オリフィス及び前記副流体室内に流体を封入した。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図5は本発明の第1の実施の形態を示す図であり、この実施の形態は、本発明に係る防振支持装置を、エンジンから車体に伝達される振動を能動的に低減する所謂アクティブエンジンマウントに適用したものである。なお、図1はエンジンマウント1の全体構成を示す断面図、図2はこのエンジンマウント1を実際に搭載した状態を示す全体構成図である。
【0014】
先ず、本実施の形態の構成を説明する。
即ち、このエンジンマウント1は、振動体としてのエンジン30への取付け用の取付けボルト2aを上部に一体に備え且つ内側が空洞で下部が開口した取付部材2を有し、この取付部材2の下部外面には内筒3の上端部がかしめ止めされている。
【0015】
この内筒3の内側には、取付部材2及び内筒3の内側の空間を上下に二分するように、それら取付部材2及び内筒3のかしめ止め部分の下側に挟み込まれてダイアフラム4が配設されていて、このダイアフラム4によって二分された空間のうち、ダイアフラム4の上側の空間は大気圧に通じ、ダイアフラム4の下側の空間にはオリフィス構成体5が配設されている。
【0016】
一方、内筒3の外周面には、内周面及び外周面の軸方向位置が内周側が高くなるように成形されている円筒状の支持弾性体6の内周面が加硫接着されていて、その支持弾性体6の外周面は外筒7の内周面に加硫接着されている。
そして、外筒7の下端部は、上面側が開口した保持部材としての円筒形のアクチュエータケース8の上部のフランジ部8Aにかしめ止めされていて、そのアクチュエータ保持部材8の下端面からは、車体36に固定される支持体としてのメンバ35側への取付け用の取付けボルト9が突出している。取付けボルト9は、その頭部9aが、アクチュエータケース8の底板8a上に固定された平板8bの空洞部に収容されている。
【0017】
さらに、アクチュエータケース8の内側には、これと同軸に平板8b上面に固定された円筒形のヨーク10Aと、このヨーク10A内の上端面側に軸を上下に向けて巻き付けられた励磁コイル10Bと、ヨーク10Aの励磁コイル10Bに包囲された部分の上面に極を上下に向けて固定された永久磁石10Cと、から構成される電磁アクチュエータ10が配設されている。
【0018】
また、外筒7及びアクチュエータケース8のかしめ止め部分には、図1のA部の拡大図である図3にも示すように、上側から順に、断面長方形のリング材11と、弾性部材としての板バネ12と、リング状の支持部材13とが重ね合わされた状態で挟み込まれて固定されている。
これらのうち、板バネ12は、その平面図である図4にも示すように、中央に開口部12Aが形成された円形の板バネであり、その開口部12A側から外周側に向かって放射状に延びる複数のスリット12Bが形成されていて、これにより、各スリット12B間に、放射状に延びる略長方形の複数の板バネ部12Cが形成されている。つまり、この板バネ12は、放射状に延びる複数の板バネ部12Cと、それら板バネ12Cの外端側を連結するリング部12Dと、を有した構造となっている。
【0019】
また、板バネ12のリング部12Dの外周部は断面L字形に折れ曲がった立ち下がり部12Eとなっていて、その立ち下がり部12Eが支持部材13の外周面に当接し、且つ、リング材11及び支持部材13間にリング部12Dと板バネ部12Cの外端側部分とが挟み込まれることにより、板バネ12がリング材11及び支持部材13間に固定されている。つまり、板バネ12の外周側としてのリング部12Dは、リング材11及び支持部材13に挟まれた状態で、保持部材としてのアクチュエータケース8側に支持されている。
【0020】
そして、板バネ12の各板バネ部12Cの内端側には、鉄等の磁化可能な材料製の円板からなる可動部材としての可動板14が、アクチュエータケース8の開口側を覆うように保持されている。
具体的には、可動板14は、比較的肉厚の円板からなる本体14Aと、その本体14A外周面の上面(オリフィス構成体5側を向く面)側に近い部分に形成されたフランジ部14Bと、このフランジ部14Bの下面(電磁アクチュエータ10側を向く面)側の径方向内側部分に形成された周方向に連続する凸部14Cと、から構成されていて、板バネ12の板バネ部12C内端部上面と可動板14の凸部14C下面とが当接している。なお、リング材11内周面と可動板14のフランジ部14Bとの間の周方向に連続した隙間には、シール材15が介装されている。
【0021】
一方、支持部材13は、外径寸法はリング材11と略等しいが、内径寸法はリング材11よりも小さくなっていて、これにより外径寸法及び内径寸法の差がリング材11の倍程度となっている。そして、支持部材13のリング材11と共に板バネ12を挟み込む部分は、厚さの一定な平板部13Aとなっているが、支持部材13のリング材11よりも内径側に突出した部分は、板バネ12側の面が内径側に行くに従って板バネ12から離れるような傾斜しているテーパ部13Bとなっていて、そのテーパ部13Bの板バネ12側の面が、支持面16となっている。
【0022】
さらに、本実施の形態では、支持弾性体6の下面及び可動板14の上面によって画成された部分に流体室としての主流体室17が形成され、ダイアフラム4及びオリフィス構成体5によって画成された部分に副流体室18が形成されていて、これら主流体室17及び副流体室18間が、オリフィス構成体5に形成されたオリフィス5aを介して連通している。なお、これら主流体室17,副流体室18及びオリフィス5a内には油等の流体が封入されている。
【0023】
ここで、オリフィス5a内の流体の質量と、支持弾性体6の拡張方向バネ及び板バネ12で構成された流体共振系の特性は、非制御時(電磁アクチュエータ10の励磁コイル10Bに駆動電流が供給されていないとき)の減衰ピーク周波数(減衰が最大となる周波数)が、車両停車中に発生するアイドル振動の周波数に一致するように調整されている。
【0024】
そして、電磁アクチュエータ10の励磁コイル10Bは、電磁アクチュエータ制御手段としてのコントローラ20に図示しないハーネスを介して接続されていて、かかるコントローラ20から供給される駆動電流としての駆動信号yに応じて所定の電磁力を発生するようになっている。
コントローラ20は、マイクロコンピュータ,必要なインタフェース回路,A/D変換器,D/A変換器,アンプ等を含んで構成されていて、アイドル振動周波数及びそれ以上の高周波の振動(例えば、こもり音振動)が入力されている場合には、その振動と同じ周期の制御振動がエンジンマウント1に発生して、メンバ35への振動の伝達力が“0”となるように(より具体的には、エンジン30側の振動によってエンジンマウント1に入力される加振力が、電磁アクチュエータ10の電磁力によって得られる制御力で相殺されるように)、駆動信号yを生成し励磁コイル10Bに供給するようになっている。
【0025】
ここで、アイドル振動やこもり音振動は、例えばレシプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2次成分のエンジン振動がエンジンマウント1を介してメンバ35に伝達されることが主な原因であるから、そのエンジン回転2次成分に同期して駆動信号yを生成し出力すれば、振動伝達率の低減が可能となる。そこで、本実施の形態では、エンジン30のクランク軸の回転に同期した(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合には、クランク軸が180度回転する度に一つの)インパルス信号を生成し基準信号xとして出力するパルス信号生成器21を設けていて、その基準信号xが、エンジン30における振動の発生状態を表す信号としてコントローラ20に供給されている。
【0026】
一方、メンバ35には、エンジンマウント1の取り付け位置に近接して、メンバ35の振動状況を加速度の形で検出し残留振動信号eとして出力する加速度センサ22が固定されていて、その残留振動信号eが、干渉後における振動を表す信号としてコントローラ20に供給されている。
そして、コントローラ20は、それら基準信号x及び残留振動信号eに基づき、逐次更新形の適応アルゴリズムの一つであるFiltered−X LMSアルゴリズム、より具体的には、同期式Filtered−X LMSアルゴリズムに従って駆動信号yを生成し出力する。
【0027】
