JP3708117B2 - 酸化バナジウムコロイド分散液および帯電防止被膜 - Google Patents

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Description

これは、1992年6月4日に出願した米国通し番号第07/893,504号の一部継続出願である。
発明の分野
本発明は、帯電防止被膜組成物、好ましい帯電防止被膜組成物の製造法、およびそのような組成物から製造した好ましい被膜に関する。その組成物は、酸化バナジウムの水性コロイド分散液を含有する。
先行技術の説明
様々な技術分野、特に写真工学および電子工学において帯電防止材料および被膜への興味が高まっている。帯電防止材料(すなわち帯電防止剤)は導電性材料である。それらは、電荷(すなわち「静電気」)を放電させる伝導処理に役立つ。突然に放電したり、有害作用を起こし得る電荷の蓄積を避けることが必要な用途で、帯電防止剤を用いることは望ましい。例えば、写真に応用すると、フィルムの帯電防止被膜は光の会合閃光が望ましくない記録をする原因となり得る蓄積された電荷の突然の放電を避ける。
好ましい帯電防止剤は、イオン的メカニズムよりむしろ量子力学的メカニズムにより電子を伝導する帯電防止剤である。それは、量子力学的メカニズムにより電子を伝導する帯電防止剤は、湿度とは無関係に効果的であるためである。つまり、帯電防止剤は有効性を失うことなく相対湿度の低い条件下で用いたり、粘着質になることなく相対湿度の高い条件下で用いるのに適している。しかし、このような電子導電性帯電防止剤のもつ大きな問題は、一般的にそれらを溶液塗布法により、薄くて、透明で、比較的に無色の被膜として提供することができないことである。それを成し遂げるため、欠陥半導体酸化粒子分散液(defect semiconductor oxide particle dispersions)および導電性高分子等を用いることにより、多くの試みを行っているが、この問題の克服に成功することはほとんどなかった。しかし、酸化バナジウムは例外であることを酸化バナジウムを用いて証明した。つまり、効果的な酸化バナジウムの帯電防止被膜を、水性分散液からの被覆により、透明で、かなり無色で、薄いフィルムとして付着させることができる。
酸化バナジウムを他の帯電防止材料と区別する3つの独特の特性は、導電性メカニズム、分散性、および形態である。後ろの2つの特性は、通常合成法に大いに依存するが、最初の特性はあまり依存しない。酸化バナジウムの導電性メカニズムは主に、小さなポーラロン・ホッピング(polaron hopping)として知られる量子力学メカニズムである。このメカニズムにより、電子はあるバナジウムイオンからその隣まで伝送(すなわち「ホッピング(hopping)」)により材料中を通って輸送される。この導電性メカニズムは、ドープ酸化スズまたはドープ酸化インジウム等の欠陥半導体が必要であるように、十分成長した結晶格子または特定の欠陥構造の存在を必要とはしない。
小さなポーラロン・ホッピング電子伝導は、十分成長した結晶構造を必要としないため、フィルムまたは被覆が酸化バナジウムから製造される場合、アニール段階は必要ない。そのうえ、酸化バナジウムは相対湿度の変化に不利に影響されることなく、実に溶液中での沈澱物または形成物上でも伝導性がある。電子導電率、ならびに望ましい形態、粒径、および分散特性を示す酸化バナジウム系は、導電性帯電防止被膜を調製するのに有用である。
帯電防止被膜を調製するときの、酸化バナジウムの分散形態、すなわち酸化バナジウムコロイド分散液の有効性、をバナジウムの表面濃度の立場から表現することができる。表面濃度は、有用な静電荷減衰速度を提供するのに必要な単位表面積あたりのバナジウムの質量、すなわち基材表面積m2あたりのバナジウムmgとして表される。一般的に、帯電防止被膜の効果的な導電率に必要とされる表面濃度の低下が大きければ大きいほど、その酸化バナジウムコロイド分散液は望ましい。これは、バナジウムの表面濃度が低いと、被膜に与えられる色が典型的にほとんどなくなり、被膜はより透明で均一になり、かなりの環境下で通常、被膜は基材によりよく付着し、その後の層とのよりよい付着性さえも提供するかもしれないためである。
1970年代中期に、イーストマン・コダックのクラウドゲスタックス(Claude Guestaux)は、以前から知られている合成法で、当時帯電防止被膜を調製するのに独特に有用であると考えられていた酸化バナジウムコロイド分散液を合成したと報告した。ゲスタックスの合成法は、E.ミュラー
Figure 0003708117
によるZ.Chem.Ind.Kolloide,1911,頁302に初めに記述された方法に基づいていた。その合成法は、米国特許第4,203,769号(ゲスタックス)に記載され、水中へ溶融バナジウム五酸化物を流し込むことから成る。しかし、その方法にはいくつかの欠点がある。その欠点は、高エネルギーが必要なこと、特殊反応器材料および装置が必要なこと、ならびに毒性バナジウム煙を発生させる環境の整備が必要なことを含む。さらに、ゲスタックスの合成法は酸化バナジウムの不完全な分散の原因となる。すると、非分散酸化バナジウムを粘性分散液から除去しなければならない;しかし、そのような粘性酸化バナジウム分散液を濾過することは非常に困難である。
酸化バナジウムコロイド分散液を調製するのに、知られている方法が他にいくつかある。それらの方法にはNaVO3のイオン交換酸性化、VOCl3の熱加水分解、およびV25とH22の反応等の無機的方法を含む。しかし、これらの方法により無機前駆体を用いて調製した酸化バナジウムコロイド分散液は、ゲスタックスが米国特許第4,203,769号で記述した方法で調製したコロイド分散液より、帯電防止被膜を調製するのにほとんど効果的ではない。無機前駆体より調製した分散液から効果的な帯電防止特性を有する被膜を提供するには、典型的にバナジウムのかなりの表面濃度が必要である。そのようなバナジウムの表面濃度は一般的に、透過性、付着性、および均一性等の望ましい特性が喪失する原因となる。
発明の要旨
本発明は、酸化バナジウムコロイド分散液の調製法であって、以下の段階からなる方法を提供する:
(a)約0.15〜2重量%(好ましくは約0.3〜2重量%、より好ましくは約0.6〜1.7重量%、最も好ましくは約0.6〜1.1重量%)バナジウムを含有する酸化バナジウムコロイド分散液を形成させるための、バナジウムオキソアルコキシドを過剰量の水で加水分解させること;および
(b)その分散液を熟成させること。
ここで、これらの重量パーセントはバナジウムオキソアルコキシド出発原料中のバナジウム量から計算し、分散液の総重量に基づく。
「過剰」の水により、1当量バナジウムオキソアルコキシドにつき1当量を越える水があるほど、バナジウムオキソアルコキシドの量に比べてかなりたくさんの水が存在することを意味する。つまり、バナジウム結合アルコキシドリガンドに対する水のモル比は1:1を越える。
「熟成」は、分散液が12mg/m2未満の[V]eff、1m2あたりのバナジウムmg、を提供できるほど、酸化バナジウム小繊維(fibrils)が形成するのに十分な時間を分散液は与えられることを意味するが、その値は、5000Vのポテンシャルを50V未満に減衰させるのにかかる0.1秒未満という静電荷減衰時間を提供するために必要とされるバナジウム表面濃度である。分散液としての被膜中のバナジウム表面濃度を次から計算することができる:(1)バナジウムオキソアルコキシドは酸化バナジウムコロイド分散液に100%転化すると仮定して、また連続して希釈した酸化バナジウムコロイド分散液の密度は、水の密度(1g/ml)であるとも仮定した公式のデータ;および(2)No.3マイヤー・バー(Mayer Bar)を用いて被覆した希釈分散液の湿潤被膜厚は6.9マイクロメーターである。[V]effの測定に関して、さらに詳細を実施例1で知ることができる。
好ましくは[V]effは約6mg/m2未満であり、より好ましくは約3mg/m2未満であり、最も好ましくは約2mg/m2未満である。一般的に、被膜は酸化バナジウムの被覆量が小さいと、被覆量の大きい場合より、色が着かなく、透明で、均一であり、ある環境下では付着特性がよりよいため、バナジウム表面濃度は低い方が望まれる。
別の見地から、本発明は酸化バナジウムコロイド分散液の調製法、次の段階からなる方法を提供する:
(a)約0.15〜2重量%(好ましくは約0.3〜2重量%、より好ましくは約0.6〜1.7重量%、最も好ましくは約0.6〜1.1重量%)バナジウムを含有する酸化バナジウムコロイド分散液の提供を提供すること;その酸化バナジウムはバナジウムオキソアルコキシドを過剰量の水で加水分解させることにより与えられる;
(b)その分散液を熟成させること。
例えば、段階(a)の分散液は、バナジウムの濃度が約2重量%を越えるほど、バナジウムオキソアルコキシドを過剰量の水で加水分解させ、その後コロイド酸化バナジウム分散液を希釈することにより、提供され得る。好ましくは無希釈コロイド酸化バナジウム分散液は、約4重量%以下(好ましくは約3.5重量%以下)のバナジウムを含有する。このような約4重量%以上のバナジウム含有の分散液は、一般的に容易に扱うにはあまりにも粘性がありすぎる。
さらに別の見地から、本発明は高分子酸化バナジウムコロイド分散液の調製法であって、次の段階からなる方法を提供する:
(a)高分子酸化バナジウムコロイド分散液を形成させるため有機ポリマーおよびプレポリマーのうちの1つが存在する中での、約0.15〜2重量%(好ましくは約0.3〜2重量%、より好ましくは約0.6〜1.7重量%、最も好ましくは約0.6〜1.1重量%)バナジウムを含有する酸化バナジウムコロイド分散液を形成させるのに十分な量の水でバナジウムオキソアルコキシドを加水分解させること;および
(b)その分散液を熟成させること。
さらに別の見地から、本発明は高分子酸化バナジウムコロイド分散液の調製法であって、次の段階からなる方法を提供する:
(a)約0.15〜2重量%(好ましくは約0.3〜2重量%、より好ましくは約0.6〜1.7重量%、最も好ましくは約0.6〜1.1重量%)バナジウムを含有する高分子酸化バナジウムコロイド分散液を提供すること;その酸化バナジウムは有機ポリマーおよびプレポリマーのうち少なくとも1つが存在する中で、バナジウムオキソアルコキシドを過剰量の水で加水分解させることにより与えられる;および
(b)その分散液を熟成させること。
さらに別の見地から、本発明は帯電防止被膜の調製法であって、次の段階からなる方法を提供する:
(a)約0.15〜2重量%(好ましくは約0.3〜2重量%、より好ましくは約0.6〜1.7重量%、最も好ましくは約0.6〜1.1重量%)バナジウムを含有する酸化バナジウムコロイド分散液を形成させるために、バナジウムオキソアルコキシドを過剰量の水で加水分解させること;
(b)該分散液を熟成させること;および
(c)帯電防止被膜を形成させるために、段階(b)の該酸化バナジウムコロイド分散液を基材へ被覆すること。
