JP3708446B2 - フォーカスサーボ方式及び光ディスク原盤露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォーカスサーボ方式及び光ディスク原盤露光装置に関し、より具体的には、次世代高密度CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスク製造過程のマスタリング工程におけるガラスレジスト原盤への露光記録を行う際に用いて好適なフォーカスサーボ方式及び光ディスク原盤露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDやDVDなどの光ディスクの量産にあたっては、まず、ガラス基板上にレジストを塗布した原盤を露光して記録ピットを形成し、この原盤から所定の金型を製作してスタンパにより量産するというプロセスが一般的に採用されている。
【0003】
感光性レジストが塗布された原盤に対して、常にフォーカスやトラッキングが最適化された記録光(露光ビーム)を照射するためには、記録光とは異なる波長の「補助光」が必要とされる。つまり、レジストの感度が低い波長の補助光を用いて記録光のフォーカスを書き込み中にダイナミックに調節する必要がある。
このため、従来の光ディスク原盤露光装置においては、第2レーザ(補助光)の原盤からの戻り光によるフォーカス誤差信号(以下、「FE2」と略す)を基に、記録光を合焦サーボする方式が採られていた。
【0004】
但し、第1レーザ(記録光)と第2レーザ(補助光)の波長が異なると、露光装置の対物レンズが収差を生ずる場合がある。これに対して、従来は、異なる波長のレーザ光を対物レンズ入射しても、波長に依存した収差(色収差)が極力小さくなるように対物レンズの構成が工夫されていた。このようにすれば、第1レーザ(記録光)戻り光によるフォーカス誤差信号(FEl)とFE2とは、若干の光学系の工夫で、焦点位置近傍においては、ほぼ同一の信号を得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光ディスクの記録密度が高密度化するに従って、記録光も短波長化する必要が生ずる。すると、色収差のない高NA対物レンズの設計そのものが極めて難しくなるという問題が生ずる。例えば、従来、波長351ナノメータの記録光を用いる場合には、対物レンズの色収差を抑制することが可能であったが、より高密度記録のために、波長266ナノメータの記録光を採用しようとすると、色収差を抑制した対物レンズの入手が困難になる。そこで、この場合には、色収差を考慮したフォーカス誤差検出用の光学設計が必要とされる。
【0006】
図12は、本発明者が本発明に至る過程で検討した原盤露光装置の要部構成を表す概念図である。
【0007】
その構成を簡単に説明すると以下の如くである。すなわち、スピンドルモータ110により回転されるターンテーブル112上に原盤114が設置される。記録光120は、ダイクロイックプリズム122と対物レンズ124を介して原盤114に照射される。一方、補助光は、第2レーザ光源130から拡大光学系132、偏光ビームスプリッタ(PBS)134、1/4波長板136、ミラー138、開口絞り140、第1集光レンズ142、ダイクロイックプリズム122、対物レンズ124を介して原盤114に照射され、その反射光は、逆の経路により、対物レンズ124〜PBS134を介して、第2集光レンズ150、シリンドリカルレンズ152により集光されて光検出器154により検出される。
【0008】
以上概説した構成において、記録光120は無限系すなわちほぼ平行光として対物レンズ124に入射する。一方、補助光は図示したように、有限系すなわち収束光として対物レンズに入射する。
【0009】
このため、第1集光レンズ142から対物レンズ124までの距離が極めて重要になる。つまり、第1集光レンズ142から村物レンズ124までの距離が設計値と常に同一であれば、完全な色収差補正が可能であり、記録光の合焦条件において、補助光のフォーカス誤差信号FE2も常に零となる出力が得られるはずである。
【0010】
ところが、ガラス原盤114に厚みの「ムラ」などがあるため、回転させた時に上下動が生ずる。このため、フォーカスサーボで対物レンズ124をガラス原盤114の上下動に追従させる必要がある。しかし、このように対物レンズ124を追従させると、対物レンズ124と第1集光レンズ142との距離が変化し、FE2はこの変位に相当する誤差を持つ出力信号になる。つまり、FE2をそのまま用いたのでは記録光120の合焦条件から外れてしまう場合が生ずることとなる。
【0011】
逆にいえば、FE2をフィードバック信号とし対物レンズ124をフォーカスサーボさせると、記録光に対しては、原盤114の上下動と同期した大きなフォーカス誤差量が生ずることになる。
これを防ぐために、光学系全体をディスクの上下動に追従させる方法も考えられる。
【0012】
図13は、この方法を採用した場合の原盤露光装置の要部構成を例示する概念図である。すなわち、同図の装置においては、対物レンズ124からミラー138までの光学系が一体となって原盤114の上下動に追従して動く。しかし、この構成においては、フォーカス機構の可動部の重量が大きくなり、機構が複雑化するとともに追従性が劣化するという問題が生ずる。
【0013】
