JP3706495B2 - 音声合成装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は音声合成装置に関し、特にカーナビゲーションシステムのような車載タイプの音声案内装置に有効な音声合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌、特に自動車の現在位置を検出してその付近の交通情報等を外部から受信して報知するVICS(Vehicle Information Communication System:道路交通情報通信システム)が実用化されている。また既に、地図データベースと現在位置と目的地とを照合して経路案内を行なうナビゲーションシステムは広く普及している。
【0003】
更に、近年では安全性の見地から、上述のようなシステムにおいては種々の案内を音声で報知する構成が一般的になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような従来の音声案内を行なうカーナビゲーションシステムは、システム内で交通情報が生成される都度、リアルタイムに音声で報知されるため、ドライバがそれに気付いた時点では案内の最初の部分を聞き逃すことが多い。たとえば、「国道1号線、守口方面は、大日交差点から2kmの渋滞です。しばらく道なりに進むルートです。」という二つの案内文が音声で報知された場合、第2の案内文である「しばらく道なりに進むルートです。」を聞き取ることが出来ても第1の案内文を聞き逃す場合がはあり、また第1の案内文の内の後半の「大日交差点から2kmの渋滞です。」という部分を聞き取ることが出来ても前半の「国道1号線、守口方面は」の部分を聞き逃した場合には、自分の進行方向前方で渋滞が発生しているのか、または逆方向で渋滞が発生しているのかが判明しない。
【0005】
このため、音声案内のデータをバッファメモリに一時記憶しておき、プッシュスイッチ等の簡便で安全な手段の操作により再度発生させることを可能にすることが考えられるが、その場合にはバッファメモリに蓄積されているデータの全てが再度発生されることになる。バッファメモリは通常はFIFO(First In First Out:先入れ先き出し)方式であるため、バッファメモリの容量が大きい場合には目的とする案内文が再度発生されるまでにそれ以前に行なわれた案内が発生されることになる。また、バッファメモリの容量が小さい場合には目的とする案内の全てがバッファリングされない可能性が生じる。
【0006】
ところで、音声案内の内でも利用者が本当に望んでいる情報は限られている。たとえばカーナビゲーションシステムの渋滞情報の場合には、渋滞が発生している場所、方向及び距離である。従って、音声案内を再度発生させる場合には必ずしも案内文の先頭から再度発生させる必要は無く、利用者が望んでいる部分から発生させることが出来ればよいことになる。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、音声合成により発生される合成音声の内の特定の種類の属性の単語に溯って再度合成音声を発生させることを可能にした音声合成装置の提供を目的とする。
【0008】
また本発明は、合成音声により報知される文章の内の利用者にとって必要な部分、たとえば地名、距離等から再度発生させることを可能として、カーナビゲーションシステムに好適な音声合成装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る音声合成装置は、合成音声として発生すべき文章のデータを記憶する文章データ記憶手段と、該文章データ記憶手段が記憶しているデータを言語解析することにより合成音声として発生する音声合成手段とを備えた音声合成装置であって、前記音声合成手段は、前記文章データ記憶手段が記憶している文章のデータを言語解析することにより所定の種類の属性の単語の開始アドレスを検出する解析手段と、前記文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータを音声合成開始アドレスとして指示されたアドレスから合成音声として発声する合成音声発声手段とを有し、前記文章データ記憶手段が記憶しているデータ中の前記解析手段が検出した単語の開始アドレスを記憶すると共に、最後に記憶された文章のデータの先頭のアドレスを音声合成開始アドレスとして記憶するアドレス記憶手段と、適宜の操作が行なわれた場合に、前記アドレス記憶手段が記憶している音声合成開始アドレスをそれ以前に記憶された文章のデータ中の単語の開始アドレスに変更させる音声合成開始アドレス変更手段とを備え、前記合成音声発生手段は、音声合成開始アドレスが前記音声合成開始アドレス変更手段の操作により変更された場合に、前記文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータを変更後のアドレスから合成音声により発生すべくなしてあることを特徴とする。
【0010】
このような本発明に係る音声合成装置では、文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータが解析手段により言語解析されて所定の属性の単語の開始アドレスが検出され、アドレス記憶手段により文章データ記憶手段が記憶しているデータ中の解析手段が検出した所定の属性の単語のアドレスが記憶されると共に、最後に記憶された文章のデータの先頭のアドレスが音声合成開始アドレスとして記憶されている。そして、たとえばプッシュスイッチのようなアドレス変更手段が操作されることにより、アドレス記憶手段が記憶している音声合成開始アドレスがそれ以前に記憶された文章のデータ中の単語の開始アドレスに変更され、文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータが変更後のアドレスから合成音声により発生される。
【0011】
