JP3712099B2 - 回転処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス基板や半導体ウェーハ等の基板に対し、現像液、洗浄液、SOG溶液、レジスト溶液等を塗布する回転処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス基板や半導体ウェーハ等の基板を回転せしめるとともに、基板の表面に現像液等の液体を供給して所定の処理を行う装置として、特開平8−321460号公報に開示される装置が知られている。
【0003】
この装置は、固定されたカップ内に基板を保持して回転せしめるチャックを配置するとともに、カップ外側に平面視で四角形をなすケース(外カップ)を配置し、このケース底面とカップ底面との間を迂回通路とし、この迂回通路を介して清浄な空気を基板の下面側に供給し、供給した清浄な空気を基板下面に沿って径方向外側に導くようにしている。
【0004】
また、上記装置にあっては、排液ダクトと排気ダクトを別々に設け、排液ダクトはカップの外周部からケース底面を貫通して下方に垂下し、排気ダクトは前記排液ダクトよりも径方向内側部においてケース底面を貫通して下方に垂下している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の回転処理装置にあっては、基板から飛散した処理液を回収するため、カップ内壁面自体をガイド面としているが、例えば、回転処理装置によって現像を行う場合、基板の回転速度が遅いため、カップ内壁面に当る液体の勢いが弱く、却って回収しにくい。特に大寸法の基板に対し現像処理を行う場合には、カップの径も大きくなるので、カップ内壁面に当る前に、他の箇所に付着し、回収しにくい。
【0006】
特に、大寸法の基板に対し処理を行える大口径のカップを用いて、小寸法のガラス基板に対し現像処理を施す場合には、基板からカップ内壁までの距離が離れすぎているので、更に回収効率が落ちる。
【0007】
一方、処理の際に回転しているのは基板だけでなく、チャック及びチャックの軸も回転している。このため、チャックの軸まで廻り込んだ液体が軸の回転によって飛散し、カップ底面の裏側等に付着し、これが乾燥して微細な粒子になって、基板表面に落下することもある。また、回転軸の回転によって生じる細かいパーティクル等が基板表面に落下することもある。
【0008】
上記課題のうち、チャックの回転軸から飛散する液体を有効に回収すべく、請求項1に記載の発明は、回転処理装置のカップの底部をチャックの回転軸に向かって開口する二重構造とし、この二重構造の内部をチャックの回転軸から飛散する液体や回転軸の回転によって生じるパーティクル等を回収するトラップ空間とした。
【0009】
上記の回転処理装置において、前記トラップ空間を径方向外側に向かって下方に傾斜せしめることで、液体の回収が更に有効になされる。
【0010】
また、上記課題のうち、基板から飛散する液体を有効に回収すべく、請求項3に記載の発明は、回転処理装置のカップに、基板から飛散した液体を回収するための回収口を設けるとともに、カップ外周壁の内側に基板から飛散した液体を回収口に導く外側整流リングを取り付けた。
【0011】
大型の基板を処理する回転処理装置にあっては、前記外側整流リングの内側に内側整流リングを着脱可能に設けることで、従来寸法の基板に対してもそのまま対応できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る回転処理装置の全体側面図、図2は同回転処理装置の平面図、図3は同回転処理装置のAーA線拡大縦断面図、図4は図3の要部拡大図である。
【0013】
図1に示すように、本発明に係る回転処理装置1はダクトD及びフィルタFからなる清浄空気の吹出し部の下方に配置され、また床Gはすのこ状になっており、そのまま清浄空気が下方に抜ける構造になっており、微細な塵が現像処理中に表面に付着しにくい雰囲気になっている。
【0014】
回転処理装置1は、平面視で矩形状をなすケース2内にリング状カップ3を配置している。このカップ3は外側壁4と底部5から構成され、外側壁4は上方に向かって徐々にその径が小さくなり、上端開口には整流筒6が設けられている。
