JP3713753B2 - エンジンの排気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気ガス浄化触媒の早期高温化を図れるようにしたエンジンの排気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジン、特に自動車用エンジンでは、排気通路に排気ガス浄化触媒を設けることが一般に行われている。この排気ガス浄化触媒は、所定の活性温度になるまでは十分な機能を発揮せず、エンジン始動直後特に冷間時の始動後にいかに早期に活性温度にまで高温化(昇温)させるかが問題となる。
【0003】
排気ガス浄化触媒の早期高温化を図る技術として、特開平7−11940号公報に示すものがある。すなわち、各気筒が第1排気弁と第2排気弁との2つの排気弁を有するものとされて、第1排気弁を、第1排気通路を介して触媒の直上流に接続する一方、第2排気弁を、第1排気通路とは別途独立して構成された第2排気通路を介して、触媒の直上流でかつ第1排気通路の開口位置とは異なる所定局部位置に接続したものとされる。そして、触媒の低温時には、可変バルブ機構により第1排気弁の作動停止、バルブリフト量低減あるい開弁期間の短縮を行って、第2排気弁からつまり第2排気通路から集中して多量の排気ガスを放出するようにしてある。
【0004】
これにより、触媒のうち所定局部位置に大量の排気ガスが流れるので、触媒が局部的に早期に高温化されるものとなっている。このように、上記公報記載の技術は、触媒の局部的な早期高温化を行おうとするもの、換言すれば早期に高温化すべき触媒を一部に限定して、触媒の実質的な熱容量低減化によって早期高温化を図るものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載のものでは、排気2弁式であること、排気通路が第1排気弁用と第2排気弁用とで触媒直上流までの長い系路を個々独立した特別の形式として構成しなくてはならないこと、可変バルブ機構を必要とすること、触媒が局部的にしか早期に高温化されないこと等、排気系の構成に種々の制約を受けることになる。
【0006】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、触媒を早期に高温化する場合に、排気系の構成に大きな制約を与えることなく、触媒の早期高温化を図れるようにしたエンジンの排気装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明はその構成として次のようにしてある。すなわち、
エンジンの排気通路が、各気筒からの排気ガスが全て集合される集合部を備え、
前記集合部下流の共通排気通路に排気ガス浄化触媒が配設され、
排気弁が各気筒に2個設けられて、一方の排気弁が他方の排気弁に比して小径とされると共に,少なくとも前記触媒の低温時に該一方の排気弁が該他方の排気弁に比してリフト量が大きく設定されている、
ような構成としてある。上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2に記載のとおりである。
【0008】
排気弁開弁直後には、いわゆるブロ−ダウンとよばれるように、極めて高温かつ多量の排気ガスが気筒から放出される。本発明によれば,この排気弁開弁直後の排気ガスの放出速度を遅くすることにより、高温かつ多量の排気ガスを比較的長い時間をかけて排気通路を通過させることになり、排気通路が早期に高温化されることになる。また、放出速度を遅くすることにより、排気弁の閉弁時まで高い排気ガス温度を維持することが可能になり、排気ガスの有する熱が排気通路高温化のために有効に利用される。このように、排気通路特に触媒までの排気通路が早期に高温化されて、触媒の早期高温化が図られることになる。
【0009】
【発明の効果】
請求項1に記載された発明によれば、高温の排気ガスが有する熱を効果的に排気通路に伝達して、排気通路ひいては触媒の早期高温化を図ることができる。また、本発明は、排気系の構成についても大きな制約を与えることのないものとなって、排気構造の設計の自由度も高いものとなる。例えば、排気通路構成も各気筒としては第1排気弁用と第2排気弁用との別途独立した長い専用の通路構成とする必要がなくて一般的な排気マニホルドを利用することができる。また、触媒も局部的ではなく全体に高温化させることができる。さらに、可変バルブ機構を別途用いてもよいが、排気弁駆動カムの形状設定により可変バルブ機構を用いない構成とすることも可能になる。
【0010】