以上説明したように、色収差のある対物レンズに対して、補助光によるフォーカスサーボを実施しようとすると、本来の記録光に対するフォーカス誤差量が大きくなり、誤差を焦点深度内に抑えることができないという問題が生ずる。
【0014】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものである。すなわち、その目的は、色収差を有する光学系において補助光のフォーカス誤差信号を基に対物レンズをフォーカスサーボしても、記録光に対するフォーカス誤差を十分に小さく抑えることが可能なフォーカスサーボ方式及び光ディスク原盤露光装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明においては、対物レンズのフォーカスサーボアクチュエータ(VCM)の変位と、記録光及び補助光の合焦条件の光学関係を基に、VCM変位を計測して合焦条件のオフセットを電気的に補償するサーボ系を構成する。その要点は、以下の如くである。
【0016】
(i)VCM変位量を計測する手段を設けて、センサ値から記録光のフォーカス誤差量を推定する。
(ii)VCM変位センサのドリフト影響を考慮して、ハイパスフィルタを設ける。
(iii)VCM変位センサの代わりにVCM対物レンズ系の簡易運動モデル式とVCM電流指令値とから、VCM変位を状態推定する。
【0017】
より具体的には、本発明のフォーカスサーボ方式は、第1の波長を有する第1の光と、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有し被照射体に対して可動な集光レンズを介して集光した第2の光と、を前記集光レンズおよび前記被照射体に対して可動であり色収差を有する対物レンズを介して被照射体の被照射面に入射し、
【0018】
前記集光レンズを前記被照射体に対して位置決めした後に、前記被照射面からの前記第2の光の戻り光により得られる第2のフォーカス誤差情報と前記集光レンズおよび前記対物レンズの相対位置のずれとから生成する、前記第1の光のフォーカス誤差に相当する第1のフォーカス誤差情報に基づいて、前記第1の光が前記被照射面において合焦するように前記対物レンズの変位を制御することで前記第1及び第2の光の合焦条件のずれを補正することを特徴とする。
【0019】
ここで、前記第1及び第2の光の合焦条件のずれは、前記対物レンズの前記変位により生ずるオフセットであるものとすることができる。
【0020】
また、前記対物レンズの前記変位をセンサにより検出して、前記第1及び第2の光の合焦条件のずれを推定するようにしてもよい。
【0021】
また、前記センサの出力にハイパスフィルタ処理を施すことにより、センサ出力に混入する低周波ノイズを除去することができる。
【0022】
また、前記対物レンズを前記変位させるために駆動源に与える駆動信号に基づいて前記変位を推定することもできる。
【0023】
一方、本発明の光ディスク原盤露光装置は、光ディスク原盤に記録するための露光波長を有する記録光と、前記露光波長とは異なる波長を有し前記光ディスク原盤に対して可動な集光レンズを介して集光した補助光と、を前記集光レンズおよび前記光ディスク原盤に対して可動であり色収差を有する対物レンズを介して前記光ディスク原盤の被照射面に入射し、駆動源により前記対物レンズを変位させつつ前記光ディスク原盤に露光記録する光ディスク原盤露光装置であって、
【0024】
前記集光レンズを前記光ディスク原盤に対して位置決めした後に、前記被照射面からの前記補助光の戻り光により得られる第2のフォーカス誤差情報と前記集光レンズおよび前記対物レンズの相対位置のずれとから生成する、前記記録光のフォーカス誤差に相当する第1のフォーカス誤差情報に基づいて、前記記録光が前記被照射面において合焦するように前記駆動源により前記対物レンズの前記変位を制御することで前記記録光及び前記補助光の合焦条件のずれを補正する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0025】
ここで、前記記録光及び補助光の合焦条件のずれは、前記対物レンズの前記変位により生ずるオフセットであるものとすることができる。
【0026】
また、前記対物レンズの前記変位を検出するセンサをさらに備え、前記センサの出力に基づいて前記記録及び補助光の合焦条件のずれを推定するようにしてもよい。
【0027】
ここで、前記センサの出力にハイパスフィルタ処理を施すことことにより、センサ出力に含まれる低周波ノイズを除去することができる。
【0028】
また、前記駆動源に与える駆動信号に基づいて前記対物レンズの前記変位を推定するようにしてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0030】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態として、対物レンズの変位量を測定し、その測定値からフォーカス誤差量を推定するフォーカスサーボ方式について説明する。
【0031】
図1は、本実施形態にかかる光ディスク原盤露光装置の要部構成を例示する概念図である。同図については、図12に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0032】