【0015】
整流筒6はシリンダユニット7にて昇降可能とされ、回転処理装置1内に基板Wを投入する際には下降して基板Wの搬入の邪魔にならないようにし、現像処理中は上昇し、カップ3内に乱流が生じにくくしている。
【0016】
一方、前記カップ3の底部5は上板14と下板15からなる二重構造となっている。これら上板14及び下板15は平面視でスピンナー軸9を囲むドーナッツ状をなし、上板14の表面にはフッ素樹脂コーティングを施し、表面に落下した現像液がスムーズに流れるようにし、また、上板14及び下板15にて囲まれる空間はスピンナー軸9に向かって開口8が形成されたトラップ空間Sとされている。
【0017】
ここで、上板14及び下板15の一方のみを用いた場合には不利が生じる。即ち、下板15を省略すると、スピンナー軸9まで廻り込んだ液体が回転によって上板14の裏面に向かって飛散し、付着した液体が乾燥すると、微細な粒子となって基板表面に廻り込んで落下するおそれがあり、上板14を省略すると、カップ内の空間が大きくなり過ぎて乱流を発生する。
【0018】
上述したように、トラップ空間Sは主としてスピンナー軸9まで廻り込んだ液体を回収する空間である。また、下板15に1個以上のドレン排出口16を、上板14と下板15が下方に傾斜し合流するところに複数個の排液排出口26を設けている。
前記ドレン排出口16の開口部を下板15より3mm以上高くすれば、液体はドレン排出口16の中には入らずに排液排出口26より排出されることになり、排気系の汚染が防止できる。
また、トラップ空間S自体が径方向外側に向かって下方に傾斜しているため、一旦トラップ空間S内に回収された液体が軸受けの部分に廻り込むことがない。
【0019】
前記スピンナー軸9はベース10に取り付けたモータ11にて回転せしめられるとともにシリンダユニット12の作動で昇降動可能とされ、更にスピンナー軸9の上端には基板Wを吸着保持するチャック13が取り付けられている。
【0020】
また、前記上板14及び下板15は支持片17を介して前記ベース10に取り付けられている。支持片17は下部支持片17a、中間支持片17b及び上部支持片17cからなり、下部支持片17a上に下板15をボルト等で固着し、中間支持片17b上に上板14をボルト等で固着し、上部支持片17cに小寸法の基板Wに現像処理を施す際に使用する内側整流リング18を位置調整可能に取り付けている。
【0021】
また、前記カップ3の側壁4内側には、支持片19を介して大寸法の基板Wに現像処理を施す際に使用する外側整流リング20を位置調整可能に取り付けている。尚、大寸法の基板Wに現像処理を施す際には、前記上部支持片17cを中間支持片17bから外すことで、内側整流リング18をカップ3内から取り外しておく。
【0022】
一方、ケース2内とリング状カップ3内とは回収口21を介して連通しており、特にケース2の四隅部のうちの少なくとも一隅部の底面には、排気兼排液口22が形成され、この排気兼排液口22内には金網などから構成される異物回収部材23が、着脱可能に設けられている。
【0023】
また、排気兼排液口22上部にはリング状カップ3内からの気体及び液体を排気兼排液口22に誘導する整流板24が配置され、更に、排気兼排液口22の上方のケース2の上面にはメンテナンス口25が形成されている。
【0024】
以上において、露光処理が終了した基板Wに現像処理を施す場合を例にとって説明すると、シリンダユニット12の作動でスピンナー軸9とともにチャック13を上昇せしめ、また同時にシリンダユニット7の作動で整流筒6を下降せしめた状態で、基板Wを側方から搬送してきてチャック13上に載置する。
【0025】
この後、シリンダユニット12を逆方向に作動させて、チャック13を下降せしめ、更に図示しないノズルから基板W表面に現像液を供給し液盛りする。そして、回転処理直前にシリンダユニット7を逆方向に作動させて整流筒6を上昇せしめる。現像液の供給ノズルとしては、例えば、スリットノズルが好ましい。
【0026】