また本発明に係る音声合成装置は上述の構成において更に、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、道路交通情報に関する定型案内文章のデータを記憶した定型案内文章データ記憶手段と、位置検出手段と、前記地図データ記憶手段が記憶している地図データ中の前記位置検出手段が検出している位置に応じて前記定型案内文章データ記憶手段から定型案内文章のデータを読み出して合成音声として発生すべき文章を作成する案内文章作成手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
このような本発明に係る音声合成装置では、地図データ記憶手段が記憶している地図データ中の位置検出手段が検出している位置に応じて定型案内文章データ記憶手段から定型案内文章のデータが読み出されて合成音声で発生されるべき文章が作成されるため、カーナビゲーションシステムにおいて利用者が音声案内を聞き逃した場合に再度発生させることが容易に可能になる。
【0013】
更に本発明に係る音声合成装置は上述の構成において、前記所定の属性の単語は、地名及び/又は数字であることを特徴とする。
【0014】
このような本発明に係る音声合成装置では、カーナビゲーションシステムにおいて利用者が音声案内を聞き逃した場合に、地名または渋滞距離、交差点までの距離等の部分から再度発生させることが容易に可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る音声合成装置をカーナビゲーションシステムに適用した場合の構成例を示すブロック図である。
【0016】
図1において、参照符号9は本発明に係る音声合成装置の制御部を示しており、その外部にはVICS用のチューナ11を介してアンテナ10と、 GPS受信機12と、CD-ROMドライブ13と、プッシュスイッチ14と、スピーカ15とが接続されている。
【0017】
VICS用のチューナ11は制御部9内のVICSデータ用のバッファメモリ2に、 GPS受信機12は車輌位置検出部4に、CD-ROMドライブ13は地図データ用のバッファメモリ7に、プッシュスイッチ14は制御部9に、スピーカ15は音声合成部8にそれぞれ接続されている。
【0018】
制御部9内には上述した各構成要素の他に、定型案内文章データが予め格納されているメモリ1と、アドレス移動幅算定部3と、案内文章作成部5とが備えられている。
【0019】
メモリ1には定型案内文章データが予め格納されている。この定型案内文章データは、具体的にはたとえば「方面は、から、2、kmの、渋滞です、しばらく道なりに進むルートです。」等のデータであり、このような定型案内文章データが案内文章作成部5に与えられると、「方面」、「から」の前に地名データが挿入される。
【0020】
VICSデータ用のバッファメモリ2はチューナ11が受信したVICSデータをバッファリングし、案内文章作成部5に与える。
【0021】
車輌位置検出部4は GPS受信機12が受信したGPS(Groval Positioning System)信号から車輌位置(現在位置)を検出し、案内文章作成部5及び地図データ用のバッファメモリ7に与える。
【0022】
バッファメモリ7は車輌位置検出部4が検出している車輌位置を中心とする所定範囲の領域に対応する地図データをCD-ROMドライブ13から読み出してバッファリングする。このバッファメモリ7にバッファリングされている地図データは案内文章作成部5に与えられる。
【0023】
案内文章作成部5は、上述のように、VICSデータ用のバッファメモリ2と定型案内文章データ用のメモリ1と車輌位置検出部4と地図データ用のバッファメモリ7とからデータを入力し、後述するように案内文章を作成する。作成された案内文章は音声合成部8へ出力されてスピーカ15から合成音声として発生されると共にFIFOメモリ6にも送られてバッファリングされる。
【0024】
音声合成部8は、上述の案内文章作成部5から与えられる案内文章のデータを言語解析する解析部81と、FIFOメモリ6にバッファリングされているデータをアドレス移動幅算定部3から与えられる音声合成開始アドレスから合成音声としてスピーカ15から発生させる合成音声発生部82との二つの機能を含む。
【0025】
音声合成部8の解析部81は、案内文章作成部5から与えられる案内文章のデータを言語解析することにより、音声合成を行なうために必要な種々の情報を検出し、その結果の解析データをFIFOメモリ6に格納する。具体的には、解析部81は文章を構成する各単語の品詞情報、係り受け状態を分析し、読み、アクセント、ポーズ長を決定し、たとえば図2(a) 及び図2(b) の模式図に示されているような解析結果をFIFOメモリ6に格納する。図中、「S3」はポーズ記号であり本実施の形態では100msec に設定されている。「↑」及び「↓」はアクセントの上げ下げを指定するアクセント記号を示している。「\plc\ 」は地名データの先頭開始ラベルを、「\num\ 」は数詞データの先頭開始ラベルをそれぞれ示している。
【0026】
アドレス移動幅算定部3はFIFOメモリ6にバッファリングされている各1単位の案内文章(「。」で区切られた範囲)中の上述のような地名データの先頭開始アドレスと、数詞データの先頭開始アドレスとを検出し、記憶する。また、最後にFIFOメモリ6に格納された案内文章のデータの先頭のアドレスを音声合成開始アドレスPとして記憶する。
【0027】
音声合成部8の合成音声発生部82は、アドレス移動幅算定部3が記憶している音声合成開始アドレスPが与えられた場合に、FIFOメモリ6に格納されている案内文章のデータを対応するアドレスから音声合成してスピーカ15へ出力することにより、合成音声として発生させる。
【0028】
プッシュスイッチ14は、これがn回操作された場合にアドレス移動幅算定部3が記憶している音声合成開始アドレスPをそれ以前にFIFOメモリ6に格納された案内文章のデータのn個前の地名データまたは数詞データの先頭開始アドレスに変更する。これにより、音声合成部8はFIFOメモリ6にバッファリングされているデータをアドレス移動幅算定部3から与えられた音声合成開始アドレスPから読み出してスピーカ15へ出力する。