第2レーザ光源130は、原盤114に塗布されたレジストの感度が低い波長でその閾値感度以下の低い強度の直線偏光レーザ光を射出する。このビーム幅を拡大光学系132で拡大し、偏光位相角を透過に調整した偏光ビームスプリツタ(PBS)134を透過して、1/4波長板136に入射する。1/4波長板136でレーザ光は直線偏光から円偏光に変わり、第1集光レンズ142により集光された状態で対物レンズ124に入射する。対物レンズ124は、ヴォイスコイルモータ(VCM)126により原盤114の上下動に追従可能とされ、同時に変位センサ128によりその変位量が測定される。
【0033】
また、本実施形態の装置は、原盤側をスピンドルモータ110ごと上下させる駆動系(図示せず)を備え、VCM126のフォーカス系の中立点でサーボが可能なようにZ方向の粗いフォーカスを調節することができる。
【0034】
また、開口絞り140は、レーザ光の散乱成分を除去するためのものである。また、ダイクロイックプリズム(ダイクロイックミラー)122は、記録光120の波長の光ビームを反射し、補助光波長のビームを透過する特性を有し、記録光と補助光とを合成して対物レンズ124に入射させるために用いている。
【0035】
また、第1集光レンズ142は、対物レンズ124における波長による屈折率の違いを補正するための色収差補正レンズとして用いている。つまり、対物レンズ124における屈折率は、記録光と補助光との間で異なる。このため、記録光を平行光として供給するのに対して、補助光は第1集光レンズ142により収束光として供給する。このようにすれば、第1集光レンズ142と対物レンズ124との間隔が所定の設計値に等しい場合は、対物レンズ124に平行光として入射した記録レーザ光120の焦点位置で、補助光も合焦状態となる。
【0036】
また、第1集光レンズ142の焦点距離や、第1集光レンズ142と対物レンズ124との間隔は、非点収差フォーカス検出系で十分な検出範囲と検出感度を保つ条件も加味して設定している。
【0037】
以上説明したように、第1集光レンズ142と対物レンズ124との間隔が所定の設計値と同一の場合には、補助光と記録光は、対物レンズ124から同一の距離で焦点を結ぶ。原盤114上で反射された補助光は、戻り光として、再び対物レンズ124、ダイクロイックプリズム120、第1集光レンズ142、1/4波長板136を介してPBS134に入射する。
【0038】
この過程で、戻り光は、1/4波長板136で再び直線偏光ビームとなるが、第2レーザ光源130からの射出光とは90度の位相差を持つため、PBS134で反射され、第2集光レンズ150、シリンドリカルレンズ152を介して光検出器154に入射する。光検出器154は、4分割光検出器からなる非点収差フォーカス検出系であり、光信号を電気信号に変換する。
【0039】
図2は、光検出器154の出力信号特性を表すグラフである。すなわち、光検出器154は、上下左右に4分割された受光部を有し、これら4つの受光部からの総和信号(和信号)と、対角和の差出力(差信号)とは、それぞれ、補助光のフォーカス誤差量に対して図示した関係を有する。
【0040】
図2に例示した差信号が「FE2」に相当する信号で、「S字カーブ特性」と呼ばれる出力特性を有する。同図の例では、合焦点からのフォーカス誤差検出レンジが±4μmレンジであり、この範囲内でフォーカス誤差検出が可能である。
【0041】
次に、対物レンズ124周りのフォーカス駆動系の構成について説明する。
【0042】
図3は、フォーカス駆動系の構成を例示する概念図である。このフォーカス駆動系は、フォーカス用VCM126に加え、対物レンズ124の変位量を検出するための内装センサ128を有する。フォーカス駆動系は、VCM126ヘの電流アンプ(図示せず)や、内装センサ128用のセンサアンプ(図示せず)を含んだものとしてもよい。
【0043】
対物レンズ124はレンズホルダ125に接着固定され、レンズホルダ125と共に可動部を形成し、レンズホルダ125がVCM126の固定側と平行渦巻バネ129で接合されてた構成となっている。
【0044】
また、カウンタウェイト127は、可動部の力点に対するバランスを取るために設けられている。対物レンズ124は、VCM126のコイルの通電電流に比例した発生力で上下動する。また、VCM126のコイルへの通電電流は、後に詳述するように、フォーカス制御器からの指令値により、図示しない電流アンプを介して供給される。
【0045】
内装センサ128は、例えば、レンズホルダ上部に設けられた静電容量式の高精度変位センサとすることができ、対物レンズ124の変位量を検出して、図示しないセンサアンプ出力信号として電庄出力することが可能とされている。
【0046】
ただし、VCM126、センサ128、レンズホルダ125などの具体的な構成は、図3に例示したものに限定されず、当業者が適宜選択・設計変更して本発明の効果を同様に得ることができる。
【0047】
以上説明した構成において、本実施形態では、センサ128により検出した対物レンズ124の変位量に応じて、補助光のフォーカス誤差信号(FE2)にオフセットを加え、記録光の合焦条件を調節する。
【0048】
図4は、本実施形態にかかるフォーカスサーボ系の制御ブロックを例示する概念図である。
【0049】
すなわち、同図の制御ブロックは、フォーカスセンサ210、フォーカス誤差(FE)シフト補正器220、制御器230、VCM126及び変位センサ128を有する。ここで、フォーカスセンサ210は、図1に表した補助光の戻り光光学処理系に相当する。
【0050】