さらに別の見地から、本発明は帯電防止被膜の調製法、次の段階からなる方法を提供する:
(a)約0.15〜2重量%(好ましくは約0.3〜2重量%、より好ましくは約0.6〜1.7重量%、最も好ましくは約0.6〜1.1重量%)バナジウムを含有する酸化バナジウムコロイド分散液を提供すること;その酸化バナジウムはバナジウムオキソアルコキシドを過剰量の水で加水分解させることより与えられる;
(b)その分散液を熟成させること;および
(c)帯電防止被膜を形成させるために、段階(b)の酸化バナジウムコロイド分散液を基材へ被覆すること。
酸化バナジウムの生成および熟成を、ここで2段階として述べたかもしれないが、バナジウムオキソアルコキシドの加水分解が進行する間、生成した酸化バナジウムの熟成が起こり得ると理解することができる。
適切な条件下でのバナジウムオキソアルコキシドの加水分解は、帯電防止被膜にとって特に有用な前駆体である酸化バナジウムコロイド分散液を与える。本発明の方法により調製される好ましい酸化バナジウムコロイド分散液は、次により特徴づけられる:電界放出型走査顕微鏡により最終被覆状態で観察されるような高アスペクト比コロイド粒子;およびよく分散する粒子、すなわち受け入れられないことなく固まりまたは凝集する粒子。それらはまた、バナジウム(IV)イオンの効果的な濃度によっても特徴づけられるが、バナジウム(IV)イオンは量子力学スモール・ポーラロン・ホッピング・メカニズムにおける移動電子の源であると考えられる。
本発明のアルコキシド誘導酸化バナジウムコロイド分散液は、本発明中のV4+濃度はずっと高いことを除いて(実際、V4+濃度は驚くほど広範囲、すなわち総バナジウム含量が約1〜40%範囲にわたって予想通りで再現可能に調製され得る)、米国特許第4,203,769号(ゲスタックス)の製法により調製されるコロイド分散液と同様である。本発明による酸化バナジウムコロイド分散液を調製するアルコキシド法は、米国特許第4,203,769号(ゲスタックス)の製法による利点を提供する。この利点には、変化しやすいV4+濃度、エネルギー節約、便利さ、高い毒性をもつバナジウム含有の煙霧が発生するかもしれない条件の削除、合成コロイド分散液を濾過する不必要性、およびその場(例えば有機ポリマー溶液中)でのコロイド分散液調製能が含まれる。
本発明による酸化バナジウムゾル、すなわちコロイド分散液は、バナジウムオキソアルコキシドの過剰量の水(好ましくは脱イオン水)を用いた加水分解とそれに続く熟成により調製される。ここで、「バナジウムオキソアルコキシド」は、1つのバナジウム原子あたりオキシド(=O)リガンドおよび少なくとも1つのアルコキシド(−OR)リガンドを有するバナジウム錯体を示す。しかし、ここでバナジウムオキソアルコキシドとして示される錯体は、オキシドおよびアルコキシド基以外のリガンドを含有してもよいことが理解される。本発明に用いられるバナジウムオキソアルコキシド中に存在してもよい他のリガンドの実施例として、カルボキシレート、スルフィド、セレニド、β−ジケトネート、ハロゲン化物、ならびに−SCN-および−CN-等の疑似ハロゲン化物を含む。しかし、好ましくはバナジウムオキソアルコキシドは、1つのオキシドおよび3つのアルコキシドリガンドを有するトリアルコキシドである。本発明による製法に有用なバナジウムオキソアルコキシドは、単量体、二量体、または高分子でもよい。
好ましい具体例では、バナジウムオキソアルコキシドを現場で、すなわち使用前にバナジウムオキソアルコキシドの単離および/または精製なしに、酸化バナジウム前駆体およびアルコールを化合させることにより調製される。酸化バナジウム前駆体種は好ましくは、バナジウムオキシハライドまたはバナジウムオキシアセテートである。「バナジウムオキソアルコキシド」を酸化バナジウム前駆体より調製する場合、オキシドおよびアルコキシド基以外のリガンドを含有してもよい。例えば、二酸化バナジウムアセテートが酸化バナジウム前駆体種の場合、「バナジウムオキソアルコキシド」は典型として、オキシド、アルコキシド、およびアセテートリガンドを含有する。
好ましくは、バナジウムオキソアルコキシドは化学式VO(OR)3のトリアルコキシドであり、式中のそれぞれのRは置換されているかまたは無置換であり、脂肪族、アリール、複素環、およびアリールアルキル基からなる群から独立して選択される。ここで、「置換されている」R基、すなわち置換されている有機原子団は、1またはそれ以上の水素原子が、加水分解に非反応性でコロイド分散液の生成に無影響の官能基により置換されているということを意味する。好ましくは、そのような官能基はハライド、ヒドロキシド、チオール、およびカルボニル基またはそれらの混合物を包含する。
それぞれのRは好ましくは、C1-10アルキル、C1-10アルケニル、C1-10アルキニル、C1-18アリール、およびC1-18アリールアルキル基からなる群より独立して選択される。これらの基は置換されても無置換、すなわち水素原子しか含有しない、であってもよい。置換される場合、好ましくはハライド、ヒドロキシド、チオール、カルボニルまたはそれらの混合物等の官能基と置換する。より好ましくは、それぞれのRは無置換C1-6アルキル基からなる群より独立して選択される。それぞれのRは群より「独立して」選択されると言われる場合、化学式VO(OR)3中の全てのRは同じである必要はないという意味である。
本発明の背景では、「脂肪族」は飽和あるいは不飽和の直鎖、分枝鎖、または環状炭化水素基を意味する。この語句は、例えばアルキル、ビニル基等のアルケニル、およびアルキニルを含んで用いられる。「アルキル」は、飽和直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する。「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む、直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する。「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む、直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する。「複素環」は、環または複数の環の中に窒素、酸素、または硫黄もしくはそれらの組み合わせ等の1またはそれ以上のヘテロ原子および炭素を含む、フラン、チミン、ヒダントイン、およびチオフェン等の単核または多核の環状基を意味する。「アリール」は、単核または多核の芳香族炭化水素基を意味する。「アリールアルキル」は、単核または多核の芳香族炭化水素または複素環置換基を有する、直鎖、分枝鎖、または環状アルキル炭化水素基を意味する。脂肪族、アリール、複素環、およびアリールアルキル基は置換され得ないか、またはBr、Cl、F、I、およびOH基等の様々な置換基と置換され得る。
ここで「酸化バナジウム」コロイド分散液は、いろいろな原子価の酸化バナジウムのコロイド分散液であり、バナジウムイオンの正式な酸化状態は典型的には、+4および+5である。当該分野でこのような種は、しばしばV25である。
ここで「ゾル」「コロイド分散液」および「コロイド溶液」は、区別なく用いられる。それら全ては、分散液体媒中で細かく分割される粒子の均一な懸濁液である。ゾルまたはコロイド分散液中の粒子の平均粒径は、たいてい約5×10-4マイクロメーターと約5×10-1マイクロメーターとの間である。本発明による好ましい分散液中での、バナジウムイオンの総濃度、すなわちV4++V5+イオンに対するV4+イオンの比は少なくとも約0.01:1であり、好ましくは少なくとも約0.05:1であり、より好ましくは少なくとも約0.3:1である。
本発明による加水分解法により、バナジウムオキソアルコキシドの酸化バナジウムコロイド分散液への縮合が起こる。加水分解は、溶媒(すなわち、水または水と水−相溶性の有機溶媒の混合物)が液体状態である温度範囲内、例えば約1〜100℃範囲内で行われ得る。その方法は、約20〜30℃の温度範囲内、すなわちおよそ室温で、好ましく有利に進行する。
好ましい具体例では、バナジウムオキソアルコキシドは過剰量の水と結合する前に、少なくとも部分的に加水分解され得る。これは、例えば水存在下のオキソアルコキシド噴霧乾燥により為される得る。続いておこる加水分解を、バナジウムオキソアルコキシドに過剰量の水を添加することにより成し遂げることができるが、好ましくはバナジウムオキソアルコキシドを過剰量の水に添加する。
好ましい具体例では、水は、低分子量のケトンまたはアルコール等の水−相溶性有機溶媒と結合する。他の好ましい具体例では、水または水と水−相溶性有機溶媒の混合物はH22等のヒドロペルオキシドを効果的な量で含有する。例えば、有機ポリマー、有機プレポリマー、または金属ドーパント(metal dopants)等の他の試薬の添加、続いて起こる熟成または熱処理、または副生成アルコール除去により反応混合物を自由に改質できる。このような改質により、酸化バナジウムコロイド分散液の特性を変化させることができる。
本発明による方法は、帯電防止被膜を調製するのに非常に有用な酸化バナジウム分散形態を提供する。このような帯電防止被膜は、被覆製品に以下の特性を付与する:引塵性の減少;静電気痕を形成する傾向の減少;木材研磨作業中での飛塵の生成の減少;火花発生または電子部品損傷の傾向の減少;およびフィルム取り扱いの困難性がほとんどない。要するに、本発明によるアルコキシド加水分解法は、有意にも既知のアルコキシド加水分解法より一層少ない材料で効果的で有利な帯電防止被膜を形成することのできる酸化バナジウムコロイド分散液を生産する。
好ましい具体例の詳細な説明
要求されているように、本発明の詳細な説明をここで提供する。一般的に、詳細な説明は模範のみとして考慮される。それゆえに、発明は、請求項により定義される場合を除き、特定の、明確な記述、アレンジ、または同定され記述されている方法に制限されずに解釈される。
酸化バナジウム生成物を与えることが知られる1つの反応はバナジウムアルコキシドの加水分解である。この加水分解反応の生成物は、典型として部分的に加水分解されたバナジウムアルコキシド種、V25ゾル、V25ゲル、およびV25粒子の溶液を含有する。しかし、この反応により生成した生成物の中には、米国特許第4,203,769号(ゲスタックス)による方法により調製した酸化バナジウムコロイド分散液と同様に帯電防止被膜を調製するのに効果的な酸化バナジウムコロイド分散液として記述されているものは全くない。既知の加水分解法により生成した生成物には、効果的な伝導のため相対的に高いバナジウム表面濃度が必要である。つまり、既知の方法によるバナジウムアルコキシドの加水分解より生成する酸化バナジウムコロイド分散液を用いる場合、効果的な帯電防止特性のための被膜中に必要な酸化バナジウムの量、すなわち酸化バナジウムの計算表面濃度は相対的に高い。このように、既知のアルコキシド加水分解法により生成される酸化バナジウムコロイド分散液を用いると、帯電防止被膜中に着色、透過性、付着性、および均一性に関する問題が生ずる。