以上に加えて,少なくとも触媒の低温時に,低リフト量となる他方の排気弁を大径にすることにより高負荷時での充・量を確保することができ,逆に,大径とされた他方の排気弁のリフト量を小さくすることにより動弁系の設定荷重の増加を抑制することができる。
【0011】
請求項2に記載したような構成とすることにより,触媒の高温化をより効果的に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を,参考例と共に,添付した図面に基づいて説明する。なお,後述する第8の例および第9の例がそれぞれ本発明の実施例となるもので,その他の例はそれぞれ参考例となるものである。先ず、図1において、1はエンジンで、実施例では、直列4気筒4サイクルの火花点火式エンジンとされている。各気筒2にはそれぞれ、1つの吸気ポ−ト3、1つの排気ポ−ト4が開口され、吸気ポ−ト3は吸気弁5により、また排気ポ−ト4は排気弁6により開閉される。各弁5、6はそれぞれ傘弁式とされて、クランク軸の回転と同期して開閉駆動される。
【0013】
エンジン1に接続された排気マニホルド7は、各気筒用の合計4本の分岐通路部7aを有し、各分岐通通路部7aが、排気ポ−ト6に個々独立して接続されている。排気マニホルド7は、4本の分岐通路部7a同士を集合させる1つの集合部7bを有し、この集合部7bには、1本の共通排気通路8が連なっている。集合部7b近傍の共通排気通路8には、排気ガス浄化触媒(実施例ではモノリス触媒)が配設されている。各気筒2からの排気ガスは、分岐通路部7aを通って、集合部7bで一旦全て集合された後、触媒9を経て大気へ放出される。
【0014】
図1中10は、可変バルブ機構で、後述するように、排気弁6の開弁特性を可変制御する実施例において用いられる。この可変バルブ機構10は、触媒9が所定の活性温度になったか異なかに応じて排気弁6の開弁特性を変更するもので、制御ユニット11によりその作動が制御される。すなわち、温度検出手段としてのセンサ12により、触媒9が所定の活性温度以下であることが検出されたときは、排気弁6の開弁特性が、触媒9が所定活性温度よりも高い場合つまり通常運転時用となる基本開弁特性に比して、少なくとも開弁直後の排気ガス放出速度が遅くなる態様へと変更される。
【0015】
図2〜図4は、排気弁6の開弁特性を基本開弁特性としたときの、排気ガス温度状態を示すもので、図2が排気ポ−ト4位置の温度を、図3が分岐通路部7a位置の温度を、図4が共通排気通路8のうち触媒9直上流位置の温度を示す。また、図5〜図7は、排気弁6の開弁特性を基本開弁特性としたときの、排気ガス流速の状態を示すもので、図5が排気ポ−ト4位置の流速を、図6が分岐通路部7a位置の流速を、図7が共通排気通路8のうち触媒9直上流位置の流速を示す。図2R>2、図5から明らかなように、排気ガス温度および流速共に、排気弁6の開弁直後が極めて高い(大きい)ことが理解される。
【0016】
図8〜図11は、基本開弁特性に比して排気弁開弁直後の排気ガス放出速度を遅くしたときの排気系の様子を示してあり、放出速度を遅くしたときを破線で、また放出速度が早い基本開弁特性のときを実線で示してある。そして、図8が排気ガスの放出量を、図9が排気ポ−ト4位置の流速を、図10が排気ポ−ト4位置の温度を、図11が共通排気通路8のうち触媒9直上流位置の温度を示す。
【0017】
排気ガスから排気系へと伝達される熱量(つまり排気系の高温化)は、排気ガスと排気系の温度差が大きいほど大きくなり、排気ガスの流速が大きいほど大きくなり、放熱時間つまり排気ガスが排気系にある時間が長いほど大きいものとなる。排気弁開弁直後の排気ガス放出速度を遅くすることにより、この開弁直後に放出する高い排気ガス温度を長い時間かけて排気ポ−ト4、排気マニホルド7、共通排気通路8(触媒)を通過させることにより、その温度が高温化され易いものとなる。また、排気弁開弁直後の排気ガス放出速を遅くすることにより、排気弁閉弁時までに高い排気ガス温度を維持することになり、次のサイクルの排気弁開弁時に、排気系に流れる排気ガス温度の低下が防止されることになる(排気ポ−ト4位置での最低温度上昇で、図10参照)。
【0018】
排気弁開弁直後の排気ガス放出速度を遅くすることにより、同じ排気ガス流量と供給熱量とで、触媒9に導入される排気ガスの平均温度は大幅に上昇され(図11参照)、この上昇幅を100度C以上とすることも可能となる。なお、排気弁開弁直後の排気ガス放出速度をあまり遅くし過ぎることは、気筒内の大幅な充填量低下等となって好ましくないものとなる。
【0019】
