JP3708156B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、磁気シールド部を備えた誘導加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、誘導加熱調理器はその高出力化が図られ、それにともない周囲に漏洩する磁界を効果的に抑制することが必要となってきている。
【0003】
従来、この種の誘導加熱調理器の漏洩磁界を抑制する方法としては、特開昭57−115795号公報に示すような構成が用いられていた。
【0004】
以下、その構成について図6を参照しながら説明する。
【0005】
図に示すように、円盤状の加熱コイル1を加熱コイル保持部2の上に載置し、コイルホルダー3で加熱コイル1の周囲を抑えて固定し、さらにアルミニウムなどの導電材料で構成された断面を逆L形とする磁気シ−ルド部4が加熱コイル1の周囲に設けられている。また、磁気シ−ルド部4は、アルミニウム板をドーナツ状に打ち抜いた後に、金型により断面が逆L形になるよう成形して製造している。
【0006】
上記構成において、加熱コイル1に高周波電流を供給すると磁気シ−ルド部4に加熱コイル1の発生する磁界により高周波電流が誘導される。この磁気シ−ルド部4に誘導された高周波電流による磁界は、磁気シ−ルド部4内方においては加熱コイル1による磁界を強め、一方磁気シ−ルド部4外方においては加熱コイル1による磁界と逆向きの磁界により、その外方の磁界を低減することができる。また、磁気シ−ルド部4の形状が略ドーナツ形状をしているので、円盤形状の加熱コイル1から発生する磁界を、方向に関係なく低減することができるものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来構成では、次のような問題があった。すなわち、磁気シ−ルド部4を製造する際、アルミニウムの導電板をド−ナツ状に打ち抜くためにアルミニウム板の中央部分を捨てなければならず、また、材料となる四角形の原板の四隅も捨てねばならないため、材料の利用効率が悪いものであり、また、逆L形の形状にするため、金型成形するため加工費も高くなりやすいものであった。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、加熱コイルから発生される漏洩磁界を低コストで低減するとともに、磁気シールド部を構成する複数個の導電金属板間の接合を強化し、振動等による騒音の発生を防止ことを第1の目的とする。
【0009】
また、磁気シールド部を構成する複数個の導電金属板間の接合を強化し、さらに、導電金属板と加熱コイルの絶縁を確実にすることを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明は加熱コイルと、この加熱コイルに高周波電流を供給する周波数変換装置と、前記加熱コイルの外周近傍に磁気シールド部とを備え、前記磁気シールド部は、複数個の導電金属板を溶接、圧接、あるいは導電性の接着剤により接合されてなるとともに、前記導電金属板の2枚の両端部を前記加熱コイルを保持する加熱コイル保持部に重ねて固定してなるものである。
【0011】
また、上記第2の目的を達成するために、本発明は特に磁気シールド部を、加熱コイルを保持する加熱コイル保持部と一体成形したものである。
【0012】
【作用】
本発明は上記構成により、原材料の平板を材料廃棄の少ないように打ち抜いて個々の導電金属板を取り出すことができ、磁気シールド部のコストを低減することができる。
【0013】
また、2枚の導電金属板の両端部を保持部にネジ等により圧接固定しているので、導電部の重ね合わせ部における電気的な接続を十分保持することができ、また、振動等による騒音発生を防止することができる。
【0014】
また、磁気シールド部を加熱コイル保持部と一体に成形することで、加熱コイルと導電金属板との絶縁を容易に確保することができる。また、導電金属板が振動しないように、加熱コイル保持部で固定できるので、金属板の振動による騒音を防止できる。
【0015】
【実施例】
(実施例1)
