JP3708016B2 - プリントヘッド用サービスステーション、インクジェット印刷機構およびプリントヘッドの保守方法 - Google Patents

プリントヘッド用サービスステーション、インクジェット印刷機構およびプリントヘッドの保守方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
(関連出願)
本願は、ともに1999年1月8日付出願の同時係属の、少なくとも1人の発明者が共通である、米国特許出願第09/227,383号および第09/227,449号の一部継続出願である。
本発明は、プリンタ、プロッタ等インクジェット印刷機構一般に関する。より詳細には、本発明は、互いに不相溶性のインクジェットインクを分注する置き換え可能なインクジェットプリントヘッドを拭くために使用されるプリントヘッドワイパからインク残滓を清浄するワイパスクレイパシステムを含む、取り替え可能なインクジェットプリントヘッドクリーナサービスステーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット印刷機構は、プロッタ、ファクシミリ装置、インクジェットプリンタ等種々の異なる製品に用いられ、本明細書では一般的に「インク」といわれる着色剤を用いて像をプリントすることができる。これらのインクジェット印刷機構は、しばしば「ペン」と呼ばれるインクジェットカートリッジを使用して、印刷媒体のページまたはシートの上にインク滴を発射する。インクジェット印刷機構の中には、十分なインクの供給を有するインクカートリッジを、シートを横切って前後に搬送するものもある。「偏心(off-axis)」システムとして知られる他のインクジェット印刷機構は、印刷ゾーンを横切るプリントヘッドキャリッジによりわずか少量のインク供給を推進し、プリントヘッドの進路から「偏心」して配置されている固定式リザーバに主インク供給を格納している。典型的には、可撓管または配管は、偏心している主要リザーバからプリントヘッドカートリッジまでインクを供給するために使用される。マルチカラーカートリッジでは、数本のプリントヘッドとリザーバを一体化しており、所定色のリザーバ/プリントヘッドの各組合せも本明細書中では「ペン」という。
【0003】
各ペンは、インク滴を発射する非常に小さいノズルを形成したプリントヘッドを有する。プリントヘッド内部にある特定のインク放出機構は、圧電またはサーマルプリントヘッド技術等、当業者には周知の種々の異なる形式を採用している。たとえば、初期の2つのサーマルインクジェット放出機構は、本発明の譲受人であるヒューレット・パッカード・カンパニーにともに譲渡されている米国特許第5,278,584号および第4,683,481号に記載されている。サーマルシステムでは、インクチャネルと気化室とを含む障壁層が、ノズルオリフィス板と基板層との間に設けられている。この基板層は、通常、抵抗体等、気化室内のインクを加熱するよう付勢される熱素子の線形アレイを含む。加熱されると、インク小滴は、付勢された抵抗体に対応するノズルから放出される。
【0004】
像を印刷するために、プリントヘッドは、ページ上の印刷ゾーンを横切って前後に走査され、ペンは、その移動とともにインク滴を発射する。プリントヘッドがシートを横切って移動する際に抵抗体を選択的に付勢することによって、インクは、パターン状に印刷媒体に発射され、所望の像(たとえば、画像、図表またはテキスト)を形成する。ノズルは、典型的には、単数または複数の線形アレイに配置される。2本以上の場合、2本の線形アレイが、プリントヘッド上に、互いに平行かつ走査方向に直交して並置される。したがって、ノズルアレイの長さは、プリントスウォースまたはバンドを画定する。すなわち、プリントヘッドが印刷ゾーンを1度完全に横切ったことで1つのアレイのすべてのノズルが連続して発射されると、インクのバンドすなわちスウォースがシートに出現する。このバンドの高さは、ペンの「スウォース高」として知られており、1回の通過で最大サイズのインクのパターンが付着される。
【0005】
スウォース高が大きくなると、シートを印刷する速度が高速になることは明らかである。すなわち、スウォースが高いプリントヘッドほど、像全体をプリントするためにシートを通過する回数が少なくなり、通過回数が少ないほど印刷機構のスループットは大きくなる。「スループット」は、1分あたりのページレートとしても知られ、印刷機構の購入を決定する際に購入者が分析する主要な考慮の1つとなることが多い。スループットを大きくするために単にノズルアレイを長くすることは、不慣れな人にとって簡単に達成できることのように思えるかもしれないが、そうではなかった。特にサーマルインクジェットペンの場合、プリントヘッド内部の基板層のサイズには物理的および/または製造上の制約がいくつかある。これまでのインクジェットプリントヘッドは、トリチャンバ (tri-chamber)カラーのプリントヘッドでは5.4mm(ミリメートル)程度、黒プリントヘッド等モノクロームプリントヘッドでは12.5mm(約半インチ)程度にスウォース高が制限されていた。
【0006】
プリントヘッドを清浄および保護するために、通常、「サービスステーション」機構がプリンタシャーシ内部に取り付けられ、このステーション上でプリントヘッドを移動させてメンテナンスを行うことができる。収納の際、または非印刷期間中、サービスステーションは、通常、プリントヘッドノズルを汚れおよび乾燥から密閉シールするキャッピングシステムを含む。キャップには、プリントヘッドで真空吸い上げを行うポンプユニットまたは他の機構に連結される等によって、プライム(prime)しやすくするよう設計されているものもある。動作中、「スピッティング(吐き出し:spitting)」として知られるプロセスでは、プリントヘッドの詰まりは、各ノズルを通して大量のインク滴を発射することによって定期的に清浄され、廃インクは、サービスステーションの「インクつぼ(spittoon)」リザーバ部に収集される。
【0007】
吐き出し後、キャップを外した後、または時には印刷中、ほとんどのサービスステーションが有するエラストマーワイパは、プリントヘッド表面を拭き取って、インク残滓とともにプリントヘッド表面に集積された紙塵または他の屑を除去する。他のサービスステーションは、インク放出ノズルに隣接するペンの領域を清浄するための補助ワイピング部材を含む。たとえば、モデル720Cおよび722CDeskJet(商標)カラーインクジェットプリンタにおける一対の「泥よけ(mud flap)」は、カラーノズル付近の領域を拭き取り、モデル2000および2500DesignJet(商標)カラーインクジェットプロッタにおける「スノートワイパ(snout wiper)」は、ペンの電気的な相互接続領域の下にある後部鉛直面を拭き取る。これらのプリンタおよびプロッタは、ともに、本願の譲受人であるカリフォルニア州パロアルトのヒューレット・パッカード・カンパニーから販売されている。
【0008】
印刷画像の清澄性(clarity)およびコントラストを向上するために、最近の研究は、インク自体の改良に重点を置いている。黒をより濃くし、かつカラーをより鮮やかにした、より高速かつ耐水性の印刷を行うために、顔料系インクが開発されている。これらの顔料系インクは、以前の染料系インクに比べて固形物含有量が高く、新しいインクでは光学的濃度が高くなる。両タイプのインクとも素早く乾くため、インクジェット印刷機構は入手しやすく経済的な普通紙、また、近年開発された特殊コーティングされた用紙、トランスパレンシ(transparencies)、織地および他の媒体にも高品位の像を形成することができる。
【0009】
実際、顔料系インクを使用するカートリッジにおいて、ノズル面板を清潔にしておくことは、非常に大変であることがわかっている。従来、複合インクジェットプリントヘッドの拭き取りを同時かつ全く同一速度で行っており、これは、カートリッジはすべて同一タイプ(色は異なっているが)のインクを含む場合に精密であった。しかしながら、これらの顔料系インクは、染料系インクに比べて粘性がないため、顔料系インクには、染料系インクに対してこれまで必要とされていたよりも拭き取り速度が低速で済む。なお、拭き取り速度には制限が少なかったが、これは、拭き取りが非常にゆっくりであるため、染料系ペンから余分なインクが吐き出されてしまう(wick)ことによる。この余分な染料系インクは、結局、ワイパに残滓を堆積してしまうため、将来拭き取り効率の低下を招くとともに他の問題も引き起こす。たとえば、ワイパの周囲に過剰な残滓があることにより、サービスステーションの周りにインクの堆積を招き、キャップを汚してしまう可能性もある。プリントヘッドキャップの汚れは、無駄なキャッピングがプリントヘッドに故障をもたらすことがあるため、カートリッジを短寿命にしてしまうおそれがある。
【0010】
実際、スクラブタイプの拭き取りルーチンは、プリントヘッドからタール状の顔料系インク残滓を清浄するために好ましい。高速拭き取りを用いて染料系インクに適応する場合、顔料系インクのワイパを残滓と完全に接触させないようにする。代わりに、ワイパは、ジャーク(jerk)またはスタッター(stutter)タイプの動きでタール状顔料系インク残滓から形成されたバンプ(bump)を飛び越してしまい、残滓をプリントヘッドから除去することができない。場合によっては、この高速ワイピングストローク中、顔料系インクのワイパを湾曲させ、インクを除去するのではなくオリフィス板にこすりつける(smear)ことで、タール状の残滓を払拭していた。したがって、一方のペンの拭き取り要件に適応しようとすると、他方のタイプのペン要件を満たすことを犠牲にして妥協していた。
【0011】
インクジェット業界の新規プリントヘッド設計の研究にともない、当業界において「偏心」プリンタとして知られる永久または半永久的なプリントヘッドを使用する傾向に向いている。最近の技術におけるブレークスルーにより、従来可能であった高さの二倍である25mm(約1インチ)のスウォース高を有するプリントヘッドを開発する希望が得られ、将来、それよりさらに幅広のスウォースプリントヘッドを開発できる可能性がある。これらの偏心印刷システムには種々の利点があるが、より幅広のスウォース高の可能性により、長くなったプリントヘッドにキャップをする際に適度なシールを均一に提供するためにどのようにするか、ノズルをプライム不足にする(deprime)ことなく長くなったプリントヘッドをどのようにシールするか等、従来見られなかった他の問題をともなう。さらに、偏心プリントヘッドの永久的または半永久的性質では、プリントヘッド寿命に亘ってインクスピットをどのように格納するか、プリントヘッド寿命を短縮する可能性のある相当量の摩耗なくインク残滓をプリントヘッドからどのように拭き取るか等、保守について格別な配慮が必要となる。
【0012】
この拭き取り目的を達成するために、ヒューレット・パッカード・カンパニーから販売されているHP2000Cカラーインクジェットプリンタでは、ポリエチレングリコール(PEG)化合物等のインク溶剤を使用してきた。このシステムにおいて、インク溶剤は、リザーバと密着させたプラスチックまたは気泡ブロック等の多孔性媒体に格納され、この多孔性ブロックは、アプリケータ部を、エラストマーワイパがこのアプリケータと接触できるように露出させて設けている。ワイパは、アプリケータを横切って移動してPEGを収集し、プリントヘッドを横切って拭き取ることで、集積されたインク残滓を溶解し、プリントヘッドにPEGの非粘着性(non-stick)コーティングを被膜してインク残滓の堆積を遅らせている。ワイパは、次に剛性のあるプラスチックスクレイパを横切って移動し、溶解されたインク残滓および汚染されたPEGをワイパから除去した後、次のワイピングストロークを開始する。PEG液は、潤滑剤としても作用するため、ワイパの研磨動作は、必ずしもプリントヘッドを摩耗するものではない。残念ながら、この溶解システムは、この拭き取りルーチンを実現するために多数の部品を使用するため、部品が多様であることで、加工費用、注文、在庫追跡および組立てが多様となる。さらに、プリンタの寿命に亘り、最適プリントヘッド保守を維持するためにPEGインク溶剤を補給する必要があり得る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
インクジェットプリンタの中には、第1のタイプのインクを担持する1セットのペンを外して別のタイプのペンを担持する第2セットのペンと置換することができることが望ましいものもある。このように、インクジェットカートリッジを置換できることにより、インクに相溶性がある限り良好に作用するが、残念ながら、インクのタイプには染料系インク、顔料系インク等相溶性のないものもある。実際、インクの中には、互いに相溶性のないように特別に設計されているものもある。たとえば、インクジェット印刷において、特に黒とカラーインクという不相溶性インクを有する場合には利点がいくつかある。たとえば、カラーインクと相溶性のない黒インクは、印刷の後ページに沈着させることで、ページ上で黒インクとカラーインクとの明確な境界線を形成することができる。しかしながら、このような印刷ページへの沈着はノズル詰まりを引き起こすおそれがあるため、プリントヘッドでは回避される必要がある。顔料系インクのpHが染料系インクのものと調和しないと、顔料系インクの顔料が、染料を溶液から沈殿させ、ワイパに染料の堆積を引き起こし、これが次にプリントヘッドノズルを詰まらせる可能性がある。不相溶性インクからのインク残滓が混合した結果、凝固沈殿するとともに、他の化学的な相互作用により残滓を生成したり、またはオリフィス板ノズルに他の物理的汚染をもたらす。
【0014】