即ち、コントローラ20は、フィルタ係数Wi (i=0,1,2,…,I−1:Iはタップ数)可変の適応ディジタルフィルタWを有していて、最新の基準信号xが入力された時点から所定サンプリング・クロックの間隔で、その適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力する一方、エンジン30からエンジンマウント1を介してメンバ35に伝達される振動が低減するように、基準信号x及び残留振動信号eに基づいて適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を適宜更新する処理を実行する。
【0028】
適応ディジタルフィルタWの更新式は、Filtered−X LMSアルゴリズムに従った下記の(1)式のようになる。
i (n+1)=Wi (n)−μRT e(n) ……(1)
ここで、(n)が付く項は時刻nにおける値であることを表し、また、μは収束係数と呼ばれる係数であってフィルタ係数Wi の収束の速度やその安定性に関与する係数である。RT は、理論的には、基準信号xを、電磁アクチュエータ10で発生する力と加速度センサ22との間の伝達関数Cをモデル化した伝達関数フィルタC^でフィルタ処理した値(リファレンス信号若しくはFiltered-X信号)であるが、この実施の形態では同期式Filtered−X LMSアルゴリズムを適用した結果基準信号xがインパルス列であるため、伝達関数フィルタC^のインパルス応答を基準信号xに同期して次々に生成した場合のそれらインパルス応答波形の時刻nにおける和に一致する。
【0029】
また、理論的には、適応ディジタルフィルタWで基準信号xをフィルタ処理して駆動信号yを生成することになり、フィルタ処理はディジタル演算では畳み込み演算に該当するが、基準信号xがインパルス列であるので、上述したように最新の基準信号xが入力された時点から、所定サンプリング・クロックの間隔で適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力しても、フィルタ処理の結果を駆動信号yとしたのと同じ結果になる。
【0030】
ここで、本実施の形態のエンジンマウント1は図5に示すような梃子モデルで表すことができる。なお、この図5中、Mf はオリフィス5a内の流体質量[kg]、Cf はオリフィス5a内の流体粘性減衰係数[Ns/m]、Km は支持弾性体6の支持方向のバネ定数[N/m]、Ke は支持弾性体6の拡張方向のバネ定数[N/m]、Kp は板バネ12のバネ定数[N/m]、fa は電磁アクチュエータ10が可動板14に及ぼす制御力[N]、x0 はエンジン30側からエンジンマウント1に入力される変位[m]、xf はオリフィス5a内の流体の変位[m]、x1 は支持弾性体6の拡張方向バネの上部における変位[m]、xp は可動板14の変位[m]、f' は支点反力[N]、fはメンバ35側への伝達力[N]、Rは支持弾性体6の拡張方向バネの有効受圧面積Au [m2 ]と磁路部材12の有効受圧面積Ap [m2 ]との比(Ap /Au )、rは有効受圧面積Au とオリフィス5a穴受圧面積Ao との比(Au /Ao )である。
【0031】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
即ち、エンジンシェイク発生時には、オリフィス5aの流路形状等を適宜選定している結果、このエンジンマウント1は高動バネ定数,高減衰力の支持装置として機能するため、エンジン30で発生したエンジンシェイクがエンジンマウント1によって減衰され、メンバ35側の振動レベルが低減される。なお、かかる場合には、特に可動板14を変位させる必要はない。
【0032】
一方、オリフィス5a内の流体がスティック状態となり主流体室17及び副流体室18間での流体の移動が不可能になるアイドル振動周波数以上の周波数の振動が入力された場合には、コントローラ20は、所定の演算処理を実行し、電磁アクチュエータ10に駆動信号yを出力し、エンジンマウント1に振動を低減し得る能動的な制御力を発生させる。これを、コントローラ20内で実行される処理の概要を示すフローチャートである図6に従って具体的に説明する。なお、この図6に示す処理は、以下詳細に説明するが、インパルス列でなる基準信号xに同期して1サイクルの処理が実行されるとともに、その基準信号xの入力タイミングで開始される所定時間間隔のクロックパルスに同期して1サンプリングの処理が実行されるようになっている。
【0033】
先ず、そのステップ101において所定の初期設定が行われた後に、ステップ102に移行し、所定の記憶領域に保存されている伝達関数フィルタC^を読み込む。
次いで、ステップ103に移行しカウンタ(1サイクル内における駆動信号yの出力回数を計数するためのカウンタ)iを零クリアした後に、ステップ104に移行し、適応ディジタルフィルタWのi番目のフィルタ係数Wi を、駆動信号yとして電磁アクチュエータ10の励磁コイル10Bに出力する。
【0034】
次いで、ステップ105に移行し、残留振動信号eを読み込み、そして、ステップ106に移行し、基準信号xを伝達関数フィルタC^でフィルタ処理して更新用基準信号RT を演算する。なお、更新用基準信号RT の具体的な演算は上述した通りである。
次いで、ステップ107に移行し、カウンタjを零クリアする。なお、このカウンタjは、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi の更新演算を必要な回数だけ行ったか否かを判定するためのカウンタである。
【0035】
そして、ステップ108に移行し、上記(1)式に従って適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wj を更新する。ステップ108における更新処理が完了したら、ステップ109に移行し、次の基準信号xが入力されているか否かを判定し、ここで基準信号xが入力されていないと判定された場合は、適応ディジタルフィルタWの次のフィルタ係数の更新又は駆動信号yの出力処理を実行すべく、ステップ110に移行する。
【0036】
ステップ110では、カウンタjが、制御時におけるエンジン30の最低回転数で決まる基準信号xの最大周期をサンプリング・クロックで割った数である最大サンプリング数Tap(正確には、カウンタjは0からスタートするため最大サンプリング数Tapから1を減じた値)に達しているか否かを判定する。この判定は、フィルタ係数Wi に基づいた駆動信号yをステップ104で出力した後に、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wj を必要な数だけ更新したか否かを判断するためのものである。そこで、このステップ110の判定が「NO」の場合には、ステップ111でカウンタjをインクリメントした後に、ステップ108に戻って上述した処理を繰り返し実行する。
【0037】
しかし、ステップ110の判定が「YES」の場合には、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数を必要な数だけ更新処理したと判断できるから、ステップ112に移行する。ステップ112では、フィルタ係数Wi からなる数列から直流成分を除去した後に、ステップ113に移行し、電磁アクチュエータ10で出力し得る最大制御力に対応する駆動信号の上限値Wmax を、各フィルタ係数Wi のいずれか一つでも越えているか否かを判定し、ここで越えていないと判定された場合には、ステップ114に移行して補正係数βを1に設定する一方、越えていると判定された場合には、ステップ115に移行し補正係数βを0を越えて1未満の数に設定する。具体的には、ステップ115では、補正係数βを各フィルタ係数Wi に乗じた結果が上限値Wmax 以下で且つ限りなくその上限値Wmax に近い値となるように設定する。そして、ステップ116に移行し、各フィルタ係数Wi に補正係数βを乗じその結果でフィルタ係数Wi を置き換える。
【0038】
このステップ112〜116の処理を実行するのは、ステップ108で更新されたフィルタ係数Wj をそのまま用いて駆動信号yを生成すると、コントローラ20や電磁アクチュエータ10等の特性上から出力可能な駆動信号yに上限値がある場合、上限値を越える駆動信号yがその上限値に強制的に修正されてしまうのに対し、上限値を越えない駆動信号yはそのまま出力されるため、駆動信号yに実際には存在しない高調波成分が重畳されたことと等価になって、振動低減制御を劣化させる原因となるからである。つまり、ステップ112〜116の処理を実行すれば、駆動信号yが上限値を越える場合には、駆動信号y全体が同じ形で縮小されてレベルのみが修正されるから、不要な高調波成分が重畳されるようなことが容易に回避できるのである。
【0039】