C.サンチェ(Sanchez)およびその他の人達によるMat. Res. Soc., Symp. Proc.121,93(1988)中の報告では、過剰量の水によるバナジウムオキソアルコキシドの加水分解について論じられている。そこでは、この加水分解法からV25溶液およびゲルに至る反応経路はNaVO3およびVOCl3等の無機前駆体からV25溶液に至る化学路と類似すると述べられている。サンチェおよびその他の人達はまた、そんな風に得られるV25・nH2Oゲルは、デカバナジン酸の重合により調製される五酸化バナジウムゲルの特性と接近した構造的および物理的性質をもつと述べている。デカバナジン酸を含有する無機前駆体から調製されるゾルおよびゲルは一般に有利な帯電防止被膜を形成しないため、バナジウムオキソアルコキシドの加水分解より生成される酸化バナジウムコロイド分散液は有利な帯電防止被膜を形成しないと一般に理解されている。
本発明は、帯電防止被膜のための有利な前駆体である酸化バナジウムコロイド分散液の調製法を提供する。つまり、本発明による酸化バナジウムコロイド分散液より調製される帯電防止被膜は、一般に好ましい低濃度のバナジウムを用いて帯電防止の特徴を有している。従って、そのような被膜はほとんど着色されず、より透明で、いくつかの環境下では既知のアルコキシド加水分解法より調製される酸化バナジウムコロイド分散液から製造される被膜より付着性がある。本発明による酸化バナジウムコロイド分散液は、バナジウムオキソアルコキシドを過剰量の水で加水分解させ、そして熟成させることにより調製される。バナジウムオキソアルコキシドは、ここで定義されるような望ましい特性を有する帯電防止被膜を形成することのできる、すなわち生産するのに用いることのできる、コロイド分散液を生産し得る様々な化合物のうちどれでもよい。本発明による方法に用いられるバナジウムオキソアルコキシドは、1つのバナジウム原子につき1つのオキシドリガンド(=O)および少なくとも1つのアルコキシドリガンド(−OR)を有するバナジウム錯体である。錯体には、カルボキシレート、スルフィド、セレニド、β−ジケトネート、ハロゲン化物、ならびに−SCN-および−CN-等の疑似ハロゲン化物のようなオキシドおよびアルコキシド以外のリガンドが含有してよい。本発明による方法に有用なバナジウムオキソアルコキシドは単量体、二量体、または高分子であってよい。
好ましくは、バナジウムオキソアルコキシドの化学式はVO(OR)3、すなわちバナジウムオキソトリアルコキシドであり、式中それぞれの置換基Rは置換されているか、または無置換であり、そして脂肪族、アリール、ヘテロ環式、およびアリールアルキル基からなる群より独立して選択される。好ましくは、それぞれのRはC1-10アルキル、C1-10アルケニル、C1-10アルキニル、C1-18アリール、およびC1-18アリールアルキル基からなる群より独立して選択される。これらの好ましいアルコキシドR基のうちのそれぞれは、置換されていても、無置換であってもよい。それらは、ハロゲン化物、ヒドロキシド、チオール、カルボニル、またはそれらの混合物と置換されていもよい。より好ましくは、それぞれのR基は無置換C1-6アルキル基より独立して選択される。用いることのできるバナジウムオキソトリアルコキシドの実施例には、VO(OEt)3、VO(O−i−Pr)3、VO(O−n−Pr)3、VO(O−i−Bu)3、VO(O−n−Bu)3、VO(O−t−Amyl)3、VO(O−n−pentyl)3、およびVO(O−CH2CMe32.3(O−i−Bu)0.7を含む。加水分解法には、1またはそれ以上のバナジウムオキソアルコキシド、すなわちオキソアルコキシドの混合物の加水分解が伴い得ると理解される。
バナジウムオキソアルコキシドは、用いる前に現場で酸化バナジウム前駆体種およびアルコールから調製され得る。つまり、バナジウムオキソアルコキシドは単離および/または精製なしに、酸化バナジウム前駆体種およびアルコールから調製され得る。例えば、バナジウムオキソアルコキシドは、バナジウムオキシハライド(VOX3)(好ましくはVOCl3)、バナジウムオキシアセテート(VO2OAc)等の酸化バナジウム前駆体種を、i−BnOH、i−PrOH、n−PrOH、n−BuOH、およびt−BuOH等の適当なアルコールと化合させることにより生成することができる。バナジウムオキソアルコキシドが、酸化バナジウム前駆体種およびアルコールから生成される場合、それらはオキシドおよびアルコキシドリガンド以外のリガンドを含有してよい。例えば、バナジウムオキシアセテートとアルコールの反応の生成物は混合アルコキシド/アセテートである。特に、バナジウムオキソアルコキシドがその場で、すなわち単離および/または精製なしで調製される場合、このようにここでは、「バナジウムオキソアルコキシド」は1つのバナジウム原子につきオキシド(=O)リガンドおよび少なくとも1つのアルコキシド(−OR)リガンドを有する種を指すとして用いられる。しかし、好ましくはバナジウムオキソアルコキシドは、1つのオキシドおよび3つのアルコキシドリガンドを有するトリアルコキシドである。
バナジウムオキソアルコキシドのその場での調製は、好ましくは窒素またはアルゴン等の非酸化性雰囲気、乾燥条件下で行われる。典型的には、酸化バナジウム前駆体種を適当なアルコールに室温で添加する。発熱反応にとって、反応混合物が室温を大きく越えないように、速度を制御して酸化バナジウム前駆体を添加することは好ましい。反応混合物温度はさらに、氷水バス(bath)等の一定温バスに反応フラスコを置くことにより調節することもできる。酸化バナジウム前駆体種はオキソハライドの場合、そのオキソハライドとアルコールの反応は、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、またはエピクロロヒドリン等のオキシランの存在下で為されるべきである。オキシランは酸化バナジウム種とアルコールの反応の副生成物を除去するのに効果的である。望むなら、揮発性出発原料および反応生成物を、回転減圧蒸発装置等の蒸留または蒸発技術を用いて除去することができる。蒸留または蒸発技術を用いた後の溶液または固形残留物形態中にあるバナジウムオキソアルコキシド生成物を、本発明による酸化バナジウムコロイド分散液を得るために直接水と反応させることができる。
約3.5重量%を越えるバナジウム濃度を有するコロイド分散液は、典型として分散性に劣る、すなわちよく分散せずゼラチン状になる、傾向があり、これから生産された被膜は帯電防止性に劣る。帯電防止性に「劣る」コロイド分散液は、約20mg/m2を越える[V]eff値をもつ分散液である。興味深いことに、約3.5重量%以上のバナジウムを含有する最初に調製したコロイド分散液が、被膜の形成前に、より少量のバナジウム含有のコロイド分散液に希釈される場合、一般に改良特性を示さない。つまり、約3.5重量%以上のバナジウムを含有する酸化バナジウムコロイド分散液の特性は、コロイド分散液の希釈にて簡単に改良され得ない。しかし、熟成前に水で希釈することにより、約3.5重量%以上のバナジウムを含有するコロイド分散液の性質を改良することは可能である。例えば、N,N−ジエチルエタノールアミン等のアミンを添加することにより、約3.5重量%以上のバナジウムを含有するコロイド分散液の性質を改良することもまた可能である。理論に縛られるつもりはないが、これはV−OH基を脱プロトンすることによりコロイド粒子の電離度を増やすと信じられている。
本発明による酸化バナジウムコロイド分散液の好ましい具体例を調製する場合、生成するコロイド分散液は約0.3〜2重量%のバナジウムを含有するように、十分な量の水を用いる。最も好ましくは、バナジウム含有の種の添加で生成するコロイド分散液は約0.6〜1.1重量%のバナジウムを含有するように、十分な量の水を用いる。
脱イオン水を用いると、コロイド分散液の分散性は改善され、非常に望ましい特性を有する帯電防止被膜の生成は促進されるようである。
「脱イオン」水により、水には、初めは存在したが除去され有意量のCa2+、Mg2+、およびFe2+イオンしかないことを意味する。好ましくは、脱イオン水は約50ppm未満のこれらの多価カチオン(全ての多価カチオンの総濃度)を含有し、より好ましくは、約5ppm未満の多価カチオンを含有する。最も好ましくは、本発明による脱イオン水は、多価カチオンおよびNa+等の一価カチオンを含む約50ppm未満のの総カチオン濃度を含有する。
多価カチオンは、本発明による分散性の性質に最も大きな有害作用をもたらす。つまり、分散液はCa2+、Mg2+、およびFe2+等の多価カチオンを許容するより、Na+等の一価カチオンの方がずっと多く許容できる。例えば、凝集が起こり、分散液の特性が有意に低下する前は、本発明による分散液は多価カチオン総濃度が最高約50ppmまで許容でき、一価カチオン総濃度は500ppmまで許容できる。
水から多価カチオン(Ca2+、Mg2+、およびFe2+)および一価カチオン(Na+)を除去するのに、様々な方法が用いられ得る。それらには、商業的脱イオン塔(commercial deionizing columns)、イオン交換樹脂、または逆浸透システム(reverse osmosis systems)を含む。典型的なイオン交換処理では、H+イオンを有するイオン交換樹脂を含有する塔に水を通し、その後その水をOH-イオンを有するイオン交換樹脂を含有する塔に通す。水中のカチオンは樹脂からのH+イオンに交換され、水中のアニオンは樹脂中のOH-イオンに交換され、「脱イオン」水ができる。そのイオン交換は水の電荷バランスに依存するため、それは自然でわずかに酸性かまたはわずかに塩基性となり得る。本発明による「脱イオン」水は、多価カチオンをNa+と交換するNa2CO3等の「柔軟」剤を用いてもまた調製され得る。このように、ここで用いられる脱イオン水はその範囲内で「軟」水を含み、その「軟」水はNa+イオンを含有する;しかし、高質の分散液を調製するのに利用できる軟水にとって、水が約500ppm未満のNa+イオンを含有することは好ましい。
本発明による方法に有用な水は、約1.5〜8の範囲内のphを有するコロイド分散液を提供するのに十分なphをもつ。コロイド分散液のphが約1.5未満である場合、不十分な帯電防止被膜が製造されるように、分散液特性はたいてい有害的に影響される。コロイド分散液のphが約8を越える場合、分散液は凝集する傾向があるため、分散液特性は有害的に影響される傾向がある。典型的に、約5〜9の範囲内のphを有する水は、約1.5〜8の範囲内のphを有するコロイド分散液を作るだろう。
本発明の工程中で、バナジウムオキソアルコキシドは、バナジウムオキソアルコキシドに水を添加する方法もあるが、好ましくは水にバナジウムオキソアルコキシドを添加することにより加水分解される。そうすることが典型的に望ましいコロイド分散液の生成をもたらし、一般的に過剰なゲルを避けるため、有利である。バナジウムオキソアルコキシドを水に添加しても、水をバナジウムオキソアルコキシドに添加しても、バナジウムオキソアルコキシドが過剰量の水と結合する前に、バナジウムオキソアルコキシドは少なくとも部分的に加水分解され得る。これは、例えば水存在下のオキソアルコキシドの噴霧乾燥により為され得る。そして、噴霧乾燥されたバナジウムオキソアルコキシドを過剰量の水と結合させることができる。