さらに、1つのペンセットからサービスステーション要素に残留したインク残滓は、各ペンセットからのインクが互いに不相溶性のインクを担持している場合には第2のペンセットのプリントヘッドを汚染するおそれがある。この不相溶性の問題は、サービスステーションワイパの取扱い時には特に重要である。取り替え可能なプリントヘッド清浄サービスステーションを有するシステムにおいて、各ペンセットに別個のプリントヘッドクリーナユニットを設計してもよい。しかしながら、ワイパスクレイパは、インク残滓をワイパから除去するために使用されるので、サービスステーションフレーム(図12参照)に搭載された固定静止部材であることが多く、通常、プリントヘッドクリーナユニットを取り替える場合にも取り替えない。したがって、ワイパスクレイパは、不相溶性インクを含有するペンを置換する際、さらに、その対応する取り替え可能なプリントヘッドクリーナユニットが置換される際には重大な汚染源となる。したがって、互いに不相溶性のインクを担持するペンを置換する際に汚染を促進しない、改良したプリントヘッドワイパおよびワイパスクレイパシステムの必要性がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、インクジェット印刷機構に取り付けられる際、互いに不相溶性のインクを分注する置き換え可能な第1および第2のインクジェットプリントヘッドのプリントヘッドを保守するサービスステーションが提供される。このサービスステーションは、印刷機構への取り付け時にインク残滓を第1のプリントヘッドから拭き取るワイピングストロークと、このワイピングストロークに続くインク残滓を掻き取るスクレイピングストロークとの間で移動可能な第1のワイパを有する。また、サービスステーションは、印刷機構への取り付け時にインク残滓を第2のプリントヘッドから拭き取るワイピングストロークと、このワイピングストロークに続くインク残滓を掻き取るスクレイピングストロークとの間で移動可能な第2のワイパをさらに有する。可動パレットは、第1のワイパまたは第2のワイパのいずれかを置き換え可能に受けて、ワイピングストロークとスクレイピングストロークとを通して移送する。また、サービスステーションは、スクレイピングストローク中にパレットに取り付けられる際、第1のワイパまたは第2のワイパのいずれかに接触するように配置される掻き取り棒をさらに有する。掻き取り棒は、インク残滓を第1のワイパから掻き取る第1の領域と、インク残滓を第2のワイパから掻き取る第2の領域とを有し、この第1の領域と第2の領域とが分離している。
【0016】
本発明の別の一態様によれば、上述したワイパスクレイパサービスステーションシステムを含むものとして、インクジェット印刷機構が提供される。
【0017】
本発明のさらに別の一態様によれば、インクジェット印刷機構に取り付けられる際、互いに不相溶性のインクを分注する置き換え可能な第1および第2のプリントヘッドをプリントヘッド保守する方法が提供される。当該方法は、第1のワイパと、第2のワイパとを設け、第1の領域と、これと分離される第2の領域とを有する掻き取り棒をさらに設けるステップを含む。取り込みステップにおいて、第1のプリントヘッドは印刷機構のレセプタクルに取り込まれる。拭き取りステップにおいて、インク残滓は第1のワイパで第1のプリントヘッドから拭き取られ、次に掻き取りステップにおいて、インク残滓は、掻き取り棒の第1の領域との接触により第1のワイパから掻き取られる。除去ステップにおいて、第1のプリントヘッドはレセプタクルから除去され、取り込みステップにおいて、第2のプリントヘッドはレセプタクルに取り込まれる。別の拭き取りステップにおいて、インク残滓は第2のワイパで第2のプリントヘッドから拭き取られた後、掻き取りステップにおいて、インク残滓は、掻き取り棒の第2の領域との接触によって第2のワイパから掻き取られる。
【0018】
本発明の全体的な目的は、互いに不相溶性のインクジェットインクを担持する置き換え可能なインクジェットカートリッジを使用する際、印刷機構の寿命に亘って鮮明かつ緻密な像を確実に作像するインクジェット印刷機構を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、互いに不相溶性のインクジェットインクを分注する2つの置き換え可能なインクジェットプリントヘッドを拭き取るために使用されるプリントヘッドワイパからインク残滓を清浄することが可能なワイパスクレイパシステムを含む、取り替え可能なインクジェットプリントヘッドクリーナサービスステーションシステムおよび保守方法を提供することである。
【0020】
本発明のさらに別の目的は、特に永久的または半永久的なプリントヘッドを使用する場合に、プリントヘッド寿命を維持する取り替え可能なインクジェットプリントヘッドクリーナサービスステーションシステムおよび保守方法を提供することである。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明にしたがって構成される、産業、職場、家庭またはその他の環境において、従来の工学および設計図を印刷するとともに、高品位のポスタサイズのイメージ等を印刷する際に使用される、ここではインクジェットプロッタ20として図示されるインクジェット印刷機構の一実施形態を示す。種々のインクジェット印刷機構が市販化されている。たとえば、本発明を実施し得る印刷機構として、いくつか列挙すれば、デスクトッププリンタ、ポータブル印刷装置、コピー装置、カメラ、ビデオプリンタ、ファクシミリ機が挙げられる。便宜上、本発明の概念は、インクジェットプロッタ20の環境において例示される。
【0022】
各プロッタ要素がモデルごとにばらつくことは明らかであるが、典型的なインクジェットプロッタ20は、通常、プラスチック材料からなるハウジングまたはケーシング24によって囲まれたシャーシ22を含み、それらはともにプロッタ20のプリント組立部26を形成している。プリント組立部26は、デスクまたはテーブルトップにより支持されることが明らかであるが、プリント組立部26を一対の脚組立体28で支持することが好ましい。また、プロッタ20は、模式的にマイクロプロセッサ30として図示されるプロッタコントローラも含み、ホストデバイス、典型的には、パーソナルコンピュータまたはコンピュータ支援描画(CAD)コンピュータシステム(図示せず)等のコンピュータから命令を受信している。また、プロッタコントローラ30は、キーパッドを通して提供されるユーザ入力、およびケーシング24の外面に配置された状態表示部32に応答して動作するようにしてもよい。また、コンピュータホストと結合されるモニタを用いて、ホストコンピュータ上で走行しているプロッタ状態または特定プログラム等視覚情報をオペレータに表示するようにしてもよい。パーソナルおよび描画コンピュータ、その入力システム、たとえば、キーボードおよび/またはマウス等ならびにモニタは、すべて当業者に周知である。
【0023】
従来の印刷媒体ハンドリングシステム(図示せず)を使用して、ロールから印刷ゾーン35を介して印刷媒体34の連続シートを送ってもよい。印刷媒体は、用紙、ポスタボード、織地、トランスパレンシ、マイラ等いずれのタイプの適当なシート材料であってもよいが、便宜上、用紙を印刷媒体として使用して図示の実施形態を説明する。キャリッジガイド棒36は、シャーシ22に取り付けられ、走査軸38を画定するとともに、ガイド棒36は、印刷ゾーン35上を前後往復して移動するインクジェットキャリッジ40を摺動可能に支持している。従来のキャリッジデバイスモータ(図示せず)を用いて、コントローラ30から受信された制御信号に応答してキャリッジ40を駆動するようにしてもよい。キャリッジ位置フィードバック情報をコントローラ30に提供するために、従来の金属製エンコーダ帯片(図示せず)が、印刷ゾーン35の長さ方向に、サービス領域42を越えて伸長されるようにしてもよい。従来の光学エンコーダリーダをプリントヘッドキャリッジ40の背面に搭載して、エンコーダ帯片によって提供される位置情報を読み取るようにしてもよく、これについては、たとえば、本発明の譲受人にであるヒューレット・パッカード・カンパニーに譲渡されている米国特許第5、276、970号に記載されている。エンコーダ帯片リーダを介して位置フィードバック情報を提供する方法についても、当業者に周知の種々の方法で達成してもよい。像の印刷が完了すると、キャリッジ40を用いて、媒体の末尾部分を横切るように切断機構を引くことで、ロール34の残り部分から像を分断することができる。適切なカッタ機構は、本願譲受人であるカリフォルニア州パロアルトのヒューレット・パッカード・カンパニーによって製造されたDeskJet(商標)650Cおよび750Cカラープロッタにおいて市販化されている。勿論、シート分断は、当業者に周知の種々のその他方法で達成してもよい。さらに、図示のインクジェット印刷機構は、ロール34において搬送される媒体上ではなく予め切り込みの入ったシート上で像を印刷する際にも使用可能である。
【0024】
印刷ゾーン35において、媒体シートは、さらに詳細を図2に示す黒インクカートリッジ50および3つのモノクロームカラーインクカートリッジ52、54および56等のインクジェットカートリッジからインクを受ける。カートリッジ50〜56は、当業者にはしばしば「ペン」と呼ばれる。図示の目的で、カラーペン52、54および56は、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色の染料系インクをそれぞれ含有するとして説明されているが、カラーペン52〜56は、実施例によっては、顔料系インクを含有するようにしてもよいことは明らかである。また、パラフィン系インク、染料と顔料の特性を併せ持つハイブリッドまたは合成インク等、他のタイプのインクをペン50〜56に使用してもよい。図示のプロッタ20は、各インク(黒、シアン、マゼンタ、イエロー)の主要の固定式リザーバ(図示せず)がインク供給領域58に配置される「偏心」インク配給システムを使用している。この偏心システムにおいて、ペン50〜56は、従来の可撓配管システム(図示せず)を通って固定式主要リザーバから搬送されるインクにより補給されてもよいため、ごく少量のインク供給が、キャリッジ40により、プリントヘッド進路から「偏心」して配設される印刷ゾーン35を横切って促進される。本明細書で使用される「ペン」または「カートリッジ」という用語は、取り替え可能なプリントヘッドカートリッジも表すようにしてもよく、各ペンには、プリントヘッドが印刷ゾーンを往復するのにともなってインク供給全体を担持するリザーバが設けられている。
【0025】
図示のペン50、52、54および56は、プリントヘッド60、62、64および66をそれぞれ有し、これらが、インクを選択的に放出することで印刷ゾーン35の媒体34のシート上に像を形成している。これらのインクジェットプリントヘッド60〜66には、たとえば、20乃至25ミリメートル程度(約1インチ)の幅以上の大きなプリントスウォースがあるが、本明細書において記載されるプリントヘッド保全の概念は、これより小型のインクジェットプリントヘッドについても適用可能である。ここで開示されるプリントヘッド60〜66を清浄する概念は、完全取り替え可能なインクジェットカートリッジ、ならびに図示の偏心半永久または永久プリントヘッドについても等しく当てはまるが、図示のシステムの利点は、長寿命のプリントヘッドが特に求められる偏心システムにおいてより実現可能である。
【0026】
プリントヘッド60、62、64および66は、複数のノズルが当業者に周知の方法でその中心を通るように形成されたオリフィス板をそれぞれ有する。各プリントヘッド60〜66のノズルは、通常、少なくとも1つの、ただし典型的には2つの線形アレイにオリフィス板に沿って形成される。したがって、本明細書で用いられる「線形」という用語は、「ほぼ線形」または略線形として解釈可能であり、その配置が互いに僅かにずれている、たとえば、ジグザグ配置のノズル構成を含んでもよい。各線形アレイは、通常、走査軸38と直交する長手方向に整列され、各アレイの長さは、プリントヘッドの1回の通過での最大イメージスウォースを決定する。図示のプリントヘッド60〜66は、サーマルインクジェットプリントヘッドであるが、圧電プリントヘッド等、他のタイプのプリントヘッドを使用してもよい。典型的なサーマルプリントヘッド60〜66は、ノズルと対応している複数の抵抗体を含む。選択された抵抗体を付勢すると、気泡が形成され、ノズルから、ノズルの下にある印刷ゾーン35の用紙シートにインク小滴を放出する。プリントヘッド抵抗体は、コントローラ30からプリントヘッド40に搬送されるコマンド制御信号の発射に応答して選択的に付勢される。
【0027】
(取り替え可能なプリントヘッドクリーナサービスステーションシステム)
図2は、ペン50〜56を、本発明にしたがって構成される取り替え可能なプリントヘッドクリーナサービスステーションシステム70によって保守できるように位置決めされるキャリッジ40を示す。サービスステーション70は、並進移動可能なパレット72を含み、これが、モータ74によって、コントローラ30から受信される駆動信号に応答して前後方向76、78にラック・ピニオンギアアセンブリ75を通して選択的に駆動される。サービスステーション70は、本発明にしたがって構成される、プリントヘッド60、62、64および66をそれぞれ保守する4個の取り替え可能なインクジェットプリントヘッドクリーナユニット80、82、84および86を含む。クリーナユニット80〜86は、それぞれ取り付け/取り外しハンドル88を含み、クリーナユニット80〜86を、サービスステーションパレット72によって画定されるそのそれぞれのチャンバまたはストール90、92、94および96に取り付け時にオペレータが掴持することができる。取り外した後、クリーナユニット80〜86は、通常、廃棄されて新品と取り替えられるため、ユニット80〜86は、「使い捨てクリーニングユニット」ということもできるが、消費ユニットをリサイクリングセンタに回収して改品することが好ましい。オペレータが、正しいクリーナユニット80〜86を対応のストール90〜96に取り付けやすくするために、パレット72は、黒ペン50に対応する「B」のマーキング97等のインディシア(indicia)を設けてもよく、黒プリントヘッドクリーナユニット80は「B」マーキング98等の他のインディシア(indicia)を設け、オペレータがマーキング97と照合させて正しい取り付けを確実に行うことができる。
【0028】
図3は、黒プリントヘッドクリーナユニット80と、カラークリーナユニット82〜86とを組み立てる要素を含む、総合クリーナユニットアセンブリ100を示す。図で見て一番下付近から上へと辿っていくと、総合クリーナユニット100は、ベース102を含み、これに黒色クリーナユニット80の「B」マーキング98等のインディシア(indicia)をラベル104が表し、ラベルはベース102の外面に貼着してもよい。さらに、クリーナユニット80〜86を誤ったパレットストール90〜96に物理的に差し込むことが確実にできないようにするために、クリーナユニット80〜86それぞれに固有の一連の取り付けタブは、ベース102の奥の隅105に沿って成形し、対応するスロットがパレット72のストール90〜96の奥部において供給されている。ベース102は、インク溶剤チャンバ106とインクつぼチャンバ108とを含む2つのリザーバチャンバを形成する。ベース102の他の特徴としては、4個のカム面またはカムランプ110があり、後に説明するように、プリントヘッドキャッピングおよびアンキャッピングプロセス中に使用される。また、ベース102は、キャップ戻しスプリング取り付け壁112と、溶剤アプリケータスプリング取り付け壁114と、黒ワイパ取り付け壁116と、カラーワイパ取り付け壁118と、を含むクリーナユニット100の他の要素の異なる取り付け場所もいくつか形成し、黒とカラーワイパ取り付け壁116および118との間にはブレース壁119が延びている。