【0029】
以上のような構成の本発明の音声合成装置の動作について、案内文章作成部5により二つの案内文章「国道1号線、守口方面は、大日交差点から2kmの渋滞です。」と「しばらく道なりに進むルートです。」という案内文章が連続して作成された場合を例として以下に説明する。
【0030】
アンテナ10により受信されたVICSデータにより本発明の音声合成装置が搭載された自動車の進行方向前方の交差点で2kmの渋滞が発生していることが判明し、更にナビゲーション機能により現在の車輌位置が「国道1号線」の「大日交差点」の手前を「守口」方面へ走向していると判明したとする。
【0031】
この場合、案内文章作成部5はメモリ1に予め格納されている定型案内文章データ「方面は、から、2、kmの、渋滞です、しばらく道なりに進むルートです。」と、CD-ROMドライブ13によりCD-ROMから読み出された地名データ「国道1号線」と「大日交差点」と「守口」とから案内文章「国道1号線、守口方面は、大日交差点から2kmの渋滞です。」を、またナビゲーション機能により案内文章「しばらく道なりに進むルートです。」をそれぞれ作成する。制御部9は車輌位置検出部4により検出されている車輌位置に基づいて上述の案内文章を適宜のタイミングで案内文章作成部5から音声合成部8へ転送させるが、この時点ではスピーカ15による合成音声の発生は行なわれず、解析部81により以下のような言語解析が行なわれる。
【0032】
まず、解析部81は各単語の品詞情報、係り受け状態を分析し、読み、アクセント、ポーズ長を決定し、図2(a) の模式図に示されているような解析結果がFIFOメモリ6に格納する。図2(a) において、「S3」はポーズ記号であり本実施の形態では100msec に設定されている。「↑」及び「↓」はアクセントの上げ下げを指定するアクセント記号を示している。「\plc\ 」は地名データの先頭開始ラベルを、「\num\ 」は数詞データの先頭開始ラベルをそれぞれ示している。
【0033】
このようにして音声合成部8の解析部81により得られた解析結果のデータがFIFOメモリ6に格納されると、アドレス移動幅算定部3が音声合成開始アドレスPと各地名データ及び数詞データの先頭開始アドレスA,B,C,Dを記憶する。但し、第1の案内文ではアドレスAは音声合成開始アドレスPと一致している。アドレス移動幅算定部3では新たに案内文章のデータがFIFOメモリ6に格納される都度、上述同様に、各案内文の音声合成開始アドレスと各地名データ及び数詞データの先頭開始アドレスを更新記憶する。
【0034】
上述のようにして一旦FIFOメモリ6に格納された解析データの音声合成開始アドレスPからFIFOメモリ6の先頭アドレス(最後にFIFOメモリ6に格納された案内文章の解析データの末尾)までのデータが音声合成部8へ転送され、合成音声発生部82によりアクセント記号、ポーズ記号等に従って音声合成され、「国道1号線、守口方面は、大日交差点から2kmの渋滞です。」とスピーカ15から合成音声で発生される。
【0035】
次に、第2の案内文章が案内文章作成部5から音声合成部8へ転送されて解析部81により上述の第1の案内文章と同様にして言語解析されるが、その結果を図2(b) の模式図に示す。
【0036】
この第2の案内文章の解析データが音声合成部8からFIFOメモリ6に転送されて記憶される際には、先にFIFOメモリ6に記憶されている第1の案内文章の解析データの各アドレスは新たに格納された解析データ全体のデータ長に対応するアドレス幅だけ移動することになる。従って、図2(a) に示されている第1の案内文章の解析データの音声合成開始アドレスPと図2(b) に示されている第2の案内文章の解析データの音声合成開始アドレスPとの差のアドレス幅だけ、第1の解析データの各アドレスA,B,C,Dはそれぞれ移動したアドレスA', B', C', D'としてアドレス移動幅算定部3に更新記憶される。
【0037】
そして、第2の解析データが音声合成部8へ転送され、合成音声発生部82により音声合成されて「しばらく道なりに進むルートです。」とスピーカ15から合成音声として発生される。
【0038】
ところで、上述の第2の案内情報がスピーカ15から発生され始めた時点で利用者が第1の案内情報を聞き逃したことに気が付いたとすると、利用者はプッシュスイッチ14を操作する。これにより、制御部9は音声合成部8の合成音声発生部82に対して音声合成を直ちに停止させると共に、アドレス移動幅算定部3に対して音声合成開始アドレスPをその時点の第2の案内文の先頭から直前の地名データまたは数詞データの先頭開始アドレスに移動させる。これにより音声合成開始アドレスPは第1の案内文の地名データまたは数詞データの先頭開始アドレスの内の最後のアドレスへであるD'へ移動すると共に、そのアドレス以降のデータをFIFOメモリ6から音声合成部8へ出力させる。この結果、アドレスD'以降の案内文、即ち「2kmの渋滞です。しばらく道なりに進むルートです。」が合成音声発生部82により合成されてスピーカ15から合成音声で再度発生される。
【0039】
ところで本実施の形態では、プッシュスイッチ14をn回操作した場合にアドレス移動幅算定部3は音声合成開始アドレスPをn個前の地名データまたは数詞データの先頭開始アドレスに移動させるように構成されている。従って、上述同様の第2の案内情報がスピーカ15から発生され始めた時点で利用者がプッシュスイッチ14を2回操作した場合には、音声合成開始アドレスPは第1の案内文のアドレスC'へ移動し、この結果案内文「大日交差点から2kmの渋滞です。しばらく道なりに進むルートです。」とスピーカ15から合成音声で再度発生される。
【0040】
図3は上述のような本発明の音声合成装置をカーナビゲーションシステムに適用した場合の動作手順を示すフローチャートである。
【0041】
プッシュスイッチ14が操作されたか否かがまず調べられ (ステップS11)、”NO" である場合は次に案内文章作成部5で案内文章が作成されたか否かが調べられる (ステップS12)。案内文章が作成されていない場合にはステップS11 へ処理が戻される。