以下、排気弁開弁直後の排気ガス放出速度を遅くする具体例について、順次説明する。なお、以下の説明で、『早期高温化の温度上昇分』として記載される温度は、全て、排気弁開弁直後に排気ガス放出速度を遅くしない場合に比しての触媒9の温度上昇分(改善分)で、エンジン始動後20秒後のものとなる。
【0020】
第1の例(図13)
第1の例では、触媒9が所定活性温度(例えば300度C)以下のときに、排気弁6のリフト量を小さくするものである。すなわち、可変バルブ機構10によって、通常運転用の基本開弁特性のときのリフト量(全開出力性能確保とカムリフト曲線により定まるリフト量で図13実線が対応))に比して、開弁期間は同じでかつ全開弁期間に渡って20〜40%のリフト量に変更される(図1313破線対応)。これにより、基本開弁特性とした場合に比して、触媒9直上流の平均排気ガス温度を最高150度C程度まで上昇させることができ、早期高温化の温度上昇分を最高70度C程度とすることができる。なお、リフト量を40%よりも大きくすると高温化の効果が十分得られず、また20%よりも小さいリフト量にすると充填量の大幅な低下となってしまう。
【0021】
第2の例(図12、図13)
第2の例は、図12に示すように、1気筒あたり、吸気ポ−トが3A、3Bの2つ(吸気弁も5A、5Bの2つ)、排気ポ−トが4A、4Bの2つ(排気弁も6A、6Bの2つ)の4弁式としてある(排気通路構成等は図1R>1の場合と同じ)。そして、可変バルブ機構10によって、触媒低温時に、一方の排気弁6Aのリフト量を前記第1の例と同様に20〜40%にまで小さくし、かつ他方の排気弁6Bを遅開きとしてある。実施例では、他方の排気弁6Bの開弁期間を、基本開弁特性に比して、全体的にクランク角で20〜30度遅く開く方向にオフセットするようにしてある。この第2の例では、排気弁開弁直後の排気ガス放出速度を十分遅くする上で好ましいものとなる。
【0022】
第3の例(図12)
排気多弁式としての排気2弁式を示す図12の場合において、触媒9の低温時に、可変バルブ機構10によって、1つの排気弁6Aを閉弁したままとするようにしてある(排気ガス放出面積を1/2にする)。なお、排気弁が3弁式の場合は、触媒低温時に閉弁状態とされる排気弁の数は、1つあるいは2つとすることができる。この第3例の場合、排気ガス温度を平均100度C以上上昇させ、早期高温化の温度上昇分は約40度Cである。
【0023】
第4の例(第3の例の変形)
第4の例として、触媒低温時において、第3の例と同様に可変バルブ機構によって一方の排気弁6Aが閉弁状態とされる。これに加えて、本例では、他方の排気弁6Bのリフト量が20〜40%に低減される。あるいは、他方の排気弁6Bについて、そのリフト量が20〜40%に低減されると共に、遅開きとされる(第2の例での遅開きと同様)。
【0024】
第5の例(図16)
第5の例では、排気2弁式のものにおいて、図16に示すように、一方の排気弁6Aを通常の径よりも小径とし、他方の排気弁6Bを通常の径よりも大径としてある。これに応じて、対応する排気ポ−ト4Aのスロ−ト部の径は排気ポ−ト4Bのスロ−ト部の径よりも小径とされているが、充填量確保のために、小径スロ−ト部の径が大径スロ−ト部の径の50%以上とされている。
【0025】
この第5の例では、触媒低温時において、可変バルブ機構により、一方の排気弁6Aあるいは6Bが閉弁状態のままとされるが、エンジン運転状態に応じて、閉弁すべき排気弁が次のように選択される。すなわち、低回転、低負荷または低流量の場合には、大径の排気弁6Bを閉弁とし、その他のときは小径の排気弁6Aを停止させる。これにより、触媒の早期高温化と充填量確保とを高い次元で満足させることができる。
【0026】
第6の例(図14)
第6の例では、可変バルブ機構により、排気弁6の開弁特性が、触媒低温時には図14破線で示すように、また触媒高温時用となる通常運転用の場合は図14実線で示すように変更される。破線で示す開弁特性は、実線で示す基本開弁特性に比して、開弁直後より具体的には開弁時からクランク角20〜30度の範囲において、リフト量が40%程度に低減される。すなわち、開弁時からクランク角30度を過ぎると排気ガスの大半が放出されてしまうので、クランク角30度の範囲内においてリフト量を小さくすることにより、早期高温化の温度上昇分を60度C以上とすることができる。なお、本例では、破線で示す開弁特性に固定のままとすることもできる(可変バルブ機構なし)。
【0027】
第7の例(図15)