【0029】
また、総合クリーニングユニットアセンブリ100は、キャップスレッド戻りスプリング120をさらに含み、このスプリングには、ベース102のキャップスプリング取り付け壁112が受ける取り付けリップ122が設けられている。カラークリーナユニット82〜86では、インクつぼ108にはインク吸収剤124が充填されており、これは、気泡材料からなることが好ましいが、種々の他の吸収材料を使用してもよい。吸収剤124は、カラープリントヘッド62〜66からインクスピットを受け、揮発性物質または液体成分が蒸発する一方このインクを保持し、気泡材料のチャンバ内部に閉じこめられたインクの固体成分を残している。黒色クリーナユニット80のインクつぼ108は、空のチャンバとして供給され、クリーナユニットの寿命に亘ってタール状の黒インク残滓で充填している。
【0030】
二枚羽根状のワイパアセンブリ125は、2枚のワイパブレード126および128を有し、これらは、ヒューレット・パッカード・カンパニーの米国特許第5、614、930号に記載されるように、湾曲している外側のワイピングエッジと角張った内側のワイピングエッジとで構成されることが好ましい。ワイパアセンブリ125は、ベース部129を含み、黒色クリーナユニット80を組み付ける際に黒色ワイパ取り付け壁116を弾性的に掴持している。カラークリーナユニット82〜86を組み付ける場合、ワイパベース129は、カラーワイパ取り付け壁118に取り付けられる。ワイパアセンブリ125のそれぞれは、ニトリルゴム等、可撓性のある弾性的な非摩耗性(non-abrasive)エラストマー材料で構成されることが好ましく、さらに好ましくは、エチレンポリプロピレンジエンモノマー(EPDM)または匹敵する当業界において周知の他の材料で構成される。ワイパ125について、適当なデュロメータ、すなわち、エラストマーの相対硬度は、ショア(Shore)Aスケール35乃至80の範囲で選択されてもよく、より好ましくは60乃至80の範囲であり、さらに好ましくは70+/−5のデュロメータであり、これが標準的な製造公差の範囲である。
【0031】
黒ペン50内部の顔料系インクを保守するために使用される黒色クリーナユニット80を組み付ける際、インク溶剤チャンバ106は、インク溶剤130を収容し、該溶剤は、チャンバ106に取り付けられた多孔性溶剤リザーバ本体またはブロック132において保持される。好ましくは、リザーバブロック132は、多孔性材料、たとえば、ポリウレタン発泡体、焼結されたポリエチレン、または当業者に周知の他の機能性の同様な材料等の連続気泡熱硬化性プラスチックで形成されることが好ましい。インクジェットインク溶剤130は、空気から水分を吸収する吸湿性材料であることが好ましいが、これは、水分は図示のインクにとって良好な溶剤であることによる。適切な吸湿性溶剤材料としては、ポリエチレングリコール(PEG)、リポニック(lipponic)エチレングリコール(LEG)、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリンまたはその他、同様の特性を有する当業者に周知の材料が挙げられる。これらの吸湿性材料は、蒸気圧がほぼゼロであるため、長期間乾きにくい液体またはゼラチン状の化合物である。図示の目的で、リザーバブロック132には、好ましいインク溶剤であるPEGが浸漬されている。
【0032】
溶剤130をリザーバ132から搬送するために、黒色クリーナユニット80は、溶剤アプリケータまたは芯部材134を含み、リザーバブロック132の下に、アプリケータ芯(wick)135とベース136で構成されている。アプリケータ芯135を適所で保持するために、黒色クリーナユニット80は、芯(wick)スプリング138を含み、アプリケータ芯135の遠端部を収容するリップ140で終端している。芯135をさらに支持するために、芯スプリングは、二対の支持タブ142をさらに含む。芯スプリング138は、ベース102のスプリング取り付け壁114により支持される取り付けタブ144を有する。芯スプリング138の別の特徴は、リザーバ固着タブ146であり、溶剤リザーバブロック132の上部サービス面を覆って休止することで、ベース102の溶剤チャンバ106内部で適宜保持することができる。
【0033】
また、総合クリーニングユニットアセンブリ100は、キャップスレッド150をさらに含み、その活性化壁151の背面がプリントヘッドによってキャッピング位置に押しつけられ、前面によりスレッドを休止位置に戻す。キャップスレッド150は、4個のカム従動子152を有し、それらはベース102のカム面またはカムランプ110に沿って乗っている。このキャップスレッド150の内部は、圧縮スプリング155を受けるスプリング受けチャンバ154を形成している。キャップスレッド150は、一対の横方向に対向するスロット156と一対の縦方向に対向するスロット158および159とを画定し、スロット156および158は、囲いスロットであり、スロット159は、クリーナユニットの組付けを助ける上部が開口した端部を有する。
【0034】
また、総合クリーニングユニット100は、キャップリテーナ160をさらに含み、その一対の横方向に対するピンまたはポスト162が、キャップスレッド150の一対のスロット156の内部に捕捉される。キャップリテーナ160は、2つの縦方向に対向するピンまたはポスト164および165をさらに含み、キャップスレッド150のそれぞれのスロット158および159に収容される。ポスト162、164および165をスロット156、158および159ならびにスプリング155と併用することで、キャップリテーナをキャップスレッド150にジンバル取り付けし、リテーナ160をZ軸方向に移動するとともに、X軸とY軸の間に傾けて、プリントヘッド60〜66のシールを助けている。また、キャップリテーナ160は、一対のキャップリップ取り付けポストまたはフランジ166をさらに含む。また、リテーナ160は、上面168が、一連のチャネルまたはトラフを形成し、シール時にプリントヘッド60〜66がプライム不足にならないように通気路として作用しているが、これについては、たとえば、本願の譲受人であるヒューレット・パッカード・カンパニーに現在譲渡されている特許許可された米国特許出願第08/566、221号に記載されている。
【0035】
キャップリテーナ160の上にはキャップリップ部材170が載置され、ワイパアセンブリ125に使用される同一材料で構成してもよい。キャップリップ部材170は、ベース部172が、これを貫通する一対の取り付け孔174を形成し、保持フランジ166を覆ってスリップ嵌め(slip-fit)またはプレス嵌め(press-fit)される。各保持フランジ166のトランクは、トランクの直径より直径が長いヘッドで終端している。各フランジトランクの長さは、キャップリップベース部172の厚みと略等しくなるように選択されるため、ベース部172の上方にはフランジ166のヘッドのみが延在している。持続的な嵌合を確保するために、キャップ保持ポスト166を成形加工してもよい。リップ部材170のエラストマー材料により、取り付け孔174を取り囲む材料は、フランジ166のトランク部を弾性的に掴持して、リテーナ160に対してリップアセンブリ170を保持している。リップベース172から上方向にリップ部材175が延在し、プリントヘッド60〜66のノズルの周りに、さらに詳細を後述するキャッピング工程中にこれと接触する際に延在するように寸法されている。キャッピング中にプリントヘッド60〜66のノズルをプライム不足にならないようにするために、リップベース172は、一対の通気口176がこれを通って延在し、キャッピング持に、リップベース172、リップ175およびプリントヘッド60〜66のオリフィス板の下部表面によって形成されるシーリングチャンバの両端に沿って圧力を緩和する助けとなっている。通気孔176により、空気はこのシーリングチャンバから、キャップリテーナ160の表面168によって画定されるラビリンス通気路に沿って逃げる。
【0036】
また、総合アセンブリ100は、ここでは黒色クリーナユニット80用として図示されるカバー180をさらに含む。カバー180は、4個の上部ランプまたはカム面182を形成し、ベースユニット102のカムランプ110と協働して、キャップスレッド150のカム従動子152をその間にクランプし、アンキャップ位置とキャップ位置との間で移動する。カバー180は、キャップ開口部184をさらに形成し、リップ部材170がこれを通ってプリントヘッド60〜66をシールする。また、カバー180は、インクつぼ開口部または入口185を形成し、これを通ってインクスピットがカラークリーナユニット82〜86のカラーインクつぼ吸収剤124に、または黒色クリーナユニット80の開口インクつぼ108の内部に搬送される。また、カバー180は、黒色ワイパ開口部186をさらに形成し、ベース102の黒色ワイパ取り付け壁116に取り付けられる際、ワイパアセンブリ125がこれを通って延設している。カバー180は、図6に示すように、カラーワイパ開口部を位置188に配置して、ワイパアセンブリ125が、ベース102のカラーワイパ壁118に取り付けられる際にこれを通って延設できるように容易に修正され得ることは明らかである。
【0037】
総合クリーナアセンブリ100は、プリントヘッド60〜66の後方対向の垂直壁部を清浄するためのスノートワイパ190をさらに含み、ペン50〜56の電気的な相互接続部まで通じているが、これについてはさらに詳細を図10を用いて説明する。スノートワイパ190はベース部192を含み、これが、カバー180によって形成されるスノートワイパ取り付け溝194に収容される。スノートワイパ190は、ワイパブレード126および128において上述したように、丸形と角形のワイピングエッジとを組み合わせたものとしてもよいが、スノートワイパがインクをノズルから抜液する必要がないため丸みを帯びた矩形のワイピングエッジが好ましい。また、ベースカバー180は、溶剤アプリケータフード195をさらに含み、溶剤アプリケータ芯135と芯スプリング138のリップ部140の極端部を組み付け時に遮蔽している。
【0038】
図4および図5は、閉塞(occlusion)または遮断(blockage)のプリントヘッドノズルを清浄するスピッティングプロセスを示し、図4は、黒ペン50がインク小滴196をインクつぼ108の底部に吐き込む状態を、図5は、カラーペン56の1本がカラーインク小滴198を吸収剤124上に吐出する状態をそれぞれ示す。上記で簡単に記載したように、黒プリントヘッドクリーナ80のインクつぼ108は吸収剤を含まないため、リザーバ床の底面に沿って粘性のある黒インク残滓196が蓄積する。カラーインク198はパッド124に吸収されて固体を集積する一方、カラーインク198内の揮発性物質を気化させる。黒色顔料系インク196は、カラーインクほど速乾性はなく、粘着性のある(sticky)タール状の残滓を形成し、これが、黒プリントヘッドクリーナ80のインクつぼ108のベースに収集されるという利点がある。
【0039】
図6は、カラークリーナユニット82〜86のワイパアセンブリ125の位置において、パレット72(はっきりさせるために図6から省略されている)がクリーナユニットを後ろ方向78に移動する場合のワイピングストロークの開始直前の状態を示す。黒プリントヘッド60を黒色クリーナ80のワイパアセンブリ125で拭き取るために、キャリッジ40は、図6で見て右側に、走査軸38に沿って移動され、黒色ワイパを黒プリントヘッドと整列させる。カラープリントヘッドクリーナ82〜86のワイパを黒プリントヘッドクリーナ80のワイピング位置からずらすことで、黒プリントヘッド60を清浄するために利用される方法と比べて、カラープリントヘッド62〜66を清浄する際に様々な拭き取り方式を採用することができるという利点がある。カラーおよび黒ペンをともに同一速度で拭き取ることが図示の実施形態では好ましいが、個別の拭き取り方式を採用できることにより、カラーおよび黒印刷に異なるタイプのインクを使用する際に特に有利である。
【0040】
たとえば、いくつかの実施例において、カラー染料系インクに比べて粘性の低い黒色顔料系インクには低速の拭き取り速度を用いることは有利である。ワイピングストロークが低速すぎると、染料系カラーインクジェットペン52〜56から余分なインクが吐き出される(wick)。この余分な染料系インクは、結局、ワイパに残滓を堆積させてしまうため、将来拭き取り効率の低下を招くとともに他の問題も引き起こす。実際、タール状の顔料系インク残滓を黒プリントヘッド60から清浄するために、スクラブタイプの拭き取りルーチンが好ましい。全てのプリントヘッドを同時に、染料系インクに適応するように高速で拭き取ることが必要とされれば、顔料系インクのワイパは、インク残滓と完全な接触ができなくなってしまう。代わりに、ワイパは、ジャークまたはスタッタータイプの動きでタール状顔料系インク残滓から形成されたバンプを飛び越してしまい、残滓をプリントヘッドから除去することができない。カラーワイパを黒色ワイパの拭き取り位置からずらすことで、サービスステーション70は、カラープリントヘッド62〜66を清浄するために使用される拭き取り方式を、黒プリントヘッド60を清浄するために使用されるものと別に仕立てることができる。
【0041】