【0042】
案内文章作成部5で案内文章が作成された場合 (ステップS12 で”YES")、その言語解析が音声合成部8の解析部81で行なわれ (ステップS13)、その結果として得られる解析データがFIFOメモリ6に記憶される (ステップS14)。この際、アドレス移動幅算定部3は新たにFIFOメモリ6に記憶された案内文章の解析データの先頭を音声合成開始アドレスPに更新すると共に、それまでにFIFOメモリ6に記憶されていた案内文章データの各アドレスを新たにFIFOメモリ6に記憶された案内文章の解析データのデータ長に従ってそれぞれ変更する (ステップS15)。
【0043】
次に、FIFOメモリ6に記憶されているデータの音声合成開始アドレスPから先頭アドレスまでのデータが音声合成部8へ送られて合成音声発生部82によりスピーカ15から合成音声で発生される (ステップS16)。
【0044】
上述のステップS16 の音声合成開始アドレスPから先頭アドレスまでのデータが音声合成部8へ送られてスピーカ15から合成音声で発生が開始された後に、プッシュスイッチ14が操作されると (ステップS11 で”YES")、その操作回数nだけ音声合成開始アドレスPが前のアドレス(地名データまたは数詞データの先頭開始アドレス)へ戻され (ステップS21)、ステップS16 においてそのアドレスから案内文の合成音声による発生が再開される。
【0045】
なお本実施の形態では、FIFOメモリ6には128kビットのSRAMを使用しており、約8000文字の案内文章をバッファリングすることが可能であり、またアドレス移動幅算定部3に保持されるアドレスは音声合成開始アドレスPの他に5個までとしてあるが、前述の案内文章の例のように一般的な渋滞情報を対象とする場合には十分実用的である。
【0046】
更に本実施の形態では、アドレス移動幅算定部3が保持するアドレス、換言すれば音声合成部8により検出されるアドレスは地名データ及び数詞データの先頭アドレスとしているが、いずれか一方としてもよい。また更に、本実施の形態ではカーナビゲーションシステムに適用するためにアドレス移動幅算定部3が保持するアドレスは地名データ及び数詞データの先頭アドレスとしているが、使用目的に応じて他のデータの先頭アドレスをアドレス移動幅算定部3に保持させるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明に係る音声合成装置によれば、文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータが解析手段により言語解析されて所定の属性の単語の開始アドレスが検出され、アドレス記憶手段により文章データ記憶手段が記憶しているデータ中の解析手段が検出した所定の属性の単語のアドレスが記憶されると共に、最後に記憶された文章のデータの先頭のアドレスが音声合成開始アドレスとして記憶されている。そして、たとえばプッシュスイッチのようなアドレス変更手段が操作されることにより、アドレス記憶手段が記憶している音声合成開始アドレスがそれ以前に記憶された文章のデータ中の単語の開始アドレスに変更され、文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータが変更後のアドレスから合成音声により発生されるため、音声案内を聞き逃した場合に再度発生する際に、無駄無しに発生することが可能になる。
【0048】
また、本発明に係る音声合成装置によれば、地図データ記憶手段が記憶している地図データ中の位置検出手段が検出している位置に応じて定型案内文章データ記憶手段から定型案内文章のデータが読み出されて案内文章が作成されるため、カーナビゲーションシステムにおいて利用者が音声案内を聞き逃した場合に再度発生させることが容易に可能になる。
【0049】
更に、本発明に係る音声合成装置によれば、カーナビゲーションシステムにおいて利用者が音声案内を聞き逃した場合に、地名または渋滞距離、交差点までの距離等の部分から再度発生させることが容易に可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音声合成装置をカーナビゲーションシステムに適用した場合の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る音声合成装置による言語解析の結果を示す模式図である。
【図3】本発明の音声合成装置をカーナビゲーションシステムに適用した場合の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メモリ(定型案内文章データ用)
3 アドレス移動幅算定部
4 車輌位置検出部
5 案内文章作成部
6 FIFOメモリ
7 バッファメモリ(地図データ用)
8 音声合成部
13 CD-ROMドライブ
14 プッシュスイッチ
15 スピーカ
81 解析部
82 合成音声発生部
【発明の属する技術分野】
本発明は音声合成装置に関し、特にカーナビゲーションシステムのような車載タイプの音声案内装置に有効な音声合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌、特に自動車の現在位置を検出してその付近の交通情報等を外部から受信して報知するVICS(Vehicle Information Communication System:道路交通情報通信システム)が実用化されている。また既に、地図データベースと現在位置と目的地とを照合して経路案内を行なうナビゲーションシステムは広く普及している。
【0003】