図4において、制御系に入力されるパラメータRは、ガラス原盤114の書き込み位置における基準高さに対する高さ変動を表し、例えば、原盤の書き込み位置での基準高さをZdisk0、実際の高さをZdiskとした場合に、次式で表すことができる。
【0051】
R=Zdisk−Zdisk0
【0052】
また、この制御系から出力されるパラメータZは、対物レンズ124の基準位置に対する駆動変位を表し、対物レンズの基準位置をZLens0、目標位置をZLensとした場合に、次式で表すことかできる。
【0053】
Z=ZLens−ZLens0
【0054】
フォーカスセンサ210には、これらのパラメータRとZとの差dfが入力される。すなわち、dfは、ガラス原盤面における記録光のフォーカス誤差に相当し、次式で表すことができる。
【0055】
df=R−Z
【0056】
ここで、対物レンズの基準位置と原盤高さとの差をZWDとすると、dfはまた次式のように表すこともできる。
【0057】
【0058】
また、フォーカスセンサ210においては、パラメータdが考慮される。dは、第1集光レンズ142と対物レンズ124との間隔の所定の設計値(基準値)からのずれを表し、これは、対物レンズ124の基準位置に対する実位置のずれに対応する量である。第1集光レンズ142のZ位置をZL1、第1集光レンズ142と対物レンズ124の間隔の基準値をD0とすると、dは次式で表すことができる。
【0059】
ここで、εは無視しうる微少量である。
【0060】
フォーカスセンサ210は、これらの入力パラメータに基づいて補助光のフォーカス誤差信号FE2を出力する。フォーカスセンサのDC感度ゲインをa、 オフセット係数をkとすると、FE2は、次式で表すことができる。
【0061】
【0062】
オフセット係数kについては、後に図5及び図6を参照しつつ詳述する。
FEシフト補正器220には、FE2とともに、センサ128の出力dsも入力される。ここで、センサ128のDC感度ゲインをbとすると、dsは次式により表すことができる。
【0063】
ds≒b・Z
【0064】
FEシフト補正器220は、FE2とdsとに基づいて、記録光のフォーカス誤差を推定し、そのフォーカス誤差に相当する出力FEを生成する。ここで、FEシフト補正器220が推定した記録光のフォーカス誤差量をdf0とすると、その出力FEは次式により表すことができる。
【0065】
【0066】
すなわち、FEは、df(ガラス原盤面における記録光のフォーカス誤差)に感度ゲインaを乗じた値に近似することができる。
【0067】
図5は、記録光のフォーカス誤差量dfとFE2との関係を例示するグラフである。同図においては、第1集光レンズ142と対物レンズ124との間隔の所定の設計値(基準値)からのずれdが、−20μm、−10μm、0、+10μm、+20μmのそれぞれの場合について両者の関係が示されている。
【0068】
図5から分かるように、第1集光レンズ142と対物レンズ124との間隔が設計位置からずれると、dfとFE2との間にはオフセットが生ずる。従って、ガラス原盤の上下動に追従させるように対物レンズ124をサーボさせると、集光レンズ142と対物レンズ124との光軸方向の間隔が原盤上下動に伴って変化し、オフセット量が変化する。このオフセット量を考慮しなければ、正確なフォーカンシングはできない。
【0069】
仮に、基準位置(d=0)の関係のみに基づいて、FE2からdfを決定した場合には、原盤の上下動に従って対物レンズが+1μm程度変位しただけでも、記録光に対するフォーカス誤差が約25nmも発生してしまう。
【0070】
図6は、代表的な条件における補助光の光路を図解した概念図である。すなわち、同図(a)〜(e)においては、第1集光レンズ(色収差補正レンズ)142、対物レンズ124、原盤114の表面における補助光の入射・反射光路をそれぞれ表す。そして、原盤面での記録光のフォーカス誤差df、第1集光レンズ142と対物レンズ124との間隔d、及びFE2に関して場合分けして表した。また、これらの概念図においては、便宜上、レンズ光軸の左側に入射光を表し、右側に反射光を表したが、実際には、左右対称の光路が形成される。
【0071】
図6(a)〜(e)に表したように、補助光は、第1集光レンズ142に対しては、平行光として入射する。
【0072】
そして、図6(b)に表したように、記録光の合焦条件より原盤が遠い(df<0)と、補助光の戻り光は若干集束光となり、非点収差光学系の差信号によりFE2<0のフォーカス誤差信号が得られる。
逆に、図6(d)に表したように、記録光の合焦条件よりも原盤が近い場合(df>0)は、若干発散光となり、FE2>0のフォーカス誤差信号が得られる。
【0073】
しかし、合焦状態(df=0)であっても、第1集光レンズ/対物レンズ間距離が設計位置からずれると、図6(a)及び(e)に示したように、戻り光は集束光/発散光となり、見かけ上フォーカス誤差が生じている状態となる。
【0074】
このような、第1集光レンズ/対物レンズ間距離の設計位置からの光軸方向ズレ量dをパラメータに、FE2出力と記録光のフォーカス誤差量dfとの関係を表したものが図5である。
【0075】
すなわち、FE2とdfとの間にはオフセットがあり、FE2は、上述したようにオフセット係数kを用いて次式により表すことができる。
【0076】
【0077】
図5に例示した具体例の場合、オフセット係数k=0.0257となる。
【0078】
図4に表したFEシフト補正器220は、図5に例示したようなFE2とdfとの間の関係と、変位センサからの出力dsとに基づいて、記録光のフォーカス誤差dfを推定する。