ステップ116の処理を終えたら、ステップ117に移行し、ここでカウンタiをインクリメントした後に、上記ステップ104の処理を実行してから所定のサンプリング・クロックの間隔に対応する時間が経過するまで待機し、サンプリング・クロックに対応する時間が経過したら、上記ステップ104に戻って上述した処理を繰り返し実行する。
【0040】
しかし、ステップ107で基準信号xが入力されたと判断された場合には、ステップ103に戻って上述した処理を再び実行する。
このような処理を繰り返し実行する結果、コントローラ20からエンジンマウント1の電磁アクチュエータ10に対しては、基準信号xが入力された時点から所定のサンプリング・クロックの間隔で、適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi が順番に駆動信号yとして供給される。この結果、励磁コイル10Bに駆動信号yに応じた磁力が発生するが、可動板14には既に永久磁石10Cによる一定の磁力が付与されているから、その励磁コイル10Bによる磁力は、永久磁石10Cの磁力を強める又は弱めるように作用すると考えることができる。つまり、励磁コイル10Bに駆動信号yが供給されていない状態では、可動板14は、板バネ12による弾性支持力と、永久磁石10Cの磁力との釣り合った中立の位置に変位することになる。そして、この中立の状態で励磁コイル10Bに駆動信号yが供給されると、その駆動信号yによって励磁コイル10Bに発生する磁力が永久磁石10Cの磁力と逆方向であれば、可動板14は電磁アクチュエータ10とのクリアランスが増大する方向に変位する。逆に、励磁コイル10Bに発生する磁力が永久磁石10Cの磁力と同じ方向であれば、可動板14は電磁アクチュエータ10とのクリアランスが減少する方向に変位する。
【0041】
このように、可動板14は電磁アクチュエータ10が発生する磁力によって上下両方向に変位可能であり、可動板14が上下に変位すれば、主流体室17の容積が変化し、その容積変化によって支持弾性体3の拡張方向バネが変形するから、このエンジンマウント1に上下両方向の能動的な支持力が発生するのである。そして、駆動信号yとなる適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi は同期式Filtered−X LMSアルゴリズムに従った上記(1)式によって逐次更新されるため、ある程度の時間が経過して適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi が最適値に収束した後は、駆動信号yがエンジンマウント1に供給されることによって、エンジン30からエンジンマウント1を介してメンバ35側に伝達されるアイドル振動やこもり音振動が低減されるようになるのである。
【0042】
ここで、本実施の形態のようなエンジンマウント1にあっては、電磁アクチュエータ10で発生し得る磁力の大きさ等にもよるが、電磁アクチュエータ10と可動板14との間の空隙長は、3mm以内に設定されて使用されることが多い。また、電磁アクチュエータ10の吸引力(制御力)は、そのような極狭い空隙長の範囲内であっても、数kgfから百数十kgf以上の範囲で変化する。
【0043】
一方、図6に示すような処理が実行される制御時に、エンジンマウント1への振動変位入力が最大となるのは、アイドル設定の最低回転数のときであり、燃焼時のエンジンのシリンダ内圧がガソリンエンジンに較べて高いディーゼルエンジンや、大排気量のガソリンエンジンでは、片振幅で0.4〜1.0mm程度の変位が生じる。従って、メンバ35側への伝達力を“0”にするためには、可動板14を振動入力変位と同様に大きな振幅で変位させることが必要になる。
【0044】
すると、可動板14には、最高最低振幅で1〜2mm程度の変位が生じることになるが、この1〜2mm程度の変位であっても、電磁アクチュエータ10の吸引力が数kgfから百数十kgfの範囲で変化することから、可動板14を弾性支持する板バネ12のバネ力も、数kgfから百数十kgfの範囲で変化しなければならなくなる。また、エンジンマウント1は、搭載される車両のスペース上の制約から、通常、最大外径寸法は100mm前後となる。
【0045】
以上から、エンジンマウント1の可動板14を保持する板バネ12には、限られた空間内に配置でき、しかも微小変位でバネ特性が大きく変化することが要求されるため、緻密なバネ特性の設計が必要となるのであるが、本実施の形態のような構成であれば、そのような要求が従来よりも高いレベルで達成されているのである。以下、その理由を詳述する。
【0046】
即ち、エンジンマウント1は図5に示すような梃子モデルで表されることは上述した通りであるが、図5のモデルにおいて、エンジン30からエンジンマウント1へ入力変位x0 が生じているときに、電磁アクチュエータ10の制御力fa によってメンバ35への力の伝達を“0”にする場合、可動板14がxp だけ変位するものと考えると、可動板14の見かけ上のバネである可動板複合バネのバネ定数(fa /xp )は、下記の(2)式のように、板バネ12のバネ定数Kp に付加バネ要素が合成された形になる。
【0047】
a /xp =Kp +{R2 m e /(Km +Ke )} ……(2)
一方、可動板14の変位xp と入力変位x0 との間には、下記の(3)式のような関係が成り立つ。
0 /xp =RKm /(Km +Ke ) ……(3)
また、図7は、電磁アクチュエータ10及び可動板14間の空隙長(横軸)と電磁アクチュエータ10の吸引力,可動板14に作用するバネ力(縦軸)との関係を示す特性線図であり、吸引力を実線で示し、バネ力を一点鎖線,二点鎖線で示している。なお、電磁アクチュエータ10の吸引力は、その励磁コイル10BにI〔AT:Ampere Turn 〕の交流電流を供給して起磁力を発生させた場合の特性を示しており、励磁コイル10Bに電流が流れない瞬間を0〔AT〕で示し、励磁コイル10Bに電磁石10Cと同じ方向(吸引方向)の磁力が発生する方向で最大の電流が流れた瞬間を+I〔AT〕で示し、励磁コイル10Bに電磁石10Cと逆の方向(反発方向)の磁力が発生する方向で最大の電流が流れた瞬間を−I〔AT〕で示している。また、図7中の空隙長δaiは、可動板14に電磁アクチュエータ10の磁力が一切加わらず、従って板バネ12に弾性変形が生じていない状況での可動板14及び電磁アクチュエータ10間の空隙長である。
【0048】
そして、電磁アクチュエータ10及び可動板14間の空隙長δと、電磁アクチュエータ10で発生する制御力fa との関係は、下記の(4)式に示すように、制御力fa が空隙長δの自乗に反比例する関係となる。
a =α(b+I)2 /(δ+a)2 ……(4)
なお、この(4)式中、α,a,bは電磁アクチュエータ10の特性によって決まる定数である。
【0049】
図7において、電磁アクチュエータ10の励磁コイル10Bへの通電が零のとき、電磁アクチュエータ10の吸引力と板バネ12のバネ力との釣り合い位置は空隙長δz となるから、この励磁コイル10Bに交流電流が流れることにより、可動板14は、空隙長δz を動作点として移動することになる。
そして、可動板14単体の状態(板バネ12のバネ力のみが、可動板14を弾性支持するバネ力となる状態)であると、板バネ12のバネ特性は例えば図7に一点鎖線で表すような非線形特性(特性が非線形である理由は後述する。)を示すから、可動板14は、空隙長δsmと空隙長δspとの間で変位することになる。この可動板14単体時における可動板14の変位(空隙長δ)とバネ力との関係を、FS(δ)とする。
【0050】
しかし、可動板14を実際にエンジンマウント1に組み込んだ状態で、変位入力x0 に対するメンバ35側への伝達力fを“0”にしている状況では、可動板14に作用するバネ力は、特性FS(δ)に、上記(2)式中の付加バネ要素が加わった状態の特性FA(δ)を示すようになる。なお、この特性FA(δ)は下記の(5)式のようになる。
【0051】
FA(δ)=FS(δ)+{R2 m e /(Km +Ke )}δ……(5)
すると、特性FA(δ)の傾きは特性FS(δ)の傾きよりも急峻となるから、実際の制御時の可動板14は、空隙長δamと空隙長δapとの間で変位することになる。
【0052】
つまり、大きな振動入力をエンジンマウント1で打ち消すためには、実際の制御時における可動板14のストローク(空隙長δamと空隙長δapとの差)が重要となるから、可能な限り空隙長δamを大きく、空隙長δapを小さくすることが望まれる。換言すれば、特性FA(δ)の傾きをより緩やかにすることが望まれるのである。
【0053】