本発明の工程中、加水分解反応で水は初めにバナジウムオキソアルコキシドと反応する。そしてその後、加水分解した生成物は縮合反応し、いろいろの原子価の酸化バナジウムコロイド分散液が得られる。つまり、生成した酸化バナジウムコロイド分散液は、+4および+5の両方の形式的酸化状態のバナジウム原子を含有する。しばしば生成物は五酸化バナジウムである;しかし、その分子式は、V24.67によりさらに正確に表され得る。
加水分解に用いられる過剰量の水が存在し、バナジウムオキソアルコキシドの縮合反応が十分に行われる間、水−相溶性有機溶媒もまた存在することができる。つまり、ある好ましい具体例では、バナジウムオキソアルコキシドを水および水−相溶性有機溶媒の混合物に添加することができる。相溶性有機溶媒は、アルコール類、低分子量ケトン類、ジオキサン、ならびにアセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、およびそれらの組み合わせ等の高誘電率をもつ溶媒を含む。好ましくは有機溶媒は、アセトンまたはi−BuOH、i−PrOH、n−PrOH、n−BuOH、およびt−BuOH等のアルコールである。
好ましくは反応混合物は、H22またはt−ブチルヒドロペルオキサイド等のヒドロペルオキサイドを効果的な量で含有する。ヒドロペルオキサイドの「効果的な量」は、約2mg/m2未満の[V]eff値を有する帯電防止被膜を生産できるコロイド分散液を生成するのに、積極的にまたは有利に影響を与える量である。ヒドロペルオキサイドの存在は、コロイド分散液の分散性を改善し、非常に望ましい特性を有する帯電防止被膜の生成を促進する。つまり、ヒドロペルオキサイドを効果的な量で用いる場合、その結果生成するコロイド分散液はほとんど濁らず、よく分散する傾向にある。好ましくは過剰量の水は、初めに存在するバナジウム1モルあたり約0.25〜1モルのヒドロペルオキサイドバナジウムを含有する。
特定の理論に固守されることは全く願わないが、ヒドロペルオキサイドはとがった、すなわち針状の酸化バナジウムコロイド粒子の生成を促進する。
有利にも、本発明による方法は有機ポリマーまたはプレポリマー存在下で行われ得る。この方法では、酸化バナジウムコロイド分散液は、コロイド分散物の凝集により明らかなように、コロイド分散酸化バナジウムが不相溶性の有機ポリマーまたはプレポリマーの分散液または溶液中、現場で調製され得る。現場でのこの方法で利用できる有機ポリマーまたはプレポリマーは、水または水および水−相溶性有機溶媒中で可溶性または分散性の有機ポリマーまたはプレポリマーである。このような有機ポリマーまたはプレポリマーは、ポリアクリル酸;商標VORANOLTMのもとダウ・ケミカル(Dow Chemical)より入手できるポリオール等のポリオール類;ポリビニルアルコール類;ヒドロキシエチルセルロース;ポリメチルメタクリレート;ポリエチルアクリレート;ポリスチレン;ポリスチレン/ブタジエン;共重合体;ポリ塩化ビニリデンを含む。好ましくは、有用な有機ポリマーまたはプレポリマーは、上述のように水または水と水−相溶性有機溶媒の混合液中で「可溶性」である。有機ポリマーまたはプレポリマーに初めに添加されるバナジウムオキソアルコキシドの重量比は、好ましくは約1:1〜1:499の範囲内である。
一般に、本発明による方法、すなわち過剰量の水を用いるバナジウムオキソアルコキシドの加水分解および縮合反応は空気雰囲気下で行われ得る。アルコキシドを水に添加することは一般的に好ましいが、その添加速度は一般的に重大ではない。しかし、加水分解および縮合反応中に混合物を撹拌することは望ましい。さらに、初めの加水分解は、溶液(すなわち、水または水と水−相溶性有機溶媒)が液体状態のいかなる温度、例えば約1〜100℃の範囲内で行われ得る。しかし、初めの加水分解および十分な縮合反応が約20〜30℃の温度範囲、すなわちおよそ室温で行われることは好ましい。
バナジウム濃度が非常に低い分散液は酸化バナジウム小繊維の成長を促進しないと信じられている。分散液が被覆される場合、これらの小繊維は網目構造を形成し、効果的な帯電防止被膜を生産するのに必要であると考えられる。規定濃度範囲内でのこれら分散液の熟成は、温度に依存するほど濃度に依存しないと考えられる。上の規定範囲濃度では、小繊維は形成するが、希釈(すなわち再分散)するのに困難な分散液を提供する傾向があるため、そのような分散液は帯電防止被膜にはあまり有用でない。
熟成は、チキソトロープのコロイド分散液が形成されるまで、一定温度バスでの溶液の貯蔵を伴う。熟成は温度に依存するため、例えば約8時間〜幾週間かけて熟成を行うことができる。例えば20℃での分散液の熟成は、約4箇月間を要してよい。しかし、90℃での熟成は、約8時間行われ得る。90℃のように熟成温度が高いと取り扱いおよび希釈がより困難になるため、分散液からの水の蒸発損失が起こり正確な濃度決定が難しくなり、コロイド酸化バナジウム小繊維のより大きな多分散が起こる結果となるかもしれない。さらに、分散液の過度の熟成は、帯電防止被膜を調製するための分散液の効果を崩壊させ得る(すなわち[V]effの増加)。
好ましくは、分散液は、約40〜90℃の温度範囲で約8時間〜14日間、熟成される。より好ましくは、分散液は、約50〜60℃の温度範囲で約4〜8日間、熟成される。これらの温度は便利で、ほどよい時間内で有用な被膜を生成させるため、好ましい。最も低く作れるバナジウム濃度を有する望ましい帯電防止被膜を提供する立場から、特定温度での熟成時間は、最高の分散液を提供すると信じられている。
生じたコロイド分散液中のV4+濃度は、過マンガン酸塩滴定により決定され得る。好ましくは、(V4++V5+)に対するV4+のモル分率、すなわちV4+/総バナジウムは少なくとも約0.01:1であり、好ましくは少なくとも約0.05:1であり、より好ましくは少なくとも約0.30:1である。生じたコロイド分散液中のV4+濃度は、単にバナジウムオキソアルコキシドの加水分解の後、蒸留して揮発性反応生成物を除去することにより、簡単に変化させることができる。有意にも、V4+濃度は、総バナジウム含量の約1〜40%範囲で変化させることができる。いかなる理論にも制限されることはないが、V4+濃度は被膜の固有導電率に寄与するかもしれないと考えられる。その上、V4+イオンは、おそらく重合開始剤として振る舞ったり、内位添加を制御することにより、コロイド分散液の生成に寄与すると考えられる。
本発明による酸化バナジウムコロイド分散液は、基材に被覆する前に水または水−相溶性有機溶媒で望むように希釈することができる。水−相溶性有機溶媒は、コロイド分散液の調製中、反応混合物中に存在し得る上述したものならどれでもよい。好ましくは、フィルム形成前にコロイド分散液を希釈する有機溶媒は、アセトンまたはアルコールである。
典型的には、本発明によるコロイド分散液はどのような濃度でも蓄えられ得る。好ましくは、コロイド分散液は約0.3〜2重量%バナジウム濃度で蓄えられる。必要な場合は、初めに生成させた分散液を水または水−相溶性有機溶媒でその濃度に希釈することができる。コロイド分散液の凝固点以上の温度を維持することの外に、貯蔵中に観察すべき特別な警戒は何も必要ない。凝固してることが認められる場合、コロイド分散液は一般に崩壊される。コロイド分散液はどのタイプの容器でも貯蔵することができ、好ましくはガラスまたはプラスチックである。その上、コロイド分散液を、光存在下でも光のないところでも貯蔵することができる。
本発明による酸化バナジウムコロイド分散液は、どのような基材にも被覆され得る。しかし、有利にもコロイド分散液は、非導電性基材、または提案された用途に対して望ましい導電性より小さい導電性を有する基材に被覆される。つまり、本発明による酸化バナジウムコロイド分散液は、好ましくは静電荷を除去するすることが望まれるいかなる基材または製品にも用いられる。例えば、コロイド分散液は、紙、ガラス、布、セラミック材料、サーメット材料、ならびにセルロースエステル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、共重合体、および三元共重合体(terpolymers)を含む様々な高分子材料等の材料に被覆され得る。コロイド分散液はまた、床タイル、磁気テープ、写真フィルム、映画フィルム、接着テープ、繊維、光ディスク、眼科のレンズ、頭上投影機フィルム、家具、織物、およびビデオ表示画面等の製品に被覆され得る。より好ましくは、酸化バナジウムコロイド分散液は透明被膜が必要とされるいかなる基材または製品にも用いられ得る。これには、写真フィルム、映画フィルム、頭上投影機フィルム、ビデオ表示画面、および光ディスクを含む。本発明によるコロイド分散液は、これらの基材または帯電防止被膜と基材との間の接着を促進する材料の中間層一面のいずれにも直接的に被覆され得る。
本発明による酸化バナジウムコロイド分散液は、様々な伝統的溶液塗布法により基材に被覆され得る。これらの方法には、ロール塗布、ブラシ塗布(brush coating)、ホッパー塗布(hopper coating)、吹き付け塗り、流し塗り、スライド塗布(slide coating)、ナイフ塗布、およびグラビア塗布(rotogravure coating)を含む。有利にも、本発明によるコロイド分散液は、スライド塗布、ロール塗布、またはグラビア塗布法を用いて被覆される。これらの方法、およびこれらの方法を実施する技術は、塗布業界で非常によく知られている。
被覆処理で用いられる酸化バナジウムコロイド分散液の量は、広く変化させられ得る。使用量の上限は、特定の分散液の質、および透明で比較的に無色の被膜への要求、すなわち人間の目で検知するには難しい被膜への要求により、一般に制御される。つまり、100mg/m2以上の被覆量を有する被膜を調製することはできるが、多くの用途にとって被膜に与えられる色彩を減少させ、透明度を上げ、均一性を改良し、ある環境下での接着性を改良するためには、できるだけ低被覆量の被膜、例えばほんの約3mg/m2の被膜を有することが好ましい。コロイド分散液の品質が低ければ低いほど、満足のいく帯電防止被膜を生産するにはより多くの材料が必要とされるため、このような低被覆重量の被膜は一般的には、本発明による方法を用いて生成され得る高品質のコロイド分散液を必要とする。酸化バナジウムコロイド分散液は有色なため、用いられる材料が多ければ多いほど、被膜は一層着色される;しかし、酸化バナジウムの被覆量が十分に低い場合、被膜には色彩は表れない。典型的に、ほんの約3mg/m2、好ましくはほんの約1.5mg/m2、より好ましくはほんの約1mg/m2の被覆量を有する、明らかに「無色」な被膜を得ることができる。「無色」は、被膜はスペクトル可視領域で有意吸収を示さず、マクベス・デンシトメーター・モデル(Macbeth Densitometer Model)RD 514(ニューバーグ(Newburg)、NY)を用いても本質的に探知できないことを意味する。