図7は、黒プリントヘッド60を拭き取る、図示の黒色クリーナ80のワイパ126、128によるワイピングストロークを示す。このストローク中、クリーナ80は、後ろ方向78に移動され、ワイパブレード126の丸形の外側ワイピングエッジがまずプリントヘッド60に接触した後、ブレード126の角形の内側ワイピングエッジが接触する。ブレード128の丸形ワイピングエッジは、ストローク中に溶剤および潤滑剤として作用する毛管作用によりノズルからインクが吐き出され、または抜液され、次にブレード126の内面に沿って角形ワイピングエッジに続き、プリントヘッド60に残っている吐き出されたインクおよび溶解されたインク残滓があればこれを除去する機能を奏することが、ヒューレット・パッカード・カンパニーの米国特許第5、614、930号に記載されている。黒プリントヘッド60を清浄するために使用される同一の拭き取り機構は、カラープリントヘッド62〜66を清浄するためにも使用され、実際、ブレード126、128が対称的な性質であれば、同様のワイピングストロークが前方向76でなされ、同一の結果を達成し得ることが明らかである。
【0042】
また、図7は、インク溶剤130、ここではポリエチレングリコール(PEG)300トリートメント液をプリントヘッド60の先端200に塗布することを示す。上記従来の技術の項で上述したように、ヒューレット・パッカード・カンパニーのHP2000Cカラーインクジェットプリンタもインク溶剤を使用するが、HP2000Cプリンタの溶剤システムは、インクジェット印刷ユニットの永久部分であるが、黒プリントヘッドクリーナ80は取り替え可能であるため、本明細書に開示されるシステムとは異なる。さらに、HP2000Cプリンタでは、インク溶剤はまずワイパに塗布され、次にワイパが溶剤をプリントヘッドに塗布するが、プリントヘッドクリーナ80は、溶剤130を直接プリントヘッド60の先端200に塗布することが、図7の破線で示されている。
【0043】
再び図4に戻って、溶剤リザーバブロック132は、ボンディングされたナイロン材料で構成されることが好ましく、芯部材134は、連続気泡ポリウレタン発泡体、そして補強スプリング140は、シートメタル材料で構成されることが好ましい。このシステムを用いて、1回の塗布につき、0.5mg(ミリグラム)程度の溶剤130をプリントヘッド60に塗布する。溶剤は、プリントヘッドの表面でインク残滓を溶解する機能が主にあるが、ワイピングストローク中に潤滑剤としての第2の機能も供する。PEG300は、プリントヘッドの寿命を通して、良好なノズル健全およびオリフィス板の清潔を維持するためにワイパを支援する好適なトリートメント液である。溶剤リザーバ132およびアプリケータ芯138は、10cc(立方センチメートル)程度のインク溶剤130を一緒に保管するよう寸法されることが好ましいが、図示の実施形態では、8ccの溶剤130は、さらに好ましい量である。
【0044】
図7の破線で示すようにプリントヘッド60の先端200がアプリケータ135に接触すると、液体130は、アプリケータ芯135がプリントヘッドによって圧迫されて分注される。アプリケータ芯135の発泡体が圧迫されると、溶剤130は、発泡体のセルからプリントヘッド先端200に押し出される。芯スプリング138は、好ましくは予荷重をもたせて形成され、プリントヘッド60によって圧迫されると抗力を与えて芯135の発泡体を支持する。次に液体130は、続くワイピングストローク中、ワイパ126、128によってオリフィス板上で分配される。したがって、前回の塗布からすでにプリントヘッド60およびワイパ126、128にある現在量の溶剤には、それぞれ連続するインク溶剤130の分注が加えられる。0.5mgが通常の塗布である1回の塗布につき、好ましくは、平均0.2乃至0.8mgの液体を分注することが好ましい。
【0045】
さらに、インク溶剤130は、プリントヘッド60の相互接続側202のノンスティック薄膜障壁として作用する。開発研究において、塗布される液体130があまりに少量であると、インク残滓がオリフィス板上で堆積し、塗布される液体が多すぎると、インクと混合される余分な溶剤130がペンに堆積し、印刷ページに周期的に点滴する可能性があることがわかってきた。さらに、液体が多すぎると、溶剤130がプリントヘッド60のノズルに吸入され、ノズルからPEG溶剤130を清浄するスピッティングルーチンを実行している間に待ち時間を要するペン印刷の問題を引き起こす。したがって、多すぎず、少なすぎない所望の量の液体130の塗布は難題となっている。
【0046】
芯部材134は、プリントヘッド60に溶剤130を塗布するとともに、液体130をリザーバブロック132からアプリケータ135に移送する機能を果たす。芯部材134に選出される材料は、リザーバブロック132の毛管圧力を克服する十分に高い毛管圧力を有し、かつ図7の破線で示すように液頭が塗布点まで垂直に上昇するように選択される。たとえば、アプリケータ芯135の毛管圧力が上昇する静止状態は、PEG300溶剤130において150mm(ミリメートル)を上回る。芯部材134に選択される材料は、自己湿潤性または親水性であるため、材料は、一旦リザーバブロック132と接触すると液体がその自由意志で充填する。芯部材134の他の物理的特性は、発泡体が、プロッタ20とともに、発泡体において生じる製造公差のばらつきの範囲を通して、特定量の液体、ここでは0.2乃至0.8ミリグラムを塗布するように選択される。液体分注用途に影響を及ぼす芯部材134の主要な物理的特性の1つは、発泡体の剛性であり、剛性に起因する主なものとして、圧縮係数、すなわち、発泡体の事前フェルト(pre-felt)と事後フェルト(post-felt)厚みの比であり、事後フェルトの厚みが主要因である。ポリウレタン系ポリマーの物理的特性も芯部材134の発泡体の剛性に影響を与える。
【0047】
インク溶剤分注システムの別の重要な要素は、液体リザーバブロック132に選択される材料であり、好ましくは、物理量27cc(立方センチメートル)かつPEG溶剤130の吸収容量25ccの引出成形された(pultruded)ボンディングナイロン繊維材料である。リザーバ132には、最大50%容量で充填され、最大50%の水分を高湿度条件の大気から吸収するスペースが可能である。液体リザーバ132の上昇高度毛管圧力(ascending height capillary pressure)は、PEG−300溶剤130において30乃至40mm(ミリメートル)になるように選択される。この毛管圧力は、移送中、またはクリーナ80を直立した場合にPEG溶剤130がリザーバ132から漏出しないように十分に高くなるよう選択されるとともに、液体130が芯部材134に自由解放されるように十分に低くなるようにも選択される。
【0048】
プリントヘッドクリーナ80のインク溶剤分注システムを実施する際に重要なもう1つの要素は、芯スプリング138である。芯スプリング138は、上記で図3について簡単に説明したようにアプリケータ芯135を支持し、位置決めする。芯スプリング138の主要な機能は、図7の破線で示すように、アプリケータがプリントヘッド先端200と接触する際にPEG溶剤130をアプリケータ芯135から排出するように周知の抗力を提供することである。
【0049】
芯スプリング138を予荷重で付勢する、すなわち、芯スプリング138を取り付けタブ144から後ろ方向78に倒すことによって、1ニュートン程度の略一定のスプリング力により予荷重を生成するという利点がある。この予荷重は、プロッタ20の組み付け時にサービスステーション軸位置決め精度と公差のスタックにかかわらず液体分注量を確実に一定にする。たとえば、市販化されている印刷ユニットでは、典型的なプリントヘッドとクリーニングユニットとの間隔のばらつきは、2乃至4mm(ミリメートル)の程度とすることができる。芯スプリング138に予荷重を加えることで、プリントヘッド先端200に対するアプリケータ芯135の接触位置のばらつき、および傾斜角度等のばらつき等、芯スプリング138自体の製造上のばらつきのいずれかに起因するスプリング力のばらつきを最小限に抑えるという利点がある。
【0050】
好ましくは、芯スプリング138は、リップ部140に到達する直前に約45°に湾曲または傾斜している。この45°に傾斜された湾曲部により、アプリケータ芯135は、アプリケータ135に対する隅200のZ軸の位置合わせにかかわらず、確実にプリントヘッド60の先端200のみに接触する。このような、プリントヘッド先端200に対向する芯の湾曲部(図7の破線)を利用することで、プリントヘッド60と接触する発泡体の面積は、組み付けられる要素のZ軸の位置合わせにかかわらず一定になり、安定した液体塗布を確保している。さらに、芯スプリング138に予荷重を加えたスプリング力は、アプリケータ135に対するプリントヘッド60の縦軸またはZ軸の位置合わせにかかわらず、後ろ方向78に一定のY軸スプリング力を提供するように機能する。したがって、Z軸に位置合わせ不良があっても、分注される液体の量に及ぼす影響はほとんどない。これは、芯135の傾斜部とプリントヘッド60の先端200との接触の表面積が、その間のZ軸の位置合わせ不良にかかわらず略一定であることによる。
【0051】
黒プリントヘッドクリーナ80のインク溶剤塗布システム部を使用することで、種々の利点が実現される。たとえば、インク溶剤130を芯135で塗布することで、インク溶剤システムを使用しない他のプリンタと比較して黒プリントヘッド60の有効寿命(usable life)が延長され、永久的または半永久的なプリントヘッド60等の長寿命プリントヘッドの拭き取りが成功しやすくなる。インク溶剤130の適度なコーティングがない場合、顔料系インク196を分注するオリフィス板は、汚れでクラスト形成され、結局プリントヘッドの有効寿命を制限してしまうことが試験でわかった。さらに、インク溶剤130の使用により、オリフィス板に堆積されたインク残滓が溶解するとともに、インク残滓がプリントヘッド60のオリフィス板にさらに付着しないように非粘着性液体障壁を提供する。最後に、溶剤130は、ワイパ126、128を潤滑し、プリントヘッドに加えられたワイパ接線力を低下するとともにワイパ摩耗も減少する。
【0052】
また、インク溶剤130の使用により、インク現像に対する制約としてワイパ性(wipability)をなくすことによって、より広範なインクタイプが使用可能である。新たなタイプのインクを使用した結果、印刷ページの品位に関して多数の重要な顧客利点が得られる。たとえば、(1)高光学密度のインクの使用、(2)高速スループット(1分あたりのページ数)を可能にし、(3)耐光性に優れ、(4)耐スミア性(smear fastness)に優れ、(5)耐水性に優れ、(6)全体的な信頼性向上を可能にする。第1に、黒色顔料系インクの使用により、高光学密度が得られ、インクビヒクルに添加される黒色顔料のパーセンテージに直接関係する。実際、黒色顔料系インクカートリッジの初期開発中、顔料負荷は、インクのワイパ性により制約され、黒色顔料が多すぎると黒インク残滓の固体状の塊がオリフィス板に堆積し、採用される初期のワイピングシステムでは除去することができなかった。PEGインク溶剤130を使用することで、黒色顔料の濃度が高い分注インク196であっても、オリフィス板をきれいに拭き取ることができるという利点がある。
【0053】
第2に、1分あたりのページ数で測定される高速スループットを達成することでは、インクが速乾性であることが要求される。しかしながら、速乾性インクは、急速に乾き、ワイピングストロークを行う前にオリフィス板に付着してしまうため、拭き取りにくいという傾向がある。PEGインク溶剤130の使用は、乾燥したインクを再溶解するため、次のワイピングストロークによって除去できるという利点がある。
【0054】
第3に、耐光性の向上は、保守しやすいがしばしば顔料系インクほど耐光性に優れない染料系インクと比較して顔料系インクの使用で見られる。保守の観点から、顔料系インクの問題は、拭き取りにくい固体状の塊をオリフィス板に形成してしまうことであるが、この問題は、オリフィス板をきれいに拭き取ることを容易にするPEG溶剤130を使用することで解決される。
【0055】
第4に、耐スミア性について、インク中の粘着性のある高分子バインダを用いて耐スミア性を向上してもよいが、これらのバインダは、紙の繊維とともにオリフィス板にも付着しやすい。高分子バインダは、インク溶剤130を使用することなくオリフィス板から拭き取ることは非常に困難である。したがって、溶剤130を使用することによってこれらの高分子バインダは問題でなくなる。
【0056】
第5に、耐水性について、黒インク196の高分子バインダと顔料の両方を使用すると、その両方は本来水溶性ではないため、インクの耐水性を向上する。最終的に、高信頼性について、インクの化学的安定化は、ペン全体の信頼性に影響し、インク溶剤を使用しない場合、特にインククラストがプリントヘッド60から除去されにくいインク残滓物質の1つであるため、インククラスト形成を回避するためにインク組成中により多くの有機物が必要とされる。残念ながら、インク組成物に有機物を添加することによって顔料定着、ノズル詰まりおよび凝固の原因ともなり、これらはすべてインクの信頼性を低下する。したがって、インク溶剤130の使用により、インク組成中の有機物を少量にすることが必要とされ、この結果、インクの信頼性が高まる。
【0057】
黒プリントヘッドクリーナユニット80の液体分注システムを使用することで、種々の他の利点が実現される。たとえば、特定の実施例および清浄されるプリントヘッドのタイプによって、製品開発中に、種々の異なる方法、たとえば、芯スプリング138のスプリング力を変える(たとえば、曲げ角度を調整し、異なるスプリング厚みを使用することによって、または異なるスプリング形状によって)、芯部材134の発泡体形状を変える、芯部材134の発泡体特性(たとえば、剛性、1インチあたりの孔数またはベース気泡材料)を変える、リザーバブロック132の材質的特性(たとえば、密度)を変える、またはリザーバブロック132の充填量を変えることによって液体の量を調整または調節することができる。したがって、アプリケータ135から分注されるPEGインク溶剤130の量を、予想されるプリンタ用途とサービスステーション保守ルーチンの両方に基づいて最適量に仕立てることが可能である。
【0058】
さらに、アプリケータ芯135の使用により、溶剤130をプリンタにおける動きの一軸のみを使用して分注する、すなわち、図7の矢印78で示すように後ろにクリーニングユニット80を移動することができる。この単一の運動軸システムは、ヒューレット・パッカード・カンパニーのHP2000Cカラーインクジェットプリンタに使用される等、溶剤塗布用のワイパを回転上昇させる初期の溶剤塗布システムに比べてはるかに単純である。したがって、溶剤芯アプリケータ135をキャッピングアセンブリ170およびキャップスレッド150とともに使用することで、取り替え可能なサービスステーション70の単一軸駆動、すなわちY軸に沿った動きが可能となる。