そのためには、特性FA(δ)が上記(5)式で表されることから、板バネ12単体でのバネ特性である特性FS(δ)と、支持弾性体6の支持バネや拡張バネで決まる付加バネ要素とを適宜小さくすればよいのであるが、支持弾性体6の支持バネを小さくすると、このエンジンマウント1の静的な支持剛性が低下してしまうし、支持弾性体6の拡張バネを小さくすると、このエンジンマウント1に発生する能動的な制御力が小さくなるという悪影響がある。従って、より有効な解決策は、板バネ12の剛性を低くすることである。ちなみに、可動板14を電磁アクチュエータ10から遠い位置に配設するとともに、大型の電磁アクチュエータ10を用いることによりこれが発生する制御力を大きくすれば、可動板14のストローク範囲が大きくなるが、これでは、装置の大型化及び高価格化を招いてしまうため、得策ではない。
【0054】
これに対し、本実施の形態にあっては、板バネ12に開口部12A及びスリット12Bを形成しているため、実質的には、長方形の板バネと見なせる複数の板バネ部12Cの内端側に可動板14を保持し、その板バネ12Cの外端側をアクチュエータケース8に結合していることになり、板バネ12の単位板厚当たりのバネ剛性が、同等の厚み及び外径寸法の板バネを用いた従来の構造に較べて、低くなっているのである。このため、特性FA(δ)の傾きを従来の構造よりもより容易に緩やかにすることができ、板バネ12の弾性変形領域が広がり、可動板14の変位が大きくなって、より大きな制御力を発生することができるのである。
【0055】
次に、図8は、可動板14を弾性支持する板バネ12が線形特性を示す場合と非線形特性を示す場合とを比較した特性線図であって、線形特性を一点鎖線で、非線形特性を二点鎖線で示している。
これらのうち、板バネ12が線形特性を示す場合には、そのバネ力は可動板14の変位量に比例するから、上記(4)式に示すように空隙長δの自乗に反比例する電磁アクチュエータ10の吸引力との釣り合いを考慮しつつ、可動板14のストロークを最大にするためには、図8に一点鎖線で示すように、電磁アクチュエータ10の吸引力が最大である+I〔AT〕通電時の特性曲線に接するような傾きにすればよい。これであれば、可動板14は、その接点である空隙長δap1 と空隙長δam1 (電磁アクチュエータ10の吸引力が最小である−I〔AT〕通電時の特性曲線と板バネ12の特性線との交点)との間で変化することになる。しかし、図8のように板バネ12の線形特性を設定してしまうと、+I〔AT〕通電時の吸引力とバネ力とが釣り合っている空隙長δap1 から僅かでも可動板14が電磁アクチュエータ10側に近づいた場合(可動板14の予期せぬ変位は、例えば走行時に路面側からサスペンションやメンバ35等を通じて突発的な振動がエンジンマウント1に入力されたようなときに起こり得る)に、電磁アクチュエータ10の吸引力に板バネ12のバネ力が負けてしまい、板バネ12が電磁アクチュエータ10に衝突してしまう可能性がある。
【0056】
従って、板バネ12の特性が線形の場合、実際には、板バネ12のバネ定数を図8に示すものよりも大きくし、そのバネ力の特性線と+I〔AT〕通電時の特性曲線との交点である空隙長δap1 をより電磁アクチュエータ10から遠い位置にすることになるが、これでは、可動板14のストロークが狭くなってしまい、上述したような要求に反することになる。
【0057】
これに対し、板バネ12の特性が、可動板14が電磁アクチュエータ10に近づくに従ってバネ定数が大きくなる非線形特性であれば、+I〔AT〕通電時の特性曲線と二点鎖線で示す板バネ12の特性曲線との交点である空隙長δap2 を、より電磁アクチュエータ10に近い位置にすることができる。つまり、板バネ12の特性曲線が、+I〔AT〕通電時の特性曲線と同様に下側に凸の曲線となるため、板バネ12の特性曲線を、空隙長δが小さくなるに従って、徐々に+I〔AT〕通電時の特性曲線に近づけることができるから、板バネ12の特性が線形の場合よりも両特性曲線の交点をδ=0の位置に容易に近づけることができるのである。
【0058】
しかも、図8に示すように、可動板14が電磁アクチュエータ10に接触するような位置(つまりδ=0の位置)にまで変位したときに板バネ12に発生するバネ力を、δ=0の位置における電磁アクチュエータ10の吸引力よりも大きくしておけば、空隙長δap2 から僅かでも可動板14が電磁アクチュエータ10側に近づいた場合には、板バネ12のバネ力が電磁アクチュエータ10の吸引力に勝ってしまうから、板バネ12が電磁アクチュエータ10に衝突するようなことはないのである。これに対し、可動板12の特性が線形の場合に、δ=0の位置で板バネ12に発生するバネ力を、δ=0の位置における電磁アクチュエータ10の吸引力よりも大きくしても、確かに板バネ12が電磁アクチュエータ10に衝突することは防止できるが、これでは、空隙長δap1 がさらに大きくなってしまい、可動板14のストロークが小さくなってしまうという不具合に繋がる。
【0059】
以上から、可動板14を弾性支持する板バネ12には、上述したように低剛性という要求がある一方で、可動板14と電磁アクチュエータ10との衝突等の不具合を避けつつ、可動板14のストロークを大きくするために、そのバネ力が、可動板14が電磁アクチュエータ10に近づくに従って大きくなるような非線形の特性を示すことが望ましいのである。
【0060】
このような要求に対し、本実施の形態にあっては、板バネ12の外周側を、リング材11と、支持面16が形成された支持部材13との間に挟み込んだ状態でアクチュエータケース8側に固定しているため、板バネ12のバネ定数が、微小変位範囲であっても、可動板14が電磁アクチュエータ10に近づくに従って急激に大きくなる非線形特性を示すようになっている。
【0061】
即ち、板バネ12は、複数の板バネ部12Cの集合体と見なすことができ、可動板14は、片持ち梁と見なせる複数の板バネ部12Cにより支持されたものと考えることができ、板バネ部12Cの内端(可動板14に当接する側の端)が自由端となり、板バネ部12Cの支持部材13に接触する部分が固定端となる。
しかし、本実施の形態では、支持部材13に支持面16を形成しているため、一つの板バネ部12Cと支持部材13との関係を拡大して表した図9に示すように、板バネ部12Cの自由端12Fが電磁アクチュエータ10側に変位するに従って、板バネ部12Cと支持面16との接触面積が徐々に大きくなり、まるで板バネ12Cの非制御時の固定端12Gが徐々に自由端12F側に移動していくようになり、実際に板バネとして機能する自由端12F及び固定端12G間が短くなって、そのバネ定数が増加していくのである。
【0062】
つまり、本実施の形態にあっては、支持面16が形成された支持部材13をアクチュエータケース8側に設けるという簡易な構造で、板バネ12のバネ特性を、望ましい非線形の特性を示すようにしているのである。
なお、板バネ12の非線形特性の微調整は、その板バネ12と接触する支持面16の形状によって略決まることになるが、支持面16の板バネ部12Cに沿った方向の曲線は、以下のように決定すればよい。
【0063】
先ず、その曲線を下記の(6)式で表されるものとする。
c =fc (xC ) ……(6)
また、電磁アクチュエータ10が可動板14を通じて一つの板バネ部12Cに及ぼす吸引力P/nによって、板バネ部12Cの固定端12Gから接触長xc0までの範囲が支持面16に接触しているものとすると、接触長xc0と、自由端12Fでの撓み量δc との関係式は、下記の(7)式のようになる。
【0064】
Figure 0003713765
なお、δc は自由端12Fにおける板バネ部12Cの撓み量、xc は当初の固定端12Gからの長さ、yc は長さxc の位置における支持面16の平板部13A表面からの深さ、Lは片持ち梁として機能する板バネ部12Cの最大長さ、Pは電磁アクチュエータ10が可動板14を通じて板バネ12に及ぼす吸引力、nは板バネ部12Cの個数、Eはヤング率、Jは断面二次モーメントである。
【0065】
一方、接触長xc0=0における板バネ12のバネ定数をKp0とすれば、このバネ定数Kp0は、ポアソン比をνとすれば、下記の(8)式のようになる。
p0=3nEJ/{L3 (L−ν2 )} ……(8)
従って、接触長xc0における板バネ12のバネ定数Kpxは、下記の(9)式のようになる。
【0066】
Figure 0003713765
さらに、吸引力Pと撓み量δc との間に、
P=FS(δc ) ……(10)
という関係があるものとすると、接触長xc0における板バネ12のバネ定数Kpxはこの(10)式の微分項となるため、
Figure 0003713765
となり、バネ定数Kpxと撓み量δc とは、下記の(12)式の関係を有することになる。