本発明による酸化バナジウムコロイド分散液より調製する被膜は、典型的にはひげ状または針状粒子を含有する。これらの粒子は高いアスペクト比、すなわち粒子の幅に対する長さの比を有し、一般に一様に分布する。「高アスペクト比」は、本発明によるコロイド分散液から製造される被膜を電界放出電子顕微鏡法により観察する場合、粒子の幅に対する長さの比は一般に約10〜90であることを意味する。長さが(長い粒子と比較して)相対的に短い粒子は、(直径の大きな粒子と比較して)相対的に小さな直径を有する傾向があるが、しかし直径の小さな粒子は必ずしも長さが短いとは限らない。
本発明による酸化バナジウムコロイド分散液および帯電防止被膜は、所望の場合様々な添加剤を含有することができる。それらは、帯電防止被膜の力学的性質を改良する高分子バインダー;塗布性(coatability)を促進する湿潤剤;分散液特性、色彩、および/または導電性を変えるVO2、Ag2O、Cu2O、MnO、ZnO、Nb25、MoO3、WO3、Sb23、GeO2、Nd23、Sm23、Gd23、Yb23、およびEu23等のメタル・ドーパント(metal dopants)または変性剤;メチレンブルー(methylene blue)、クリスタルバイオレット(crystal violet)、およびアシッドバイオレット(acid violet)等の染料;殺生剤;防腐剤;凍結防止剤;界面活性剤;および消泡剤を含むことができる。
本発明の目的および利点を、以下の実施例でさらに説明するが、しかしこれらの実施例中で、他の条件および詳細と同様に記述される特定の材料およびそれらの量を、本発明を過度に制限して解釈するべきでない。全ての量部および割合は、別の方法でない限り重量により示される。
実施例
酸化バナジウムコロイド分散液を以下の記述のように調製した。被膜分散液、すなわち被膜に適した酸化バナジウムコロイド分散液を、連続的なより多くの希釈(それぞれの引き続いての被膜分散液濃度は、先の被膜分散液の2分の1であった)により調製した。ポリ(ビニリデンクロライド)(PVDC)下塗りポリエステル(3M カンパニー、セントポール(St.Paul)、MN、のスペシャリティー・フィルム・ディビジョン(Specialty Film Division)より入手できる)にNo.3メイヤー・バー(Mayer bar)を用いて、手で塗布することにより、被膜を調製した。その後のそれぞれの酸化バナジウム被膜は、先のように2分の1表面バナジウム濃度、すなわち被膜重量、であった。5000V電位から50V未満に減衰する静電荷減衰時間が0.1秒未満になるように要求されるバナジウム表面濃度([V]eff、基材表面領域1m2あたりのバナジウムmg)として、帯電防止被膜を調製するための酸化バナジウムコロイド分散液の有効性を決定した。以下の実施例で報告されるバナジウム表面濃度は、それぞれ連続的に希釈した酸化バナジウムコロイド分散液の密度を水の密度(1g/ml)と仮定した形式的データ、およびNo.3メイヤー・バーで得られた未乾燥塗膜厚6.9マイクロメーターから算出された。いくつかの被覆ポリエステルフィルムサンプルのバナジウム表面濃度の誘導結合プラズマ分光分析により、実際のバナジウム表面濃度は、特定の濃度の被膜溶液から被覆される量より計算され、一貫して約40%であることが示された。5000V電荷の(50V未満に)減衰に要する時間は、エレクトロ−テック システム(Electro−Tech System)株式会社、グレンサイド(Glenside)、PAのモデル406Cスタティック・ディケイ・メーター(Static Decay Meter)を用いて決定された。V4+濃度は、標定したKMnO4溶液を用いた滴定により、未反応過マンガン酸塩の持続により視覚的に決定される終点をもって、決定された。
以下の実施例で用いられる脱イオン水は、カチオン交換台(硫酸で再生する)およびその後アニオン交換台(NaOHで再生する)に水をうまくポンプ輸送させることにより調製した。用いたカチオン交換樹脂は、ジビニルベンゼンで架橋したスルホン化ポリスチレンであり、用いたアニオン交換樹脂は、ジビニルベンゼンで架橋した第四アンモニウムスチレンであった。これらの樹脂は、通常、ローム・アンド・ハース(Rohm&Haas)、フィラデルフィア、PAにより製造される商品名AMBERLITETMが利用できる。処理中、カチオンはH+イオンに交換され、アニオンはOH-イオンに交換された。水を交換樹脂に通過させた後は、使用前までタンクに溜めた。
実施例1
VO(O−i−Bu)3(15.8g、0.055mol、アクゾ・ケミカル(Akzo Chemicals)株式会社、シカゴ、ILの製品)を、迅速に撹拌しているH22(30%水溶液1.56g、0.0138mol、マリンクロット(Mallinckrodt)、パリ、KYの製品)脱イオン水(232.8g)溶液に添加することにより、酸化バナジウムコロイド分散液を調製し、バナジウム濃度0.22mole/kg(1.1%バナジウム)の溶液を得た。VO(O−i−Bu)3の添加により、混合物は暗褐色になり5分間でゲル化した。撹拌し続けると、暗褐色ゲルは壊れ、不均一で粘性の暗褐色コロイド分散液を得た。このコロイド分散液を約45分間撹拌し、均一な分散液を得た。その分散液をさらに約1.5時間撹拌し、そしてその後ポリエチレン容器に移し、50℃で6日間一定温度で熟成させ、暗褐色のチキソトロープのゼラチンコロイド分散液(すなわち、液体で満たされる大容積の連続細孔を含有をする三次元固形網目構造を有する半固形材料を生産するために、分散相が結合させたコロイド分散液)を得た。
酸化バナジウムコロイド分散液とって、0.1秒未満で5000Vを50V未満にする静電荷減衰を提供することが要求されるバナジウム表面濃度、[V]eff、は以下のように決定された。0.17、0.084、0.042、0.021、0.011、および0.005%バナジウムを有するコロイド分散液を提供するために、1.1%バナジウム含有の酸化バナジウムコロイド分散液の一部を脱イオンH2Oで希釈した。それぞれ11.5、5.76、2.88、1.44、0.72、および0.36mg/m2の計算表面バナジウム濃度を有する酸化バナジウム被膜を生産するために、各々希釈した分散液を、PVDC下塗りポリエステルに、No.3メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより被覆した。その被膜を約100℃で約5時間乾燥させた。5000V電位を50V未満に減衰させる静電荷減衰時間を、それぞれの被膜について測定し、[V]eff値は1.4mg/m2であると決定された。1.1%バナジウム含有のチキソトロープゼラチンコロイド分散液中のV4+濃度を、過マンガン酸塩を用いた滴定により以下のように決定した。暗褐色チキソトロープゼラチンコロイド分散液を、脱イオンH2Oで希釈し、0.28%バナジウム含有の暗褐色コロイド分散液を得た。このコロイド分散液(90.0g)のサンプルを濃縮水性H2SO418.6gで酸性化し、明緑黄色溶液を得た。この酸性化したコロイド分散液を、新たに標定した0.019M KMnO4溶液21.5mlで滴定した(MnO4 -+5V4++8H+−−→5V5++4H2O+Mn2+)。終点は、ピンク色のMnO4 -が10秒を越えて着色していることにより決定された。コロイド酸化バナジウムを沈澱させ、上述のように上層液を正確に滴定することによりコロイド分散液の上層液中の還元可能なアルデヒドの補正を行った。コロイド酸化バナジウムを沈澱させるために、Al2(SO43・16H2O(3.33g)を、0.28%バナジウム含有の酸化バナジウムコロイド分散液200gに添加し、沈澱した酸化バナジウムを遠心分離により除去した。上層液のサンプル90.0gは、5.06mlの0.0198M KMnO4溶液を要した。バナジウム0.28%含有の酸化バナジウムコロイド分散液中のV4+濃度は、1.8×10-2mole/kgであった。V4+のモル分率(V4+/総バナジウム)は0.33であった。
計算表面バナジウム濃度2.88mg/m2の被膜(No.3メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより、PVDC下塗りポリエステルフィルムに0.042%酸化バナジウムコロイド分散液を被覆して調製した)を、電界放出走査電子顕微鏡により評価した。顕微鏡写真は、被膜は一様に分散した酸化バナジウムのひげ状コロイド粒子、約0.02〜0.08マイクロメーター幅および約1.0〜3.5マイクロメーター長、からなることを示した。アスペクト比を電界放出電子顕微鏡(FESEM)により測定し、約40〜70であった。(長い粒子と比較して)相対的に短い粒子は、(大きな直径の粒子と比較して)相対的に小さな直径をもつ傾向があるが、しかし、直径の小さな粒子は必ずしも長さが短いとは限らない。
以下で、被膜重量の計算について説明する:
初めの溶液のバナジウム濃度は0.22mole/kgであり、これは1.1%バナジウムに相当する。例えば、0.17%溶液を得るため、この1.1%溶液を水で希釈する:
Figure 0003708117
つまり、0.17%分散液を作るため、水547mlを1.1%分散液100mlに添加する。
0.17%は、1ml中の0.0017gに相当する。
分散液密度を水の密度(すなわち、1g/ml)と仮定するため、被膜厚は6.9マイクロメーター、1ml=1cm3であり、6.9マイクロメーター厚で1メーター×1メーターの正方形を被覆するのに要する分散液のミリリットル数は:
6.9×10-6メーター×(1メーター)2×106センチメーター3/m3=6.9ml
6.9×0.0017=1平方メートルを被覆したバナジウム0.011グラム
実施例2〜7
VO(O−i−Bu)3を等モル量のVO(OEt)3(実施例2)、VO(O−i−Pr)3(実施例3)、VO(O−n−Pr)3(実施例4)、VO(O−n−Bu)3(実施例5)、VO(O−CH2CMe32.3(O−i−Bu)0.7(実施例6)、およびVO(O−t−Amyl)3(実施例7)と替えることを除いて、熟成段階を含む実施例1と同様の手順を繰り返した。VO(O−i−Pr)3はアルファ・プロダクツ(Alfa Products)、ワード・ヒル(Ward Hill)、MAより得られ、受け取ったまま用いられた。F.カータン(Cartan)およびその他の人達によるJ.Phys.Chem.,1960,64,1756で記載されるように、VO(OEt)3、VO(O−n−Pr)3、VO(O−n−Bu)3、およびVO(O−t−Amyl)3を、相当するアルコールとのメタバナジウム酸アンモニウムの反応により調製した。これは、ここに参考文献として引用される発表である。そしてそれらを減圧蒸留により精製した。VO(O−CH2CMe32.3(O−i−Bu)0.7を、VO(O−i−Bu)3からのアルコール交換により調製し、減圧蒸留により精製した。それぞれの実施例2〜7では、脱イオンH2Oの量を調節し、1.1%バナジウム含有のコロイド分散液を得た。実施例1のように、それぞれの反応のために、H22に対するバナジウムアルコキシドのモル比は4:1であった。