【0059】
図示の溶剤分注システムの別の利点は、インク溶剤130をリザーバブロック132に保管することで、リザーバ132が十分に高い毛管圧力を提供するため、出荷中に液体が確実に漏出しないようにして、温度範囲、湿度範囲のばらつきならびに出荷時の振動等を含む出荷環境に曝される場合に液体すべてを全方位で保持することである。さらに、取り替え可能なプリントヘッドクリーナ80の使用により、新しいインク溶剤130を、クリーナ80を取り替える都度、補給し、リザーバは、十分な液体量を担持するのは、プロッタ80の寿命全体に亘る必要はなく、クリーナ80の寿命期間だけでよい。さらに、インク溶剤130を取り替え可能なクリーナユニット80に含有させることによって、顧客は、印刷機構20の寿命に亘って液体130を別々に補給または取り替える必要はなくなる。したがって、インク溶剤130の取り替えは、顧客にとって根本的にはっきりしている、顧客が清浄液130を取り替える理由を認識または理解する必要なくこの補給を可能にする動作である。
【0060】
図8は、プリントヘッドキャッピングルーチンを示し、ここでは、シアン清浄ユニット86によってキャップされるペン56のシアンプリントヘッドを示している。ここで、サービスステーションパレット72は、キャップスレッド150の活性壁151が、カム面110と182との間にカム従動子152が破線で図示される点で、ペン56の前方対向面に接触するまで矢印78に示す後ろ方向に移動している。さらに後ろ方向78の動きにより、図8において実線で示すように、カム従動子152がカム面110と182の間を上方向に移動するとキャップスレッド150を上昇する。したがって、クリーナユニット86の線形運動は、カム従動子152がカムランプ110、182に沿って上に移動することによってキャップスレッドが上昇すると、鉛直運動に移行される。カム面110、182およびカム従動子152の使用により、パレット72の純粋な線形運動によりキャッピングが達成されるため、2つの軸サービスステーション駆動の必要をなくして、キャッピングを達成するために回転または回転と並進運動の組合せを必要としないという利点がある。したがって、取り替え可能なサービスステーションユニット70は、サービス機能すべてを達成するために1つのモータ74のみで済むため、より高信頼性かつコスト削減とともに最終的な消費者の省電力も得られる。
【0061】
このクリーナユニット80〜86のキャッピング機構は、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDesignJet(商標)2500CPインクジェットプロッタの、上記の従来技術の項で記載した初期の取り替え可能なプリントヘッドクリーナとかなり異なる。この初期のシステムでは、キャップ駆動を達成するには、取り替え可能なサービスステーションユニットを対応するプリントヘッドに接触させ、2つの駆動軸を必要とする、すなわちキャッピングを達成するためにサービスステーションを上下左右に移動しなければならなかった。そうでなければ、取り替え可能なクリーナユニット80〜86は、クリーナユニットの純粋な並進運動によりキャッピング上昇を達成するよう設計される。
【0062】
不活動期間中にインクジェットプリントヘッドが空気に曝されると、インクの揮発成分がプリントヘッドノズルから蒸発してしまうため、キャッピング動作は非常に重要である。したがって、エラストマーキャップの使用は、プリントヘッドをシールすることで、プリントヘッドの不使用時に塵埃および汚れを含む周囲環境条件から分離するために実用化されてきた。プリントヘッドにシールを形成することによって、キャップは、揮発性インク成分のノズルからの損失を遅らせるとともに、ノズルの周りの湿潤環境を維持し、硬いインクプラグをその中に形成してノズルをブロックすることがないようにしている。さらに、プリントヘッドキャップ170の使用により、クラスティング(crusting)、ベアディング(bearding)およびソフトインクプラグの出現を最小限に抑え、入来プリントジョブを示すウェイクアップ信号を受信した後にインクつぼ108の中に吐出するのに最低数の液滴で済むため、スピッティングプロセス中に費やされるインクを最小限に抑えることができるという利点がある。さらに、ノズルからの蒸気損をなくすことによって、キャップは、ペンにおけるインク残滓の揮発性物質の濃度を容認できないレベルまで低下することがないようにし、これによってペンのインク成分の適正濃度を維持して、ペン50〜56の寿命に亘る高品位の印刷を果たす。
【0063】
これまでは傾斜機構を用いてキャップを持ち上げていたが、通常、この動きは、キャップをシーリング位置に持ち上げるためにプリントヘッドおよび/またはキャリッジが負のX軸方向に移動するため、プリントヘッド走査軸38と平行に行われていた。(ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet(商標)800シリーズカラーインクジェットプリンタにおいて)他のキャッピングスレッドが回転タンブラに装着され、または(ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet(商標)720Cおよび722Cモデルのインクジェットプリンタにおいて)並進または摺動運動を通して、プリントヘッドまたはプリントヘッドキャリッジのいずれかとスレッドの一部が接触することで、Y方向に回転運動または後ろ方向の運動がさらに加わり、棒連結機構を持ち上げてキャッピングを達成していた。しかしながら、これまで、図示のプリントヘッドクリーナ80〜86は、線形ノズルアレイと並行および走査軸38と直交の方向での水平運動によりキャッピングを達成することが知られている第1のものである。そして、パレット72を前方向76に移動することによってアンキャッピングを達成し、これにより、キャップスレッド戻りスプリング120を活性壁151に押しつけてキャップスレッド150およびキャップ170を、図8の破線で示すように、カムランプ110、182に沿って休止位置に戻す。さらに、キャップスレッド戻りスプリング120の使用により、パレット72が後ろ方向に移動するのにともなってキャッピングを徐々に安定した動きで行うことができるため、キャッピングを徐々に達成することで、適度なキャップベントを行うことができるが、これについて詳細を後述する。
【0064】
プロッタ20等、市販のインクジェット印刷機構では、種々の異なる部品を使用してプリンタを組み立てる。インクジェット印刷機構20の各部品は、工学図面において機械製図において指定された公差の範囲内でサイズが変化し、各種の処理要因の結果、プラスチックおよび/またはエラストマー成形された部品の冷却温度等がバッチごとに異なることがある。各要素の形状の変動は、全ての製造プロセスの正常部分である。各部品の公差のばらつきは、公差スタック(stack)または距離の総変動の原因となり、これを跨いで、インクジェットプリントヘッドを適切にシールするようにプリントヘッドキャップを移動しなければならない。したがって、難問は、これらの各種機械的公差スタックの存在下でキャップとプリントヘッドとの良好な位置合わせを十分に保証するというものになる。さらに、ペン50〜56はキャリッジ40内部で取り替え可能であり、かつクリーナユニット80〜86はパレット72内部で取り替え可能であるため、取り替え時に新たなペンおよびクリーナはそれぞれの従来品とはサイズが異なることがある。したがって、プリントヘッドに、これを破損させるおそれのある余分な力を加えることなく適度なシールを確保するためにプリントヘッドが適応すべき種々の異なる物理的障害が存在するおそれがある。
【0065】
キャップシールリップ175がプリントヘッドと精確に整列されない場合、周囲空気がキャップに漏入し、ペンから余分な蒸気損失が発生する。通常、プリントヘッドには、図6における、破線とプリントヘッド60〜66のオリフィス板の周縁との間の領域に、制限された目標エリアまたはキャッピングレーストラック(racetrack)206が、キャップリップと接触するために残してある。適度なシールを確保するために、キャップリップ175は、プリントヘッドと、ともに三次元空間を画定する6方位または自由度で、すなわち、X、YおよびZ軸方向ならびにθx、θyおよびθzで表されるこれらの軸それぞれを中心とする回転方位において揃えられる必要がある。
【0066】
従来、キャップ/プリントヘッドの位置合わせを達成するために種々の異なる方法、たとえば、(1)プリントヘッド上の大きなキャッピングゾーンを利用する開ループ公差、(2)精密部品の開ループ公差、(3)大きな力によりプリントヘッドの封入剤ビード(encapsulant bead)部にキャップをするもの、(4)各種製造調整および較正を用いるもの、(5)電子フィードバックシステムによる自己調整を行うもの、(6)キャップ用スレッドをペンキャリッジに揃えるもの等が用いられてきた。このキャップ問題に従来どのように対応してきたかをよりよく理解するために、これらの各種方法を簡単に説明していく。
【0067】
第1に、開ループ公差は、プリントヘッドとキャップとの最大公差スタックを受け入れ、かつXおよびY方位のばらつきに適応するようにプリントヘッドにおいて大きな目標エリアまたはキャッピングレーストラックを作り上げるための最も単純な解決策と考えられていた。これは、プリントヘッドに対するキャップの配置を助けるために機械的機構も電子的機構もないため、「開ループ」アプローチといわれる。この開ループアプローチの重大な欠点は、プリントヘッドに要する廃キャッピングエリアが大きいため、プリントヘッドの全体サイズとコストを増大させていることである。特に、プリントヘッドノズルの端部とプリントヘッドのエッジとのキャップを最小にすることが望ましいが、これは、このキャップにより、印刷中、媒体のエッジと印刷ゾーンへのエントランスとの媒体マージンの許容可能な最小サイズを増大してしまうことによる。顧客は、通常、より多くの情報または像をシートに印刷できるように非常に小さい媒体マージンを望む。したがって、プリントヘッドのキャッピングゾーンが大きいと、印刷ページのマージンが大きくなり、ほとんどの顧客にとって望ましくない特徴となる。開ループ公差(tolerancing)システムは、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet(商標)300シリーズ、400シリーズおよび500シリーズの小型フォーマットインクジェットプリンタに採用されており、この開ループ公差システムは、X、Y、Z、θx、θyおよびθzの各方位のすべてまたは一部においてある程度使用されている。
【0068】
第2に、精密部品を有する開ループ公差の解決策は、キャップとプリントヘッドとの間の、より厳密な位置合わせを確保するために公差スタックに起因するすべての要素において精度公差を使用した。しかしながら、精密部品を使用する場合には、高価なプラスチックの使用、プラスチックの射出成形およびシートメタルパーツの進行系染料(progressive dye)を含む精度ツーリング(tooling)、ツールの短寿命化、ツールメンテナンスの増加、ベンダとの対話および監視に材料エンジニアの配属の増加、歩留まり率の増大および部品の廃品化、ならびに所要の精密部品を配達可能な人のみを許容するためのベンダベースの制限を含むいくつもの重大な不具合がある。さらに、これらの精密部品のコストに見合うことができたのは、非常に大容量の印刷装置のみであった。厳正な公差を使用する実務は、DeskJet(商標)600シリーズ、700シリーズおよび800シリーズカラーインクジェットプリンタに供給されるもの等、ヒューレット・パッカード・カンパニーによって作り上げられた多数のサービスステーションに、ある程度採用されていた。
【0069】
第3に、大きな力のキャップを封入剤ビードに使用することは、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet(商標)700シリーズ、800シリーズおよびHP2000Cモデルのインクジェットプリンタ、ならびに異なるシール特性を有する2つの置き換え可能なペンを採用するDeskJet(商標)693Cモデルインクジェットプリンタに採用されていた。理想的には、キャップリップは、キャップ力が最小の良好なシールをもたらすためにプリントヘッドの平滑な平坦面をシールすべきであるが、各種の公差スタックに適応する1つのアプローチは、プリントヘッドの非平坦部をキャッピングレーストラックの一部として使用することである。具体的には、高キャッピング力を使用し、かつキャップリップが分割(segment)される設計で作製される場合、プリントヘッドの封入剤ビードエリアをキャップすることが可能であり、これにより、これらのセグメントを折り曲げて封入剤ビードの両側でシールできることがわかっている。このアプローチの例は、ヒューレット・パッカード・カンパニーの米国特許第5、712、668号および特許許可された米国特許出願第08/566、221号に記載されている。このアプローチは、ノズルの端部とペンのエッジとの間のキャッピングゾーンを過剰に大きくする必要なく良好なキャップシールが得られるため、印刷シートの媒体マージンも少なくなる。残念ながら、この封入剤ビードをシールする方法には、セグメント化されたリップを封入剤ビードに適合してシールさせるために大きな力が必要とされる等、不都合がいくつかある。これらの高キャッピング力により、ペンは、キャリッジに対してこれを探索する基準(datum)から外れることがあり、このため、キャリッジ自体がプリントヘッドの支持構造を強化することが必要となる。キャリッジ内部でペンを固着するためのこれらの強化支持構造は、材料と製品開発時間の両方において高コストをもたらす。封入剤ビードをシールするために使用されるセグメント化されたキャップリップの別の欠点は、非常に緻密なリップセグメントを成形することが困難であり、鋳型からの取り外しの最中に破断してしまうことが多いため、スクラップ率が高くなり、首尾よく成形されるこれらの部品の全体的な部品コストが高くなる。
【0070】