この推定に基づく出力FEは、制御器230に入力され、その出力に基づいてVCM126が駆動され、対物レンズ124が記録光の合焦位置に調節される。
【0079】
本具体例においては、VCM126が駆動基準位置(中立位置)にある場合に、第1集光レンズ142と対物レンズ124との間隔が色収差補正の設計位置に一致するように調整され、変位センサ128の出力dsも0となる様に初期化してある。
【0080】
ここで、一般に、原盤記録装置は、VCMフォーカス系の中立点でサーボが可能なように、フォーカス駆動系をZ方向に上下動作させる粗いフォーカス駆動系を持つ。これに対して、本具体例においては、原盤側をスピンドルモータごと上下させる駆動系を備え、これにより粗フォーカスを調節すれば、基本的に第1集光レンズ/対物レンズ間距離のズレ量dは零のまま、フォーカス引込みを実施できる。
【0081】
つまり、スピンドル回転に伴う原盤上合焦点スポット位置の上下変動がなければ、真のフォーカス誤差dfが、そのままセンサ感度ゲイン倍されてFE2として出力される。しかし、実際には、原盤114の厚さのムラなどによって1μm程度の原盤上下動があるため、VCM126が追従駆動して変位する。上記したように、ほぼ対物レンズ中立点に粗フォーカスしておけば、VCM126の変位Zは第1集光レンズ/対物レンズ間距離のズレ量dと等価になり、フォーカスセンサ出力FE2は、(1)式に従ってオフセット誤差項を含んだ出力となる。
【0082】
また、ズレ量dと変位センサ出力dSとはほぼ同じ意味を有し、変位センサ128の感度係数に応じた比例関係を有するものと近似できる。すなわち、上記したように、変位センサ128のDC感度ゲインbを用いて、次式により表すことができる。
【0083】
ds≒b・Z (2)
【0084】
FEシフト補正器220は、変位センサ出力dS、及びフォーカスセンサ出力FE2を基に、以下のようなオフセット誤差の除去処理を行う。
【0085】
FE=a・df=FE2−g・ds (3)
但し、g=k・a/b
【0086】
これにより、次式が得られる。
【0087】
【0088】
すなわち、記録光のフォーカス誤差でサーボする制御系に近似できる。
【0089】
なお、本実施形態において、補助光側のフォーカス誤差検出系に非点収差光学系を用いたが、例えば、光テコ式のように公知のフォーカス誤差検出系を用いても良い。
【0090】
以上説明したように、本実施形態によれば、原盤の上下動に追従して補助光に対する色収差条件が変動した場合でも、これを補正することができる。その結果として、回転する原盤全周での記録光のフォーカス誤差を極めて小さく抑えることが可能となり、高密度の露光記録を安定して実施することが可能となる。
【0091】
なお、対物レンズの上下変動量が小さいと、光学設計ズレ量dによる検出オフセット影響は、記録光学系の焦点深度程度に収まる場合もあるが、このような場合でも、実フォーカス誤差振動の残留振動を焦点深度より十分小さくしておかなければ、トラック全周の十分な記録安定性を確保できない。
【0092】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態として光ディスク原盤114の厚みの個体差に応じた粗フォーカス処理を組み合わせたフォーカスサーボ方式について説明する。
【0093】
図7は、本実施形態にかかる光ディスク原盤露光装置の要部構成を表す概念図である。同図については、図1乃至図6に関して前述した要素と同様のものには同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0094】
前述した第1実施形態においては、スピンドルモータ110側が上下して粗フォーカス処理を実施する場合を例示したが、本実施形態においては、図7に表したように、フォーカス駆動系をZ方向に上下動作させる粗フォーカス処理を行う。
【0095】
粗フォーカス上下機構300のベース側は、トラック送りを実施するスライダ320であり、この上部に図1に例示した光学系に相当するものが固定配置されている。記録光は第1レーザ導入・検出系330により供給・検出され、補助光は第2レーザ導入・検出系340により供給・検出される。
ただし、本実施形態においては、第1集光レンズ(色収差補正レンズ)142と対物レンズ124との間に、スライダ上固定配置された立ち下げミラー139が設けられ、この反射光が対物レンズ124に入射する。
【0096】
また、可動部はフォーカス駆動系(VCM126、対物レンズ124)であり、VCMフォーカス駆動変位を零にしたまま、対物レンズ124を数mm範囲で上下移動可能としている。
【0097】
つまり、本実施形態においては、粗フォーカス駆動系300を駆動させると集光レンズ142/対物レンズ124間の距離が変動することになる。集光レンズ142の位置は、所定の基準厚さのガラス原盤に対して粗フォーカス処理を行った際に、集光レンズ142/対物レンズ124間距離が設計値になるように固定されている。
【0098】
以下に本実施形態における、粗フォーカス処理について説明する。粗フォーカス処理は、図4に関して前述したように、補助光の戻り光量の和信号と差信号とをモニタし、差信号であるFE2がS字カーブ中心のゼロ交差位置になるように、粗フォーカス上下機構300で、フォーカス駆動系(対物レンズ124など)を上下して位置決めする。その後、図示しないロック機構により、粗フォーカス上下機構300をスライダ320に固定する。光ディスクの原盤露光などの用途においては、ナノメータ精度というきわめて精密なトラック送り精度が要求される。このため、トラック送り方向の高剛性化が必要であり、フォーカス上下機構の固定ロックは不可欠である。