実施例2〜7で調製した酸化バナジウムコロイド分散液の[V]eff値を、実施例1で記述したようにして決定した:実施例2、[V]eff=1.4mg/m2;実施例3、[V]eff=1.4mg/m2;実施例4、[V]eff=1.4mg/m2;実施例5、[V]eff=2.9mg/m2;実施例6、[V]eff=2.9mg/m2;実施例7、[V]eff=2.9mg/m2
実施例8
迅速に撹拌している脱イオン水にVO(O−i−Bu)3(アクゾ・ケミカル株式会社、シカゴ、ILの製品)を添加することにより、酸化バナジウムコロイド分散液を調製し、バナジウム濃度0.22mole/kg(1.1%バナジウム)のゾルを得た。約10分間撹拌後、そのゾルは濃赤色で均一になった。そのサンプルを室温で1.5時間撹拌した。その後、ポリエチレン容器に移し、50℃で6日間一定温度バスで熟成させ、暗褐色のチキソトロープゼラチンコロイド分散液を得た。
実施例1で述べたように、脱イオン水で希釈し、PVDC下塗りポリエステルに被覆し、静電荷減衰時間を測定することにより、酸化バナジウムコロイド分散液の[V]eff値を決定した。[V]eff値は、1.4mg/m2であった。ゼラチンコロイド分散液中のV4+濃度を、過マンガン酸塩による滴定により決定した。コロイド分散液(90g、0.28%バナジウム含有)を酸性化し、実施例1で述べたように滴定したが、0.0198M KMnO4溶液24.8mlが滴定に用いられた。コロイド分散液(90.0g)からの上層液を、実施例1で述べたように、0.0198M KMnO4溶液5.05mlで滴定した。0.28%バナジウム含有の酸化バナジウムコロイド分散液中のV4+濃度は、2.2×10-2mole/kgであった。V4+モル分率(V4+/総バナジウム)は0.39であった。
実施例9〜12
VO(O−i−Bu)3を等モル量のVO(O−i−Pr)3(実施例9)、VO(O−n−Pr)3(実施例10)、VO(O−n−Bu)3(実施例11)、およびVO(O−CH2CMe32.3(O−i−Bu)0.7(実施例12)と替えることを除いて、実施例8と同様の手順を繰り返した。実施例9〜12で調製した酸化バナジウムコロイド分散液の[V]eff値を、実施例1で述べたように決定した:実施例9、[V]eff=1.4mg/m2;実施例10、[V]eff=2.9mg/m2;実施例11、[V]eff=5.8mg/m2;実施例12、[V]eff=2.9mg/m2
実施例13
この実施例では、その場で発生するバナジウムアルコキシド種を経た、VOCl3からの酸化バナジウムコロイド分散液の調製について述べる。VOCl3(25.1g、0.145mol、アルドリッチ(Aldrich)の製品、ミルウォーキー、WI)を窒素パージして栓をした500ml丸底フラスコ中のプロピレンオキシド(42.03g、0.724mol、アルドリッチの製品、ミルウォーキー、WI)およびi−BuOH(71.6g、0.966mol、アルドリッチの製品、ミルウォーキー、WI)の溶液に滴下した。反応混合物を迅速に撹拌し、氷冷バス中で冷却した。反応温度が25℃を越さないように、VOCl3の添加速度を調節した。60〜70℃で回転蒸発により、反応混合物から揮発性化合物を除去し、明黄色液体48.9gを得た。揮発性反応生成物のGC/MS分析により、およそ65%i−BuOH、30%1−クロロ−2−プロパノール、4%2−クロロ−1−プロパノール、および少量の1−(2−メチルプロポキシ)−2−プロパノールおよび2−(2−メチルプロポキシ)−1−プロパノールの存在が示された。蒸留残留物、すなわち明黄色液体(10.0g、0.030molバナジウム含有)を、迅速に撹拌している脱イオンH2O125.4gに添加し、約15分間の撹拌後、濃赤色で均一な生成物を得た。室温で一中夜撹拌した後、50℃で2日間熟成させ、1.1%バナジウム含有の酸化バナジウムコロイド分散液を得た。実施例1で述べた手順により決定したようにして、コロイド分散液の[V]eff値は11.5mg/m2であった。
実施例14
蒸留残留物(10.0g)をH22(30%溶液の0.85g、0.0076mol)の脱イオンH2O124.5g溶液に添加した。蒸留残留物の添加により、混合物は暗褐色になり、5分以内でゲル化した。撹拌し続けると、暗褐色ゲルはばらばらとなって、不均一となり、約45分で均一となった粘性暗褐色ゾルを得た。そのサンプルを室温で一中夜撹拌し続け、その後50℃で2日間熟成させた。実施例1で述べた手順により決定したようにして、コロイド分散液の[V]eff値は5.8mg/m2であった。
実施例15
この実施例では、恐らく、その場で発生するバナジウムアルコキシド種を経た、VO2OAcからの酸化バナジウムコロイド分散液の調製について説明する。VO2OAc(1.00g、7.0mol、F.プレウス(Preuss)とその他の人達によるInorg.Nucl.Chem.35,3723(1973)に記載されているようにして調製した。これはここに参考文献として引用する発表である。)をi−BuOH1.57gに溶解し、透明な暗緑黒色溶液を得た。迅速に撹拌しながら、この溶液を脱イオン水(29.45g)に添加した。その後この溶液を約5時間撹拌し、その結果、透明な緑褐色の酸化バナジウムコロイド分散液を得た。その酸化バナジウムコロイド分散液を室温で6日間熟成させた。実施例1で述べた手順により決定したようにして、コロイド分散液の[V]eff値は11.5mg/m2であった。
実施例16〜19
これらの実施例では、帯電防止被膜を調製するための酸化バナジウムコロイド分散液の有効性に関して、アルコキシド加水分解反応における様々なバナジウム濃度の効果を示す。迅速に撹拌している脱イオン水にVO(O−i−Bu)3を表1に示された量で添加することにより、酸化バナジウムコロイド分散液を調製した。室温で一中夜熟成させた後、コロイド分散液を室温または50℃で3日を越えて熟成させた。実施例1で述べたように決定された該コロイド分散液の[V]effを、表1に載せた。
Figure 0003708117
これらの結果は、受け入れ可能な範囲内、すなわち3.5重量%以下、のバナジウム含有の熟成分散液より調製した被膜の[V]effを、高バナジウム含量、すなわち4.5重量%、の熟成分散液より調製した被膜の[V]effと比較する。4.5%バナジウム濃度の分散液は、非常に粘性があり、あまり良好な被膜を提供しない。実際に、50℃で3日間の熟成により、分散液はきわめて粘性となり、非常に高い[V]eff値を有する被膜をつくる。0.28%、0.56%、または2.25%バナジウム濃度を有する分散液は受け入れ可能である。つまり、それらの分散液は有効な帯電防止被膜を提供する。実施例16〜19でテストしたすべての分散液の中で、1.12%バナジウム含有の分散液は最も低い[V]eff値を有する被膜を形成することができるため、その分散液は最も受け入れ可能で、最も好ましい。
実施例20
この実施例では、界面活性剤を用いた酸化バナジウムコロイド分散液の調製について説明する。この実施例はまた、様々な基材の被膜についても説明する。
脱イオン水25.2gおよび10重量%水性界面活性剤(TRITONTMX−100、ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)、フィラデルフィア、PAより入手できる)0.3gを、実施例1で述べたように調製した、0.56重量%バナジウム含有の酸化バナジウムコロイド分散液4.5gに添加することにより、被膜ゾルを調製した。その被膜ゾルを、No.3メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより、ポリイミドフィルム(KAPTONTM、デュポン株式会社の製品、ウィルミントン(Wilmington)、DE)に被覆した。被膜を130℃で5分間乾燥させた。その被覆フィルムの静電荷減衰時間は0.01秒であった。無被覆フィルムは、静電減衰を示さなかった。
その被膜ゾルを、No.3メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより、紙(タイプ696ホワイト・ボンド・ペーパー(White Bond Paper)、3M オフィス・システム・ディビジョン(Office Systems Division)より入手できる、セント・ポール、MN)に被覆した。その被膜を100℃で5分間乾燥させ、静電減衰時間0.01秒のサンプルを得た。無被覆紙の静電減衰時間は、20秒であった。
これと同じ被膜ゾルを、No.3メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより、火炎処理により前処理していたポリプロピレンフィルムに被覆した。その被膜を100℃で5分間乾燥させた。この被覆フィルムの静電減衰は0.01秒であった。無被覆フィルムは静電減衰を示さなかった。
実施例21
この実施例では、添加剤として界面活性剤および水−相溶性補助溶剤を含む酸化バナジウムコロイド分散液の調製について説明する。脱イオン水15.5g、イソプロパノール8.0g、ジアセトンアルコール2.25g、および10%水性界面活性剤(TRITONTMX−100)溶液を、実施例1で述べたように調製した0.56重量%バナジウム含有の酸化バナジウムコロイド分散液4.5gに添加することにより、分散液を調製した。ポリメチルメタクリレートシート(PLEXIGLASTM Gアクリリック・セーフティー・グレイジング(Acrylic Safety Glazing)、ローム・アンド・ハース・カナダ株式会社の製品、ウェスト・ヒル(West Hill)、オンタリオ(Ontario))、ポリカーボネートシート(LEXANTM、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)株式会社の製品、クレベランド(Cleveland)、OH)、およびセルローストリアセテート(3M株式会社の製品、セント・ポール、MN)それぞれに、該分散液を、No.3メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより被覆した。被膜を100℃で5分間乾燥させた。被覆サンプルの静電減衰時間は:
ポリメチルメタクリレート:0.02秒
ポリカーボネート:0.06秒
セルローストリアセテート:0.07秒
無被覆サンプルの中で、静電減衰を示すものは1つもなかった。
実施例22
この実施例では、水性ポリマー溶液中でのVO(O−i−Bu)3の加水分解による酸化バナジウムコロイド分散液の調製について説明する。12.2%ポリアクリル酸(5000MW、ポリサイエンス株式会社の製品、ワーリントン(Warrington)、PA)および0.064%H22(0.0018mol)含有の水溶液96.2gにVO(O−i−Bu)3(2.0g、0.0070mol)を添加した。その混合物を、室温で16時間撹拌し、適度に粘性があり均一な暗褐色ゾルを得た。室温で4日間熟成させた後、実施例1の手順により決定し、コロイド分散液の[V]eff値は5.8mg/m2であった。