更に、近年では安全性の見地から、上述のようなシステムにおいては種々の案内を音声で報知する構成が一般的になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような従来の音声案内を行なうカーナビゲーションシステムは、システム内で交通情報が生成される都度、リアルタイムに音声で報知されるため、ドライバがそれに気付いた時点では案内の最初の部分を聞き逃すことが多い。たとえば、「国道1号線、守口方面は、大日交差点から2kmの渋滞です。しばらく道なりに進むルートです。」という二つの案内文が音声で報知された場合、第2の案内文である「しばらく道なりに進むルートです。」を聞き取ることが出来ても第1の案内文を聞き逃す場合がはあり、また第1の案内文の内の後半の「大日交差点から2kmの渋滞です。」という部分を聞き取ることが出来ても前半の「国道1号線、守口方面は」の部分を聞き逃した場合には、自分の進行方向前方で渋滞が発生しているのか、または逆方向で渋滞が発生しているのかが判明しない。
【0005】
このため、音声案内のデータをバッファメモリに一時記憶しておき、プッシュスイッチ等の簡便で安全な手段の操作により再度発生させることを可能にすることが考えられるが、その場合にはバッファメモリに蓄積されているデータの全てが再度発生されることになる。バッファメモリは通常はFIFO(First In First Out:先入れ先き出し)方式であるため、バッファメモリの容量が大きい場合には目的とする案内文が再度発生されるまでにそれ以前に行なわれた案内が発生されることになる。また、バッファメモリの容量が小さい場合には目的とする案内の全てがバッファリングされない可能性が生じる。
【0006】
ところで、音声案内の内でも利用者が本当に望んでいる情報は限られている。たとえばカーナビゲーションシステムの渋滞情報の場合には、渋滞が発生している場所、方向及び距離である。従って、音声案内を再度発生させる場合には必ずしも案内文の先頭から再度発生させる必要は無く、利用者が望んでいる部分から発生させることが出来ればよいことになる。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、音声合成により発生される合成音声の内の特定の種類の属性の単語に溯って再度合成音声を発生させることを可能にした音声合成装置の提供を目的とする。
【0008】
また本発明は、合成音声により報知される文章の内の利用者にとって必要な部分、たとえば地名、距離等から再度発生させることを可能として、カーナビゲーションシステムに好適な音声合成装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る音声合成装置は、合成音声として発生すべき文章のデータを記憶する文章データ記憶手段と、該文章データ記憶手段が記憶しているデータを言語解析することにより合成音声として発生する音声合成手段とを備えた音声合成装置であって、前記音声合成手段は、前記文章データ記憶手段が記憶している文章のデータを言語解析することにより所定の種類の属性の単語の開始アドレスを検出する解析手段と、前記文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータを音声合成開始アドレスとして指示されたアドレスから合成音声として発声する合成音声発声手段とを有し、前記文章データ記憶手段が記憶しているデータ中の前記解析手段が検出した単語の開始アドレスを記憶すると共に、最後に記憶された文章のデータの先頭のアドレスを音声合成開始アドレスとして記憶するアドレス記憶手段と、適宜の操作が行なわれた場合に、前記アドレス記憶手段が記憶している音声合成開始アドレスをそれ以前に記憶された文章のデータ中の単語の開始アドレスに変更させる音声合成開始アドレス変更手段とを備え、前記合成音声発生手段は、音声合成開始アドレスが前記音声合成開始アドレス変更手段の操作により変更された場合に、前記文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータを変更後のアドレスから合成音声により発生すべくなしてあることを特徴とする。
【0010】
このような本発明に係る音声合成装置では、文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータが解析手段により言語解析されて所定の属性の単語の開始アドレスが検出され、アドレス記憶手段により文章データ記憶手段が記憶しているデータ中の解析手段が検出した所定の属性の単語のアドレスが記憶されると共に、最後に記憶された文章のデータの先頭のアドレスが音声合成開始アドレスとして記憶されている。そして、たとえばプッシュスイッチのようなアドレス変更手段が操作されることにより、アドレス記憶手段が記憶している音声合成開始アドレスがそれ以前に記憶された文章のデータ中の単語の開始アドレスに変更され、文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータが変更後のアドレスから合成音声により発生される。
【0011】
また本発明に係る音声合成装置は上述の構成において更に、地図データを記憶した地図データ記憶手段と、道路交通情報に関する定型案内文章のデータを記憶した定型案内文章データ記憶手段と、位置検出手段と、前記地図データ記憶手段が記憶している地図データ中の前記位置検出手段が検出している位置に応じて前記定型案内文章データ記憶手段から定型案内文章のデータを読み出して合成音声として発生すべき文章を作成する案内文章作成手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
このような本発明に係る音声合成装置では、地図データ記憶手段が記憶している地図データ中の位置検出手段が検出している位置に応じて定型案内文章データ記憶手段から定型案内文章のデータが読み出されて合成音声で発生されるべき文章が作成されるため、カーナビゲーションシステムにおいて利用者が音声案内を聞き逃した場合に再度発生させることが容易に可能になる。
【0013】
更に本発明に係る音声合成装置は上述の構成において、前記所定の属性の単語は、地名及び/又は数字であることを特徴とする。
【0014】