以下本発明の一実施例について、図1〜図2を参照しながら説明する。
【0016】
図1に示すように、加熱コイル保持部13は、樹脂製の筐体11の底面に設けられた支柱12の上に載置され、ネジ14により支柱12に固定されている。加熱コイル保持部13には加熱コイル15が載置され、その上方にセラミック製のトッププレート16が配設されている。また、加熱コイル15は、その周辺部をコイルホルダー17により加熱コイル保持部13に固定され、筐体11内に配設された周波数変換装置18から高周波電流が供給されている。
【0017】
加熱コイル保持部13において、加熱コイル15の外周縁から約10mm程度の距離をおいて、幅約10mm、厚み約1mmの磁気シールド部19が配置され、この磁気シールド部19は3個のネジ20により加熱コイル保持部13に固定される。また、磁気シールド部19は、3枚のアルミニウム製の導電金属板の端部を重ね合わせて、図1(b)のようにドーナツ状に構成され、重ね合わせ部分の数カ所をスポット溶接で接続されている。この3個の導電金属板は図2(b)に示すように長方形のアルミニウム原板21から、切り取られて形成される。
【0018】
以上のように構成された誘導加熱調理器について、次にその動作を説明する。加熱コイル15に周波数変換装置18から高周波電流が供給されると、加熱コイル15から磁界が発生してトッププレート16に載置された鉄製の鍋等にその磁界が鎖交し、鍋に渦電流が発生して鍋が加熱される。
【0019】
一方、加熱コイル15から発生する磁界は、磁気シールド部19の形成する閉曲面とも鎖交しており、磁気シールド部19に誘導電流が発生する。このため、磁気シールド部19の内方では、この誘導電流により磁界が強まり、一方、磁気シ−ルド部19の外方においては、磁界が弱まるので、その外側の磁界を抑制することができる。
【0020】
また、磁気シ−ルド部19は水平方向に帯状に設けているので、これを加熱コイル保持部13とトッププレート16との間の狭い隙間に挿入し易く、また、鍋の熱影響を受けにくくすることができる。
【0021】
また、磁気シールド部19はアルミニウム製の導電金属板を図2に示すように破線で示す長方形の原板21から切取り、ドーナツ状に配置して、その端部を重ね合わせてスポット溶接により形成しているので、従来の略正方形のアルミニウム板から打ち抜くやり方と異なり廃棄する材料を少なくすることができる。
【0022】
以上のように本実施例によれば、磁気シールド部19を、3枚のアルミニウム製の導電金属板をド−ナツ状に配設することにより、加熱コイル15から周囲に漏洩する磁界を効果的に、また、安価な費用で削減することができる。
【0023】
(実施例2)
以下本発明の第2の実施例について図3により説明する。
【0024】
図に示すように、磁気シールド部23を構成する3枚のアルミニウム製の導電金属板は、それぞれその両端部に穴24aが設けられ、3個のネジ24により加熱コイル保持部25に固定されている。
【0025】
以上の構成により、磁気シールド部23の接続部を溶接したり接着剤を使用する作業を省くことが可能となる。また、溶接や接着剤を塗布した場合には、それらの接着をより確実に保持することができるので、溶接作業を簡略化したり、接着剤の使用量を少なくすることができる。
【0026】
以上のように、本実施例によれば、磁気シールド部23を3枚のアルミニウム製導電金属板を重ね合わせてループ状に構成し、かつ、その端部の重ね合わせ部において、両端部を同時に加熱コイル保持部25にネジ24で締めしているので、加熱コイル15から周囲に漏洩する磁界を効果的に、また、安価な費用で低減でき、さらに、磁気シールド部23の接続部の電気接続の信頼性を高めることができる。
【0027】
(実施例3)
以下本発明の第3の実施例について図4により説明する。
【0028】
図に示すように、ドーナツ状の磁気シールド部26は、略弓形状の3枚のアルミニウム製の導電金属板26の端部を重ね合わせて構成されている。(図4(a)には2枚の導電金属板の重ね合わせ部27aの断面等が示されている)。ここで、磁気シ−ルド部26の両端部は、スポット的に圧接され強化されている。また、磁気シールド部26は加熱コイル15の周囲に配置され、加熱コイル保持部27と一体成形されている。フェライトコア28は棒状の磁気材料で加熱コイル保持部27の下面に放射状に複数個取り付けられている。