【0099】
この際、ガラス原盤114の厚さが、光学系調整時に採用した所定の基準厚さと同一であれば、集光レンズ142/対物レンズ124間距離のズレ量dは零となり、第1実施形態の場合と全く同じになる。しかし、実際にはガラス原盤114の厚さの個体差が10μm程度ある。このため、この厚さバラツキに応じたズレ量dが発生し、FE2=0に粗フォーカス処理した状態でも、記録光に対しての真のフォーカス誤差量は、(1)式に表したズレ量dに依存した程度存在することになる。この点が、第1実施形態との大きな違いであり、粗フォーカス後から信号記録までの間に新たな調節処理が必要とされる。
【0100】
図8は、このオフセット誤差を除去するためのフォーカスセンサキャリブレーション処理を表す概念図である。
本実施形態におけるセンサキャリブレーションは、第1レーザ導入・検出系330において、記録光の戻り光によるフォーカス誤差信号FE1でフォーカスサーボする。このため、センサキャリブレーションは、原盤114の信号非記録領域において実施する。以下に、その零調整処理を図8を参照しつつ説明する。
【0101】
図8に表した第1フォーカスセンサ210Aは、記録光の戻り光によるフォーカスセンサであり、図2乃至図4に関して前述したような非点収差光学系のPD(フォトダイオード)差信号からFE1信号を得るものである。また、第2フォーカスセンサ210Bは、補助光の戻り光によるフォーカスセンサであり、図2に例示したものと同様の構成を有し、図4に例示したような出力特性を有するものである。
【0102】
まず、原盤114の厚みに合わせた粗フォーカス処理の直後は、フォーカスサーボオフ状態であるが、FE2出力はほぼ零にあり、VCM126の変位も零となっている。しかし、原盤114の厚みの基準値からずれに応じたオフセット影響があるため、実際のフォーカス誤差量はゼロではない。この状態で、記録光を原盤114に照射し、その戻り光によるフォーカス誤差信号FE1をモニタすると、実際のフォーカス誤差量がFE1出力に反映され、FE1がオフセットした状態であると確認できる。
【0103】
次に、FE1を使い記録光に基づくフォーカスサーボを掛けると、FE1は零となるが、FE2出力が逆方向にオフセットする。このFE2のDCオフセット成分を第2フォーカスセンサ210Bに出力オフセットFE20として与えれば、第2フォーカスセンサ210Bの零調整が実現できるが、実際には原盤114の回転に伴う原盤上下動Rが発生するため、FE1とFE2との誤差Eを求め、低ゲインのPI(比例積分)動作とローパスフィルタとを組合せたオフセット調整器215により、FE2がFE1の残留振動と一致するようにして、このDCオフセット成分を抽出する。
【0104】
第2フォーカスセンサ210Bの零調整後は、FE20はこの値にホールドされ、図1及び図3に例示した変位センサ128の零調整も実施される。以下に、原盤114の厚さの基準厚さに対する誤差をZ0とし、原盤回転による原盤位置の上下変動がないとした場合の各フェーズでの状態変動関係を示す。
【0105】
粗フォーカス機構固定直後(サーボオフ):
d=−Z0/(1+k)
df=−Z0・k/(1+k)
ds=0
FE2=0
【0106】
精引込み直後の零調整前(第1サーボオン):
d=−Z0
df=0
ds=−Z0・k/(1+k)
FE2=a・k・Z0
【0107】
VCM変位センサを含めた零調整後(第1サーボオン):
d=−Z0
df=0
ds=0
FE2=0
dso=Z0・k/(1+k)
FE20=−a・k・Z0
【0108】
センサキャリブレーション処理は以上であるが、その後、図4に関して前述したようにFE2信号によるフォーカスサーボへの切替え処理、記録光の遮光処理が順次行われ、補助光フォーカスサーボ(FE2信号FB)のまま、スライダ320を記録開始位置に移動して、信号露光記録処理へと移行する。信号露光記録時のサーボに関しては、図4に関して前述したものと同様に実施できるので省略する。
【0109】
以上、本発明の第2の実施の形態として、原盤114の厚みの個体差に対応するための粗フォーカス調節について説明した。図7及び図8に関して前述した構成とは別に、図9に表したように、粗フォーカスのための可動部を立ち下げミラー138から対物レンズ124及びVCM126までの一体構成とする方法も考えられる。このようにすれば、粗フォーカスにより第1集光レンズ142と対物レンズ142との間隔がずれることを防ぐことができる。しかし、図9の構成の場合、粗フォーカスのための可動部の質量が大きく、機械的な負荷に対処した機構が必要とされる。この観点からは、図7及び図8に例示した構成の方が有利である。
【0110】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態として、変位センサの出力などに含まれるノイズを除去するフィルタを設けた構成について説明する。
【0111】
図10は、本実施形態にかかるフォーカスサーボの制御構成を表す概念図であるる。同図については、図1乃至図9に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0112】