比較実施例II
比較実施例IIでは、酸化バナジウムコロイド分散液とポリアクリル酸の混和性を調査した。実施例1で述べたように調製した酸化バナジウムコロイド分散液を脱イオン水で希釈し、0.28%バナジウム含有のコロイド分散液を得た。希釈したコロイド分散液1.5gを1.0%5000MWポリアクリル酸約7.0gに添加すると、たちまち暗緑褐色クロット(clots)がその溶液から分離した。1.0%5000MWポリアクリル酸溶液を希釈した酸化バナジウムコロイド分散液に添加した場合、同様の沈降が起こった。この実施例は、コロイド分散性酸化バナジウムが他の方法では混和性のないポリマーの溶液中、現場で酸化バナジウムのコロイド分散液を調製してもよいことを示す。
実施例23
この実施例は、水性コロイド分散液中でのVO(O−i−Bu)3の加水分解による酸化バナジウムコロイド分散液の調製について説明する。ペルオキソ硫酸カリウム(5%溶液5.0g、0.9mmol、マリンクロット・ケミカル(Mallinckrodt Chemical)、セント・ルイス、MN)、ソジウムメタビスルフェート(5%溶液5.0g、1.3mmol、マセゾン(Matheson)、コールマン(Coleman)、およびベル(Bell)の製品、ノーウッド(Norwood)、OH)、および硫酸鉄(II)(1%溶液1.0g、0.04mmol、フィッシャー・サイエンティフィック(Fischer Scientific)の製品、フェアーラウン(Fairlawn)、NJ)を、脱イオン水300g、メチルメタクリレート(0.70mol、アルドリッチ・ケミカル社の製品、ミルウォーキー、WI)70.0g、およびラウリル硫酸ナトリウム(10%溶液10.0g、アルドリッチ・ケミカル社の製品、ミルウォーキー、WI)の窒素パージした混合物に続いて添加し、ポリメチルメタクリレートのコロイド分散液を得た。ラウリル硫酸ナトリウムは安定剤であり、一方で、ペルオキソ硫酸カリウム、ソジウムメタビスルフェート、および硫酸鉄(II)は、ポリマーエマルションのためのレドックス開始剤である。分散液を透析管(12,000〜14,000分子量カットオフ(cutoff)、アメリカン・サイエンティフィック・プロダクツ(American Scientific Products)の製品、マクガウ・パーク(McGaw Park)、IL)に置き、脱イオン水で4日間透析し、11.9重量%固形分含有の透析ポリメチルメタクリレートコロイド分散液を得た。VO(O−i−Bu)3(1.87g、6.5mmol)を、11.9%透析ポリメチルメタクリレートコロイド分散液96.24gと3.0%H22の混合物に添加し、褐色系の不透明分散液を得た。50℃で3日間熟成させた後、その分散液を希釈し、PVDC下塗りポリエステルフィルムに被覆した。その分散液の[V]effは、フィルム1m2あたりのバナジウム量5.8mgであった。
実施例24
この実施例は、加水分解反応に続く、蒸留を用いた揮発性反応生成物を除去することにより、V5+のV4+への還元は制限され、V4+濃度は調整され得る。過酸化水素溶液にVO(O−i−Bu)3を添加した後、30分間50℃での回転蒸発により揮発性反応生成物(79.8g)を除去したことを除いて、実施例1で述べたようにして酸化バナジウムコロイド分散液を調製した。そのコロイド分散液を水で希釈して約335gにし、回転蒸発を繰り返して揮発性材料156gをを除去し、1.5%バナジウム含有のコロイド分散液を得た。これを、実施例1で述べたように、希釈し、標定したKMnO4で滴定した。0.28%バナジウム(90.0g)含有の酸化バナジウムコロイド分散液を0.0198KMnO4溶液2.79mlで滴定し、その上層液(90.0g)を0.0198KMnO4溶液1.27mlで滴定した。0.28%バナジウム含有のコロイド分散液中のV4+濃度は、1.6×10-3mol/kgであった。モル分率V4+(V4+/総バナジウム)は0.030:1.0であった。
実施例25
この実施例では、アセトン/水混合物中での酸化バナジウムコロイド分散液の調製について説明する。VO(O−i−Bu)3(6.30g、0.022mol)を迅速に撹拌している脱イオン水43.7g(2.6mol)のアセトン50.0g溶液に添加した。そのサンプルを室温で1日間撹拌し、その後50℃で3日間熟成させた。実施例1で述べたように決定したそのコロイド分散液の[V]eff値は5.8mg/m2であった。
実施例26
この実施例では、帯電防止テープの調製について説明する。脱イオン水(91.3g)および10%水性界面活性剤(TritonTMX−100)溶液(1.0g)を、実施例1で述べたように調製した酸化バナジウムコロイド分散液7.5gに添加し、0.84%バナジウムおよび0.10%TritonTMX−100界面活性剤含有の被覆溶液を得た。その被覆溶液を、No.3メイヤー・バーを用いて手で塗布することによりKaptonTMフィルム(デュポン・ケミカル株式会社の製品、ウィルミントン、DE)に被覆した。生じた帯電防止層を120℃で1分間乾燥させた。13.3%GE1135−1シリコン、0.7%GESS4192C触媒、0.7%GESS4259C触媒(ゼネラル・エレクトリック株式会社の製品、ウォーターフォード(Waterford)、NY)、および85.3%トルエンを包含するプライマー(primer)溶液を、No.12メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより酸化バナジウム層の上に被覆し、それを94℃で1分間乾燥させた。No.44メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより、シリコン接着剤(GE”シルグリップ(Silgrip)PSA518”、54%固形ポリメチルフェニルシロキサン、ゼネラル・エレクトリック株式会社の製品、ウォーターフォード、NY)下塗りKaptonTMフィルムに被覆し、それを177℃で5分間乾燥させた。生じたテープは、0.01秒の静電減衰時間(5000Vから50Vへの減衰、ダウンウェブ(downweb)方向での測定)、ロールからの巻だしによる0V電荷、および全ての層間での優れた接着性をもつ。約240℃で5分間の加熱または約180℃で18時間の加熱により、テープの特性は影響されなかった。酸化バナジウム層なしのコントロールテープは静電減衰を示さず、巻だしにより5000Vを越える電位を有した。
実施例27
この実施例では、帯電防止テープの調製について説明する。帯電防止性酸化バナジウム層を、実施例26で述べたようにKaptonTMフィルムに被覆した。ダウ・コーニング(Dow Corning)Q2−7406(シリコン接着剤、55%固形、ダウ・コーニング株式会社の製品、ミッドランド(Midland)、MI)21.5g、トルエン10.72g、およびベンゾイルペルオキシド0.25gを包含する接着溶液を、No.65メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより、帯電防止層の上に被覆し、160℃で5分間乾燥させた。生じたテープは、0.01秒の静電減衰時間(5000Vから50Vへの減衰、ダウンウェブ方向での測定)、および全ての層間での優れた接着性をもつ。約240℃での5分間加熱または180℃での18時間加熱により、テープ特性は影響されなかった。
実施例28
この実施例では、帯電防止テープの調製について説明する。帯電防止性酸化バナジウム層を、実施例26で述べたようにKaptonTMフィルムに被覆した。57%ポリ(ビニルN−オクタデシルカルバメート)の20%キシレン/80%トルエン溶液含有の溶液を、No.12メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより、V25帯電防止層に被覆し、100℃で1分間乾燥させた。No.65メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより、フィルムの無被覆サイドを、シリコンを基剤とした接着剤(ダウ・コーニング株式会社から商品名「Q2−7406」(55%固形)として商業的に入手できる、ミッドランド、MI)21.5g、トルエン10.72g、およびベンゾイルペルオキシド0.25gを包含する接着溶液で被覆し、160℃で5分間乾燥させた。生じたテープは、0.01秒の静電減衰時間(5000Vから50Vへの減衰、ダウンウェブ方向での測定)をもった。KaptonTM基材の被膜には優れた接着性があった。
実施例29
ゾルの沈澱または凝集の際の塩の効果を調査するため、塩の濃縮物を変化させこの実験を行った。塩を濃縮して添加し(ppmで測定)、酸化バナジウムゾルを1分未満で凝集させた。溶液の総ての量に基づいて、塩の量をppmで計算した。実施例1で述べたようにして、酸化バナジウムゾルを調製し、表に示す濃度(酸化バナジウム重量%)まで希釈した。
Figure 0003708117
ゾルは、Mg2+、Ca2+、またはFe2+等の多価イオンの存在下には、ずっと安定性が劣るが、Na+イオンの存在にはずっと寛容である。従って、ゾルは、「軟」水中で調製され得る。典型的には、本発明による方法に用いられる脱イオン水の総カチオン含量は50ppm未満である。
比較実施例III
この実施例では、米国特許第4,203,769号によるV25分散液の調製について説明する。V25(15.6g、0.086mol、アルドリッチ社の製品、ミルウォーキー、WI)を白金被覆したるつぼ中で、1100℃で10分間加熱し、迅速に撹拌している脱イオンH2O487gに注ぎ込んだ。生じたゼラチン黒色沈澱物に加えて液体を40〜45℃で10分間温め、そして室温で1時間撹拌し、軟らかいチキソトロープ黒色ゲルを得た。それを脱イオンH2O277gで希釈し、1.1%バナジウム含有の酸化バナジウムコロイド分散液を得た。その粘性のあるコロイド分散液を濾過して、非分散V25を除去し、その後50℃で6日間熟成させた。この方法で調製したコロイド分散液の[V]eff値は、1.4mg/m2であった。
実施例1で述べたように、コロイド分散液のV4+濃度を過マンガン酸塩で滴定して決定した。酸化バナジウムコロイド分散液(90.0g、0.28%バナジウム含有)を酸性化し、0.0198M KMnO4溶液5.05mlで滴定した。0.0198M KMnO4溶液0.90mlで酸性化した後、上層液(90.0g)を滴定した。0.28%バナジウム含有のコロイド分散液中のV4+濃度は、4.5×10-3mol/kgであった。V4+モル分率(V4+/総バナジウム)は、0.083であった。
計算表面バナジウム濃度2.88mg/m2の被膜(No.3メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより、0.042%バナジウム含有の酸化バナジウムコロイド分散液を、PVDC下塗りポリエステルに被覆して調製した)を電界放出走査電子顕微鏡法により評価した。これは、被膜は、一様な分散性で、ひげ状で、幅約0.01〜0.05マイクロメター、長さ約1.0〜2.0マイクロメターの酸化バナジウム粒子からなることを示した。アスペクト比は、FESEMで測定したように、約25〜120であった。