このような本発明に係る音声合成装置では、カーナビゲーションシステムにおいて利用者が音声案内を聞き逃した場合に、地名または渋滞距離、交差点までの距離等の部分から再度発生させることが容易に可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係る音声合成装置をカーナビゲーションシステムに適用した場合の構成例を示すブロック図である。
【0016】
図1において、参照符号9は本発明に係る音声合成装置の制御部を示しており、その外部にはVICS用のチューナ11を介してアンテナ10と、 GPS受信機12と、CD-ROMドライブ13と、プッシュスイッチ14と、スピーカ15とが接続されている。
【0017】
VICS用のチューナ11は制御部9内のVICSデータ用のバッファメモリ2に、 GPS受信機12は車輌位置検出部4に、CD-ROMドライブ13は地図データ用のバッファメモリ7に、プッシュスイッチ14は制御部9に、スピーカ15は音声合成部8にそれぞれ接続されている。
【0018】
制御部9内には上述した各構成要素の他に、定型案内文章データが予め格納されているメモリ1と、アドレス移動幅算定部3と、案内文章作成部5とが備えられている。
【0019】
メモリ1には定型案内文章データが予め格納されている。この定型案内文章データは、具体的にはたとえば「方面は、から、2、kmの、渋滞です、しばらく道なりに進むルートです。」等のデータであり、このような定型案内文章データが案内文章作成部5に与えられると、「方面」、「から」の前に地名データが挿入される。
【0020】
VICSデータ用のバッファメモリ2はチューナ11が受信したVICSデータをバッファリングし、案内文章作成部5に与える。
【0021】
車輌位置検出部4は GPS受信機12が受信したGPS(Groval Positioning System)信号から車輌位置(現在位置)を検出し、案内文章作成部5及び地図データ用のバッファメモリ7に与える。
【0022】
バッファメモリ7は車輌位置検出部4が検出している車輌位置を中心とする所定範囲の領域に対応する地図データをCD-ROMドライブ13から読み出してバッファリングする。このバッファメモリ7にバッファリングされている地図データは案内文章作成部5に与えられる。
【0023】
案内文章作成部5は、上述のように、VICSデータ用のバッファメモリ2と定型案内文章データ用のメモリ1と車輌位置検出部4と地図データ用のバッファメモリ7とからデータを入力し、後述するように案内文章を作成する。作成された案内文章は音声合成部8へ出力されてスピーカ15から合成音声として発生されると共にFIFOメモリ6にも送られてバッファリングされる。
【0024】
音声合成部8は、上述の案内文章作成部5から与えられる案内文章のデータを言語解析する解析部81と、FIFOメモリ6にバッファリングされているデータをアドレス移動幅算定部3から与えられる音声合成開始アドレスから合成音声としてスピーカ15から発生させる合成音声発生部82との二つの機能を含む。
【0025】
音声合成部8の解析部81は、案内文章作成部5から与えられる案内文章のデータを言語解析することにより、音声合成を行なうために必要な種々の情報を検出し、その結果の解析データをFIFOメモリ6に格納する。具体的には、解析部81は文章を構成する各単語の品詞情報、係り受け状態を分析し、読み、アクセント、ポーズ長を決定し、たとえば図2(a) 及び図2(b) の模式図に示されているような解析結果をFIFOメモリ6に格納する。図中、「S3」はポーズ記号であり本実施の形態では100msec に設定されている。「↑」及び「↓」はアクセントの上げ下げを指定するアクセント記号を示している。「\plc\ 」は地名データの先頭開始ラベルを、「\num\ 」は数詞データの先頭開始ラベルをそれぞれ示している。
【0026】
アドレス移動幅算定部3はFIFOメモリ6にバッファリングされている各1単位の案内文章(「。」で区切られた範囲)中の上述のような地名データの先頭開始アドレスと、数詞データの先頭開始アドレスとを検出し、記憶する。また、最後にFIFOメモリ6に格納された案内文章のデータの先頭のアドレスを音声合成開始アドレスPとして記憶する。
【0027】
音声合成部8の合成音声発生部82は、アドレス移動幅算定部3が記憶している音声合成開始アドレスPが与えられた場合に、FIFOメモリ6に格納されている案内文章のデータを対応するアドレスから音声合成してスピーカ15へ出力することにより、合成音声として発生させる。
【0028】
プッシュスイッチ14は、これがn回操作された場合にアドレス移動幅算定部3が記憶している音声合成開始アドレスPをそれ以前にFIFOメモリ6に格納された案内文章のデータのn個前の地名データまたは数詞データの先頭開始アドレスに変更する。これにより、音声合成部8はFIFOメモリ6にバッファリングされているデータをアドレス移動幅算定部3から与えられた音声合成開始アドレスPから読み出してスピーカ15へ出力する。
【0029】
以上のような構成の本発明の音声合成装置の動作について、案内文章作成部5により二つの案内文章「国道1号線、守口方面は、大日交差点から2kmの渋滞です。」と「しばらく道なりに進むルートです。」という案内文章が連続して作成された場合を例として以下に説明する。
【0030】
アンテナ10により受信されたVICSデータにより本発明の音声合成装置が搭載された自動車の進行方向前方の交差点で2kmの渋滞が発生していることが判明し、更にナビゲーション機能により現在の車輌位置が「国道1号線」の「大日交差点」の手前を「守口」方面へ走向していると判明したとする。
【0031】
この場合、案内文章作成部5はメモリ1に予め格納されている定型案内文章データ「方面は、から、2、kmの、渋滞です、しばらく道なりに進むルートです。」と、CD-ROMドライブ13によりCD-ROMから読み出された地名データ「国道1号線」と「大日交差点」と「守口」とから案内文章「国道1号線、守口方面は、大日交差点から2kmの渋滞です。」を、またナビゲーション機能により案内文章「しばらく道なりに進むルートです。」をそれぞれ作成する。制御部9は車輌位置検出部4により検出されている車輌位置に基づいて上述の案内文章を適宜のタイミングで案内文章作成部5から音声合成部8へ転送させるが、この時点ではスピーカ15による合成音声の発生は行なわれず、解析部81により以下のような言語解析が行なわれる。