上記のように基板W表面に現像液を液盛りして所定時間経過したならば、モータ11を駆動して基板Wを回転せしめ、基板W上に盛られた現像液を除去する。このときの回転速度は5〜200rpmとする。また、回転時間は0.1〜10秒とする。
【0027】
この回転速度は、現像液を乾燥させる際の回転速度に比べて極めて低速であり、このように低速で回転せしめることで、基板Wから遠心力により除去される現像液の速度を遅くし、基板Wから飛散する現像液のうちの多くの割合の現像液がカップ底部5を構成する上板14上に落下し、上板14の傾斜に沿って径方向外側に向かって流れ、排液の排出口26を介して図示しない現像液回収ポケット内に流れ込み、ポンプの駆動でタンクに回収され、再利用に供される。
【0028】
回収されなかった現像液及び排気は整流板24に導かれて排気兼排液口22から外部に排出される。
また、万一、基板Wが破損した場合には、小さな破片が異物回収部材23内に回収されるので、基板Wの回転を停止した後、メンテナンス口25から手を差し込んで異物回収部材23を取り外し、異物回収部材23内に入った破片を取り除き、再び異物回収部材23を排気兼排液口22にセットし、次の処理に備える。
【0029】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、回転処理装置のカップに、基板から飛散した液体を回収するための回収口を設けるとともに、カップ外周壁の内側に基板から飛散した液体を回収口に導く外側整流リングを取り付けたので、基板から飛散する液体を有効に回収できる。
特に、外側整流リングの内側に内側整流リングを着脱可能に設けることで、基板寸法の大小に拘らず、液体を有効に回収できる。
【0030】
また、本発明によれば、回転処理装置のカップの底部をチャックの回転軸に向かって開口する二重構造とし、この二重構造の内部をチャックの回転軸に廻り込んだ液体や、塗布液の乾燥によって発生する粒子、さらに回転軸の回転によって生じるパーティクル等を回収するトラップ空間としたので、これらを有効に回収することができる。
特に、前記トラップ空間を径方向外側に向かって下方に傾斜せしめることで、液体の回収が更に有効になされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転処理装置の全体側面図
【図2】同回転処理装置の平面図
【図3】同回転処理装置のA−A拡大縦断面図
【図4】図3の要部拡大図
【符号の説明】
1…回転処理装置、2…矩形状ケース、3…リング状カップ、4…カップの側壁、5…カップの底部、6…整流筒、7,12…シリンダユニット、8…開口、9…スピンナー軸、10…ベース、11…モータ、13…チャック、14…上板、15…下板、16…ドレン排出口、17…支持片、18…内側整流リング、20…外側整流リング、21…回収口、22…排気兼排液口、23…異物回収部材、24…整流板、25…メンテナンス口、26…排液の排出口、S…トラップ空間。
Claims (4)
- カップ内にチャックを配置し、このチャックで基板を保持して回転せしめることで基板表面に滴下した液体を基板表面全体に供給するようにした回転処理装置において、前記カップの底部はベースに取り付けられた上板と下板からなるとともにチャックの回転軸に向かって開口する二重構造をとし、この二重構造の内部をチャックの回転軸から飛散する液体や回転軸から発生するパーティクル等を回収するトラップ空間としたことを特徴とする回転処理装置。
- 請求項1に記載の回転処理装置において、前記トラップ空間は径方向外側に向かって下方に傾斜していることを特徴とする回転処理装置。
- 請求項1に記載の回転処理装置において、前記カップには基板から飛散した液体を回収するための回収口が設けられ、また、カップ外周壁の内側には基板から飛散した液体を回収口に導く外側整流リングが取り付けられていることを特徴とする回転処理装置。
- 請求項3に記載の回転処理装置において、前記外側整流リングの内側には内側整流リングが着脱可能に設けられていることを特徴とする回転処理装置。
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