【0067】
δc =F(Kpx) ……(12)
そして、上記(6)〜(12)式と、電磁アクチュエータ10への通電量に対する可動板14の変位の変換率を大きくする所望の可動板14の変位と発生バネ力特性関数により、支持面16の板バネ部12Cに沿った方向の曲線、つまり上記(6)式が決定されるのである。
【0068】
このように、本実施の形態にあっては、板バネ12のバネ定数を、微小変位範囲であっても、所望の非線形特性を示すようにすることができるのである。換言すれば、可動板14が1〜2mm程度変位する範囲内で、板バネ12のバネ力を、数kgfから百数十kgfの範囲で変化させることができるのであり、しかも、エンジンマウント1の大型化等を招かないから、搭載される車両のスペース上の制約に対しても有効である。
【0069】
以上まとめると、本実施の形態のエンジンマウント1によれば、可動板14をスリット12Bが形成された板バネ12を介してアクチュエータケース8側に弾性支持しているため、可動板14のストロークを大きくできるし、板バネ12のバネ特性を、可動板14が電磁アクチュエータ10に近づくに従ってバネ定数が大きくなる非線形特性とし、その非線形特性の緻密な設定も支持面16の板バネ部12Cに沿った方向の曲線の選定のみで容易に行えるから、やはり可動板14のストロークを大きくできる。従って、過大な振動入力に対しても有効な振動低減制御が実行できるから、このエンジンマウント1は、振動入力が大きいディーゼルエンジンや大排気量ガソリンエンジン等を支持するのに好適である。
【0070】
しかも、装置の大型化や高価格化を招くこともなく、大型化を招かないという利点は、搭載スペース上の制約が大きい車両用エンジンマウントにとって特に有益である。
また、本実施の形態では、スリット12Bを形成することにより板バネ12の剛性を下げている、つまり単位板厚に対するバネ剛性を下げるような工夫であるため、板バネ12全体の厚さを薄くしてその剛性を低下させるような方策とは異なり、板バネ12の耐久性を大きく低下させてしまうような不具合はない。
【0071】
図10は本発明の第2の実施の形態を示す図であり、エンジンマウント1の要部断面図である。なお、上記第1の実施の形態と同様の部材,部位には同じ符号を付し、その重複する説明は省略する。
即ち、本実施の形態では、外筒7及びアクチュエータケース8のかしめ止め部分にリング材11を挟み込んでいて、そのリング材11とアクチュエータケース8上端面との間に、板バネ12の径方向外側の部分を挟み込んでいる。ただし、本実施の形態の板バネ12は、上記第1の実施の形態のような立ち下がり部12Eは有していない。なお、リング材11上面には、外筒7及びリング材11間を通じての主流体室17内からの油漏れを防止するために、リング状のシール材15Aを嵌め込んでいる。
【0072】
また、可動板14は、重ね合わせた状態で複数のリベット40で一体化した上側可動板14U及び下側可動板14Lから構成されている。これら上側可動板14U及び下側可動板14Lは、いずれも鉄等の磁化可能な材料製の円板からなる部材であるが、電磁アクチュエータ10の磁力は一方のみが受けてもよいから、例えば下側可動板14Lのみを鉄等の磁化可能な材料で形成し、上側可動板14Uは他の材料から形成してもよい。
【0073】
上側可動板14Uの下面の径方向外側部分は、外周部に近づくに従ってその上面側に向かう斜面となっていて、ここに支持面16が形成されている。また、リング材11内周面と上側可動板14U外周面との間の周方向に連続した隙間には、シール材15Bが介装されている。
そして、板バネ12の各板バネ部12Cの内端側が、上側可動板14Uの下面にこれを下方から支えるように当接している。なお、下側可動板14L上面の支持面16に対向する部分には、板バネ部12Cとの直接の衝突を避けるために、リング状のゴムシート41が嵌め込まれている。その他の構成は上記第1の実施の形態と同様である。
【0074】
このような構成であっても、板バネ12は、実質的に板バネ部12Cの集合体と見なせるから、その単位板厚当たりの剛性は低くなっており、可動板14の大きなストロークを容易に実現できるし、可動板14が電磁アクチュエータ14側に変位するに従って、板バネ部12Cの支持面16との接触面積が大きくなるから、板バネ12の特性を非線形とすることができ、その非線形特性の緻密な設定も支持面16の板バネ部12Cに沿った方向の曲線の選定のみで容易に行える。よって、上記第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0075】
さらに、本実施の形態にあっては、可動板14に支持面16を形成しているため、板バネ部12Cの片持ち梁として機能する部分を容易に長くすることができるという利点がある。そして、かかる部分を長くできれば、バネ特性のチューニング範囲がより広くなって設計の自由度が高くなるし、また、板バネ部12Cを長くできた分その肉厚を増すこともできるから、板バネ12の耐久性及び信頼性も向上できるようになる。
【0076】
図11及び図12は本発明の第3の実施の形態を示す図であり、図11はエンジンマウント1の要部断面図である。なお、上記第1,第2の実施の形態と同様の部材,部位には同じ符号を付し、その重複する説明は省略する。
即ち、本実施の形態では、上記第2の実施の形態と同様に、可動板14を上側可動板14U及び下側可動板14Lを重ね合わせた構造としているが、それら上側可動板14U及び下側可動板14L間に、弾性部材としての板バネ42を挟み込んで固定している。
【0077】
この板バネ42は、その平面形状を図12に示すように、中央にリベット30貫通用の複数の貫通孔42aが形成された円形の板バネであり、その外周側から中央部に向かって延びる略V字形の複数のスリット42Aが形成されていて、これにより、各スリット42A間に、放射状に延びる略長方形の複数の板バネ部42Bが形成されている。つまり、この板バネ42は、略円形の中央部42Cと、この中央部42Cから放射状に延びる複数の板バネ部42Bと、を有した構造となっている。
【0078】
そして、図11に示すように、板バネ42の中央部42Cを上側可動板14U及び下側可動板14L間に挟み込んだ状態でリベット40を貫通させてこれらを一体とし、放射状に延びる板バネ42の各板バネ部42Bの端部を、アクチュエータケース8上端面に当接させ、もって可動板14を板バネ42を介してアクチュエータケース8側に弾性支持している。ただし、本実施の形態では、リング材11の下面内径側に周方向に連続した切欠き11Aを形成することにより、板バネ部42B端部とアクチュエータケース8上端面との当接領域を確保している。また、シール材15Bは、その切欠き11A内にも入り込むような形状としていて、これにより、油漏れのより確実に防止しつつ、板バネ部42Bとアクチュエータケース8上端面との間の水平方向の摺動をなくして異音の発生等の防止している。その他の構成は、上記第1,第2の実施例と同様である。
【0079】
このような構成であっても、板バネ42は、実質的に板バネ部42Bの集合体と見なせるから、その単位板厚当たりの剛性は低くなっており、可動板14の大きなストロークを容易に実現できるし、可動板14が電磁アクチュエータ14側に変位するに従って、板バネ部42Bの支持面16との接触面積が大きくなるから、板バネ42の特性を非線形とすることができ、その非線形特性の緻密な設定も支持面16の板バネ部42Bに沿った方向の曲線の選定のみで容易に行える。よって、上記第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0080】
さらに、本実施の形態にあっても、板バネ部42Bの片持ち梁として機能する部分を容易に長くすることができるという利点があるから、上記第2の実施の形態と同様に、設計の自由度が高くなるし、板バネ12の耐久性及び信頼性も向上できるようになる。
図13乃至図15は本発明の第4の実施の形態を示す図であり、図13はエンジンマウント1の要部断面図である。なお、上記第1の形態と同様の部材,部位には同じ符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0081】
即ち、本実施の形態では、支持部材13を平板部13Aとテーパ部13Bとに分割するとともに、両者をリンク13Cを介して揺動可能に連結し、さらにテーパ部13Bの径方向内側下面とアクチュエータケース8との間に弾性体43を介在させていて、これにより、テーパ部13Bの内周部を上下方向に変位できるようにしている。
【0082】