第7の例では、図12に示すような排気2弁式としたものにおいて、可変バルブ機構により、触媒低温時には、一方の排気弁6Aを他方の排気弁6Bに比して遅く開くようにし、かつ遅く閉じるようにしてある。触媒高温時には、両排気弁6A、6Bは同時に開き、同時に閉じられる。なお、本例では、可変バルブ機構をなくして、図1515に示す開弁特性に固定設定することもできる。最大30度遅く開く設定により、エンジン始動後20秒間で40度C以上の触媒高温化を図ることができる。
【0028】
第8の例(図16、図17)
図16に示すように小径排気弁6Aと大径排気弁6Bとを有する場合に、図17に示すように、小径排気弁6Aのリフト量を大径排気弁6Bのリフト量よりも大きくしてある。なお、2つの排気弁6A6Bを互いに同径とした場合に比して、小径排気弁6Aは上記同径とした場合の80%以下(好ましくは80%以下)の径とされ、また小径排気弁6Aのリフト量は上記同径とした場合のリフト量よりも大きくされ、さらに大径排気弁6Bのリフト量が上記同径とされたときのリフト量よりも小さくされている。図17のような開弁特性は、固定設定とされる。本例においては、早期高温化の温度上昇分を30度C以上とすることができる。
【0029】
ここで、互いに同径とされた2つの排気弁のリフト量は、全負荷状態で多くの吸入空気を充填できるように、またバルブジャンピングが生じない範囲で可能な限り大きくなるように設定される。一方の排気弁のリフト量を小さくすると、高負荷時での充填量不足を生じるが、低リフト量となる排気弁6Bを大径にすることで充填量が確保される。また、排気弁の大径化は、動弁系の設定荷重を増加させる原因となるが、大径排気弁6Bのリフト量を小さくすることで設定荷重の増加が抑制される。このような観点から、小径排気弁6Aのリフト量よりも大径排気弁6Bのリフト量が小さく設定される。
【0030】
第9の例(図16、図18)
第9の例では、第8の例において、大径排気弁6Bを小径排気弁6Aよりも遅れて開くようにし(クランク角で20〜30度)、かつ閉弁時期は両排気弁6A、6B共に同じ時期としてある。この大径排気弁6Bの遅開きにより、触媒9の高温化をより効果的に行うことができる。なお、大径排気弁6Bのリフト量は小さいので、その開弁期間短くすること、つまり開弁期間短縮化に伴うバルブジャンピングが問題とないものとなる。本例では、エンジン始動後20秒の間に、触媒9を60度C以上高温化することができる。なお、図18に示すような開弁特性は、固定設定とされている。
【0031】
第10の例(図12、図17)
第10の例は、図12に示すように排気2弁式のものにおいて、各排気弁6Aと6Bとを同一径とし、一方の排気弁6Aのリフト量を他方の排気弁6Bのリフト量よりも大きく設定してある(図17に示すようなリフト量相違の設定)。本例では、開弁特性は固定設定とされており、排気弁6A、6Bの開弁直後は、排気ガスはリフト量の大きい排気弁6A側から流れて、開弁直後の排気ガス放出速度を遅くすることができる。本例では、エンジン始動後20秒の間に、触媒9を30度C程度高温化することができる。
【0032】
第11の例(図12、図18)
第11の例は、図12に示すように排気2弁式のものにおいて、各排気弁6Aと6Bとを同一径とし、かつ図18R>8に示すのと同様に一方の排気弁6Aのリフト量を他方の排気弁6Bのリフト量よりも大きく設定してある。そして、小さいフト量の排気弁6Bを、大きいリフト量の排気弁6Aよりも遅く開く(クランク角で20〜30度遅く開く)と共に、両排気弁6Aと6Bとが同時に閉じるような設定としてある(開弁特性の固定設定)。本例では、早期高温化の温度上昇分を30度Cとすることができる。なお、リフト量が小さくされた排気弁6Bの開弁期間が短くされて、吸気弁が開く時期と大きくオ−バラップされないので、充填量の低下も防止される。
【0033】
第12の例(図19)
図19に示すように、第12の例では、実線で示す基本開弁特性(最適開弁特性)に比して、クランク角で20〜30度開弁期間を長くすると共に、この長くされた分の開弁期間を、基本開弁特性の開弁時期よりも前に設定するようにしてある(基本開弁特性よりも早く開くもので、固定設定)。そして、早開きとされた開弁特性の開弁直後のリフト量は、開弁基本開弁特性における開弁直後のものに比して(共に開弁時からクランク角20〜30度の範囲で比較した場合)、20〜40%の範囲に設定されている。
【0034】
本例では、エンジン始動後20秒の間に、触媒9を60度C高温化させることができる。また、本例においては、閉弁時期が遅くならないので、吸気弁の開時期とのオ−バラップが大きくなることによる充填量低下が防止され、また、排気弁用カム形状も、最大リフト量の確保、バルブジャンピング防止等の観点において基本開弁特性のものと同じように十分満足させることができる。