【0032】
まず、解析部81は各単語の品詞情報、係り受け状態を分析し、読み、アクセント、ポーズ長を決定し、図2(a) の模式図に示されているような解析結果がFIFOメモリ6に格納する。図2(a) において、「S3」はポーズ記号であり本実施の形態では100msec に設定されている。「↑」及び「↓」はアクセントの上げ下げを指定するアクセント記号を示している。「\plc\ 」は地名データの先頭開始ラベルを、「\num\ 」は数詞データの先頭開始ラベルをそれぞれ示している。
【0033】
このようにして音声合成部8の解析部81により得られた解析結果のデータがFIFOメモリ6に格納されると、アドレス移動幅算定部3が音声合成開始アドレスPと各地名データ及び数詞データの先頭開始アドレスA,B,C,Dを記憶する。但し、第1の案内文ではアドレスAは音声合成開始アドレスPと一致している。アドレス移動幅算定部3では新たに案内文章のデータがFIFOメモリ6に格納される都度、上述同様に、各案内文の音声合成開始アドレスと各地名データ及び数詞データの先頭開始アドレスを更新記憶する。
【0034】
上述のようにして一旦FIFOメモリ6に格納された解析データの音声合成開始アドレスPからFIFOメモリ6の先頭アドレス(最後にFIFOメモリ6に格納された案内文章の解析データの末尾)までのデータが音声合成部8へ転送され、合成音声発生部82によりアクセント記号、ポーズ記号等に従って音声合成され、「国道1号線、守口方面は、大日交差点から2kmの渋滞です。」とスピーカ15から合成音声で発生される。
【0035】
次に、第2の案内文章が案内文章作成部5から音声合成部8へ転送されて解析部81により上述の第1の案内文章と同様にして言語解析されるが、その結果を図2(b) の模式図に示す。
【0036】
この第2の案内文章の解析データが音声合成部8からFIFOメモリ6に転送されて記憶される際には、先にFIFOメモリ6に記憶されている第1の案内文章の解析データの各アドレスは新たに格納された解析データ全体のデータ長に対応するアドレス幅だけ移動することになる。従って、図2(a) に示されている第1の案内文章の解析データの音声合成開始アドレスPと図2(b) に示されている第2の案内文章の解析データの音声合成開始アドレスPとの差のアドレス幅だけ、第1の解析データの各アドレスA,B,C,Dはそれぞれ移動したアドレスA', B', C', D'としてアドレス移動幅算定部3に更新記憶される。
【0037】
そして、第2の解析データが音声合成部8へ転送され、合成音声発生部82により音声合成されて「しばらく道なりに進むルートです。」とスピーカ15から合成音声として発生される。
【0038】
ところで、上述の第2の案内情報がスピーカ15から発生され始めた時点で利用者が第1の案内情報を聞き逃したことに気が付いたとすると、利用者はプッシュスイッチ14を操作する。これにより、制御部9は音声合成部8の合成音声発生部82に対して音声合成を直ちに停止させると共に、アドレス移動幅算定部3に対して音声合成開始アドレスPをその時点の第2の案内文の先頭から直前の地名データまたは数詞データの先頭開始アドレスに移動させる。これにより音声合成開始アドレスPは第1の案内文の地名データまたは数詞データの先頭開始アドレスの内の最後のアドレスへであるD'へ移動すると共に、そのアドレス以降のデータをFIFOメモリ6から音声合成部8へ出力させる。この結果、アドレスD'以降の案内文、即ち「2kmの渋滞です。しばらく道なりに進むルートです。」が合成音声発生部82により合成されてスピーカ15から合成音声で再度発生される。
【0039】
ところで本実施の形態では、プッシュスイッチ14をn回操作した場合にアドレス移動幅算定部3は音声合成開始アドレスPをn個前の地名データまたは数詞データの先頭開始アドレスに移動させるように構成されている。従って、上述同様の第2の案内情報がスピーカ15から発生され始めた時点で利用者がプッシュスイッチ14を2回操作した場合には、音声合成開始アドレスPは第1の案内文のアドレスC'へ移動し、この結果案内文「大日交差点から2kmの渋滞です。しばらく道なりに進むルートです。」とスピーカ15から合成音声で再度発生される。
【0040】
図3は上述のような本発明の音声合成装置をカーナビゲーションシステムに適用した場合の動作手順を示すフローチャートである。
【0041】
プッシュスイッチ14が操作されたか否かがまず調べられ (ステップS11)、”NO" である場合は次に案内文章作成部5で案内文章が作成されたか否かが調べられる (ステップS12)。案内文章が作成されていない場合にはステップS11 へ処理が戻される。
【0042】
案内文章作成部5で案内文章が作成された場合 (ステップS12 で”YES")、その言語解析が音声合成部8の解析部81で行なわれ (ステップS13)、その結果として得られる解析データがFIFOメモリ6に記憶される (ステップS14)。この際、アドレス移動幅算定部3は新たにFIFOメモリ6に記憶された案内文章の解析データの先頭を音声合成開始アドレスPに更新すると共に、それまでにFIFOメモリ6に記憶されていた案内文章データの各アドレスを新たにFIFOメモリ6に記憶された案内文章の解析データのデータ長に従ってそれぞれ変更する (ステップS15)。
【0043】
次に、FIFOメモリ6に記憶されているデータの音声合成開始アドレスPから先頭アドレスまでのデータが音声合成部8へ送られて合成音声発生部82によりスピーカ15から合成音声で発生される (ステップS16)。
【0044】