【0029】
上記構成において、以下その動作を説明する。磁気シールド部26は加熱コイル15の外周部に設けられているので、加熱コイル15からの磁界により磁気シールド部26に誘導電流が流れ、磁気シ−ルド部26の外方の磁界を低減する。また、加熱コイル保持部27と一体に成形されているので、磁気シールド部26の振動を抑制することができる。したがって、加熱コイル15からの磁束と磁気シールド部26に誘導される誘導電流の相互作用で、磁気シールド部26が振動して振動音が発生するのを抑制するとともに、漏洩磁界低減効果が低下するのを防止することができる。
【0030】
(参考例1)
次に、本発明の第1の参考例について図5により説明する。
【0031】
図に示すように、図5(a)のアルミニウム管28の端部を重ね合わせてループ状に形成したあと、上部から圧力を印加し水平に押し広げて図5(b)の形状の磁気シ−ルド部29を成形する。また、継目の部分はスポット状に圧力を強く印加し、重ね合わせた上下の導電金属板が互いに食い込むようにしている。
【0032】
上記の構成において、磁気シールド部29は幅広く圧延されているので、誘導電流が幅広く分布し磁束低減効果が高められる。また、アルミニウム管28を圧延する際に、接続部にも同時に圧力を印加して接続することができるので、磁気シールド部29の組立工程を少なくすることができ、磁気シールド部29の加工コストを安くすることができる。
【0033】
なお、本参考例においては、棒状のアルミニウム管28を使用したが、管でない棒材を原材としてもよい。また、リボン状の板材を垂直にループ状にした後、上から圧力を印加して末広がりに圧延して略平板状となるように広げてもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明は原材料の平板を材料廃棄の少ないように打ち抜いて個々の導電金属板を取り出しているので、材料効率よく磁気シールド部を形成することができる。
【0035】
また、2枚の導電金属板の両端部を重ねて保持部にネジ等により圧接固定しているので、導電部の重ね合わせ部における電気的な接続を十分保持することができ、また、振動等による騒音発生を防止することができる。
【0036】
また、磁気シールド部を加熱コイル保持部と一体に成形することで、加熱コイルと導電金属板との絶縁を容易に確保することができる。また、導電金属板が振動しないように、加熱コイル保持部で固定できるので、金属板の振動による騒音を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明の第1の実施例の誘導加熱調理器の断面図
(b)同、要部の分解斜視図
【図2】 (a)同、誘導加熱調理器の磁気シールド部の平面図
(b)同、材料の取り方をしめす平面図
【図3】 本発明の第2の実施例の誘導加熱調理器の分解斜視図
【図4】 (a)本発明の第3の実施例の誘導加熱調理器の要部断面図
(b)同、要部斜視図
【図5】 (a)本発明の第1の参考例の誘導加熱調理器の磁気シールド部の製造途中段階の形状を示す斜視図
(b)同、仕上がり形状を示す斜視図
【図6】 従来の誘導加熱調理器の断面図
【符号の説明】
11 加熱コイル保持部
15 加熱コイル
16 トッププレート
18 周波数変換装置
19 磁気シールド部
Claims (2)
- 加熱コイルと、この加熱コイルに高周波電流を供給する周波数変換装置と、前記加熱コイルの外周近傍に磁気シールド部とを備え、前記磁気シールド部は、複数個の導電金属板を溶接、圧接、あるいは導電性の接着剤により接合されてなるとともに、前記導電金属板の2枚の両端部を前記加熱コイルを保持する加熱コイル保持部に重ねて固定してなる誘導加熱調理器。
- 磁気シールド部は、加熱コイル保持部と一体成形されてなる請求項1記載の誘導加熱調理器。
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