【0035】
第13〜第15の例(図20)
第13〜第15の例共に、排気弁開弁直後(開弁時からクランク角20〜30度)の範囲において、基本開弁特性よりもリフト量を20〜40%に設定するという点において、図19に示す第12の例と同じであり、早期高温化の温度上昇分も第12の例とほぼ同じように得られる。また、第13の例〜第15の例はそれぞれ、その開弁特性は固定設定とされる。
【0036】
第13の例では、図20において実線で示す基本開弁特性に比して、一点鎖線で示すように、開弁時期が同じで、その直後のリフト量を基本開弁特性よりも小さくなるように設定したものである。本例では、最大リフト量を基本開弁特性と同じように設定すると、基本開弁特性と開弁期間を同じとする限り、バルブジャンピングの点で不利となる。
【0037】
第14の例では、図20一点鎖線と2点鎖線とを連続したような開弁特性とした場合であるが、この場合も第13の例と同じように、バルブジャンピングの点で、第12の例よりも不利となる。
【0038】
第15の例では、第13の例あるいは第14の例において、最大リフト量を低下させたものである。この場合は、バルブジャンピングの点では問題はないものの、出力確保の点で不利となる。
【0039】
以上実施例について説明したが、排気弁開弁直後の排気ガス放出速度を遅くするには、排気弁開弁時からクランク角20〜30度の範囲部分を、基本開弁特性のリフト量の20〜40%のリフト量にすることは、触媒9の早期高温化の点で好ましいものとなり、このような設定を採択した場合は、排気通路構成は、図1に示すような構成に限定されない適宜の構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの一例を示す全体系統図。
【図2】排気ポ−ト部分での排気ガス温度を示す図。
【図3】排気マニホルドの分岐通路部での排気ガス温度を示す図。
【図4】触媒直上流での排気ガス温度を示す図。
【図5】排気ポ−ト部分での排気ガス流速を示す図。
【図6】排気マニホルドの分岐通路部での排気ガス流速を示す図。
【図7】触媒直上流での排気ガス流速を示す図。
【図8】排気弁開弁直後の排気ガス放出速度を遅くしたときの排気ガスの放出量が変化する様子を、放出速度を遅くしない場合と比較して示す図。
【図9】排気弁開弁直後の排気ガス放出速度を遅くしたときの排気ポ−ト部分での排気ガスの流速が変化する様子を、放出速度を遅くしない場合と比較して示す図。
【図10】排気弁開弁直後の排気ガス放出速度を遅くしたときの排気ポ−ト部分での排気ガス温度が変化する様子を、放出速度を遅くしない場合と比較して示す図。
【図11】排気弁開弁直後の排気ガス放出速度を遅くしたときの触媒直上流部分での排気ガス温度が変化する様子を、放出速度を遅くしない場合と比較して示す図。
【図12】排気弁部分の変形例を示す簡略平面図。
【図13】排気ガス放出速度を遅くする例を示す開弁特性図。
【図14】排気ガス放出速度を遅くする例を示す開弁特性図。
【図15】排気ガス放出速度を遅くする例を示す開弁特性図。
【図16】排気弁部分の変形例を示す簡略平面図。
【図17】排気ガス放出速度を遅くする例を示す開弁特性図。
【図18】排気ガス放出速度を遅くする例を示す開弁特性図。
【図19】排気ガス放出速度を遅くする例を示す開弁特性図。
【図20】排気ガス放出速度を遅くする例を示す開弁特性図。
【符合の説明】
1:エンジン
2:気筒
3:吸気ポ−ト
4:排気ポ−ト
5:吸気弁
6:排気弁
6A:排気弁
6B:排気弁
7:吸気マニホルド
7a:分岐通路部
7b:集合部
8:共通排気通路
9:触媒
10:可変バルブ機構
11:制御ユニット
12:触媒温度センサ
Claims (2)
- エンジンの排気通路が、各気筒からの排気ガスが全て集合される集合部を備え、
前記集合部下流の共通排気通路に排気ガス浄化触媒が配設され、
排気弁が各気筒に2個設けられて、一方の排気弁が他方の排気弁に比して小径とされると共に,少なくとも前記触媒の低温時に該一方の排気弁が該他方の排気弁に比してリフト量が大きく設定されている、
ことを特徴とするエンジンの排気装置。 - 請求項1において,
前記他方の排気弁を前記一方の排気弁よりも遅れて開くようにし、かつ閉弁時期は該他方の排気弁および該一方の排気弁共に同じ時期に設定される,ことを特徴とするエンジンの排気装置。
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1995
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