また、アクチュエータケース8の上端面には、テーパ部13Cの下面側に当接する周方向に連続した突起44aが形成された高さ調節用リング44が上下方向に進退可能に嵌め込まれていて、そして、アクチュエータケース8内には、その高さ調節用リング44を上下方向に変位させるために、変形方向を上下に向けて多数の圧電素子を積層してなる圧電アクチュエータ45が埋設されている。ただし、圧電アクチュエータ45は、実際には周方向に等間隔に複数埋設されているが、図13にはそのうちの一つだけを示している。
【0083】
圧電アクチュエータ45には、コントローラから駆動電圧として駆動信号yp が供給されるようになっていて、圧電アクチュエータ45はその駆動信号yp に応じて伸縮し、もって高さ調節用リング44を上下方向に変位させてテーパ部13Bを上下方向に変位させるようになっている。
そして、テーパ部13Bの内周部が上下方向に変位すると、板バネ12も上下方向に変位して可動板14と電磁アクチュエータ10との間の空隙長が変化するとともに、テーパ部13B上の支持面16の傾斜も変化するようになる。その結果、板バネ12のバネ特性は、例えば図14に示すように、テーパ部13Bの内周部が最も電磁アクチュエータ10側に変位した場合には破線で示すような特性となり、テーパ部13Bの内周部が最も電磁アクチュエータ10側から離れた場合には二点鎖線で示すような特性となる。つまり、板バネ12の特性は、テーパ部13Bの内周部の上下位置を適宜調整することにより、図14の破線で示す特性と二点鎖線で示す特性との間でリニアに変化するようになる。
【0084】
この場合、テーパ部13Bの内周部を最も電磁アクチュエータ10側に変位した状態で固定すると、可動板14は、空隙長δap0 と空隙長δai0 との差であるストロークS1 の範囲で変位することになる。
しかし、空隙長δが空隙長δap0 から離れるに従って、テーパ部13Bの内周部を上方に持ち上げて板バネ12の特性を破線の特性から二点鎖線の特性に徐々に近づけ、−I〔AT〕通電時に板バネ12の特性が二点鎖線の特性となるようにすれば、可動板14は、空隙長δap0 と空隙長δai2 との差であるストロークS2 の範囲で変位することになり、可動板14をより広い範囲で変位させることができるようになる。
【0085】
つまり、電磁アクチュエータ10に対する駆動信号yに同期して、圧電アクチュエータ45に駆動信号yp を適宜出力すれば、可動板14は、空隙長δap0 と空隙長δai2 との差であるストロークS2 の範囲で変位するようになり、より過大な振動入力に対しても有効な振動低減制御が実行できる。従って、このエンジンマウント1は、振動入力が大きいディーゼルエンジンや大排気量ガソリンエンジン等を支持するのにさらに好適となる。
【0086】
図15は、電磁アクチュエータ10に対する駆動信号yに同期して、圧電アクチュエータ45に駆動信号yp を出力する場合にコントローラ内で実行される処理の概要を示したフローチャートである。なお、上記第1の実施の形態における処理と同様の処理を実行するステップには、同じ符号を付している。
即ち、この図15に示す処理を実行する場合の前提として、圧電アクチュエータ45の最大変位量の半分をその動作中立点とするために、圧電アクチュエータ45への最大印加電圧Vmax の1/2の電圧を、予め圧電アクチュエータ45に印加して、板バネ12の特性を図14に一点鎖線で示すような中立の特性としておく。そして、図15の処理が実行された場合には、そのステップ116からステップ201に移行し、フィルタ係数Wi に同期する駆動信号ypiを演算し、ステップ104では、駆動信号y及びyp とを出力する。すると、可動板14は、空隙長δap0 と空隙長δai2 との差であるストロークS2 の範囲で変位するようになる。
【0087】
また、可動板14の変位範囲をストロークS1 からストロークS2 に広がっても、電磁アクチュエータ10の励磁コイル10Bでの消費電力は増大する訳ではなく、むしろ、可動板14の変位範囲を圧電アクチュエータ45を有しない場合と等しくすることを考えれば、それだけ電磁アクチュエータ10の励磁コイル10Bへの電流は小さくて済むことになる。つまり、圧電アクチュエータ45を設けてテーパ部13Bの内周部を上下方向に変位させるようにした結果、圧電アクチュエータ45での消費電力分は増加しても、圧電アクチュエータ10の励磁コイル10Bでの消費電力は減少するようになる。そして、それら消費電力の増加分と減少分とを比較すると、圧電アクチュエータ45内を流れる電流は励磁コイル10Bを流れる電流よりも格段に小さいことから、減少分の方が大きくなり、全体として消費電力を低減することができるのである。その他の作用効果は上記第1の実施の形態と同様である。
【0088】
ここで、本実施の形態では、支持部材13のテーパ部13Bを揺動可能とした構造と、高さ調節用リング44と、圧電アクチュエータ45とによって、特性可変手段が構成されている。
図16及び図17は本発明の第5の実施の形態を示す図であり、図16は、板バネ12と支持部材13との拡大断面図である。なお、全体的な構成は上記第1の実施の形態と同様であるため、その図示及び説明は省略する。
【0089】
即ち、上記各実施の形態では支持面16を曲面とすることにより、板バネ12のバネ特性を非線形としているが、この実施の形態では、図16に示すように、支持面16を三等分し、径方向内側に近づくに従って段階的に傾斜が急峻になるようにしている。つまり、支持面16の傾斜は、片持ち梁と見なすことができる板バネ部12Cの固定端12G側から点p1 に至る迄の間は水平面より若干急峻な程度であるが、点p1 に至るとそれよりも若干急峻になり、点p2 に至るとさらに急峻になる。
【0090】
このような構成であると、図17に示すように、板バネ12のバネ力は、可動板14の変位量が大きくなるにしたがって段階的に増大するようになる。つまり、板バネ12の変形量とバネ定数との関係は、可動部材14が電磁アクチュエータ10に近づくに従って、バネ定数が段階的に大きくなるような特性となり、上記第1の実施の形態と同様の作用効果が得られるとともに、支持部材13の支持面16の加工が容易となってコスト低減が図られるという利点がある。
【0091】
なお、この第5の実施の形態のように、支持面16を分割する場合、その分割数は三つに限定されるものではなく、例えば四つ以上であってもよいし、二つであってよい。
また、上記第1の実施の形態では、支持面16を有する支持部材13をアクチュエータケース8側に固定しているが、アクチュエータケース8上端面を上方に突出させ、その突出した部分に支持面16を直接形成するようにしてもよいし、支持面16を、アクチュエータケース8側又は可動板14側のいずれか一方だけではなく、その両方に形成するようにしてもよい。要は、アクチュエータケース8及び可動板14の少なくとも一方に、支持面16を有する支持部材13を固定するか、或いは、支持面16を直接形成すればよい。
【0092】
そして、上記実施の形態では、円形の板バネ12にスリット12Bを形成することにより実質的に板バネと見なせる複数の板バネ部12Cを形成するか、或いは、円形の板バネ42にスリット42Aを形成することにより実質的に板バネと見なせる複数の板バネ部42Bを形成し、それら板バネ部12Cや板バネ部42Bによって可動板14を弾性支持するようにしているが、これに限定されるものでなく、長方形の複数の板バネを放射状に配設し、それらの外端側を支持部材13やリング材11に固定し、それらの内端側で可動板14を弾性支持するようにしてもよいし、或いは、長方形の複数の板バネを放射状に配設し、それらの内端側を可動板14に固定し、それらの外端側をアクチュエータケース8上端面に当接させるようにしてもよく、そのような個別の板バネを用いる構成であっても、上記実施の形態と同様の作用効果が得られる。しかも、個別の板バネを用いる構成であれば、板バネを厚板から打ち抜く場合にその板厚の単位面積当たりの生産個数が増える(つまり、歩留りが向上する)ため、コスト低減に繋がるという利点がある。
【0093】
また、上記第4の実施の形態では、圧電素子を積層した圧電アクチュエータを用いてテーパ部13の内周部側を上下方向に変位させているが、これに限定されるものではなく、磁歪素子や油圧式アクチュエータ等用いてもよい。しかし、応答性の面からは、圧電素子や磁歪素子等を用いることが望ましい。
そして、上記各実施の形態では、本発明に係る防振支持装置を、エンジン30を支持するエンジンマウント1に適用した場合を示しているが、本発明に係る防振支持装置の適用対象はエンジンマウント1に限定されるものではなく、例えば振動を伴う工作機械の防振支持装置等であってもよい。
【0094】