上述のステップS16 の音声合成開始アドレスPから先頭アドレスまでのデータが音声合成部8へ送られてスピーカ15から合成音声で発生が開始された後に、プッシュスイッチ14が操作されると (ステップS11 で”YES")、その操作回数nだけ音声合成開始アドレスPが前のアドレス(地名データまたは数詞データの先頭開始アドレス)へ戻され (ステップS21)、ステップS16 においてそのアドレスから案内文の合成音声による発生が再開される。
【0045】
なお本実施の形態では、FIFOメモリ6には128kビットのSRAMを使用しており、約8000文字の案内文章をバッファリングすることが可能であり、またアドレス移動幅算定部3に保持されるアドレスは音声合成開始アドレスPの他に5個までとしてあるが、前述の案内文章の例のように一般的な渋滞情報を対象とする場合には十分実用的である。
【0046】
更に本実施の形態では、アドレス移動幅算定部3が保持するアドレス、換言すれば音声合成部8により検出されるアドレスは地名データ及び数詞データの先頭アドレスとしているが、いずれか一方としてもよい。また更に、本実施の形態ではカーナビゲーションシステムに適用するためにアドレス移動幅算定部3が保持するアドレスは地名データ及び数詞データの先頭アドレスとしているが、使用目的に応じて他のデータの先頭アドレスをアドレス移動幅算定部3に保持させるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明に係る音声合成装置によれば、文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータが解析手段により言語解析されて所定の属性の単語の開始アドレスが検出され、アドレス記憶手段により文章データ記憶手段が記憶しているデータ中の解析手段が検出した所定の属性の単語のアドレスが記憶されると共に、最後に記憶された文章のデータの先頭のアドレスが音声合成開始アドレスとして記憶されている。そして、たとえばプッシュスイッチのようなアドレス変更手段が操作されることにより、アドレス記憶手段が記憶している音声合成開始アドレスがそれ以前に記憶された文章のデータ中の単語の開始アドレスに変更され、文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータが変更後のアドレスから合成音声により発生されるため、音声案内を聞き逃した場合に再度発生する際に、無駄無しに発生することが可能になる。
【0048】
また、本発明に係る音声合成装置によれば、地図データ記憶手段が記憶している地図データ中の位置検出手段が検出している位置に応じて定型案内文章データ記憶手段から定型案内文章のデータが読み出されて案内文章が作成されるため、カーナビゲーションシステムにおいて利用者が音声案内を聞き逃した場合に再度発生させることが容易に可能になる。
【0049】
更に、本発明に係る音声合成装置によれば、カーナビゲーションシステムにおいて利用者が音声案内を聞き逃した場合に、地名または渋滞距離、交差点までの距離等の部分から再度発生させることが容易に可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音声合成装置をカーナビゲーションシステムに適用した場合の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る音声合成装置による言語解析の結果を示す模式図である。
【図3】本発明の音声合成装置をカーナビゲーションシステムに適用した場合の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メモリ(定型案内文章データ用)
3 アドレス移動幅算定部
4 車輌位置検出部
5 案内文章作成部
6 FIFOメモリ
7 バッファメモリ(地図データ用)
8 音声合成部
13 CD-ROMドライブ
14 プッシュスイッチ
15 スピーカ
81 解析部
82 合成音声発生部
Claims (3)
- 合成音声として発生すべき文章のデータを記憶する文章データ記憶手段と、該文章データ記憶手段が記憶しているデータを言語解析することにより合成音声として発生する音声合成手段とを備えた音声合成装置において、前記音声合成手段は、前記文章データ記憶手段が記憶している文章のデータを言語解析することにより所定の種類の属性の単語の開始アドレスを検出する解析手段と、前記文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータを音声合成開始アドレスとして指示されたアドレスから合成音声として発声する合成音声発声手段とを有し、
前記文章データ記憶手段が記憶しているデータ中の前記解析手段が検出した単語の開始アドレスを記憶すると共に、最後に記憶された文章のデータの先頭のアドレスを音声合成開始アドレスとして記憶するアドレス記憶手段と、
適宜の操作が行なわれた場合に、前記アドレス記憶手段が記憶している音声合成開始アドレスをそれ以前に記憶された文章のデータ中の単語の開始アドレスに変更させる音声合成開始アドレス変更手段と
を備え、
前記合成音声発生手段は、音声合成開始アドレスが前記音声合成開始アドレス変更手段の操作により変更された場合に、前記文章データ記憶手段に記憶されている文章のデータを変更後のアドレスから合成音声により発生すべくなしてあることを特徴とする音声合成装置。 - 地図データを記憶した地図データ記憶手段と、
道路交通情報に関する定型案内文章のデータを記憶した定型案内文章データ記憶手段と、
位置検出手段と、
前記地図データ記憶手段が記憶している地図データ中の前記位置検出手段が検出している位置に応じて前記定型案内文章データ記憶手段から定型案内文章のデータを読み出して合成音声として発生すべき文章を作成する案内文章作成手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の音声合成装置。 - 前記所定の属性の単語は、地名及び/又は数字であることを特徴とする請求項2に記載の音声合成装置。
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