第4に、製造調整および較正を行うことで、組み付け中に各プリンタを調整し、各種の交差スタックを補償することができる。たとえば、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet(商標)700シリーズおよび800シリーズインクジェットプリンタは、プリントヘッドに対してサービスステーションを上下させるためにZ軸サービスステーション調整を採用した。一方のシステムにおいて物理的なギア嵌合(gear-toothed)の調整システムが使用されたが、もう一方のシステムでは、サービスステーションの下にスライド式ランプ板を使用していた。これらの調整ルーチンには、様々な欠点があり、たとえば、組み付け時間がさらに必要となる、精確なロケーションを設定する際に組み付けオペレータの判断を必要とする、製品輸送または使用中、確立されたロケーションから潜在的にドリフトする、これらのプリンタに設計または組み込むために部品が余計に必要とされるということが挙げられる。
【0071】
第5に、電子フィードバックによる自己調整は、ヒューレット・パッカード・カンパニーのHP2000Cカラーインクジェットプリンタに採用され、サービスステーションアーキテクチャの一部として光学センサを組み込むことで、キャップのプリントヘッドの対する位置をプリンタによって自己修正することができる。同様の電子センサシステムが、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDesignJet(商標)2500CPインクジェットプロッタにおいて自己較正に使用された。このシステムの1つの利点は、使用中に公差スタックが容易にゼロ消去(zero out)されることであった。残念ながら、このシステムには、電子的ハードウェア、機械的ハードウェアおよびソフトウェア開発を余計に必要とし、これらすべてにより印刷ユニットの全体コストが増大する等の様々な欠点があった。
【0072】
第6に、キャップスレッドをペンキャリッジに位置合わせする解決策は、現在のインクジェットプリンタにおいて利用可能な、より一般的な配列の1つである。ペンキャリッジの特徴は、キャップスレッドの特徴と対をなして単一軸において公差スタックを閉鎖することが一般的であり、この方式は、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet(商標)700シリーズ、800シリーズ、1200シリーズおよび1600シリーズインクジェットプリンタ、エプソン社のEPS Stylus(商標)モデルインクジェットプリンタ、テキサスインスツルメント社のMicroMarc(商標)インクジェットプリンタ、およびブラザー社のMFC−4500インクジェットプリンタに見られる。キャップスレッドをペンキャリッジに位置合わせすることの重大な欠点は、各要素の厳正な公差、組み付け中の機械的調整、および、しばしばプリントヘッドの封入剤ビードへのキャッピングに対する必要性が残るほど公差が依然として大きいことである。さらに、ここで記載する製品について、キャップスレッドのペンキャリッジに対する位置合わせは、6自由度中わずか1または2でしか発生しないことが一般的である。
【0073】
取り替え可能なサービスユニット80〜86において、キャップスレッド150は、図8の破線位置と実線位置の間に示すように、プリントヘッドをシールするためにカム面110、182に沿って乗っている。キャップリップ175は、鉛直方向上側に移動し、キャップスレッド150がカム面を持ち上げるのにともなってプリントヘッドのオリフィス板を押しつける。キャップスレッド活性壁151の後方対向面には、図6において上から見て、一対の垂直整列リブ204が設けられている。このシステムにおいて、取り替え可能なクリーニングユニット80〜86は、Y軸において、およびθz回転に対してスレッド150をプリントヘッドに直接整列する。キャップスプリング155によって与えられるジンバル作用、さらにキャップリテーナ160のスレッド150に対する自由浮遊性質により、キャップリップおよびリテーナは傾き、ジンバルが、Z軸において、ならびにθxおよびθy方向での回転に対してキャップをプリントヘッドに整列する。したがって、取り替え可能なクリーニングユニット80〜86のキャッピングシステムは、キャップとペンの間で閉ループ整列を可能にするため、キャップをオリフィス板に対して非常に精度よく位置決めすることができる。このクリーニングユニット80〜86によって達成される自己調整ルーチンの結果、公差スタックが小さいため、封入剤ビードをキャップする必要がなくなり、低キャップ力で信頼性のあるシールが得られる。X方向の位置合わせについて、キャップリップ175は、キャップとプリントヘッドとのX方向での開ループ位置合わせを可能にするのに十分に幅広である、すなわち、各ノズルアレイとプリントヘッドのエッジとの間にはレーストラック206に沿って適度な余裕があるため、軽微な位置合わせ不良を許容するとともに、ノズルのシールを危うくせず、また印刷ユニットの全体幅を増大することもない。
【0074】
したがって、取り替え可能なクリーナユニット80〜86の自己整列キャッピングシステムを使用することで実現されるいくつかの利点として、X、Z、θx、θyおよびθz方位における公差スタックを最小限に抑えることが挙げられる。さらに、プリントヘッド封入剤ビードにキャップをする必要がないため、使用するキャッピング力全体が少なくなる。さらに、非平坦面をシールするのに特殊なキャップリップ設計の必要は全くない。さらに、このキャッピングシステムにより、ノズル行の末尾とペンのエッジの間のギャップを最小限にすることができるため、印刷ページのマージンを少なくすることができる。加えて、サービスステーション、プリントヘッドおよびキャリッジ要素すべてについて精度公差の必要がない。さらに、サービスステーションをZ軸方向に向ける等、手間のかかる製造ライン調整が必要なくなる。さらに、サービスステーションクリーニングユニット80〜86は、以前のインクジェットプリンタの一部に必要とされていた、いずれのタイプの電子的な自己調整も別個の較正も必要がない。
【0075】
通気は、プリントヘッドノズルに空気を押し込まず、かつノズルデプライミングをうっかり引き起こすことのないようにするためのキャッピングプロセスの重要な側面である。キャップリップ内に単にノッチを形成する等、プリントヘッドで不完全なシールを形成するために、種々の異なる通気システムがこれまで用いられてきた。別の通気システムは、キャップスレッドに成形されたエラストマーリップオンサート(onsert)を使用し、キャップスレッドの下面に沿って通気路を形成して、通気プラグでこれをシールしたものが、ヒューレット・パッカード・カンパニーの米国特許第5、712、668号に記載されている。別の通気方式は、ヒューレット・パッカード・カンパニーのHP2000Cインクジェットプリンタに採用され、ここでは、ラビリンス経路をリムに形成した別個の通気キャップがキャッピング構造の下面に対してシールされている。別の通気システムは、ヒューレット・パッカード・カンパニーの米国特許第5、448、270号に記載されている。ブラザー社のMFC−4500インクジェットプリンタに使用される別の通気システムは、キャップベントを設けていないが、代わりに可撓膜を使用して正圧パルスを吸収している。ダイアフラムを使用する別の通気システムは、ヒューレット・パッカード・カンパニーの米国特許第5、146、243号に開示されている。別のキャッピング構造は、ヒューレット・パッカード・カンパニーの特許許可された米国特許出願第08/566、221号に開示され、エラストマーシーリングリップ部材の下にあるプラスチックキャップベースに通気路が形成されている。
【0076】
ここで、キャップベントは、キャップベース部172、リップ部材175およびプリントヘッドオリフィス板との間に画定されたプリントヘッドシーリングチャンバの中からの圧力を解放する小さな空気の流路である。キャップベント176は、キャップシールリップ175がキャッピング中ならびに環境の変化において圧迫される際にノズルが圧力空気パルスを受けないようにしている。これまで、保守の提供には、単一の通気孔が使用されることが一般的であった。しかしながら、取り替え可能なクリーニングユニット80〜86のキャッピングシステムは、一対の通気孔176がシーリングチャンバとリテーナラビリンス経路面168とを連結して、通気孔176から大気に続く通路を形成している、冗長キャップ通気システムを使用している。一対の冗長通気孔176を使用することで、キャップベント特徴が、1つの通気孔がインクで詰まっても機能する、たとえばインクがワイパブレードの一方126または128によって通気孔176の一方に飛ばされて入ってしまっても、残りの通気孔は引き続き機能している。また、単一の通気孔は、シール時にオリフィス板から滴下しているインクから詰まってしまうことがあるため、冗長通気孔176を使用することで、万が一通気孔の1つが詰まってしまっても通気を容易に行う。
【0077】
キャップリテーナ160の表面168によって画定されるラビリンス通気チャネルまたは溝は、キャップ駆動中に圧力差が形成されないようにするとともに、プリントヘッドをシールする際に蒸気拡散に対抗する経路を形成するように寸法決定される。ラビリンス面168に設けられたチャネルまたは溝の使用に加え、これらの通気路を画定するために、持ち上げられた(elevated)ビードをさらに使用してもよい。キャップリテーナにおけるラビリンス通気路の精確なサイズおよび方位は、シーリングチャンバ、プリントヘッドノズルの数、インクの化学的特性および特定のインクジェットプリントヘッドおよび印刷機構のために選択された所望の通気に対する蒸気拡散特性によって異なる。したがって、一対の冗長通気孔176を大気に通じるラビリンス通気路とともに、使用することで、キャッピングプロセス中の圧力パルスをなくすとともに、2つの通気孔の一方が詰まったとしても通気システムが精確に機能できるという利点がある。
【0078】
図9は、ここでは黒プリントヘッドクリーニングユニット80のワイパ126、128を掻き取るオプション動作を示す。ワイパアセンブリ125は、後ろ方向78に移動してワイパスクレイパ210と接触する状態が図示されている。スクレイパ210は、上部静止壁またはフード212の内面から下に延在して、サービスステーション70のフレームの一部を形成している。スクレイパ210は、好ましくは、ワイパが後ろ方向78に動く際に前ワイピングエッジ214が嵌合され、次に前方向76に動く際にアセンブリ200の下を通過した後に後ろワイピングエッジ215が屑をワイパから除去する、逆T字形状の部材である。また、図9の図には、保持タブ部材216が図示され、パレット72の一部を形成している。タブ216は、ベース102の外面から突出している一対の突起部217(図3参照)に当接したまま休止して、プリントヘッドクリーニングユニット、ここではユニット80をパレット72のストール90の中に確実に固着するよう機能する。また、カラーストール92、94、96も同様の保持部材216を設け、それぞれのクリーニングユニット82、84および86をその中に固着している。
【0079】
図9に示す掻き取りステップは、上述したものを越えるインク溶剤130の量が黒プリントヘッド60だけでなくカラープリントヘッド62〜66に塗布される場合のオプション工程と考えることができる。上述したように、芯135によって塗布されるインク溶剤130の量は、外形および寸法、ならびにリザーバブロック132、芯ベース136および芯部材135の物質的特性を変えることによって容易に変動可能であり、プリントヘッドに塗布される溶剤量を増大することができる。実際、黒プリントヘッド60について実験を行ったところ、溶剤塗布の頻度を増加することによってプリントヘッドに塗布される液体130の量が増大し、この結果、図4に示すように、スクレイパレスのインクジェットインク溶剤塗布システムが得られた。
【0080】
溶剤130およびインク残滓のワイパにおける蓄積は、ワイパに沿った重力の下で下方向に進み(run)、図4に示すように、インク溶剤小滴とインク残滓の混合物218によってベース102が画定する補助ワイパチャンバ220に入り込むことがわかった。この溶剤とインク残滓の混合物218は、その後、黒ワイパ取付壁116によって画定される開口部222を通って主インクつぼ108に流れ込む。インク溶剤アプリケータ芯135およびリザーバブロック132の介在がチャンバ106の内側、各キャッピングアセンブリの下にあるという、同様の変形をカラークリーニングユニット82〜86に加えてもよいことは明らかである。同様に、カラーワイパ壁118は、開口部222と同様の開口部で変形してもよく、これによって、インク残滓およびPEGの混合物(combination)をカラーワイパから滴下してインクつぼパッド124に吸着させることができる。勿論、かかるスクレイパシステムにおいて、黒インクつぼ108の底部を、吸収剤124を小型化したもの等の吸収材料で裏張りして、このインク溶剤130およびそれぞれのワイパ128、126から滴下するインク残滓218、224の追加流量を吸収する助け隣ることが望ましいことも明らかである。
【0081】
したがって、図4に示すように、インク溶剤の追加量を使用することによってワイパを清浄する重力滴下方法を利用する種々の利点がある。たとえば、ワイパスクレイパ210をなくすことによって、サービスステーションフレームの静止部212が、構成だけでなく成形可能な方法についても簡略化される。さらに、この重力滴下方法を使用することで、ワイパアセンブリ125を自己清浄させることができるため、図9に示す掻き取りステップに要するサービス時間をなくすことができるため、プリントヘッドサービスに要する時間は少なくなる。さらに、ワイパスクレイパは、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet(商標)800シリーズ、700シリーズおよびHP2000Cモデルのインクジェットプリンタ等、他のインクジェット印刷ユニットに採用されてきた。これらの初期の装置において掻き取りを行う際、スクレイパの下を通るとインク残滓がワイパブレードから振り落とされ、この飛翔インクがしばしば望ましくない場所に着地していた。したがって、図4に示すワイパを清浄する重力滴下方法の使用は、パーツ構成を簡略化し、かつ高速サービスを行うという利点があるだけでなく、取り替え可能なサービスステーション70の信頼性を高めることができる。
【0082】