本実施形態においては、具体的な装置構成は第1実施形態のものでも第2実施形態のものでも良いが、図10に例示した如く、色収差補正するフォーカスサーボ構成にハイパスフィルタ240が設けられている。
【0113】
第1実施形態においては、図4に関して前述したように変位センサ128でVCM126の変位Zが(2)式の如く検出されるとした。しかし、実際には、センサ128の出力は、センサ自体のローパス特性やセンサノイズなどを含んだものである場合が多く、必要帯域で近似しても、次式のようにセンサノイズwを含んだ出力となることが多い。
【0114】
ds=b・Z+w (4)
【0115】
特に、静電容量式変位計を変位センサに用いる場合、原盤114の回転周波数以下の一般に「ドリフト」と呼ばれる低周波ノイズが発生することがある。このドリフトレベルは、変位に換算して0.2μm程度と極めて小さいため、(1)式の係数から見て、フォーカス誤差にさほど影響するものではないが、原盤記録部の内外周差を生じ、記録ピットの全面安定性を低下させる要因になる。
【0116】
そこで、図10に例示したように、低周波遮断のためのハイパスフィルタ240を設けて、このようなドリフトの除去を行う。ここで、原盤回転に伴う上下動変動の周波数は、SPM110の回転周波数およびその高調波振動で構成されるので、ハイパスフィルタ240の遮断周波数は、SPM110の回転周波数未満とすればよい。
【0117】
このようにハイパスフィルタ240を設けることにより、(4)式に例示した如くセンサ128の出力にノイズ成分が含まれていても、効果的に除去することができ、初期に十分なフォーカスセンサの零調整がなされていれば、(3)式に表した如く真のフォーカス誤差を推定でき、原盤114の全面に亘って高い精度で安定した露光記録を確保できる。
【0118】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態として、対物レンズの変位をセンサによらずに推定するフォーカスサーボ方式について説明する。
【0119】
図11は、本実施形態のフォーカスサーボ制御系を表す概念図である。同図についても、図1乃至図10に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0120】
本実施形態においては、図4などに例示したVCM駆動変位センサ128を不要としている点に特徴がある。ここで、フォーカスセンサ210が検出するのはフォーカス誤差量dfであり、基本的には図3に例示したような変位センサ128を設けなければ、VCM126の駆動変位Zを真に測定することはできない。
【0121】
しかし、VCM126のコイルに電流を流していない初期状態が既知であり、レンズホルダ125のスライダ部に加わる外乱影響は一般的には無視できる程小さいので、VCM126の変位Zは、その駆動電流から推定可能である。
【0122】
フォーカス駆動系の周波数特性は、高周波域に副共振や第2共振等の高次影響を持つが、原理的には、次式のような2次状態関数で近似できる。
【0123】
【数1】
【0124】
状態変数の初期状態は既知であるので、これをノミナルモデルとして、フォーカス駆動指令に対するVCM駆動変位Zの推定値を次式の様にオープン推定する。
【0125】
【数2】
【0126】
このVCM駆動変位推定値をノミナルVCMモデル250によって演算し、FEシフト補正器220に与えることにより、(3)式に関して前述した場合と同様に、記録光の真のフォーカス誤差を推定できる。その結果として、第1実施形態と同様の色収差によるオフセット影響を受けない高性能フォーカスサーボを、センサ128を用いることなく実現できる。
【0127】
ここで、ノミナルVCMモデルは、実際には、計算機によるデジタル演算処理などにより実現する場合もある。そこで、FEシフト補正器220、制御230、ノミナルVCMモデル250をまとめて、高次IIRフィルタ表現に書き直し、FE2のA/D入力をIIRフィルタに掛けて、この出力を制御器230の出力uとしてD/A出力することもできる。
【0128】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、記録光や補助光の波長や光源の種類、光学系の具体的な構成、原盤露光装置の具体的な構成などは、当業者が適宜選択し設計変更して本発明の効果を同様に得ることができる。
【0129】
また、本発明は、2種類の波長光を用いるフォーカスサーボに広く適用することが可能であり、その対象は光ディスク原盤露光装置に限定されず、追加型や書き換え可能型の高密度光ディスクの記録装置にも同様に適用可能である。
【0130】
また、複数の波長光を有する読みとり装置においても、同様に適用可能である。
【0131】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、色収差を有する対物レンズを用いた原盤露光装置などのフォーカスサーボ方式において、レジスト露光感度の低い補助光を用いてフォーカスサーボしても、対物レンズの原盤追従動作によるフォーカス誤差信号へのオフセット誤差影響がなくなり、記録光にとっての真のフォーカス誤差を小さくする事が可能になる。これにより、記録ピットの原盤回転位相による影響がなくなり、高い記録密度で記録安定性を十分に確保できるようになり産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる光ディスク原盤露光装置の要部構成を例示する概念図である。