この実施例では、米国特許第4,203,769号(ゲスタックス)により調製した溶液は、本発明によるアルコキシド法で調製した溶液と同様の特性を有することが示される;しかし、前者の方法は、特殊容器の必要性、高温での加熱による猛毒性V25煙霧の発生、および非分散V25を濾過する際の困難性のため、不利である。その上、V4+濃度の調整は、本発明においては容易に為されるのに対して、前者の方法では容易には為されない。V4+/総バナジウム比は、約0.1未満に制限されるが、本発明では0.3未満およびそれを越えて様々な比をとり得る。
比較実施例IV
この実施例では、イオン交換処理による酸化バナジウムコロイド分散液の調製について説明する。ソジウムメタバナデート(6.0g、0.049mol、アルファ・プロダクツ社の製品、ワード・ヒル、MA)を、脱イオンH2O144g中で温めることにより溶解した。生じた溶液を濾過し、不溶性材料を除去した。AMBERLITETMIR120プラス(Plus)(H+)(アルドリッチ・ケミカル社から入手できる、ミルウォーキー、WI)含有の15mm×600mmクロマトカラムを通してその濾液を送り、1.7%バナジウム含有の明橙色溶液を得た。その溶液は、室温で24時間放置することにより、軟らかい不透明赤れんが色ゲルになった。室温で9日間熟成させた後、そのサンプルを希釈し、0.17%バナジウム含有のくすんだ橙赤色コロイド分散液を得た。そのコロイド分散液の[V]eff値は、実施例1で述べたように決定され、23.0mg/m2であった。
コロイド分散液のV4+濃度を、実施例1で述べたように、過マンガン酸塩での滴定により決定した。酸化バナジウムコロイド分散液(125.0g、0.17%バナジウム含有)を酸性化し、0.0206M KMnO4溶液0.30mlで滴定した。上層液(125.0g)を酸性化した後、0.0206M KMnO4溶液0.05mlで滴定した。0.17%バナジウム含有のコロイド分散液中のV4+濃度は2.06×10-4mol/kgであった。V4+モル分率(V4+/総バナジウム)は0.006であった。
計算表面バナジウム濃度2.88mg/m2の被膜(No.3メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより、0.042%バナジウム含有の希釈酸化バナジウムコロイド分散液をPVDC下塗りポリエステルフィルムに被覆して調製した)を電界放出走査電子顕微鏡法により評価した。これは、被膜は幅約0.02〜0.08マイクロメーター、長さ約0.7〜1.7マイクロメーターの、固まったひげ状V25コロイド粒子からなることを示した。
イオン交換処理により調製される溶液は、帯電防止被膜を調製するのに、本発明によるコロイド分散液によりはるかに効果的でないことを、この実施例では示す。
比較実施例V
この実施例では、VOCl3の熱加水分解による酸化バナジウムコロイド分散液の調製について説明する。バナジウムオキシトリクロライド(5.72g、0.017mol、アルドリッチ・ケミカル株式会社の製品、ミルウォーキー、WI、受け取ったまま用いられる)を、注射器で脱イオンH2O144.3gに添加し、明橙色溶液を得た。これを、85〜95℃で約30分間加熱し、1.1%バナジウム含有のくすんだ橙赤色コロイド分散液を得た。そのコロイド分散液を5050xgで遠心分離し、赤れんが色ゼラチン固体および透明ウォーター・ホワイト(water white)上層液を得た。その固体を脱イオン水中で再分散させ、コロイド分散液150を得た。遠心分離および再分散処置を5回以上繰り返し、1.1%バナジウム含有の酸化バナジウムコロイド分散液を得た。そのコロイド分散液の[V]eff値は、実施例1で述べた手順により、46mg/m2であるとわかった。
計算表面バナジウム濃度2.88mg/m2の被膜(No.3メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより、0.042%バナジウム含有の希釈酸化バナジウムコロイド分散液を、PVDC下塗りポリエステルフィルムに被覆して調製した)を、電界放出走査電子顕微鏡法により評価した。これにより、被膜は直径約2〜3マイクロメーターの単離凝集体からなることが示された。それぞれの凝集体は、幅約0.02〜0.08マイクロメーター、長さ約0.3〜1.3マイクロメーターのひげ状酸化バナジウムコロイド粒子からなっていた。FESEMで測定すると、アスペクト比は約1.5〜3.0であった。
VOCl3の熱加水分解により調製されるゾルは、帯電防止被膜を調製するのに、本発明によるコロイド分散液よりはるかに効果的でないことを、この実施例では示している。
比較実施例VI
この実施例では、V25とH22との反応による酸化バナジウムコロイド分散液の調製について説明する。ヒドロゲンペルオキシド(30%、20.0g、0.176mol)を、迅速に撹拌している脱イオン水78.1g中で懸濁する結晶V25(2.00g、0.011mol、アルドリッチ・ケミカル株式会社の製品、ミルウォーキー、WI、受け取ったまま用いられる)に添加した。気体進化および反応混合物の加温を伴って、活発な反応が観測された。室温で一中夜撹拌した後、生成物はくすんだ橙褐色コロイド分散液となった。このコロイド分散液を90℃で75分間加熱した。実施例1で述べた方法により、[V]eff値は11.5mg/m2であるとわかった。
計算表面バナジウム濃度2.88mg/m2の被膜(No.3メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより、0.042%バナジウム含有の希釈酸化バナジウムコロイド分散液を、PVDC下塗りポリエステルフィルムに被覆して調製した)を、電界放出走査電子顕微鏡により評価した。これにより、被膜は、幅約0.01〜0.08マイクロメーター、長さ約0.3〜1.2マイクロメーターのよく分散したひげ状酸化バナジウムコロイド粒子からなることが示された。FESEMにより測定されたように、アスペクト比は約7〜18であった。V25とH22との反応により調製される溶液は、帯電防止被膜を調製するのに、酸化バナジウムトリアルコキシドより調製される本発明のコロイド分散液より、はるかに効果的でないことを、この実施例は示している。
比較実施例VII
この実施例では、ここで参考文献として引用される発表であるMat.Res.Soc.Symp.Proc.121、93(1988)でC.サンチェおよびその他の人達により報告された方法による酸化バナジウムコロイド分散液の調製について説明する。VO(O−t−Amyl)3(1.00g、3.04mmol)を迅速に撹拌されている脱イオン水(6.00g)に添加し、黄色オイルに加えて明黄色水溶液を得た。水性相として消失する黄色オイルは濃赤色になった。その混合物は約6分間で均一になった。15分間撹拌した後、反応生成物はバナジウム含有2.2%の均一で濃赤色物であった。実施例1で述べた方法により、このコロイド分散液の[V]eff値は23.0mg/m2であることがわかった。そのサンプルを21℃中で一中夜熟成させ、ゼラチン状チキソトロープの濃赤褐色コロイド分散液を得た。この熟成させたコロイド分散液の[V]eff値は11.5mg/m2であることがわかった。サンチェとその他の人達の方法により調製されるコロイド分散液は、帯電防止被膜を調製するのに、酸化バナジウムトリアルコキシドより調製される本発明のコロイド分散液より、はるかに効果的でないことが、この実施例で示されている。
実施例30
この実施例では、水道水を用いて酸化バナジウムコロイド分散液の調製について説明する。VO(O−i−Bu)3(15.8g、0.055mol、アクゾ・ケミカル株式会社の製品、シカゴ、IL)を、迅速に撹拌されている水(234.4g)に添加することにより、酸化バナジウムコロイド分散液を調製し、バナジウム濃度0.22mol/kg(1.1%バナジウム)の溶液を得た。VO(O−i−Bu)3の添加により、混合物は暗く赤みがかった褐色になった。このコロイド分散液を約18時間撹拌し、均一な分散液を得た。それをポリエチレン容器に移し、50℃で4日間一定温度バスで熟成させ、暗褐色チキソトロープゼラチン状コロイド分散液(すなわち、液体で満たされる大容量の連続細孔を含有する三次元固形網目構造を有する半固形材料を生産するように分散相が結合させたコロイド分散液)を得た。
1.1%バナジウム含有の酸化バナジウムコロイド分散液の一部を脱イオンH2Oで希釈し、0.17、0.084、および0.042%バナジウムを有するコロイド分散液を提供した。それぞれ希釈した分散液を、No3.メイヤー・バーを用いて手で塗布することにより、PVDC下塗りポリエステルに被覆し、計算表面バナジウム濃度がそれぞれ11.5、5.76、および2.88mg/m2の酸化バナジウム被膜を生産した。5000V電位から50V未満に減衰するのにかかる静電減衰時間をこれらの被膜について測定し(それぞれ、0.01、0.06、および0.25秒)、[V]eff値は5.76mg/m2と測定された。
様々な、特定の好ましい具体化および技術について、本発明を述べてきた。しかし、発明の精神および目的の範囲内である限り、多くの変更および変化が起こり得ることを理解するべきである。

Claims (7)

  1. (a)高分子酸化バナジウムコロイド分散液が形成するための有機ポリマーおよびプレポリマーのうち少なくとも1つが存在する中で、0.15〜2重量%バナジウム含有の酸化バナジウムコロイド分散液を形成させるために、十分な量の水の中でバナジウムオキソアルコキシドを加水分解させるステップ;および(b)該分散液を熟成させるステップ;からなる高分子酸化バナジウムコロイド分散液の製造方法。
  2. 該水が脱イオン水である請求項1記載の方法。
  3. 該過剰量の脱イオン水が、低分子量ケトン、アルコール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される水−相溶性有機溶媒を含有する請求項2記載の方法。
  4. 該コロイド分散液が、6mg/m2未満の[V]eff値を有する帯電防止被膜を生産するのに利用できる請求項2記載の方法。
  5. 請求項2の方法により調製されるコロイド分散液。
  6. (a)0.15〜2重量%バナジウム含有の高分子酸化バナジウムコロイド分散液を提供するステップ;その酸化バナジウムは、有機ポリマーおよびプレポリマーのうち少なくとも1つが存在する中で、バナジウムオキソアルコキシドを過剰量の水で加水分解させることにより提供される;および(b)該分散液を熟成させるステップ;からなる高分子酸化バナジウムコロイド分散液の製造方法。
  7. 該水が脱イオン水である請求項6記載の方法。
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