さらに、ワイパスクレイパ210がなくなったことで、異なるタイプのインクをプリントヘッドキャリッジ40の同一キャリア部において置き換え可能に使用する場合には特に有用となる。したがって、ワイパスクレイパをなくす場合、インクカートリッジを置換する際にワイパスクレイパにおいて1つのタイプのインクを別のタイプのインクと相互汚染する可能性がなくなる。別個のワイパスクレイパが必要になることで、溶剤をワイパに塗布し、溶剤をプリントヘッドに沿って拭き取った後、ワイパを静止スクレイパ上で掻き取るためにモータが2個必要となるヒューレット・パッカード・カンパニーのHP2000Cカラーインクジェットプリンタ等のサービスステーションの複雑性が高まる。ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet(商標)700シリーズおよび800シリーズインクジェットプリンタ、DesignJet(商標)600シリーズ、700シリーズおよび800シリーズインクジェットプロッタ、DesignJet(商標)2500CPインクジェットプロッタ、HP2000Cプリンタ等、他のワイパスクレイパもサービスステーションの永久部品として設計されてきた。他のワイパスクレイパは、ペン自体の一部として設計されていたが、残念ながら印刷中に残滓が蓄積し、繊維追跡および他の印刷欠陥を招いていた。実際、サービスステーションフレームに永久的に取り付けられているスクレイパを使用する取り替え可能なサービスステーションを有するシステムであっても、サービスステーションモジュールの取り替え時、新たなワイパは、前のクリーナモジュールのワイパを清浄することから、スクレイパに残っている残滓により汚染されてしまう。したがって、いくつかの実施例において、別個のワイパスクレイパ210を使用することで、インク溶剤130の使用時、特に芯アプリケータ135を使用して塗布する際に、以前のプリンタ設計のような不可欠ではなく、オプションでの特徴となる。
【0083】
図10は、プリントヘッドクリーニングユニット80〜86の最終動作を示し、パレット72は、スノートワイパ190が、プリントヘッド60等、それぞれのプリントヘッドの相互接続面202とインタフェース接触するまで、矢印78の方向に後方に移動している。拭き取り接触すると、パレット72はそのまま静止状態になり、プリントヘッドキャリッジ40は、走査軸38と同じくX軸方向に沿って前後に往復運動される。このスノート拭き取りステップは、不要なインク残滓およびペンのこの部分に残っているいかなるインク溶剤130も除去する。プリントヘッドのスノート部は、発射抵抗器とペン50の電気的相互接続部230との間に電気信号を通信する。ペン相互接続230は、対をなすキャリッジ40の相互接続部232を介してコントローラ30から信号を受信し、相互接続部230および232は、それぞれペン50〜56とキャリッジ40との機械的/電気的相互接続を形成する。スノート部202に残っているいかなるインク残滓または液体溶剤130も、毛管力により、または消費者がペンを取り外して取り替えることにより上に移行し、相互接続230、232間の短絡を引き起こし、この結果、潜在的なペン故障またはノズルの一部の故障となり、印刷欠陥をもたらす。
【0084】
これまで、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDesignJet(商標)2000および2500モデルインクジェットプロッタにおいて、スノートワイパが採用されてきた。他の相互接続ワイパが提案されているが、これらは、通常、記載のDesignJet(商標)ユニットのように、サービスステーションフレームの静止部に配置される固定ワイパ、またはプリントヘッドキャリッジに固定されるワイパのいずれかであった。いずれの場合においても、これらの相互接続スノートワイパは、インクジェット印刷ユニットの永久的パーツであったため、サービスコールによってのみ取り替え可能であった。実際、DesignJet(商標)ユニットにおけるスノートワイパのさらなる欠点は、4本のペンすべてに同一のワイパを使用しているため、インクの相互汚染をもたらし、ノズル板における相互接続からワイパによって偶発的に拭き取られるおそれがあることである。
【0085】
したがって、クリーニングユニット80〜86上のスノートワイパ190の有意な利点は、クリーニングユニット80〜86を取り替える都度、スノートワイパが取り替えられることである。さらに、各プリントヘッド60〜66について別個のスノートワイパ190を使用することで、インクの相互汚染のいかなる可能性もなくす。さらに、スノートワイパ190の使用により、インク残滓およびインク溶剤130がプリントヘッド60〜66の相互接続部202に沿って蓄積することがなく、スノートワイパ190がなければ、プリントジョブ中に最終的に媒体に堆積して重力により滴下して、プリントジョブを損なうおそれがある。さらに、スノートワイパ190の使用により、その使用がなければ、ワイパアセンブリ125によって除去されたであろうインク残滓の一部をプリントヘッドから除去し、図9に示す固定ワイパの場合にはこの上に蓄積される。したがって、スノートワイパ190の使用により、過剰インクのスクレイパ210への堆積が防止される。スノートワイパ190は、ワイパアセンブリ125について上述したものと同一材料で構成されることが好ましいが、いくつかの実施例においては他の弾性材料がより好ましい場合もある。さらに、廃インクおよびインク溶剤を単に除去することに加え、スノートワイパは、液滴放出時に生成される、印刷媒体にもインクつぼ108、124にも衝突しない空中浮遊(airborne)インク分子を浮遊しているインクエーロゾルがあればこれも除去する。
【0086】
図11は、キャリッジ40に取り付けられるプリントヘッド60〜66を保守する、取り替え可能なサービスステーション70を動作する一態様を示すフローチャートである。図11のフロー図において、左列のブロックは、すべてサービスステーションパレット72の動きを示し、右列のブロックは、すべて走査軸38に沿ったプリントヘッドキャリッジ40の動きを示している。サービスステーションパレット72もキャリッジ40の動きも、プロッタコントローラ30から受信される制御信号に応答する。ここで、サービスルーチンは、プリントジョブの完了に続いて開始し、キャリッジ40は、印刷ゾーン35に配置される。第1のステップ240において、サービスステーションパレット72は、図11において「前方向76」と表される前方向位置に対する方向76に移動され、一方図11の後ろ方向の動きは「後ろ方向78」として示され、いずれも図中矢印76および78を指している。第1のステップ240に次いでステップ242において、キャリッジ40は、サービス領域42に入る。
【0087】
サービス領域42に入ると、サービスステーションパレット72は、図7の実線で示すような後ろ方向78に移動してプリントヘッドを拭き取るオプショナルステップ244を実行する。図11のフローチャートにおける拭き取りへの参照は単に図7を表すが、拭き取りが図7の実線で図示されることがステップ244から暗示される。オプショナルステップ244に続いて、または実行されない場合にはステップ242に続いて別のステップ246において、サービスステーションパレット72は、図4および図5において黒およびカラープリントヘッドについてそれぞれ図示するように、後ろ方向78にスピット位置へ移動される。ステップ248において、キャリッジ40は、プリントヘッド60〜66をインクつぼ108および吸収剤124上にそれぞれ位置決めして、ペンは黒インク196およびカラーインク198を図4および図5にそれぞれ図示するように吐出(spit)することが理解される。
【0088】
スピッティングステップに続いて、サービスステーションパレット72は、前方向76に移動して、図7の実線で示すようにプリントヘッドを拭き取っていずれのインク残滓も清浄するオプショナルステップ250を取ってもよい。このオプショナル拭き取りステップに続いて、サービスステーションパレット72は、溶剤芯135が図7の破線になるまでステップ252において後ろ方向78に移動する。この位置において、芯135が黒プリントヘッド60を押しつけながら、ステップ254が実行され、キャリッジ40は、黒プリントヘッド60を走査軸38に沿って前後にゆっくりと往復して、追加溶剤130をアプリケータ135から吐き出し、プリントヘッドの先端200に塗布する。
【0089】
溶剤塗布ステップ254に続いて、拭き取りステップ250をオプションとして繰り返してもよい。この後、キャリッジ40は、ステップ256においてキャップ170に隣接してプリントヘッド60〜66を配置し、スレッドアクチュエータ150およびカム従動子152が図8に破線で図示される。ステップ256に続いて、サービスステーションパレット72は、ステップ258において後ろ方向78に移動し、図8の破線から実線位置へのキャップスレッドの推移によって図示されるようにキャップ170を持ち上げてシールする。シールまたはキャッピングステップ258に続いて、プリントヘッド60〜66の印刷準備のために、ステップ260が実行され、サービスステーションパレット72が前方向76に移動して、プリントヘッドのキャップを外す。このアンキャッピングステップ260の一部として、プリントヘッドを、図4および図5に示すように、上述したようにスピッティングステップ248に対してオプションとしてスピットしてもよく、このスピッティングの後、図7の実線で示すように、ステップ244、250等のオプショナルな拭き取りステップに続く。
【0090】
アンキャッピングステップ260に続いて、キャリッジ40は、ステップ262においてサービス領域242をすぐに退出して印刷ゾーン35に入り、これによりステップ264においてパレット72が後ろ方向に移動する。ステップ264は、掻き取りステップであり、パレット72は、サービスステーションパレットを図9に示すように前方向および後ろ方向76、78に往復することによって、スクレイパ210がワイパ125を清浄できるようにプリントヘッドワイパアセンブリ125を移動する。上述したように、掻き取りステップ264は、インク溶剤がアプリケータ135によって、重力滴下方法を用いてプリントヘッド60〜66のすべてに塗布されて、図4に示すようにワイパを清浄する場合のオプショナルステップである。スノートワイピングステップ266において、サービスステーションパレット72が、図10に示すようにスノートワイパ190の位置まで前方向76に移動する。スノート位置決めステップ266に続いて、キャリッジ40は、次にステップ268においてサービス領域42に再び入り、走査軸38に沿って前後に往復してスノートワイピングステップを行う。スノートワイピングステップ268に続いて退出ステップ270において、キャリッジ40は、図1に示すように、再びサービス領域42を退出して印刷ゾーン35に入り、プリントジョブを実行する。退出ステップ270に続いて、ステップ272において、サービスステーションパレット72は、静止サービスステーションフード212の下の休止位置まで後ろ方向78に移動してサービスルーチンが完了する。
【0091】
図12は、黒色クリーニングユニット80上を延在するワイパ掻き取り棒210の構成を、イエロークリーニングユニット82上を延在する掻き取り棒210’、マゼンタクリーニングユニット84上を延在するマゼンタ掻き取り棒210’’およびシアンクリーニングユニット86上を延在するシアン掻き取り棒210’’’(はっきりさせるために図12の図から省略)とともに示す。本発明にしたがって構成される、改良されたデュアルワイパスクレイパシステム300の代替の実施形態を図13に示す。図12のスクレイパシステムにおいて、ワイパアセンブリ125のブレード126、128からはじかれたインク残滓は、一連の壁302、304、306および308によって隣接のプリントヘッドクリーニングユニットの汚染から分離される。壁304は黒とイエローの掻き取り棒210および210’を分離し、壁306はイエローとマゼンタの掻き取り棒210’および210’’を分離し、壁308はマゼンタとシアンの掻き取り棒210’’および210’’’を分離する。掻き取り棒には、シアン掻き取り棒210’’’の外側(outboard side)に隣接して端壁も設け、黒色掻き取り棒210の外側に沿って壁302について図示のように構成される。
【0092】
上記の従来の技術の項で説明したように、実施例によっては、オペレータが、第1のタイプのインクを担持する第1組のインクジェットカートリッジ50〜56と、この第1のセットのインクと相溶性のない別のタイプのインクを担持する第2組のインクジェットカートリッジとを置換しようとする場合もあり得る。たとえば、オペレータは、通常のデスクトップ印刷用に設計されるペンのセットと、野外環境に耐えられるように、耐水性により優れたインクを必要とするビルボード(広告)ポスターの印刷用に設計されるペンのセットとを切替えるようにしてもよい。代替として、蛍光色等、カスタムミックスされた色を担持する単一カートリッジを単に取り替えることが望ましい場合もある。テキストまたは機械設計図等黒インクのみを印刷する場合のスループット(1分あたりのページ数において通常測定される出力速度)を高めるために、オペレータは、カラーカートリッジ52〜56を取り出してプリントヘッドカートリッジ40にすべて黒カートリッジ50を装入してもよい。カラーペン52〜56が染料系インクを担持し、黒ペン50が顔料系インクを担持していた場合、オペレータは、イエロー、マゼンタおよびシアンの各クリーニングユニット82、84および86を黒色クリーニングユニット80と取り替える必要がさらにある。上記の従来の技術の項で簡単に説明したように、染料系カラーインクと顔料系黒インクとは、相溶性ではなく、ともに凝固し合うため、掻き取り棒210’、210’’および210’’’がペンセットを置換する際に相互汚染の汚染源として残る。
【0093】