【図2】光検出器154の出力信号特性を表すグラフ図である。
【図3】第1実施形態のフォーカス駆動系の構成を例示する概念図である。
【図4】第1実施形態にかかるフォーカスサーボ系の制御ブロックを例示する概念図である。
【図5】 記録光のフォーカス誤差量dfとFE2との関係を例示するグラフである。
【図6】代表的な条件における補助光の光路を図解した概念図である。す
【図7】本発明の第2の実施の形態にかかる光ディスク原盤露光装置の要部構成を表す概念図である。
【図8】オフセット誤差を除去するためのフォーカスセンサキャリブレーション処理を表す概念図である。
【図9】粗フォーカス調節のための別の構成を表す概念図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態にかかるフォーカスサーボの制御構成を表す概念図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態のフォーカスサーボ制御系を表す概念図である。
【図12】本発明者が本発明に至る過程で検討した原盤露光装置の要部構成を表す概念図である。
【図13】色収差補正光学系全体を移動させる方法を採用した場合の原盤露光装置の要部構成を例示する概念図である。
【符号の説明】
110 スピンドルモータ
112 ターンテーブル
114 原盤
120 記録光
122 ダイクロイックプリズム
124 対物レンズ
125 レンズホルダ
126 ボイスコイルモータ(VCM)
127 カウンタウエイト
128 変位センサ
129 平行渦巻きバネ
130 第2レーザ光源
132 拡大光学系
134 偏光ビームスプリッタ(PBS)
136 1/4波長板
138 ミラー
140 開口絞り
142 第1集光レンズ(色収差補正レンズ)
150 第2集光レンズ
152 シリンドリカルレンズ
154 光検出器
210 フォーカスセンサ
215 オフセット調整器
220 FEシフト補正器
230 制御器
240 ハイパスフィルタ
250 ノミナルVCMモデル
Claims (10)
- 第1の波長を有する第1の光と、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有し被照射体に対して可動な集光レンズを介して集光した第2の光と、を前記集光レンズおよび前記被照射体に対して可動であり色収差を有する対物レンズを介して前記被照射体の被照射面に入射し、
前記集光レンズを前記被照射体に対して位置決めした後に、前記被照射面からの前記第2の光の戻り光により得られる第2のフォーカス誤差情報と前記集光レンズおよび前記対物レンズの相対位置のずれとから生成する、前記第1の光のフォーカス誤差に相当する第1のフォーカス誤差情報に基づいて、前記第1の光が前記被照射面において合焦するように前記対物レンズの変位を制御することで前記第1及び第2の光の合焦条件のずれを補正することを特徴とするフォーカスサーボ方式 - 前記第1及び第2の光の合焦条件のずれは、前記対物レンズの前記変位により生ずるオフセットであることを特徴とする請求項1記載のフォーカスサーボ方式。
- 前記対物レンズの前記変位をセンサにより検出して、前記第1及び第2の光の合焦条件のずれを推定することを特徴とする請求項1または2記載のフォーカスサーボ方式。
- 前記センサの出力にハイパスフィルタ処理を施すことを特徴とする請求項3記載のフォーカスサーボ方式。
- 前記対物レンズを前記変位させるために駆動源に与える駆動信号に基づいて前記変位を推定することを特徴とする請求項1または2に記載のフォーカスサーボ方式。
- 光ディスク原盤に記録するための露光波長を有する記録光と、前記露光波長とは異なる波長を有し前記光ディスク原盤に対して可動な集光レンズを介して集光した補助光と、を前記集光レンズおよび前記光ディスク原盤に対して可動であり色収差を有する対物レンズを介して前記光ディスク原盤の被照射面に入射し、駆動源により前記対物レンズを変位させつつ前記光ディスク原盤に露光記録する光ディスク原盤露光装置であって、
前記集光レンズを前記光ディスク原盤に対して位置決めした後に、前記被照射面からの前記補助光の戻り光により得られる第2のフォーカス誤差情報と前記集光レンズおよび前記対物レンズの相対位置のずれとから生成する、前記記録光のフォーカス誤差に相当する第1のフォーカス誤差情報に基づいて、前記記録光が前記被照射面において合焦するように前記駆動源により前記対物レンズの前記変位を制御することで前記記録光及び前記補助光の合焦条件のずれを補正する制御手段を備えたことを特徴とする光ディスク原盤露光装置。 - 前記記録光及び補助光の合焦条件のずれは、前記対物レンズの前記変位により生ずるオフセットであることを特徴とする請求項6記載の光ディスク原盤露光装置。
- 前記対物レンズの前記変位を検出するセンサをさらに備え、
前記センサの出力に基づいて前記記録及び補助光の合焦条件のずれを推定することを特徴とする請求項6または7記載の光ディスク原盤露光装置。 - 前記センサの出力にハイパスフィルタ処理を施すことを特徴とする請求項8記載の光ディスク原盤露光装置。
- 前記駆動源に与える駆動信号に基づいて前記対物レンズの前記変位を推定することを特徴とする請求項6または7に記載の光ディスク原盤露光装置。
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