さらに、上記各実施の形態では、低周波振動入力時には流体がオリフィス5aを通過する際に発生する流体共振を利用して防振効果を得るようにしているが、流体共振が発生させる周波数は任意である。また、そのような流体共振を利用しない防振支持装置の場合には、オリフィス構成体5a,ダイアフラム4等を設ける必要がなく、その分、部品点数が削減されるからコストが低減する。
【0095】
さらに、上記各実施の形態では、駆動信号yを同期式Filtered−X LMSアルゴリズムに従って生成しているが、適用可能なアルゴリズムはこれに限定されるものではなく、例えば、通常のFiltered−X LMSアルゴリズムであってもよいし、周波数領域のLMSアルゴリズムであってもよい。また、系の特性が安定しているのであれば、LMSアルゴリズム等の適応アルゴリズムを用いることなく、係数固定のディジタルフィルタ或いはアナログフィルタによって駆動信号yを生成するようにしてもよい。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、発明によれば、可動部材を適宜スリットを形成した円形の板バネ或いは複数の板バネによって保持部材側に弾性支持するようにしたため、板バネの耐久性低下や装置の大幅な大型化等を招くことなく、可動部材の変位範囲を広げることができ、過大な振動入力を低減するのに有利な防振支持装置とすることができるという効果がある。
【0097】
しかも、本発明によれば、可動部材の変位範囲をさらに広げることができるから、過大な振動入力を低減するのにさらに有利な防振支持装置とすることができるという効果がある。
特に、請求項5、11、17に係る発明であれば、可動部材が電磁アクチュエータに衝突することを確実に防止できるという効果もある。
【0098】
そして、請求項6、12、18〜20に係る発明であれば、消費電力の低減を図りつつ、可動部材の変位範囲をさらに広げることができる。
さらに、請求項21に係る発明であれば、受動的な支持力を発生する通常の流体封入式の防振支持装置として機能させることもできるから、種々の振動に対して防振効果を発揮することがさらに容易になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるエンジンマウントの構成を示す断面図である。
【図2】エンジンマウントの配設状態を示す全体構成図である。
【図3】図1の要部拡大図である。
【図4】板バネの平面図である。
【図5】エンジンマウントのモデル図である。
【図6】コントローラ内で実行される処理の概要を示すフローチャートである。
【図7】可動板及び電磁アクチュエータ間の空隙長と、可動板に作用する吸引力及びバネ力との関係を示す特性線図である。
【図8】可動板及び電磁アクチュエータ間の空隙長と、可動板に作用する吸引力及びバネ力との関係を示す特性線図であり、バネ特性が線形の場合と非線形の場合とを比較したものである。
【図9】図1の要部拡大図である。
【図10】第2の実施の形態におけるエンジンマウントの要部断面図である。
【図11】第3の実施の形態におけるエンジンマウントの要部断面図である。
【図12】第3の実施の形態における板バネの平面図である。
【図13】第4の実施の形態におけるエンジンマウントの要部断面図である。
【図14】可動板及び電磁アクチュエータ間の空隙長と、可動板に作用する吸引力及びバネ力との関係を示す特性線図であり、バネ力の特性が可変である場合を示している。
【図15】第4の実施の形態のコントローラ内で実行される処理の概要を示すフローチャートである。
【図16】第5の実施の形態の要部断面図である。
【図17】可動板の変位量とバネ力との関係を示す特性線図である。
【符号の説明】
1 エンジンマウント(防振支持装置)
5a オリフィス
6 支持弾性体
8 アクチュエータケース(保持部材)
10 電磁アクチュエータ
10A ヨーク
10B 励磁コイル
10C 永久磁石
12 板バネ
12A 開口部
12B スリット
12C 板バネ部
12D リング部
13 支持部材
14 可動板(可動部材)
16 支持面
17 主流体室(流体室)
18 副流体室
20 コントローラ
30 エンジン(振動体)
35 メンバ(支持体)

Claims (21)

  1. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を中央に開口部を有する円形の板バネとするとともに、前記板バネに前記開口部側から外周側に向かって放射状に延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの内周側で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ
    さらに、前記可動部材側及び前記保持部材側の少なくとも一方に、前記可動部材が前記電磁アクチュエータ側に近づくに従って前記板バネとの接触面積が大きくなる支持面を有する支持部材を設けたことを特徴とする防振支持装置。
  2. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を中央に開口部を有する円形の板バネとするとともに、前記板バネに前記開口部側から外周側に向かって放射状に延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの内周側で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ
    さらに、前記可動部材及び前記保持部材の少なくとも一方に、前記可動部材が前記電磁アクチュエータ側に近づくに従って前記板バネとの接触面積が大きくなる支持面を形成したことを特徴とする防振支持装置。
  3. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を中央に開口部を有する円形の板バネとするとともに、前記板バネに前記開口部側から外周側に向かって放射状に延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの内周側で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、
    さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに近づくに従って前記バネ定数が大きくなる非線形特性としたことを特徴とする防振支持装置。
  4. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を中央に開口部を有する円形の板バネとするとともに、前記板バネに前記開口部側から外周側に向かって放射状に延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの内周側で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、
    さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに近づくに従って前記バネ定数が段階的に大きくなる特性としたことを特徴とする防振支持装置。
  5. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を中央に開口部を有する円形の板バネとするとともに、前記板バネに前記開口部側から外周側に向かって放射状に延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの内周側で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、
    さらに、前記可動部材を前記電磁アクチュエータに接触する位置まで変位させた場合に前記弾性部材が発生するバネ力を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに接触した場合に受ける吸引力よりも大きくしたことを特徴とする防振支持装置。
  6. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を中央に開口部を有する円形の板バネとするとともに、前記板バネに前記開口部側から外周側に向かって放射状に延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの内周側で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、
    さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を可変とする特性可変手段を設けたことを特徴とする防振支持装置。