この相互汚染の問題は、図13に示すデュアル掻き取り棒システム300を使用することで完全に回避される。ここで、各クリーニングユニット80〜86のスクレイパ領域は、中間に追加した壁の使用によって2つのスクレイパ領域に分割されていることがわかる。掻き取り棒310は、サービスステーション上部フレーム212の内面から下に延在する一体型の剛性プラスチック構造としてもよい。カラーペン52〜56を黒ペン50と取り替えることで大きな黒インクプリントジョブを印刷する際のスループットを増大する等の具体的な例において、デュアル掻き取り棒システム310の構成および動作がよりよく理解され得る。この例において、デュアル掻き取り棒310は、黒色クリーニングユニット80に黒色スクレイパ領域311とカラースクレイパ領域312とが設けられ、イエロークリーニングユニット82に黒色スクレイパ領域313とカラースクレイパ領域314とが設けられ、マゼンタクリーニングユニット84に黒色スクレイパ領域315とカラースクレイパ領域316とが設けられ、マゼンタクリーニングユニット84には黒色スクレイパ領域317とともにカラースクレイパ領域(はっきりさせるために図13では省略されている)が設けられ、他のカラー掻き取り棒312、314および316に図示するように構成可能である。掻き取り棒311〜317は、スクレイパ210について図9および図12を参照して上述したものと同一構造の逆T字形状であり、前部ワイピングエッジ214と後部ワイピングエッジ215とで終端している。好ましい実施形態において、この逆T字状のスクレーピングエッジ214、215のエッジは、「Times Roman」字体のTを逆にしたように上向きに曲がっているため、これらのエッジによりインクレセプタクルまたはトラフを形成し、小匙1杯程度の半固体状のインク残滓を、時間の経過とともにこれらのリザーバ間にこの残滓が徐々に広がらないように、インクジェット印刷機構の寿命に亘って保有できるような寸法に形成されることが好ましい。掻き取り棒310は、黒色クリーニングユニット80に隣接して右側端壁320を設けている。デュアルスクレイパ領域311〜317を互いに分離するために、掻き取り棒310には、一連の中間壁321、322、323、324、325および326、ならびに黒色スクレイパ領域317と境界面を接する追加の中間壁も設けられている。シアンクリーニングユニット86の外側エッジでは、掻き取り棒310は、左側端壁(はっきりさせるために図13では省略される)を右側端壁320に図示したように構成してもよい。
【0094】
図13を検討して、黒プリントヘッドクリーナ80がサービスステーションパレット72のストール90、92、94および96のそれぞれに取り付けられると、ワイパアセンブリ125は、黒色掻き取り棒311、313、315および317の下を通過することによってインク残滓が清浄される。カラークリーニングユニット82、84および86がパレット72のストール92、94および96に取り付けられると、それぞれのワイパアセンブリ125は、イエローおよびマゼンタワイパのスクレイパ領域314および316等、カラー掻き取り棒の下を通過することによって清浄される。カラープリントヘッドがキャリッジ40において黒プリントヘッド60の通常位置に取り付けられ、黒色クリーニングユニット80がユニット82等カラークリーニングユニットと取り替えられると、カラーワイパアセンブリは、掻き取り棒312によって清浄される。したがって、絶縁壁321、323および325ならびに、明確にするために図13の図から省略されているスクレイパ領域317の左側の中間壁は、それぞれペンとクリーニングユニットを置換した後、掻き取り棒においてインク残滓の相互汚染を止めさせるように作用する。
【0095】
図示の目的で、カラーペン52〜56と一連の黒ペン50との置換を用いてデュアル掻き取り棒システム300の動作を説明してきたが、任意のタイプの不相溶性インクを有するペンとクリーニングユニットとを置換する場合にデュアル掻き取り棒システム300を使用してもよいことは明らかである。たとえば、マゼンタの染料系インクは、クリーニングユニット84においてサービスされてもよいが、不相溶性の顔料系マゼンタインクは、ワイパアセンブリ125を黒色ワイパ取り付け壁(図3および図4参照)に取り付けて構成することによってクリーニングユニットをサービスされるため、ワイパブレードは、カバーアセンブリ180に設けられたスロット186を通って延設する。かかるクリーニングユニット構成により、顔料系マゼンタインクワイパを掻き取り棒315で清浄することができる。
【0096】
(結論)
取り替え可能なサービスステーション70を使用することによって、印刷機構20の寿命に亘って、プリントヘッドクリーニングユニット80〜86を取り替えることができる等、種々の利点が実現される。デュアル掻き取り棒システム300を使用することで、カートリッジ50〜56を不相溶性インクを含有する1セットのインクカートリッジと置換することによって、また、サービスステーションクリーニングユニット80〜86を代替のセットの掻き取り棒312、313、315および317を使用するような構成の新たなセットのクリーニングユニットと置換することによって、2つの不相溶性インクセットは、置き換え可能であり、プロッタ20において使用可能であるという利点がある。異なるタイプのインクは、異なる保守が必要となることは明らかである。たとえば、あるセットのインクは別のセットに比べて集中的な掻き取り動作が必要になる場合もある。このような集中的な掻き取り動作は、一方のセットの掻き取り棒を他方のセットより長くしてやることによって容易に達成され、このより集中的な掻き取りを要するインクセットのワイパとのインタフェース掻き取り接触は、かかる集中的な掻き取りを必要としないものに比べて大きくすることができる。さらに、図示の実施形態は、永久的に取り付けられる掻き取り棒を示しているが、この掻き取り棒を取り替え可能にして、インクジェット印刷機構の有効寿命を延長することも可能であることが、本明細書の教示から明らかである。
【0097】
クリーニングユニット80〜86の各種要素およびサブシステムを説明するに当たって、様々な利点を上記に記載してきた。さらに、図11のフローチャートに関するサービスルーチンの説明から、244等の拭き取りステップ、スピッティングステップ248、溶剤塗布ステップ254、キャッピングステップ258、アンキャッピングステップ260、掻き取りステップ264およびスノートワイピングステップ266を含むインクジェットプリントヘッドをサービスする方法が上記に十分に説明されており、図11の方法は、具体的な実施において実行され得るいくつかのオプショナルステップおよび変形例も開示している。さらに、ワイパ125を清浄するいくつかの代替の方法も説明してきたが、1つは図10を参照して、ワイパからインク残滓がスクラップされ、別の例は図4を参照して、スクレイパ210が不要になり、デュアル掻き取り棒システム300が、置き換え可能な互いに不相溶性のインクセットとともに使用される。各種の軽微な変形を使用して各種の実施において取り替え可能なサービスステーションユニットを構成するとともに本明細書中に開示される概念および方法を実施し得ることは明らかである。たとえば、これらのプリントヘッド保全概念を往復移動するプリントヘッドの文脈で説明してきたが、印刷ゾーン幅に最大限広がるページ幅アレイプリントヘッド等、その他のタイプのプリントヘッドの保守にも拡大し得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の取り替え可能なインクジェットプリントヘッドクリーナサービスステーションシステムの一形態を含む、インクジェット印刷機構、ここではインクジェットプロッタの一形態において、たとえば約25―25mm(1インチ)幅の大きなプリントスウォースをそれぞれ有する1セットの偏心インクジェットプリントヘッドを保守することを示す斜視図である。
【図2】取り替え可能なサービスステーションシステムにおいて、図1の幅広スウォースプリントヘッドを保守する前の状態を示す拡大斜視図である。
【図3】図1のサービスステーションシステムの取り替え可能なインクジェットプリントヘッドクリーナユニットの拡大分解斜視図である。
【図4】図1のサービスステーションシステムの黒プリントヘッドクリーナにおいて、そのインクつぼ部が、黒プリントヘッドからインクスピットを収容する状態を示す拡大分断側面図である
【図5】図1のサービスステーションシステムのカラープリントヘッドクリーナユニットにおいて、そのインクつぼ部が、印刷機構の対応カラープリントヘッドからインクスピットを収容する状態を示す拡大分断側面図である。
【図6】図1の取り替え可能なサービスステーションシステムにおいて、カラープリントヘッドの拭き取りを開始できる状態を示す拡大上面図である。
【図7】図1の黒プリントヘッドクリーナユニットが黒プリントヘッドを拭き取る状態を実線で表し、破線では、そのアプリケータがインク溶剤を黒プリントヘッドに塗布する状態を示す拡大側面図である。
【図8】図1のカラープリントヘッドクリーナユニットが、対応のカラープリントヘッドをキャップしている状態を示す拡大側面図である。
【図9】図1の黒プリントヘッドクリーナユニットのワイパ部において、ワイパ部からインク残滓を掻き取る直前の状態を示す拡大斜視図である。
【図10】図1の黒プリントヘッドクリーナユニットにおいて、黒プリントヘッドのスノート部を拭き取る状態を示す拡大側面図である。
【図11】図1の取り替え可能なサービスステーションシステムを用いてプリントヘッドを保守する1つの方法を説明するフローチャートである。
【図12】図1のプリントヘッドクリーナユニットの3本に配置される、図9のワイパスクレイパ棒の拡大分断斜視図である。
【図13】互いに不相溶性のインクジェットインクを分注する置き換え可能なインクジェットプリントヘッドを拭き取ることが可能な改良ワイパスクレイパシステムを有する、本発明の別の取り替え可能なサービスステーションシステムの一形態の拡大分断斜視図である。
【符号の説明】
20 インクジェット印刷機構
35 印刷ゾーン
40 キャリッジ
42 サービス領域
60 黒プリントヘッド
62、64、66 カラープリントヘッド
70 サービスステーション
72 パレット
80 黒色クリーナユニット(ワイパ)
82、84、86 カラークリーナユニット(ワイパ)
90、92、94、96 レセプタクル
125 ワイパアセンブリ
212 フレーム
214、215 逆T字形状のワイピングエッジ
311、312、313、314、315、316、317 掻き取り棒
310、322、324、326 側壁
321、323、325 中間壁

Claims (10)

  1. インクジェット印刷機構に取り付けられる際、互いに不相溶性のインクを分注する取り替え可能な第1および第2のプリントヘッドを保守するプリントヘッド用サービスステーションであって、前記印刷機構への取り付け時にインク残滓を前記第1のプリントヘッドから拭き取るワイピングストロークと、前記ワイピングストロークに続く前記インク残滓が掻き取り棒によって掻き取られるスクレイピングストロークとの間で移動可能な第1のワイパと、前記印刷機構への取り付け時にインク残滓を前記第2のプリントヘッドから拭き取るワイピングストロークと、前記ワイピングストロークに続く前記インク残滓が掻き取り棒によって掻き取られるスクレイピングストロークとの間で移動可能な第2のワイパと、前記第1のワイパおよび前記第2のワイパを取り替え可能に受けて、前記ワイピングストロークと前記スクレイピングストロークとの間を移送する可動パレットとを備え前記掻き取り棒が前記パレットに取り付けられ際、前記スクレイピングストローク中に前記第1のワイパまたは前記第2のワイパのいずれかに接触するように配置され、インク残滓を前記第1のワイパから掻き取る第1の領域と、インク残滓を前記第2のワイパから掻き取る第2の領域とを有し、前記第1の領域と前記第2の領域とが分離しており、前記第1のワイパと、前記第2のワイパとを、前記第1および第2のプリントヘッドのキャリッジの移動方向にずらして配置して成るサービスステーション。
  2. 前記掻き取り棒の前記第1の領域と、前記第2の領域とを分離する中間壁をさらに含む請求項1記載のサービスステーション。
  3. 前記中間壁と対向して、その間に前記第1の領域が配置される側壁をさらに含む請求項1または2記載のサービスステーション。
  4. 前記中間壁と対向して、その間に前記第2の領域が配置される側壁をさらに含む請求項3記載のサービスステーション。
  5. 前記掻き取り棒は、フレームによって支持される基端部と、前記パレットに取り付けられ際に、前記スクレイピングストローク中に前記第1のワイパまたは前記第2のワイパのいずれかと接触するように逆T字形状で終端する遠端部とを有する請求項1〜4のいずれかに記載のサービスステーション。
  6. 前記掻き取り棒の遠端部は、液体インク残滓を捕捉するための前記逆T字形状に沿って一対のインク捕捉部を形成する請求項5記載のサービスステーション。
  7. 互いに不相溶性インクを分注する置き換え可能な第1および第2のプリントヘッドで印刷するインクジェット印刷機構であって、前記第1のプリントヘッドまたは前記第2のプリントヘッドを置き換え可能に受ける受け部を有するキャリッジであって、前記取り付けられたプリントヘッドを、印刷ゾーンを往復移動して印刷し、かつサービス領域を往復移動して保守を行う、前記キャリッジと、請求項1〜6のいずれかに記載のサービスステーションとを備えるインクジェット印刷機構。
  8. インクジェット印刷機構に取り付けられる際、互いに不相溶性インクを分注する取り替え可能な第1および第2のプリントヘッドを保守するプリントヘッドの保守方法であって、上記インクジェット印刷機構が第1のワイパと、第2のワイパとを備えるとともに、第1の領域と、これと分離される第2の領域とを有する掻き取り棒をさらに含み、前記第1のワイパと、前記第2のワイパとを、前記第1および第2のプリントヘッドのキャリッジの移動方向にずらして配置して成り、前記第1のプリントヘッドを前記印刷機構の受け部に取り込むステップと、インク残滓を、前記第1のワイパで前記第1のプリントヘッドから拭き取るステップと、前記掻き取り棒の前記第1の領域との接触により、前記インク残滓を前記第1のワイパから掻き取るステップと、前記第1のプリントヘッドを前記受け部から除去するステップと、前記第2のプリントヘッドを前記受け部に取り込むステップと、インク残滓を、前記第2のワイパで前記第2のプリントヘッドから拭き取るステップと、前記掻き取り棒の前記第2の領域との接触により、前記インク残滓を前記第2のワイパから掻き取るステップとを含むプリントヘッドの保守方法。
  9. 前記掻き取り棒の前記第1の領域と前記第2の領域とを、その間に中間壁を挟んで配置して分離するステップをさらに含む請求項8記載の方法。
  10. 前記第1のワイパからの前記インク残滓を掻き取る前記ステップは、該第1のワイパを双方向に移動することであり、前記第2のワイパからの前記インク残滓を掻き取る前記ステップは、該第2のワイパを双方向に移動することである、請求項8または9記載の方法。
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