  7. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を円形の板バネとするとともに、前記板バネに外周側から中央部に向かって延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの中央部で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、
    さらに、前記可動部材側及び前記保持部材側の少なくとも一方に、前記可動部材が前記電磁アクチュエータ側に近づくに従って前記板バネとの接触面積が大きくなる支持面を有する支持部材を設けたことを特徴とする防振支持装置。
  8. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を円形の板バネとするとともに、前記板バネに外周側から中央部に向かって延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの中央部で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、
    さらに、前記可動部材及び前記保持部材の少なくとも一方に、前記可動部材が前記電磁 アクチュエータ側に近づくに従って前記板バネとの接触面積が大きくなる支持面を形成したことを特徴とする防振支持装置。
  9. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を円形の板バネとするとともに、前記板バネに外周側から中央部に向かって延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの中央部で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、
    さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに近づくに従って前記バネ定数が大きくなる非線形特性としたことを特徴とする防振支持装置。
  10. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を円形の板バネとするとともに、前記板バネに外周側から中央部に向かって延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの中央部で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、
    さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに近づくに従って前記バネ定数が段階的に大きくなる特性としたことを特徴とする防振支持装置。
  11. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を円形の板バネとするとともに、前記板バネに外周側から中央部に向かって延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの中央部で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、
    さらに、前記可動部材を前記電磁アクチュエータに接触する位置まで変位させた場合に前記弾性部材が発生するバネ力を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに接触した場合に受ける吸引力よりも大きくしたことを特徴とする防振支持装置。
  12. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を円形の板バネとするとともに、前記板バネに外周側から中央部に向かって延びる複数のスリットを形成し、そして、前記板バネの中央部で前記可動部材を保持し、前記板バネの外周側を前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持させ、
    さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を可変とする特性可変手段を設けたことを特徴とする防振支持装置。
  13. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在す る支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を、一端側が前記可動部材側に結合され且つ他端側が前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持された複数の板バネとし、
    さらに、前記可動部材側及び前記保持部材側の少なくとも一方に、前記可動部材が前記電磁アクチュエータ側に近づくに従って前記板バネとの接触面積が大きくなる支持面を有する支持部材を設けたことを特徴とする防振支持装置。
  14. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を、一端側が前記可動部材側に結合され且つ他端側が前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持された複数の板バネとし、
    さらに、前記可動部材及び前記保持部材の少なくとも一方に、前記可動部材が前記電磁アクチュエータ側に近づくに従って前記板バネとの接触面積が大きくなる支持面を形成したことを特徴とする防振支持装置。
  15. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を、一端側が前記可動部材側に結合され且つ他端側が前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持された複数の板バネとし、
    さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに近づくに従って前記バネ定数が大きくなる非線形特性としたことを特徴とする防振支持装置。
  16. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を、一端側が前記可動部材側に結合され且つ他端側が前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持された複数の板バネとし、
    さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに近づくに従って前記バネ定数が段階的に大きくなる特性としたことを特徴とする防振支持装置。
  17. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を、一端側が前記可動部材側に結合され且つ他端側が前記電磁アクチュエ ータを保持する保持部材側に支持された複数の板バネとし、
    さらに、前記可動部材を前記電磁アクチュエータに接触する位置まで変位させた場合に前記弾性部材が発生するバネ力を、前記可動部材が前記電磁アクチュエータに接触した場合に受ける吸引力よりも大きくしたことを特徴とする防振支持装置。
  18. 周期的な振動を発する振動体及びこれを支持する支持体間に介在する支持弾性体と、この支持弾性体によって画成された流体室と、この流体室内に封入された流体と、前記流体室の隔壁の一部を形成し且つ磁化可能な材料からなる可動部材と、この可動部材を前記流体室の容積を変化させる方向に変位可能に弾性支持する弾性部材と、前記可動部材を前記方向に変位させる磁力を発生する電磁アクチュエータと、を備えた防振支持装置において、
    前記弾性部材を、一端側が前記可動部材側に結合され且つ他端側が前記電磁アクチュエータを保持する保持部材側に支持された複数の板バネとし、
    さらに、前記弾性部材の変形量とバネ定数との関係を可変とする特性可変手段を設けたことを特徴とする防振支持装置。
  19. 前記特性可変手段を、圧電素子を含んで構成した請求項6、請求項12又は請求項18に記載の防振支持装置。
  20. 前記特性可変手段を、磁歪素子を含んで構成した請求項6、請求項12又は請求項18に記載の防振支持装置。
  21. オリフィスを介して前記流体室に連通する容積可変の副流体室を設けるとともに、前記流体室,前記オリフィス及び前記副流体室内に流体を封入した請求項1乃至請求項20のいずれかに記載の防振支持装置。
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